JPH10253447A - 光読み出し型放射−変位変換装置及びその製造方法、放射検出方法及び装置、並びにこれを用いた映像化方法及び装置 - Google Patents

光読み出し型放射−変位変換装置及びその製造方法、放射検出方法及び装置、並びにこれを用いた映像化方法及び装置

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JPH10253447A
JPH10253447A JP9256042A JP25604297A JPH10253447A JP H10253447 A JPH10253447 A JP H10253447A JP 9256042 A JP9256042 A JP 9256042A JP 25604297 A JP25604297 A JP 25604297A JP H10253447 A JPH10253447 A JP H10253447A
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light
displacement
readout
radiation
optical
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JP9256042A
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Toru Ishizuya
徹 石津谷
Noboru Amamiya
昇 雨宮
Keiichi Akagawa
圭一 赤川
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却器を用いることなく、放射の検出精度及
び感度の向上を図る。 【解決手段】 被支持部3は、脚部2を介して基板1に
支持される。被支持部3は、赤外線を受けて熱に変換す
る赤外線吸収膜4と、赤外線吸収膜4にて発生した熱に
応じてバイメタルの原理により基板1に対して変位する
変位部4,5とを有する。反射膜5は、読み出し光jを
受光し、受光した読み出し光に変位部4,5の変位に応
じた反射方向及び反射位置の変化を与えて当該変化した
読み出し光の反射光を出射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線、X線、紫
外線などの不可視光を含む種々の放射を検出等する技術
に関するものであり、特に、放射を光読み出し可能な変
位に変換する光読み出し型放射−変位変換装置及びその
製造方法、放射検出方法及び装置、並びにこれを用いた
映像化方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、赤外線、X線、紫外線などの不可
視光を検出することにより、可視光領域だけから得られ
る情報以外の物理情報を利用する研究が盛んに行われ、
様々な産業分野への応用展開が期待されている。その一
例として、赤外線の利用について述べる。
【0003】赤外線は、地球上に存在する温度を持つ全
ての物体から放射されるエネルギーであり、例えば30
0K付近の物体からは8〜12μmをピークとする赤外
線が放射される。この赤外線を利用すれば、真っ暗闇で
も物体の存在、形状さらには物体の持つ温度も検出する
ことができる。ゆえに、この赤外線を利用すれば、例え
ば照明のほとんどない夜間でも、あたかも昼間の景色を
見るように車を走行させることが可能となり、また、照
明なしに夜間の建造物への不法侵入者などを容易に発見
できるわけである。
【0004】このようなメリットがあるため、不可視光
である赤外線の検出に関しては、1800年頃にハーシ
ェルが赤外線を発見して以来、様々なアプローチがなさ
れてきた。そして、今日では、赤外線検出器として、大
きく分けて量子型赤外線検出器及び熱型赤外線検出器の
2種類の検出器が利用されるに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、今日のオプ
トメカトロニクス技術の進歩をもってしても、赤外線検
出は技術的に容易でない面があるために、一般社会に広
く利用されるまでには至っていない。その理由を量子型
赤外線検出器と熱型赤外線検出器とに分けて以下説明す
る。
【0006】量子型赤外線検出器は、赤外線の持つフォ
トンエネルギー(E:hν)を電子エネルギーに変換し
て検出する検出器である。一般社会で最も利用価値の高
い赤外線の波長は、3〜12μmであり、この赤外線の
フォトンエネルギーは0.1〜0.4eV程度である
が、この値は常温物体における電子の持つ熱エネルギー
に概ね等しいのである。よって、入射赤外線のフォント
エネルギーのみを電子エネルギーに変換するためには、
電子の持つ熱エネルギーによる影響を取り除かなければ
ならない。すなわち、量子型赤外線検出器では、当該検
出器を冷却し、熱エネルギーを除去することが不可欠な
のである。
【0007】通常、この熱エネルギーを低レベルに抑え
るためには検出器を−200゜C(77K)程度に冷却
する必要があるが、このための冷却器は、体積が大き
く、機械振動を発生し寿命も短く、高価なものとなり、
したがって、量子型赤外線検出器を用いた赤外線カメラ
は小型化、低価格化することができず、一般社会で広く
利用されないのである。
【0008】それに対し、従来の熱型赤外線検出器は、
入射赤外線の持つエネルギーを熱エネルギーに変換し、
検出器の温度に変化を生じさせ、それによる検出器の物
性値の変化を電気的に読み出すものである。例えば、抵
抗性ボロメーターでは温度が変わると抵抗値が変化す
る。
【0009】この従来の熱型赤外線検出器は、量子型赤
外線検出器のような大がかりな冷却器は必要ないが、検
出原理そのものに課題を持っている。それは、従来の熱
型赤外線検出器では、入射赤外線のみによる検出器の温
度変化を検出しなければならないにもかかわらず、温度
変化を検出するために検出器に電流を流さねばならない
点である。
【0010】すなわち、温度変化検出のための電流によ
り検出器が発熱(通常、自己発熱と呼ぶ。)してしまう
ので、入射赤外線のみによる温度変化を検出することが
困難であり、検出精度が低下していた。
【0011】また、入射赤外線を熱エネルギーに変換す
る変換部分は、できるだけ入射赤外線により発生した熱
エネルギーのみに依存する温度変化を検出するように、
基板から浮いた状態に支持されているが、この基板から
浮いた変換部分に抵抗ボロメーター等を作り込まなけれ
ばならないため、前記変換部分と基板とは導電材料にて
電気的に接続する必要がある。しかし、導電材料は熱伝
導率が極めて高いことから、従来の熱型赤外線検出器で
は、前記変換部分の基板に対する熱的な絶縁の程度を高
めることができず、この点からも検出精度が低下すると
ともに感度も低下していた。
【0012】さらに、前記従来の熱型赤外線検出器で
は、感度が低い欠点があった。従来の熱型赤外線検出器
では、例えば、抵抗の温度が1゜C変化したときの抵抗
の変化率が2%程度の物が使われているが、観測物体の
温度によって放射される赤外線を受光して温度に変換す
る変換率はせいぜい1%程度である。よって、観測物体
の温度が1゜C変化しても抵抗は0.02%しか変化し
ない。
【0013】さらにまた、従来の熱型赤外線検出器で
は、得られる電気信号が極めて微弱であるため、電気信
号読み出し回路は極めて高レベルのローノイズ化が要求
され、回路規模が大がかりなものとなっていた。
【0014】なお、以上述べたような事情は赤外線のみ
ならず、他の放射についても同様である。
【0015】本発明は、前述したような事情に鑑みてな
されたもので、冷却器を必要とせずに検出精度及び感度
の高い放射検出方法及び装置、これに用いられる光読み
出し型放射−変位変換装置及びその製造方法、並びにこ
れらを用いた映像化方法及び装置を提供することを目的
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による光読み出し型放射−変位
変換装置は、基体と、前記基体に支持された被支持部で
あって、放射を受けて熱に変換する放射吸収部と該放射
吸収部にて発生した熱に応じて前記基体に対して変位す
る変位部とを有する被支持部と、読み出し光を受光し、
受光した読み出し光に前記変位部の変位に応じた変化を
与えて当該変化した読み出し光を出射させる光作用部
と、を備えたものである。
【0017】この第1の態様では、前記放射吸収部は前
記放射を一方の側から受け、前記光作用部は前記読み出
し光を前記一方の側と反対の側から受光してもよい。ま
た、前記第1の態様では、前記放射吸収部は前記放射を
一方の側から受け、前記光作用部は前記読み出し光を前
記一方の側と同じ側から受光してもよい。
【0018】前記第1の態様によれば、赤外線、X線、
紫外線等の放射が被支持部の放射吸収部に照射され、当
該放射が放射吸収部により吸収されて熱に変換される。
放射吸収部にて発生した熱に応じて被支持部の変位部が
基体に対して変位する。すなわち、入射した放射が、そ
の量に応じた変位部の変位に変換される。一方、可視光
やその他の光による読み出し光が光作用部に照射され
る。光作用部は、受光した読み出し光に前記変位部の変
位に応じた変化を与えて当該変化した読み出し光を出射
させるので、結局、放射吸収部に照射された放射が読み
出し光の変化に変換されることになる。したがって、光
作用部から出射された読み出し光に基づいて放射を検出
することができる。この時、光による変位検出は高感度
で行うことができることから、前記第1の態様によれ
ば、放射を高感度で検出することが可能となる。また、
前記第1の態様では、前述した従来の熱型赤外線検出器
と異なり、放射を熱を経て抵抗値(電気信号)に変換す
るのではなく、放射を熱及び変位を経て読み出し光の変
化に変換するので、基体により支持された被支持部には
電流を流す必要がなく、被支持部には自己発熱が生じな
い。したがって、前記第1の態様によれば、入射した放
射のみによる熱を検出することになるので、検出精度が
向上する。勿論、前記第1の態様では、前述した従来の
熱型赤外線検出器と同様に、量子型赤外線検出器におい
て必要であった冷却器は不要である。また、前記第1の
態様では、放射を電気信号として読み出すものではない
ので、前述した従来の熱型赤外線検出器において必要で
あった微弱電気信号用の読み出し回路が不要となる。
【0019】なお、前記第1の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、放射を読み出し光の変化に変換
するものであり、その用途は、必ずしも入射する放射を
検出する用途に限定されるものではない。前記第1の態
様では、用途に応じて、入射する放射の種類や読み出し
光の種類等は適宜選択することができる。
【0020】本発明の第2の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1の態様による光読み出し
型放射−変位変換装置において、前記被支持部が前記基
体に対して電気的に絶縁されたものである。
【0021】前記第1の態様では、前述した原理による
ので、前述した従来の熱型赤外線検出器と異なり、被支
持部と基体との間を導電材料で電気的に接続する必要は
ない。そこで、前記第2の態様のように、そのような電
気的な接続を行うことなく被支持部を基体に対して電気
的に絶縁しておけば、被支持部の基体に対する熱的な絶
縁の程度を高めることができ、これにより、放射の変換
の精度や効率を向上させることができ、放射の検出精度
や検出感度を向上させることができるので、好ましい。
もっとも、前記第1の態様では、必要に応じて被支持部
と基体とを電気的に接続しておいてもよい。
【0022】本発明の第3の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1又は第2の態様による光
読み出し型放射−変位変換装置において、前記放射が赤
外線であるものである。もっとも、前記第1及び第2の
態様では、前記放射が赤外線に限定されないことは、前
述した通りである。
【0023】本発明の第4の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記変位部がカンチレバーを構成するものである。このよ
うなカンチレバーの構造を採用すると、熱を効率良く変
位に変換することができ、好ましい。
【0024】本発明の第5の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記変位部がダイヤフラムを構成するものである。このよ
うなダイヤフラムの構造を採用しても、熱を効率良く変
位に変換することができ、好ましい。
【0025】本発明の第6の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記変位部が、異なる膨張係数を有する異なる物質の互い
に重なった少なくとも2つの層を有するものである。こ
の第6の態様は、変位部の例示であり、いわゆる熱バイ
モルフ構造を採用したものである。
【0026】前記2つの層は、異なる膨張係数を有する
異なる物質で構成すればよいが、例えば、金属膜と他の
金属膜との組み合わせでもよいし、金属膜(Zn,C
d,Pb,Mg,Al,Ni,W,Ptなど)と絶縁膜
(SiO2,SiN,ポリイミドなど)との組み合わせ
でもよいし、絶縁膜と他の絶縁膜との組み合わせでもよ
いし、前記金属膜の代わりに半導体膜(ポリシリコン、
a−Si,InSb,HgCdTeなど)を用いてもよ
い。
【0027】本発明の第7の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第6のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記放射吸収部が前記変位部の少なくとも一部をなすもの
である。このように、放射吸収部が前記変位部の少なく
とも一部をなす場合には、放射吸収部と変位部とが独立
している場合に比べて、構造が簡単で製造工程が少なく
なり、安価になる。
【0028】本発明の第8の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第6のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、前
記放射吸収部が前記変位部の変位と無関係に基体に対し
て固定され、前記変位部と前記放射吸収部とが熱的に結
合されたものである。
【0029】この第8の態様によれば、変位部の変位を
妨げることなく、放射吸収部を厚く構成することがで
き、放射部の放射吸収量を高めることができる。このた
め、放射の熱への変換効率を高めることができ、ひいて
は、放射の読み出し光の変化への変換効率を高めること
ができ、感度が更に高まる。
【0030】本発明の第9の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置は、前記第1乃至第8のいずれかの態
様による光読み出し型放射−変位変換装置において、照
射される読み出し光のうちの前記光作用部により変化さ
せられて前記光作用部から出射する読み出し光以外の光
をマスクするマスク手段を備えたものである。
【0031】照射される読み出し光のうちの前記光作用
部により変化させられて前記光作用部から出射する読み
出し光が信号光であるが、読み出し光のうちの当該信号
光以外の光(すなわち、ノイズ光)が当該信号光に混じ
ると、いわゆるS/Nが低下してしまう。この点、前記
第9の態様によれば、マスク手段を有しているので、当
該ノイズ光が信号光に混じらず、S/Nが向上する。
【0032】本発明の第10の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第8のいずれかの
態様による光読み出し型放射−変位変換装置において、
照射される読み出し光のうちの前記光作用部により変化
させられて前記光作用部から出射する読み出し光以外の
光の反射を防止する反射防止膜を備えたものである。こ
の第10の態様によっても、前記第9の態様と同様に、
S/Nが向上する。
【0033】本発明の第11の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第10のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、nを奇数、前記放射の中心波長をλ0として、前記
放射吸収部から実質的にnλ0/4の間隔をあけて配置
された前記放射を反射する放射反射部を備えたものであ
る。
【0034】この第11の態様によれば、いわゆるオプ
チカルキャビティの原理により、放射吸収部の放射吸収
率が高まり、放射から熱への変換効率を高めることがで
き、ひいては、放射の読み出し光の変化への変換効率を
高めることができ、感度が更に高まる。
【0035】本発明の第12の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第11のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記光作用部は、前記被支持部の一部をなすととも
に前記変位部の変位に従って変位する反射部であって、
受光した読み出し光を反射する反射部であるものであ
る。この第12の態様は、光作用部の例示である。
【0036】本発明の第13の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第12の態様による光読み
出し型放射−変位変換装置において、前記反射部が前記
変位部の一部をなすものである。このように、反射部が
前記変位部の少なくとも一部をなす場合には、反射部と
変位部とが独立している場合に比べて、構造が簡単で製
造工程が少なくなり、安価になる。
【0037】本発明の第14の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第11のいずれか
の態様による光読み出し型放射−変位変換装置におい
て、前記光作用部は、読み出し光を受光し、受光した読
み出し光を前記変位部の変位に応じた干渉状態を有する
干渉光に変えて出射させる干渉手段であるものである。
【0038】前記第13の態様のように変位部の一部が
反射部である場合には、例えば、光源からの光を複数に
分割し、当該分割された光のうちの1つを前記読み出し
光として前記各素子の前記反射部にそれぞれ照射し、前
記各素子の前記反射部から出射した各反射光と前記分割
された光のうちの他の1つである参照光とを干渉させて
干渉光を得ることができ、反射部からの反射光を用いて
光読み出し型放射−変位変換装置の外部において干渉光
を得ることができる。しかしながら、この場合におい
て、前記被支持部及び前記光作用部を1個の素子として
当該素子が1次元状又は2次元状に配列され、当該各素
子に均一な放射が入射した場合、各素子の反射部の高さ
がばらついていたり、前記参照光を反射させるミラーの
平面度が保たれていなかったりすると、均一な放射が入
射したにもかかわらず、各素子ごとに干渉強度がばらつ
いた信号が発生してしまう。これに対し、前記第14の
態様によれば、光作用部自体が干渉手段であり、光読み
出し型放射−変位変換装置の内部において素子毎に独立
して干渉光を得ることができるので、複数の素子が1次
元状又は2次元状に配列された場合であっても、各素子
ごとの出力信号の均一性は極めて良好なものとなる。ま
た、前記第14の態様では、光読み出し型放射−変位変
換装置の外部において干渉光学系を構成する必要がない
ので、干渉の原理に従って読み出し光学系を構成する場
合であっても、当該読み出し光学系の構成が簡単とな
る。
【0039】本発明の第15の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第14の態様による光読み
出し型放射−変位変換装置において、前記干渉手段は、
前記被支持部の一部をなすとともに前記変位部の変位に
