JP2010281266A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DeNOx触媒及びDPFを備えたエンジンの排気浄化装置において、DeNOx触媒の熱劣化やエンジンの失火の問題を回避できる排気浄化装置を提供すること。
【解決手段】エンジン2の排気中のNOxを水素共存下で吸着するDeNOx触媒(42)と、DPF(43)と、排気管4とは別に設けられ、燃料を改質して少なくとも水素を含む改質ガスを生成する燃料改質器(8)と、改質ガスをDeNOx触媒(42)の上流側の排気管4内に導入する第1導入通路(52)と、第1導入通路(52)を介して導入される改質ガスの流量を制御する第1導入制御手段(7,51)と、を備え、第1導入制御手段(7,51)は、DPF43に高温の排気を供給することにより、DPF43に捕集されて堆積したPMを燃焼除去するDPF43再生時には、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を抑制又は停止する排気浄化装置である。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン2の排気中のNOxを水素共存下で吸着するDeNOx触媒(42)と、DPF(43)と、排気管4とは別に設けられ、燃料を改質して少なくとも水素を含む改質ガスを生成する燃料改質器(8)と、改質ガスをDeNOx触媒(42)の上流側の排気管4内に導入する第1導入通路(52)と、第1導入通路(52)を介して導入される改質ガスの流量を制御する第1導入制御手段(7,51)と、を備え、第1導入制御手段(7,51)は、DPF43に高温の排気を供給することにより、DPF43に捕集されて堆積したPMを燃焼除去するDPF43再生時には、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を抑制又は停止する排気浄化装置である。
【選択図】図2
Description
本発明は、NOx吸着触媒、及び粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関、特に圧縮着火式内燃機関では、排気中に含まれるNOxを浄化するため、三元触媒やNOx吸蔵還元触媒を排気通路に設置する技術が知られている。ところが、これらの技術では、三元触媒やNOx吸蔵還元触媒の浄化活性が十分に発揮される温度域が比較的高温側にあるため、内燃機関の始動直後の低温域においては、NOxを効率良く浄化できないという問題がある。
そこで、水素共存下で上記の触媒よりも低温域からNOxを吸着可能なNOx吸着触媒(以下、DeNOx触媒という)を排気通路に設置し、このDeNOx触媒に水素を供給することにより、低温域からNOxを浄化する技術が検討されている。DeNOx触媒に水素を供給する方法としては、例えば、内燃機関の吸入空気量を低減し、排気空燃比(以下、「排気A/F」という)をリッチにする方法が利用されている。
また、圧縮着火式内燃機関では、排気中に含まれる粒子状物質を捕集するため、上記のDeNOx触媒に加えて、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPF」という)を排気通路に設置する技術が知られている。このDPFでは、捕集された粒子状物質が堆積していくにつれてDPFの上流側と下流側との間で差圧が生じ、出力の低下や燃費の悪化を招く。このため、粒子状物質がある程度堆積した段階で、堆積した粒子状物質を燃焼除去する再生処理を実行する必要がある。
DPFの再生処理の際には、DPFに高温の排気を流入させ、DPFの温度を上昇させる必要がある。その方法としては、例えば、燃料噴射のタイミングを制御することにより、内燃機関から排出される排気自体の温度を上昇させる方法が挙げられる。また、DPFの上流に酸化触媒を設置するか、あるいはDPF自体に酸化触媒を担持させることにより、排気中に含まれる還元剤を酸化させ、その酸化反応で生じた反応熱を利用する方法が挙げられる。
また、さらに効率的な方法として、DPFの上流に、炭化水素(以下、「HC」という)吸着機能を有するHC吸着触媒を設置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、通常走行時に、排気中に含まれるHCをHC吸着触媒に吸着させておき、吸着したHCをDPF再生時に酸化させることにより、その酸化反応で生じた反応熱を利用してDPFに流入する排気の温度を上昇させることができる。
ところで、排気レイアウト上の制約やコストの観点からは、酸化触媒やHC吸着触媒を用いずにDPFの再生を実行できることが望ましい。
しかしながら、酸化触媒やHC吸着触媒を用いない場合には、DPF再生時に排気中の還元剤を酸化させることができないため、DPFの上流側の排気通路内を流通する排気の温度を上昇させることができない。従って、内燃機関から排出される排気自体の温度を上昇させる必要が生ずるが、その場合には、DPFだけでなくDeNOx触媒も高温の排気に晒されることとなり、DeNOx触媒の熱劣化の問題が生ずる。
しかしながら、酸化触媒やHC吸着触媒を用いない場合には、DPF再生時に排気中の還元剤を酸化させることができないため、DPFの上流側の排気通路内を流通する排気の温度を上昇させることができない。従って、内燃機関から排出される排気自体の温度を上昇させる必要が生ずるが、その場合には、DPFだけでなくDeNOx触媒も高温の排気に晒されることとなり、DeNOx触媒の熱劣化の問題が生ずる。
