JP2011166188A - ビルドアップ用絶縁シート、金属箔付き絶縁シートおよび多層プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の絶縁シートは、硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、該絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上であることを特徴とするものである。また、本発明の金属箔付き絶縁シートは、上記絶縁シートと、金属箔とが積層されていることを特徴とするものである。また、本発明の多層プリント配線板は、上記絶縁シートを用いることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
ビルドアップ工法により得られる多層プリント配線板は、主に樹脂のみで構成される絶縁層と導体層とを順次積層して成形して層間接続を行うことにより回路配線の高密度化を図っている。
また、半導体チップ搭載用基板は、さらなる小型化、高速化を図るために半導体チップとの接続に微細なバンプを使用したFC(Flip・Chip)を搭載する構造が採用されている。
近年、FCにおいては、微細バンプ形成の容易さや、環境に対して有害な鉛の使用を抑える目的等から、高温半田(pb95等)による液相−固相拡散接続に替わり、金スタッドバンプによる固相−固相拡散接続が採用される場合が多い。このため、半導体チップ搭載用基板には、高温、高圧下での半導体チップの実装性および半導体チップ搭載後の実装信頼性が要求される。
しかし、従来のビルドアップ配線板からなる半導体チップ搭載用基板は、金スタッドバンプによる固相−固相拡散接続時にバンプ接続用のパッドが沈み込むことにより接続不良を引き起こしたりして実装性が不十分であった。
さらに従来の半導体チップ搭載用基板は、絶縁層の厚さが変化することにより絶縁不良を引き起こしたりして実装信頼性が不十分であった。
このような問題は、多層プリント配線板の他の分野においても生じていた。
また、本発明の目的は、半導体チップの実装性に優れる多層プリント配線板を提供することである。
(1)硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、該絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上であることを特徴とする絶縁シート。
(2)硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、該絶縁シートの250℃での弾性率をA[MPa]とし、200℃での弾性率をB[MPa]としたとき、(A−B)/50≧−60[MPa/℃]なる関係を満足することを特徴とする絶縁シート。
(3)前記絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上である上記(2)に記載の絶縁シート。
(4)前記硬化性樹脂は、2以上の同種または異種の硬化性樹脂を含むものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の絶縁シート。
(5)前記硬化性樹脂は、重量平均分子量が異なる2以上の硬化性樹脂を含むものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の絶縁シート。
(6)前記硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の絶縁シート。
(7)前記無機充填材は、球状シリカである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の絶縁シート。
(8)前記無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の20〜70重量%である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の絶縁シート。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の絶縁シートと、金属箔とが積層されていることを特徴とする金属箔付き絶縁シート。
(10)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の絶縁シートを用いることを特徴とする多層プリント配線板。
また、本発明によれば、半導体チップの実装性に優れる多層プリント配線板を提供することができる。
また、硬化性樹脂としてシアネート樹脂を用い、特定粒径を有する無機充填材と組み合わせた場合、特に実装性を向上することができる。
本発明の絶縁シートは、硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、該絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の絶縁シートは、硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、該絶縁シートの250℃での弾性率をA[MPa]とし、200℃での弾性率をB[MPa]としたとき(A−B)/50≧−60[MPa/℃]であることを特徴とするものである。
また、本発明の金属箔付き絶縁シートは、上記絶縁シートと、金属箔とが積層されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記絶縁シートを用いることを特徴とするものである。
本発明の絶縁シートは、硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであり、該絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上である。これにより、本発明の絶縁シートを用いて多層プリント配線板(特に半導体チップ搭載用基盤)の半導体チップの実装性を向上することができる。すなわち、絶縁シートが250℃という高温においても高い弾性率を有しているため、金スタッドバンプ接続時に生じるパッドの沈み込みを改善することができる。したがって、絶縁不良が生じることなく半導体チップの実装性を向上することができる。
さらに、絶縁シートが半導体チップを搭載するような高温においても高い弾性率を有しているため、金スタッドバンプによるバンプ接続時に用いる超音波がバンプ接続部へ有効に伝達されるため、バンプ接続部の強度を向上することもできる。したがって、半導体チップ搭載後の実装信頼性も向上することができる。
なお、前記絶縁シートの弾性率(貯蔵弾性率)は、例えば動的粘弾性測定装置(DMA)で測定することができる。測定条件としては、例えば引っ張りモードで5℃/分の昇温速度が挙げられる。
前記弾性率は、半導体チップ搭載時に、1つのバンプ当たりにかかる圧力が約100[MPa]であることから見積もられたものである。すなわち、絶縁シートの弾性率が1つのバンプにかかる圧力以上であれば、圧縮変形に耐え得るものとなる。
絶縁シートの弾性率は、実装性の点では高ければ高いほど好ましい。しかし、250℃での弾性率が高く、後述する熱膨張率が大きい場合にはバンプへの応力が大きくなり実装信頼性が低下する場合がある。すなわち、実装信頼性が低下する理由は、高弾性率を有する絶縁シートの熱膨張率と、半導体チップの熱膨張率との差が大きい場合、バンプに加わる応力歪が大きくなる場合があるからである。
また、半導体チップ搭載時の絶縁シートの圧縮変形量は、特に限定されないが、10μm以下が好ましく、特に5μm以下が好ましく、最も2μm以下が好ましい。圧縮変形量が前記範囲内であると、実装性に特に優れる。
前記シアネート樹脂のシアネート基は、加熱により3量化し、高い架橋密度を有するトリアジン環を形成する。そのため、シアネート樹脂を用いると、特に高温領域における高弾性率化が図れる。特にガラス転移温度以上の温度における弾性率が低下するのを改善することができる。
前記シアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜4,500が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であると架橋密度が小さく半導体チップの実装信頼性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応が完結できない場合がある。