従って変位するハーフミラー部であって、受光した読み
出し光の一部のみを反射するハーフミラー部と、該ハー
フミラー部と対向するように前記基体に対して固定され
た反射部と、を有するものである。この第15の態様
は、光作用部を構成する干渉手段の例示である。
【0040】本発明の第16の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第14又は第15の態様に
よる光読み出し型放射−変位変換装置において、前記変
位部の変位による前記干渉状態の変化が単調変化となる
ように、前記変位部の変位の範囲を制限したものであ
る。
【0041】前記第15の態様のように干渉を用いる場
合、変位部の変位の範囲を制限しなければ、干渉の強度
は光路長差が読み出し光の波長の1/2毎に強弱を繰り
返すので、ある強度以上の赤外線が入射すると逆に干渉
の強度が反転するという反転現象が起こってしまう。こ
の点、前記第16の態様によれば、変位部の変位による
干渉状態の変化が単調変化となるように変位部の変位の
範囲が制限されているので、過剰な放射による前記反転
現象が防止され、好ましい。
【0042】本発明の第17の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第1乃至第11並びに前記
第14乃至第16のいずれかの態様による光読み出し型
放射−変位変換装置において、前記被支持部及び前記光
作用部を1個の素子として当該素子を複数個有し、当該
素子が1次元状又は2次元状に配列されたものである。
【0043】本発明の第18の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置は、前記第12又は第13の態様に
よる光読み出し型放射−変位変換装置において、前記被
支持部及び前記光作用部を1個の素子として当該素子を
複数個有し、当該素子が1次元状又は2次元状に配列さ
れたものである。
【0044】前記第1乃至第16の態様では、単に放射
を検出する場合には1個の素子(画素に相当)のみを有
していればよい。しかし、前記第17及び第18の態様
のように、1次元状又は2次元状に配列された複数の素
子を有していれば、放射による1次元又は2次元の光学
像を形成したり、放射による1次元又は2次元の像を撮
像したりすることができる。
【0045】本発明の第19の態様による放射検出方法
は、放射を受けて熱に変換する段階と、前記変換された
熱を変位に変換する段階と、読み出し光を用いて前記変
位を検出する段階と、を備えたものである。
【0046】この第19の態様によれば、放射を熱に変
換し、当該熱を変位に変換し、当該変位を読み出し光を
用いて検出するが、光による変位検出は高感度で行うこ
とができることから、放射を高感度で検出することが可
能となる。また、前記第19の態様によれば、前述した
従来の熱型赤外線検出器の場合と異なり、放射を熱を経
て抵抗値(電気信号)に変換するのではなく、放射を熱
を経て変位に変換してこの変位を読み出し光で読み出す
ので、放射を熱に変換する部分には電流を流す必要がな
く、当該部分には自己発熱が生じない。したがって、前
記第19の態様によれば、入射した放射のみによる熱を
検出することになるので、検出精度が向上する。勿論、
前記第19の態様では、前述した従来の熱型赤外線検出
器と同様に、量子型赤外線検出器において必要であった
冷却器は不要である。また、前記第19の態様では、放
射を電気信号として読み出すものではないので、前述し
た従来の熱型赤外線検出器において必要であった微弱電
気信号用の読み出し回路が不要となる。
【0047】本発明の第20の態様による映像化方法
は、1次元状又は2次元状に位置する複数箇所において
それぞれ放射を受けて当該複数箇所において受けた放射
をそれぞれ熱に変換する段階と、前記変換された各熱を
前記複数箇所に応じた位置でそれぞれ変位に変換する段
階と、読み出し光を用いて前記各変位に応じた光学像を
形成する段階と、を備えたものである。
【0048】この第20の態様は、前記第19の態様に
よる放射検出方法を用いて放射を映像化する映像化方法
に相当している。したがって、前記第20の態様によれ
ば、前記第19の態様と同様の利点が得られる。のみな
らず、前記第20の態様によれば、読み出し光を用いて
前記各変位に応じた光学像を形成しているので、読み出
し光として可視光を用いれば、放射の像に相当する当該
光学像を肉眼により観察することができる。従来の赤外
線撮像装置を用いた場合には、電気信号あるいは画像デ
ータに変換した後にそれに基づいて表示装置に像を表示
しなければ赤外線の像を観察することが不可能であった
のに対し、前記第20の態様では、読み出し光として可
視光を用いれば、電気信号あるいは画像データを介在さ
せることなく、前記第20の態様のように肉眼で放射の
像を観察することができるのである。
【0049】本発明の第21の態様による映像化方法
は、前記第20の態様による映像化方法において、前記
光学像を撮像手段により撮像する段階を更に備えたもの
である。このように、読み出し光を用いて形成された光
学像を撮像手段により撮像すると、従来の赤外線撮像方
法と同様に、放射による像を撮像することができる。
【0050】本発明の第22の態様による放射検出装置
は、前記第1乃至第16のいずれかの態様による光読み
出し型放射−変位変換装置と、前記光作用部に前記読み
出し光を照射し、前記光作用部から出射された前記変化
した読み出し光に基づいて前記変位部の変位を検出する
変位検出手段と、を備えたものである。
【0051】この第22の態様によれば、変位部の変位
が放射の量に相当することから、変位検出手段からの変
位検出信号が、結局、放射検出信号となる。そして、前
記第22の態様によれば、前記第1乃至第16のいずれ
かの態様による光読み出し型放射−変位変換装置が用い
られているので、放射を高感度で検出することができる
とともに、検出精度が向上する。
【0052】本発明の第23の態様による映像化装置
は、前記第17又は第18の態様による光読み出し型放
射−変位変換装置と、前記各素子の前記光作用部にそれ
ぞれ前記読み出し光を照射し、前記各素子の前記光作用
部から出射された前記変化した読み出し光に基づいて前
記各素子の前記変位部の変位に応じた光学像を形成する
読み出し光学系と、を備えたものである。
【0053】この第23の態様によれば、前記第17又
は第18の態様による光読み出し型放射−変位変換装置
を用いて、読み出し光学系により各素子の変位部の変位
に応じた光学像を形成している。したがって、放射の像
を精度良く当該光学像として形成することができるとと
もに、感度が高まる。のみならず、前記第23の態様に
よれば、読み出し光に基づいて各素子の変位部の変位に
応じた光学像を形成しているので、読み出し光として可
視光を用いれば、放射の像に相当する当該光学像を肉眼
により観察することができる。従来の赤外線撮像装置を
用いた場合には、電気信号あるいは画像データに変換し
た後にそれに基づいて表示装置に像を表示しなければ赤
外線の像を観察することが不可能であったのに対し、前
記第23の態様では、読み出し光として可視光を用いれ
ば、電気信号あるいは画像データを介在させることな
く、肉眼で放射の像を観察することができるのである。
【0054】本発明の第24の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、光源からの光を複数に分割し、当該分割され
た光のうちの1つを前記読み出し光として前記各素子の
前記反射部にそれぞれ照射し、前記各素子の前記反射部
から出射した各反射光と前記分割された光のうちの他の
1つとを干渉させて干渉光を得、該干渉光による光学像
を形成する読み出し光学系と、を備えたものである。こ
の第24の態様は、読み出し光学系の例示であり、光読
み出し型放射−変位変換装置の外部において干渉光を得
て当該干渉光による光学像を形成している。
【0055】本発明の第25の態様による映像化装置
は、前記第24の態様による映像化装置において、前記
変位部の変位による前記干渉状態の変化が単調変化とな
るように、前記変位部の変位の範囲を制限したものであ
る。
【0056】この第25の態様によれば、前記第16の
態様と同様に、変位部の変位による干渉状態の変化が単
調変化となるように変位部の変位の範囲が制限されてい
るので、過剰な放射による反転現象が防止され、好まし
い。
【0057】本発明の第26の態様による映像化装置
は、第18の態様による光読み出し型放射−変位変換装
置と、前記読み出し光を前記各素子の前記反射部にそれ
ぞれ照射し、前記各素子の前記反射部から出射した各反
射光による前記各素子の前記反射部の像からなる光学像
であって、当該光学像における前記各素子の前記反射部
の像の光量が前記各素子の前記反射部の傾きに応じて異
なる光学像を形成する読み出し光学系と、を備えたもの
である。この第26の態様も、読み出し光学系の例示で
ある。
【0058】本発明の第27の態様による映像化装置
は、前記第26の態様による映像化装置において、前記
読み出し光学系は、前記各素子の前記反射部から出射し
た各反射光を当該反射部の傾きに応じた量だけ遮る瞳を
有するものである。この第27の態様は、前記第26の
態様における読み出し光学系の具体例である。
【0059】本発明の第28の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、前記読み出し光が前記各素子の前記反射部付
近の所定位置にそれぞれ集光するように、前記読み出し
光を前記各素子の前記反射部にそれぞれ照射し、前記各
集光位置と共役な平面位置に配置された絞り板であって
前記各集光位置に対応する位置にそれぞれピンホールを
有する絞り板の当該各ピンホールに、前記各素子の前記
反射部から出射した各反射光をそれぞれ通過させ、前記
各素子の前記反射部から出射した各反射光のうちの前記
各ピンホールを通過した光による光学像を形成する読み
出し光学系と、を備えたものである。この第28の態様
も、読み出し光学系の例示である。
【0060】本発明の第29の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、前記読み出し光を前記各素子の前記反射部に
それぞれ照射し、前記各素子の前記反射部から出射した
各反射光を所定平面上に導き、前記各反射光による光学
像であって、前記各素子の前記反射部の傾きに応じて前
記各反射光の前記所定平面上に達する位置が異なる光学
像を前記所定平面上に形成する読み出し光学系と、を備
えたものである。この第29の態様も、読み出し光学系
の例示である。
【0061】本発明の第30の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、前記読み出し光として偏光光を前記各素子の
前記反射部にそれぞれ照射し、前記各素子の前記反射部
から出射した各反射光をそれぞれ検光し、各検光光によ
る前記各素子の前記反射部の像からなる光学像を形成す
る読み出し光学系と、を備えたものである。この第30
の態様も、読み出し光学系の例示である。
【0062】本発明の第31の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、位相差法に従って、前記読み出し光を前記各
素子の前記反射部にそれぞれ照射するとともに前記各素
子の前記反射部から出射した各反射光に基づいて前記各
素子の前記変位部の変位に応じた光学像を形成する読み
出し光学系と、を備えたものである。この第31の態様
も、読み出し光学系の例示である。
【0063】本発明の第32の態様による映像化装置
は、前記第18の態様による光読み出し型放射−変位変
換装置と、微分干渉法に従って、前記読み出し光を前記
各素子の前記反射部にそれぞれ照射するとともに前記各
素子の前記反射部から出射した各反射光に基づいて前記
各素子の前記変位部の傾きに応じた光学像を形成する読
み出し光学系と、を備えたものである。この第32の態
様も、読み出し光学系の例示である。
【0064】本発明の第33の態様による映像化装置
は、前記第23乃至第32のいずれかの態様による映像
化装置において、前記光学像を撮像する撮像手段を備え
たものである。このように、読み出し光学系により形成
された光学像を撮像する撮像手段を備えていると、従来
の赤外線撮像装置と同様に、放射による像を撮像するこ
とができる。
【0065】本発明の第34の態様による映像化装置
は、前記第33の態様による映像化装置において、前記
撮像手段は、前記光読み出し型放射−変位変換装置の前
記複数の素子の前記光作用部と1対1に対応する複数の
画素を有し、前記読み出し光学系は、前記撮像手段の前
記複数の画素の各々が、前記複数の素子の前記光作用部
のうちの対応する光作用部から出射された前記変化した
読み出し光のみを受光するように、前記光学像を形成す
るものである。
【0066】この第34の態様によれば、撮像手段の複
数の画素の各々が、光読み出し型放射−変位変換装置の
複数の素子の前記光作用部のうちの対応する光作用部か
ら出射された前記変化した読み出し光(すなわち、信号
光)のみを有効に受光し、読み出し光のうちの当該信号
光以外の光(すなわち、ノイズ光)を有効に受光しな
い。このため、前記第34の態様によれば、前記第9及
び第10の態様で用いられているようなマスク手段や反
射防止膜を設けなくても(すなわち、撮像手段へ向かう
光が信号光のみならずノイズ光を含んでいても)、S/
Nが向上する。
【0067】なお、前記第34の態様では、例えば、前
記読み出し光学系は、前記光読み出し型放射−変位変換
装置の前記複数の素子の前記光作用部の各々から出射さ
れた前記変化した読み出し光による、前記各光作用部に
対応する個々の像を、前記撮像手段の前記複数の画素の
各々の有効受光領域と重なるように、当該有効受光領域
と等しいか又はそれより大きい大きさで形成すればよ
い。
【0068】本発明の第35の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記第1乃至第18
のいずれの態様による光読み出し型放射−変位変換装置
を製造する方法であって、(1)基板と、該基板上に形
成された犠牲層と、前記変位部を支持する脚部であって
前記基板上に形成された脚部とを有する構造体であっ
て、前記犠牲層が少なくとも前記脚部の周囲に形成さ
れ、前記脚部の上部が外部に露出した構造体を用意する
段階と、(2)前記構造体の前記脚部及び前記犠牲層上
に、熱膨張係数の異なる2種類の膜であって、互いに積
層され所望の形状にパターニングされた2種類の膜を形
成する段階と、(3)前記犠牲層を除去する段階と、を
備えたものである。
【0069】この第35の態様によれば、犠牲層を巧み
に利用することによって変位部を形成することができ、
しかも、各段階はいずれも半導体微細加工技術そのもの
を応用したものとすることができるため、容易に光読み
出し型放射−変位変換装置を製造することができ、光読
み出し型放射−変位変換装置を安価に提供することがで
きる。また、製造途中においては、変位部は犠牲層を除
去するまで当該犠牲層に支持され固定されているため、
変位部が変形したり破損したりしてしまう不良は全く生
じない。
【0070】前記犠牲層の材料としては、何ら限定され
るものではないが、例えば、ポリイミド膜、レジスト、
SiO2、ポリシリコンなどを挙げることができる。
【0071】また、前記構造体を用意するに際しては、
基板上に犠牲層を形成した後に脚部を形成してもよい
し、逆に、基板上に脚部を形成した後に犠牲層を形成し
てもよい。前者の場合、前記構造体を用意する段階は、
例えば、基板上に犠牲層となるべき膜を形成する段階
と、該膜における前記脚部に相当する部分を除去して当
該膜に前記基板の上面を露出させる開口を形成する段階
と、該開口を埋めるように前記犠牲層上に脚部となるべ
き膜を形成する段階と、当該脚部となるべき膜における
不要部分をフォトリソエッチング又は全面エッチバック
やCMP法等により除去する段階とを含む。また、後者
の場合、前記構造体を用意する段階は、例えば、基板上
に脚部を形成する段階と、脚部が形成された基板上に犠
牲層となるべき膜を形成する段階と、該膜の不要部分を
フォトリソエッチング又は全面エッチバックやCMP法
等により除去する段階とを含む。この場合、基板上に脚
部を形成する段階は、基板上に脚部となるべき膜を形成
する段階と、該膜の不要部分をフォトリソエッチング等
により除去して脚部を形成する段階とを含んでいてもよ
い。あるいは、基板上に脚部を形成する段階は、基板の
一部をフォトリソエッチング等により除去して基板材料
からなる脚部を形成する段階であってもよい。
【0072】さらに、前記犠牲層の除去は、例えば、ウ
エットエッチング法、ドライエッチング法又はアッシン
グ法により行うことができる。これらの方法を採用すれ
ば、容易に犠牲層のみを除去することができる。特に、
アッシング法を用いた場合には、その後の乾燥工程は不
要である。ウエットエッチング法により犠牲層を除去し
た場合には、エッチング液をリンスした後、フリーズド
ライ法や凝固昇華法などにより乾燥を行えばよい。な
お、凝固昇華法の一例では、対象物をナフタレン溶液に
つけて引き上げると対象物に付着したナフタレンが凝固
し、更にこれを放置すると凝固したナフタレンが昇華し
て除去される。もっとも、凝固昇華法で用い得るものが
ナフタレン溶液に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0073】本発明の第36の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記第35の態様に
よる製造方法において、前記2種類の膜の形成の前又は
後に、所望の形状にパターニングされた前記放射に対す
る放射吸収膜を、前記2種類の膜と重なるように形成す
る段階を備えたものである。
【0074】前記第35の態様では、前記2種類の膜の
うちの少なくとも一方を放射吸収膜として兼用してもよ
いが、この第36の態様のような方法で別個に放射吸収
膜を形成すると、製造工程を大幅に増やすことなく放射
吸収膜を形成することができ、検出すべき放射の吸収効
率を高めた光読み出し型放射−変位変換装置を得ること
ができる。放射吸収膜を変位部となる前記2種類の膜と
別にすることにより、各々の膜として所望の機能に応じ
た最適な膜を選択することができるためである。
【0075】本発明の第37の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記第35又は第3
6の態様による製造方法において、前記2種類の膜の形
成の前又は後に、所望の形状にパターニングされた読み
出し光反射膜を、前記2種類の膜と重なるように形成す
る段階を備えたものである。
【0076】光作用部として読み出し光を反射する反射
部を用いた場合、前記第35及び第36の態様では、前
記2種類の膜のうちの一方を当該反射部としての読み出
し光反射膜として兼用してもよいが、この第37の態様
のような方法で別個に読み出し光反射膜を形成すると、
製造工程を大幅に増やすことなく読み出し光反射膜を形
成することができ、読み出し光反射率を高めひいては検
出感度を高めた光読み出し型放射−変位変換装置を得る
ことができる。読み出し光反射膜を変位部となる前記2
種類の膜と別にすることにより、各々の膜として所望の
機能に応じた最適な膜を選択することができるためであ
る。
【0077】本発明の第38の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記第35乃至第3
7のいずれかの態様による製造方法において、前記基板
の少なくとも前記放射が入射する側に前記放射に対する
反射防止膜を被着させる段階を備えたものである。
【0078】この第38の態様のような方法で基板の放
射入射側に当該放射に対する反射防止膜を被着させる
