JP2011163867A - 撮像デバイス、撮像装置、スペクトル置換デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像対象から入射する第1の波長の電磁波を、第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に変換するスペクトル変換手段と、第1の波長よりも第2の波長に対する感度が高く、スペクトル変換手段によって波長の変換された第2の波長の電磁波を受光する撮像素子を備えた撮像デバイス、及びこの撮像デバイスを備えた撮像装置とする。もしくは、撮像対象から入射する第1の波長の電磁波を、第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に置換するスペクトル置換手段と、第1の波長よりも第2の波長に対する感度が高く、スペクトル置換手段によって置換された第2の波長の電磁波を受光する撮像素子を備えた撮像デバイス、及びこの撮像デバイスを備えた撮像装置とする。
【選択図】図1
Description
このように、テラヘルツ波によって撮像を行うと、器官の内壁面のような可視光では確認できない部分の観察が可能であるとされている。
すなわち、励起光のスペクトルを変形することで、発生するテラヘルツ波の波長分布を制御しようとするものである。これにより、テラヘルツ波を発生させることができる。
この中空構造が必要とされる理由は、熱型の赤外線センサであり、かつVOx素子の感度が低いので、回路系の自己発熱等によるノイズレベルとのS/Nが悪く、熱絶縁のために中空構造にせざるを得ないからである。
VOxは、希少金属であり、さらに、中空構造を作るための製造工程数が多くなるために、製造コストがかさみ、マイクロボロメータが高価になる原因となっている。
そしてさらに、この撮像デバイスの動作を制御する制御部と、撮像デバイスからの出力信号を処理する処理信号回路を備える。
そしてさらに、この撮像デバイスの動作を制御する制御部と、撮像デバイスからの出力信号を処理する処理信号回路を備える。
したがって、撮像対象とする電磁波にかかわらず、撮像素子の製造プロセスを統一することができ、量産効果を高めることができる。
1.第1の実施の形態(入射した電磁波を異なる波長に変換する例)
2.第2の実施の形態(温度依存性透過膜を用いて電磁波を置換する例)
3.第1の変形例(温度依存性透過膜を用いて電磁波を置換する別の例)
4.第3の実施の形態(シャッター構造を用いて電磁波を置換する例)
5.第4の実施の形態(蛍光材料や燐光材料等の発光材料を用いて電磁波を置換する例)
6.第2の変形例(発光した光をレンズ等にて集光する例)
7.第3の変形例(発光材料に電圧を印加する例)
8.第4の変形例(抵抗値の変化により発光素子を発光させる例)
9.第5の変形例(アンテナによって電磁波を受信する例)
10.第5の実施の形態(反射膜の変形により電磁波を置換する例)
11.第6の実施の形態(撮像装置の例)
図1は、第1の実施の形態による撮像デバイス100を示す概略構成図である。
本実施の形態による撮像デバイス100は、レンズを含んで構成され、撮像対象からの電磁波を集光し、結像させる集光部1を備える。
また、集光部1によって集光された電磁波の光路上に配置され、入射した電磁波の波長スペクトルを変換するスペクトル変換部2を備える。
またさらに、本実施の形態による撮像デバイス100は、スペクトル変換部2によって波長スペクトルが変換された電磁波を受光する撮像素子3を備える。
このスペクトル変換部2には、例えば非線形光学結晶を用いることができる。図2Aに示すように、例えば赤外線は、非線形光学結晶によるスペクトル変換部2に入射することで、例えば高調波変換される。そして図2Bに示すように、より短波長の例えば可視光領域の電磁波となって出射される。
なお、撮像素子3によって取得する画像の解像度を高めるために、スペクトル変換部2と撮像素子3の距離はなるべく小さくするのが好ましく、撮像素子3上にほぼ密接するようにスペクトル変換部2を配置してもよい。
これらの撮像素子では、一般的に波長が400nm〜1000nmの波長の電磁波に対して感度を有する。したがって、撮像デバイス100に入射した電磁波が、スペクトル変換部2によって、この範囲内の光に変換されるのが好ましい。
