JP2011163314A - 排気ガス浄化システムおよび排気ガス浄化フィルター - Google Patents

排気ガス浄化システムおよび排気ガス浄化フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 排気ガス浄化フィルターの後段に酸化触媒を設けずに排気ガス浄化装置の小型化を図ることが可能な排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、排気ガスを流す排気ガス管と、排気ガス管内に酸化触媒と排気ガス浄化フィルターとを備え、酸化触媒を通過させて排気ガスを酸化した後、排気ガス浄化フィルターを通過させて排気微粒子を捕集する排気ガス浄化システムであって、排気ガス浄化フィルターが、フィルター基体と、フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層と、からなる排気ガス浄化システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンや燃焼機器の排気ガス浄化システムおよび排気ガス浄化フィルターに関する。
従来より、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる黒煙対策として、ディーゼルエンジンの排気ガス管に複数の酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:以下DOCと略記する場合もある)や、排気ガス浄化フィルター(Diesel Particulate Filter、以下DPFと略記する場合もある)を配置して、排気ガス中のパティキュレート(排気微粒子、以下PMと略記する)、COやHC等の未燃炭化水素を除去する技術が知られている。
DPFは、PMを捕集する目的で設置され、PMが経時的に堆積して目詰まりする。このため、DPFのPM捕集量の限界を超えないように、捕集されたPMを燃焼させて除去する、強制再生を行う必要がある。
DPFの強制再生では、DPFの前段の酸化触媒に未燃成分を供給することでCOやHC成分を触媒反応で酸化し、このとき発生する反応熱でDPFの温度を約600℃まで上昇させて、PMを燃焼除去する。DPFの前段の酸化触媒に未燃成分を供給するには、エンジンの筒内に燃焼に寄与しないタイミングで燃料をポスト噴射する、もしくは排気管に燃料を噴射する。
しかしながら、触媒の活性温度に到達する前に燃料を噴射したり、排ガス流量や排ガス温度から計算される燃料噴射量を誤ったりすると、未燃成分の一部がHC、COとして大気に放出される可能性がある。大気に放出される未燃成分の量を低減、抑制するため、DPFの後段にさらに酸化触媒を設置しているが、これにより後段酸化触媒の設置によるコストアップや排気ガス浄化装置の設置スペース大、排圧上昇に伴う燃費低下が問題となっている。
例えば、特許文献1には、排気ガスを酸化触媒に流通させて未燃炭化水素を酸化し、その際に発生する酸化熱によって排気ガスの温度を上昇させること、酸化触媒の後方にパティキュレートを補足するフィルターや触媒化フィルター、その他複数種類の触媒を組み合わせて配置してもよいことが記載されているが、大気に放出される未燃成分の量の低減、抑制については記載されていない。
DPFにおけるPMの燃焼性能の向上や、COやHC等の未燃成分の浄化機能の付与を目的として、DPFをPtなどの酸化触媒で被覆する方法が知られている。しかし、燃料中の硫黄分により酸化触媒が劣化しPM燃焼性能が低下しやすい。これにより、DPFの強制再生の頻度が増加し燃費が低下すること、COやHC等の未燃成分が大気に放出される可能性があることが、問題となっている。
特開2006−281127号公報
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、DPFの後段に酸化触媒を設けずに排気ガス浄化装置の小型化を図ることが可能な排気ガス浄化システムを提供することを第一の目的とする。また、DPFのPM燃焼性能および排ガス浄化性能を向上させうる排気ガス浄化システムを提供することを第二の目的とする。さらに本発明は、未燃分のHC、COの排出を低減しうる排気ガス浄化フィルターを提供することを第三の目的とする。
かかる目的のもと、本発明者等は、DPFから排出される排気ガスに含まれるHC、COの低減について鋭意検討を行った。その結果、DPFにNi含有被覆層を設けることにより、未燃HCやCOのクラッキング反応をNi上で生じさせ、未燃成分であるHC、COがDPFから排出されるのを低減できること、Pt触媒付きのDPFにNiを組み合わせるとNiが排気ガスに含まれる硫黄分と反応しPtの触媒性能の低下を抑制することを見出し、DPFの後段に酸化触媒を設けずに排気ガス浄化装置の小型化を図ることが可能な排気ガス浄化システムを得るという目的を達成した。
