JP2011164548A - 光ファイバ付きフェルール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ20先端に固定されたフェルール本体12を収納する胴体スリーブ11の後端部に固定して胴体スリーブ11から後側に延出するように設けられた根元部保護スリーブ13に、光ファイバ20の胴体スリーブ11後端に接着固定された部分から後側へ延出する後側延出部23を収納して接着固定部分の延長上に保つ延出部支持リング部13bを有する光ファイバ付きフェルール10Aを提供する。
【選択図】図1
Description
前記フェルール100は、ステンレス製の円筒状部材である胴体スリーブ110内に、光ファイバ200の先端を内挿固定したキャピラリ部材であるフェルール本体120を収納して固定した構成のものが一般的であり、前記胴体スリーブ110の前記光ファイバ200が延出されている側(後端)とは反対の前端部を光源モジュール等の機器の筐体等に取り付けて用いられる。フェルール本体120としては例えばジルコニアセラミックス製のキャピラリ部材であるが、この他、ガラス製のもの等も用いられている。
なお、図10(a)において、フェルール100について左側を前、右側を後として説明する。
本発明者は、後側延出部230の根元部の被覆220に亀裂223が形成されると、その箇所の光ファイバ200の強度(機械的強度)が局所的に低くなり、後側延出部230に曲げや捻回が与えられると亀裂形成箇所への応力集中により光ファイバ、光ファイバ付きフェルールの光特性に影響を与えやすくなることを把握した。例えば光ファイバ200(光ファイバ素線)として偏波保持光ファイバを採用した場合、光ファイバ200の後側延出部230の根元部の曲げによって被覆220に亀裂223が形成されると、光ファイバ200の後側延出部230の捻回や曲げが光ファイバ200の偏波角度や消光比に影響を与えやすくなる。
各供試品の光ファイバは、径125μmの光ファイバ裸線の外周に被覆を設けた構成の径0.4mmの偏波保持光ファイバである光ファイバ素線を用いた。
試験は、供試品(第1供試品及び第2供試品)の後側延出部がフェルールから後側へ真っ直ぐに延在する状態、すなわち後側延出部の根元部を曲げていない状態で、後側延出部の接着固定部から100mmの部位に捻りを加えて捻回応力を与え、捻回角度(図11の横軸)が0度(捻回を与えていない状態)から720度の範囲で消光比(dB)を計測した。この試験結果を図11に示す。
しかしながら、第1供試品及び第2供試品の光ファイバの後側延出部を捻回すると、光ファイバの後側延出部の根元部に曲げ変形を与えていない第2供試品は、捻回応力を与えていないときを基準とする消光比変動が1.6dBの範囲に収まったのに対し、第1供試品の消光比変動は8.7dBに達した。
試験は、第1供試品を24本用意し、各第1供試品の光ファイバの後側延出部の接着固定部から100mmの部位をその軸回りの正逆2方向にそれぞれ90度の捻回角度で捻り、捻りを与えていない状態を基準に偏波角度の変動量を調べた。
第1供試品の偏波角度変動確認試験による偏波角度変動の傾向を図12に示す。なお、図12においては、24本の第1供試品について偏波角度変動確認試験にて得られた偏波角度の計測値の重複箇所をひとつのプロットとして図示している。
上述の消光比変動確認試験、偏波角度変動確認試験にて判明したように、第1供試品の光ファイバの後側延出部に捻りを加えることで第2供試品に比べて格段に大きい消光比変動や偏波角度変動が生じることは、光ファイバの後側延出部の根元部に亀裂が形成された箇所の光ファイバ200の捻回に対する強度が局所的に低くなり、光ファイバ200の後側延出部230の捻りによって、後側延出部230の根元部の亀裂形成箇所に位置する光ファイバ裸線に局所的な捻回応力の集中が生じるためと考えられる。
本発明者が調べた結果、上述の消光比変動確認試験、偏波角度変動確認試験にて使用した第1供試品は、光ファイバ付きフェルールの光ファイバの後側延出部の根元部の接着固定部との際部分にて、光ファイバ裸線210からのプライマリ層221の剥離が生じている。さらに、本発明者は、光ファイバ付きフェルールの光ファイバ200の後側延出部230の根元部の曲げによって、光ファイバ素線200の被覆220が光ファイバ裸線210から剥離した部分に引っ張り応力が作用する結果、セカンダリ層222の亀裂発生に至ることを突き止めた。
本発明者が調べた結果、光ファイバ200の後側延出部230の根元部に小さい曲げ半径での曲げが与えられると、被覆220に亀裂が生じなくても、プライマリ層221の光ファイバ裸線210からの剥離が生じることで、光ファイバ200の偏波角度や消光比に影響を与える現象が多々発生することが判明した。
