JP2011163415A - 真空断熱材連設シートの製造方法 - Google Patents

真空断熱材連設シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外形加工が容易でありながら優れた断熱性能を有する真空断熱材連設シートを提供すること。
【解決手段】2枚のアルミラミネートフィルムの間に芯材が減圧状態で封止されている真空断熱材が前記アルミラミネートフィルムの少なくとも一方を共通させることによって複数連設されてなる真空断熱材連設シートの製造方法であって、前記芯材を収容可能な大きさを有する収容凹部を前記アルミラミネートフィルムの一方に形成させるシート成形を実施した後に、作製される真空断熱材連設シートの個々の真空断熱材の位置に応じて前記芯材が前記一方のアルミラミネートフィルムの収容凹部に収容されて配置されるとともに該収容凹部の開口部が他方の平坦なアルミラミネートフィルムで覆われた状態となるように前記アルミラミネートフィルムと前記芯材とをセットし、減圧雰囲気下、前記収容凹部の周囲において前記アルミラミネートフィルムどうしを接着させて芯材の前記封止を実施することを特徴とする真空断熱材連設シートの製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空断熱材連設シートの製造方法に関し、より詳しくは、2枚のアルミラミネートフィルムの間に芯材が減圧状態で封止されている真空断熱材が前記アルミラミネートフィルムの少なくとも一方を共通させることによって複数連設されてなる真空断熱材連設シートの製造方法に関する。
近年、通気性を有する袋に粉体を封入したものやグラスファイバーの塊のような内部に真空化された微細な空間を形成しうる部材を芯材とし、該芯材を減圧状態でアルミラミネートフィルムなどの間に封止した断熱材が利用されるようになってきている。
このような断熱材は真空断熱材と呼ばれ、一般的な発泡ポリスチレンボードなどの断熱材に比べて優れた断熱性能を有することから、家電製品や建築物などへの利用が広がりつつある。
この真空断熱材は、例えば、板状の芯材を該芯材よりも大きな面積を有するアルミラミネートフィルムで表裏両面から挟んで“アルミラミネートフィルム/芯材/アルミラミネートフィルム”の構成を有する積層体を減圧雰囲気下に置くことによって前記芯材が包含する空気を除去した後に、前記芯材の外周においてアルミラミネートフィルムどうしを接着して前記アルミラミネートフィルムで前記芯材を減圧状態で封止させる方法によって製造されている。
ところで、断熱材には、配する箇所に応じてその形状を加工し易いことが求められており、例えば、一般的な住宅建築の現場などにおいては、発泡ポリスチレンボードをカッターナイフで切断して床根太や壁枠などの間に収容可能な大きさにサイズ調整することが行われている。
一方で真空断熱材は、芯材を封止しているアルミラミネートフィルムに穴を開けたり切断したりすると芯材が収容されている箇所の真空度が低下し断熱性能が損なわれるため発泡ポリスチレンボードのような自由に切断加工をすることが難しい。
このような問題を解消させるべく、小さな真空断熱材を複数連設させたシートの利用が検討されている。
例えば、下記特許文献1では、その図1などに縦横4つずつ合計16個の芯材が間隙を設けて配列され、この16個の芯材が2枚のシートで上下から挟まれて封止された真空断熱材連設シートが記載されている。
この種の真空断熱材連設シートは、隣り合う芯材の間においてアルミラミネートフィルムが接着されているために、この接着部分を切断することによって1個又は複数個の真空断熱材をその断熱性が損なわれることを抑制しつつ切り出すことができる。
したがって、この特許文献1の図1に示されている一面の真空断熱材連設シートを、当該真空断熱材連設シートの大きさに満たない箇所に配置するには、例えば、16個の真空断熱材の内の数個をその間隙部で切り分けて使用することができる。
しかし、この切断が可能になる部分は断熱性能への寄与が低いため、真空断熱材連設シートをそのままの状態で使用したり、分割する場合でもいくつかの真空断熱材が連設された状態で使用されたりする場合にはこの真空断熱材(芯材)どうしの間隙部を広く取っていると断熱性能の観点からは不利な状態となる。
そのため、一般には芯材と芯材との間の距離をより短くさせることが求められている。
ここで芯材どうしを単に近接させるだけでは、切断された後に、この端面から芯材までの距離が短くなって、例えば、アルミラミネートフィルムどうしの接着されている界面部を通じて芯材の封入箇所に空気が侵入して真空度を低下させるおそれを有する。
そのため、真空断熱材連設シートにおいては、良好なる断熱性と良好なる加工性とを両立させることが困難であるという問題を有している。
特開2004−197954号公報
本発明は、この種の真空断熱材連設シートにおけるアルミラミネートフィルムどうしの接着性の向上を図ることで切断加工によって芯材の収容部分に空気が流入するおそれの低い真空断熱材連設シートを提供し、ひいては外形加工が容易でありながら優れた断熱性能を有する真空断熱材連設シートを提供することを課題としている。
本発明者は、芯材封入部分における真空度の低下について調査し、アルミラミネートフィルムどうしを接着させている部分においては、このアルミラミネートフィルムにシワなどが形成されやすいことを見出した。
そして、このシワが生じた箇所が切断されて、当該シワを通じて芯材封止部分に空気が流入されることが真空度低下の大きな要因となっていることを見出した。
