JP2011165733A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低電圧で稼動し、配線の取り回しなどが容易で、コンパクトなリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】交流電源ACから、1kHz以上、100kHz以下の周波数で電圧を印加すると、それに応じて駆動コイルDRCLが交番磁界を発生し、これに影響された超磁歪素子4が膨縮することで、シャフト1の表面に弾性波が発生する。このとき、超磁歪素子4が、シャフト1の共振周波数より高く励振するか低く励振するかによって発生する表面波のビート周波数が変化することを利用して、シャフト1を嵌合部材2に対して所望の軸線方向に移動させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、リニアアクチュエータに関し、特に高精度に制御可能なリニアアクチュエータに関する。
小さい光学部品等を高精度に移動させるリニアアクチュエータが知られている。従来のリニアアクチュエータでは、移動子の位置検出手段が外付けであるものが一般的であり、このため部品点数やコストの増大を招き、また位置検出手段を実装したリニアアクチュエータは比較的体積が大きく、かかるリニアアクチュエータを搭載する装置の大型化を招いていた。
これに対し、特許文献1に示すように、圧電素子を用いてよりシンプルな構成を実現したリニアアクチュエータも知られている。かかるリニアアクチュエータは、所定の電気信号を与えることによってその電気信号に応じた変位を発生する圧電素子の積層方向すなわち変位方向の一方の端面に棒状の係合部材が固定されており、また被駆動部材に固定された板ばねの弾発力によって被駆動部材の摺接穴が係合部材に圧接され、係合部材と被駆動部材とが摩擦係合するようになっている。
圧電素子に高周波電流を付与して繰り返し膨縮させることにより、係合部材を微小に往復移動させることができる。ここで、係合部材がゆっくり移動するときには、被駆動部材は、摩擦係合部における摩擦力によって係合部材とともに移動する。一方、係合部材がある程度以上速く移動して慣性力が摩擦係合部の摩擦力より大きくなったときには、摩擦係合部において滑りが生じ、被駆動部材は静止または略静止したまま、係合部材だけが移動する。したがって、係合部材の一方向の移動時には、被駆動部材を係合部材とともに一体的に移動して送る一方、係合部材の他方向の移動時には、滑りによって被駆動部材を静止または略静止させたまま係合部材を移動させ、これを繰り返すことによって、被駆動部材を一方向に間欠的に移動させることができる。
特開平04−69070号公報
ところで、従来のリニアアクチュエータで用いられる圧電素子は、比較的安価で入手しやすいという利点があるが、一般的に駆動には数100Vの高電圧が必要な割に、変位量が1μm程度と非常に小さく、小型軽量にすると絶縁性や変位量が低下し、信頼性や機能が低下するという問題がある。また、圧電素子は容量成分が大きく、駆動時に遅れが生じやすいこと、クリープ特性などがあり一定では無いため位置検出とフィードバック回路が必要なことなどにより、実は小型軽量なアクチュエータには使いにくい材料であったといえる。
図1は、参考例として示すリニアアクチュエータの断面図であり、外筒OCと内筒ICとの間に、圧電素子PZTが組み込まれたものである。外部電源ACから圧電素子PZTに高電圧を印加することで、圧電素子PZTが膨縮して内筒ICを励振させ、これにより外筒OCに対して内筒ICを軸線方向に移動できるようになっている。
ここで、図1のリニアアクチュエータは、外筒OCの内側に圧電素子PZTを貼り付けるため、電極や配線の引き回しを工夫し、且つ高駆動電圧の絶縁対策などを施す必要があり、製作が非常に煩雑となるものである。また、内筒ICを共振させるため駆動周波数を非常に高く設定する必要があるので、外筒OCと内筒ICの材料と圧電素子PZTの材料を接着する接着剤が振動破壊したり、或いは振動摩擦熱による加熱により圧電素子PZTが外れ、振動特性が急低下するなどの現象を招く恐れがある。又、リニアアクチュエータの製作時のバラツキにより、その後の使用寿命の長短が発生し、品質が不安定となる恐れがある。更に、外筒OCに対する内筒ICの位置検出については、上述したように別途部品や検出回路が必要となるので、このリニアアクチュエータ自体は簡素であっても、これが組み込まれる装置や機器のコンパクト化を図れないという問題もある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低電圧で稼動し、配線の取り回しなどが容易で、コンパクトなリニアアクチュエータを提供することを目的とする。
