JP2011164709A - プレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置 - Google Patents

プレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的単純な幾何演算で、かつ従来の手法に比べ成型誤差をより減少できるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状が求まるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成技術を提供する。
【解決手段】本発明のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置は、基準形状とスプリングバック後形状のメッシュの対応頂点において、変位がゼロの拘束点集合を発見し、拘束点集合を初期補正済み頂点集合とし、補正済み頂点集合に含まれ、その1近傍頂点が未補正頂点集合に含まれる基準形状頂点において見込み形状頂点の候補点を算出し、未補正1近傍頂点は通常複数あるのでそれら候補点の重心点をその未補正頂点の見込形状頂点と定め、この頂点を補正済み頂点に更新する処理を、未補正頂点がなくなるまで繰り返すことによってスプリングバック見込み形状を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置に関する。
近年の自動車部品には、軽量化と強度保持のため、数100MPa〜1GPaの引張強さをもつ高張力鋼板の成型品が導入されている。高張力鋼板のプレス成型はスプリングバック量(弾性変形分の回復)が著しく、その防止対策が重要となっている。スプリングバック防止対策には様々な方法があるが、その1つとして予めスプリングバック後の成型品形状(以下、「スプリングバック後形状」と称する。)をCAEで推定し、プレス成型金型表面をスプリングバックの反対方向にオフセットした「スプリングバック見込み形状」に合わせて作成する方法が製造コストの観点から有利である(非特許文献1)。この方法によれば、成型品基準形状とスプリングバック後形状から、金型のスプリングバック見込み形状を近似的に推定する幾何演算が必要となるが、従来のスプリングバック見込み形状推定手法は演算アルゴリズムが単純すぎ、スプリングバック量が大きい場合、スプリングバック見込み形状金型で作られた成型品の成型誤差が許容値を超える問題が起きていた。
また、特開2007−286841号公報(特許文献1)に記載されている技術のように、基準金型によるプレス成型で得られるワークのスプリングバック後形状をシミュレーション演算し、ワークの下死点形状(基準形状)からスプリングバック後形状の各節点の変位ベクトルを求め、各節点に対する変位ベクトルを180度反転させた反転ベクトルを求め、反転ベクトルを用いてプレス成型金型のスプリングバック見込み形状を生成する技術が知られている。しかしながら、この従来技術にあっても、各節点において反転ベクトルを求めるだけであり、節点間の距離については考慮していないため、十分に精度の高いスプリングバック見込み形状金型が生成できない問題点があった。
特開2007−286841号公報
笹原孝利、「CAEによるプレス金型のスプリングバック見込み形状の最適化」、塑性と加工(日本塑性加工学会誌)、第46巻第534号、2005年7月、63−67ページ
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、比較的単純な幾何演算で、かつ従来の手法に比べ成型誤差をより減少できるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状が求まるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成技術を提供することを目的とする。
本発明のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置は、長さ一定の幾何拘束を近似的に保ちながら、スプリングバック見込み形状を生成することを特徴とする。
より詳しくは、本発明の1つの特徴は、コンピュータを用いたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法であって、(1)基準金型に対応する基準形状の三角形メッシュの頂点データ群を入力し、(2)スプリングバック見込み形状算出のための逆回転の補正係数αを設定し、(3)前記基準形状に対してプレス加工によるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群をスプリングバック解析により求め、(4)前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動頂点を求め、(5)前記不動頂点を開始基準点として、基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転R(θ )との合成変換で表現し、(6)前記基準形状とスプリングバック後形状との間で対応するメッシュ稜線長が不変であるという幾何拘束条件を設定し、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求める補正ベクトルd′ (=pCP1 −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCP1 j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法である。