また、DeNOx触媒にNOxを吸着させるためにDeNOx触媒に水素を供給するに際して、排気A/Fをリッチにすべく吸入空気量を絞ると、特に内燃機関の始動直後の冷機時において、失火が発生するリスクが高くなるという問題も生ずる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、DeNOx触媒、及び粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、DeNOx触媒の熱劣化や内燃機関の失火の問題を回避できる排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(2)の排気通路(4)に設けられ、前記内燃機関の排気中のNOxを水素共存下で吸着するNOx吸着触媒(42)と、前記内燃機関の排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ(43)と、前記排気通路とは別に設けられ、前記内燃機関の燃料を改質して少なくとも水素を含む還元性気体を生成する燃料改質器(8)と、を備えた内燃機関の排気浄化装置(1)であって、前記燃料改質器により生成された還元性気体を、前記NOx吸着触媒の上流側の排気通路内に導入する第1導入通路(52)と、前記第1導入通路を介して導入される還元性気体の流量を制御する第1導入制御手段(7,51)と、を備え、前記第1導入制御手段は、前記フィルタに高温の排気を供給することにより、前記フィルタに捕集されて堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生時には、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を抑制又は停止することを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、排気通路とは別に燃料改質器を設け、この燃料改質器により生成された水素を含む還元性気体を、第1導入通路を介して、NOx吸着触媒の上流側の排気通路内に導入する。これにより、水素を含む還元性気体がNOx吸着触媒に供給されるため、内燃機関の始動直後の冷機時に、排気A/Fをリッチにするために吸入空気量を絞る必要がなくなる。このため、内燃機関の失火の発生を回避できる。
また、本発明では、フィルタ再生時には、第1導入通路を介した還元性気体の導入を抑制又は停止する。これにより、フィルタを再生するために供給される高温の排気に加えて、燃料改質器で生成される500℃〜800℃の高温の還元性気体がNOx吸着触媒に供給されるのを回避でき、高温で熱劣化が生じるとされているNOx吸着触媒の熱劣化を回避できる。
また、本発明では、フィルタ再生時には、第1導入通路を介した還元性気体の導入を抑制又は停止する。これにより、フィルタを再生するために供給される高温の排気に加えて、燃料改質器で生成される500℃〜800℃の高温の還元性気体がNOx吸着触媒に供給されるのを回避でき、高温で熱劣化が生じるとされているNOx吸着触媒の熱劣化を回避できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx吸着触媒は、前記フィルタの上流側の排気通路に配置され、前記内燃機関の排気浄化装置は、前記燃料改質器により生成された還元性気体を、前記NOx吸着触媒の下流側であって且つ前記フィルタの上流側の排気通路内に導入する第2導入通路(62)と、前記第2導入通路を介して導入される還元性気体の流量を制御する第2導入制御手段(7,61)と、をさらに備え、前記第2導入制御手段は、前記フィルタに高温の排気を供給することにより、前記フィルタに捕集されて堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生時には、前記第2導入通路を介した還元性気体の導入を実行することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、NOx吸着触媒をフィルタの上流側に配置することにより、NOx吸着触媒を内燃機関の燃焼室に近付けることができる。このため、NOx吸着触媒を迅速に昇温でき、内燃機関の始動直後から効率良くNOxを吸着できる。従って、内燃機関の始動直後から、NOxを効率良く浄化できる。
また、本発明では、フィルタの再生時には、燃料改質器で生成される500℃〜800℃の高温の還元性気体を、第2導入通路を介して、NOx吸着触媒の下流側で且つフィルタの上流側の排気通路内に導入する。これにより、高温の還元性気体がフィルタに供給されるため、フィルタを迅速に昇温でき、フィルタの再生を効率良く行うことができる。
また、本発明によれば、酸化触媒やHC吸着触媒を設置することなく、上述の効果を得ることができるため、コストを削減できる。
また、本発明では、フィルタの再生時には、燃料改質器で生成される500℃〜800℃の高温の還元性気体を、第2導入通路を介して、NOx吸着触媒の下流側で且つフィルタの上流側の排気通路内に導入する。これにより、高温の還元性気体がフィルタに供給されるため、フィルタを迅速に昇温でき、フィルタの再生を効率良く行うことができる。
また、本発明によれば、酸化触媒やHC吸着触媒を設置することなく、上述の効果を得ることができるため、コストを削減できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記内燃機関の排気浄化装置は、前記NOx吸着触媒の温度を検出又は推定するNOx吸着触媒温度検出手段(7,91)をさらに備え、前記第1導入制御手段は、前記NOx吸着触媒の温度が、当該NOx吸着触媒がNOx吸着活性を示す温度範囲外にあるときには、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止することを特徴とする。
水素共存下でNOxを吸着するNOx吸着触媒は、NOx吸着活性、即ち、NOx浄化活性を示す温度範囲が決まっており、例えばAg系のNOx吸着触媒であれば100℃〜250℃の範囲内である。このため、NOx吸着触媒の温度が上記温度範囲外にあるときには、還元性気体を供給しても、NOx吸着触媒はNOxを吸着することができない。
この点、請求項3に記載の発明では、NOx吸着触媒の温度が上記温度範囲外にあるときには、第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止する。これにより、NOx吸着触媒への還元性気体の供給が停止され、還元性気体の無駄な供給を回避できる。また、燃料改質器における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