さらに、本発明者は、このシワの抑制について鋭意検討を行った結果、平坦なアルミラミネートフィルムどうしで芯材を挟んで接着を行うのではなく、一方のアルミラミネートフィルムに芯材を収容可能な収容凹部を予め形成させておくことで、この収容凹部の周囲において他方のアルミラミネートフィルムとの良好なる接着が行われうることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、前記課題を解決するための真空断熱材連設シートの製造方法に係る本発明は、2枚のアルミラミネートフィルムの間に芯材が減圧状態で封止されている真空断熱材が前記アルミラミネートフィルムの少なくとも一方を共通させることによって複数連設されてなる真空断熱材連設シートの製造方法であって、前記芯材を収容可能な大きさを有する収容凹部を前記アルミラミネートフィルムの一方に形成させるシート成形を実施した後に、作製される真空断熱材連設シートの個々の真空断熱材の位置に応じて前記芯材が前記一方のアルミラミネートフィルムの収容凹部に収容されて配置されるとともに該収容凹部の開口部が他方の平坦なアルミラミネートフィルムで覆われた状態となるように前記アルミラミネートフィルムと前記芯材とをセットし、減圧雰囲気下、前記収容凹部の周囲において前記アルミラミネートフィルムどうしを接着させて芯材の前記封止を実施することを特徴としている。
本発明によれば、真空断熱材(芯材)どうしの間においてアルミラミネートフィルムにシワが発生することを抑制しつつアルミラミネートフィルムどうしを接着させうる。
したがって、この芯材の近くを切断しても芯材の収容されている箇所に空気が流入して断熱性を低下させることを抑制させ得る。
すなわち、本発明によれば、真空断熱材の小分けによる外形加工を容易としつつ芯材と芯材との間の距離を短くして断熱性能の向上を図り得る。
真空断熱材連設シートの平面図(a)と、この平面図(a)におけるA−A’線矢視拡大断面図(b)。 真空断熱材連設シートの製造方法の概略工程を示す平面図(a)と、この平面図(a)におけるB−B’線矢視拡大断面図(b)、ならびに、C−C’線矢視拡大断面図(c)。 他実施形態の真空断熱材連設シートの製造方法を表す平面図。 他実施形態の真空断熱材連設シートの平面図(a)と、この平面図(a)におけるD−D’線矢視拡大断面図(b)。 他実施形態の真空断熱材連設シートの平面図(a)と、この平面図(a)におけるE−E’線矢視拡大断面図(b)。
(第一実施形態)
以下に、本発明の好ましい第一の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の製造方法によって作製される真空断熱材連設シートの平面図(a)と、この平面図(a)におけるA−A’線矢視拡大断面図(b)である。
そして、図2は、本実施形態の真空断熱材連設シートの製造方法の概略工程を示す平面図(a)と、この平面図(a)におけるB−B’線矢視拡大断面図(b)とC−C’線矢視拡大断面図(c)である。
この図にも示しているように、本実施形態において作製される真空断熱材連設シート1は、2枚のアルミラミネートフィルム10,20で上下から挟まれた状態で複数個の芯材30が減圧封止されたものであり、前記芯材30の周囲において前記アルミラミネートフィルム10,20が接着されているものである。
すなわち、本実施形態の真空断熱材連設シート1は、2枚のアルミラミネートフィルム10,20の間に芯材30が減圧状態で封止されている真空断熱材1a,1b,1c・・・が前記アルミラミネートフィルム10,20の両方を共通させることによって連設されたものである。
本実施形態に係る真空断熱材連設シートの製造方法においては、まず、平坦なアルミラミネートフィルム10’(以下「原料シート10’」ともいう)に対して、前記芯材30を収容させるための収容凹部11を形成させて前記2枚のアルミラミネートフィルム10,20の内の下側のアルミラミネートフィルム10(以下、「第一シート10」ともいう)を形成させるシート成形工程を実施した後に、この収容凹部11が形成された第一シート10を所定の寸法に切断する切断工程を実施し、前記収容凹部11に芯材30を収容する収容工程を実施する。
次いで、前記第一シート10と略同面積の平坦なアルミラミネートフィルム20(以下「第二シート20」ともいう)を、前記収容凹部11を覆うようにして前記第一シート10の上に積層し、下から順に、第一シート10、芯材30、第二シート20となる積層体1’を減圧雰囲気下に置く減圧工程を実施し、前記減圧雰囲気を維持しつつ前記収容凹部11の外周部12を接着して前記芯材30を前記第一シート10と前記第二シート20との間に減圧状態で封止させる封止工程を実施する。
本実施形態における上記の各工程について、以下に、より詳しく説明する。
本実施形態のシート成形工程においては、9個の矩形板状の芯材30が縦横3個ずつ互いに所定の間隙を設けて配列された略正方形の真空断熱材連設シート1を形成させるべく、帯状の原料シート10’をシート成形機に供してシート幅方向に3個並んだ収容凹部11を前記シート成形機で一度に形成させ、しかも、前記原料シート10’をシート成形機に順送してシート幅方向に3個並んだ収容凹部11をシート長手方向に繰り返し形成させる方法を採用することができる。
このシート成形工程は、例えば、収容凹部11の形状や深さ、アルミラミネートフィルムの材質や厚みなどにもよるが、比較的成形容易な場合であれば、一般的なシート成形機を採用することができプレス成形機、真空成形機、圧空成形機などの成形機を用いて実施することができ。
このようなシート成形法を採用してシートの表面側10sから背面側10bに向けて凹入する前記収容凹部11を形成させることができ、該収容凹部11の開口部11aを包囲する外周部12にシワなどが形成されるおそれを抑制しつつ第一シート10を作製することができる。
したがって、収容凹部11の四つの角部や収容凹部11を取り巻く外周部12にシワが形成されるおそれが低く、精度の高い成形加工が実施され得る。
なお、前記シート成形工程では、前記芯材30を収容させる際の作業性を勘案して、前記芯材30よりも僅かに大きな矩形状の開口部11aを有する収容凹部11を第一シート10に形成させることになるが、第一シート10は、この収容凹部11を包囲している外周部12を第二シート20に接着させることになるため、過度に芯材30よりも大きな収容凹部を形成させると、第二シート20との接着スペースを減少させることになる。