本発明の別の特徴は、コンピュータを用いたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法であって、(1)基準金型に対応する基準形状の三角形メッシュの頂点データ群を入力し、(2)スプリングバック見込み形状算出のための第1回目から第n回目までの各回の逆回転の補正係数α(i=1,2,…,n)を設定し、(3)前記基準形状に対してプレス加工によるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群をスプリングバック解析により求め、(4)前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群間の誤差を求め、(5)前記誤差が許容範囲内の誤差であれば、前記基準形状を目標金型の形状としてその三角形メッシュの頂点データ群を出力し、(6)前記誤差が許容範囲内の誤差でない場合には、前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動頂点を求め、(7)前記不動頂点を開始基準点として、基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転R(θ )との合成変換で表現し、(8)前記基準形状とスプリングバック後形状との間で対応するメッシュ稜線長が不変であるという幾何拘束条件を設定し、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCPi を求める補正ベクトルd′ (=pCPi −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCPi j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求め、(9)前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を新たな基準形状の三角形メッシュの頂点データ群として、i=i+1にして前記(2)のステップからの処理を繰り返すプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法である。
本発明のまた別の特徴は、諸データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている補正係数αを読み出して出力する補正係数設定手段と、プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して鋼板をプレス成型加工することにより得られるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群を求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック解析手段と、前記基準形状と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動の三角形メッシュ頂点を求めて前記記憶手段に記憶する不動点抽出手段と、前記不動点抽出手段の求めた不動の三角形メッシュ頂点を開始基準点として、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )とを求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック変位演算手段と、前記基準形状の三角形メッシュの頂点データ群と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群とを比較し、前記基準形状とスプリングバック後形状との形状の誤差を演算して前記記憶手段に記憶する形状誤差演算手段と、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求める補正ベクトルd′ (=pCP1 −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、前記直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )に前記補正係数設定手段の出力する補正係数αを掛けて得られる直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCP1 j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック見込み形状演算手段と、少なくとも前記プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群の入力と前記逆回転の補正係数αの入力を受け付けて前記記憶手段に記憶させ、少なくとも前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を出力するデータ入出力手段とを備えたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成装置である。
本発明のさらに別の特徴は、諸データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から補正係数α(i=1,2,…,n)を読み出して出力する補正係数設定手段と、プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して鋼板をプレス成型加工することにより得られるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群を求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック解析手段と、前記基準形状とスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群の誤差を演算し、算出した誤差を許容値と比較し、比較結果を出力する形状一致判定手段と、前記基準形状と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動の三角形メッシュ頂点を求めて前記記憶手段に記憶する不動点抽出手段と、前記不動点抽出手段の求めた不動の三角形メッシュ頂点を開始基準点として、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )とを求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック変位演算手段と、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCPi を求める補正ベクトルd′ (=pCPi −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、前記直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )に前記補正係数設定手段の出力する補正係数αを掛けて得られる直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCPi j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック見込み形状演算手段と、前記形状一致判定手段により前記誤差が許容範囲内であると判定された場合には、前記スプリングバック解析手段が基準形状として用いた三角形メッシュの頂点データ群を目標金型形状の三角形メッシュの頂点データ群として出力し、前記誤差が許容範囲外であると判定された場合には、前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を新たな基準形状の三角形メッシュの頂点データ群とし、i=i+1とし、前記スプリングバック解析手段によるスプリングバック後形状の算出、形状一致判定手段による形状誤差の算出、不動点抽出手段による不動頂点の抽出、スプリングバック変位演算手段によるスプリングバック変位の算出、前記スプリングバック見込み形状演算手段によるスプリングバック見込み形状の算出を繰り返させる繰り返し制御手段と、少なくとも前記プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群の入力と前記逆回転の補正係数αの入力を受け付けて前記記憶手段に記憶させ、少なくとも前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を出力するデータ入出力手段とを備えたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成装置である。
本発明のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置によれば、長さ一定の幾何拘束条件を近似的に保ちながらスプリングバック見込み形状を生成することにより、比較的単純な幾何演算で、かつ従来の手法に比べ成型誤差をより減少できるプレス成型金型のスプリングバック見込み形状を求めることができる。
本発明の第1の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置の機能をブロックに分解して示した機能ブロック図。 本発明の第1、第2の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置によるプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成方法のシーケンス説明図。 本発明の第1の実施の形態における基準形状の一例の説明図。 本発明の第1の実施の形態における基準形状とスプリングバック後形状の一例の説明図。 本発明の第1の実施の形態における基準形状とスプリングバック見込み形状の一例の説明図。 本発明の第1の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置によるスプリングバック見込み形状生成動作のフローチャート。 本発明のスプリングバック見込み形状生成方法の原理の説明図。 本発明の第1の実施の形態における基準形状を三角形メッシュと共に示した図。 本発明の第1の実施の形態においてスプリングバック後形状と基準形状とを対比し、それぞれの三角形メッシュと共に示した図。 本発明の第1の実施の形態においてスプリングバック見込み形状、スプリングバック後形状、基準形状を対比し、それぞれの三角形メッシュと共に示した図。 本発明の第1の実施の形態により生成したスプリングバック見込み形状と基準形状とを重ねて示した図。 本発明の第1の実施の形態における基準形状、補正なしのスプリングバック後形状、補正係数α=1.2、1.5それぞれを用いたスプリングバック見込み形状からのスプリングバック後形状を対比して示す説明図。 本発明の第1の実施の形態における補正なしのスプリングバック後形状、補正係数α=1.2、1.5それぞれを用いたスプリングバック見込み形状からのスプリングバック後形状と基準形状との間の誤差分布のグラフ。 本発明の第2の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置の機能をブロックに分解して示した機能ブロック図。 本発明の第2の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置によるスプリングバック見込み形状生成動作のフローチャート。 本発明の第2の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置により補正係数を変えてそれぞれ2回の補正をして得たスプリングバック見込み形状と基準形状との誤差分布のグラフ。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態として、1回のスプリングバック解析結果に基づきスプリングバック見込み形状を生成するプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置について説明する。
本実施の形態の装置は、汎用のコンピュータシステムを用い、ソフトウェアプログラムをインストールして実行させることにより当該コンピュータシステムをプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置としたものであるが、専用の装置として実現することも可能である。
図1に示すコンピュータシステム1は、ハードウェアとしてプログラムデータ、入力データ、出力データ、中間データ等々を保持するために必要な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、大容量記憶装置、ディスプレイに表示するためのグラフィックスカード、他のコンピュータシステムとの間でデータ伝送するためのネットワークカード等々のインタフェースカード、マザーボード、CPU等々にて構成されているが、本実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置はそのようなコンピュータシステム上で動作する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置を各機能に分解して1つ1つのブロックとし、その全体の構成を示している。本実施の形態の装置10は、諸データを記憶する記憶部11、スプリングバック解析を実行するスプリングバック解析部12、スプリングバック後形状に対してスプリングバックによる移動が生じていない不動点を抽出する不動点抽出部13、スプリングバック後形状の三角形メッシュの各頂点の基準形状に対する変位を求めるスプリングバック変位演算部14、基準形状とスプリングバック後形状との形状の誤差を演算する誤差演算部15、スプリングバック後形状の変位に見合うスプリングバック見込み形状を求めるスプリングバック見込み形状演算部16、スプリングバック見込み形状演算に用いる補正係数を設定する補正係数設定部17を備えている。