この点、請求項3に記載の発明では、NOx吸着触媒の温度が上記温度範囲外にあるときには、第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止する。これにより、NOx吸着触媒への還元性気体の供給が停止され、還元性気体の無駄な供給を回避できる。また、燃料改質器における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記内燃機関の排気浄化装置は、前記NOx吸着触媒の単位時間あたりのNOx吸着量を推定するNOx吸着量推定手段(7,92,94,95)をさらに備え、前記第1導入制御手段は、前記NOx吸着触媒の単位時間あたりのNOx吸着量が所定値より小さいときには、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、NOx吸着触媒の単位時間あたりのNOx吸着量が所定値より小さいときには、第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止する。即ち、NOx吸着触媒のNOx吸着性能が低下したときには、還元性気体をNOx吸着触媒に供給するのを停止する。これにより、還元性気体の無駄な供給を回避できるため、燃料改質器における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx吸着触媒は、少なくともAgを含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、排気中のNOxを水素共存下で吸着するNOx吸着触媒として、少なくともAgを含むAg系触媒を用いる。Ag系触媒中のAgは、酸素を含む排気中では酸化銀の状態で存在するところ、水素共存下では水素により容易に還元されて還元銀の状態となる。この還元銀は、金属銀や酸化銀の状態よりも排気中のNOxを酸化して吸着する能力が飛躍的に高い。例えば、還元銀は、100℃程度の低温であってもNOxを酸化して吸着することができる。従って、NOx吸着触媒としてAg系触媒を用いる本発明によれば、水素共存下において高いライトオフ性能が得られるため、内燃機関の始動直後からNOxを効率良く浄化でき、始動直後からNOx排出量を低減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx吸着触媒は、アルミナ、ジルコニア、セリア、及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を担体として含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、NOx吸着触媒として、アルミナ、ジルコニア、セリア、及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を担体として含むものを用いる。これにより、より高いNOx吸着性能を発揮できる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置1の構成を示す図である。内燃機関(以下、「エンジン」という)2は、各気筒21の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置1の構成を示す図である。内燃機関(以下、「エンジン」という)2は、各気筒21の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。
エンジン2に燃料を供給する燃料供給系は、燃料タンク23に貯留された燃料を加圧する燃料ポンプ(図示せず)と、この燃料ポンプにより加圧された燃料をエンジン2の気筒21ごとに設けられたインジェクタに供給するコモンレール(図示せず)と、を含んで構成される。
インジェクタからの燃料噴射量は、後述する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)7によって設定される。また、このインジェクタの開弁時間は、設定された燃料噴射量が得られるように、ECU7からの駆動信号により制御される。
エンジン2には、吸気が流通する吸気管3と、排気が流通する排気管4とが設けられている。吸気管3は、吸気マニホールド31の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の吸気ポートに接続されている。排気管4は、排気マニホールド41の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の排気ポートに接続されている。
排気管4には、上流側から順に、DeNOx触媒42、DPF43が設けられている。排気管4のうち、DeNOx触媒42の上流側には、後述する燃料改質器8で生成された水素を含む改質ガスを排気管4内に導入する第1導入通路52が接続されている。また、排気管4のうち、DeNOx触媒42の下流側であって且つDPF43の上流側には、上記改質ガスを排気管4内に導入する第2導入通路62が接続されている。
DeNOx触媒42は、水素共存下で、排気中に含まれるNOxを酸化して吸着する。DeNOx触媒42は、Agを含むAg系触媒である。より詳しくは、DeNox触媒42は、Agに加えて、アルミナ、ジルコニア、セリア、及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を担体として含むAg系触媒である。
DeNOx触媒42に含まれるAgは、酸素を含む排気中では、主に酸化された状態の酸化銀として存在し、NOx吸着能を持たない。これに対して、DeNOx触媒42に水素を供給して水素共存下とすると、酸化銀が水素と接触することによって容易に還元され、還元銀の状態となる(下記式(1)参照)。
還元銀は、金属銀や酸化銀の状態に比して、NOxを酸化して吸着する能力が飛躍的に高い。このため、100℃程度の低温であっても、排気中のNOx(NO及びNO2)を酸化して吸着する(下記式(2)、(3)参照)。なお、下記式中において、Ag(*)は還元銀を表し、(ad.)はDeNOx触媒42への吸着を表す。
式(1):AgO+H2→Ag(*)+H2+O2
式(2):NO+O2+Ag(*)→NO3(ad.)+Ag(*)
式(3):2NO2+O2+Ag(*)→2NO3(ad.)+Ag(*)
還元銀は、金属銀や酸化銀の状態に比して、NOxを酸化して吸着する能力が飛躍的に高い。このため、100℃程度の低温であっても、排気中のNOx(NO及びNO2)を酸化して吸着する(下記式(2)、(3)参照)。なお、下記式中において、Ag(*)は還元銀を表し、(ad.)はDeNOx触媒42への吸着を表す。
式(1):AgO+H2→Ag(*)+H2+O2