と、製造工程を大幅に増やすことなく当該反射防止膜を
形成することができ、検出すべき放射を効率良く放射吸
収部に取り込むことができひいては検出感度を高めた光
読み出し型放射−変位変換装置を得ることができる。
【0079】本発明の第39の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記第35乃至第3
8のいずれかの態様による製造方法において、前記構造
体は、前記基板と前記犠牲層との間に、所望の形状にパ
ターニングされた読み出し光全反射ミラーを有し、前記
2種類の膜に連結されるとともに前記読み出し光全反射
ミラーと対向するように、前記犠牲層上に読み出し光ハ
ーフミラーを形成する段階を備えたものである。
【0080】この第39の態様によれば、製造工程を大
幅に増やすことなく全反射ミラー及びハーフミラーを形
成することができ、前記第14及び第15の態様のよう
な光作用部を干渉手段とした光読み出し型放射−変位変
換装置を得ることができる。
【0081】本発明の第40の態様による光読み出し型
放射−変位変換装置の製造方法は、前記犠牲層を除去す
る前記段階の前に、前記構造体を個々のチップに分割す
る段階を備えたものである。
【0082】前記第35乃至第39の態様では、1枚の
基板を用いて複数の光読み出し型放射−変位変換装置を
同時に製造する場合にはダイシング等により個々のチッ
プに分割することになるが、この場合、前記第40の態
様のように当該分割を犠牲層の除去の前に行えば、当該
分割の際には変位部が犠牲層に支持され固定されている
ため、変位部が変形したり破損したりすることがなくな
り、歩留りが極めて高くなる。
【0083】
【発明の実施の形態】以下、本発明による光読み出し型
放射−変位変換装置、放射検出方法及び装置、並びにこ
れを用いた映像化方法及び装置について図面を参照して
説明する。以下の説明では、放射を赤外線とし読み出し
光を可視光とした例について説明するが、本発明では、
放射を赤外線以外のX線や紫外線やその他の種々の放射
としてもよいし、また、読み出し光を可視光以外の他の
光としてもよい。
【0084】(第1の実施の形態)まず、本発明による
第1の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図1を参照して説明する。
【0085】図1は本発明の第1の実施の形態による光
読み出し型放射−変位変換装置を示す図であり、図1
(a)はその単位画素(単位素子)の赤外線iが入射し
ていない状態の断面を模式的に示す図、図1(b)は単
位画素の赤外線iが入射している状態の断面を模式的に
示す図、図1(c)は図1(a)中のA−A’矢視図、
図1(d)は画素の配置状態を示す平面図であって図1
(c)に対応する平面図である。
【0086】本実施の形態による放射−変位変換装置
は、基体としての基板1と、脚部2を介して基板1上に
浮いた状態に支持された被支持部3とを備えている。
【0087】本実施の形態では、基板1上に被支持部3
が設けられ、基板1の下方から赤外線iが入射されると
ともに基板1の上方から読み出し光jが入射されるよう
に構成されているので、基板1は、赤外線iを透過する
材料で構成されている。具体的には、基板1として、シ
リコン基板やGe基板などを用いることができる。もっ
とも、基板1の下方から読み出し光が入射されるととも
に基板1の上方から赤外線iが入射される場合には、読
み出し光を透過させる材料で基板1を構成しておけばよ
い。もっとも、基板1における赤外線又は読み出し光の
所望の通過領域(図1(a)中の領域L1)に開口を形
成すれば、基板1の材料は何ら限定されるものではな
い。
【0088】前記被支持部3は、互いに重なった2つの
膜4,5から構成されている。下側の膜4は、赤外線を
受けて熱に変換する赤外線吸収部となっている。膜4及
び膜5は、互いに異なる膨張係数を有する異なる物質で
構成されており、いわゆる熱バイモルフ構造を構成して
いる。したがって、本実施の形態では、膜4,5は、赤
外線吸収部としての膜4にて発生した熱に応じて基板1
に対して変位する変位部を構成している。後述するよう
に膜4,5がカンチレバーを構成しているので、下側の
膜4の膨張係数が上側の膜5の膨張係数より大きい場合
には、前記熱により図1(b)に示すように上方に湾曲
して傾斜する。逆に、下側の膜4の膨張係数が上側の膜
5の膨張係数より小さくてもよく、この場合には、前記
熱により下方に湾曲して傾斜することになる。また、本
実施の形態では、上側の膜5は、読み出し光jを反射す
る反射部を構成しており、読み出し光jを受光し、受光
した読み出し光に前記変位部の変位に応じた変化を与え
て当該変化した読み出し光を出射させる光作用部を構成
している。すなわち、反射部としての膜5は、読み出し
光jを受光し、受光した読み出し光に変位部としての膜
4,5の変位に応じた反射方向の変化や反射位置の変化
を与えて当該変化した読み出し光を反射光として出射さ
せる。
【0089】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、膜4が変位部の一部及び赤外線吸収部を兼用
し、膜5が変位部の他の一部及び光作用部としての読み
出し光反射部を兼用している。換言すれば、赤外線吸収
部が変位部の一部をなし、読み出し光反射部が変位部の
一部をなしている。このため、構造が簡単で安価とな
る。なお、本実施の形態では、光作用部としての読み出
し光反射部である膜5は、当然ながら、被支持部3の一
部をなすとともに変位部の変位に従って変位することに
なる。本実施の形態では、膜4の物質としては、例え
ば、金黒、セラミックス(例えば、ZrO2,MnO2
FeO3,CoO,CuO,Al23,MgO,SiO2
などの混合焼結体)、ポジレジスト、ネガレジスト、グ
ラファイト(カーボン)、SiNなどを用いることがで
きる。膜5の物質としては、例えば、Al、Ag、Mg
Oなどや後述する表1に挙げられている金属を用いるこ
とができる。
【0090】もっとも、赤外線吸収部を変位部の一部と
して兼用するとともに、読み出し光反射部を変位部から
独立させてもよい。この場合、例えば、前記被支持部3
を3つの膜を積層したもので構成し、下側の膜を前記膜
4と同一の物質で構成し、上側の膜を前記膜5と同一の
物質で構成し、中間の膜を下側の膜の物質の膨張係数と
異なる膨張係数を有する物質で構成すればよい。また、
赤外線吸収部を変位部から独立させるとともに、読み出
し光反射部を変位部の一部として兼用してもよい。この
場合、例えば、前記被支持部3を3つの膜を積層したも
ので構成し、下側の膜を前記膜4と同一の物質で構成
し、上側の膜を前記膜5と同一の物質で構成し、中間の
膜を上側の膜の物質の膨張係数と異なる膨張係数を有す
る物質で構成すればよい。さらに、赤外線吸収部を変位
部から独立させるとともに、読み出し光反射部を変位部
から独立させてもよい。この場合、例えば、前記被支持
部3を4つの膜を積層したもので構成し、最も下側の膜
を前記膜4と同一の物質で構成し、最も上側の膜を前記
膜5と同一の物質で構成し、中間の2つの膜を互いに異
なる膨張係数を有する異なる任意の物質で構成すればよ
い。この中間の2つの膜の材料としては、例えば、バイ
メタルの材料として知られている下記の表1に挙げる金
属材料を用いてもよい。また、この中間の2つの膜の材
料としては、例えば、金属膜(Zn,Cd,Pb,M
g,Al,Ni,W,Ptなど)と絶縁膜(SiO2
SiN,ポリイミドなど)との組み合わせでもよいし、
絶縁膜と他の絶縁膜との組み合わせでもよいし、前記金
属膜の代わりに半導体膜(ポリシリコン、a−Si,I
nSb,HgCdTeなど)を用いてもよい。
【0091】
【表1】
【0092】また、本実施の形態では、図1に示すよう
に、被支持部3の一端が脚部2を介して基板1に支持さ
れることにより被支持部3が基板1から隙間6を隔てて
浮いた構造になっており、膜4,5からなる変位部はカ
ンチレバーを構成している。このように被支持部3が基
板1から浮いているので、被支持部3と基板1との間の
熱抵抗が大きくなっている。さらに、本実施の形態で
は、脚部2は、SiO2などの絶縁材料により構成され
ており、被支持部3と基板1との間が電気的に絶縁され
ている。このような絶縁材料は熱伝導率が低くて熱抵抗
が大きいので、被支持部3と基板1との間の熱抵抗が一
層大きくなっている。したがって、被支持部3から熱エ
ネルギーが逃げ難く、わずかな赤外線の入射によっても
膜4は温度上昇を生じ、赤外光検出感度が高まる。
【0093】本実施の形態では、図1(d)に示すよう
に、膜4,5及び脚部2を単位画素(単位素子)とし
て、当該画素が基板1上に2次元状に配置されている。
もっとも、必要に応じて当該画素は基板1上に1次元状
に配置してもよいし、単に放射の強度のみを検出するよ
うな場合には、単一の画素のみを基板1上に配置しても
よい。
【0094】次に、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置は例えば半導体製造工程を利用して製造するこ
とができるが、その製造方法の一例について、図2を参
照して説明する。図2は、この製造方法の各工程を示す
概略断面図であり、図1(a)に対応する断面を示して
いる。
【0095】まず、前記基板1に相当するシリコン基板
11上の全面にスピンコート法等により犠牲層としての
ポリイミド膜(例えば、レジストでもよい)12(例え
ば、厚さ1μm)を被着させ、該ポリイミド膜12にお
ける前記脚部2に相当する箇所にフォトリソエッチング
法により穴(開口)をあける。次いで、当該穴を埋める
ように、プラズマCVD法などの低温工程でポリイミド
膜12上の全面に前記脚部2の材料となるべきシリコン
酸化膜13(例えば、厚さ5000オングストローム)
をデポジションする。その後、フォトリソエッチング法
により、脚部2の形状に合わせてシリコン酸化膜13を
パターニングする(図2(a))。これにより、基板1
1と、該基板11上に形成された犠牲層としてのポリイ
ミド膜12と、基板11上に形成された脚部2(シリコ
ン酸化膜13)とを有する構造体であって、犠牲層とし
てのポリイミド膜12が脚部2(シリコン酸化膜13)
の周囲に形成され、脚部2(シリコン酸化膜13)の上
部が外部に露出した構造体が、完成する。
【0096】次に、ポリイミド膜12及びシリコン酸化
膜13上に、前記膜4に相当する金黒14(例えば、厚
さ2000オングストローム)及び前記膜5に相当する
アルミニウム15(例えば、厚さ2000オングストロ
ーム)をスパッタ法により順次被着させ、当該金黒14
及びアルミニウム15を前記膜4,5の形状に合わせて
フォトリソエッチング法によりパターニングする(図2
(b))。この工程は、前記構造体の前記脚部及び前記
犠牲層上に、互いに積層され所望の形状にパターニング
された2種類の膜14,15を形成する工程に相当して
いる。
【0097】最後に、有機溶剤で溶出したり又はプラズ
マアッシングを行うなどにより犠牲層としてのポリイミ
ド膜12を除去する(図2(c))。これにより、図1
に示す光読み出し型放射−変位変換装置が完成する。
【0098】以上説明した製造方法の各工程は周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置を容易に製造することができる。また、製造途
中においては、変位部(金黒14及びアルミニウム1
5)は犠牲層(ポリイミド膜12)を除去するまで当該
犠牲層に支持され固定されているため、変位部が変形し
たり破損したりしてしまう不良は全く生じない。
【0099】ところで、以上の製造方法により通常は1
枚の基板11を用いて複数の光読み出し型放射−変位変
換装置を同時に製造するが、この場合、ダイシング等に
より個々のチップに分割することになる。当該分割は、
ポリイミド膜12(犠牲層)の除去前、すなわち、図2
(b)の段階の後に行うことが好ましい。このように、
個々のチップへの分割を犠牲層の除去前に行えば、当該
分割の際にも変位部が犠牲層に支持され固定されている
ため、変位部が変形したり破損したりすることがなくな
り、歩留りが極めて高くなる。
【0100】次に、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置の製造方法の他の例について、図21を参照し
て説明する。図21は、この製造方法の各工程を示す概
略断面図であり、図1(a)に対応する断面を示してい
る。
【0101】まず、前記基板1に相当するシリコン基板
311上の全面にスピンコート法等により犠牲層として
のポリイミド膜(例えば、レジストでもよい)312
(例えば、厚さ1μm)を被着させ、該ポリイミド膜3
12における前記脚部2に相当する箇所にフォトリソエ
ッチング法により開口312aをあける(図21
(a))。
【0102】次いで、当該開口312aを埋めるよう
に、プラズマCVD法などの低温工程でポリイミド膜3
12上の全面に前記脚部2の材料となるべき窒化珪素膜
313(例えば、厚さ1μm)をデポジションする(図
21(b))。
【0103】その後、CMP法や全面エッチバック等に
より、脚部2以外の部分でポリイミド膜312の上面が
露出するように、窒化珪素膜313及びポリイミド膜3
12の一部を除去して表面を平坦化する(図21
(c))。これにより、基板311と、該基板311上
に形成された犠牲層としてのポリイミド膜312と、基
板311上に形成された脚部2(窒化珪素膜313)と
を有する構造体であって、犠牲層としてのポリイミド膜
312が脚部2(窒化珪素膜313)の周囲に形成さ
れ、脚部2(窒化珪素膜313)の上部が外部に露出し
た構造体が、完成する。
【0104】次に、ポリイミド膜312及び窒化珪素膜
313上に、前記膜4に相当するシリコン酸化膜314
(例えば、厚さ2000オングストローム)及び前記膜
5に相当するアルミニウム315(例えば、厚さ200
0オングストローム)をスパッタ法、蒸着法又はCVD
法等により順次被着させ(図21(d))、当該シリコ
ン酸化膜314及びアルミニウム315を前記膜4,5
の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパター
ニングする(図21(e))。この工程は、前記構造体
の前記脚部及び前記犠牲層上に、互いに積層され所望の
形状にパターニングされた2種類の膜314,315を
形成する工程に相当している。
【0105】次に、図面には示していないが、図21
(e)に示す状態の基板をダイシング等により個々のチ
ップに分割する。このダイシングの際には水が吹き付け
られるなどにより力が加わるが、変位部としての各膜3
14,315は、脚部としての窒化珪素膜313のみな
らず犠牲層としてのポリイミド膜312により支持され
固定されているので、当該膜314,315が変形した
り破損したりするおそれはない。
【0106】最後に、アッシング法などにより犠牲層と
してのポリイミド膜312を除去する(図21
(f))。これにより、図1に示す光読み出し型放射−
変位変換装置が完成する。ポリイミド膜312の除去
は、ウエットエッチング法やドライエッチング法等によ
り行ってもよい。ウエットエッチング法によりポリイミ
ド膜312を除去した場合には、エッチング液をリンス
した後、凝固昇華法などにより乾燥を行えばよい。凝固
昇華法を用いるのは、キャピラリーフォースによって、
膜314が基板311と接触してしまうのを防止するた
めである。
【0107】以上説明した製造方法の各工程も周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置を容易に製造することができる。また、製造途
中においては、変位部(シリコン酸化膜314及びアル
ミニウム315)は犠牲層(ポリイミド膜312)を除
去するまで当該犠牲層に支持され固定されているため、
変位部が変形したり破損したりしてしまう不良は全く生
じない。
【0108】なお、図21に示す製造方法においては、
図21(c)に示す工程において窒化珪素膜313にお
ける脚部2に相当する部分のみを残しているが、脚部2
も前記膜4も同じ窒化珪素膜で構成する場合には、図2
1(c)に示す平坦化工程に代えて、図21(b)に示
す状態の基板に対して、窒化珪素膜313をフォトリソ
エッチング法により脚部2及び膜4の形状に合わせてパ
ターニングすることにより、脚部2及び膜4を同時に形
成してもよい。この場合、図21(d)に示す工程で
は、膜5に相当するアルミニウム315のみがパターニ
ングされることになる。
【0109】次に、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置の製造方法の更に他の例について、図22を参
照して説明する。図22は、この製造方法の各工程を示
す概略断面図であり、図1(a)に対応する断面を示し
ている。
【0110】まず、前記基板1に相当するシリコン基板
411の上面側部分を、脚部2に相当する部分411a
(例えば、高さ1μm)を残して、フォトリソエッチン
グ法により除去することにより、当該部分411aから
なる脚部2を形成する(図22(a))。なお、図面に
は示していないが、基板411上に全面に窒化珪素膜を
形成し、当該窒化珪素膜をフォトリソエッチングするこ
とにより、当該窒化珪素膜の残った部分として前記脚部
2を形成してもよい。
【0111】次いで、図22(a)に示す状態の基板上
の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイ
ミド膜(例えば、レジストでもよい)412(例えば、
厚さ2μm)を被着させる(図22(b))。
【0112】その後、CMP法や全面エッチバック等に
より、脚部2以外の部分でポリイミド膜412の上面が
露出するように、基板411の脚部構成部分411a及
びポリイミド膜412の一部を除去して表面を平坦化す
る(図22(c))。これにより、基板411と、該基
板411上に形成された犠牲層としてのポリイミド膜4
12と、基板411上に形成された脚部2(基板411
の脚部構成部分411a)とを有する構造体であって、
犠牲層としてのポリイミド膜412が脚部2(脚部構成
部分411a)の周囲に形成され、脚部2(脚部構成部
分411a)の上部が外部に露出した構造体が、完成す
る。
【0113】次に、ポリイミド膜412及び脚部構成部
分411a上に、前記膜4に相当するシリコン酸化膜4
14(例えば、厚さ2000オングストローム)及び前
記膜5に相当するアルミニウム415(例えば、厚さ2
000オングストローム)をスパッタ法、蒸着法又はC
VD法等により順次被着させ、当該シリコン酸化膜41
4及びアルミニウム415を前記膜4,5の形状に合わ
せてフォトリソエッチング法によりパターニングする
(図22(d))。この工程は、前記構造体の前記脚部
及び前記犠牲層上に、互いに積層され所望の形状にパタ
ーニングされた2種類の膜414,415を形成する工
程に相当している。
【0114】次に、図面には示していないが、図22
(d)に示す状態の基板をダイシング等により個々のチ
ップに分割する。このダイシングの際には水が吹き付け
られるなどにより力が加わるが、変位部としての各膜4
14,415は、脚部構成部分411aのみならず犠牲
層としてのポリイミド膜412により支持され固定され
ているので、当該膜414,415が変形したり破損し
たりするおそれはない。
【0115】最後に、アッシング法などにより犠牲層と
してのポリイミド膜412を除去する(図22
(e))。これにより、図1に示す光読み出し型放射−
変位変換装置が完成する。ポリイミド膜412の除去
は、ウエットエッチング法やドライエッチング法等によ
り行ってもよい。ウエットエッチング法によりポリイミ
ド412を除去した場合には、エッチング液をリンスし
た後、フリーズドライ法や凝固昇華法などにより乾燥を
行えばよい。