光ファイバの後側延出部の根元部の被覆に亀裂が形成されると、光ファイバ裸線の前記剥離箇所に位置する部分への応力集中が一層生じやすくなるため、後側延出部に捻りや曲げが光ファイバの光特性に与える影響が大きくなる。また、光ファイバにおける亀裂形成箇所の機械的強度の低下により光ファイバ裸線の断線も生じやすくなるため光ファイバ付きフェルールの寿命短縮の原因にもなる。
このため、本発明者は、光ファイバ200の後側延出部230の根元部の曲げによるプライマリ層221の光ファイバ裸線210からの剥離、亀裂の発生を防ぐことができる技術の開発を検討するに至った。
第1の発明は、胴体スリーブと、光ファイバの先端が内挿固定されたキャピラリ状部材であり前記胴体スリーブ内に固定されたフェルール本体と、前記胴体スリーブの前記光ファイバが延出されている後端部に固定して前記胴体スリーブから後側へ該胴体スリーブと同軸に延在するように設けられた筒状部材であり、前記胴体スリーブ後端から延出された前記光ファイバの基端部を前記胴体スリーブ後端面に肉盛りした接着剤によって胴体スリーブに接着固定した接着固定部及び前記光ファイバの前記接着固定部から後側に延在する後側延出部の根元部を収納して該根元部が前記光ファイバの前記接着固定部に固定されている部分の延長上に延在する状態を保つ根元部保護スリーブとを具備することを特徴とする光ファイバ付きフェルールを提供する。
第2の発明は、前記根元部保護スリーブは、リング状の取付用端部を前記胴体スリーブの後端部に固定して取り付けられ前記胴体スリーブから後側に延出するスリーブ本体と、このスリーブ本体の後側に、前記スリーブ本体の内径に比べて径小のファイバ挿通孔を有するリング状に形成され、前記光ファイバの前記後側延出部が引き通された延出部支持リング部とを有し、延出部支持リング部内側の前記ファイバ挿通孔の内径が前記光ファイバの外径に揃えられていることを特徴とする第1の発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第3の発明は、胴体スリーブと、光ファイバの先端が内挿固定されたキャピラリ状部材であり前記胴体スリーブ内に固定されたフェルール本体と、前記胴体スリーブの前記光ファイバが延出されている後端部から後側へ該胴体スリーブと同軸に延在するように設けられた筒状部材であり、前記胴体スリーブ後端から延出された前記光ファイバの基端部を前記胴体スリーブ後端面に肉盛りした接着剤によって胴体スリーブに接着固定した接着固定部及び前記光ファイバの前記接着固定部から後側に延在する後側延出部の根元部を収納する根元部保護スリーブとを具備し、前記根元部保護スリーブの内側に揺動可能に収納された前記後側延出部の揺動範囲が、前記根元部保護スリーブによって、前記根元部が根元部保護スリーブの軸線方向に延在する状態を保つように限定されていることを特徴とする光ファイバ付きフェルールを提供する。
第4の発明は、前記根元部保護スリーブは、その軸線方向片端の内面側に形成された内ねじ部を、前記胴体スリーブ後端部外周に形成された外ねじ部に螺合して螺着することで、前記胴体スリーブ後端部に固定されていることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第5の発明は、前記根元部保護スリーブと、この根元部保護スリーブから後側に延出し前記光ファイバを収納する可撓性の曲げ管部とを有するスリーブ状のブーツを具備することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第6の発明は、前記根元部保護スリーブが金属パイプであることを特徴とする第1〜5のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第7の発明は、前記光ファイバが偏波保持光ファイバであることを特徴とする第1〜6のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
その結果、光ファイバの光特性の長期安定化、寿命延長を実現できる。
また、胴体スリーブに根元部保護スリーブを固定するだけの簡単な構成により、根元部の曲げによる光ファイバ裸線からの被覆の剥離防止を低コストで実現できるという利点もある。
図1に示すように、光ファイバ付きフェルール10Aは、光ファイバ20の先端にフェルール10を組み立てたものである。
なお、図1において、光ファイバ付きフェルール10Aのフェルール10について左側を前、右側を後として説明する。また、後述の図2〜図7においても左側を前、右側を後として説明する。