なお、収容凹部11を配する間隔を広げて接着スペースを確保することも考え得るが、そのような場合には、真空断熱材連設シートにおいて優れた断熱性が発揮される部分(芯材が収容されている真空断熱材として機能する部分)の割合を減少させてしまい、全体的な断熱性能を低下させるおそれを有する。
この収容凹部11の大きさや形状、及び、外周部12の面積などについては、真空断熱材連設シートの用途に応じて適宜変更が可能なものではあるが、例えば、住宅建築などの用途においては、汎用性の観点から約30cm角を基本単位として、全体の大きさがその整数倍であることが好ましいため、上記例示のごとくシート幅方向に3個の収容凹部11を配列する場合であれば約30cmピッチで縦横に収容凹部11を配列させ、幅約90cmの真空断熱材連設シート1を形成させればよい。
なお、2枚の平坦なアルミラミネートフィルムの間に芯材を挟んで、真空プレスを実施するなどして芯材の外周部をヒートシールするような従来の真空断熱材連設シートの製造方法に比べて、本実施形態に係る製造方法のようにシート成形法などによって予め収容凹部を形成させる方がヒートシール部分にシワが生じることを抑制させうるもののあまりに収容凹部の直近を切断すると芯材を収容している部分の真空度を低下させるおそれが有る点に関しては従来の製造方法で得られる真空断熱材連設シートと同じである。
したがって、外周部12の幅(図1の“Lb”)は、10mm以上とすることが好ましい。
ただし、これまで述べているように、この外周部12は、芯材30の収容されている箇所に比べて、通常、断熱性能が低くなるため過度に広幅とすると真空断熱材連設シート全体の断熱性能を低下させるおそれを有する。
このような点において、外周部12の幅(Lb)は、50mm以下であることが好ましい。
また、このシート成形工程において形成させる収容凹部11の深さは、芯材30の厚みと同等のものとすることができる。
ただし、シート成形工程を実施する場合であっても、極端な深絞りを行うと、アルミニウム層が破断してガスバリア性を低下させたり、外周部にシワを形成させたりするおそれを有する。
このようなことから、収容凹部11の深さは、通常、5〜25mmとされる。
なお、芯材30は、後述するように無機繊維などで構成される場合があり、例えば、ガラス繊維などで構成されたもののように圧力によって厚みが変化するものもある。
そのような場合においては、常圧での芯材を収容可能な大きさに前記収容凹部を形成させる必要はなく、減圧状態で封止されて2枚のアルミラミネートフィルムを介して大気圧によって圧縮された際の芯材の厚みに相当する深さで収容凹部を形成させればよい。
このようなシート成形工程に供する前記原料シート10’としては、特に限定されるものではなく、一般的な真空断熱材の形成に用いられているものを用いることができる。
例えば、芯材30に接する表面10sに前記芯材30を封止するためのヒートシール層を有し、このヒートシール層の背面側に、ガスバリア性を付与するためのアルミニウム層を有するものが挙げられる。
該アルミラミネートフィルムのアルミニウム層は、その厚みが厚いほどアルミラミネートフィルム自体のガスバリア性を向上させ得る反面、アルミラミネートフィルム自体の熱伝導性が高くなり、真空断熱材の断熱性を損なうおそれを有する。
また、この原料シート10’は、前記シート成形法等における加工性をも考慮してアルミニウム層の厚みを決定することが好ましい。
例えば、収容凹部の凹入深さが深い場合には、アルミニウム層の強度が十分でないとシート成形工程において破断が生じてガスバリア性を損なうおそれを有する。
一方で、アルミニウム層の厚いアルミラミネートフィルムを用いると、収容凹部を形成させるのに大きな力が必要になるおそれを有する。
このようなことから、一般的には、第一シート10の形成に用いる原料シートは、アルミニウム層の厚みが15μm以上70μm以下であることが好ましい。
前記ヒートシール層は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリマーの1種以上からなるフィルムで構成させることができ、これらのフィルムは、無延伸な状態、又は、延伸された状態でヒートシール層を構成させることができる。
このヒートシール層は、通常、数μm〜数十μmの厚みとすることができる。
また、耐摩耗性、難燃性、さらなるガスバリア性の向上などの観点から、前記アルミニウム層及び前記ヒートシール層以外の他層が付与されたものも前記原料シート10’として採用が可能である。
この他層としては、ポリアミドフィルム、エチレン−4フッ化エチレン共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムなどからなる層が挙げられ、これらがアルミニウム層とヒートシール層との間やアルミニウム層の背面側に備えられているアルミラミネートフィルムも前記原料シート10’として用いることができる。
さらに、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀やこれらどうしの合金、または、これらの金属と他の金属との合金を真空蒸着させたり、金属酸化物を真空蒸着させたりすることによって形成される蒸着層も前記他層として採用が可能である。
このような蒸着層は、真空断熱材の表面保護に有効であるため、採用する場合には第一シート10の背面10bに設けることが好ましい。
このような原料シート10’に対してシート成形を行った後は、前記切断工程を実施して前記収容凹部11を所定数有する第一シート10を切り出すことができる。
例えば、図2においては、縦横3個ずつ、合計9個の収容凹部11が全体で正方形を形成するように配列された第一シート10を作製すべく、前記原料シート10’の長手方向第3番目の収容凹部と第4番目の収容凹部との間で切断を行う場合を例示している。
この切断工程はギロチンカッターのような一般的な切断装置を用いて実施可能である。