【0116】以上説明した製造方法の各工程も周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置を容易に製造することができる。また、製造途
中においては、変位部(シリコン酸化膜414及びアル
ミニウム415)は犠牲層(ポリイミド膜412)を除
去するまで当該犠牲層に支持され固定されているため、
変位部が変形したり破損したりしてしまう不良は全く生
じない。
【0117】なお、前述したように、図1に示す光読み
出し型放射−変位変換装置では、膜4が変位部の一部及
び赤外線吸収部を兼用し、膜5が変位部の他の一部及び
光作用部としての読み出し光反射部を兼用しているが、
読み出し光反射部(読み出し光反射膜)及び赤外線吸収
部(赤外線吸収膜)のうちの一方又は両方を膜4,5と
独立させてもよい。この場合の光読み出し型放射−変位
変換装置も、前記図2、図21又は図22に示す製造方
法において、当該読み出し光反射膜及び赤外線吸収膜の
一方又は両方を膜4,5と同様に形成する工程を含むよ
うにした製造方法により製造することができる。
【0118】以上説明した図1に示す第1の実施の形態
による光読み出し型放射−変位変換装置によれば、赤外
線iが図1中の下方から入射される。この赤外線iは、
基板1を透過して赤外線吸収部を兼ねる膜4により吸収
されて熱に変換される。図1(b)に示すように、膜4
にて発生した熱に応じて変位部を兼ねる膜4,5が上方
に湾曲して傾斜する。すなわち、入射した赤外線iが、
その量に応じた膜4,5の変位に変換される。一方、後
述する読み出し光学系により、可視光の読み出し光j
が、図1中の上方から入射されて反射部を兼ねる膜5に
照射される。膜5は、その変位に応じた反射方向の変化
や反射位置の変化を与えて当該変化した読み出し光を反
射光として出射させるので、結局、膜4に照射された赤
外線が読み出し光の反射光の変化に変換されることにな
る。したがって、後述するように、膜5にて反射された
読み出し光の反射光に基づいて赤外線を検出することが
できる。このとき、光による変位検出は高感度で行うこ
とができることから、本実施の形態によれば、赤外線を
高感度で検出することが可能となる。また、本実施の形
態では、赤外線を熱を経て抵抗値(電気信号)に変換す
るのではなく、赤外線を熱及び変位を経て読み出し光の
変化に変換するので、基板1により支持された被支持部
3には電流を流す必要がなく、被支持部3には自己発熱
が生じない。したがって、本実施の形態によれば、入射
した赤外線のみによる熱を検出することになるので、S
/Nが向上し、検出精度が向上する。勿論、本実施の形
態では、量子型赤外線検出器において必要であった冷却
器は不要である。また、本実施の形態では、赤外線を電
気信号として読み出すものではないので、従来の熱型赤
外線検出器において必要であった微弱電気信号用の読み
出し回路が不要となる。
【0119】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態による映像化装置について、図3を参照し
て説明する。図3は、本実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【0120】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図3においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図3中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ20と、変換装置100の前記各素子(画素)の
反射部としての膜5にそれぞれ前記読み出し光を照射
し、前記各素子の膜5で反射された読み出し光の反射光
に基づいて前記各素子の変位部としての膜4,5の変位
に応じた光学像を形成する読み出し光学系と、前記光学
像を撮像する撮像手段としての2次元CCD21,2
2,23と、を備えている。
【0121】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、白色ランプ等の白色光源24、レンズ25,2
6,27,28、ビームスプリッタ29,30、全反射
ミラー31、R光反射ダイクロイックミラー32及びB
光反射ダイクロイックミラー33を備えており、これら
が前記読み出し光学系を構成している。本実施の形態で
は、この読み出し光学系は、干渉を利用して前記光学像
を形成するように構成されている。変換装置100の反
射部としての膜5が分布している面とCCD21〜23
の受光面とが、レンズ25,26〜28に関して、互い
に共役な位置に配置されている。なお、CCD21〜2
3、レンズ26〜28及びダイクロイックミラー32,
33は、3板式の可視光用CCDカメラを構成してい
る。なお、白色光源24とビームスプリッタ29との間
には、適宜照明レンズを配置してもよい。
【0122】本実施の形態では、結像レンズ20によ
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に赤外線画像が結像
される。その結果、変換装置100の各画素の膜4に対
する入射赤外線の量に応じて、前記第1の実施の形態に
関して説明したように、各画素の膜4,5が変位する。
【0123】一方、白色光源24から発した光は、ビー
ムスプリッタ29にて反射され、レンズ25を経てビー
ムスプリッタ30に達し、当該ビームスプリッタ30を
透過して変換装置100に照射される読み出し光と、当
該ビームスプリッタ30にて反射されて全反射ミラー3
1に向かう参照光とに分割される。変換装置100に照
射された読み出し光は、変換装置100の各画素の膜5
にて反射されてビームスプリッタ30を透過してレンズ
25へ向かう。一方、前記参照光は、全反射ミラー31
にて反射されてビームスプリッタ30でさらに反射され
てレンズ25へ向かう。したがって、各画素の膜5にて
反射された読み出し光と全反射ミラー31にて反射され
た参照光とがビームスプリッタ30により合成される。
合成された2つの光は、干渉の原理によりその位相差に
応じて強め合ったり弱め合ったりして干渉光となる。こ
のため、この干渉光は、変換装置100の各画素の膜5
の変位量に応じてスペクトル分布が元の白色光源24に
対してずれた分布の光強度を有しており(すなわち、各
画素の膜5の変位量に応じた干渉色の分布を有してお
り)、ビームスプリッタ30からレンズ25を図3中右
方向に透過し、更にビームスプリッタ29を透過する。
ビームスプリッタ29を透過した干渉光は、ダイクロイ
ックミラー32,33にて色分解され、当該干渉光のう
ちのR光成分による光学像がレンズ27を介してCCD
22上に形成され、当該干渉光のうちのB光成分による
光学像がレンズ28を介してCCD23上に形成され、
当該干渉光のうちのG光成分による光学像がレンズ26
を介してCCD21上に形成され、それらの像がCCD
21,22,23により撮像される。このようにして、
入射赤外線画像が可視画像に変換され、当該可視画像が
撮像されることになる。
【0124】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD21,22,23で撮像しているが、当該可視画
像を肉眼で観察するようにしてもよい。この場合、例え
ば、図3において、ダイクロイックミラー32,33、
レンズ27,28及びCCD21〜23を取り除き、C
CD21の位置に形成された可視画像を肉眼で観察すれ
ばよい。
【0125】また、白色光源24に代えて、レーザーな
どの単色光源を用いてもよい。この場合、その波長にお
ける変換装置100の各画素の膜5の変位量に応じた強
弱の変化の分布を持った干渉像が得られるので、白黒タ
イプのCCDカメラを用いればよい。具体的には、例え
ば、図3において、ダイクロイックミラー32,33、
レンズ27,28及びCCD22,23を取り除けばよ
い。この場合にも、CCD21を取り除いて、CCD2
1の位置に形成された単色の可視画像を肉眼で観察して
もよい。なお、白色光源24に代えて、波長の異なる2
種類の単色光を発する光源を用いれば、単色光ではわか
らない一周期以上ずれた干渉の場合でも光路長差がわか
るので、単色光源を用いる場合に比べて、よりダイナミ
ックレンジの広い赤外線を撮像できる。
【0126】ところで、変換装置100の変位部として
膜4,5の変位の範囲を制限しなければ、干渉の強度は
光路長差が読み出し光の波長の1/2毎に強弱を繰り返
すので、ある強度以上の赤外線が入射すると逆に干渉の
強度が反転するという反転現象が起こってしまう。そこ
で、膜4,5の変位による干渉強度の変化が単調変化と
なるように、膜4,5の変位の範囲を読み出し光の波長
の1/4以下に制限することが好ましい。例えば、膜
4,5を温度が上昇したときに図1(a)中で下向きに
曲がるようにし、膜4と基板1の上面との間隔を読み出
し光の波長の1/4以下とすれば、過剰の赤外線が入射
しても膜4,5の動きは膜4の自由端と基板1の上面と
が接した所で止まる。なお、全反射ミラー31は適当な
位置に位置合わせしておく必要がある。以上は光源24
として単色光源を用いた場合であるが、光源24として
白色光源を用いた場合にも、同様に、膜4,5の変位に
よる干渉色の変化が単調変化となるように、膜4,5の
変位の範囲を制限すればよい。なお、膜4,5の変位の
範囲を制限するための特別な制限部を設けてもよいこと
は、勿論である。
【0127】なお、レンズ25及び全反射ミラー31に
代えて、市販されている干渉対物レンズを用いてもよ
い。
【0128】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態による映像化装置について、図4を参照し
て説明する。図4は本実施の形態による映像化装置を示
す図であり、図4(a)はその概略構成図、図4(b)
はその原理説明図、図4(c)は他の原理説明図であ
る。
【0129】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図4においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図4中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ40と、変換装置100の前記各素子(画素)の
反射部としての膜5(図4(b)(c)においては画素
ごとに区別して符号5a,5b,5cを付している。)
にそれぞれ前記読み出し光を照射し、前記各素子の膜5
で反射された読み出し光の反射光による各素子の膜5の
像からなる光学像であって、当該光学像における各素子
の膜5の像の光量が各素子の膜5の傾きに応じて異なる
光学像を形成する読み出し光学系と、前記光学像を撮像
する撮像手段としての2次元CCD41と、を備えてい
る。
【0130】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)42、照明レンズ43、レンズ44,45及びビ
ームスプリッタ46を備えており、これらが前記読み出
し光学系を構成している。本実施の形態では、この読み
出し光学系は、瞳によるケラレを利用して前記光学像を
形成するように構成されている。変換装置100の反射
部としての膜5が分布している面とCCD41の受光面
とが、レンズ44,45に関して、互いに共役な位置に
配置されている。図4(b)に示すように、膜5が傾斜
していないときに、光源42から発した光が当該膜5で
反射され、レンズ44の射出瞳44aのほぼ全体をちょ
うど通過するように、光源42からレンズ43,44を
経由した読み出し光が変換装置100を照射するよう
に、レンズ43,44が設定されている。
【0131】本実施の形態では、結像レンズ40によ
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に赤外線画像が結像
される。その結果、変換装置100の各画素の膜4に対
する入射赤外線の量に応じて、前記第1の実施の形態に
関して説明したように、各画素の膜4,5の傾きが変化
する。
【0132】光源42から発した光は、照明レンズ43
を経由してビームスプリッタ46にて反射され、レンズ
44を経て読み出し光として変換装置100に照射され
る。膜5とCCD41の受光面とが共役関係を有してい
るため、変換装置100に照射された読み出し光の膜5
による反射光により、膜5の傾きと無関係に常にCCD
41の受光面上の所定位置に膜5の像からなる光学像が
形成される。すなわち、図4(b)(c)に示すよう
に、膜5aの像がCCD41の受光面上の位置5a’に
形成され、膜5bの像が位置5b’に形成され、膜5c
の像が位置5c’に形成される。
【0133】そして、図4(b)に示すように、膜5a
が傾いていなければ、膜5aに照射された読み出し光の
反射光は、レンズ44を経て瞳44aのほぼ全体をちょ
うど通過し更にレンズ45を経由して位置5a’に到達
する。したがって、膜5aが傾いていなければ、位置5
a’に形成される膜5aの像は明るい。
【0134】ところが、図4(c)に示すように、入射
赤外線の量に応じて膜5aが傾くと、その傾きに応じて
膜5aによる読み出し光の反射光は反射方向が変化し、
その結果、膜5aによる反射光のうちの一部が瞳44a
によりけられる(遮られる)ことになり、位置5a’に
形成される膜5aの像の光量が低下する。なお、図4
(b)及び図4(c)において、ハッチング部は、膜5
aによる反射光のうちの瞳44aを通過して位置5a’
に到達する部分を示している。
【0135】したがって、本実施の形態によれば、各画
素の膜5の像がCCD41上に形成され、当該各像の明
るさは、各画素の膜5の傾き、すなわち、各画素に対す
る入射赤外線の量に応じて変化する。このようにして、
入射赤外線画像が可視画像に変換され、当該可視画像が
CCD41にて撮像されることになる。
【0136】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD41で撮像しているが、当該可視画像を肉眼で観
察するようにしてもよい。
【0137】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態による映像化装置について、図5を参照し
て説明する。図5は本実施の形態による映像化装置を示
す図であり、図5(a)はその概略構成図、図5(b)
はその原理説明図である。
【0138】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図5においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図5中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ50と、前記読み出し光が変換装置100の前記
各素子(画素)の反射部としての膜5(図5(b)にお
いては画素ごとに区別して符号5a,5b,5cを付し
ている。)付近の所定位置にそれぞれ集光するように、
前記読み出し光を前記各素子の膜5a,5b,5cにそ
れぞれ照射し、前記各集光位置に対応する位置にそれぞ
れピンホール51a,51b,51cを有する絞り板5
1の当該各ピンホール51a,51b,51cに、前記
各素子の膜5a,5b,5cから出射した各反射光をそ
れぞれ通過させ、前記各素子の膜5a,5b,5cから
出射した各反射光のうちの前記各ピンホール51a,5
1b,51cを通過した光による光学像を形成する読み
出し光学系と、前記光学像を撮像する撮像手段としての
2次元CCD52と、を備えている。
【0139】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)53、照明レンズ54、前記各集光位置に対応す
る位置にそれぞれピンホール(図示せず)を有する絞り
板55、レンズ56,57及びビームスプリッタ58を
備えており、これらが前記読み出し光学系を構成してい
る。本実施の形態では、この読み出し光学系は、共焦点
顕微鏡による原理を利用して前記光学像を形成するよう
に構成されている。変換装置100の反射部としての膜
5a,5b,5cが傾いていないときになす面(S−
S’平面)と絞り板51とが、レンズ56,57に関し
て、互いに共役な位置に配置されている。また、前記絞
り板55とS−S’平面とが、レンズ56に関して、互
いに共役な位置に配置されている。そして、CCD52
は、絞り板51付近に配置されている。
【0140】本実施の形態では、結像レンズ50によ
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に赤外線画像が結像
される。その結果、変換装置100の各画素の膜4に対
する入射赤外線の量に応じて、前記第1の実施の形態に
関して説明したように、各画素の膜4,5の傾きが変化
する。
【0141】光源53から発した光は、照明レンズ54
及び絞り板55を経由してビームスプリッタ58にて反
射され、レンズ56を経て読み出し光として変換装置1
00に照射される。絞り板55とS−S’平面とが共役
関係を有しているため、図5(b)に示すように、絞り
板55の像(すなわち、絞り板55のピンホールの像)
がS−S’平面に形成され、S−S’平面における当該
ピンホールの像の位置にそれぞれ集光するように、読み
出し光が各画素の膜5a,5b,5cにそれぞれ照射さ
れることになる。そして、S−S’平面と絞り板51と
が共役関係を有しているため、傾いていない膜5a,5
cから出射した各反射光は、レンズ56,57を経由し
て、絞り板51のピンホール51a,51cの位置に集
光されて、当該各反射光の全てが当該ピンホール51
a,51cを通過してCCD52の対応する画素の有効
受光領域52a,52cに到達する。一方、傾いている
膜5bから出射した反射光は、その反射位置がS−S’
平面から当該傾きに応じた距離Δ1だけずれることか
ら、レンズ56,57を経由して、距離Δ1に応じた距
離Δ2だけ絞り板51のピンホール51bから手前の位
置に集光されて、絞り板51上ではぼけてしまい、当該
反射光の一部のみがピンホール51bを通過してCCD
52の対応する画素の有効受光領域52bに到達する。
したがって、距離Δ1に応じて領域52bに到達する光
量が低下する。
【0142】したがって、本実施の形態によれば、各画
素の膜5の像がCCD52上に形成され、当該各像の明
るさは、各画素の膜5の反射位置の変位Δ1、すなわ
ち、各画素に対する入射赤外線の量に応じて変化する。
このようにして、入射赤外線画像が可視画像に変換さ
れ、当該可視画像がCCD52にて撮像されることにな
る。
【0143】なお、前記絞り板55は感度を向上させる
上で設けることが好ましいが、絞り板55を除去し、レ
ンズ54,56にて、S−S’平面上に光が集光するよ
うに読み出し光を照射するように設定してもよい。
【0144】また、S−S’平面から前記距離Δ1離れ
た平面と絞り板51とを互いに共役な位置に配置すると
ともに、S−S’平面から前記距離Δ1離れた平面と絞
り板55とを互いに共役な位置に配置してもよい。
【0145】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD52で撮像しているが、当該可視画像を肉眼で観
察するようにしてもよい。
【0146】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態による映像化装置について、図6を参照し
て説明する。図6は本実施の形態による映像化装置を示
す図であり、図6(a)はその概略構成図、図6(b)
はその原理説明図、図6(c)は他の原理説明図であ
る。
【0147】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図6においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図6中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ60と、変換装置100の前記各素子(画素)の