請求項1に記載のリニアアクチュエータは、
中空のシャフトと、
前記シャフト内に配置され、1kHz以上、100kHz以下の周波数で振動させる超磁歪素子を用いた振動子と、
前記シャフトの外周に対して所定の摩擦力で嵌合するようにしばりばめ状態で嵌合した嵌合部材と、を有し、
前記振動子が前記シャフトを振動させたときは、前記嵌合部材に対して前記シャフトが相対移動し、
前記振動子が前記シャフトを振動させないときは、前記所定の摩擦力により前記嵌合部材に対する前記シャフトの相対移動が阻止されるようになっていることを特徴とする。
磁界の変化によって変位を生じる超磁歪素子が開発されている。超磁歪素子は、コイルに付与した電流により生じた磁界中で膨縮する性質を有するが、わずか数Vで駆動できるので、圧電素子に比べると回路負担が遙かに軽く、他の回路との整合性も取り易いという利点がある。また、負荷がリアクタンスのため高速駆動ができ、非接触で駆動できること、かつ変位量や発生力も圧電素子などに比べ遙かに大きいこと、さらに耐熱性が380℃と高いため回路基板の半田付けリフロー炉(260℃程)に直接投入することも可能であり、耐リフロー性があることから、リニアアクチュエータの駆動源としてもすぐれている。このように駆動源としての特性では、従来の圧電素子よりも使いやすい素子であったが、これまでは単結晶の素子材料しかなかったため、材料価格が大変高価であり、汎用的なリニアアクチュエータへ使うことが難しかった。しかし、最近では粉体焼結により超磁歪素子を安価に製作できるようになってきたため、広範な利用が期待されている。本発明は、かかる超磁歪素子を用いたリニアアクチュエータを実用化するものである。このような超磁歪素子を使うことで、駆動電圧を、圧電素子で用いる数百Vから数ボルトへ一挙に低減でき、これにより湿度や絶縁不良により感電や漏電、他の素子の破壊などを防止でき、安全性が非常に高いリニアアクチュエータを実現できる。尚、「非磁性」とは、透磁率10未満かつ1以上である特性をいう。又、超磁歪素子としては、例えば特開平5−129677号公報に記載されたものを用いることができる。
しかるに、圧電素子と比較して超磁歪素子が大きな歪みを持つとしても、これだけではリニアアクチュエータに必要な移動量を確保することはできない。そこで、本発明においては、超磁歪素子を1kHz以上、100kHz以下の周波数で振動させることにより、前記シャフトに表面弾性波を発生させ、前記嵌合部材に対して前記シャフトを相対的に前進させたり後進させたりできるようにしたのである。尚、嵌合部材のシャフトへの締まり具合は、充分に摩擦力が働いて不用意に嵌合部材が動かない程度であり、その嵌合穴公差については、JIS B0401の中間嵌めの押し込み(js6)から締まり嵌めの圧入(p6)までの範囲を言い、より好ましくは中間嵌めの打ち込み(k6)から軽圧入(n6)の範囲を指す。
請求項2に記載のリニアアクチュエータは、請求項1に記載の発明において、前記リニアアクチュエータの超磁歪素子において、これを励振する磁界を発生するコイルを、前記嵌合部材に配置したことを特徴とするので、コンパクトな構成を提供できる。
請求項3に記載のリニアアクチュエータは、請求項1又は2に記載の発明において、前記シャフトの位置を検出する検出手段を、前記嵌合部材に設けたことを特徴とする。検出手段を前記リニアアクチュエータに内蔵することで、別個の検出装置を設ける必要がなくなり、小型軽量であるリニアアクチュエータの搭載性が高まる。
請求項4に記載のリニアアクチュエータは、請求項3に記載の発明において、前記検出手段は、前記超磁歪素子と磁気結合することで、その位置を検出する差動コイルを前記嵌合部材に設けたことを特徴とする。即ち超磁歪素子を、差動トランスの一部として用いることで、更なるコンパクト化を図れるのである。差動トランスの構造上、超磁歪素子は非接触且つ無配線で駆動検出できるため、極めて簡素で信頼性が高く、低コストなリニアアクチュエータを実現できる。また、配線をシャフトには全く設けず、シャフトの外側にある嵌合部材に集中させることができるため、リニアアクチュエータを他の機器に組み込んだ際の配線も非常に容易であり場所を選ばず、他の機器の実装設計も簡素容易ならしめる。更に、嵌合部材を固定し、シャフトを移動させる場合、シャフトの移動による配線の引きずりがなく、配線の長寿命を図れる。