式(2):NO+O2+Ag(*)→NO3(ad.)+Ag(*)
式(3):2NO2+O2+Ag(*)→2NO3(ad.)+Ag(*)
DeNOx触媒42の調製方法については特に限定されず、従来公知の方法により調製される。例えば、所定量の硝酸銀に蒸留水を加えて攪拌し、完全に溶解させた後、所定量のベーマイトを加え、所定の条件で乾燥させる。乾燥後、所定の条件で焼成を行って得られた触媒を粉砕することにより、目的のAg系触媒粉末が得られる。
DPF43は、排気がフィルタの細孔を通過する際に、粒子状物質(Particulate Matter、以下、「PM」という)をフィルタの表面及びフィルタの細孔内に堆積させることによって捕集する。例えば、炭化珪素(SiC)などのセラミックス多孔体からなるハニカム構造体を利用したウォールフロー型DPFが使用される。
DPF43では、PMが捕集されていくにつれて排気管4の圧損が増大するため、捕集したPMを燃焼して除去する再生処理が実行される。本実施形態のDPF43の再生処理は、エンジン2から排出される排気自体の温度を上昇させ、高温の排気をDPF43に流入させることにより実行される。具体的には、エンジン2の燃焼室内に噴射する主噴射の噴射タイミングを遅らせたり、主噴射後さらに少量の燃料を噴射することにより、エンジン2から排出される排気自体の温度を上昇させ、DPF43の再生処理を実行する。
また、DPF43には、フィルタに捕集されて堆積したPMを燃焼させるPM燃焼触媒が担持される。例えば、酸素放出能を有する複合酸化物に、AgやPdを担持してなるPM燃焼触媒が、従来公知のウォッシュコート法によりDPF43に担持される。
また、DPF43には、フィルタに捕集されて堆積したPMを燃焼させるPM燃焼触媒が担持される。例えば、酸素放出能を有する複合酸化物に、AgやPdを担持してなるPM燃焼触媒が、従来公知のウォッシュコート法によりDPF43に担持される。
第1導入通路52は、後述する燃料改質器8で生成された水素を含む改質ガスを、DeNOx触媒42の上流側の排気管4内に導入する。これにより、水素を含む改質ガスが、DeNOx触媒42に供給される。
また、第2導入通路62は、上記改質ガスを、DeNOx触媒42の下流側で且つDPF43の上流側の排気管4内に導入する。これにより、水素を含む改質ガスが、DPF43に供給される。
また、第2導入通路62は、上記改質ガスを、DeNOx触媒42の下流側で且つDPF43の上流側の排気管4内に導入する。これにより、水素を含む改質ガスが、DPF43に供給される。
第1導入通路52には、第1導入通路52を介して排気管4内に導入される改質ガスの流量を制御する第1導入バルブ51が設けられている。また、第2導入通路62には、第2導入通路62を介して排気管4内に導入される改質ガスの流量を制御する第2導入バルブ61が設けられている。
これら第1導入バルブ51及び第2導入バルブ61は、それぞれ図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、第1導入通路52を介した改質ガスの導入量、及び第2導入通路62を介した改質ガスの導入量は、ECU7により制御される。
これら第1導入バルブ51及び第2導入バルブ61は、それぞれ図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、第1導入通路52を介した改質ガスの導入量、及び第2導入通路62を介した改質ガスの導入量は、ECU7により制御される。
燃料改質器8は、一端側が分岐して第1導入通路52と第2導入通路62とにそれぞれ連通する改質ガス通路81と、この改質ガス通路81内に設けられた改質触媒82と、燃料ガスを改質ガス通路81の他端側から改質触媒82に供給する燃料ガス供給装置83と、を含んで構成される。
上記構成からなる燃料改質器8では、エンジン2の燃料を、改質触媒82の作用により改質し、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、及び炭化水素(HC)を含む還元性気体の改質ガスを生成する。燃料改質器8で生成される改質ガスの温度は、およそ500℃〜800℃の高温である。
上記構成からなる燃料改質器8では、エンジン2の燃料を、改質触媒82の作用により改質し、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、及び炭化水素(HC)を含む還元性気体の改質ガスを生成する。燃料改質器8で生成される改質ガスの温度は、およそ500℃〜800℃の高温である。
燃料ガス供給装置83は、燃料タンク23に貯蔵された燃料と、コンプレッサ84により供給された空気とを所定の割合で混合して燃料ガスを製造し、この燃料ガスを改質ガス通路81内の改質触媒82に供給する。この燃料ガス供給装置83は、改質触媒82に供給される空気の量を制御する空気バルブ85と、改質触媒82に供給される燃料ガスの量を制御する燃料バルブ86と、これら空気バルブ85及び燃料バルブ86を介して供給された空気と燃料ガスとを混合し、改質触媒82に噴射する図示しない噴射器と、を備える。これら空気バルブ85及び燃料バルブ86は、それぞれ図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、改質触媒82に供給する空気の量及び燃料ガスの量、並びに、燃料ガスの量に対する空気の量の割合は、ECU7により制御される。
改質触媒82は、ロジウム、白金、パラジウム、ニッケル、及びコバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒成分と、セリア、ジルコニア、アルミナ、及びチタニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物又はこれらを基本組成とした複合酸化物と、を含む。この改質触媒82は、燃料ガス供給装置83から供給された燃料ガスを改質し、水素、一酸化炭素、及び炭化水素を含む改質ガスを生成する。より具体的には、この改質触媒82は、燃料ガスを構成する炭化水素と空気との部分酸化反応により、水素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成する。