光ファイバ素線20は、ガラス製の光ファイバ裸線21にその外周を覆う樹脂被覆材22(以下、単に被覆とも言う)を設けたものである。この光ファイバ素線20の被覆22は、光ファイバ裸線21外周に塗布した液状樹脂材料を硬化させたコーティング樹脂層であり、図8に示すように、光ファイバ裸線21外周に接する軟質の内層であるプライマリ層22aと、このプライマリ層22aに比べて硬質の樹脂層でありプライマリ層22aの外側を覆うように形成されたセカンダリ層22bとを有する二重層構造になっている。なお、この光ファイバ素線は周知のものを採用でき、プライマリ層22a及びセカンダリ層22bの材質も、光ファイバ素線の被覆に使用される周知のものを用いることができる。
このフェルール10は、例えば前記胴体スリーブ11の前記光ファイバ20が延出されている側(後端)とは反対の前端部を光源モジュール等の機器の筐体等に取り付けて用いられる。
フェルール本体12の先端面12aとは反対の後端から延出する光ファイバ20は、前記後筒部11b内側を貫通する貫通孔であるファイバ収納孔11dに通され、このファイバ収納孔11dの後端から胴体スリーブ11後側に延出されている。
前記光ファイバ20は、その先端に口出しされた光ファイバ裸線21を、キャピラリ状のフェルール本体12に内挿して、例えば接着剤による接着によってフェルール本体12に固定されている。また、光ファイバ裸線21の先端面はフェルール本体12の先端面12aに露出されている。
なお、図示例のフェルール10の胴体スリーブ11のフェルール収納孔11cとファイバ収納孔11dとは互いに軸線を一致させて形成されており、この軸線が、円筒状の胴体スリーブ11の軸線となっている。また、前記フェルール本体12は、その軸線が胴体スリーブ11の軸線と一致するように位置決めした状態で胴体スリーブ11内に固定されている。
前記接着剤14は、前記光ファイバ20の胴体スリーブ11から後側に延出された部分の基端部を埋め込むようにしてその周囲に肉盛りして、胴体スリーブ11の後端面11eから先細りのテーパ状に設けられている。
そして、光ファイバ付きフェルール10A、フェルール10において、この保護スリーブ13は、前記スリーブ本体13aの前記延出部支持リング部13bとは反対側の端部を胴体スリーブ11の後端部11fに被せるようにして該後端部11fの外周に沿って配置して胴体スリーブ後端部11fに接着剤を用いた接着固定等により固定して胴体スリーブ11に取り付けられ、前記胴体スリーブ11から後側へ該胴体スリーブ11と同軸に延在するように設けられている。
したがって、従来構成の光ファイバ付きフェルールのように、フェルールから後側に延出する光ファイバの胴体スリーブ後端に接着固定した基端部から後側の後側延出部の根元部の曲げによって、該根元部の被覆が光ファイバ裸線から剥離して、剥離箇所の光ファイバ強度が局所的に低くなるといった不都合を防ぐことができる。
この光ファイバ付きフェルール10Bのように、光ファイバ20の後側延出部23の根元部23a全体を延出部支持リング部13b内側に収納した構成についても、前記保護スリーブ13が、延出部根元部23aに曲げが与えられることを防ぐ機能を果たすことは言うまでも無い。
なお、保護スリーブの延出部支持リング部を該延出部支持リング部内側のファイバ挿通孔に連通するテーパ状開口部を有する構成とすることは、図3(a)、(b)に示す保護スリーブに限定されず、本発明に係る実施形態の保護スリーブのいずれにも適用可能である。
なお、胴体スリーブ11A後側に突出状態に形成される接着固定部は、保護スリーブ13Bの中間リング部13gの前記取付用端部13e側に位置する段差面13hが当接される胴体スリーブ11Aの後端面11eの外周部を避けてその内側にのみ接着剤14を肉盛りした構成とする。図4(b)の接着固定部に符号15Aを付記する。
図5に示す光ファイバ付きフェルール10Cは、図1を参照して説明した光ファイバ付きフェルール10Aの胴体スリーブ11の後端部11fに、既述の保護スリーブ13にかえて前記ブーツ16を取り付けたものである。この光ファイバ付きフェルール10Cのフェルールに図中符号10bを付記する。
また、このブーツ16は、前記取付用端部内周に、胴体スリーブ後端部11fの外周に形成された外ねじ部に螺合する内ねじ部を形成し、胴体スリーブ後端部11fにその後側から螺着して固定可能な構成とすることも可能である。
図5に示すように、前記基端側筒部16aは、取付用端部16nを軸線方向片側の端部とする筒状の基端側筒部本体16cと、この基端側筒部本体16cの前記取付用端部とは反対の側(後端側)に、該基端側筒部本体16cよりも内径が径小のファイバ挿通孔16dが形成された延出部支持リング部16eとを有する構成となっている。
前記ブーツ16の曲げ管部16bは、基端側筒部本体16cの延出部支持リング部16eから後側に延出されている。
また、光ファイバ20の後側延出部23は、前記ブーツ16の基端側筒部16aの延出部支持リング部16e内側及び曲げ管部16b内側に通され、曲げ管部16b後端から延出されている。