請求項5に記載のリニアアクチュエータは、請求項4に記載の発明において、前記差動コイルの少なくとも一部を、前記超磁歪素子の励振用に兼用することを特徴とする。励振コイルと一次コイルの巻き位置が嵌合部材上でほぼ同じため、兼用することにより小型軽量化がさらに促進される。また、励振と検出の両目的で周波数が同一とすることができるため、両周波数が重畳した検出信号から分波するプロセスを不要とでき、検出回路も簡素にすることができる。
別な形態として、位置検出にしては、励振周波数は数k〜100kHz程度と高いため、位置検出回路用に2桁程低い一次コイル周波数を重畳し、2つの周波数でコイルを駆動しても良い。この場合は、検出信号に簡素なローパスフィルタを通すことで、分波して位置信号を獲得できるが、超磁歪素子の膨縮は、重畳した位置検出用周波数にも反応して動作するため、場合によっては不要振動が発生しないように、振幅を制御する必要がある。
請求項6に記載のリニアアクチュエータは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記シャフトは円筒状であり、前記嵌合部材は前記シャフトの周囲に配置された円管状であり、前記シャフトと前記嵌合部材との間には、前記嵌合部材に対して前記シャフトが軸線回りに回動することを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする。かかる阻止手段により前記嵌合部材に対して前記シャフトが軸線回りに回動することを阻止することができる。
請求項7に記載のリニアアクチュエータは、請求項6に記載の発明において、前記阻止手段は、前記シャフトの周囲に形成された凸部と、前記嵌合部材の内周に軸線方向に沿って形成され前記凸部が係合する溝であることを特徴とする。これにより簡素な回り止めを実現できる。
請求項8に記載のリニアアクチュエータは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記シャフトは角筒状であり、前記嵌合部材は前記シャフトの周囲に配置された角管状であることを特徴とする。これにより構造上、前記嵌合部材に対して前記シャフトが軸線回りに回動することを阻止することができる。
請求項9に記載のリニアアクチュエータは、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記シャフトは金属ガラスを素材とすることを特徴とする。金属ガラスは、磁界を乱さない非磁性の材料であり、均一なガラス質の金属であるため、共振の周波数が高く金属疲労(結晶間の滑り)が無い、硬度も高く摩耗しにくいといった特徴を有するから、高い周波数による摩擦駆動の本発明では安定した特性維持と長寿命化が図れ、好適である。また、金属ガラスの大きな特徴である加熱軟化によって、高温下(金属組成によるが、300〜600℃程)で組成変形することができるので、この状態で磁性材料を埋め込むことができ、接着剤などを使わずにシャフトと超磁歪材料を固定でき、振動によっても緩むことが無く、高い信頼性を確保できる。
金属ガラスは、過冷却液体域を有する非晶質合金(アモルファス状合金ともいう)とも呼ばれ、加熱すると過冷却液体となるアモルファス状の合金である。これは、通常の金属が多結晶組成であるのに対して、組織がアモルファス状のため組成がミクロ的にも均一で機械強度や常温化学耐性に優れ、ガラス転移点を有し、ガラス転移点+50〜200℃前後(これを過冷却液体域という)に加熱すると軟化するためプレス成形加工が出来るという、通常の金属に無い特徴を有する。尚、前記シャフトの素材としては、オーステナイト系のステンレス等も用いることができる。
本発明によれば、低電圧で稼動し、配線の取り回しなどが容易で、コンパクトなリニアアクチュエータを提供することができる。
参考例にかかる圧電素子を用いたアクチュエータを示す図である。 本実施の形態にかかるリニアアクチュエータの斜視図である。 本実施の形態にかかるリニアアクチュエータの断面図である。 差動コイルを用いた検出手段の原理を示す図である。 (a)は駆動コイルDRCLの駆動波形であり、(b)は第1の検出コイルDTCAの検出波形であり、(c)は第2の検出コイルDTCBの検出波形であり、(d)は検出コイルDTCA,DTCBの検出値の差分をとった波形を示す図である。 変形例にかかるリニアアクチュエータの断面図である。 変形例にかかるリニアアクチュエータの斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図2は、本実施の形態にかかるリニアアクチュエータの斜視図であり、図3は、本実施の形態にかかるリニアアクチュエータの断面図である。尚、リニアアクチュエータの構成としては、シャフトを固定して嵌合部材を移動する場合と、嵌合部材を固定してシャフトと移動する場合とがあるが、本実施の形態では後者を説明する。