改質触媒82の調製方法については特に限定されず、従来公知の含侵法により調製される。例えば、所定の質量比になるように配合したセリア及びロジウムの粉末を、バインダー及び水系媒体とともにボールミルに投入して攪拌、混合することでスラリーを調製する。次いで、調製したスラリーを、コージエライト製のハニカム担体にウォッシュコートし、所定の条件で乾燥、焼成することにより、改質触媒82が得られる。
燃料改質器8は、グロープラグやスパークプラグなどを含んで構成された図示しない加熱ヒータを備えており、燃料改質器8の始動とともに、改質触媒82を加熱することが可能となっている。
また、この燃料改質器8は、排気管4とは別に設けられており、燃料改質器8の燃料ガス供給装置83及び改質触媒82は、排気管4内には設けられていない。即ち、燃料改質器8は、排気管4内に設けられて排気管4内の排気中に含まれる燃料成分を改質するのではなく、燃料タンク23から直接供給される燃料ガスを改質するため、多量の改質ガスを生成できるとともに、その生成量を制御できる。
また、この燃料改質器8は、排気管4とは別に設けられており、燃料改質器8の燃料ガス供給装置83及び改質触媒82は、排気管4内には設けられていない。即ち、燃料改質器8は、排気管4内に設けられて排気管4内の排気中に含まれる燃料成分を改質するのではなく、燃料タンク23から直接供給される燃料ガスを改質するため、多量の改質ガスを生成できるとともに、その生成量を制御できる。
以上のように構成された燃料改質器8は、後述のECU7から送信された制御信号に基づいて駆動される。
ECU7には、排気温度センサ91が接続されている。排気温度センサ91は、排気管4のうちDeNOx触媒42の上流側に設けられており、DeNOx触媒42に流入する排気の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。また、DeNOx触媒42の温度は、排気温度センサ91の検出値に基づいて、ECU7により算出される。
この他、ECU7には、いずれも図示しないクランク角センサ、アクセル開度センサ、及びイグニッションスイッチが接続されている。
クランク角センサは、エンジン2のクランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU7に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。アクセル開度センサは、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)を検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。イグニッションスイッチは、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU7に送信する。
ここで、エンジン2の回転数(以下、「エンジン回転数」という)は、クランク角センサから送信されたCRK信号に基づいて、ECU7により算出される。要求トルクは、エンジン回転数及びアクセル開度に応じ、予め格納されている所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU7により算出される。
ECU7は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下、「CPU」という)とを備える。この他、ECU7は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、インジェクタ、燃料改質器8、第1導入バルブ51、及び第2導入バルブ61などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU7には、以下に示す改質ガスの導入制御処理を実行するモジュールが構成される。
以下、本実施形態における改質ガスの導入制御処理について説明する。
図2は、本実施形態における改質ガスの導入制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、DPFの再生に応じて、第1導入通路を介した改質ガスの導入と第2導入通路を介した改質ガスの導入との切替制御を実行する処理であり、イグニッションスイッチがONにされた後、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。
図2は、本実施形態における改質ガスの導入制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、DPFの再生に応じて、第1導入通路を介した改質ガスの導入と第2導入通路を介した改質ガスの導入との切替制御を実行する処理であり、イグニッションスイッチがONにされた後、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS11では、DeNOx触媒の温度が所定の下限値を上回っているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS12に移り、NOの場合には、ステップS15に移る。
DeNOx触媒の温度は、排気温度センサの検出値に基づいて、ECUにより推定される。所定の下限値は、図3に示すDeNOx触媒温度とNOx吸着率との関係に基づいて予め設定され、ECUに格納されている。
図3は、水素共存下におけるDeNOx触媒温度とそのNOx吸着率との関係を示しており、この図3から明らかであるように、DeNOx触媒は、NOx吸着活性を示す温度範囲、即ちNOx吸着性能を十分に発揮できる温度範囲が決まっている。本実施形態のDeNOx触媒として用いられるAg系触媒では、NOx吸着活性を示す温度範囲は、例えば100℃〜250℃である。従って、DeNOx触媒の温度が、この温度範囲外にあるときには、NOxを吸着することができない。このため、NOx吸着活性を示す温度範囲の下限値が、所定の下限値として設定される。
DeNOx触媒の温度は、排気温度センサの検出値に基づいて、ECUにより推定される。所定の下限値は、図3に示すDeNOx触媒温度とNOx吸着率との関係に基づいて予め設定され、ECUに格納されている。