この場合には、例えば波長を1/8〜1/64に高調波変換する非線形光学結晶等を用いることができる。こうした非線形光学結晶としては、例えばKTP、CLBO、LBO、BBO、DAST、LiNbO3、MgO:LiNbO3、AgGaS2、LiTaO3等が挙げられる。
また、集光部1側に配置する電極としてはCrを用いることができ、撮像素子3側に配置する電極には、波長400nm〜1000nmの電磁波に対して透過性のあるITOを用いることができる。
このため、マイクロボロメータの製造プロセスで行われていた、中空構造による画素を形成するための複雑なプロセスを必要とせず、従来のプロセスにより撮像素子を製造することが可能である。したがって大幅にコストダウンを図ることができる。
図3は、第2の実施の形態による撮像デバイス200を示す概略構成図である。
本実施の形態による撮像デバイス200は、レンズを含んで構成され、撮像対象からの電磁波を集光し、結像させる集光部11を備える。
また、集光部11を透過した電磁波の光路上に配置されるスペクトル置換部12と、スペクトル置換部12を透過した電磁波を受光する撮像素子13を備える。
また、集光部11とスペクトル置換部12の間に配置され、波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜14と、波長選択膜14に波長400nm〜1000nmの電磁波を照射する光源15を備える。
なお、図3においては、集光部11の撮像素子13側のレンズ面に波長選択膜14を形成する例としているが、透明薄板の表面に波長選択膜14を形成したフィルタ等を集光部11とスペクトル置換部12の間に配置してもよい。
そして、波長選択膜14に照射された光源15からの電磁波は反射され、スペクトル置換部12に入射する。すなわち、スペクトル置換部12には、集光部11によって集光される例えば赤外線等の電磁波と、光源15から発せられる波長400nm〜1000nmの電磁波、例えば可視光が入射する。
本実施の形態においては、集光部11によって集光された例えば赤外線の強度に応じて、照射された箇所の温度が上昇し、波長400nm〜1000nmの電磁波の透過率が上昇する温度依存性透過膜を、スペクトル置換部12に用いる。
このため、スペクトル置換部12に対して、その特定の波長の電磁波を光源15から照射することにより、その透過率分布に応じた輝度分布による像が形成されることになる。これにより、集光部11に入射した電磁波によって形成される像を、光源15からの電磁波によって置換することが可能となる。
したがって、例えば赤外線による像であっても、一般的な撮像素子によって撮像することが可能になり、従来のように中空構造の画素を有する特殊な撮像素子を必要としない。このため、より簡易なプロセスによる製造が可能になるとともに、量産効果を向上させることができるので、コストを大幅に低減することが可能となる。
また、より鮮明な画像を得るには、画素サイズにもよるが、スペクトル置換部12と撮像素子13の距離が短い程好ましく、上述の薄膜を撮像素子13表面に形成、または配置してあってもよい。
特にこの場合には、集光部11による結像面を上述の薄膜と一致させると、薄膜上に結像された像を、撮像素子13に解像度良く転写できる。
またさらには、IRカットフィルタを配置して、光源15の電磁波から赤外線を除いておくのも好ましい。
図4は第1の変形例による撮像デバイス300を示す概略構成図である。
本変形例による撮像デバイス300は、レンズを含んで構成され、撮像対象からの電磁波を集光する集光部21と、集光部21によって集光された撮像対象からの電磁波を、波長の異なる電磁波に置換するスペクトル置換部22を備える。
また、集光部21によって集光される電磁波とは波長の異なる電磁波をスペクトル置換部22に供給する光源25と、スペクトル置換部22によって置換された電磁波を受光する撮像素子23を備える。
これにより、赤外線の強度分布が、スペクトル置換部22において特定の波長の電磁波に対する透過率分布に変換される。
なお、ここでは、温度の上昇により、例えば波長400nm〜1000nmの電磁波に対する透過率が上昇する温度依存性透過膜を用いるものとする。この温度依存性透過膜には、第2の実施の形態(図3)において示した薄膜を用いることができる。
照射された光源25からの電磁波は、スペクトル置換部22に形成された透過率分布に応じた光量が透過し、撮像素子23によって受光される。
また、光源25からの電磁波を均一に照射するために、拡散板26を配置してもよい
