JP2011164097A - 巻真及び巻真の製造方法 - Google Patents
巻真及び巻真の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011164097A JP2011164097A JP2011005652A JP2011005652A JP2011164097A JP 2011164097 A JP2011164097 A JP 2011164097A JP 2011005652 A JP2011005652 A JP 2011005652A JP 2011005652 A JP2011005652 A JP 2011005652A JP 2011164097 A JP2011164097 A JP 2011164097A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- winding stem
- manufacturing
- axis
- rotation transmission
- section
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Abstract
【解決手段】竜頭の回転操作に伴って回転し、その回転力をつづみ車3に伝える巻真であって、軸線Lに沿って延在する巻真軸10と、該巻真軸に一体的に設けられ、つづみ車の角孔4に係合する断面角形状の回転伝達部11、12と、を備え、この回転伝達部が、プレス成形によって断面角形状に形成され、軸線を中心とする周方向に等間隔を開けながら巻真軸の径方向外側に突出するように形成され、角孔の突起部4aに係合する角部15と、周方向に隣接する角部の間にて巻真軸の径方向内側に凹み形成された凹部16と、を備えている巻真1を提供する。
【選択図】図2
Description
竜頭には、図15に示す巻真100が取り付けられている。この巻真100は、竜頭とムーブメントとを機械的に連結させるための部材であり、時計の内部に向けて延在し、竜頭の回転操作に伴って回転すると共に、竜頭の引き出し操作や押し込み操作に伴って軸方向に移動自在とされている。
この巻真100には、断面四角形状に形成された回転伝達部101が形成されており、図15に示すように竜頭の引き出しによってつづみ車102の角孔103に入り込んで嵌合するようになっている。これにより、巻真100の回転力をつづみ車102に伝達することができ、つづみ車102を回すことが可能とされている。
なお、竜頭の引き出しによって巻真100が移動すると、図示しないおしどり及びかんぬきの働きによって、つづみ車102は日の裏車やカレンダー車等に連結される歯車に噛合した状態となる。これにより、つづみ車102の回転によって時刻合わせや日付合わせ等が可能とされている。
はじめに、円柱状の素材を旋盤加工や転造加工等によって加工して、回転伝達部101の基礎となる断面円形状の基礎部を形成する。その後、この基礎部の外周面を四方から切削加工することにより、角部101aを有する断面四角形状の回転伝達部101を形成する。このように、主に切削加工によって回転伝達部101を形成している。
ところがこの方法は、加工時間がかかるうえバリや切粉等が発生し易い。
この方法は、まず、円柱状の素材を旋盤加工や転造加工等によって加工し、図17に示すように、回転伝達部101となる断面円形状の基礎部110を形成する。その後、図18に示すように、加圧面が平坦面とされた加圧工具111を利用して、基礎部110を四方からプレス成形する。すると、このプレス成形によって基礎部110の素材が塑性変形し、角部101aを有する断面四角形状の回転伝達部101となる。
この方法によれば、上述した切削加工に比べて製造時間の短縮化を図ることができるうえ、バリや切粉等の発生を抑えることが可能とされている。
仮に、プレス成形前の基礎部110の外形形状を段付きにして、プレス時における素材の塑性流動を制御する方法を採用した場合には、角部101aの形状精度を若干高めることができるものの、加圧面が平坦面となった加圧工具111を使用している限り、依然として角部101aを所望の形状精度で形成することが難しかった。
特にこの角部101aは、上述したように角孔103の突起部103aに係合して、巻真100の回転力をつづみ車102に伝える重要な役割を担っている。そのため、巻真100の製品機能上、厳しい幅寸法公差及び外径寸法公差を満たすように、回転伝達部111の角部101aには高い形状精度が要求されている。従って、上述したように角部101aが充填不足形状となってしまうと、つづみ車102の回転不良、即ち、時計の操作不良に繋がってしまうものであった。
本発明に係る巻真は、竜頭の回転操作に伴って回転し、その回転力をつづみ車に伝える巻真であって、軸線に沿って延在する巻真軸と、該巻真軸に一体的に設けられ、前記つづみ車の角孔に係合する断面角形状の回転伝達部と、を備え、前記回転伝達部が、プレス成形によって断面角形状に形成され、前記軸線を中心とする周方向に等間隔を開けながら巻真軸の径方向外側に突出するように形成され、前記角孔の突起部に係合する角部と、周方向に隣接する前記角部の間にて前記巻真軸の径方向内側に凹み形成された凹部と、を備えていることを特徴とする。
特に、プレス工程の際に使用する加圧工具は、その先端部が単に平坦な加圧面だけでなく、この加圧面の中央部に形成された膨出部を有している。よって、プレス成形の初期段階では、加圧面よりも先に膨出部が基礎部に押し当たる。そして、プレス成形が進行するにつれて、膨出部によってプレスされた素材が膨出部に沿って塑性流動しはじめ、徐々に変形する。そして、膨出部に沿って塑性流動した素材は、さらなるプレスによって加圧面に達すると共に、膨出部から離れるように加圧面に沿って塑性流動する。
このように、膨出部を有する加圧工具で断面円形状の基礎部をプレス成形することにより、軸線を中心とする周方向に等間隔を開けて巻真軸の径方向外側に突出した角部と、周方向に隣接する角部の間にて巻真軸の径方向内側に凹んだ凹部と、で構成された断面角形状の回転伝達部を得ることができる。
また、膨出部の形状を断面三角状という単純な形状にできるので、加圧工具の製作が容易であるうえ製作コストを抑えることができる利点がある。