したがって、本発明の排気ガス浄化システムは、排気ガスを流す排気ガス管と、排気ガス管内に酸化触媒と排気ガス浄化フィルターとを備え、酸化触媒を通過させて排気ガスを酸化した後、排気ガス浄化フィルターを通過させて排気微粒子を捕集する排気ガス浄化システムであって、排気ガス浄化フィルターが、フィルター基体と、フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層と、からなることを特徴とする。
本発明においては、排気ガス浄化フィルターは、HCおよび/またはCOを含む排気ガスが通過する際に、Ni含有被覆層に含まれるNiとのクラッキング反応によりCを析出させることが好ましい。
また本発明においては、HCおよび/またはCOを含む排気ガスを、酸化触媒を通過させた際に発生する酸化熱によって排気ガスの温度を上昇させた後、排気ガス浄化フィルターに供給することによって、クラッキング反応によって析出したCが酸化されることが好ましい。
さらに本発明の排気ガス浄化システムにおいては、Ni含有被覆層が、NiとPtとを担持する触媒担持体としてもよい。この場合、Ni含有被覆層が、Sと反応する、またはSを析出させることが好ましい。
本発明では、Ni含有被覆層が、Niを20wt%以下含むことが好ましい。
またさらに本発明の排気ガス浄化システムにおいては、排気ガス浄化フィルターに排気微粒子が堆積した際に、排気ガス浄化フィルターの強制再生処理を行う制御部を備えることが好ましい。
本発明の排気ガス浄化システムは、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するためのディーゼルエンジン用排気ガス浄化システムとして好適である。
また本発明は、フィルター基体と、前記フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層とからなる排気ガス浄化フィルターである。
本発明によれば、排気ガス浄化フィルター通過後に排出される未燃分のHC、COが低減するので排気ガス浄化フィルターの後段の酸化触媒が不要になり、排気ガス浄化システムを小型化および低コスト化することができる。
また、排気ガス浄化フィルターのNi含有被覆層を、NiとPtとを担持する触媒担持体とすることにより、排気ガス浄化フィルターのPM燃焼性能および排ガス浄化性能を向上させることができる。
またさらに、本発明の排気ガス浄化フィルターは、未燃分のHC、COの排出を低減させることが可能であるので、排気ガス浄化装置の部品として好適である。
本発明の排気ガス浄化システムの概要を説明するための概要図である。 DPF4の横断面の一部を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態としてのディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置のブロック構成図である。 経時変化に対する排気ガス浄化性能比を表す図である。 従来の排気ガス浄化装置の概要図である。
以下、本発明の排気ガス浄化システムについて、添付図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の排気ガス浄化システムの概要を示す説明図である。図1において、1は排気ガス浄化装置であって、排気ガス管2内には、前段酸化触媒(DOC)3、排気ガス浄化フィルター(DPF)4が配置されている。矢印のように上流側から排気ガスGが流入して、前段酸化触媒3、DPF4を順次通過して浄化された排気ガスGcが大気中に放出される。前段酸化触媒3は、排気ガスGに含まれる未燃成分を燃焼させて浄化する。本発明において、DPF4は、前段酸化触媒3を通過したPMを捕集する働きと、未燃成分(HC、CO)の排出を低減する働きを有する。強制再生時には、前段酸化触媒3の触媒反応により発生する反応熱(酸化熱)を利用し、捕集したPMを燃焼除去する。
前段酸化触媒3は、排気ガスGに含まれるHCやCO等の未燃成分を燃焼させて浄化する働きを有する。強制再生時には、DPF4において捕集されるPMを酸化(燃焼)させるために、前段酸化触媒3に未燃成分を供給することでCOやHC成分を触媒反応で酸化し、このとき発生する反応熱でDPF4の温度を600〜700℃まで上昇させて、PMを燃焼除去する働きを担う。
前段酸化触媒3の構造は、排気ガスGに含まれる未燃成分を燃焼させて浄化する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、排気ガスが抵抗なく通過可能であるよう複数の平行貫通孔を有する耐熱性基体と、耐熱性基体の平行貫通孔の壁面上に担持された酸化触媒とを有する触媒構造体を用いることが好ましい。
このような耐熱性基体としては、例えば、コージェライト等のセラミック製ハニカム、炭化ケイ素(SiC)等の無機材料製ハニカム等、耐熱性に優れる材料を用いて形成された断面形状が三角形、四角形、六角形、波型等のセルの一体構造型集合体が好ましい。
耐熱性基体に担持される酸化触媒としては、Pt、Pd等を活性金属として含むものが好ましい。
本発明において、DPF4は、フィルター基体と、フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層とからなる。Ni含有被覆層は、Niのみを触媒として用いることもできるし、NiとPt等の他の触媒を同時に用いてもよい。
本発明において、DPF4から排出される未燃成分(HC、CO)が低減するのは、Niが、未燃成分(HC、CO)に含まれるCを析出するためと、未燃成分に含まれるSと反応もしくはSを析出させるためである。
Niの触媒活性点を*とすると、次式(1)(2)のようなクラッキング反応がDPF4のNi上で起こり、未燃成分に含まれるHCとCOからCが析出する。これにより、DPF4を通過したガスに含まれるHCとCOの量を低減することができる。
2HC+*→2C+H・・・(1)
2CO+*→C+CO・・・(2)
クラッキング反応によってDPF4のNi上に析出したCは、DPF4の強制再生時にPMとともに燃焼除去される。すなわち、HCおよび/またはCOを含む排気ガスが、酸化触媒3を通過する際に酸化熱が発生し、この酸化熱によって排気ガスの温度を上昇させた後、DPF4に供給することによって、クラッキング反応によって析出したCが酸化される。
以上説明したように、本発明においては、DPF4によってHC、COなどの未燃成分を除去するので、DPF4の後段に酸化触媒やHC吸収剤などを設置する必要がなく、排気ガス浄化装置を小型化することができる。また、DPF4において生成したCも強制再生時にPMと同時に燃焼されるので、Cを処理する工程や装置を設ける必要が無く、効率がよい。
Sとの反応またはSの析出は、NiとPt等の他の触媒を同時に用いた場合に、Pt等の他の触媒の性能低下を抑制する効果に寄与する。排気ガスや未燃成分に含まれるSは、Ptなどの触媒を劣化させる要因となっている。NiはSとの親和性がPtより高いため、SはNiと反応もしくはNiによって析出する。それにより、Sと反応するPtの量を低減することが可能となり、Ptが本来有するPM燃焼性能と排気ガス浄化性能などの触媒性能の低下を抑制する効果が得られる。これによりDPF4の後段に酸化触媒やHC吸収剤などを設置する必要がなく、排気ガス浄化装置を小型化することができる。
本発明では、Niのみを触媒として用いる場合には、Niが未燃成分に含まれるCを析出させる働きと排気ガス中に含まれるSと反応もしくは析出させる働きを有する。また、NiとPt等の他の触媒を同時に用いる場合には、NiによってCを析出する働きもあるが、これよりもPtがCを燃焼させる触媒反応が優先するため、Niによる効果はSとの反応またはSの析出によるPtの触媒性能低下の抑制である。
Niとともに用いる触媒としては、PMの燃焼温度や未燃成分の燃焼温度を低下させる効果を有するPtが好ましいが、これに限定されるものではない。Sとの親和性がNiより小さい触媒であれば、Niによる触媒性能の低下を抑制する効果が得られるので、Pt以外の触媒、例えばPd、Ag等を用いることもできる。
DPF4のフィルター基体は、PMを捕集する機能を有する耐熱性の材料であれば特に限定されるものではないが、多孔体の隔壁によって多数のセルに仕切られ、セル両端のうち一方が閉じた三次元構造体であることが好ましい。
図2は、DPF4の横断面の一部を模式的に示した図である。図2に示すように、DPF4は、多孔体からなる隔壁5によってセル6が仕切られ、セル6のうち一方が交互に栓5aによって塞がれた三次元構造体である。PMを含む排気ガスGの流れを矢印7で示す。セル6両端のうちの一方を閉じることで、排気ガスGが矢印7に示すように隔壁5に強制的に導かれる。排気ガスGのガス成分は隔壁5を通過するがPMは隔壁5を形成する多孔体の孔で漉しとられ残存するので、浄化された排気ガスGcが放出される。DPF4は、多孔体の隔壁5をフィルターとして用いるためPMの捕集機能に優れる。多孔体の隔壁5としては、コージェライト、炭化ケイ素等の耐熱性に優れる多孔性の材料が好ましい。
Ni含有被覆層は、構成要素としてNiを含有すればよく、金属Ni、Ni含有合金、Ni含有酸化物、Ni含有複合酸化物、水溶性Ni化合物などを用いてフィルター基体の表面に定着させることができる。例えば、水溶性Ni化合物(例えば硝酸ニッケル)の水溶液を調整し、フィルター基体を浸漬する。その後、水溶性Ni化合物を含浸させたフィルター基体を乾燥、焼成することにより、Ni含有被覆層を有する排気ガス浄化フィルターを作製することができる。
また、Ni含有被覆層として、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の触媒担体に、Niを担持させた触媒担持体や、NiとPtを担持させた触媒担持体を用いることも好ましい。例えば、アルミナ粉体と水溶性Ni化合物(例えば硝酸ニッケル)および/または水溶性白金化合物(例えば、亜硝酸ジアンミン白金)の水溶液とを混合処理し、その後乾燥させて、Ni化合物および/または白金化合物を担持したアルミナ粉体を得る。次いで、Ni化合物および/または白金化合物を担持したアルミナ粉体と水を混合してスラリーを作製し、フィルター基体を浸漬させた後、乾燥および焼成することによりNi含有被覆層を有する排気ガス浄化フィルターを作製することができる。
Ni含有被覆層として、触媒担体にNiを担持させる場合、触媒担体に対してNiを20wt%以下含むことが好ましい。NiとPtの両方を担持させる場合、Niの量を多くしてもPtの触媒性能の低下を抑制する効果が飽和するので、20wt%以下とすることが好ましく、15wt%以下とすることがより好ましい。また、Niの量が少なすぎても、Cの析出やSの析出またはSとの反応の効果が十分に得られないので、Niは2wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましい。
本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態として、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置におけるDPF近傍の温度制御および強制再生について図3を用いて説明する。
図3は、本発明の一実施形態としてのディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置のブロック構成図である。
図3に示すように、エンジン40には、吸気系100、排気系として排気ガス浄化装置1、エンジン40から排出された排気ガスをエンジン40の吸気側に戻すための排気再循環(EGR)装置300が設けられている。さらに、このエンジン40には排気ガス浄化装置1の強制再生等を統合的に制御する制御手段(ECU)50が設けられている。
エンジン40は、一般的なディーゼルエンジンであって、主に、シリンダ41、吸気弁44、排気弁45、ピストン42、燃料噴射装置(インジェクタ)43を備えて構成されている。燃料噴射装置43は、シリンダ41内に燃料を噴射するための装置であって、その噴射タイミングはECU50によって制御されている。
また、エンジン40の回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ31及びアクセルペダルの開度を検出するためのアクセル開度センサ32が設けられており、これらの各センサにより検出された情報はECU50に伝達されるようになっている。
吸気系100は、吸気通路61、吸気通路61上に設けられた吸気用インタクーラ62、吸気スロットル63、及びコンプレッサCから構成されている。吸気用インタクーラ62は空気の冷却に用いる。吸気通路61の吸気口61aから吸入された空気はコンプレッサCで加圧された後、吸気用インタクーラ62を経由して、吸気スロットル63によって吸入量が可変的に制限された後にエンジン40のシリンダ41内へ供給される。吸気通路61には吸気用インタクーラ62をバイパスするバイパス通路66が設けられており、バイパス通路66吸気口61との接続部には、空気流路を切り換えるための流路切換弁64が設けられている。
排気再循環装置(EGR装置)300はエンジン40から排出された排気ガスを再循環利用してエンジン40の吸気として還流させる装置であって、排気再循環通路(EGR通路)16、排気ガスを冷却するEGRクーラ14、EGRクーラ14をバイパスするEGRクーラバイパス通路15、排気ガスを吸気側に循環させる量を制御する弁として動作するEGRバルブ13及び、排気ガスの吸気側への供給をEGRクーラ14経由、EGRクーラバイパス通路15経由のいずれかに切り換えるEGR流路切換弁12等を備えて構成される。
排気ガス浄化装置1は、排気ガス管2、および排気ガス管2内に設けられたタービンT、前段酸化触媒3、DPF4、上流側温度センサ23、上流側圧力センサ21、下流側圧力センサ22、排気絞り26、下流側温度センサ28から構成されている。
この前段酸化触媒3とDPF4は、排気ガスの流れの上流側から見て、前段酸化触媒3、DPF4の順に配設され、DPF4の前に上流側温度センサ23を、DPF4の後に下流側温度センサ28を、またDPF4の前に上流側圧力センサ21を、DPF4の後に下流側圧力センサ22が配設されている。
上流側温度センサ23と下流側温度センサ28は、それぞれ排気ガス管2内の温度を測定し、その測定結果をECU50へ出力する。上流側圧力センサ21と下流側圧力センサ22は、それぞれ排気ガス管2内の圧力を測定し、その測定結果をECU50へ出力する。
排気絞り26は排気ガス管2の最下流側に設けられ、排気ガス流量を可変的に制限するものであって、この開度を変化させることによって排気ガス流量が制御され、これにより、エンジン40へ供給される空気流量(吸気流量)が制御される。
ECU(制御手段)50は、DPF4の温度を変化させるべく、エンジン40から排出される排気ガスの温度を調整することが可能な複数の排気温度調整手段を制御するものである。排気温度調整手段とは、エンジン40から排出される排気ガスの温度を変化させることができる機器であって、例えば、吸気スロットル63、排気絞り26、流路切換弁64、燃料噴射装置43、EGRバルブ13、EGR流路切換弁12などの機器である。
ECU50は、入出力装置(図示せず)、実温度取得手段51、記憶手段52、目標温度設定手段53、エンジン状態判断手段54、PM堆積量判定手段55を備えて構成されている。また、これらの実温度取得手段51、目標温度設定手段53、エンジン状態判断手段54、PM堆積量判定手段55のそれぞれはソフトウェアなどによって構成され、記憶手段52はRAM、ROM、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成される。
実温度取得手段51は、DPF4の前後に設置された上流側温度センサ23と下流側温度センサ28により、DPF4に供給される直前の排気ガス温度とDPF4より排出された直後の排気ガス温度を計測し、この結果を取得する。
目標温度設定手段53は、DPF4に供給される排気ガスの目標温度(目標DPF上流温度)を設定するものであって、実温度取得手段51によって取得された上流側の排気ガス温度と下流側の排気ガス温度とに基づいて制御モードを選択し、事前に記憶手段52に記憶された目標DPF温度マップから目標DPF上流温度を設定する。この制御モードはDPF4の上流および下流の排気ガス温度に基づいて事前に設定され、記憶手段52に記憶されている。
エンジン状態判断手段54は、アクセル開度センサ32、エンジン回転速度センサ31などの情報に基づき、エンジンの運転状態(例えば「定常運転であるか否か」等)を判定するものである。
PM堆積量判定手段55は、DPF4に堆積したPM量を上流側圧力センサ21と下流側圧力センサ22によって検出された情報に基づき推定するものである。つまり、DPF4内でPMが堆積して目詰まりが生じると、これに起因してDPF4の上流側と下流側との間に気圧差が生じる。そこで、このそれぞれの気圧を上流側圧力センサ21と下流側圧力センサ22とによって検出するとともに、圧力差を算出する。DPFの上流側と下流側の圧力差が、予め定めた規定値以上となったときに、PM堆積量が予め決められた基準値を超えたと判定する。
PM堆積量判定手段55によって、PM堆積量が予め決められた基準値を超えたと判定された場合、DPF4の強制再生処理が開始される。
DPF4の強制再生を実行する場合には、PMが燃焼する温度に目標DPF上流温度を設定する。DPF4として、Pt触媒を用いないNi含有被覆層を用いる場合は、600℃〜700℃程度に設定し、PMを燃焼させる。Ptを含むNi含有被覆層を用いる場合は、Ptの触媒作用により300℃〜600℃でPMは燃焼する。
目標DPF上流温度までの温度を上昇させる手段としては、例えば、燃料噴射装置43を制御して主噴射時期を遅角させたり、主噴射後に燃料噴射(ポスト噴射)を実行させたりすればよい。これらの制御はエンジン40での膨張行程における爆発を任意に発生させるものであるため、爆発が運動エネルギへ十分に変換されずに熱エネルギとして排出される。つまり、排気ガスに多量の熱エネルギが含まれた状態で排出されるので排気ガス温度が上昇し、DPF4における温度も上昇する。
目標DPF上流温度までの温度を上昇させる他の手段として、燃料の未燃成分(HC)を前段酸化触媒3に供給してもよい。HCが酸化反応を起こし、この酸化熱によってDPF4に供給される排気ガスの温度が上昇する。
図3では、DPF4の強制再生処理がECU50を用いて制御される手法を説明したが、運転者が任意の時期にDPF4の強制再生を行えるような手法を採用してもよい。
図1と同様の構成の本発明にかかる排気ガス浄化装置1と、図5に示す従来の排気ガス浄化装置70を作製した。
本発明の排気ガス浄化装置1で用いた前段酸化触媒3は市販のPt触媒をコートしたコージェライト製ハニカム形状のモノリス基材からなる。排気ガス浄化フィルター4は市販のコージェライト製DPFをフィルター基体として硝酸Ni溶液を含浸させた後、焼成し、Ni触媒を定着させた。Ni触媒は、金属Niからなる。
図5は、従来の排気ガス浄化装置70の概略図である。図5に示すように、ディーゼル排気ガス管72内には、前段酸化触媒73、DPF74、後段酸化触媒75が配置されている。前段酸化触媒73と後段酸化触媒75は、市販のPt触媒をコートしたコージェライト製ハニカム形状のモノリス基材からなり、DPF74は触媒のない市販のコージェライト製DPFからなる。
本発明により、DPF4の後方に後段酸化触媒を設けずとも従来と同程度の排ガス浄化性能を有する排気ガス浄化装置1が得られた。これにより、従来の後段酸化触媒が不要になり排気ガス浄化装置の小型化と低コスト化が可能である。
Pt触媒性能に対するNiの効果を調べるため、Ni量が異なる3種類の排気ガス浄化フィルター用触媒を準備した。3種類の排気ガス浄化フィルター用触媒のPt量はいずれも同一である。
試料1の触媒は、触媒担体に対してNi量が19wt%となるようNiを担持させた触媒担持体である。試料2の触媒は、触媒担体に対してNi量が9wt%となるようNiを担持させた触媒担持体である。試料3の触媒は、触媒担体に対してNi量が0wt%、すなわちPtのみを担持させた触媒担持体である。
試料1〜3の排気ガス浄化フィルター用触媒を用いて、下記のような条件で試験ガスを通過させた場合の、触媒の排気ガス浄化性能の経時変化を調べた。結果を図4に示す。図4において、横軸は時間、縦軸は排気ガス浄化性能比である。排気ガス浄化性能比は、ある時間経過後の排気ガス浄化性能を初期の排気ガス浄化性能で割った値である。したがって、排気ガス浄化性能比の数値が低くなるほど、排気ガス浄化性能が低下していることを示す。
・試験ガス:NO=500ppm、CO=300ppm、CO=6%、O=10%、
O=6%、SO=1000ppm
・温度:300℃
・GHSV:40000h−1
図4から、Ni0wt%の試料3と、Ni19、9wt%の試料1、2とを比較すると、Niによって排気ガス浄化性能比の低下が抑制されていることが確認できる。これはNiとSとの反応により、Ptが本来有する触媒性能の低下が抑制されたためである。また、Ni9wt%と19wt%とを比較すると、排気ガス浄化性能比の低下を抑制する効果に大きな差が見られない。これは、Niが9wt%を超えると効果が飽和していることを示す。
試料1および試料2の触媒をDPFのNi含有被覆層として用いることにより、排気ガス浄化性能に優れた排気ガス浄化フィルターが得られる。
1…排気ガス浄化装置、2…排気ガス管、3…前段酸化触媒、4…排気ガス浄化フィルター

Claims (9)

  1. 排気ガスを流す排気ガス管と、前記排気ガス管内に酸化触媒と排気ガス浄化フィルターとを備え、前記酸化触媒を通過させて排気ガスを酸化した後、前記排気ガス浄化フィルターを通過させて排気微粒子を捕集する排気ガス浄化システムであって、
    前記排気ガス浄化フィルターが、フィルター基体と、前記フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層と、からなることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 前記排気ガス浄化フィルターは、HCおよび/またはCOを含む排気ガスが通過する際に、前記Ni含有被覆層に含まれるNiとのクラッキング反応によりCを析出させることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システム。
  3. HCおよび/またはCOを含む排気ガスを、前記酸化触媒を通過させた際に発生する酸化熱によって前記排気ガスの温度を上昇させた後、前記排気ガス浄化フィルターに供給することによって、前記クラッキング反応によって析出した前記Cが酸化されることを特徴とすることを特徴とする請求項1または2に記載の排気ガス浄化システム。
  4. 前記Ni含有被覆層が、NiとPtとを担持する触媒担持体からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の排気ガス浄化システム。
  5. 前記Ni含有被覆層が、Sと反応する、またはSを析出させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の排気ガス浄化システム。
  6. 前記Ni含有被覆層が、Niを20wt%以下含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の排気ガス浄化システム。
  7. 前記排気ガス浄化フィルターに前記排気微粒子が堆積した際に、前記排気ガス浄化フィルターの強制再生処理を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の排気ガス浄化システム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の排気ガス浄化システムが、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するための浄化システムであることを特徴とするディーゼルエンジン用排気ガス浄化システム。
  9. フィルター基体と、前記フィルター基体の表面に形成されたNiを構成要素として含有するNi含有被覆層とからなることを特徴とする排気ガス浄化フィルター。
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