図2において、金属ガラスからなる中空円筒形状のシャフト1の周囲に、円管状の嵌合部材2がしばりばめ状態で摩擦嵌合している。シャフト1の外周には凸部1aが形成され、嵌合部材2の内周に軸線方向に延在するように形成されたストレート溝2aに嵌合している。これにより、嵌合部材2に対してシャフト1は、静摩擦力を超えた力を付与すると軸線方向に移動可能であるが、周方向には移動不能となっている。
図3において、シャフト1の内部には、超磁歪素子4が固定配置されている。超磁歪素子4は、中央の中央大径部4aと、中央大径部4aの両端に同軸に連結された大径部4aより小径の小径部4bと、小径部4bの端部に同軸に連結された小径部4bより大径の端部大径部4cとを有する。端部大径部4cは、シャフト1の内周に接着されているが、中央大径部4aはシャフト1に接着されていない。
中央大径部4aの周囲には嵌合部材2が配置されている。不図示のフレームに固定された嵌合部材2は、円筒隔壁2bにより外側空間と内側空間とに隔てられた二重構造を有しており、ストレート溝2aより半径方向外側に位置する内側空間には、駆動コイルDRCLが配置されている。一方、外側空間は更にフランジ隔壁2cにより軸線方向に二分された空間を含み、一方の空間には検出コイルDTCAが配置され、他方の空間には検出コイルDTCAが配置されている。尚、駆動コイルDRCL、検出コイルDTCA、DTCBは、図4に示すごとき検出回路に接続されている。尚、検出回路は図3にて図示を省略する。
ここで、図4を参照して差動コイルを用いた検出手段の原理について説明する。図4において、交流電源VOに接続された駆動コイルDRCLの長手方向に沿って、巻線方向が互いに逆方向であり連結された等しい長さの第1の検出コイルDTCAと第2の検出コイルDTCBが配置されている。第1の検出コイルDTCAは第1の電圧計VAに接続され、第2の検出コイルDTCBは第2の電圧計VBに接続されている。
ここで、駆動コイルDRCLと、第1の検出コイルDTCA及び第2の検出コイルDTCBに近接して、超磁歪素子4の中央大径部4aを配置し、駆動コイルDRCLに図5(a)に示すごとき交流電圧を印加すると、中央大径部4aを介して生じる磁気結合により、第1の検出コイルDTCA及び第2の検出コイルDTCBに位相が異なる交流の起電力が発生する。
しかるに、図1に点線で示すように、中央大径部4aの中点が、第1の検出コイルDTCAと第2の検出コイルDTCBの交点に一致する位置(中立位置)である場合、第1の検出コイルDTCA及び第2の検出コイルDTCBに発生する交流の起電力は、巻数比に応じた値となるので、検出コイルの巻数が等しければ位相が逆で振幅が等しい値となる。従って、第1の電圧計VAの検出値(図5(b)参照)と第2の電圧計VBの検出値(図5(c)の点線参照)の差分をとると、ほぼゼロになる(図5(d)の点線参照)。
これに対し、図4に実線で示すように、中央大径部4aが第1の検出コイルDTCA側にシフトすると、巻数比が低下した第2の検出コイルDTCBに発生する交流の起電力が小さくなる(図5(c)の実線参照)ので、第1の電圧計VAの検出値と第2の電圧計VBの検出値の差分(VA-B)をとると、第1の電圧計VAの検出波形と位相が同じで、それより振幅が小さな波形が現れる(図5(d)の実線参照)。明らかであるが、中央大径部4aが第2の検出コイルDTCB側にシフトすると、第2の電圧計VBの検出波形と位相が同じで、それより振幅が小さな波形が現れることとなる。これを整流し平滑すると、DC電圧として中央大径部4aの位置検出が可能となる。即ち、差分をとった波形の位相と振幅値を求めることで、駆動コイルDRCLに対する中央大径部4a即ちシャフト1の移動方向と、移動距離とを求めることができる。
第1の検出コイルDTCA及び第2の検出コイルDTCBの巻き方が逆でかつ対称性が良ければ、図4の中点タップCTは不要で、検出コイルの両端電圧がそのまま差動電圧VA-Bとして出力される。また、コイルは通常、磁気結合が高くできるように中心に磁性材料が入る円筒スリーブ周りに全て同軸で巻かれる。ただ、検出コイル上に駆動コイルを巻く場合や、軸線方向中心に駆動コイルを巻き両端に検出コイルを巻くなど、コイルの巻き型には種類があるが、本発明はこれには拘泥しない。このように構成した検出装置を差動トランスまたはLVDT(Linear Variable Differential Transformer)と呼び、nmオーダーの磁性材料の変位を非接触で精度良く検出することができる。