またさらに、IRカットフィルタを配置して、光源25の電磁波から赤外線をカットするのが好ましい。
これにより、光源25からその特定の波長を有する電磁波をスペクトル置換部22に照射すると、透過率分布に応じた輝度分布が撮像素子23上に形成される。そしてこの輝度分布を、集光部21に入射した電磁波による像として取得することができる。
このため、従来の赤外線撮像素子のように複雑な製造プロセスを必要とせず、一般的なプロセスによって製造することができ、コストダウンを図ることができる。
またこの場合には、集光部21の結像面を上述の薄膜と一致させると、薄膜上に結像された像を、撮像素子13に解像度良く転写できる。
第2の実施の形態においては、温度によって電磁波の透過率が変化する温度依存性透過膜をスペクトル置換部として用いる例であった。
ここでは、温度によって電磁波の透過率を変化させる別の手段を用いる例について説明する。
本実施の形態による撮像デバイス400は、レンズを含んで構成され、撮像対象からの電磁波を集光し、結像させる集光部31と、集光部31によって集光された電磁波の光路上に配置されるスペクトル置換部32を備える。
また、集光部31とスペクトル置換部32の間に配置される波長選択膜34と、波長選択膜34に電磁波を照射する光源35を備える。
またさらに、スペクトル置換部32を透過した電磁波を受光する撮像素子33を備える。
なお、図5においては、集光部31の撮像素子33側のレンズ面に波長選択膜34を形成する例としているが、透明薄板の表面に波長選択膜34を形成したフィルタ等を集光部31とスペクトル置換部32の間に配置してもよい。
図6Aは、図5におけるスペクトル置換部32の断面領域T1を拡大した拡大断面図である。図6Aに示すように、本実施の形態でのスペクトル置換部32は、所定の線膨張係数を有する薄膜37と、薄膜37上に形成され、薄膜37よりも線膨張係数が小さい薄膜38による多層膜によって構成される。
例えば、他にもアルミや鉄といった金属材料による薄膜と、PCやPET等の樹脂材料による薄膜との組み合わせであってもよい。
また、波長選択膜34を配置せずに、光源35からの電磁波を直接スペクトル置換部32に照射してもよい。
そして、撮像素子33では、この電磁波を受光することで、輝度分布による画像を取得することができる。
なお、鮮明な画像を得るには、画素サイズにもよるが、スペクトル置換部32と撮像素子33の距離をできるだけ短くするのが好ましい。
このため、スペクトル置換部32に光源35からの電磁波を照射すると、透過率分布に応じた輝度分布が形成され、集光部31によって集光された電磁波を光源35からの電磁波によって置換することが可能となる。
したがって、赤外線による撮像を行う場合であっても、従来のように複雑な構造を有する専用の撮像素子を製造する必要がなく、コストダウンを図ることができる。
図7は、第4の実施の形態による撮像デバイス500を示す概略構成図である。本実施の形態においては、スペクトル置換部に蛍光材料を用い、これを発光させることで、電磁波の置換を行う。
また、集光部41とスペクトル置換部42の間に配置され、例えば赤外線は透過し、波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜44を備える。
またさらに、集光部41が結像させる電磁波の波長とは異なる波長の電磁波をスペクトル置換部42に照射する光源45と、スペクトル置換部42において発光した光を受光する撮像素子43を備える。
すなわち、集光部41によって集光された赤外線をスペクトル置換部42に入射させることで、その赤外線の強度に応じた励起分布をスペクトル置換部42上に形成するものである。
光源45から発せられた可視光領域の電磁波は、波長選択膜44によって反射され、スペクトル置換部42に照射される。この可視光領域の電磁波によって、スペクトル置換部42の蛍光材料や燐光材料は、励起直前のエネルギ状態にまで高められる。
なお、拡散板46を透して光源45からの電磁波を照射すると、スペクトル置換部42に対して均一に電磁波が照射されるので好ましい。また、IRカットフィルタ等を配置して、光源45の電磁波から赤外線を除去するのも好ましい。
なお、発光材料を溶かした溶液には、重クロロホルム等を配合、添加してあってもよい。
これにより、励起分布に応じた輝度分布を有する蛍光や燐光等の発光が生じ、集光部41によって集光される赤外線を可視光領域の光に置換することができる。