反射部としての膜5(図6(b)(c)においては画素
ごとに区別して符号5a,5bを付している。)にそれ
ぞれ前記読み出し光を照射し、前記各素子の膜5から出
射した各反射光を所定平面上に導き、前記各反射光によ
る光学像であって、前記各素子の膜5の傾きに応じて前
記所定平面上に達する位置が異なる光学像を前記所定平
面上に形成する読み出し光学系と、前記光学像を撮像す
る撮像手段としての2次元CCD61と、該CCD61
からの信号に基づいて赤外線画像データを演算する演算
処理部65と、を備えている。
【0148】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)62、照明レンズ63及びビームスプリッタ64
を備えており、これらが前記読み出し光学系を構成して
いる。
【0149】本実施の形態では、結像レンズ60によ
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に赤外線画像が結像
される。その結果、変換装置100の各画素の膜4に対
する入射赤外線の量に応じて、前記第1の実施の形態に
関して説明したように、各画素の膜4,5の傾きが変化
する。
【0150】光源62から発した光は、照明レンズ63
を経由してビームスプリッタ64にて反射され、変換装
置100に照射される。各画素の膜5の傾きに応じて反
射方向が異なることから、各画素の膜5の傾きに応じて
各膜5を出射した反射光がCCD61の受光面上に達す
る位置が異なる。そして、CCD61は、図6(b)
(c)に示すように、膜5aに対応する3つの画素の有
効受光領域61a−1,61a−2,61a−3及び膜
5bに対応する3つの画素の有効受光領域61b−1,
61b−2,61b−3を有している。各3つの有効受
光領域は、各膜の傾く方向に対応する方向に並んでい
る。例えば、膜5aが傾いていない場合には膜5aから
の反射光は領域61a−1に達し、膜5aが中程度傾い
ている場合には膜5aからの反射光は領域61a−2に
達し、膜5aが大きく傾いている場合には膜5aからの
反射光は領域61a−3に達する。領域61a−1〜6
1a−3には、膜5aからの反射光以外の光は到達しな
いようになっている。したがって、領域61a−1〜6
1a−3のうちのいずれが光を受光しているかによっ
て、膜5aの傾き、すなわち、当該画素に入射する赤外
線の量を知ることができる。これに基づいて、演算処理
部65は、CCD61からの信号から入射赤外線画像の
データを演算して求める。
【0151】なお、例えば、変換装置100とビームス
プリッタ64との間や、ビームスプリッタ64とCCD
61との間にレンズを配置しても、前述と同様に膜の傾
斜を反射光がCCD61上に達する位置の変化に変換す
ることができる。
【0152】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態による映像化装置について、図7を参照し
て説明する。図7は本実施の形態による映像化装置を示
す図であり、図7(a)はその概略構成図、図7(b)
はその原理説明図である。
【0153】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図7においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図7中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ70と、変換装置100の前記各素子(画素)の
反射部としての膜5(図7(b)においては画素ごとに
区別して符号5a,5bを付している。)にそれぞれ前
記読み出し光として偏光光を照射し、前記各素子(画
素)の膜5から出射した各反射光をそれぞれ検光し、各
検光光による前記各素子の膜5の像からなる光学像を形
成する読み出し光学系と、前記光学像を撮像する撮像手
段としての2次元CCD71と、を備えている。
【0154】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)72、照明レンズ73、偏光子及び検光子を兼ね
る偏光板74、レンズ75及びビームスプリッタ76を
備えており、これらが前記読み出し光学系を構成してい
る。変換装置100の反射部としての膜5が分布してい
る面とCCD71の受光面とが、レンズ75に関して、
互いに共役な位置に配置されている。
【0155】本実施の形態では、結像レンズ70によ
り、赤外線iが集光されて変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に赤外線画像が結像
される。その結果、変換装置100の各画素の膜4に対
する入射赤外線の量に応じて、前記第1の実施の形態に
関して説明したように、各画素の膜4,5の傾きが変化
する。
【0156】光源72から発した光は、照明レンズ73
を経由してビームスプリッタ76にて反射され、偏光板
74を経て直線偏光となって読み出し光として変換装置
100に照射される。膜5とCCD71の受光面とが共
役関係を有しているため、変換装置100に照射された
読み出し光の膜5による反射光により、膜5の傾きと無
関係に常にCCD71の受光面上の所定位置に膜5の像
からなる光学像が形成される。このとき、膜5を出射し
た反射光は、当該膜5が傾いていなければ当該膜5への
入射時の偏光状態と同じ偏光状態となるが、当該膜5が
傾いていると当該膜5への入射時の偏光状態から当該傾
きに応じた量だけ異なる偏光状態となる(図7(b)参
照)。したがって、膜5を出射した反射光は偏光板74
にて検光されることから、当該偏光板74を通過した検
光光の光量は、当該膜5が傾いていなければ大きくな
り、当該膜5が傾いていればその傾きに応じて低下する
ことになる。
【0157】したがって、本実施の形態によれば、各画
素の膜5の像がCCD71上に形成され、当該各像の明
るさは、各画素の膜5の傾き、すなわち、各画素に対す
る入射赤外線の量に応じて変化する。このようにして、
入射赤外線画像が可視画像に変換され、当該可視画像が
CCD71にて撮像されることになる。
【0158】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD71で撮像しているが、当該可視画像を肉眼で観
察するようにしてもよい。また、前記偏光板74を取り
除き、照明レンズ73とビームスプリッタ76との間に
偏光子を配置するとともに、ビームスプリッタ76とレ
ンズ75との間に検光子を配置してもよい。
【0159】(第7の実施の形態)次に、本発明の第7
の実施の形態による映像化装置について、図8を参照し
て説明する。図8は、本実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【0160】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図8においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図8中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ80と、位相差法に従って、前記読み出し光を変
換装置100の前記各素子(画素)の反射部としての膜
5にそれぞれ照射するとともに前記各素子の膜5から出
射した各反射光に基づいて前記各素子の膜5の傾きに応
じた光学像を形成する読み出し光学系と、前記光学像を
撮像する撮像手段としての2次元CCD81と、を備え
ている。
【0161】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)82、照明レンズ83、レンズ84,85、リン
グ絞り86、該リング絞り86に対応する位相差板87
及びビームスプリッタ88を備えており、これらが前記
読み出し光学系を構成している。
【0162】位相差法自体は周知であるのでここでは詳
細に説明しないが、本実施の形態によれば、各画素の膜
5の変位に応じた光学像がCCD81上に形成されるこ
とになり、入射赤外線画像が可視画像に変換され、当該
可視画像がCCD81にて撮像されることになる。
【0163】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD81で撮像しているが、当該可視画像を肉眼で観
察するようにしてもよい。
【0164】(第8の実施の形態)次に、本発明の第8
の実施の形態による映像化装置について、図9を参照し
て説明する。図9は、本実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【0165】本実施の形態による映像化装置は、前記第
1の実施の形態による図1に示す光読み出し型放射−変
位変換装置(図9においては符号100で示しており、
図1(a)中の上方向及び下方向が図9中の右方向及び
左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外線iを集光
して変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布
している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の結像
レンズ90と、微分干渉法に従って、前記読み出し光を
変換装置100の前記各素子(画素)の反射部としての
膜5にそれぞれ照射するとともに前記各素子の膜5から
出射した各反射光に基づいて前記各素子の膜5の傾きに
応じた光学像を形成する読み出し光学系と、前記光学像
を撮像する撮像手段としての2次元CCD91と、を備
えている。
【0166】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源(白色光源でもよいし、単色光源でもよ
い。)92、照明レンズ93、レンズ94、ウォラスト
ンプリズム又はノマルスキープリズム95、偏光方向が
図9の紙面に対して45゜の角度をなす偏光子96、検
光子97及びビームスプリッタ98を備えており、これ
らが前記読み出し光学系を構成している。なお、偏光子
96を通過した光は、図9の紙面に対して45゜の角度
をなす偏光方向を有する直線偏光となるようになってい
る。
【0167】微分干渉法自体は周知であるのでここでは
詳細に説明しないが、本実施の形態によれば、各画素の
膜5の変位に応じた光学像がCCD91上に形成される
ことになり、入射赤外線画像が可視画像に変換され、当
該可視画像がCCD91にて撮像されることになる。
【0168】なお、本実施の形態では、前記可視画像を
CCD91で撮像しているが、当該可視画像を肉眼で観
察するようにしてもよい。
【0169】ところで、図1に示す光読み出し型放射−
変位変換装置100(後述する図14に示す変換装置並
びに図17及び図18に示す変換装置も同様。)は、使
用に際して、図10に示すような内部110aを真空に
した容器110内に収容することが好ましい。このよう
に真空の容器110内に変換装置100を収容すると、
断熱性能が向上し、赤外線による膜4,5の温度上昇が
大きくなり、外部の温度変化に対しての基板1の温度変
化を小さくできる。さらに、変換装置100の基板1の
温度の変化を抑えるためには、ペルチェ素子のような発
熱や吸熱を行える熱電温度安定器111を容器110に
熱的に密に接触させ、温度制御を行うことも有効であ
る。
【0170】図10(a)は、容器110内に変換装置
100を収容した状態を模式的に示す断面図であり、変
換装置100は熱電温度安定器111を介して容器11
0に取り付けてある。容器110の赤外線iの入射側に
は、不要な光をカットしかつ内部110aを真空を保持
するための窓112が取り付けてある。容器110の読
み出し光jの入射側には、不要な光をカットしかつ内部
110aを真空に保持するための窓113が取り付けて
ある。容器110の内部110aは、真空に排気されて
いる。
【0171】図10(b)は、図10(a)中のB−
B’矢視図である。なお、熱電温度安定器111は読み
出し光jの入射を妨げないように配置されている。
【0172】なお、図面には示していないが、例えば、
変換装置100に接してあるいは変換装置100の基板
1内に温度センサを設け、該温度センサからの検出信号
を利用して熱電温度安定器111の温度制御が行われ
る。
【0173】また、図3乃至図9にそれぞれ示した各映
像化装置(後述する図16に示す映像化装置も同様。)
では、使用に際して、光読み出し型放射−変位変換装置
を含んだ光学系全体を、被支持部3の機械的な共振周波
数では共振しないような防震容器に入れておくことが望
ましい。
【0174】ところで、例えば、前述した図3に示す映
像化装置においては、撮像手段としてのCCD21〜2
3は、光読み出し型放射−変位変換装置100の複数の
素子(画素)の光作用部である反射部としての膜5と1
対1に対応する複数の画素を有し、前記読み出し光学系
は、CCD21〜23の前記複数の画素の各々が、前記
複数の素子の膜5から出射された読み出し光の反射光の
みを受光するように、前述した光学像を形成することが
好ましい。具体的には、図11に示すように、変換装置
100の各素子の膜5の像(膜5から出射した読み出し
光の反射光による像)5Aが、CCD21〜23の受光
面上において、CCD21〜23の当該膜5に対応する
画素の有効受光領域(受光部上にマイクロレンズを有し
ないCCDであれば受光部の領域120であり、当該マ
イクロレンズを有するCCDであれば当該マイクロレン
ズの領域121)と重なるように、当該有効受光領域と
等しいか又はそれより大きい大きさで形成されるよう
に、前記読み出し光学系(特に、レンズ25〜28)の
倍率等をセッティングすればよい。図11(a)は、C
CD21〜23がマイクロレンズを有しないCCDであ
る場合において、当該CCD21〜23の受光面上での
当該CCD21〜23の各画素の受光部の領域120と
膜5の像5Aとの関係を示す図である。図11(b)
は、CCD21〜23がマイクロレンズを有するCCD
である場合において、当該CCD21〜23の受光面上
での当該CCD21〜23の各画素のマイクロレンズの
領域121と膜5の像5Aとの関係を示す図である。
【0175】このようにすると、CCD21〜23の各
画素は、対応する膜5から出射された読み出し光の反射
光(すなわち、信号光)のみを有効に受光し、読み出し
光のうちの当該信号光以外の光(すなわち、ノイズ光)
を有効に受光しない。このため、後述する図12(a)
に示すようなマスク130や図12(b)に示すような
反射防止膜131を設けなくても(つまり、CCD21
〜23へ向かう光が信号光のみならずノイズ光を含んで
いても)、S/Nが向上するので、好ましい。もっと
も、本発明では、このようなセッティングは必ずしも行
う必要はなく、例えば、変換装置100の画素とCCD
21〜23の画素とが1対1に対応している必要はな
い。
【0176】以上、図3に示す映像化装置を例に挙げて
説明したが、このような事情は図3に示す映像化装置の
みならず、前述した又は後述する種々の映像化装置等に
ついても同様である。
【0177】(第1の実施の形態の変形例)ここで、本
発明において採用し得る、前述した第1の実施の形態に
よる図1に示す光読み出し型放射−変位変換装置の変形
例について、図12を参照して説明する。図12は、図
1に示す光読み出し型放射−変位変換装置の各変形例を
示すものであり、図1(a)に対応している。図12に
おいて、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一
符号を付し、その説明は省略する。
【0178】図12(a)に示す例では、照射される読
み出し光のうちの光作用部である反射部としての膜5か
ら出射する反射光以外の光をマスクするマスク130が
追加されている。マスク130は、膜5に対応する領域
に開口130aを有している。このマスク130は、例
えば、図10に示す容器110に設けられた読み出し光
用の入射窓113上に黒色の塗料を塗布することにより
形成することができる。照射される読み出し光のうちの
膜5から出射する反射光が信号光であるが、読み出し光
のうちの当該信号光以外の光(すなわち、ノイズ光)が
当該信号光に混じると、いわゆるS/Nが低下してしま
う。この点、本例によれば、マスク130を有している
ので、当該ノイズ光が信号光に混じらず、S/Nが向上
する。
【0179】図12(b)に示す例では、照射される読
み出し光のうちの光作用部である反射部としての膜5か
ら出射する反射光以外の光の反射を防止する反射防止膜
131が追加されている。本例では、反射防止膜131
は、膜5に対応する領域以外の領域において基板1上に
形成されている。反射防止膜131の材料としては、例
えば、SiO2,SiNなどの絶縁膜、Al23などの
セラミックス薄膜、SiCなどのカーボン系薄膜、黒色
塗料などを用いることができる。本例によっても、図1
2(a)に示す例と同様に、S/Nが向上する。
【0180】図12(c)に示す例では、読み出し光を
反射する反射部としての膜5に対応する領域以外の領域
において基板1上に、読み出し光を反射する反射膜13
2が形成されている。反射膜132の材料としては、例
えば、Al、Ag、MgOなどを用いることができる。
本例によれば、読み出し光は全て膜5及び反射膜132
により反射され、読み出し光が基板1に吸収されること
がない。よって、読み出し光エネルギーが基板1に吸収
されてその熱が被支持部3に伝導されてしまうような事
態が防止され、赤外線吸収部としての膜4に入射した赤
外線のみによる熱に応じて膜4,5が変位することにな
り、S/Nが向上する。もっとも、本例では、反射膜1
32で反射された読み出し光がノイズ光となり得るの
で、その影響を除去することができる、図11を参照し
て前述したセッティングと組み合わせることが好まし
い。
【0181】図12(d)に示す例では、基板1の上面
及び下面において、赤外線吸収部としての膜4へ赤外線
が入射する領域に、赤外線の反射を防止する赤外線反射
防止膜133,134が被着されている。基板1がシリ
コン基板である場合には、赤外線反射防止膜133,1
34の材料として、Si0などを用いることができる。
本例のように、反射防止膜133,134を設けると、
赤外線が効率良く基板1を透過して赤外線吸収部として
の膜4に達することになり、したがって、感度を高める
ことができる。なお、赤外線入射側の反射防止膜134
のみを設け、反射防止膜133は必ずしも設けなくても
よい。
【0182】以上説明した各変形例は、適宜組み合わせ
てもよいことは勿論である。
【0183】また、前述した各変形例は、前述した図
2、図21又は図22に示す製造方法と同様の製造方法
により製造することができる。例えば、図12(b)に
示す変換装置を製造する場合には、犠牲層を形成する前
に反射防止膜131を形成する工程を含めればよい。図
12(c)に示す変換装置を製造する場合には、犠牲層
を形成する前に反射膜132を形成する工程を含めれば
よい。図12(d)に示す変換装置を製造する場合に
は、犠牲層を形成する前に赤外線反射防止膜133を形
成する工程と、犠牲層の除去の前の適当な段階で基板の
下面に赤外線反射防止膜134を形成する工程とを含め
ればよい。
【0184】(第9の実施の形態)次に、本発明の第9
の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装置に
ついて、図13を参照して説明する。
【0185】図13は本実施の形態による光読み出し型
放射−変位変換装置を示す図であり、図13(a)はそ
の単位画素(単位素子)の赤外線iが入射していない状
態の断面を模式的に示す図、図13(b)は単位画素の