本実施の形態のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成装置10は、さらに、諸データの入出力処理と制御を行う入出力制御部18、図形の3Dグラフィック表示、その他の情報の表示に必要な処理を行う表示処理部19を備えている。
尚、入出力制御部18は、例えばポインティングデバイスやキーボードからの操作入力を受け付け、他のコンピュータシステムやコンピュータ周辺装置とデータ授受し、ディスプレイに対して表示信号を出力する等、当該コンピュータシステム1に対するデータや信号のすべての入出力を処理し、制御するものとして1つにまとめて示したものである。装置内部の各構成要素間のデータの授受についても、内部伝送線110にて代表させて示してある。
次に、上記構成のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置の動作、したがって、そのスプリングバック見込み形状生成方法を説明する。
ステップS1:図2、図4に示すように、目標製品形状となる基準形状の三角形メッシュの頂点データ群は外部から入出力制御部18を通じて入力し、あるいは本コンピュータシステム1の別のソフトウェアを利用して生成して記憶部11に保存する。この基準形状の三角形メッシュの頂点データ群による基準形状DT1は、図3Aに示すようなものである。
ステップS2:スプリングバック解析部12は、記憶部11に保持させてある既存のスプリングバック解析ツール、例えば、JSTAMP(商品名)、PAM−STAMP(商品名)、Q−sheet(商品名)等のスプリングバック解析ツールを基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して実行し、高張力鋼板をプレス成型加工することにより得られるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群を求めて記憶部11に記憶する(図2の処理PR1)。尚、このスプリングバック解析により生成されるスプリングバック後形状DT2は、図3Bに示すように基準形状DT1と対比して示すようなものである。特に高張力鋼板のプレス成型の場合、プレス成型金型内の下死点形状(基準形状と一致する)に対して成型加工各部のスプリングバックが顕著に表れる。
ステップS3:不動点抽出部13によりスプリングバック後形状の変位を算出するための前処理として、プレス成型加工によるワークの不動点の頂点データ群を抽出して記憶部11に記憶する。
ステップS4〜S6:スプリングバック後形状変位演算部14により、ステップS3にて求めた不動点集合の各不動点を開始点として、図5に示す本発明の原理に基づき、スプリングバック後形状DT2の基準形状DT1からの変位データを求める(図2における処理PR2)。そして、スプリングバック見込み形状演算部16により変位データと補正係数設定部17に設定されている補正係数αを用いてスプリングバック見込み形状DT3を求める(図2における処理PR3)。
スプリングバック変位がゼロのメッシュ頂点p を開始基準点とし、スプリングバック見込み形状メッシュpCP をj=1,2,…と逐次的に導出する。
Figure 2011164709
図5のように、基準形状頂点p に発生するスプリングバック変位d が、直前の頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSB1 j−1周りのベクトル(p −p j−1)を回転R(θ )したものの合成とし、次の式(1)により表現する。
Figure 2011164709
ここで、pSB1 は、p に対応するスプリングバック頂点である。またθ は、基準形状のメッシュ頂点の法線ベクトルn とスプリングバック後形状のメッシュ頂点の法線ベクトルnSB1 とのなす角として算出したものである。
こうして、不動点群から開始して1近傍点毎に変位データを求め、全点についてスプリングバック後形状の基準形状からの変位データを求め、記憶部11に記憶する。
続いて、基準形状DT1とスプリングバック後形状DT2との間で三角形メッシュのメッシュ稜線長は不変であるとし、スプリングバック見込み形状DT3の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求めるための補正ベクトルd′ を次の手法により算出する。
基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状DT3の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求める補正ベクトルd′ (=pCP1 −p )は、p j−1に対する補正ベクトルd′ 分の平行移動と、pCP1 j−1周りの逆回転R(−θ )の合成変換に等しいとする。さらに、従来の逆オフセット型スプリングバック見込み形状推定手法で、変位ベクトルd を−β(>1.0)倍してpCPi =p −βd でスプリングバック見込み形状を作成すると、成型誤差が少なくなることが知られている。そこで本実施の形態では、稜線長不変条件を保ち、逆回転の回転角を補正係数α(>1.0)倍してスプリングバック見込み形状を作成する。この補正係数αとしては予め適宜の値を記憶部11に保持させ、スプリングバック見込み形状演算時に補正係数設定部17によりスプリングバック見込み形状演算部16に設定する。通常、α=1.2がふさわしいが、特に固定されるものではない。こうして、スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCP1 を、次の式(2)、(3)で求め、記憶部11に記憶する。
Figure 2011164709
実際の三角形3次元メッシュに対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群は、以下の手順で導出する。
(1)基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの対応頂点において、変位がある閾値以下の微小な拘束点集合を発見する。
Figure 2011164709