このため、本実施の形態においても、従来のように複雑な中空構造を有する撮像素子を用いることなく、赤外線による撮像が可能となるので、製造コストを大幅に低減することができる。
図8は、第2の変形例による撮像デバイス600を示す概略構成図である。本変形例では、第4の実施の形態(図7)において発光材料により発せられた光を撮像素子上に集光させる。
また、集光部51とスペクトル置換部52の間に配置され、例えば赤外線は透過し、波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜54を備える。
またさらに、集光部51が結像させる電磁波の波長とは異なる波長の電磁波をスペクトル置換部52に照射する光源55と、スペクトル置換部52において発光した光を受光する撮像素子53を備える。
したがって、集光部51によって集光された赤外線をスペクトル置換部52に入射させることで、その赤外線の強度に応じた励起分布をスペクトル置換部52上に形成する。
光源55から発せられた例えば可視光領域の電磁波は、波長選択膜54によって反射され、スペクトル置換部52に照射される。この電磁波によって、スペクトル置換部52の蛍光材料や燐光材料は、励起直前のエネルギ状態にまで高められる。
なお、拡散板56を透して光源55からの電磁波を照射すると、スペクトル置換部52に対して均一に電磁波が照射されるので好ましい。また、IRカットフィルタ等を配置して、光源55の電磁波から赤外線を除去するのも好ましい。
なお、発光材料を溶かした溶液には、重クロロホルム等を配合、添加してあってもよい。
これにより、励起分布に応じた輝度分布を有する蛍光や燐光等の発光が生じ、集光部51によって集光される赤外線を可視光領域の光に置換することができる。
このため、本変形例においても、従来のように複雑な中空構造を有する撮像素子を用いることなく、赤外線による撮像が可能となるので、製造コストを大幅に低減することができる。
この場合には、例えばスペクトル置換デバイス610を光軸方向に移動させる移動機構を設けることで、発光材料からの光に対するフォーカス調整等を容易に行うことができるので好ましい。
第4の実施の形態や第2の変形例では、例えば可視光領域の電磁波を発光材料に照射することで、発光材料を励起直前のエネルギ状態とした。そして、この励起直前の発光材料に対して赤外線を集光することで、励起分布を形成し、発光させるものである。
発光材料に赤外線を集光する際において、発光材料は励起直前のエネルギ状態にさえなっていればよい。したがって、可視光領域の電磁波の照射以外の手段により、励起直前のエネルギ状態としてもよい。ここでは、電圧印加によって、発光材料を励起直前のエネルギ状態とする例について説明する。
本変形例による撮像デバイス700は、レンズを含んで構成され、撮像対象からの電磁波を集光し、結像させる集光部61と、集光部61によって集光された例えば赤外線等の電磁波を、異なる波長の電磁波に置換するスペクトル置換部62を備える。
また、集光部61とスペクトル置換部62の間に配置され、例えば赤外線は透過し、波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜64を備える。
またさらに、スペクトル置換部62において発光した光を受光する撮像素子63を備える。
したがって、集光部61によって集光された赤外線をスペクトル置換部62に入射させることで、その赤外線の強度に応じた励起分布をスペクトル置換部62上に形成する。
そして、この励起によって発光された光を撮像素子63が受光することで、画像データを取得する。
また、上部電極62bには、赤外線を透過する導電性材料を用い、下部電極62cには、可視光領域の電磁波を透過する導電性材料を用いるのが好ましい。
そしてこの時に、図9に示した集光部61により集光された赤外線が矢印A1の方向から発光素子62aに入射すると、赤外線エネルギによって発光素子62aの発光材料が励起される。したがって、赤外線の強度分布に応じた励起分布が形成され、この励起分布に応じた輝度分布の発光を撮像素子62により受光する。
このため、従来のように複雑な中空構造を有する撮像素子を用いることなく、赤外線による撮像が可能となるので、製造コストを大幅に低減することができる。