赤外線iが入射している状態の断面を模式的に示す図、
図13(c)は図13(a)中のC−C’矢視図であ
る。図13において、図1中の要素と同一又は対応する
要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0186】図13に示す変換装置が図1に示す変換装
置と異なる所は、図1に示す変換装置では、膜4,5か
らなる変位部がカンチレバーを構成しているのに対し、
図13に示す変換装置では、膜4,5からなる変位部が
ダイヤフラムを構成している点のみである。
【0187】本実施の形態による図13に示す変換装置
も、図1に示す変換装置と同様に用いることができる。
例えば、本実施の形態による変換装置も、前述した図3
乃至図9に示す各映像化装置において図1に示す変換装
置の代わりに用いることができるし、図12に示すよう
な変形を与えることもできる。
【0188】なお、図1に示す変換装置では熱に応じて
湾曲して傾斜するのに対し、図13に示す変換装置では
図13(b)に示すように熱に応じて湾曲して曲率が変
わる。しかし、光作用部としての反射部を当該変形部の
全体ではなく、所定の一部分に限定すれば、当該部分に
関しては湾曲して傾斜することになるので、例えば、図
6に示す映像化装置においてもダイヤフラム構造を有す
る変換装置を用いることができる。
【0189】なお、図13に示す変換装置も図2、図2
1又は図22に示す製造方法と同様の製造方法によって
製造することができる。
【0190】(第10の実施の形態)次に、本発明の第
10の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図14を参照して説明する。
【0191】図14は本実施の形態による光読み出し型
放射−変位変換装置を示す図であり、図14(a)は当
該変換装置を模式的に示す一部切欠平面図、図14
(b)は図14(a)中のD−D’矢視図である。
【0192】本実施の形態による放射−変位変換装置
は、基体としての基板201と、脚部202を介して基
板201上に浮いた状態に支持された被支持部203と
を備えている。
【0193】本実施の形態では、基板201上に被支持
部203が設けられ、基板201の下方から赤外線iが
入射されるとともに基板201の上方から読み出し光j
0が入射されるように構成されているので、基板201
は、赤外線iを透過する材料で構成されている。具体的
には、基板201として、シリコン基板やGe基板など
を用いることができる。もっとも、基板201の下方か
ら読み出し光j0が入射されるとともに基板201の上
方から赤外線iが入射される場合には、読み出し光を透
過させる材料で基板201を構成しておけばよい。この
場合には、例えば、後述する赤外線吸収膜207を膜2
05の上面に形成し、後述するハーフミラー部208を
全反射ミラーとするとともに後述する全反射ミラー20
9をハーフミラーとすればよい。もっとも、基板201
における赤外線又は読み出し光の所望の通過領域に開口
を形成すれば、基板201の材料は何ら限定されるもの
ではない。
【0194】前記被支持部203は、異なる膨張係数を
有する異なる物質の互いに重なった2つの膜204,2
05を有している。膜204,205はいわゆる熱バイ
モルフ構造を構成している。膜204,205は互いに
異なる膨張係数を有する任意の物質で構成すればよい。
例えば、膜204,205の材料としては、バイメタル
の材料として知られている前述した表1に挙げる金属材
料を用いてもよい。下側の膜204の下面には、金黒な
どの図1中の膜4と同一の物質からなる赤外線吸収膜2
07が形成されている。本実施の形態では、膜204,
205が、赤外線吸収膜207にて発生した熱に応じて
基板201に対して変位する変位部206を構成してい
る。後述するように変位部206がカンチレバーを構成
しているので、下側の膜204の膨張係数が上側の膜2
05の膨張係数より大きい場合には前記熱により上方に
湾曲して傾斜し、下側の膜204の膨張係数が上側の膜
205の膨張係数より小さい場合には前記熱により下方
に湾曲して傾斜することになる。
【0195】なお、図1に示す光読み出し型放射−変位
変換装置と同様に、変位部206の一部をなす膜204
と赤外線吸収膜207とを単一の膜で兼用してもよい。
【0196】前記被支持部203は、読み出し光j0
一部のみを反射させるハーフミラー部208も有してい
る。該ハーフミラー部208は、変位部206の自由端
側に固定されており、変位部206の変位に従って変位
するようになっている。基板201上におけるハーフミ
ラー部208と対向する領域には、ハーフミラー部20
8を透過した読み出し光を反射させる反射部としての全
反射ミラー209が形成されている。
【0197】図14(b)に示すように、読み出し光j
0がハーフミラー部208に入射すると、当該読み出し
光j0の一部がハーフミラー部208で反射されて反射
光j1となり、ハーフミラー部208に入射した読み出
し光j0の残りはハーフミラー部208を透過して全反
射ミラー209で反射されて再度ハーフミラー部208
に下面から入射する。下面からハーフミラー部208に
再度入射した読み出し光のうちの一部がハーフミラー部
208を透過し透過光j2となる。この透過光j2と前記
反射光j1との間には、ハーフミラー部208と全反射
ミラー209との間の間隔d1の2倍に対応する光路長
差がある。よって、反射光j1と透過光j2との間でこの
光路長差に応じた干渉が起こり、反射光j1及び透過光
2がこの光路長差に応じた(したがって、変位部20
6の変位に応じた)干渉強度を有する干渉光となってハ
ーフミラー部208から出射されることになる。なお、
この干渉光の干渉強度は反射光j1の強度と透過光j2
強度とが等しいときに最も強くなるので、ハーフミラー
部208の反射率を約38%にすることが望ましい。
【0198】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、ハーフミラー部208及び全反射ミラー209
が、読み出し光j0を受光し、受光した読み出し光j0
変位部206の変位に応じた干渉状態を有する干渉光に
変えて出射させる干渉手段を構成しており、ひいては、
読み出し光j0を受光し、受光した読み出し光j0に変位
部206の変位に応じた変化を与えて当該変化した読み
出し光を出射させる光作用部を構成している。
【0199】また、本実施の形態では、図14に示すよ
うに、被支持部203の一端が脚部202を介して基板
201に支持されることにより被支持部203が基板2
01から隙間210を隔てて浮いた構造になっており、
膜204,205からなる変位部206はカンチレバー
を構成している。このように被支持部203が基板20
1から浮いているので、被支持部203と基板201と
の間の熱抵抗が大きくなっている。さらに、本実施の形
態では、脚部202は、SiO2などの絶縁材料により
構成されており、被支持部203と基板201との間が
電気的に絶縁されている。このような絶縁材料は熱伝導
率が低くて熱抵抗が大きいので、被支持部203と基板
201との間の熱抵抗が一層大きくなっている。したが
って、被支持部203から熱エネルギーが逃げ難く、わ
ずかな赤外線の入射によっても赤外線吸収膜207は温
度上昇を生じ、赤外光検出感度が高まる。
【0200】本実施の形態では、図14(a)に示すよ
うに、変位部206、赤外線吸収膜207、ハーフミラ
ー部208、全反射ミラー209及び脚部202を単位
画素(単位素子)として、当該画素が基板201上に2
次元状に配置されている。もっとも、必要に応じて当該
画素は基板201上に1次元状に配置してもよいし、単
に放射の強度のみを検出するような場合には、単一の画
素のみを基板201上に配置してもよい。
【0201】また、本実施の形態による変換装置は、前
述した図12(a)に示す光読み出し型放射−変位変換
装置と同様に、照射される読み出し光j0のうちの光作
用部を構成するハーフミラー部208から出射する干渉
光以外の光をマスクするマスク211を有している。マ
スク211は、ハーフミラー部208に対応する領域に
開口211aを有している。このマスク211aは、例
えば、本実施の形態による変換装置も収容し得る図10
に示す容器110に設けられた読み出し光用の入射窓1
13上に黒色の塗料を塗布することにより形成すること
ができる。照射される読み出し光j0のうちのハーフミ
ラー部208から出射する干渉光が信号光であるが、読
み出し光のうちの当該信号光以外の光(すなわち、ノイ
ズ光)が当該信号光に混じると、いわゆるS/Nが低下
してしまう。この点、本実施の形態によれば、マスク2
11を有しているので、当該ノイズ光が信号光に混じら
ず、S/Nが向上する。もっとも、本発明では、必ずし
もマスク211を設ける必要はない。
【0202】なお、前述した図12(d)に示す光読み
出し型放射−変位変換装置と同様に、基板201の上面
及び下面において、赤外線吸収膜207へ赤外線が入射
する領域に、赤外線の反射を防止する赤外線反射防止膜
(図示せず)を被着してもよい。
【0203】次に、本実施の形態による図14に示す光
読み出し型放射−変位変換装置の製造方法の一例につい
て、図15を参照して説明する。図15は、この製造方
法の各工程を示す概略断面図であり、図14(b)に対
応する断面を示している。
【0204】まず、前記基板201に相当するシリコン
基板221上に前記全反射ミラー209の材料となるべ
きチタンなど高融点金属222(例えば、厚さ1000
オングストローム)をスパッタ法等により被着させ、当
該高融点金属222を全反射ミラー209の形状に合わ
せてパターニングする。次いで、この状態の基板221
の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイ
ミド膜223(例えば、厚さ2.5μm)を被着させ、
該ポリイミド膜223における前記脚部202に相当す
る箇所にフォトリソエッチング法により穴(開口)をあ
ける。その後、当該穴を埋めるように、プラズマCVD
法などの低温工程でポリイミド膜223上の全面に前記
脚部202の材料となるべきシリコン酸化膜224(例
えば、厚さ1μm)をデポジションする。その後、フォ
トリソエッチング法により、脚部202の形状に合わせ
てシリコン酸化膜224をパターニングする(図15
(a))。これにより、基板221と、該基板221上
に形成された犠牲層としてのポリイミド膜223と、基
板221上に形成された脚部202(シリコン酸化膜2
24)と、基板221とポリイミド膜223との間に設
けられた読み出し光全反射ミラー(高融点金属222)
を有する構造体であって、犠牲層としてのポリイミド膜
223が脚部202(シリコン酸化膜224)の周囲に
形成され、脚部202(シリコン酸化膜224)の上部
が外部に露出した構造体が、完成する。
【0205】次に、ポリイミド膜223及びシリコン酸
化膜224上に、前記赤外線吸収膜207に相当する金
黒225(例えば、厚さ1000オングストローム)、
前記膜204に相当する金属226(例えば、厚さ10
00オングストローム)及び前記膜205に相当する金
属227(例えば、厚さ1000オングストローム)を
スパッタ法により順次被着させ、当該金黒225及び金
属226,227を前記膜207,204,205の形
状に合わせてフォトリソエッチング法によりパターニン
グする。次いで、この状態の基板221の全面にプラズ
マCVD法等により前記ハーフミラー部208の一部を
構成する支持部となるべきシリコン酸化膜228(例え
ば、厚さ2000オングストローム)をデポジション
し、当該シリコン酸化膜228を前記ハーフミラー部2
08の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパ
ターニングする。ハーフミラー部208を構成する支持
部(図14では図示せず)はシリコン酸化膜228によ
り構成されることから、可視光に対して透明である。そ
の後、シリコン酸化膜228等の上に、前記ハーフミラ
ー部208の一部を構成するハーフミラーの材料となる
べきチタンなどの金属229(例えば、厚さ100オン
グストローム)を所望の反射率を得るように非常に薄く
スパッタ法等により被着させ、当該金属229をハーフ
ミラー部208の形状に合わせてフォトリソエッチング
法によりパターニングする(図15(b))。
【0206】最後に、有機溶剤で溶出したり又はプラズ
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜223を除
去する(図15(c))。これにより、図14に示す光
読み出し型放射−変位変換装置が完成する。
【0207】以上説明した製造方法の各工程は周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図14に示す光読み出し型放射−変
位変換装置を容易に製造することができる。また、製造
途中においては、変位部(金黒225、金属膜226,
227)は犠牲層(ポリイミド膜223)を除去するま
で当該犠牲層に支持され固定されているため、変位部が
変形したり破損したりしてしまう不良は全く生じない。
【0208】ところで、以上の製造方法により通常は1
枚の基板221を用いて複数の光読み出し型放射−変位
変換装置を同時に製造するが、この場合、ダイシング等
により個々のチップに分割することになる。当該分割
は、ポリイミド膜223(犠牲層)の除去前、すなわ
ち、図15(b)の段階の後に行うことが好ましい。こ
のように、個々のチップへの分割を犠牲層の除去前に行
えば、当該分割の際にも変位部(金黒225、金属膜2
26,227)が犠牲層に支持され固定されているた
め、変位部が変形したり破損したりすることがなくな
り、歩留りが極めて高くなる。
【0209】次に、図14に示す光読み出し型放射−変
位変換装置の製造方法の他の例について、図23を参照
して説明する。図23は、この製造方法の各工程を示す
概略断面図であり、図14(b)に対応する断面を示し
ている。
【0210】まず、前記基板201に相当するシリコン
基板521上に前記全反射ミラー209の材料となるべ
きアルミニウム522(例えば、厚さ1000オングス
トローム)をスパッタ法等により被着させ、当該アルミ
ニウム522を全反射ミラー209の形状に合わせてパ
ターニングする。次いで、この状態の基板521の全面
にスピンコート法等により犠牲層としてのレジスト(例
えば、ポリイミド膜でもよい)523(例えば、厚さ
1.2μm)を被着させ、該レジスト523における前
記脚部202に相当する箇所にフォトリソにより開口5
23aをあける。その後、当該開口523aを埋めるよ
うに、プラズマCVD法などの低温工程でレジスト52
3上の全面に前記脚部202の材料となるべきシリコン
酸化膜524(例えば、厚さ1μm)をデポジションす
る。次いで、CMP法や全面エッチバック等により、脚
部202以外の部分でレジスト523の上面が露出する
ように、シリコン酸化膜524及びレジスト523の一
部を除去して表面を平坦化する(図23(a))。これ
により、基板521と、該基板521上に形成された犠
牲層としてのレジスト523と、基板521上に形成さ
れた脚部202(シリコン酸化膜524)と、基板52
1とレジスト523との間に設けられた読み出し光全反
射ミラー(アルミニウム522)を有する構造体であっ
て、犠牲層としてのレジスト523が脚部202(シリ
コン酸化膜524)の周囲に形成され、脚部202(シ
リコン酸化膜524)の上部が外部に露出した構造体
が、完成する。
【0211】次に、前記赤外線吸収膜207に相当する
窒化珪素膜525(例えば、厚さ3000オングストロ
ーム)が、レジスト523上に形成され、赤外線吸収膜
207の形状に合わせてパターニングされる。次いで、
シリコン酸化膜524、窒化珪素膜525及びレジスト
523上に、シリコン酸化膜526(例えば、厚さ20
00オングストローム)が形成され、前記ハーフミラー
部208の一部を構成する支持体の形状及び前記膜20
4の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパタ
ーニングされる。すなわち、本例では、シリコン酸化膜
526が、ハーフミラー部208の一部を構成する支持
体及び変位部の一部を構成する膜204を兼用する。そ
の後、前記膜205に相当する厚いアルミニウム527
(例えば、厚さ2000オングストローム)が、シリコ
ン酸化膜526上に形成され、膜205の形状に合わせ
てフォトリソエッチング法によりパターニングされる
(図23(b))。
【0212】その後、前記ハーフミラー部208の一部
を構成するハーフミラーの材料となるべきアルミニウム
529(例えば、厚さ50オングストローム)を所望の
反射率を得るように非常に薄くスパッタ法等により被着
させ、当該アルミニウム529をハーフミラー部208
の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパター
ニングする(図23(c))。
【0213】次に、図面には示していないが、図23
(c)に示す状態の基板をダイシング等により個々のチ
ップに分割する。このダイシングの際には水が吹き付け
られるなどにより力が加わるが、各膜525,526,
527は、脚部としてのシリコン酸化膜524のみなら
ず犠牲層としてのレジスト523により支持され固定さ
れているので、当該膜525,526,527が変形し
たり破損したりするおそれはない。
【0214】最後に、アッシング法などにより犠牲層と
してのレジスト523を除去する(図23(d))。こ
れにより、図14に示す光読み出し型放射−変位変換装
置が完成する。レジスト523の除去は、ウエットエッ
チング法やドライエッチング法等により行ってもよい。
ウエットエッチング法によりレジスト523を除去した
場合には、エッチング液をリンスした後、フリーズドラ
イ法や凝固昇華法などにより乾燥を行えばよい。
【0215】以上説明した製造方法の各工程も周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図14に示す光読み出し型放射−変
位変換装置を容易に製造することができる。また、製造
途中においては、変位部(窒化珪素膜525、シリコン
酸化膜526及びアルミニウム527)は犠牲層(レジ
スト523)を除去するまで当該犠牲層に支持され固定
されているため、変位部が変形したり破損したりしてし
まう不良は全く生じない。
【0216】以上説明した本実施の形態による図14に
示す光読み出し型放射−変位変換装置によれば、赤外線
iが図14(b)中の下方から入射される。この赤外線
iは、基板201を透過して赤外線吸収膜207により
吸収されて熱に変換される。赤外線吸収膜207にて発
生した熱に応じて変位部206が上方又は下方に湾曲し
て傾斜する。すなわち、入射した赤外線iが、その量に
応じた変位部206の変位に変換される。一方、後述す
る読み出し光学系により、可視光の読み出し光j0が、
図14(b)中の上方からマスク211の開口211a
を介して入射されてハーフミラー部208に照射され
る。その結果、前述したように、ハーフミラー部208
に入射した読み出し光j0は変位部206の変位に応じ
た干渉強度を有する干渉光に変化させられ、当該干渉光
がハーフミラー部208から図14(b)の上方に出射
される。したがって、後述するように、この干渉光に基
づいて赤外線を検出することができる。
【0217】ところで、膜204,205の材料とし
て、例えば、前記表1に挙げる金属材料を用いた場合、
表1の比曲率K並びに変位部206の厚さd及び長さL
から、変位部206の1゜Cの温度変化に対する、一端
が固定されているときの自由端の変位Dは、次の式(数
1)により計算できる。
【0218】
【数1】D=L2×K/2d
【0219】例えば、長さLが20μmで厚さdが0.