(2)拘束点集合を、初期補正済み頂点集合とする。
Figure 2011164709
(3)補正済み頂点集合に含まれ、その1近傍頂点が未補正頂点集合に含まれる基準形状頂点において、式(4)を用いてスプリングバック見込み形状頂点の候補点pCPi を算出する。
Figure 2011164709
(4)未補正1近傍頂点は通常複数あるので、それら候補点の重心点を、その未補正頂点のスプリングバック見込み形状頂点pCPi と定め、この頂点を補正済み頂点に更新する。
Figure 2011164709
(5)上記ステップ(3)、(4)を未補正頂点がなくなるまで繰り返す。
Figure 2011164709
図3Cには、基準形状DT1と共に、スプリングバック見込み形状DT3を示している。この各種の形状をディスプレイに表示させるのは任意である。
ステップS7:スプリングバック見込み形状演算部16は、上記の演算により得られるスプリングバック見込み形状DT3の三角形メッシュの頂点データ群をスプリングバック解析部12に渡し、スプリングバック解析部12は2回目のスプリングバック解析を実行する。2回目のスプリングバック解析は、スプリングバック見込み形状DT3を基準形状とし、そのスプリングバック後形状をプレス成型のシミュレーションにより求め、得られた2回目のスプリングバック後形状DT2′の頂点データ群を記憶部11に記憶する。
ステップS8:表示処理部19は基準形状、スプリングバック後形状、スプリングバック見込み形状をそれらの三角形メッシュの頂点群データからフレーム表示し、またレンダリングして3D表示することができるが、少なくともステップS7における2回目のスプリングバック解析により得られたスプリングバック後形状DT2′について最初の基準形状DT1と対比する形でディスプレイに表示させてユーザに直感的に見せるようにする。
図6、図7に本実施の形態によるスプリングバック見込み形状の別の表示例を示している。図6Aは基準形状DT1の3D表示、図6Bはスプリングバック後形状DT2を基準形状DT1と共に表示する3D表示、図6Cはスプリングバック見込み形状DT3、スプリングバック後形状DT2を基準形状DT1と共に表示する3D表示それぞれの例である。また図7は、同例のスプリングバック見込み形状メッシュDT3と基準形状メッシュDT1とを重ね合わせた図である。さらに、図8は後述する実施例1でのスプリングバック解析結果を表示したものである。
ステップS9:誤差演算部15は、基準形状DT1と2回目のスプリングバック後形状DT2′と間で、対応する頂点毎にその誤差を算出して記憶部11に記憶する。また、図9の実施例1のグラフに示すように、誤差分布を表示する。
ステップS10:こうして得られたスプリングバック見込み形状、スプリングバック解析で得られたスプリングバック後形状、誤差等はユーザの入力する指示に応じて3Dグラフィック図形として表示出力し、フレーム図形として表示出力し、あるいはグラフ表示する。この処理ステップS10は表示処理部19が司る。
尚、得られた誤差が大きくてより良いスプリングバック見込み形状を生成する必要がある場合、ユーザはコンピュータシステムに対して入出力制御部18を通して補正係数αに別の値を入力して再計算させることができる。新たな補正係数αは記憶部11に記憶され、補正係数設定部17にて読み出されてスプリングバック見込み形状演算部16に与えられ、スプリングバック見込み形状演算に用いられる。
590MPaの高張力鋼板のS字曲げを対象に、1回のスプリングバック解析結果に基づくスプリングバック見込み形状生成を、補正係数α=1.2、α=1.5それぞれで行い、さらにそれぞれのスプリングバック見込み形状に対してスプリングバック解析を再度行い、得られた2回目のスプリングバック後形状DT2′を基準形状と対比して表示させたものが図8であり、誤差分布を求めてグラフ化したものが図9である。尚、スプリングバック解析にはQ−sheet(商品名)を使用した。
この実施例1の解析結果により、見込みなし形状の場合、基準形状DT1とスプリングバック後形状DT2との間には最大誤差11.7mm、平均誤差6.07mmである。これに対して、補正係数α=1.5として得たスプリングバック見込み形状からの成型誤差は、最大誤差8.0mm、平均誤差3.79mmであった。また、α=1.2として得たスプリングバック見込み形状からの成型誤差は、最大誤差5.2mm、平均誤差2.5mmとなり、見込みにより成型誤差を減少できることが確認できた。
980Mpa級の高張力鋼板を材料とする自動車部品のCADデータに対し、第1の実施の形態のスプリングバック見込み形状生成方法により補正係数α=1.0でスプリングバック見込み形状生成を行い、そのスプリングバック見込み形状で実際のプレス金型を製作してトライ成型を行った。また見込みを行わない金型での成型も同時に行った。目標の最大誤差は7mmである。本実施例2によれば、見込みを行わない金型での最大成型誤差は58mmであったのに対し、見込みを行った金型による最大誤差は21mmにまで抑え込むことができた。また成型品の周長変化誤差も、従来のスプリングバック見込み形状生成法に比べて少ないことが確認できた。
このように本実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置及び方法によれば、高張力鋼板をプレス成型するための金型の設計において、プレス成型金型にスプリングバック見込み形状を適用することにより目標製品形状により近い形状のプレス成型品が得られる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態として、複数回のスプリングバック解析結果に基づきスプリングバック見込み形状を生成するプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成方法及び装置について説明する。
本実施の形態の装置も第1の実施の形態と同様に、汎用のコンピュータシステム1を用いるが、専用の装置として実現することも可能である。