図3は、水素共存下におけるDeNOx触媒温度とそのNOx吸着率との関係を示しており、この図3から明らかであるように、DeNOx触媒は、NOx吸着活性を示す温度範囲、即ちNOx吸着性能を十分に発揮できる温度範囲が決まっている。本実施形態のDeNOx触媒として用いられるAg系触媒では、NOx吸着活性を示す温度範囲は、例えば100℃〜250℃である。従って、DeNOx触媒の温度が、この温度範囲外にあるときには、NOxを吸着することができない。このため、NOx吸着活性を示す温度範囲の下限値が、所定の下限値として設定される。
ステップS12では、ステップS11により、DeNOx触媒がNOx吸着性能を十分に発揮できる状態にあると判定されたため、第1導入通路を介した改質ガスの導入を開始する。具体的には、ECUにより第1導入バルブを開き、燃料改質器で生成した水素を含む改質ガスを、第1導入通路を介してDeNOx触媒の上流側の排気管内に導入する。導入後はステップS13に移る。
なお、このときはDPF43の再生時ではないため、DeNOx触媒42に流入する排気の温度は低温であり、導入される高温の改質ガス量は排気量に比して少ないことから、DeNOx触媒42が熱劣化することはない。
なお、このときはDPF43の再生時ではないため、DeNOx触媒42に流入する排気の温度は低温であり、導入される高温の改質ガス量は排気量に比して少ないことから、DeNOx触媒42が熱劣化することはない。
ステップS13では、DeNOx触媒の温度が所定の上限値を上回っているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS14に移り、NOの場合には、ステップS15に移る。
ステップS11と同様に、DeNOx触媒の温度は、排気温度センサの検出値に基づいて、ECUにより推定される。所定の上限値は、図3に示すDeNOx触媒温度とNOx吸着率との関係に基づいて予め設定され、ECUに格納されている。具体的には、NOx吸着活性を示す温度範囲の上限値が、所定の上限値として設定される。
ステップS11と同様に、DeNOx触媒の温度は、排気温度センサの検出値に基づいて、ECUにより推定される。所定の上限値は、図3に示すDeNOx触媒温度とNOx吸着率との関係に基づいて予め設定され、ECUに格納されている。具体的には、NOx吸着活性を示す温度範囲の上限値が、所定の上限値として設定される。
ステップS14では、第1導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。具体的には、ECUにより第1導入バルブを閉じ、第1導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。停止後はステップS15に移る。
ステップS15では、DPF再生を実行するか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS16に移り、NOの場合には、改質ガスの導入制御処理を終了する。具体的には、車両の走行距離に基づいて、DPF再生を実行するか否かを判別する。例えば、500km走行毎に、DPF再生を実行すると判別する。
ステップS16では、第1導入通路を介した改質ガスの導入が実行されていた場合には、第1導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。具体的には、ECUにより第1導入バルブを閉じ、第1導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。停止後はステップS17に移る。
ステップS17では、第2導入通路を介した改質ガスの導入を開始する。具体的には、ECUにより第2導入バルブを開き、燃料改質器で生成した水素を含む改質ガスを、第2導入通路を介して、DeNOx触媒の下流側であって且つDPFの上流側の排気管内に導入する。導入後はステップS18に移る。
ステップS18では、DPF再生が終了したか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS19に移り、NOの場合には、改質ガスの導入制御処理を終了する。具体的には、DPF再生が終了したか否かは、予め設定されたDPF再生時間が経過したか否かにより、判別する。
ステップS19では、ステップS18によりDPF再生が終了したと判別されたため、第2導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。具体的には、ECUにより第2導入バルブを閉じ、第2導入通路を介した改質ガスの導入を停止する。停止後は改質ガスの導入制御処理を終了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば以下の効果が奏される。
本実施形態では、排気管4とは別に燃料改質器8を設け、この燃料改質器8により生成された水素を含む還元性気体の改質ガスを、第1導入通路52を介して、DeNOx触媒42の上流側の排気管4内に導入する。これにより、水素を含む改質ガスがDeNOx触媒42に供給されるため、エンジン2の始動直後の冷機時に、排気A/Fをリッチにするために吸入空気量を絞る必要がなくなる。このため、エンジン2の失火の発生を回避できる。
また、本実施形態では、DPF43の再生時には、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止する。これにより、DPF43を再生するために供給される高温の排気に加えて、燃料改質器8で生成される500℃〜800℃の高温の改質ガスがDeNOx触媒42に供給されるのを回避でき、高温で熱劣化が生じるとされているDeNOx触媒の熱劣化を回避できる。
本実施形態では、排気管4とは別に燃料改質器8を設け、この燃料改質器8により生成された水素を含む還元性気体の改質ガスを、第1導入通路52を介して、DeNOx触媒42の上流側の排気管4内に導入する。これにより、水素を含む改質ガスがDeNOx触媒42に供給されるため、エンジン2の始動直後の冷機時に、排気A/Fをリッチにするために吸入空気量を絞る必要がなくなる。このため、エンジン2の失火の発生を回避できる。
また、本実施形態では、DPF43の再生時には、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止する。これにより、DPF43を再生するために供給される高温の排気に加えて、燃料改質器8で生成される500℃〜800℃の高温の改質ガスがDeNOx触媒42に供給されるのを回避でき、高温で熱劣化が生じるとされているDeNOx触媒の熱劣化を回避できる。