また、本発明に係る巻真の製造方法によれば、上記巻真をプレス成形という簡単な方法で時間をかけずに製造することができる。
なお、図1は、巻真1の斜視図である。図2は、一方の回転伝達部11がつづみ車3の角孔4に係合している状態を示す斜視図である。
これに対して、一方の回転伝達部11は、竜頭2を通常位置から2段引き出したときにだけつづみ車3に係合するので、該つづみ車3の表側(矢印M1方向)からのみ角孔4に入り込むようになっている。
特に、巻真軸10の先端側に位置する回転伝達部11は、上述したようにつづみ車3の表側から角孔4に入り込む場合があるが、この場合引っ掛かりなくスムーズに角孔4内に入り込むように設計されている。
また、他方の回転伝達部12の場合には、日修正車の表側からだけでなく裏側から角孔に入り込む場合があるが、いずれの場合であっても引っ掛かりなくスムーズに角孔内に入り込むように設計されている。
はじめに、円柱状の素材を旋盤加工や転造加工等によって加工し、図4に示すように、後に回転伝達部11、12となる断面円形状の基礎部21、22が一体的に設けられた巻真軸10を形成する。
この際、回転伝達部11、12のサイズに合わせて、巻真軸10の先端側に位置する一方の基礎部21の方が、他方の基礎部22よりも外径が小さくなるように形成する。また、基礎部21、22をそれぞれ形成する際、側面17が共に傾斜面となるように形成する。更に、基礎部21、22の形成と同時に複数の鍔部20を形成しておく。
なお、図6は、基礎部21の周囲に加圧工具30をセットした状態の断面図である。図7は、図6に示す矢印B方向から見た側面図である。
いずれにしても、この工程により、断面円形状の基礎部21、22を塑性変形させて、4つの角部15及び凹部16で構成される断面角形状の回転伝達部11、12に形成することができる。
このように、膨出部37を有する加圧工具30、31でプレス成形することにより、断面円形状の基礎部21、22を、4つの角部15及び凹部16で構成される断面角形状の回転伝達部11、12とすることができる。
例えば、図9に示すように、断面三角形状に膨出した膨出部42を有する加圧工具40、41を利用してプレス成形しても構わない。この場合には、図10及び図11に示すように、断面三角形状に凹んだ凹部43を有する回転伝達部11、12とすることができる。この場合の加圧工具40、41であっても、上記加圧工具30、31と同様の作用効果を奏することができ、高い形状精度で角部15を作製することができる。
しかも、この場合には膨出部42の形状を断面三角状という単純な形状にできるので、加圧工具40、41自身の製作が容易であり、製作コストを抑えることができる利点がある。
しかも、この場合には膨出部52の頂面を研磨加工する等して、頂面の微小な幅寸法調整を容易に行い易い。従って、プレス成形時の素材の流れを微調整し易く、角部15の形状精度のさらなる向上化に繋げることができる。
1…巻真
2…竜頭
3…つづみ車
4…角孔
4a…突起部
10…巻真軸
11、12…回転伝達部
15…角部
16、43、53…凹部
21、22…基礎部
30、31、40、41、50、51…加圧工具
35…加圧工具の先端部
36…加圧面
37、42、53…膨出部
Claims (5)
- 竜頭の回転操作に伴って回転し、その回転力をつづみ車に伝える巻真であって、
軸線に沿って延在する巻真軸と、該巻真軸に一体的に設けられ、前記つづみ車の角孔に係合する断面角形状の回転伝達部と、を備え、
前記回転伝達部は、プレス成形によって断面角形状に形成され、
前記軸線を中心とする周方向に等間隔を開けながら巻真軸の径方向外側に突出するように形成され、前記角孔の突起部に係合する角部と、
周方向に隣接する前記角部の間にて前記巻真軸の径方向内側に凹み形成された凹部と、を備えていることを特徴とする巻真。 - 竜頭の回転操作に伴って回転し、その回転力をつづみ車に伝える巻真を製造する方法であって、
軸線に沿って延在する巻真軸の一部に、該巻真軸の径方向外側に向けて断面円形状に膨らんだ基礎部を形成する形成工程と、
前記基礎部の周囲を囲むように、前記軸線を中心とする周方向に沿って複数の加圧工具をセットするセット工程と、
複数の前記加圧工具により前記基礎部を径方向外側からプレス成形して、前記つづみ車の角孔に係合する断面角形状の回転伝達部を形成するプレス工程と、を備え、
前記加圧工具として、前記基礎部に押し付ける先端部が、平坦な加圧面と、前記軸線に沿って延在し、且つ、前記基礎部に向けて膨出した状態で加圧面の中央部に形成され、加圧面よりも先に基礎部に押し当たる膨出部と、を有する加圧工具を用いることを特徴とする巻真の製造方法。 - 請求項2に記載の巻真の製造方法において、
前記加圧工具として、前記膨出部が断面円弧状に形成されている加圧工具を用いること
を特徴とする巻真の製造方法。 - 請求項2に記載の巻真の製造方法において、
前記加圧工具として、前記膨出部が断面三角状に形成されている加圧工具を用いることを特徴とする巻真の製造方法。 - 請求項2に記載の巻真の製造方法において、
前記加圧工具として、前記膨出部が断面台形状に形成されている加圧工具を用いることを特徴とする巻真の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011005652A JP5648960B2 (ja) | 2010-01-18 | 2011-01-14 | 巻真及び巻真の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010008223 | 2010-01-18 | ||
JP2010008223 | 2010-01-18 | ||
JP2011005652A JP5648960B2 (ja) | 2010-01-18 | 2011-01-14 | 巻真及び巻真の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011164097A true JP2011164097A (ja) | 2011-08-25 |
JP5648960B2 JP5648960B2 (ja) | 2015-01-07 |
Family