次いで、このようにして切り出された第一シート10に、前記芯材30を収容させる収容工程を実施する。
収容させる芯材30は、その種類に限定が加えられるものではなく、通常、圧力が加わった場合でも高い空隙率を有するものが使用でき、発泡体などの多孔質体や、繊維や粉末などの集合体を採用することができる。
前記発泡体としては、例えば、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォームなどが挙げられる。
前記繊維としては、例えば、グラスウール、グラスファイバーなどのガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維などが挙げられる。
前記粉末としては、例えば、シリカ粉末、パーライト粉末、カーボンブラックなどが挙げられる。
なお、前記繊維や前記粉末を用いる場合は、ハンドリングなどの関係から、通気性を有する素材で形成された容器にこれらを収容させたものを芯材とすることが好ましい。
すなわち、例えば、通気性シートなどで形成された袋に、繊維や粉末を封入させた場合には、前記通気性シートを介して繊維や粉末の間の空気を除去し得るとともに前記通気性シートによって繊維や粉末の飛散が抑制されることから芯材30のハンドリング性向上を図ることができる。
このような通気性シートとしては、特に限定がされるものではないが、例えば、連続気泡発泡体をシート状にスライス加工することにより連続気泡がシート両面において開口された連続気泡発泡シートなどが好適である。
例えば、通気性シートとしては、樹脂フィルムにニードルパンチするなどして通気口を穿設したものや、繊維間の間隙を通気口として利用可能な不織布なども採用が可能ではあるが、これらのシートは表裏を直線的に通気口が貫通しているため、この通気口よりも微細な粉体を通過させやすい。
一方で、連続気泡発泡体をシート状にスライス加工させてなる連続気泡発泡シートは、その内部には、厚み方向に複数の気泡膜を有し、その気泡膜の上下左右のいずれかに開いた穴を通って空気が一面側から他面側に通過するため、微細な粒子が空気に同伴されたとしても複数の気泡を通る間に、いずれかの気泡で捕捉させ得るために粉末の飛散をより一層抑制させ得る。
また、一旦、内部の気泡中に粉末が取り込まれると、後からこの気泡に運ばれた粉末は、先に取り込まれている粉末と気泡内壁との隙間を通らなければ連続気泡発泡シートの反対側に通り抜けられないため、単に、この芯材30を収容凹部11に収容させる際に粉末の飛散が抑制されるのみならず、後述する減圧工程において、この芯材30を減圧雰囲気下に置いて、その内部から空気を排出させるようにした際にも微細な粉末が漏洩することが防止されることになる。
例えば、前記減圧工程は、第一シート10の収容凹部11に芯材30を収容させたものの上に第二シート20を積層して積層体1’を形成させ、この積層体1’を真空プレス機のチャンバー内や、オートクレーブの真空チャンバー内に収容させて前記チャンバー内を真空ポンプなどによって減圧することで実施することが可能ではあるが、その場合に、チャンバー内や真空ポンプを微細な粉末で汚損させてしまうことを前記連続気泡発泡シートの使用によって抑制させることができる。
さらには、この粉末が、外周部12に付着して、第一シート10と第二シート20との接着性を低下させ、真空断熱材連設シート1を形成した後に、この接着界面から収容凹部11に空気が流入されるおそれも前記連続気泡発泡シートの使用によって抑制させることができる。
なお、この減圧工程では、より高い真空度で減圧を実施することが断熱性に優れた真空断熱材を形成させる上で好ましい。
ただし、真空断熱材1は、前記芯材30を全くの真空状態とすることは難しく、多くの場合、内部に10Pa程度の分圧となる気体を残留させることになる。
したがって、この残留している気体分子の平均自由行程よりも小さな空隙を粉末の粒子−粒子間に形成させることで気体分子どうしの衝突確率を低減させて熱の伝達を防止させることが好ましい。
このようなことから、粉体を構成している粒子の体積平均粒子径を1μm〜20μmとさせることが好ましい。
しかし、このような微細な粒子を用いると、通常の連続気泡発泡シートでは粉末を外部に漏洩させるおそれを有する。
このようなことを防止させるには、気泡密度が1×106/cm3以上、1×1011/cm3未満であり、シート厚み方向に3以上の気泡膜数を有している連続気泡発泡シートを芯材30の外皮材(粉末を収容させる袋)として用いることが好ましい。
なお、この気泡密度(X:個/cm3)は、ASTM D2842−69の試験方法に基づき測定される平均気泡径(C:mm)と、JIS K7112−1999に基づき樹脂組成物を非発泡な状態で測定したときの密度(ρ:kg/m3)と、JIS K7222−1999に基づき測定される連続気泡発泡シートの見かけ密度(D:kg/m3)から下記式(1)を計算することによって求めることができる。

気泡密度X=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/10/2)3} ・・・(1)
また、粉体の体積平均粒子径は、例えば、少量の粉体(0.1〜0.5g程度)を少量の界面活性剤を添加した水溶液(20〜30ml)に均一に分散させて、ベックマン・コールター社製「Multisizer3」を用いて20μmのアパチャーを使用して測定することができる。
なお、この減圧工程に供する積層体1’には、このような芯材30とともに前記収容凹部11に水分やガスを吸着させるための吸着剤を併せて収容させることが好ましい。
このような吸着剤として用いることのできる物質としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。
また、前記芯材30や前記吸着剤を前記収容凹部内に減圧状態で封止させるべく用いる第二シート20には、前記第一シート10と同様の積層構造を有するアルミラミネートフィルムを用いることができる。