前記重量平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いたポリスチレン換算で測定することができる。
また、硬化性樹脂として、特にシアネート樹脂を用いる場合、その含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の10〜60重量%が好ましく、特に25〜40重量%が好ましい。
前記2以上の同種の硬化性樹脂とは、例えばノボラック型シアネート樹脂とビスフェノール型シアネート樹脂との組み合わせ、ノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂等との組み合わせを挙げることができる。
また、前記2以上の異種の硬化性樹脂とは、例えばシアネート樹脂とエポキシ樹脂、シアネート樹脂とノボラック樹脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂、シアネート樹脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂等との組み合わせを挙げることができる。これらの中でもシアネート樹脂、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の組み合わせが好ましい。フェノール樹脂は、シアネート樹脂の架橋反応を促進するのに有効であり、シアネート樹脂の触媒として作用した後、エポキシ樹脂の硬化剤として作用することができるからである。そのため、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化物が、シアネート樹脂の架橋反応により生じる自由体積をより低減し、それによって耐湿性を向上することができる。
具体的には、例えば第1のエポキシ樹脂と、前記第1のエポキシ樹脂よりも重量平均分子量の高い第2のエポキシ樹脂との混合物を含むことが好ましい。これにより、プレス成形時の回路埋め込み性とフロー制御との両立を図ることができる。
前記硬化触媒としては、例えばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルトオクチル酸錫、オクチル酸コバルト等に代表される有機金属塩、銅アセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート等に代表される有機金属錯体、トリエチルアミン、トリブチルアミン、キノリン、イソキノリン等の三級アミン類、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、フェノール、ノニルフェノール、カテコール、ピロガール、ジヒドロキシナフタレンに代表される芳香族ヒドロキシ化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メチル−イミダゾール)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ビス(シアノエトキシメチルイミダゾール)あるいはトリアジン付加型イミダゾール等に代表されるイミダゾール類等がある。これらは単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
前記絶縁シートの250℃での弾性率A[MPa]と、200℃での弾性率B[MPa]との関係(A−B)/50は、−50[MPa/℃]以上を満足することが好ましく、特に−30〜0[MPa/℃]を満足することが好ましい。前記範囲内で特に半導体チップの実装性を向上することができる。
また、前記関係を満足する絶縁シートの250℃の弾性率は、特に限定されないが、100[MPa]以上であることが好ましい。これにより、特に高温での半導体チップの実装性に優れる。
本発明の金属箔付きシートは、前記絶縁シートと、金属箔とが積層されているものである。
すなわち、金属箔の少なくとも片面に前記絶縁シートが形成されているものである。
前記金属箔付き絶縁シートを製造する方法としては、例えば予め作製した絶縁シートと金属箔とを加熱加圧する方法、金属箔に絶縁シートを構成する樹脂組成物のワニスを塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中でも金属箔に絶縁シートを構成する樹脂組成物のワニスを塗布して乾燥する方法が好ましい。これにより、効率良く金属箔付き絶縁シートを製造することができる。
また、前記金属箔付き絶縁シートの絶縁層の厚さは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると特に絶縁層の割れ等を防止する効果を向上することができる。
本発明の多層プリント配線板は、前記絶縁シートを用いるものである。
例えば、内層回路の片面または両面に前記絶縁シートを重ね合わせて、さらに導体層を形成して得られる。また、内層回路の片面または両面に上記の金属箔付き絶縁シートを重ね合わせて加熱、加圧して得られる。
前記加熱温度は、特に限定されないが、140〜240℃が好ましい。前記加圧圧力は、特に限定されないが、10〜40kg/cm2が好ましい。
前記内層回路板は、例えば銅張積層板の両面に回路を形成し、黒化処理したもの等を挙げることができる。
1.樹脂ワニスの調製
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(PT−30、ロンザ株式会社製、重量平均分子量1,300)20重量%と、ノボラック型シアネート樹脂(PT−60、ロンザ株式会社製、重量平均分子量2,300)10重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275、JER製、重量平均分子量57,000)10重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P、日本化薬株式会社製、エポキシ当量275)19.5重量%と、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)0.5重量%とをメチルエチルケトンに溶解、分散させた。
更に、エポキシシランカップリング剤(A−187、日本ユニカー株式会社製)を無機充填材100重量部に対して0.5重量部添加して表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H、アドマテックス株式会社製)40重量%を無機充填材として配合し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌してR.C.65%の樹脂ワニスを得た。
上記樹脂ワニスを厚さ18μmの銅箔のアンカー面に、乾燥後の樹脂厚さが60μmとなるようコンマコーターにて塗工して銅箔付き絶縁シートを得た。
上記銅箔付き絶縁シートの絶縁シート面を重ね合わせて、圧力2MPa、温度200℃で90分加熱加圧成形し、両面の銅箔をエッチング除去して、厚さ120μmの樹脂板を作製した。絶縁シートの250℃の弾性率は、1,500MPaであった。
上記銅箔付き絶縁シートを、所定の内層回路が形成されたプリント配線板に重ねて、圧力3.5MPa、温度200℃で90分加熱加圧成形した。内外層の接続は、CO2レーザによるウインドー法にて行い、所定の導体パターンを有する4層ビルドアップ配線板を作製した。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(PT−30)20重量%と、ノボラック型シアネート樹脂(PT−60)5重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)15重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)9.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)50重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、1,600MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(PT−30)20重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)20重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)19.