また、本実施形態では、DeNOx触媒42をDPF43の上流側に配置することにより、DeNOx触媒42をエンジン2の燃焼室に近付けることができる。このため、DeNOx触媒42を迅速に昇温でき、エンジン2の始動直後から効率良くNOxを吸着できる。従って、エンジン2の始動直後から、NOxを効率良く浄化できる。
また、本実施形態では、DPF43の再生時には、燃料改質器8で生成される500℃〜800℃の高温の改質ガスを、第2導入通路62を介して、DeNOx触媒42の下流側で且つDPF43の上流側の排気管4内に導入する。これにより、高温の改質ガスがDPF43に供給されるため、DPF43を迅速に昇温でき、DPF43の再生を効率良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、酸化触媒やHC吸着触媒を設置することなく、上述の効果を得ることができるため、コストを削減できる。
また、本実施形態では、DPF43の再生時には、燃料改質器8で生成される500℃〜800℃の高温の改質ガスを、第2導入通路62を介して、DeNOx触媒42の下流側で且つDPF43の上流側の排気管4内に導入する。これにより、高温の改質ガスがDPF43に供給されるため、DPF43を迅速に昇温でき、DPF43の再生を効率良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、酸化触媒やHC吸着触媒を設置することなく、上述の効果を得ることができるため、コストを削減できる。
また、本実施形態では、DeNOx触媒42の温度が、NOx吸着活性を示す温度範囲外にあるときには、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止する。これにより、DeNOx触媒42への改質ガスの供給が停止され、改質ガスの無駄な供給を回避できる。また、燃料改質器8における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
また、本実施形態では、排気中のNOxを水素共存下で吸着するDeNOx触媒42として、Agを含むAg系触媒を用いる。Ag系触媒中のAgは、酸素を含む排気中では酸化銀の状態で存在するところ、水素共存下では水素により容易に還元されて還元銀の状態となる。この還元銀は、金属銀や酸化銀の状態よりも排気中のNOxを酸化して吸着する能力が飛躍的に高い。例えば、還元銀は、100℃程度の低温であってもNOxを酸化して吸着することができる。従って、DeNOx触媒42としてAg系触媒を用いる本実施形態によれば、水素共存下において高いライトオフ性能が得られるため、エンジン2の始動直後からNOxを効率良く浄化でき、始動直後からNOx排出量を低減できる。
本実施形態では、ECU7が、第1導入制御手段、第2導入制御手段、NOx吸着触媒温度検出手段を構成する。具体的には、図2のステップS11〜14の実行に係る手段が第1導入制御手段に相当し、図2のステップS15〜18の実行に係る手段が第2導入制御手段に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、本実施形態では、DeNOx触媒42の温度が、NOx吸着活性を示す温度範囲外にあるときには、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止するが(図2のステップS11〜14)、DeNOx触媒42の単位時間あたりのNOx吸着量が所定値より小さいときに、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止するように構成してもよい。
この構成によれば、DeNOx触媒42のNOx吸着性能が低下したときに、改質ガスをDeNOx触媒42に供給するのを停止することができる。これにより、改質ガスの無駄な供給を回避できるため、燃料改質器8における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
ここで、NOx吸着量の所定値は、用いるDeNOx触媒42の組成に応じて、予め設定され、ECUに格納される。
また、DeNOx触媒42の単位時間あたりのNOx吸着量、即ちNOx吸着率は、DeNOx触媒42の上流側の排気中のNOx濃度と、DeNOx触媒42の下流側の排気中のNOx濃度とから算出される。より詳しくは、DeNOx触媒42の上流側の排気中のNOx濃度は、エンジン回転数と要求トルクに応じて、所定のFeed_NOxマップを検索することにより、ECU7により算出される。また、DeNOx触媒42の下流側の排気中のNOx濃度は、排気管4のうちDeNOx触媒42の下流側にNOxセンサを設け、このNOxセンサの検出値に基づいて、ECU7により算出される。
この構成によれば、DeNOx触媒42のNOx吸着性能が低下したときに、改質ガスをDeNOx触媒42に供給するのを停止することができる。これにより、改質ガスの無駄な供給を回避できるため、燃料改質器8における燃料消費量を抑制でき、燃費が向上する。
ここで、NOx吸着量の所定値は、用いるDeNOx触媒42の組成に応じて、予め設定され、ECUに格納される。
また、DeNOx触媒42の単位時間あたりのNOx吸着量、即ちNOx吸着率は、DeNOx触媒42の上流側の排気中のNOx濃度と、DeNOx触媒42の下流側の排気中のNOx濃度とから算出される。より詳しくは、DeNOx触媒42の上流側の排気中のNOx濃度は、エンジン回転数と要求トルクに応じて、所定のFeed_NOxマップを検索することにより、ECU7により算出される。また、DeNOx触媒42の下流側の排気中のNOx濃度は、排気管4のうちDeNOx触媒42の下流側にNOxセンサを設け、このNOxセンサの検出値に基づいて、ECU7により算出される。
また、本実施形態では、第1導入バルブ51及び第2導入バルブ61の制御としては、全開又は全閉のいずれかであるが、これらのバルブの開度を調整し、第1導入通路52を介した改質ガスの導入と第2導入通路62を介した改質ガスの導入との割合を制御するような構成であってもよい。即ち、DPF43再生時に、第1導入通路52を介した改質ガスの導入を停止するのではなく、抑制する構成であってもよい。