図10は、本発明の第2の実施の形態のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置の機能構成を示している。本実施の形態の装置10Aは、諸データを記憶する記憶部11A、スプリングバック解析を実行するスプリングバック解析部12A、スプリングバック後形状に対してスプリングバックによる移動が生じていない不動点を抽出する不動点抽出部13A、スプリングバック後形状の三角形メッシュの各頂点の基準形状に対する変位を求めるスプリングバック変位演算部14A、基準形状とスプリングバック後形状との形状の誤差を演算し、許容誤差と比較し一致を判定する形状一致判定部15A、スプリングバック後形状の変位に見合うスプリングバック見込み形状を求めるスプリングバック見込み形状演算部16A、スプリングバック見込み形状の演算時時に用いる補正係数を設定する補正係数設定部17A、諸データの入出力処理と制御を行う入出力制御部18A、図形の3D表示処理を行う表示処理部19A、そして、装置内部の各構成要素間のデータの授受のための内部伝送線110Aを備えている。
本実施の形態の装置10Aの場合、さらに、形状一致判定部15Aが算出する誤差が許容範囲内に収まるまでスプリングバック解析とスプリングバック見込み形状の生成を繰り返させる繰り返し制御部111を備えている。
次に、上記構成のプレス成形金型のスプリングバック見込み形状生成装置の動作、したがって、そのスプリングバック見込み形状生成方法を説明する。本実施の形態の動作の特徴は、次の通りである。
第1の実施の形態の場合、1回のスプリングバック解析のみに基づくスプリングバック見込み形状生成であったが、より厳密な解析が必要とされる場合もある。そこで、本実施の形態では、スプリングバック見込み形状に対するスプリングバック解析とスプリングバック見込み形状の修正処理を、スプリングバック後形状DT2iと目的製品の基準形状DT1との誤差が許容値以内に収まるまで繰り返し、高精度なスプリングバック見込み形状生成を行う。本実施の形態では、2回目以降のスプリングバック見込み形状DT3iの生成も、基本的に第1の実施の形態と同様の計算で行うが、その基準形状DT1iは直前に生成されたスプリングバック見込み形状を用いる。したがって、i回目に生成されるスプリングバック見込み形状の頂点pCPi は、i−1回目に生成されたスプリングバック見込み形状の頂点pCPi−1 から、以下の式(4)で生成される。また、逆回転Rの補正係数αについても、例えば、第1回目のスプリングバック見込み形状生成のためのものはα=1.2とし、第2回目はα=1.0あるいはα=1.2とするように予め設定しておく。
Figure 2011164709
ここでθ は、基準メッシュ頂点の法線ベクトルn と、i−1回目のスプリングバック見込み形状からスプリングバックしたスプリングバック後形状のメッシュ頂点pSBi の法線ベクトルnSBi のなす角である。
また、通常は2回目のスプリングバック見込み形状生成演算により得たスプリングバック見込み形状DT32を用いたスプリングバック解析により得られるスプリングバック後形状DT22が最初の基準形状DT11に対して許容誤差範囲内に収まるようになるが、3回目以降の繰り返しも必要であれば、α=1.2に固定的に設定しておくことができる。また、α=1.0に設定することもできる。これはプレス成型対象の鋼板の特性により適宜に設定する。
以下に、図11のフローチャートを参照しながら各処理について説明する。
ステップS101:図2、図4に示すように、目標製品形状となる基準形状の三角形メッシュの頂点データ群を外部から入出力制御部18Aを通じて入力し、あるいは本コンピュータシステム1の別のソフトウェアを利用して生成して記憶部11に保存する。この基準形状の三角形メッシュの頂点データ群による基準形状DT1は、第1の実施の形態と同様、図3Aに示すようなものである。
ステップS102:初回のスプリングバック解析としてi=1に設定する。入力された基準形状DT1は、DT1i=DT1とする。
ステップS103:スプリングバック解析部12Aは、記憶部11Aに保持させてある第1の実施の形態と同様のスプリングバック解析ツールにて基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して実行し、スプリングバック後形状DT2iの三角形メッシュの頂点データ群を求めて記憶部11Aに記憶する。尚、このスプリングバック解析により生成されるスプリングバック後形状DT2iは、第1の実施の形態と同様、図3Bに基準形状DT1と対比して示すようなものである。
ステップS104,S105:形状一致判定部15Aは、基準形状DT1iとi回目(i=1)のスプリングバック後形状DT2iと間で、対応する頂点毎にその誤差を算出して記憶部11Aに記憶する。また誤差が許容範囲内かどうかを判定し、許容範囲内であればYESに分岐して、今回i回目のスプリングバック解析に用いた基準形状DT1iを最終スプリングバック見込み形状DT3iとして記憶部11Aに記憶し、また、必要に応じてディスプレイに適宜の表示形態で出力表示する(ステップS111)。
ステップS106:誤差が許容範囲内でない場合には、続いて、不動点抽出部13Aによりスプリングバック後形状DT2iの変位を算出するための前処理として、プレス成型加工によるワークの不動点の頂点データ群を抽出して記憶部11Aに記憶する。
ステップS107:スプリングバック後形状変位演算部14Aにより、ステップS106にて求めた不動点集合の各不動点を開始点として、第1の実施の形態と同様、図5に示す本発明の原理に基づき、スプリングバック後形状DT2iの基準形状DT1iからの変位を求め、記憶部11Aに記憶する。
ステップS108:補正係数設定部17Aにて補正係数αを記憶部11Aから取り込み、スプリングバック見込み形状演算部16Aに設定する。
ステップS109:スプリングバック見込み形状演算部16Aにより第1の実施の形態と同様の演算処理によりスプリングバック見込み形状DT3iを求め、記憶部11に記憶する。
ステップS110:こうして、第1回目のスプリングバック見込み形状の生成処理ルーチンを終了し、i=i+1として、ステップS103以降のスプリングバック見込み形状の生成処理ルーチンを再度実行する。ただし、次回以降の各回のルーチンでは、基準形状DT1iには、直前回に新たに生成したスプリングバック見込み形状DT3iを用いることになる。つまり、DT12=DT31、DT13=DT32等としてステップS103からの処理を実行する。
こうして、本実施の形態の場合、スプリングバックを考慮して基準形状から補正して得られるスプリングバック見込み形状によりプレス成型をシミュレーションし、得られたスプリングバック後形状が最初の基準形状との誤差が許容範囲内になるまでスプリングバック見込み形状の補正を繰り返すことにより、スプリングバックが顕著な高張力鋼板のプレス成型金型の設計でも目的製品にきわめて近いスプリングバック後形状が得られるプレス成型金型を設計できる。