前記基端側筒部16aは、ファイバ挿通孔16d内に光ファイバ20の後側延出部23を収納した延出部支持リング部16eによって、光ファイバ20の基端固定部24に対する延出部根元部23aの揺動を規制する構成となっており、本発明に係る保護スリーブとして機能する。
この保護スリーブ13Cを胴体スリーブ11に固定するための固定構造としては、既述の図1を参照して説明した保護スリーブ11を胴体スリーブ11に固定する固定構造と同様のものを採用できる。図4(a)、(b)に示す構成(胴体スリーブに螺着する固定構造)も適用可能である。
光ファイバ20の後側延出部23のうち、前記延出スリーブ部13i内に収納された部分を、以下、スリーブ内収納基端部23bとも言う。
図7に例示したブーツ16Aは、前記基端側筒部16gと、この基端側筒部16gの軸線方向片端から延出する可撓性の曲げ管部16hとを具備する、プラスチック製一体成形品のスリーブ状部材である。光ファイバ付きフェルール10Eにおいて、前記ブーツ16Aは、基端側筒部16gの軸線方向において前記曲げ管部16hとは反対側の端部である取付用端部16jを胴体スリーブ11の後端部11fに被せるようにして胴体スリーブ後端部11f外周に沿って配置した状態で前記胴体スリーブ11に固定して胴体スリーブ11に取り付けられる。
このブーツ16Aを胴体スリーブ11に固定するための固定構造としては、既述の図5を参照して説明したブーツ16を胴体スリーブ11に固定する固定構造と同様のものを採用できる。
光ファイバ20の後側延出部23のうち、前記延出スリーブ部16i内に収納された部分を、以下、スリーブ内収納基端部23cとも言う。
また、本発明に係る光ファイバ付きフェルールのブーツとしては、曲げ管部の全長の内径が基端側筒部16g内径よりも径小に形成された構成のものも採用可能である。
本発明者は、図2に示す構成の光ファイバ付きフェルールを用いて評価試験を行った。
試験に使用した光ファイバ付きフェルール(以下、供試品)の光ファイバは、PANDA(polarization-maintaining and absorption-reducing)形光ファイバであり、径125μmの光ファイバ裸線の外周に被覆を設けた構成の径0.4mmの光ファイバ素線を用いた。
また、保護スリーブ13として、内径0.45mmのファイバ挿通孔13cが形成された延出部支持リング部13bを有するステンレス製のものを用い、光ファイバ20の後側延出部23の接着固定部15から5mmの範囲を前記延出部支持リング部13bのファイバ挿通孔13c内に収納して、該ファイバ挿通孔13c内に収納した部分の胴体スリーブ11に対する揺動を規制した。
まず、供試品の光ファイバ付きフェルールの光ファイバ20のフェルール10後端(保護スリーブ13後端)から延出した部分(以下、後側延出部本体)の基端部をほぼ直角になるように曲げて、後側延出部23の根元部23a及び後側延出部本体の基端部について、光ファイバ裸線からの被覆22(具体的には図8に示すプライマリ層22a)の剥離の有無、被覆の亀裂発生の有無を確認した。
その結果、後側延出部23の根元部23a及び後側延出部本体の基端部のいずれについても、光ファイバ裸線からの被覆22の剥離は無く、また被覆の亀裂発生も無かった。
また、前記供試品を24本用意して、既述の偏波角度変動確認試験を行った。
その結果、この供試品の偏波角度変動は最大でも0.2度であり、試験を行った全ての供試品の偏波角度変動が0.2度の範囲に収まった。
前記供試品の偏波角度変動確認試験による偏波角度変動の傾向を図9に示す。
なお、図9において、24本の供試品について偏波角度変動確認試験にて得られた偏波角度の計測値の重複箇所はひとつのプロットとして図示している。
また、前記供試品について、既述の消光比変動確認試験を行った。
その結果、消光比の変動は、1.5dB以内に収まることが確認できた。
(a)光ファイバ先端に組み立てられるフェルールの構造としては、フェルール本体の前側にレンズ、偏光子といった光学部品を組み込んだ構成としても良い。
(b)フェルール本体に内挿固定する光ファイバ20としては、光ファイバ素線の他、光ファイバ心線等も採用可能である。また、光ファイバは、PANDA(PANDA:Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)形光ファイバ、Bow−Tie型光ファイバ等の偏波保持光ファイバの他、偏波保持機能を有していないシングルモード形、マルチモード形等の各種構成のものを採用可能である。