ID=44594919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011005652A Expired - Fee Related JP5648960B2 (ja) | 2010-01-18 | 2011-01-14 | 巻真及び巻真の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5648960B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019502937A (ja) * | 2016-02-19 | 2019-01-31 | クレアディティヴ・アーゲー | 磁気特性を有さないピニオンシャフト、時計機構、時計、または計測装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03169451A (ja) * | 1989-11-30 | 1991-07-23 | Heiwa Tokei Seisakusho:Kk | 巻真の製造方法 |
JP2002082180A (ja) * | 2000-07-03 | 2002-03-22 | Seiko Epson Corp | 巻真の製造方法及び時計 |
-
2011
- 2011-01-14 JP JP2011005652A patent/JP5648960B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03169451A (ja) * | 1989-11-30 | 1991-07-23 | Heiwa Tokei Seisakusho:Kk | 巻真の製造方法 |
JP2002082180A (ja) * | 2000-07-03 | 2002-03-22 | Seiko Epson Corp | 巻真の製造方法及び時計 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019502937A (ja) * | 2016-02-19 | 2019-01-31 | クレアディティヴ・アーゲー | 磁気特性を有さないピニオンシャフト、時計機構、時計、または計測装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5648960B2 (ja) | 2015-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6877463B2 (ja) | フレキシブルな伝動機構構成部材 | |
KR101960098B1 (ko) | 휠 허브의 내부 링 상에 전방 치부를 성형하는 방법 | |
CN105317871A (zh) | 换挡变速器的同步单元的同步环和制造这种同步环的方法 | |
WO2014184832A1 (ja) | 接合構造体及びその接合方法 | |
JP2009050905A (ja) | 内歯車の成形方法及び成形装置 | |
WO2012127967A1 (ja) | 歯形部品の製造方法および歯形部品の製造装置 | |
JP5648960B2 (ja) | 巻真及び巻真の製造方法 | |
CN108027093A (zh) | 机械接头及其制造方法 | |
US20120244981A1 (en) | Speed reducer, robot hand and robot | |
JP5648244B2 (ja) | 巻真の製造方法 | |
EP3070371A2 (en) | Method of attaching ring gear to differential case, jig, and differential case | |
JP5118852B2 (ja) | メタルブランク上にフランジを製造するための方法およびトランズミッション部品 | |
JP3559784B2 (ja) | ボス部を有する板金製回転部材のスプラインとキー溝の形成方法 | |
WO2003070397A1 (fr) | Procede d'usinage d'un engrenage a denture interieure, et engrenage ainsi obtenu | |
JP4801187B2 (ja) | アンダーカット部の形成方法、部品の製造方法、及びプレス加工部品 | |
JP2007090387A (ja) | ブレーキピストンの製造方法 | |
JP2009210086A (ja) | スプライン結合体 | |
JP5643682B2 (ja) | ロータハブの製造方法 | |
CN109641255A (zh) | 用于由金属板圆片坯件无切削地制造旋转对称体的方法 | |
JP4822619B2 (ja) | リングの製造方法 | |
JP4877446B2 (ja) | 塑性流動締結方法及び塑性流動締結構造 | |
JP5636197B2 (ja) | パイプ端部矯正装置 | |
JP5636198B2 (ja) | パイプ端部矯正装置 | |
JP4764242B2 (ja) | ギヤ類の鍛造装置 | |
JP2009144829A (ja) | 等速ジョイントの保持器の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131113 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140422 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140618 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141014 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20141031 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141031 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5648960 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |