JP2011163387A - 円錐ころ軸受 - Google Patents

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功雄 臼杵
Hiroshi Ueno
弘 上野
Hirosato Nakanishi
宏怜 中西
Masa Sakaguchi
雅 阪口
Kazuo Hamada
和生 濱田
Hironori Hiraoka
寛規 平岡
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Abstract

【課題】内輪の円錐軌道面の大径側に位置する鍔部の円錐ころ案内面の焼付きを抑制できる円錐ころ軸受を提供すること。
【解決手段】保持器5に、内輪2の円錐軌道面12に径方向に対向すると共に、軸方向にその円錐軌道面12の小径側から大鍔部14側に延在する軸方向延在内面部を形成する。上記軸方向延在内面部に、大鍔部14側の端が開口すると共に、軸方向の大鍔部14側に行くにしたがって保持器5の中心軸との距離が大きくなるように軸方向に延在する溝41を形成する。溝41の内面の大鍔部14側の端部の仮想延長面が、大鍔部14の円錐ころ3を案内する円錐ころ案内面30に重なるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、円錐ころ軸受に関し、例えば、ディファレンシャルギヤ装置、トランスファー装置またはトランスアクスル装置等の車両用ピニオン軸支持装置のピニオン軸等を支持するのに使用すれば好適な円錐ころ軸受に関する。
従来、円錐ころ軸受としては、特開平11−48805号公報(特許文献1)に記載されている円錐ころ軸受がある。この円錐ころ軸受は、内輪と、外輪と、円錐ころとを有している。上記内輪は、その円錐軌道面の大径側に、円錐ころの大径端面に接触する大鍔部を有している。上記内輪の内周面は、ディファレンシャルギヤ装置のピニオン軸に固定されている一方、上記外輪の外周面は、ディファレンシャルギヤ装置内の環状の仕切り壁に固定されている。
上記円錐ころ軸受は、ディファレンシャルギヤ装置のリングギヤの方からオイル通路を介して流れてきたオイルを、外輪の内周面と内輪の外周面との間を、内輪の円錐軌道面の小径側の開口から内輪の円錐軌道面の大径側の開口まで流して、外輪、内輪および円錐ころの焼付きを防止している。
上記従来の円錐ころ軸受において、オイルの攪拌抵抗を大幅に低減して、トルクを大幅に低減したいという要求が存在する。しかしながら、トルクの大幅な低減を目的として、トルクの主要な要因であるオイルの攪拌抵抗を大幅に低減するために、円錐ころ軸受内を流れるオイルの量を極微量に制限すると、内輪の大鍔部と円錐ころの大径端面との摺動部にオイルが十分に行き渡らなくなって、上記摺動部が焼付くことがある。
特開平11−48805号公報
そこで、本発明の課題は、内輪の円錐軌道面の大径側に位置する鍔部の円錐ころ案内面の焼付きを抑制できる円錐ころ軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の円錐ころ軸受は、
円錐軌道面を有する外輪と、
円錐軌道面と、その円錐軌道面の大径側に位置する鍔部とを有する内輪と、
上記外輪の円錐軌道面と、上記内輪の円錐軌道面との間に配置された複数の円錐ころと、
第1環状部と、その第1環状部の内径よりも内径が大きい第2環状部と、第1環状部と上記第2環状部との間を連結すると共に、互いに周方向に間隔をおいて位置する複数の柱部とを有して、周方向に隣接する上記柱部の間に形成されるポケットに上記円錐ころを収容する保持器と
を備え、
上記保持器は、
軸方向の上記第1環状部と上記第2環状部との間かつ上記柱部の径方向の内方に、上記内輪の円錐軌道面に間隔をおいて対向すると共に、軸方向に上記内輪の円錐軌道面の小径側から上記鍔部側に延在する軸方向延在内面部を有し、
上記軸方向延在内面部は、
上記鍔部側の端が開口すると共に、軸方向に延在する溝を有し、
上記溝と、上記保持器の中心軸との距離は、上記溝の上記鍔部側の端部において、軸方向に上記鍔部側に行くにしたがって大きくなっており、
上記溝の内面の上記鍔部側の端部の仮想延長面は、上記鍔部の上記円錐ころを案内する円錐ころ案内面に重なっていることを特徴としている。
本発明によれば、軸方向に内輪の円錐軌道面の小径側から鍔部側に延在する軸方向延在内面部が、鍔部側の端が開口すると共に、軸方向の鍔部側に行くにしたがって中心軸との距離が大きくなるように軸方向に延在する溝を有しているから、使用時の遠心力により、周囲に存在する潤滑剤(潤滑油、洗浄液等)を、上記溝内に収容できると共に、溝内に収容した潤滑剤を、溝内を軸方向に鍔部側に移動させることができる。また、本発明によれば、上記溝の内面の鍔部側の端部の仮想延長面が、鍔部の円錐ころを案内する円錐ころ案内面に重なっているから、上記溝の鍔部側の開口から飛散した潤滑剤が、円錐ころ案内面に効率的に到達することになる。したがって、上記円錐ころ案内面に効率的に潤滑剤を供給することができて、円錐ころ案内面の潤滑切れを抑制することができる。
また、一実施形態では、
上記保持器は、
上記第1環状部の径方向の内方側の端部につながると共に、その端部から軸方向の上記鍔部側に屈曲する屈曲部と、
上記屈曲部の上記第1環状部側とは反対側の端部から上記鍔部側に軸方向に延在すると共に、上記柱部に径方向に間隔をおいて位置する内側柱部と
を有し、
上記軸方向延在内面部は、上記内側柱部に存在している。
上記軸方向延在内面部が、柱部に径方向に間隔をおいて位置する内側柱部に存在しているから、軸方向延在内面部が柱部の一部である場合と比較して、保持器を軽量化することができると共に、風の抵抗を小さくすることができる。また、製造コストも低減することができる。
また、上記実施形態によれば、内側柱部が、第1環状部の径方向の内方側の端部に屈曲部を介して繋がる構成であるから、保持器が金属製である場合、第1環状部の柱部側とは反対側から突出して延在する延在部を形成した後で、その延在部を、プレス加工で折り曲げるだけで、屈曲部および内側柱部を形成することができる。したがって、現保有の技術からプレス工程を増やすだけで、簡易に内側柱部を有する保持器を形成することができる。尚、保持器が樹脂製である場合、保持器は、例えば、射出成形等で形成することができる。
本発明の円錐ころ軸受によれば、軸方向に内輪の円錐軌道面の小径側から大径側に延在する保持器の軸方向延在内面部が、鍔部側の端が開口すると共に、軸方向の鍔部側に行くにしたがって中心軸との距離が大きくなる溝を有しているから、使用時の遠心力により、周囲に存在する潤滑剤を、溝内に収容できると共に、溝内に収容した潤滑剤を、溝内を軸方向に鍔部側に移動させることができる。また、本発明の円錐ころ軸受によれば、上記溝の内面の鍔部側の端部の仮想延長面が、鍔部の円錐ころを案内する円錐ころ案内面に重なっているから、溝の鍔部側の開口から飛散した潤滑剤を、円錐ころ案内面に効率的に到達させることができる。したがって、上記円錐ころ案内面に効率的に潤滑剤を供給することができて、円錐ころ案内面の潤滑切れを抑制することができる。
本発明の一実施形態の円錐ころ軸受の軸方向の断面図である。 上記円錐ころ軸受が有する保持器の斜視図である。 上記保持器の内側柱部の平行部の内面を、径方向の内方側から見たときの図である。 変形例の円錐ころ軸受の保持器の軸方向の断面図である。 変形例の円錐ころ軸受の保持器の軸方向の断面図である。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の円錐ころ軸受の軸方向の断面図である。
この円錐ころ軸受は、ディファレンシャルギヤ装置、トランスアクスル装置、または、トランスファー装置等の車両用ピニオン軸支持装置のピニオン軸50を、車両用ピニオン軸支持装置のハウジング60に対して回転自在に支持している。
この円錐ころ軸受は、外輪1、内輪2、転動体としての複数の円錐ころ3、保持器5を備える。上記外輪1、内輪2および円錐ころ3は、軸受鋼等の鋼材からなっている。
上記外輪1は、ハウジング60の内周面に締まり嵌めにより内嵌されて固定されている。外輪1は、円錐軌道面11を有している。一方、上記内輪2は、ピニオン軸50の外周面に締まり嵌めにより外嵌されて固定されている。上記内輪2は、円錐軌道面12と、その円錐軌道面12の小径側に位置する小鍔部13と、円錐軌道面12の大径側に位置する大鍔部14とを有する。潤滑剤の一例としての車両用ピニオン軸支持装置内のギヤオイルが、図1に矢印aで示す方向に、外輪1と内輪2の間における内輪2の円錐軌道面12の小径側の開口から内輪2の円錐軌道面12の大径側の開口に流動するようになっている。
また、上記複数の円錐ころ3は、外輪1の円錐軌道面11と、内輪2の円錐軌道面12との間に、保持器5によって保持された状態で、周方向に互いに間隔をおいて配置されている。
上記保持器5は、SUJ2等の塑性加工できる軸受鋼、塑性加工できる軸受鋼に浸炭窒化処理等の硬化処理を施した鋼材、普通鋼SPCC等の塑性加工できる金属、S55Cなどの炭素鋼、SCM415などのクロムモリブデン鋼、N22CB,N35CB(日新製綱規格)のようなプレス性を考慮した材料等からなっている。上記保持器5は、第1環状部20と、第2環状部21と、複数の柱部23と、屈曲部24と、複数の内側柱部25とを有する。上記第1環状部20は、軸方向において第2環状部21よりも内輪2の円錐軌道面12の小径側に位置している。上記第1環状部20の内径は、第2環状部21の内径よりも小さくなっている。上記各柱部23は、第1環状部20と、第2環状部21とを連結している。上記複数の柱部23は、第1環状部20の周方向に互いに間隔をおいて配置されている。上記第1環状部20、第2環状部21、および、周方向に隣接する二つの柱部23で囲まれた部分で、円錐ころ3を収容するポケットを構成している。上記柱部23を含む軸方向の断面において、上記第1環状部20、柱部23および第2環状部21は、略一直線上に延在している。
上記屈曲部24は、第1環状部20の径方向の内方側の端部につながっている。上記屈曲部24は、上記一直線の延在方向から径方向の内方側に屈曲している。また、上記内側柱部25は、屈曲部24の第1環状部20側とは反対側の端部から大鍔部14側に軸方向に延在すると共に、柱部23に径方向に間隔をおいて位置している。図1に示すように、上記内側柱部25の軸方向の略中央部から大鍔部14側の端までの部分は、内輪2の円錐軌道面12に略平行かつ円錐軌道面12に沿うように延在している(以下、この部分を、内側柱部25の平行部35という)。上記内側柱部25は、小鍔部13および大鍔部14に間隔をおいて位置している。
図1に示すように、上記内側柱部25の軸方向の大鍔部14側の端面は、図1の断面において、円錐軌道面12に平行な方向において、大鍔部14の円錐ころ3を案内する円錐ころ案内面30に重なっている。上記断面において、内側柱部25の大鍔部14側の端面と、円錐ころ案内面30との上記平行な方向の距離は、0.7〜1.0mmに設定されている。上記内側柱部25の大鍔部14側の端面と、円錐ころ案内面30との上記平行な方向の距離を、このように設定することにより、円錐ころ案内面30の焼付きの抑制効果を大きくすることができる。
図2は、上記保持器5の斜視図である。
図2に示すように、上記柱部23の数と、内側柱部25の数とは、同一になっている。図2に示すように、上記内側柱部25は、柱部23の径方向の内方に位置し、柱部23と略径方向に重なる部分を有している。
再度、図1を参照して、上記平行部35の内面40は、軸方向の大鍔部14側に行くにしたがって保持器5の中心軸との距離が大きくなるように軸方向に延在している。上記平行部35の内面40は、軸方向延在内面部を構成している。
図3は、内側柱部25の平行部35の内面40を、径方向の内方側から見たときの図である。
図3に示すように、上記内側柱部25の内面40は、複数の溝41を有する。上記各溝41は、軸方向に延在している。上記複数の溝41は、平行部35の内面40の幅方向に互いに間隔をおいて位置している。上記各溝41の大鍔部14(図1参照)側の端は、軸方向に開口している。また、上記各溝41の内面の大鍔部14側の端部の仮想延長面は、大鍔部14の円錐ころ3を案内する円錐ころ案内面30(図1参照)に重なっている。このようにして、内輪2および保持器5の遠心力によって、各溝41をつたって移動したギヤオイルが、その開口から大鍔部14側に飛散するようにしている。
上記構成において、この円錐ころ軸受が取付られている車両用ピニオン軸支持装置が停止している状態では、円錐ころ軸受の内外輪1,2の間の環状領域の鉛直方向内方側の一部の領域は、車両用ピニオン軸支持装置の鉛直方向内方に溜まっているギヤオイル内に位置するようになっている。また、上記複数の内側柱部25のうちの一部の内側柱部25が、上記ギヤオイル内に位置するようになっている。
この状態で、車両用ピニオン軸支持装置が始動すると、内輪2の始めの半回転程度の回転で、全ての内側柱部25が、ギヤオイルに接触して、全ての内側柱部25の溝41内にギヤオイルが収容される。
そして、内輪2および保持器5の回転に起因する遠心力のポンプ効果によって、溝41内に位置するギヤオイルが、溝41内を大鍔部14側に移動して、溝41の開口から飛散して、大鍔部14の円錐ころ案内面30に到達するようになっている。同様に、上記内輪2の回転による遠心力によって、内輪2の外周面から径方向の外方側に飛散したギヤオイルであって、溝41内に収容されたギヤオイルが、溝41の開口を介して、円錐ころ案内面30に到達するようになっている。
上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、軸方向に内輪2の円錐軌道面12の小径側から大鍔部14側に延在する平行部35が、大鍔部14側の端が開口すると共に、軸方向の大鍔部14側に行くにしたがって中心軸との距離が大きくなるように軸方向に延在する溝41を有しているから、使用時の遠心力により、周囲に存在するギヤオイルを、溝41内に収容できると共に、溝41内に収容したギヤオイルを、溝41内を軸方向に大鍔部14側に移動させることができる。また、上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、上記溝41の内面の大鍔部14側の端部の仮想延長面が、大鍔部14の円錐ころ3を案内する円錐ころ案内面30に重なっているから、溝41の大鍔部14側の開口から飛散したギヤオイルが、円錐ころ案内面30に効率的に到達することになる。したがって、上記円錐ころ案内面30に効率的にギヤオイルを供給することができて、円錐ころ案内面30の潤滑切れを抑制することができる。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、軸方向延在内面部を構成する平行部35の内面40が、柱部23に径方向に間隔をおいて位置する内側柱部25に存在しているから、軸方向延在内面部が柱部の一部である場合と比較して、保持器5を軽量化することができると共に、風の抵抗を小さくすることができる。また、製造コストも低減することができる。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、内側柱部25が、第1環状部20の径方向の内方側の端部に屈曲部24を介して繋がる構成であるから、第1環状部20の柱部23とは反対側から突出して延在する延在部を形成した後で、その延在部を、プレス加工で折り曲げるだけで、屈曲部24および内側柱部25を形成することができる。したがって、現保有の技術からプレス工程を増やすだけで、簡易に内側柱部25を有する保持器5を形成することができる。すなわち、内輪の一部に固形潤滑剤を埋め込む等の方法と比較して、円錐ころ案内面30の潤滑性に優れる円錐ころ軸受を格段に簡易に製造できる。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、軸方向の断面において、内側柱部25の大鍔部14側の端面と、円錐ころ案内面30との、内輪2の円錐軌道面12に平行な方向の距離が、0.7〜1.0mmであるから、溝41の開口から飛散したギヤオイルを、効率的に円錐ころ案内面30に到達させることができる。
尚、上記実施形態の円錐ころ軸受では、溝41が、内側柱部25の平行部35の内面40に形成されていたが、この発明では、溝は、内側柱部の軸方向の一端から他端に延在していても良い。要は、溝は、軸方向延在内面部の大鍔部側の端部を含む部分であれば、如何なる部分に形成されていても良い。尚、内側柱部と内輪軌道面の径方向距離は、0.5〜1.5mmが好ましい。保持器と内輪を接触させないために部品精度のばらつきを考慮して最低0.5mm程度の距離が必要であり、界面油膜を維持するためには最大でも1.5mm以下である必要がある。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、内輪2がその円錐軌道面12の小径側に小鍔部13を有していたが、この発明では、内輪は、その円錐軌道面の小径側に小鍔部を有していなくても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、第1環状部20につながる屈曲部24が環状であったが、この発明では、第1環状部につながる屈曲部は、環状でなくて、第1環状部の径方向の内方側の端部から周方向に間隔をおいて突出する複数の突出部で構成されていても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、内側柱部25が、柱部23と同一数存在したが、この発明では、内側柱部25は、柱部23と同一数存在しなくても良い。例えば、柱部が、2N(Nは、自然数)個存在している場合に、内側柱部が、N個存在し、内側柱部は、周方向に一つとばしにN個存在する柱部に、径方向に重なるように存在していても良い。要は、内側柱部は、柱部以下であれば如何なる数存在しても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、軸方向延在内面部を構成するところの平行部35の内面40が、柱部23に間隔をおいて位置する内側柱部25の一部であったが、この発明では、図4、すなわち、変形例の円錐ころ軸受の保持器の軸方向の断面図に示すように、溝を有する軸方向延在内面部250は、柱部223の内面の一部であっても良く、また、柱部の内面の全面であっても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、軸方向延在内面部を構成するところの各内側柱部25の平行部35の内面40が、軸方向に延在する複数の溝41を有していたが、この発明では、軸方向延在内面部が、複数存在し、各軸方向延在内面部は、一つのみの溝を有していても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、保持器5が、金属製であって、一部プレス成形で形成されていたが、この発明では、保持器は、樹脂製であって、例えば、射出成形等によって形成されていても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、内輪2が回転輪であって、外輪1が固定輪であったが、この発明では、内輪が固定輪であって、外輪が回転輪であっても良い。尚、遠心力の利用という観点から、内輪が回転輪である方が好ましいのは、言うまでもない。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受では、軸方向の断面において、柱部23の肉厚と、内側柱部25の肉厚とが、略同一の肉厚であったが、この発明では、図5、すなわち、変形例の円錐ころ軸受の保持器の軸方向の断面図に示すように、軸方向の断面において、柱部123の肉厚が、内側柱部125の肉厚よりも厚くても良く、その逆に、柱部の肉厚が、内側柱部の肉厚よりも薄くても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受は、潤滑剤がギヤオイルであって、ギヤオイルで潤滑されるようになっていたが、この発明では、潤滑剤は、例えば、鉱油、ポリ−α−オレフィン油、ジエステル油、ポリオールエステル油、アルキルジフェニルエーテル油、シリコーン油、パラフィン油、ふっ素油等であっても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受は、車両用ピニオン軸支持装置のピニオン軸上に配置されたが、この発明の円錐ころ軸受は、潤滑剤としての洗浄液が周囲に飛散しているような環境において回転軸上に設置されていても良い。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受は、潤滑剤が、内外輪の一方の開口から他方の開口に流動する環境で使用されたが、この発明の円錐ころ軸受は、内外輪の少なくとも一方の開口がシール部材でシールされていても良い。このような場合であっても、内輪の円錐軌道面の大径側の大鍔部の円錐ころ案内面の焼付きを抑制することができるからである。
1 外輪
2 内輪
3 円錐ころ
5 保持器
11 外輪の円錐軌道面
12 内輪の円錐軌道面
14 内輪の大鍔部
20 第1環状部
23,123 柱部
24 屈曲部
25,125 内側柱部
30 大鍔部の円錐ころ案内面
40 内側柱部の平行部の内面
41 溝

Claims (2)

  1. 円錐軌道面を有する外輪と、
    円錐軌道面と、その円錐軌道面の大径側に位置する鍔部とを有する内輪と、
    上記外輪の円錐軌道面と、上記内輪の円錐軌道面との間に配置された複数の円錐ころと、
    第1環状部と、その第1環状部の内径よりも内径が大きい第2環状部と、第1環状部と上記第2環状部との間を連結すると共に、互いに周方向に間隔をおいて位置する複数の柱部とを有して、周方向に隣接する上記柱部の間に形成されるポケットに上記円錐ころを収容する保持器と
    を備え、
    上記保持器は、
    軸方向の上記第1環状部と上記第2環状部との間かつ上記柱部の径方向の内方に、上記内輪の円錐軌道面に間隔をおいて対向すると共に、軸方向に上記内輪の円錐軌道面の小径側から上記鍔部側に延在する軸方向延在内面部を有し、
    上記軸方向延在内面部は、
    上記鍔部側の端が開口すると共に、軸方向に延在する溝を有し、
    上記溝と、上記保持器の中心軸との距離は、上記溝の上記鍔部側の端部において、軸方向に上記鍔部側に行くにしたがって大きくなっており、
    上記溝の内面の上記鍔部側の端部の仮想延長面は、上記鍔部の上記円錐ころを案内する円錐ころ案内面に重なっていることを特徴とする円錐ころ軸受。
  2. 請求項1に記載の円錐ころ軸受において、
    上記保持器は、
    上記第1環状部の径方向の内方側の端部につながると共に、その端部から軸方向の上記鍔部側に屈曲する屈曲部と、
    上記屈曲部の上記第1環状部側とは反対側の端部から上記鍔部側に軸方向に延在すると共に、上記柱部に径方向に間隔をおいて位置する内側柱部と
    を有し、
    上記軸方向延在内面部は、上記内側柱部に存在していることを特徴とする円錐ころ軸受。
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