ただし、この第二シート20は、平坦な状態で使用され、第一シート10のような成形加工が行われないことから、アルミニウム層の厚みが第一シート10のように厚いものでなくてもよい。
例えば、アルミニウム層の厚みが、5〜10μmであれば、ガスバリア性の点においては十分な性能を期待することができる。
なお、第一シート10と同様にヒートシール層を設けたアルミラミネートフィルムを第二シート20に用いる場合には、このヒートシール層を第一シート10のヒートシール層と当接させて芯材間の間隙に相当する前記外周部12においてヒートシールさせ得るように前記積層体1’を形成させることが好ましい。
なお、第一シートに芯材の厚みよりも浅い収容凹部を形成させて芯材の一部のみを当該収容凹部に収容させ、残部を収容可能な大きさの収容凹部を第二シートの側に設けてこの第二シートと前記第一シートとの間に芯材を封止させるようにしてもシワの防止の観点からは、本実施形態に係る真空断熱材連設シートの製造方法と同様の効果が発揮され得るものではあるが、その場合には、第一シートと第二シートとの位置ずれを生じた場合には、芯材間において第一シートと第二シートとが当接する面積を、正しい位置に第一シートと第二シートとが配されている場合よりも減少させてしまうおそれを有する。
一方で、本実施形態においては、前記第二シート20に平坦なアルミラミネートフィルムを利用するため、多少の位置ずれを生じていたとしても後段の封止工程において上記のような問題を生じさせるおそれが低い。
しかも、本実施形態においては、上記のように作製される真空断熱材連設シート1に相当する大きさを有する第一シート10と第二シート20とを用いることから、この第一シート10と第二シート20とをその周縁をそろえて重ね合わせるだけで前記第二シート20が前記第一シート10の全ての収容凹部11の開口部11aを一度に覆う状態になり、慎重な位置合せなどを必要とせずに積層体1’を作製することができる。
前記封止工程においては、前記減圧工程における減圧雰囲気を維持しつつ前記収容凹部11の外周部12を接着して前記芯材30を前記第一シート10と前記第二シート20との間に封止させる。
このときの接着方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、前記外周部12を加圧加熱して第一シート10と第二シート20との熱融着をさせる方法や、この外周部12を加圧しつつ超音波振動を加えて融着させる方法が挙げられる。
このように収容凹部11の周囲が接着されてシールがされることによって前記減圧雰囲気を解除させた後も前記芯材30の封止されている収容凹部11の内部を減圧状態に維持させて断熱性に優れた真空断熱材連設シート1を得ることができる。
なお、上記例示の真空断熱材連設シートでは、この9個の芯材30の間に設けられている接着箇所を切断して、最大9つの小分けされた真空断熱材とすることができる。
すなわち、本実施形態の製造方法によれば、外形加工が容易でありながら優れた断熱性能を有する真空断熱材連設シート1を得ることができる。
なお、本実施形態においては、真空断熱材連設シート1を構成する部材や、その製造工程に関して、上記のような例示を行っているが、本発明においては、真空断熱材連設シートの製造方法や使用材料ならびに作製する真空断熱材連設シートの形状、大きさ等を上記例示に限定するものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、アルミラミネートフィルムを切断する前記切断工程は、芯材を収容凹部に収容させる収容工程の後に実施しても良く、第一シートと第二シートとを重ね合わせた後で、これらを一度に切断するようにしてもよい。
また、要すれば、第一シートと第二シートとを長尺帯状のまま真空チャンバーに順送して芯材の減圧封止を行って、帯状の真空断熱材連設シートを作製した後で、所定の寸法の真空断熱材連設シートを切り出すようにしてもよい。
さらには、本実施形態においては収容凹部の開口部を上面に向けた状態で収容凹部内に芯材を収容させて、前記開口部を平坦な第二シートで覆う場合を例示しているが、例えば、真空断熱材連設シートの個々の真空断熱材の位置に応じた状態となるように平坦な第二シートの上に所定の間隔を設けて芯材を配列し、これに収容凹部を有する第一シートを上から被せて下から順に、第二シート、芯材、第一シートとなる積層体を形成させて前記芯材の減圧封止を実施させることもできる。
また、以下に数例の事例を挙げて本発明の他の実施形態について説明する。
(第二実施形態)
本発明の真空断熱材連設シートの製造方法に係る第二の実施形態について以下に説明する。
この第二実施形態においては、図3の概略平面図に示すようなアルミラミネートフィルム10”を利用して真空断熱材連設シートを作製する。
すなわち、一枚の帯状のアルミラミネートフィルム10”の幅方向左右一方側に収容凹部11’を形成させるシート成形工程を実施して上記実施形態の第一シートに相当する部分10xを形成させ、前記収容凹部11’に芯材を収容させる収容工程を実施した後に、幅方向中心部を通る中心線(図3の仮想線C)でアルミラミネートフィルム10”を半折して収容凹部11’が形成されていない他方の部分20xで収容凹部11’が形成されている部分10xを覆って前記芯材が2枚のアルミラミネートフィルムで挟まれた積層体を形成させる。
なお、その後、減圧雰囲気下、前記収容凹部11’の周囲において前記アルミラミネートフィルムどうしを接着させて芯材の減圧封止を行う点に関しては第一の実施形態と同様である。
また、第一実施形態において述べたような各種の変更を加え得る点においては、この第二実施形態においても同じである。
(第三実施形態)
次いで、本発明の真空断熱材連設シートの製造方法に係る第三の実施形態について以下に説明する。
図4は、第一実施形態における図1と同様に、この第三実施形態の製造方法によって作製される真空断熱材連設シート1”の平面図(a)と、この平面図(a)におけるD−D’線矢視拡大断面図(b)とを示すものである。