本実施の形態にかかるリニアアクチュエータの動作について、図3により説明する。本実施の形態では、駆動コイルDRCLが交流電源ACに接続されており、即ち励振用のコイルを兼ねている。まず、交流電源ACが電圧を印加しない状態では、シャフト1は嵌合部材2に対してしばりばめ状態で摩擦嵌合しており、摩擦によりその場に留まるようになっている。
一方、交流電源ACから、1kHz以上、100kHz以下の周波数で電圧を印加すると、それに応じて駆動コイルDRCLが交番磁界を発生し、これに影響された超磁歪素子4が膨縮することで、シャフト1の表面に弾性波が発生する。このとき、超磁歪素子4が、シャフト1の共振周波数より高く励振するか低く励振するかによって発生する表面波のビート周波数が変化することを利用して、シャフト1を嵌合部材2に対して所望の軸線方向に移動させることができる。
また、嵌合部材2に対してシャフト1は強く締まるしばりばめ状態で取り付けられているので、超磁歪素子4の駆動を中断して静止した時には、嵌合部材2は摩擦でシャフト1に強く保持され不用意に動くことは無い。つまり、直前の動作位置が保持されて(記憶されて)いるので、次に動作する時に、端点やゼロ点を探したりする動作を必要とせず、時間と電力を浪費しないというメリットがある。
シャフト1が嵌合部材2に対して移動した場合、図4,5を参照して説明したようにして、検出手段である駆動コイルDRCL、検出コイルDTCA、DTCBが、超磁歪素子4即ちシャフト1の移動方向と移動量とを検出できる。超磁歪曲素子の小径部4bは、位置検出に於いて差動検出の感度を上げるため、一次コイル(=励振コイル)の巻き長さの外側で磁界が急変するように細くしてあるが、膨縮動作による応力で破壊しない程度に細くする。
このように位置検出を差動トランスで行うが、その検出対象となる磁性体は超磁歪素子4を兼用するため新たな部品は必要とせず、部品点数を削減できる。嵌合部材2に設けられた差動コイルによって、超磁歪素子4の位置に応じて発生する検出コイルDTCA、DTCBの起電力を差動的に取り出し、整流・平滑化してアナログDC電圧として取り出すことで、精度良く位置を検出することができるのである。
このように、シャフト1を無配線とした状態でも、位置検出機能をリニアアクチュエータに組み込むことができるので、全体として小型軽量で容易に機器に実装でき、高精度・高信頼性かつ低コストであるリニアアクチュエータを提供できる。差動トランスにより検出された、シャフト1と嵌合部材2の相対位置を、シャフト1の位置決め駆動にフィードバックすることにより、精度の高い送り機構として使用することができる。
さらに、差動トランスの磁性体(超磁歪材料)を励磁する一次コイル(DRCL)を省略し、超磁歪素子4の励振コイルと兼用化することにより、一次コイルが減った分、嵌合部材2の寸法をさらに小型化でき、構造もより簡素になり駆動回路も減らせるため、信頼性を高められる。この場合は、励振周波数が数k〜10kHz程度と高いため、位置検出の周波数を2桁程低く設定して、励振周波数に検出回路の励磁用一次コイルの周波数を重畳し、2つの周波数でコイルを駆動しても良い。この場合は、検出コイルDTCA、DTCBの差動検出信号を簡素なローパスフィルタに通すことで、簡単に分波して位置信号を獲得できるが、超磁歪素子4の膨縮は、重畳した位置検出用周波数にも反応して動作するため、場合によっては不要振動が発生しないように、位置検出用の励磁振幅を制御して影響を低減する必要がある。
また、励振と位置検出の両目的の周波数を同一とすることもできるため、この場合は検出コイルDTCA、DTCBの差動検出信号を分波するプロセスが不要となるので、位置検出回路も簡素にすることができる。
図6は変形例にかかるリニアアクチュエータを示す断面図である。本変形例では、超磁歪素子4’が、シャフト1の両端に固定された端部大径部4c’と、これらを連結する小径部4b’とからなっている。嵌合部材2に対してシャフト1が移動して、端部大径部4c’が検出コイルDTCA又はDTCB内に進入すると、検出信号が変化するので、嵌合部材2に対してシャフト1が所定位置に移動したことがわかる。尚、端部大径部4c’と検出コイルDTCA又はDTCBとの間隔(Δ)は、シャフトのストローク量に応じて任意に設けても良いが、小径部4b’の長さを、検出コイルDTCA及びDTCBの長さと等しくしても良い。