1μmで比曲率Kが3×10-4であれば、変位Dは0.
6μmとなる。さらに、観測物体の温度によって放射さ
れる赤外線を受光して温度に変換する変換率を前述した
とおり1%とすると、バイメタルの変位は6nmとな
る。
【0220】前述したように、前記透過光j2と前記反
射光j1との間には、ハーフミラー部208と全反射ミ
ラー209との間の間隔d1の2倍に対応する光路長差
があり、これによって干渉が起こるので、例えば、読み
出し光j0の波長が500nmであれば、干渉は1/2
波長ごとに強弱を繰り返すので、間隔d1が125nm
変化するごとに強弱を繰り返す。
【0221】よって、変位部206の変位6nmは干渉
の周期125nmの4.8%に相当し、従来の抵抗変化
0.02%に比べ非常に大きい。
【0222】本実施の形態では、このように干渉という
微小な変位を高感度で検出する技術を赤外線の検出に応
用しているので、従来より高感度な検出が可能である。
【0223】また、本実施の形態では、前述した第1の
実施の形態と同様に、赤外線を熱を経て抵抗値(電気信
号)に変換するのではなく、赤外線を熱及び変位を経て
読み出し光の変化に変換するので、基板201により支
持された被支持部203には電流を流す必要がなく、被
支持部203には自己発熱が生じない。したがって、本
実施の形態によれば、入射した赤外線のみによる熱を検
出することになるので、S/Nが向上し、検出精度が向
上する。勿論、本実施の形態では、量子型赤外線検出器
において必要であった冷却器は不要である。また、本実
施の形態では、赤外線を電気信号として読み出すもので
はないので、従来の熱型赤外線検出器において必要であ
った微弱電気信号用の読み出し回路が不要となる。
【0224】ところで、前述した図3に示す映像化装置
においても干渉光を得ているが、当該干渉光は図1に示
す光読み出し型放射−変位変換装置の外部において得て
いる。したがって、該光読み出し型放射−変位変換装置
100に均一な赤外線が入射したとしても、基板1の平
坦度が悪いことにより各素子の反射膜5の高さがばらつ
いていたり、参照光を反射させる全反射ミラー31の平
面度が保たれていなかったりすると、均一な赤外線が入
射したにもかかわらず、各素子ごとに干渉強度がばらつ
いた信号が発生してしまう。
【0225】この点、本実施の形態では、各素子のハー
フミラー部208及び全反射ミラー209が干渉手段を
構成しており、光読み出し型放射−変位変換装置の内部
において素子毎に独立して干渉光を得ることができるの
で、各素子ごとの出力信号の均一性は極めて良好なもの
となる。また、本実施の形態では、光読み出し型放射−
変位変換装置の外部において干渉光学系を構成する必要
がないので、干渉の原理に従って読み出し光学系を構成
する場合であっても、当該読み出し光学系の構成が簡単
となる。
【0226】ところで、前記変位部206の変位の範囲
を制限しなければ、干渉の強度は光路長差が読み出し光
の波長の1/2毎に強弱を繰り返すので、ある強度以上
の赤外線が入射すると逆に干渉の強度が反転するという
反転現象が起こってしまう。そこで、変位部206の変
位による干渉強度の変化が単調変化となるように、変位
部206の変位の範囲を読み出し光の波長の1/4以下
に制限することが好ましい。例えば、変位部206を温
度が上昇したときに図14(b)中の下向きに曲がるよ
うにし、ハーフミラー部208と全反射ミラー209と
の間隔を読み出し光の波長の1/4以下とすれば、過剰
の赤外線が入射しても変位部206の動きはハーフミラ
ー部208と全反射ミラー209とが接した所で止ま
る。このときに干渉強度が最大となるので反転現象は発
生しない。これまでの説明は、読み出し光として単色光
を用いた場合であるが、読み出し光として白色光を用い
た場合にも、同様に、変位部206の変位による干渉色
の変化が単調変化となるように、変位部206の変位の
範囲を制限すればよい。なお、変位部206の変位の範
囲を制限するための特別な制限部を設けてもよいこと
は、勿論である。
【0227】(第11の実施の形態)次に、本発明の第
11の実施の形態による映像化装置について、図16を
参照して説明する。図16は、本実施の形態による映像
化装置を示す概略構成図である。
【0228】本実施の形態による映像化装置は、前記第
10の実施の形態による図14に示す光読み出し型放射
−変位変換装置(図16においては符号300で示して
おり、図14(b)中の上方向及び下方向が図16中の
右方向及び左方向にそれぞれ対応している。)と、赤外
線iを集光して変換装置300の赤外線吸収膜207が
分布している面上に赤外線画像を結像させる赤外線用の
結像レンズ240と、変換装置300の前記各素子(画
素)のハーフミラー部208にそれぞれ前記読み出し光
0を照射し、前記各素子のハーフミラー部208から
出射された干渉光に基づいて前記各素子の変位部206
の変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系と、を
備えている。
【0229】具体的には、本実施の形態による映像化装
置は、光源241、絞り242(これに代えて照明レン
ズを用いてもよい。)、ビームスプリッタ243、レン
ズ244,245を備えており、これらが前記読み出し
光学系を構成している。
【0230】本実施の形態では、結像レンズ240によ
り、赤外線iが集光されて変換装置300の赤外線吸収
膜207が分布している面上に赤外線画像が結像され
る。その結果、変換装置300の各画素の赤外線吸収膜
207に対する入射赤外線の量に応じて、各画素の変位
部206が変位する。
【0231】一方、光源241から発した光は、ビーム
スプリッタ243にて反射され、レンズ244を経て読
み出し光j0として変換装置300に入射される。その
結果、第10の実施の形態に関して説明したように、各
素子(画素)の変位部206の変位に応じた干渉強度を
有する干渉光が各素子のハーフミラー部208からレン
ズ244へ向けて出射され、この干渉光が、レンズ24
4、ビームスプリッタ243及びレンズ245を経由
し、干渉光による光学像が形成され、これが肉眼246
にて観察される。このようにして、入射赤外線画像が可
視画像に変換されることになる。
【0232】なお、肉眼246で観察する代わりに、2
次元CCD等を配置して前記光学像を撮像してもよい。
この場合には、感度ばらつきやオフセットなどを電気的
に補正することもできる。このような事情は前述した他
の映像化装置においても同様である。なお、このCCD
の画素数は変換装置300の画素数と一致している必要
はないが、同程度であることが望ましい。
【0233】前記読み出し光学系は図16に示す構成に
限定されるものではない。変換装置300はその内部で
干渉を起こすのであるから、外部に干渉を起こすための
光学系は必要なく、単に干渉を起こす読み出し光を供給
し、その干渉強度を観察できる光学系があれば十分であ
る。また、読み出し光は単色光に限らず、白色光でも良
い。白色光であれば干渉強度は干渉色として観察され
る。また、読み出し光として波長の異なる2種類の単色
光を用いれば、単色光ではわからない一周期以上ずれた
干渉の場合でも光路長差がわかるので、単色光を用いる
場合に比べて、よりダイナミックレンジの広い赤外線画
像を得ることができる。
【0234】(第12の実施の形態)次に、本発明の第
12の実施の形態による光読み出し型放射−変位変換装
置について、図17及び図18を参照して説明する。
【0235】図17は本実施の形態による光読み出し型
放射−変位変換装置を模式的に示す一部切欠平面図であ
る。図18(a)は図17中のE−E’矢視図、図18
(b)は図17中のF−F’矢視図である。これらの図
面において、図14中の要素と同一又は対応する要素に
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0236】本実施の形態では、図17の平面図に示す
ように、中央に赤外線吸収膜207が配置され、その両
側にそれぞれ変位部206が配置され、各変位部206
の自由端側に赤外線吸収膜207を囲むようにハーフミ
ラー部208が取り付けられている。赤外線吸収膜20
7は、銅などの熱伝導率の高い材料からなる接続部24
0を介して変位部206と熱的に結合されているが、変
位部206が変位しても赤外線吸収膜207は動かない
構造になっている。換言すると、赤外線吸収部207が
変位部206の変位と無関係に基板201に対して固定
され、変位部206と赤外線吸収部207とが熱的に結
合されている。すなわち、本実施の形態では、各変位部
206の固定端側部分及び接続部240が脚部202に
固定され、赤外線吸収部207は接続部240に固定さ
れているが変位部206には何ら固定されていない。な
お、本実施の形態では、脚部202を介して浮いた状態
に支持された被支持部203は、各変位部206、赤外
線吸収部207及び接続部240を有している。
【0237】したがって、本実施の形態によれば、赤外
線吸収膜207の厚さを厚くして吸収率を上げても、変
位部206の動き易さを妨げない。一方、図14に示す
変換装置では、あまり赤外線吸収膜207の厚さを厚く
すると、変位部206の機械強度が高くなり曲がりにく
くなってしまう。
【0238】また、本実施の形態では、nを奇数、入射
赤外線の中心波長をλ0として、赤外線吸収膜207か
ら赤外線の入射方向と反対側に実質的にnλ0/4の間
隔d2をあけて、赤外線を反射する赤外線反射膜241
が設けられている。すなわち、赤外線吸収膜207と反
射膜241の間で入射赤外線i1と反射赤外線i2の間で
干渉を起こすいわゆるオプチカルキャビティ構造となっ
ている。入射赤外線i1は赤外線吸収膜207に一部吸
収され、残りは赤外線吸収膜207を透過し反射膜24
1の下面で反射し再度吸収膜207に入射する。このた
め、赤外線吸収膜207と反射膜241の間で干渉現象
が起こり、間隔d2が入射赤外線の中心波長の1/4の
奇数倍とされているので、赤外線吸収膜207での赤外
線吸収が最大となり、赤外線吸収膜207における赤外
線の吸収率が更に高まる。なお、赤外線反射膜241の
材料としては、例えば、Al等を用いることができる。
【0239】なお、本実施の形態では、反射膜241は
マスク211を支持する機能を兼ねており、反射膜24
1上面にマスク211が形成されている。この場合、マ
スク211の材料としては、例えば、金黒等を用いるこ
とができる。なお、反射膜241は、支柱242を介し
て基板201に支持されている。
【0240】以上述べた点以外については、本実施の形
態による光読み出し型放射−変位変換装置は、前述した
図14に示す光読み出し型放射−変位変換装置と同様で
あり、図14に示す光読み出し型放射−変位変換装置と
同様の利点も得られる。
【0241】なお、本実施の形態による図17及び図1
8に示す光読み出し型放射−変位変換装置は、前述した
図16に示す映像化装置において、変換装置300に代
えて用いることができる。
【0242】次に、本実施の形態による図17及び図1
8に示す光読み出し型放射−変位変換装置の製造方法の
一例について、図19及び図20を参照して説明する。
【0243】図19はこの製造方法の各工程を示す概略
断面図、図20は図19に示す工程に引き続く工程を示
す概略断面図である。なお、図19(a)(b)は同一
工程を示し、図19(c)(d)は同一工程を示し、図
19(e)(f)は同一工程を示し、図20(a)
(b)は同一工程を示し、図20(c)(d)は同一工
程を示している。図19(a)(c)(e)及び図20
(a)(c)は図18(a)と対応しており、図17中
のE−E’断面に相当している。図19(b)(d)
(f)及び図20(b)(d)は図18(b)と対応し
ており、図17中のF−F’断面に相当している。
【0244】まず、前記基板201に相当するシリコン
基板251上に前記全反射ミラー209の材料となるべ
きチタンなど高融点金属252(例えば、厚さ1000
オングストローム)をスパッタ法等により被着させ、当
該高融点金属252を全反射ミラー209の形状に合わ
せてパターニングする。次いで、この状態の基板251
の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイ
ミド膜253(例えば、厚さ1500オングストロー
ム)を被着させ、該ポリイミド膜253における前記脚
部202に相当する箇所にフォトリソエッチング法によ
り穴(開口)をあける。その後、当該穴を埋めるよう
に、プラズマCVD法などの低温工程でポリイミド膜2
53上の全面に前記脚部202の材料となるべきシリコ
ン酸化膜254(例えば、厚さ1000オングストロー
ム)をデポジションする。その後、フォトリソエッチン
グ法により、脚部202の形状に合わせてシリコン酸化
膜254をパターニングする(図19(a)(b))。
【0245】次に、ポリイミド膜253及びシリコン酸
化膜254上に、接続部240に相当する銅255(例
えば、厚さ2000オングストローム)をスパッタ法に
より被着させ、接続部240の形状に合わせてフォトリ
ソエッチング法によりパターニングする。次いで、前記
膜204に相当する金属256(例えば、厚さ1000
オングストローム)及び前記膜205に相当する金属2
57(例えば、厚さ1000オングストローム)をスパ
ッタ法により順次被着させ、当該金属256,257を
前記膜204,205の形状に合わせてフォトリソエッ
チング法によりパターニングする。次に、前記赤外線吸
収膜207に相当する金黒258(例えば、厚さ300
0オングストローム)をスパッタ法や蒸着等により被着
させ、当該金黒258を前記赤外線吸収膜207の形状
に合わせてフォトリソエッチング法によりパターニング
する。その後、この状態の基板251の全面にプラズマ
CVD法等により前記ハーフミラー部208の一部を構
成する支持部となるべきシリコン酸化膜259(例え
ば、厚さ1000オングストローム)をデポジション
し、当該シリコン酸化膜259を前記ハーフミラー部2
08の形状に合わせてフォトリソエッチング法によりパ
ターニングする。ハーフミラー部208を構成する支持
部(図18では図示せず)は、シリコン酸化膜259に
より構成されることから、可視光に対して透明である。
その後、シリコン酸化膜259等の上に、前記ハーフミ
ラー部208の一部を構成するハーフミラーの材料とな
るべきチタンなどの金属260(例えば、厚さ100オ
ングストローム)を所望の反射率を得るように非常に薄
くスパッタ法等により被着させ、当該金属260をハー
フミラー部208の形状に合わせてフォトリソエッチン
グ法によりパターニングする(図19(c)(d))。
【0246】次に、図19(c)(d)に示す状態の基
板251上の全面にスピンコート法等により犠牲層とし
てのポリイミド膜261(例えば、厚さ2.5μm)を
被着させ、該ポリイミド膜261における前記支柱24
2に相当する箇所にフォトリソエッチング法により溝を
形成する。次いで、当該溝を埋めるように、プラズマC
VD法などの低温工程でポリイミド膜261上の全面に
前記支柱242の材料となるべきシリコン酸化膜262
(例えば、厚さ1.5μm)をデポジションする。その
後、フォトリソエッチング法により、支柱242の形状
に合わせてシリコン酸化膜262をパターニングする
(図19(e)(f))。
【0247】次に、図19(e)(f)の状態の基板2
51上に、前記赤外線反射膜241に相当するアルミニ
ウム263(例えば、厚さ1000オングストローム)
及びマスク211に相当する金黒264(例えば、厚さ
3000オングストローム)をスパッタ法により順次被
着させ、当該反射膜241及びマスク211の形状に合
わせてフォトリソエッチング法によりパターニングする
(図20(a)(b))。
【0248】最後に、有機溶剤で溶出したり又はプラズ
マアッシングを行うなどによりポリイミド膜253,2
61を除去する(図20(c)(d))。これにより、
図17及び図18に示す光読み出し型放射−変位変換装
置が完成する。
【0249】以上説明した製造方法の各工程は周知の半
導体微細加工技術そのものを応用したものであり、この
製造方法によれば、図18に示す光読み出し型放射−変
位変換装置を容易に製造することができる。また、製造
途中においては、変位部(膜256,257)は犠牲層
(ポリイミド膜253,261)を除去するまで当該犠
牲層に支持され固定されているため、変位部が変形した
り破損したりしてしまう不良は全く生じない。
【0250】ところで、以上の製造方法により通常は1
枚の基板251を用いて複数の光読み出し型放射−変位
変換装置を同時に製造するが、この場合、ダイシング等
により個々のチップに分割することになる。当該分割
は、ポリイミド膜253,261(犠牲層)の除去前、
すなわち、図20(a)(b)の段階の後に行うことが
好ましい。このように、個々のチップへの分割を犠牲層
の除去前に行えば、当該分割の際にも変位部(膜25
6,257)が犠牲層に支持され固定されているため、
変位部が変形したり破損したりすることがなくなり、歩
留りが極めて高くなる。
【0251】ところで、図17及び図18に示す変換装
置において、赤外線反射膜241及びマスク211は必
ずしも設けなくてもよい。
【0252】また、図14に示す変換装置並びに図17
及び図18に示す変換装置において、ハーフミラー部2
08を全反射ミラーに置き換えれば、当該変換装置は、
図3乃至図9にそれぞれ示す映像化装置において変換装
置100に代えて用いることができる。この場合、全反
射ミラー209は不要となる。
【0253】なお、赤外線画像を映像化するのではな
く、単に赤外線の強度のみを検出するような場合には、
例えば、前述した各映像化装置において、光読み出し型
放射−変位変換装置を1つの素子(画素)のみを有する
ように構成しておき、読み出し光学系を当該素子に関連
する部分のみを残すことによって、赤外線検出装置を得
ることができる。
【0254】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0255】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
冷却器を用いることなく、放射の検出精度及び感度の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光読み出し型
放射−変位変換装置を示す図であり、図1(a)はその
単位画素の所定の状態の断面を模式的に示す図、図1
(b)は単位画素の他の状態の断面を模式的に示す図、
図1(c)は図1(a)中のA−A’矢視図、図1
(d)は画素の配置状態を示す平面図である。
【図2】図1に示す光読み出し型放射−変位変換装置の
製造方法の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による映像化装置を
示す図であり、図4(a)はその概略構成図、図4