(c)根元部保護スリーブを胴体スリーブに固定する固定構造としては、その軸線方向片端の端部を胴体スリーブ後端部外周に配置して胴体スリーブに固定する構成に限定されない。例えば、その軸線方向片端の端部を胴体スリーブ後端面に突き当て状態にして固定する構成や、胴体スリーブ後端面外周から後側に突出されたリング状突壁等の突部(固定用突部)に根元部保護スリーブの軸線方向片端の端部を固定する構成も採用可能である。
(d)延出スリーブ部を具備する根元部保護スリーブとしては、胴体スリーブ後端部に固定する胴体スリーブとは別体の部材であることに限定されず、例えば、胴体スリーブ後端面外周から後側に突出されたリング状突壁(この場合は、リング状突壁自体が根元部保護スリーブ、延出スリーブとして機能する)であっても良い。
前記リング状突壁のように胴体スリーブの一部が根元部保護スリーブとして機能する構成であれば、部品点数の削減が可能である。一方、胴体スリーブとは別体の根元部保護スリーブを用いる構成であれば、胴体スリーブに後付けできるため、根元部保護スリーブを具備していない既存のフェルールに取り付けて本発明に係る光ファイバ付きフェルールを組み立てることができるという利点がある。
(e)ブーツとしては、根元部保護スリーブとして機能する基端側筒部を金属製とし、この基端側筒部にプラスチック製の曲げ管部を固定した構成等も採用可能である。
20…光ファイバ、21…光ファイバ裸線、22…被覆、23…後側延出部、23a…根元部、23b、23c…スリーブ内収納基端部、24…基端固定部。
Claims (7)
- 胴体スリーブと、光ファイバの先端が内挿固定されたキャピラリ状部材であり前記胴体スリーブ内に固定されたフェルール本体と、前記胴体スリーブの前記光ファイバが延出されている後端部に固定して前記胴体スリーブから後側へ該胴体スリーブと同軸に延在するように設けられた筒状部材であり、前記胴体スリーブ後端から延出された前記光ファイバの基端部を前記胴体スリーブ後端面に肉盛りした接着剤によって胴体スリーブに接着固定した接着固定部及び前記光ファイバの前記接着固定部から後側に延在する後側延出部の根元部を収納して該根元部が前記光ファイバの前記接着固定部に固定されている部分の延長上に延在する状態を保つ根元部保護スリーブとを具備することを特徴とする光ファイバ付きフェルール。
- 前記根元部保護スリーブは、リング状の取付用端部を前記胴体スリーブの後端部に固定して取り付けられ前記胴体スリーブから後側に延出するスリーブ本体と、このスリーブ本体の後側に、前記スリーブ本体の内径に比べて径小のファイバ挿通孔を有するリング状に形成され、前記光ファイバの前記後側延出部が引き通された延出部支持リング部とを有し、延出部支持リング部内側の前記ファイバ挿通孔の内径が前記光ファイバの外径に揃えられていることを特徴とする第1の発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
- 胴体スリーブと、光ファイバの先端が内挿固定されたキャピラリ状部材であり前記胴体スリーブ内に固定されたフェルール本体と、前記胴体スリーブの前記光ファイバが延出されている後端部から後側へ該胴体スリーブと同軸に延在するように設けられた筒状部材であり、前記胴体スリーブ後端から延出された前記光ファイバの基端部を前記胴体スリーブ後端面に肉盛りした接着剤によって胴体スリーブに接着固定した接着固定部及び前記光ファイバの前記接着固定部から後側に延在する後側延出部の根元部を収納する根元部保護スリーブとを具備し、
前記根元部保護スリーブの内側に揺動可能に収納された前記後側延出部の揺動範囲が、前記根元部保護スリーブによって、前記根元部が根元部保護スリーブの軸線方向に延在する状態を保つように限定されていることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。 - 前記根元部保護スリーブは、その軸線方向片端の内面側に形成された内ねじ部を、前記胴体スリーブ後端部外周に形成された外ねじ部に螺合して螺着することで、前記胴体スリーブ後端部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記根元部保護スリーブと、この根元部保護スリーブから後側に延出し前記光ファイバを収納する可撓性の曲げ管部とを有するスリーブ状のブーツを具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記根元部保護スリーブが金属パイプであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記光ファイバが偏波保持光ファイバであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
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