また、本実施形態では、DPF43の再生実行の判別は、車両の走行距離に基づいて行うが、例えば、DPF43に捕集されて堆積したPM堆積量に基づいて行う構成であってもよい。PM堆積量は、例えば、DPF43の上流側と下流側とに差圧センサを設け、この差圧センサにより検出されたDPF43の差圧(圧損)に基づいて、ECU7により算出される。
また、本実施形態では、DPF43の再生終了の判別は、所定の再生時間が経過したか否かで行うが、例えば、DPF43の上流側と下流側とに差圧センサを設け、この差圧センサにより検出されたDPF43の差圧(圧損)に基づいて行う構成であってもよい。
1…排気浄化装置
2…エンジン(内燃機関)
4…排気管(排気通路)
42…DeNOx触媒(NOx吸着触媒)
43…DPF(フィルタ)
51…第1導入バルブ(第1導入制御手段)
52…第1導入通路
61…第2導入バルブ(第2導入制御手段)
62…第2導入通路
7…ECU(第1導入制御手段、第2導入制御手段、NOx吸着触媒温度検出手段)
8…燃料改質器
91…排気温度センサ(NOx吸着触媒温度検出手段)
2…エンジン(内燃機関)
4…排気管(排気通路)
42…DeNOx触媒(NOx吸着触媒)
43…DPF(フィルタ)
51…第1導入バルブ(第1導入制御手段)
52…第1導入通路
61…第2導入バルブ(第2導入制御手段)
62…第2導入通路
7…ECU(第1導入制御手段、第2導入制御手段、NOx吸着触媒温度検出手段)
8…燃料改質器
91…排気温度センサ(NOx吸着触媒温度検出手段)
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関の排気中のNOxを水素共存下で吸着するNOx吸着触媒と、
前記内燃機関の排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記排気通路とは別に設けられ、前記内燃機関の燃料を改質して少なくとも水素を含む還元性気体を生成する燃料改質器と、を備えた内燃機関の排気浄化装置であって、
前記燃料改質器により生成された還元性気体を、前記NOx吸着触媒の上流側の排気通路内に導入する第1導入通路と、
前記第1導入通路を介して導入される還元性気体の流量を制御する第1導入制御手段と、を備え、
前記第1導入制御手段は、前記フィルタに高温の排気を供給することにより、前記フィルタに捕集されて堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生時には、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を抑制又は停止することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記NOx吸着触媒は、前記フィルタの上流側の排気通路に配置され、
前記内燃機関の排気浄化装置は、
前記燃料改質器により生成された還元性気体を、前記NOx吸着触媒の下流側であって且つ前記フィルタの上流側の排気通路内に導入する第2導入通路と、
前記第2導入通路を介して導入される還元性気体の流量を制御する第2導入制御手段と、をさらに備え、
前記第2導入制御手段は、前記フィルタに高温の排気を供給することにより、前記フィルタに捕集されて堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生時には、前記第2導入通路を介した還元性気体の導入を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記内燃機関の排気浄化装置は、前記NOx吸着触媒の温度を検出又は推定するNOx吸着触媒温度検出手段をさらに備え、
前記第1導入制御手段は、前記NOx吸着触媒の温度が、当該NOx吸着触媒がNOx吸着活性を示す温度範囲外にあるときには、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記内燃機関の排気浄化装置は、前記NOx吸着触媒の単位時間あたりのNOx吸着量を推定するNOx吸着量推定手段をさらに備え、
前記第1導入制御手段は、前記NOx吸着触媒の単位時間あたりのNOx吸着量が所定値より小さいときには、前記第1導入通路を介した還元性気体の導入を停止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記NOx吸着触媒は、少なくともAgを含むことを特徴とする請求項1から4いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記NOx吸着触媒は、アルミナ、ジルコニア、セリア、及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を担体として含むことを特徴とする請求項1から5いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2009135458A JP2010281266A (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110047977A1 (en) * | 2009-08-21 | 2011-03-03 | Hyundai Motor Company | Exhaust device for diesel vehicle |
JP2018066341A (ja) * | 2016-10-20 | 2018-04-26 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
-
2009
- 2009-06-04 JP JP2009135458A patent/JP2010281266A/ja active Pending
Cited By (3)
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US20110047977A1 (en) * | 2009-08-21 | 2011-03-03 | Hyundai Motor Company | Exhaust device for diesel vehicle |
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