(b)(c)はその原理説明図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態による映像化装置を
示す図であり、図5(a)はその概略構成図、図5
(b)はその原理説明図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態による映像化装置を
示す図であり、図6(a)はその概略構成図、図6
(b)(c)はその原理説明図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態による映像化装置を
示す図であり、図7(a)はその概略構成図、図7
(b)はその原理説明図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【図10】容器内に光読み出し型放射−変位変換装置を
収容した状態を模式的に示す図であり、図10(a)は
その断面図、図10(b)は図10(a)中のB−B’
矢視図である。
【図11】CCDの受光面における像と画素との関係の
例を示す図である。
【図12】図1に示す光読み出し型放射−変位変換装置
の各変形例を示す図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態による光読み出し
型放射−変位変換装置を示す図であり、図13(a)は
その単位画素の所定の状態の断面を模式的に示す図、図
13(b)は単位画素の他の状態の断面を模式的に示す
図、図13(c)は図13(a)中のC−C’矢視図で
ある。
【図14】本発明の第10の実施の形態による光読み出
し型放射−変位変換装置を示す図であり、図14(a)
は当該変換装置を模式的に示す一部切欠平面図、図14
(b)は図14(a)中のD−D’矢視図である。
【図15】図14に示す光読み出し型放射−変位変換装
置の製造方法の一例を示す図である。
【図16】本発明の第11の実施の形態による映像化装
置を示す概略構成図である。
【図17】本発明の第12の実施の形態による光読み出
し型放射−変位変換装置を模式的に示す一部切欠平面図
である。
【図18】本発明の第12の実施の形態による光読み出
し型放射−変位変換装置を示す図であり、図18(a)
は図17中のE−E’矢視図、図18(b)は図17中
のF−F’矢視図である。
【図19】図17及び図18に示す光読み出し型放射−
変位変換装置の製造工程の一例を示す図である。
【図20】図17及び図18に示す光読み出し型放射−
変位変換装置の製造工程であって図19に引き続く製造
工程を示す図である。
【図21】図1に示す光読み出し型放射−変位変換装置
の製造方法の他の例を示す図である。
【図22】図1に示す光読み出し型放射−変位変換装置
の製造方法の更に他の例を示す図である。
【図23】図14に示す光読み出し型放射−変位変換装
置の製造方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1,201 基板 2,202 脚部 3,203 被支持部 4 変位部の一部及び赤外線吸収部を兼ねる膜 5 変位部の一部及び反射部を兼ねる膜 6,210 隙間 21〜23,41,52,61,71,81,91 C
CD 31 全反射ミラー 100 光読み出し型放射−変位変換装置 206 変位部 207 赤外線吸収膜 208 ハーフミラー部 209 全反射ミラー 211 マスク 241 赤外線反射膜

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、 前記基体に支持された被支持部であって、放射を受けて
    熱に変換する放射吸収部と、該放射吸収部にて発生した
    熱に応じて前記基体に対して変位する変位部と、を有す
    る被支持部と、 読み出し光を受光し、受光した読み出し光に前記変位部
    の変位に応じた変化を与えて当該変化した読み出し光を
    出射させる光作用部と、 を備えたことを特徴とする光読み出し型放射−変位変換
    装置。
  2. 【請求項2】 前記被支持部が前記基体に対して電気的
    に絶縁されたことを特徴とする請求項1記載の光読み出
    し型放射−変位変換装置。
  3. 【請求項3】 前記放射が赤外線であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の光読み出し型放射−変位変換装
    置。
  4. 【請求項4】 前記変位部がカンチレバーを構成するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光読
    み出し型放射−変位変換装置。
  5. 【請求項5】 前記変位部がダイヤフラムを構成するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光読
    み出し型放射−変位変換装置。
  6. 【請求項6】 前記変位部が、異なる膨張係数を有する
    異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の
    光読み出し型放射−変位変換装置。
  7. 【請求項7】 前記放射吸収部が前記変位部の少なくと
    も一部をなすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の光読み出し型放射−変位変換装置。
  8. 【請求項8】 前記放射吸収部が前記変位部の変位と無
    関係に基体に対して固定され、前記変位部と前記放射吸
    収部とが熱的に結合されたことを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれかに記載の光読み出し型放射−変位変換装
    置。
  9. 【請求項9】 照射される読み出し光のうちの前記光作
    用部により変化させられて前記光作用部から出射する読
    み出し光以外の光をマスクするマスク手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光読み
    出し型放射−変位変換装置。
  10. 【請求項10】 照射される読み出し光のうちの前記光
    作用部により変化させられて前記光作用部から出射する
    読み出し光以外の光の反射を防止する反射防止膜を備え
    たことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の
    光読み出し型放射−変位変換装置。
  11. 【請求項11】 nを奇数、前記放射の中心波長をλ0
    として、前記放射吸収部から実質的にnλ0/4の間隔
    をあけて配置された前記放射を反射する放射反射部を備
    えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記
    載の光読み出し型放射−変位変換装置。
  12. 【請求項12】 前記光作用部は、前記被支持部の一部
    をなすとともに前記変位部の変位に従って変位する反射
    部であって、受光した読み出し光を反射する反射部であ
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    の光読み出し型放射−変位変換装置。
  13. 【請求項13】 前記反射部が前記変位部の一部をなす
    ことを特徴とする請求項12の記載の光読み出し型放射
    −変位変換装置。
  14. 【請求項14】 前記光作用部は、読み出し光を受光
    し、受光した読み出し光を前記変位部の変位に応じた干
    渉状態を有する干渉光に変えて出射させる干渉手段であ
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    の光読み出し型放射−変位変換装置。
  15. 【請求項15】 前記干渉手段は、前記被支持部の一部
    をなすとともに前記変位部の変位に従って変位するハー
    フミラー部であって、受光した読み出し光の一部のみを
    反射するハーフミラー部と、該ハーフミラー部と対向す
    るように前記基体に対して固定された反射部と、を有す
    ることを特徴とする請求項14記載の光読み出し型放射
    −変位変換装置。
  16. 【請求項16】 前記変位部の変位による前記干渉状態
    の変化が単調変化となるように、前記変位部の変位の範
    囲を制限したことを特徴とする請求項14又は15記載
    の光読み出し型放射−変位変換装置。
  17. 【請求項17】 前記被支持部及び前記光作用部を1個
    の素子として当該素子を複数個有し、当該素子が1次元
    状又は2次元状に配列されたことを特徴とする請求項1
    乃至11並びに14乃至16のいずれかに記載の光読み
    出し型放射−変位変換装置。
  18. 【請求項18】 前記被支持部及び前記光作用部を1個
    の素子として当該素子を複数個有し、当該素子が1次元
    状又は2次元状に配列されたことを特徴とする請求項1
    2又は13記載の光読み出し型放射−変位変換装置。
  19. 【請求項19】 放射を受けて熱に変換する段階と、 前記変換された熱を変位に変換する段階と、 読み出し光を用いて前記変位を検出する段階と、 を備えたことを特徴とする放射検出方法。
  20. 【請求項20】 1次元状又は2次元状に位置する複数
    箇所においてそれぞれ放射を受けて当該複数箇所におい
    て受けた放射をそれぞれ熱に変換する段階と、 前記変換された各熱を前記複数箇所に応じた位置でそれ
    ぞれ変位に変換する段階と、 読み出し光を用いて前記各変位に応じた光学像を形成す
    る段階と、 を備えたことを特徴とする映像化方法。
  21. 【請求項21】 前記光学像を撮像手段により撮像する
    段階を更に備えたことを特徴とする請求項20記載の映
    像化方法。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至16のいずれかに記載の
    光読み出し型放射−変位変換装置と、 前記光作用部に前記読み出し光を照射し、前記光作用部
    から出射された前記変化した読み出し光に基づいて前記
    変位部の変位を検出する変位検出手段と、 を備えたことを特徴とする放射検出装置。
  23. 【請求項23】 請求項17又は18記載の光読み出し
    型放射−変位変換装置と、 前記各素子の前記光作用部にそれぞれ前記読み出し光を
    照射し、前記各素子の前記光作用部から出射された前記
    変化した読み出し光に基づいて前記各素子の前記変位部
    の変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  24. 【請求項24】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 光源からの光を複数に分割し、当該分割された光のうち
    の1つを前記読み出し光として前記各素子の前記反射部
    にそれぞれ照射し、前記各素子の前記反射部から出射し
    た各反射光と前記分割された光のうちの他の1つとを干
    渉させて干渉光を得、該干渉光による光学像を形成する
    読み出し光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  25. 【請求項25】 前記変位部の変位による前記干渉状態
    の変化が単調変化となるように、前記変位部の変位の範
    囲を制限したことを特徴とする請求項24記載の映像化
    装置。
  26. 【請求項26】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 前記読み出し光を前記各素子の前記反射部にそれぞれ照
    射し、前記各素子の前記反射部から出射した各反射光に
    よる前記各素子の前記反射部の像からなる光学像であっ
    て、当該光学像における前記各素子の前記反射部の像の
    光量が前記各素子の前記反射部の傾きに応じて異なる光
    学像を形成する読み出し光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  27. 【請求項27】 前記読み出し光学系は、前記各素子の
    前記反射部から出射した各反射光を当該反射部の傾きに
    応じた量だけ遮る瞳を有することを特徴とする請求項2
    6記載の映像化装置。
  28. 【請求項28】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 前記読み出し光が前記各素子の前記反射部付近の所定位
    置にそれぞれ集光するように、前記読み出し光を前記各
    素子の前記反射部にそれぞれ照射し、前記各集光位置と
    共役な平面位置に配置された絞り板であって前記各集光
    位置に対応する位置にそれぞれピンホールを有する絞り
    板の当該各ピンホールに、前記各素子の前記反射部から
    出射した各反射光をそれぞれ通過させ、前記各素子の前
    記反射部から出射した各反射光のうちの前記各ピンホー
    ルを通過した光による光学像を形成する読み出し光学系
    と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  29. 【請求項29】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 前記読み出し光を前記各素子の前記反射部にそれぞれ照
    射し、前記各素子の前記反射部から出射した各反射光を
    所定平面上に導き、前記各反射光による光学像であっ
    て、前記各素子の前記反射部の傾きに応じて前記各反射
    光の前記所定平面上に達する位置が異なる光学像を前記
    所定平面上に形成する読み出し光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  30. 【請求項30】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 前記読み出し光として偏光光を前記各素子の前記反射部
    にそれぞれ照射し、前記各素子の前記反射部から出射し
    た各反射光をそれぞれ検光し、各検光光による前記各素
    子の前記反射部の像からなる光学像を形成する読み出し
    光学系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  31. 【請求項31】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 位相差法に従って、前記読み出し光を前記各素子の前記
    反射部にそれぞれ照射するとともに前記各素子の前記反
    射部から出射した各反射光に基づいて前記各素子の前記
    変位部の変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系
    と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  32. 【請求項32】 請求項18記載の光読み出し型放射−
    変位変換装置と、 微分干渉法に従って、前記読み出し光を前記各素子の前
    記反射部にそれぞれ照射するとともに前記各素子の前記
    反射部から出射した各反射光に基づいて前記各素子の前
    記変位部の傾きに応じた光学像を形成する読み出し光学
    系と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  33. 【請求項33】 前記光学像を撮像する撮像手段を備え
    たことを特徴とする請求項23乃至32のいずれかに記
    載の映像化装置。
  34. 【請求項34】 前記撮像手段は、前記光読み出し型放
    射−変位変換装置の前記複数の素子の前記光作用部と1
    対1に対応する複数の画素を有し、 前記読み出し光学系は、前記撮像手段の前記複数の画素
    の各々が、前記複数の素子の前記光作用部のうちの対応
    する光作用部から出射された前記変化した読み出し光の
    みを受光するように、前記光学像を形成することを特徴
    とする請求項33記載の映像化装置。
  35. 【請求項35】 請求項1乃至18のいずれかに記載の
    光読み出し型放射−変位変換装置を製造する方法であっ
    て、 基板と、該基板上に形成された犠牲層と、前記変位部を
    支持する脚部であって前記基板上に形成された脚部とを
    有する構造体であって、前記犠牲層が少なくとも前記脚
    部の周囲に形成され、前記脚部の上部が外部に露出した
    構造体を用意する段階と、 前記構造体の前記脚部及び前記犠牲層上に、熱膨張係数
    の異なる2種類の膜であって、互いに積層され所望の形
    状にパターニングされた2種類の膜を形成する段階と、 前記犠牲層を除去する段階と、 を備えたことを特徴とする光読み出し型放射−変位変換
    装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 前記2種類の膜の形成の前又は後に、
    所望の形状にパターニングされた前記放射に対する放射
    吸収膜を、前記2種類の膜と重なるように形成する段階
    を備えたことを特徴とする請求項35記載の光読み出し
    型放射−変位変換装置の製造方法。
  37. 【請求項37】 前記2種類の膜の形成の前又は後に、
    所望の形状にパターニングされた読み出し光反射膜を、
    前記2種類の膜と重なるように形成する段階を備えたこ
    とを特徴とする請求項35又は36記載の光読み出し型
    放射−変位変換装置の製造方法。
  38. 【請求項38】 前記基板の少なくとも前記放射が入射
    する側に前記放射に対する反射防止膜を被着させる段階
    を備えたことを特徴とする請求項35乃至37のいずれ
    かに記載の光読み出し型放射−変位変換装置の製造方
    法。
  39. 【請求項39】 前記構造体は、前記基板と前記犠牲層
    との間に、所望の形状にパターニングされた読み出し光
    全反射ミラーを有し、 前記2種類の膜に連結されるとともに前記読み出し光全
    反射ミラーと対向するように、前記犠牲層上に読み出し
    光ハーフミラーを形成する段階を備えたことを特徴とす
    る請求項35乃至38のいずれかに記載の光読み出し型
    放射−変位変換装置の製造方法。
  40. 【請求項40】 前記犠牲層を除去する前記段階の前
    に、前記構造体を個々のチップに分割する段階を備えた
    ことを特徴とする請求項35乃至39のいずれかに記載
    の光読み出し型放射−変位変換装置の製造方法。
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