先の第一、第二の実施形態においては、第一シート10(10x)と第二シート20(20x)とが、それぞれ作製される真空断熱材連設シートに相当する大きさを有しているが、この第三の実施形態においては、作製される真空断熱材連設シート1”に相当する大きさを有する平坦なアルミラミネートフィルムが前記第二シート20に用いられる一方で、収容凹部11を有する第一シートは真空断熱材連設シート1”が4分割された大きさを有する分割片で構成されている。
すなわち、一つの真空断熱材連設シート1”を形成させるために4枚の分割片10k,10l,10m,10nが用いられている。
すなわち、この第三の実施形態における真空断熱材連設シート1”は、縦横4個ずつの真空断熱材を連設させたものであるが、それぞれ、縦横2個ずつの収容凹部11を有する4枚の分割片10k,10l,10m,10nでそれぞれ4個の芯材30を前記第二シート20の間に減圧封止させている。
前記第一実施形態、及び、前記第二実施形態においては、第一シート10(10x)に、予め真空断熱材の形成位置に応じた収容凹部11を形成させていたために収容工程や封止工程において位置ずれなどを気にすることなく作業を簡略化させることが可能である反面、真空断熱材の位置を後から調整することが難しいために、例えば、一旦作製した真空断熱材連設シート1の出来栄えを元にして、セットする芯材30の位置を後から調整することが困難であったが、この第三の実施形態においては、第一シートを構成させるために複数枚の分割片を利用することからこれらをセットする位置を調整することにより、真空断熱材連設シート1”の製造過程で真空断熱材の形成位置の変更を行うことができる。
さらには、図5に示すように、収容凹部11が一つのみ形成され該収容凹部11よりも一回り大きなアルミラミネートフィルムからなる分割片10o,10p,10q・・・を真空断熱材の数量分用いて第一シート10が構成されているような場合においては、芯材30の位置をより自由に調整させることができる。
すなわち、第一実施形態などにおいて示した収容凹部11を包囲する外周部12の幅の2分の1以下の幅となる鍔部を収容凹部の開口部の外縁から外側に延出させた収容凹部よりも一回り大きな分割片を用い、この鍔部を前記第二シートに接着させて内部に芯材を減圧封止させるような態様も本発明が意図する範囲である。
さらには、この図5に示す単一の収容凹部を有する分割片と図4に示すように、複数の収容凹部を有する分割片とを組み合わせて用い、例えば、図4の4つの収容凹部を有する分割片1枚と、図5の単一の収容凹部を有する分割片5枚とを用いて、第一実施形態に示したような9個の真空断熱材が連設されてなる真空材連設シートを形成させることも可能である。
この第三の実施形態においても、第一実施形態において述べたような各種の変更を加え得る点においては、第二実施形態と同じである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(芯材)
まず、通気性シート中に粉末を封入した真空断熱材用芯材を作製した。
該通気性シートとしては、以下のようにして作製されたものを用いた。
(通気性シート)
(発泡シートの作製)
口径が50mmの第一押出し機の先端に口径が50mmの第二押出し機を接続してなるタンデム型押出し機を用いて発泡押出しを実施し発泡シートを作製した。
発泡シートの作製には、ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製 ブロックポリプロピレン 商品名「PB170A」、MFR:0.35g/10分)100質量部、動的架橋されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマー(エーイーエスジャパン社製 商品名「サントプレーン8201−60」)67質量部と、着色剤としてカーボンブラックマスターバッチ(大日精化社製 PE−M AZ 90086(KE)40)10質量部、そして気泡核剤として平均粒子径12μmのタルク5.8質量部となる配合割合にて作製されたポリマー組成物を用いた。
該ポリマー組成物を、第一押出し機に供給して溶融混錬し、第一押出し機の途中から発泡剤として二酸化炭素を前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して7.9質量部圧入して、溶融状態のポリマー組成物と二酸化炭素を均一に混合、混練した上で、熱可塑性樹脂組成物を第二押出し機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した後、第二押出し機の先端に取り付けたサーキュラーダイ(口径φ35mm、ダイスリット間隔0.3mm(樹脂出口部の断面積:0.330cm2)から吐出量30kg/h(吐出速度:V=91kg/(cm2・h))で発泡押出しし、得られた円筒状の発泡体を冷却されているマンドレル上に添わせるとともに、その外面をエアリングからのエアーの吹き付けによって冷却し、マンドレル上の一点で、カッターにより円筒状の発泡体を切開して、通気性シートの原料となるシート状の連続気泡発泡体(発泡シート)を作製した。
得られた発泡シートの物性値は以下の通りであった。
・シート厚み:1.8(mm)
・見掛け密度:49(kg/m3
・平均気泡径:0.07(mm)
(通気性シートの作製)
スライサー(フォーチュナ社製バンドナイフ分割機 モデルSPA750)を用いて、発泡シートの表面側をスライス加工して気泡膜を切断除去し、気泡の断面を露出させた。
その後、裏面側も同様にスライス加工して発泡シートを先のスライス片と合せて合計3枚に分割し、両面に切断面が形成された中心部の連続気泡発泡シートを芯材形成用の通気性シートとした。
得られた通気性シートの物性値は、以下に示す通りである。
・吸水率:1119(%)
・気泡密度:7.24×107(個/cm3
・見かけ密度:49(kg/m3
・厚み:0.6(mm)
・断面気泡膜数:8
(評価方法)
なお、上記の特性は以下のような測定を行って計測されたものである。
(シート厚み)
連続気泡発泡シートの厚みは、ミツトヨ製デジタルシックネスゲージを用いて測定した。
(見かけ密度)
連続気泡発泡シートの見かけ密度は、JIS K 7222−1999記載の方法に準拠した方法により測定した。
(平均気泡径)
連続気泡発泡シートに形成されている気泡は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定した。
より具体的には、発泡シートをMD方向(押出し方向)及びTD方向(押出し方向に直交する方向)に沿って切断し、それぞれの切断面の中央部を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、型名「S−3000N」)で拡大して撮影した。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、MD方向に沿って切断した切断面の画像においては、押出方向に平行な長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数を数え、下記式(2)に基づいて押出方向の平均弦長(t)を算出した。

平均弦長(t)=60/(気泡数×写真の倍率) ・・・(2)

同様に、TD方向に沿って切断した切断面の画像においては、押出方向に直交する方向に平行な長さ60mmの直線を一本、描き、この直線上に存在する気泡数を数え、上記式(2)に基づいて押出方向に直交する方向の平均弦長(t)を算出した。
なお、MD方向、TD方向それぞれにおいて、この60mmの直線上に気泡数が10〜20個程度並ぶように上記電子顕微鏡での撮影における拡大倍率を調整した。
また、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにした。
さらに、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、さらに、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含めた。
そして、算出された各方向における平均弦長(t)をそれぞれMD方向の気泡径(DMD)とTD方向の気泡径(DTD)とし、下記式(3)に示す相加平均によって平均気泡径を算出した。

平均気泡径:D(mm)=(DMD+DTD)/2 ・・・(3)
(吸水率)
まず、連続気泡発泡シートを10cm×10cmにカットし、その質量(Wd)を測定する。次に水を入れた容器にシートを完全に沈むように水没させ、容器ごと市販の減圧装置内に入れて大気圧に対して−0.05MPaとなるまで減圧させ、減圧操作を停止し3分間待った後に常圧に戻してシートを水中より取り出し、表面の付着水をふき取った後質量(Ww)を測定し、次式により吸水率を算出した。

吸水率(質量%)=(Ww−Wd)/Wd×100

なお、吸水率は上記測定をn=3で行い、その平均値をもって連続気泡発泡シートの吸水率とした。
(断面気泡膜数)
気泡膜数は、例えば、通気性シートの断面を顕微鏡などで観察し、無作為に選んだ数箇所において厚み方向の気泡膜数を計測してその算術平均を計算して求めた。
(製造例1)〔真空断熱材単体の作製:参考事例〕
長方形に切断した先の通気性シートを半折して重なり合わせ、折り目を除く2辺においてヒートシールして一辺を開口させて袋状とした。
これに体積平均粒子径が5μmのシリカ粉末(鈴木油脂製、商品名「ゴッドボール」)を収容させ、開口させていた一辺をさらにヒートシールして、前記シリカ粉末が通気性シート製の袋に封入された外形寸法、296mm×296mm×7mmの芯材を作製した。
また、ポリプロピレン系樹脂からなるヒートシール層とポリアミドフィルム層の間に40μmのアルミニウム層を有するアルミラミネートフィルムに前記芯材の大きさに相当する収容凹部を形成させ、外周部を12mmとって一辺320mmの正方形とした。
なお、収容凹部を形成させるに際しては、その内側がヒートシール層となるように凹入方向を定めた。
このアルミラミネートフィルムの収容凹部に前記芯材を収容させ、さらに、ポリプロピレン系樹脂からなるヒートシール層とポリアミドフィルム層の間に7μmのアルミニウム層を有する平坦なアルミラミネートフィルム(一辺320mmの正方形)をその上に重ね合わせて“アルミラミネートフィルム/芯材/アルミラミネートフィルム”の積層構造を有する積層体を形成させた。
なお、この積層体は、平坦なアルミラミネートフィルムのヒートシール層が、収容凹部を形成させたアルミラミネートフィルム側となるようにして作製した。
そして、1Paの減圧雰囲気中この積層体を置いた状態でこの積層体の周縁部をヒートシールして、前記芯材を減圧状態で2枚のアルミラミネートフィルム中に封止した。
なお、前記ヒートシールによるシール幅は10mmとした。
この真空断熱材の熱伝導率を測定したところ0.010W/(m・K)であった。
この真空断熱材を恒温恒湿槽に入れて促進試験、(80℃、90%Rh、14日)を実施した。
その後、改めて熱伝導率を測定したところ0.010W/(m・K)で変化していないことが確認できた。
(製造例2)〔真空断熱材連設シートの作製1〕
製造例1よりも一回り小さい(248mm×248mm×7mm)芯材を4個用い、大きさ610mm×610mmのアルミラミネートフィルム(アルミニウム層40μm)に、前記芯材を収容するための収容凹部(248mm×248mm×7mm)を縦横2個ずつ合計4個、略等間隔となるように配列した。
この4つの収容凹部のそれぞれに芯材を収容させ、製造例1と同様に7μmの厚みのアルミニウム層を有するアルミラミネートフィルム(大きさ610mm×610mm)を重ね合せて、得られた積層体を1Paの減圧雰囲気中に置いて封止を行った。
なお、芯材間の距離(間隙部の幅)は62mmとし、芯材から真空断熱材連設シートの外周縁までの距離を26mmとした。