第3の変形例では、赤外線エネルギを発光素子の発光エネルギとして直接利用している。しかし、赤外線エネルギを電圧エネルギへと変換・置換することができれば、発光素子をオン・オフする電気回路によってスペクトル置換部を構成することもできる。
ここでは、赤外線エネルギを電圧エネルギへと置換することで、赤外線を可視光領域の電磁波に置換する例を説明する。
本変形例においても同様に、撮像デバイス800は、赤外線等の電磁波を集光する集光部71と、集光部71によって集光された例えば赤外線等の電磁波を、異なる波長の電磁波に置換するスペクトル置換部72を備える。
またさらに、本変形例による撮像デバイス800は、例えば赤外線は透過し、波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜74と、スペクトル置換部72において発光した光を受光する撮像素子73を備える。
波長選択膜74の配置は特に限定するものではなく、集光部71の対物側レンズ面に形成してもよいし、例えば透明薄板上に形成し、集光部71とスペクトル置換部72の間に配置してもよい。
そして、この発光された光を撮像素子73が受光することで、画像データを取得する。
図12Aに示すように、スペクトル置換部72は、赤外線等の電磁波を受光する受光抵抗層72bと、受光抵抗層の下層に配置される電気配線層72aと、電気配線層72aの下層に配置される発光層72cを備える。
この発光層72cには、例えば波長400nm〜1000nmの電磁波を発光する有機ELや、無機EL、LED等を配置して用いることができる。
なお、増幅器72fのゲート電極にはサブスレッショルド電圧直前の電圧が電圧源72hにより印加された状態とする。
また、撮像素子76は、発光層75cによって発せられた光を受光する。
起電素子75dに赤外線等の電磁波A5が入射し、温度が上昇すると、温度上昇に伴って例えば自発分極の値が変化し、表面電荷を生じる。この表面電荷によって生じる信号を増幅器75fによって増幅し、この信号に応じた例えば電流を発光素子75gに流すことで、発光素子75gの発光輝度を制御することができる。
入射する電磁波エネルギを電圧エネルギに変換する方法としては、他にアンテナを用いることもできる。ここでは、アンテナにより電磁波を受信し、電圧エネルギへと変換することで撮像を行う方法について説明する。
本変形例による撮像デバイス900は、撮像対象からの電磁波を集光する集光部81と、集光部81によって集光された電磁波を異なる波長の電磁波に置換するスペクトル置換部82を備える。またさらに、本変形例による撮像デバイス900は、スペクトル置換部82によって置換された電磁波を集光する第2の集光部84と、第2の集光部84によって集光された電磁波を受光する撮像素子83を備える。
これにより、発光層82dでは、増幅部82cによって増幅された電圧信号の強度に応じた輝度の分布を有する発光が行われる。
このため、本変形例においても、撮像素子83には、一般的なCCD型やCMOS型等の撮像素子を用いることができる。したがって、ミリ波等の電磁波による撮像であっても、低コストに行うことができる。特に、ミリ波による撮像は、例えばコンクリート壁等の遮蔽物を透して内部を撮影することができるため、救助活動や非破壊検査等への応用が期待できる。
図15Aは、第4の実施の形態において蛍光材料や燐光材料等の発光材料の発光に必要とするエネルギを表し、図15Bは、第2の変形例及び第3の変形例において発光材料が発光に必要とするエネルギを表す。また、図15Cは、本変形例において有機EL等の発光素子の発光に必要とするエネルギを表す。
また、線L1は、基底状態におけるエネルギ準位を示し、線L2は、励起直前のエネルギ準位を示す。また、線L3は、励起状態のエネルギ準位を示す。
そしてさらに第4の変形例では、撮像対象からの赤外線エネルギによって抵抗値を変化させることで、増幅器に印加される電圧を変化させる。これにより増幅器をオンとし、発光素子に電流を流すことで発光素子を発光させる。すなわち、撮像対象からの赤外線エネルギが置換されたこの電圧エネルギは、矢印A9に示すように、第2〜第3の変形例において、励起直前の発光材料を励起させるエネルギに対応する。
図16は、第5の実施の形態による撮像デバイス1000を示す概略構成図である。
本実施の形態においては、スペクトル置換部によって、外部光源からの電磁波の光路を変更する例について以下に説明する。
また、集光部91によって集光された電磁波の光路上に配置され、例えば波長400nm〜1000nmの電磁波を反射するスペクトル置換部92を備える。