590MPaの高張力鋼板のS字曲げを対象に、2回のスプリングバック解析結果に基づくスプリングバック見込み形状生成を、補正係数α1=1.2、α2=1.0,1.2それぞれで行い、生成されたスプリングバック見込み形状に対してスプリングバック解析を再度行い、得られた3回目のスプリングバック後形状DT23と目的製品の基準形状DT11との誤差を求めた。
図12にグラフ表示した解析結果より、1回目α=1.2、2回目α=1.0でスプリングバック解析を2回実施してスプリングバック見込み形状を生成した場合の成型誤差は、最大0.8mm、平均0.42mmとなり、スプリングバック後の断面形状も基準形状とほとんど一致したものとなることを確認できた。
以上のように、本実施の形態によれば、補正係数αを適切に設定することにより、高精度なプレス成型金型のスプリングバック見込み形状の生成が可能である。
本発明は、自動車産業等における高張力鋼板のプレス成型金型の設計に利用できる。
1 コンピュータシステム
10,10A スプリングバック見込み形状生成装置
11,11A 記憶部
12,12A スプリングバック解析部
13,13A 不動点抽出部
14,14A スプリングバック変位演算部
15 誤差演算部
15A 形状一致判定部
16,16A スプリングバック見込み形状演算部
17,17A 補正係数設定部
18,18A 入出力制御部
19,19A 表示処理部
110,110A 内部伝送路
111 繰り返し制御部

Claims (6)

  1. コンピュータを用いたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法であって、
    (1)基準金型に対応する基準形状の三角形メッシュの頂点データ群を入力し、
    (2)スプリングバック見込み形状算出のための逆回転の補正係数αを設定し、
    (3)前記基準形状に対してプレス加工によるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群をスプリングバック解析により求め、
    (4)前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動頂点を求め、
    (5)前記不動頂点を開始基準点として、基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転R(θ )との合成変換で表現し、
    (6)前記基準形状とスプリングバック後形状との間で対応するメッシュ稜線長が不変であるという幾何拘束条件を設定し、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求める補正ベクトルd′ (=pCP1 −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCP1 j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めることを特徴とするプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法。
  2. 前記逆回転R(−αθ )に用いる補正係数αを可変設定することを特徴とする請求項1に記載のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法。
  3. コンピュータを用いたプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法であって、
    (1)基準金型に対応する基準形状の三角形メッシュの頂点データ群を入力し、
    (2)スプリングバック見込み形状算出のための逆回転の補正係数αを設定し、
    (3)前記基準形状に対してプレス加工によるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群をスプリングバック解析により求め、
    (4)前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群間の誤差を求め、
    (5)前記誤差が許容範囲内の誤差であれば、前記基準形状を目標金型の形状としてその三角形メッシュの頂点データ群を出力し、
    (6)前記誤差が許容範囲内の誤差でない場合には、前記基準形状とスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動頂点を求め、
    (7)前記不動頂点を開始基準点として、基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転R(θ )との合成変換で表現し、
    (8)前記基準形状とスプリングバック後形状との間で対応するメッシュ稜線長が不変であるという幾何拘束条件を設定し、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCPi を求める補正ベクトルd′ (=pCPi −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCPi j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求め、
    (9)前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を新たな基準形状の三角形メッシュの頂点データ群として、i=i+1にして前記(2)のステップからの処理を繰り返すことを特徴とするプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法。
  4. 前記逆回転R(−αθ )に用いる補正係数αiを可変設定することを特徴とする請求項3に記載のプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成方法。
  5. 諸データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている補正係数αを読み出して出力する補正係数設定手段と、
    プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して鋼板をプレス成型加工することにより得られるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群を求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック解析手段と、
    前記基準形状と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動の三角形メッシュ頂点を求めて前記記憶手段に記憶する不動点抽出手段と、
    前記不動点抽出手段の求めた不動の三角形メッシュ頂点を開始基準点として、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ j)とを求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック変位演算手段と、
    前記基準形状の三角形メッシュの頂点データ群と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群とを比較し、前記基準形状とスプリングバック後形状との形状の誤差を演算して前記記憶手段に記憶する形状誤差演算手段と、
    前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCP1 を求める補正ベクトルd′ (=pCP1 −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、前記直前のスプリングバック点pSB1 j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )に前記補正係数設定手段の出力する補正係数αを掛けて得られる直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCP1 j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック見込み形状演算手段と、
    少なくとも前記プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群の入力と前記逆回転の補正係数αの入力を受け付けて前記記憶手段に記憶させ、少なくとも前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を出力するデータ入出力手段とを備えたことを特徴とするプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成装置。
  6. 諸データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から補正係数αを読み出して出力する補正係数設定手段と、
    プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群に対して鋼板をプレス成型加工することにより得られるスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群を求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック解析手段と、
    前記基準形状とスプリングバック後形状の三角形メッシュの頂点データ群の誤差を演算し、算出した誤差を許容値と比較し、比較結果を出力する形状一致判定手段と、
    前記基準形状と前記スプリングバック解析手段の求めたスプリングバック後形状との三角形メッシュの頂点データ群を対比してスプリングバックが生じていない不動の三角形メッシュ頂点を求めて前記記憶手段に記憶する不動点抽出手段と、
    前記不動点抽出手段の求めた不動の三角形メッシュ頂点を開始基準点として、前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に発生するスプリングバック変位d が直前の基準形状の三角形メッシュの頂点p j−1のスプリングバック変位ベクトルd j−1分の平行移動と、直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )とを求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック変位演算手段と、
    前記基準形状の三角形メッシュの頂点p に対するスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点位置pCPi を求める補正ベクトルd′ (=pCPi −p )を、前記直前の頂点p j−1に対する補正ベクトルd′ j−1分の平行移動と、前記直前のスプリングバック点pSBi j−1の周りのベクトル(p −p j−1)の回転角R(θ )に前記補正係数設定手段の出力する補正係数αを掛けて得られる直前のスプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点pCPi j−1周りの逆回転R(−αθ )との合成変換として求めて前記記憶手段に記憶するスプリングバック見込み形状演算手段と、
    前記形状一致判定手段により前記誤差が許容範囲内であると判定された場合には、前記スプリングバック解析手段が基準形状として用いた三角形メッシュの頂点データ群を目標金型形状の三角形メッシュの頂点データ群として出力させ、前記誤差が許容範囲外であると判定された場合には、前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を新たな基準形状の三角形メッシュの頂点データ群とし、i=i+1とし、前記スプリングバック解析手段によるスプリングバック後形状の算出、形状一致判定手段による形状誤差の算出、不動点抽出手段による不動頂点の抽出、スプリングバック変位演算手段によるスプリングバック変位の算出、前記スプリングバック見込み形状演算手段によるスプリングバック見込み形状の算出を繰り返させる繰り返し制御手段と、
    少なくとも前記プレス成型金型の基準形状の三角形メッシュの頂点データ群の入力と前記逆回転の補正係数αの入力を受け付けて前記記憶手段に記憶させ、少なくとも前記スプリングバック見込み形状の三角形メッシュの頂点データ群を出力するデータ入出力手段とを備えたことを特徴とするプレス成型金型のスプリングバック見込み形状生成装置。
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