さらに、収容凹部を形成させたアルミラミネートフィルムの裏側において、芯材と芯材との間に形成されている十字の溝部に熱伝導率が0.04W/(m・K)の発泡ポリスチレンを充填して真空断熱材連設シート全体の熱伝導率(λ)を真空断熱材部分の熱伝導率(λ0)とその面積比率(S0)ならびに芯材が存在していない部分の熱伝導率(λ1)とその面積比率(S1)とにより下記計算式(4)により求めたところ0.020W/(m・K)であった。

λ=λ0×S0+λ1×S1 ・・・(4)

ただし、S0=(248×248×4)/(610×610)、S1=1−S0
なお、ヒートシール部には、シワ等が見られず良好な接着がなされていることが確認できた。
また、製造例1と同様の促進試験をこの真空断熱材に加えたところ熱伝導率は変化せず、良好なる減圧封止がなされていることが確認できた。
さらに、この610mm×610mmの大きさを有する真空断熱材連設シートから、芯材1枚分の真空断熱材を切り出して熱伝導率を測定したところ製造例1と同じ0.010W/(m・K)であった。
(製造例3)〔真空断熱材連設シートの作製2〕
前記収容凹部を形成させる側のアルミラミネートフィルムを製造例1と同じ40μm厚みのアルミニウム層を有するものとするとともに芯材も製造例1と同じ296mm×296mm×7mmとして製造例2のような4個の芯材が配列された630mm×630mmの大きさを有する真空断熱材連設シートを作製した。
なお、芯材間の距離(間隙部の幅)は14mmとし、芯材から真空断熱材連設シートの外周縁までの距離は12mmとした。
この真空断熱材連設シートについても収容凹部を形成させたアルミラミネートフィルムの裏側において、芯材と芯材との間に形成されている十字の溝部に熱伝導率が0.04W/(m・K)の発泡ポリスチレンを充填して全体の熱伝導率を上記と同様に計算により求めたところ0.014W/(m・K)であった。
なお、ヒートシール部には、シワ等が見られず良好な接着がなされていることが確認できた。
さらに、製造例1と同様の促進試験をこの真空断熱材連設シートに加えたところ熱伝導率は変化せず、良好なる減圧封止がなされていることが確認できた。
また、この630mm×630mmの大きさを有する真空断熱材連設シートから、芯材1枚分の真空断熱材を切り出して熱伝導率を測定したところ製造例1と同じ0.010W/(m・K)であった。
このことからもわかるように、本発明によれば、断熱性能を向上(熱伝導率を低下)させるべく芯材間をより狭くさせてもシワの形成が抑制される。
また、本発明においては、芯材間がより狭い真空断熱材連設シートを形成させても、当該真空断熱材シートを切断して複数の真空断熱材を小分けにした際に芯材収容部の真空度が低下することを抑制させ得る。
すなわち、外形加工が容易でありながら優れた断熱性能を有する真空断熱材連設シートを得ることができる。
1 真空断熱材連設シート
1’ 積層体
10 第一シート(アルミラミネートフィルム)
11 収容凹部
12 外周部
20 第二シート(アルミラミネートフィルム)
30 芯材

Claims (7)

  1. 2枚のアルミラミネートフィルムの間に芯材が減圧状態で封止されている真空断熱材が前記アルミラミネートフィルムの少なくとも一方を共通させることによって複数連設されてなる真空断熱材連設シートの製造方法であって、
    前記芯材を収容可能な大きさを有する収容凹部を前記アルミラミネートフィルムの一方に形成させるシート成形を実施した後に、作製される真空断熱材連設シートの個々の真空断熱材の位置に応じて前記芯材が前記一方のアルミラミネートフィルムの収容凹部に収容されて配置されるとともに該収容凹部の開口部が他方の平坦なアルミラミネートフィルムで覆われた状態となるように前記アルミラミネートフィルムと前記芯材とをセットし、減圧雰囲気下、前記収容凹部の周囲において前記アルミラミネートフィルムどうしを接着させて芯材の前記封止を実施することを特徴とする真空断熱材連設シートの製造方法。
  2. 作製される真空断熱材連設シートに相当する大きさを有し、前記シート成形によって真空断熱材の位置に応じて配列された複数の前記収容凹部を有する前記一方のアルミラミネートフィルムと該一方のアルミラミネートフィルムの全ての収容凹部の開口部を一度に覆うことが可能な大きさを有する前記他方のアルミラミネートフィルムとを用いる請求項1記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
  3. 収容凹部を有する前記一方のアルミラミネートフィルムが複数の分割片で構成されており、平坦な前記他方のアルミラミネートフィルムが作製される真空断熱材連設シートに相当する大きさを有している請求項1記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
  4. 前記分割片が、前記収容凹部が一つのみ形成されたアルミラミネートフィルムである請求項3記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
  5. 前記芯材が、少なくとも一部が通気性シートで形成された容器内に粉体が封入されたものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
  6. 連続気泡発泡体をシート状にスライス加工することにより連続気泡がシート両面において開口された連続気泡発泡シートが前記通気性シートとして用いられている請求項5記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
  7. 前記連続気泡発泡シートは、気泡密度が1×106/cm3以上、1×1011/cm3未満であり、シート厚み方向に3以上の気泡膜数を有している請求項6記載の真空断熱材連設シートの製造方法。
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