また、集光部91とスペクトル置換部92の間に配置され、例えば赤外線を透過し、例えば波長400nm〜1000nmの電磁波を反射する波長選択膜94を備える。
また、例えば波長400nm〜1000nmの電磁波を、波長選択膜94を介して、スペクトル置換部92に照射する光源95を備える。
そしてさらに、スペクトル置換部92によって反射された、光源95からの電磁波を受光する撮像素子93を備える。
図16においては、波長選択膜94を集光部91のスペクトル置換部92側のレンズ面に形成する例としてあるが、透明薄板等に成膜し、集光部91とスペクトル置換部92の間に配置しても構わない。
なお、スペクトル置換部92は、例えばその法線方向が、集光部91の光軸方向と一致せず、例えば図16に示すように少し傾いて配置される。
また、IRカットフィルタ等を配置して、光源95の電磁波から赤外線をカットするようにしてもよい。
図17Aに示すように、本実施の形態においてスペクトル置換部92は、例えば所定の線膨張係数を有する反射膜97と、反射膜97上に形成され、反射膜97とは異なる線膨張係数を有する薄膜98とによって構成される。
また、この反射膜97と薄膜98が重なった多層膜が、例えばアレイ状に配列された構成となっている。
したがって、撮像素子93では、例えば光の受光があるかないかによって2階調の画像を取得することができる。
また、スペクトル置換部92と撮像素子93の間にレンズを配置し、撮像素子93によって受光される電磁波を集光するようにしてもよい。
そしてさらに、所定の値以上の温度が上昇した箇所においては、バイメタル効果による薄膜の変形によって、光源95からの電磁波を反射する方向が変化し、撮像素子93上へ光源95からの電磁波を導く。これにより、スペクトル置換部92上における温度分布は、撮像素子93上における輝度分布へと変換する。
次に、これまでに説明した撮像デバイスを電子機器に適用する例について、図18を用いて以下に示す。
図18は、本実施の形態による撮像装置1100の構成を示す概略構成図である。本実施の形態による撮像装置1100は、撮像対象からの電磁波を集光する集光部1101と、集光部1101によって集光された電磁波を受光する撮像デバイス1102を備える。
また、撮像デバイス1102の動作を制御する制御部1103と、撮像デバイス1102からの出力信号を処理する信号処理回路1104を備える。
そして、この変換、または置換された電磁波は、例えばCCD型やCMOS型の撮像素子によって受光され、画像データを形成する。
したがって、従来の赤外線撮像装置のように、赤外線専用の複雑な構成をした撮像素子を用いる必要がなく、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
またこれにより、より安価な値段で赤外線撮像装置を提供できるので、民生用への普及を促進することができる。
Claims (20)
- 撮像対象から入射する第1の波長の電磁波を、前記第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に変換するスペクトル変換手段と、
前記第1の波長よりも前記第2の波長に対する感度が高く、前記スペクトル変換手段によって波長の変換された前記第2の波長の電磁波を受光する撮像素子と、
を備えた
撮像デバイス。 - 前記スペクトル変換手段は、波長1.1μm〜30μmの電磁波を、波長400nm〜1000nmの電磁波に変換する請求項1に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル変換手段は、非線形光学結晶によって構成され、入射する電磁波の波長を1/8〜1/64に変換する請求項2に記載の撮像デバイス。
- 前記非線形光学結晶は、KTP、CLBO、LBO、BBO、DAST、LiNbO3、MgO:LiNbO3、AgGaS2、LiTaO3のいずれかによって構成される請求項3に記載の撮像デバイス。
- 撮像対象から入射する第1の波長の電磁波を、前記第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に置換するスペクトル置換手段と、
前記第1の波長よりも前記第2の波長に対する感度が高く、前記スペクトル置換手段によって置換された前記第2の波長の電磁波を受光する撮像素子と、
を備えた