図7は変形例にかかるリニアアクチュエータを示す斜視図である。本変形例では、シャフト1’は中空角筒状であり、嵌合部材2’は、シャフト1の外周に嵌合する角管状である。本変形例では、上述した実施の形態に示すような凸部とストレート溝を必要とすることなく、シャフト1’に対する嵌合部材2’の回り止めを実現できる。それ以外の構成については、上述した実施の形態と同様であるため説明を省略する。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定
して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
1、1’ シャフト
2、2’ 嵌合部材
4、4’ 超磁歪素子
4a 中央大径部
4b、4b’ 小径部
4c、4c’ 端部大径部
AC 交流電源
DRCL 駆動コイル
DTCA、DTCB 検出コイル

Claims (9)

  1. 中空のシャフトと、
    前記シャフト内に配置され、1kHz以上、100kHz以下の周波数で振動させる超磁歪素子を用いた振動子と、
    前記シャフトの外周に対して所定の摩擦力で嵌合するようにしばりばめ状態で嵌合した嵌合部材と、を有し、
    前記振動子が前記シャフトを振動させたときは、前記嵌合部材に対して前記シャフトが相対移動し、
    前記振動子が前記シャフトを振動させないときは、前記所定の摩擦力により前記嵌合部材に対する前記シャフトの相対移動が阻止されるようになっていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記リニアアクチュエータの超磁歪素子において、これを励振する磁界を発生するコイルを、前記嵌合部材に配置したことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記シャフトの位置を検出する検出手段を、前記嵌合部材に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記シャフトは非磁性であり、前記検出手段は、前記超磁歪素子と磁気結合することで、その位置を検出する差動コイルを前記嵌合部材に設けたことを特徴とする請求項3に記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記差動コイルの少なくとも一部を、前記超磁歪素子の励振用に兼用することを特徴とする請求項4に記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記シャフトは円筒状であり、前記嵌合部材は前記シャフトの周囲に配置された円管状であり、前記シャフトと前記嵌合部材との間には、前記嵌合部材に対して前記シャフトが軸線回りに相対回動することを阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記阻止手段は、前記シャフトの周囲に形成された凸部と、前記嵌合部材の内周に軸線方向に沿って形成され前記凸部が係合する溝であることを特徴とする請求項6に記載のリニアアクチュエータ。
  8. 前記シャフトは角筒状であり、前記嵌合部材は前記シャフトの周囲に配置された角管状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
  9. 前記シャフトは金属ガラスを素材とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102359068A (zh) * 2011-10-23 2012-02-22 湖南科技大学 斜拉桥拉索振动实行主动控制系统
JP2017510790A (ja) * 2013-12-19 2017-04-13 グレート プレインズ ディーゼル テクノロジーズ,エル.シー. 高速磁歪アクチュエータによる燃料圧力検出

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JP2017510790A (ja) * 2013-12-19 2017-04-13 グレート プレインズ ディーゼル テクノロジーズ,エル.シー. 高速磁歪アクチュエータによる燃料圧力検出

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