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)40重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、300MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(上述のPT−30)を20重量%と、ノボラック型シアネート樹脂(上述のPT−60)40重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)5重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)4.8重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.2重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)30重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、1,000MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(PT−30)20重量%と、ノボラック型シアネート樹脂(PT−60)15重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)15重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)19.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)30重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、700MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ノボラック型シアネート樹脂(PT−30)を10重量%と、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)10重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000)9.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)70重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、2,100MPaであった。
無機充填材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
無機充填材として、破砕状シリカ(SQ−PL2 株式会社イズミテック社製)40重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、1,700MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、多官能エポキシ樹脂(エピコートE1031S)25重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000)4.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として球状溶融シリカ(SO−25H)の配合量を70重量%とした。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、1,000MPaであった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
硬化性樹脂として、ビスフェノールA型、F型混合エポキシ樹脂(エピコート4275)40重量%と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)19.5重量%とを用い、硬化剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.5重量%と、無機充填材として表面処理した球状溶融シリカ(SO−25H)40重量%を用いた。なお、絶縁シートの250℃の弾性率は、測定不能であった。
1.熱時弾性率
熱時弾性率は、厚さ120μmの樹脂板で、DMA(TAインスツルメンツ製)を用いて5℃/分で昇温し、250℃の貯蔵弾性率および200℃での貯蔵弾性率をそれぞれ測定した。
熱膨張率は、厚さ120μmの樹脂板で、TMA(TAインスツルメンツ製)を用いて10℃/分で昇温し、50〜150℃の熱膨張率を測定した。
実装性は、ツールボンディングしたときのパッド沈み込み量で評価した。具体的には、絶縁層厚さ60μm、パッド仕様60μm径の多層プリント配線板に、ボールボンダー(K&S社製4524A)を用い、ツール径;50μmφ、加重;120g、温度;250℃で、超音波を印加しながら1秒間ツールボンディングした。
300個のバンプを介して半導体素子と多層プリント配線板を接続するデイジーチェーン型の評価用半導体パッケージを10個作製した。
上述の評価用半導体パッケージの導通を確認後、−50℃で10分、125℃で10分を1サイクルとする温度サイクル(TC)試験を実施した。TC試験1,000サイクル後の断線不良個数を評価した。
上記の評価用半導体パッケージを121℃/100%(2気圧)で196時間処理した後の不良個数を評価した。
内外層に導体間隔50μmのくし形パターンを有する、絶縁信頼性試験用の4層プリント配線板を作製し、これらの絶縁抵抗を自動超絶縁抵抗計(ADVANTEST社製)で測定した後、85℃/85%の雰囲気中で、直流電圧50Vを印加、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。測定時の印加電圧は100Vで1分とし、絶縁抵抗(Ω)を評価した。
また、実施例1〜8は、温度サイクル試験において不良個数が無く、耐熱性にも優れていた。
また、実施例1〜8は、PCT試験においても不良個数が無く、耐湿性にも優れていた。
また、実施例2、6および8は、特に熱膨張率が低くなっていた。
Claims (10)
- 硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、
該絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上であることを特徴とする絶縁シート。 - 硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物で構成される絶縁シートであって、
該絶縁シートの250℃での弾性率をA[MPa]とし、200℃での弾性率をB[MPa]としたとき、
(A−B)/50≧−60[MPa/℃]なる関係を満足することを特徴とする絶縁シート。 - 前記絶縁シートの250℃での弾性率が100[MPa]以上である請求項2に記載の絶縁シート。
- 前記硬化性樹脂は、2以上の同種または異種の硬化性樹脂を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の絶縁シート。
- 前記硬化性樹脂は、重量平均分子量が異なる2以上の硬化性樹脂を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁シート。
- 前記硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載の絶縁シート。
- 前記無機充填材は、球状シリカである請求項1ないし6のいずれかに記載の絶縁シート。
- 前記無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の20〜70重量%である請求項1ないし7のいずれかに記載の絶縁シート。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の絶縁シートと、金属箔とが積層されていることを特徴とする金属箔付き絶縁シート。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の絶縁シートを用いることを特徴とする多層プリント配線板。
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