撮像デバイス。 - 前記スペクトル置換手段は、互いに線膨張係数の異なる薄膜を重ねた多層膜をアレイ状に配列することで構成される請求項5に記載の撮像デバイス。
- さらに、前記スペクトル置換手段に波長400nm〜1000nmの電磁波を照射する光源を備えた請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、温度の変化によって波長400nm〜1000nmの電磁波に対する透過率が制御される温度依存性透過膜である請求項7に記載の撮像デバイス。
- 前記温度依存性透過膜は、二酸化バナジウム系サーモクロミック材料及び酸化チタン系光触媒薄膜の多層構造、または銀粒子薄膜によって構成される請求項8に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、波長400nm〜1000nmの電磁波に対する反射膜と、前記反射膜と線膨張係数の異なる薄膜の多層膜をアレイ状に配置することで構成される請求項7に記載の撮像デバイス。
- さらに、入射した前記第1の波長の電磁波とは異なる波長の電磁波を前記スペクトル置換手段に照射する光源を備え、前記スペクトル置換手段は、蛍光を生じる蛍光材料または燐光を生じる燐光材料によって構成される請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記蛍光材料は、ローダミン6Gである請求項11に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、蛍光を生じる蛍光材料または燐光を生じる燐光材料と、前記蛍光材料または前記燐光材料に電圧を印加する電圧源により構成される請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、発光素子と、温度の上昇により抵抗値が変化する抵抗素子と、前記抵抗値の変化により前記発光素子の発光輝度を制御する増幅器を備える請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、発光素子と、温度の上昇により電荷または電圧を生じる起電素子と、前記電荷または電圧の変化により前記発光素子の発光輝度を制御する増幅器を備える請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記スペクトル置換手段は、入射した電磁波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電磁波を検出する検波部と、前記検波部によって検出した信号を増幅する増幅部と、前記増幅部により増幅された信号により、前記入射した電磁波とは異なる波長の電磁波を発する発光素子を備える請求項5に記載の撮像デバイス。
- 前記受信部は、アレイ状に配置されたアンテナによって構成される請求項16に記載の撮像デバイス。
- 撮像対象からの第1の波長の電磁波を集光する集光部と、
前記集光部によって集光された前記第1の波長の電磁波を、前記第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に変換するスペクトル変換手段と、前記第1の波長よりも前記第2の波長に対する感度が高く、前記スペクトル変換手段によって波長の変換された前記第2の波長の電磁波を受光する撮像素子と、を備えた撮像デバイスと、
前記撮像素子より出力された電荷を制御する制御部と、
前記撮像素子からの出力信号を処理する処理信号回路と、
を備えた
撮像装置。 - 撮像対象からの第1の波長の電磁波を集光する集光部と、
前記集光部によって集光された前記第1の波長の電磁波を、前記第1の波長と異なる第2の波長の電磁波に置換するスペクトル変換手段と、前記第1の波長よりも前記第2の波長に対する感度が高く、前記スペクトル変換手段によって置換された前記第2の波長の電磁波を受光する撮像素子と、を備えた撮像デバイスと、
前記撮像素子より出力された電荷を制御する制御部と、
前記撮像素子からの出力信号を処理する処理信号回路と、
を備えた
撮像装置。 - 撮像対象からの電磁波を集光する集光部と、
前記集光された電磁波を、異なる波長の電磁波に変換するスペクトル置換手段と、
前記スペクトル置換手段に前記集光された電磁波とは異なる波長の電磁波を照射する光源と、
を含む
スペクトル置換デバイス。
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