JP2011162605A - 新規な直線性ポリマー - Google Patents

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俊 生方
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Abstract

【課題】π非共役系であるアダマンタン単位を2つ融着して得られるかご型化合物ジアマンタン骨格構造とπ共役系とが直線状に交互に結合した新規な直線性ポリマーの提供。
【解決手段】一般式(I)で表わされる繰返し単位構造を有するポリマー。

一般式(I)において、Lは、2価のπ共役系有機残基であり、一般式(II)で表わされるものであることが好ましい。

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な直線性構造を有するポリマーに関する。更に詳しくは、ジアマンタン骨格構造とπ共役系構造とを交互に有する直線性ポリマーに関する。
π共役系を有する化合物の光情報記録媒体(特許文献1)や導電性材料(特許文献2)としての利用が数多く報告されている。
また、特許文献3には、棒状に広がった構造を持つπ共役系を有する構造と、屈曲可能であって、周囲のマトリックスポリマー鎖と絡み合う鎖状構造とを持つ鎖状複屈折分子を樹脂の配向複屈折性を減殺して非複屈折性の光学樹脂を得ることが報告されている。
更に最近、1−シアノ−トランス−1,2−ビス−(4’−メチルビフェニル)エチレンが溶液状態では、非常に弱い蛍光しか発しないが、ナノパーティクルにすると蛍光の強度が700倍にもなることが報告されている(非特許文献1)。
このように、特定の分子構造を設計することにより、種々の特性を有する化合物を得る研究が盛んに行なわれている。
特開2000−96558号公報 特開2004−277413号公報 特開2005−68374号公報
ジャーナル オブ ケミカル ソサイエティ 122巻、pp14410−14415(2002)
本発明者らは、これまで、ジアマンタン骨格を有する化合物について、精力的に研究を行なってきた。ジアマンタンは、アダマンタン単位を2つ融着して得られるかご型化合物で対称構造を有し、その4−位及び9−位炭素原子をジアマンタンとつないでいる結合が同一線上に位置する。
本発明者らは、ジアマンタン骨格が非共役系であること、剛直な構造を有すること、そして、その4−位及び9−位の結合が同一直線上にあることに着目し、これにπ共役系を結合することにより、π共役系とπ非共役系とが直線状に結合した新規なポリマーを得ることを着想した。
従って、本発明の課題は、π共役系とπ非共役系であるジアマンタン骨格構造とが直線状に交互に結合した直線性ポリマーを提供し、更に、その特性を明らかにして、その工業的有意性を明らかにすることにある。
かくして本発明によれば、
一般式(I)で表わされる繰返し単位構造を有するポリマーが提供される。
一般式(I)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。
本発明において、一般式(I)におけるLが一般式(II)で表わされるπ共役系2価有機残基であることが好ましい。
一般式(II)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。
本発明において、一般式(II)におけるLが一般式(III)で表わされる基であることが好ましい。
一般式(III)において、R及びRは、それぞれ、1価の炭化水素基である。
本発明において、一般式(III)におけるR及びRが、それぞれ、一般式:−CHCH(R)(R)で表わされる炭素数6〜20のアルキル基であることが好ましい。但し、R及びRは、それぞれ、水素又は1価の炭化水素基である。
また、本発明によれば、本発明のポリマーを異方的に配向せしめることによって得られるフィルムが提供される。
本発明のポリマーは、新規な直線性の剛直なポリマーであって、熱安定性に優れ、蛍光発光性を始めとする様々な機能を有するポリマーである。
従って、偏光特性を有する蛍光材料、高分子液晶材料、有機導電性材料、電荷輸送材料、光情報記録媒体等としての用途が期待できる。
ポリマーフィルム作成のときのサンプル瓶の状態を示す図である。 本発明のポリマーの分子量分布を示す図である。 本発明のポリマーの溶液状態での蛍光発光性を示す図である。 本発明のポリマーのフィルム状態での蛍光発光性を示す図である。 本発明のポリマーの溶液の紫外/可視吸収スペクトルを示す図である。 本発明のポリマーの配向性を示す偏光顕微鏡写真である。 本発明のポリマーの配向性を示す偏光顕微鏡写真である。 本発明のポリマーの配向性を示す偏光顕微鏡写真である。 偏光角の変化による、本発明のポリマーのフィルムの蛍光強度の変化を示す図である。
本発明のポリマーは、一般式(I)で表わされる繰返し単位構造を有する。
一般式(I)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。
で示されるπ共役系有機残基は、特に限定されないが、その好適な例として、一般式(II)で表されるものを示すことができる。
一般式(II)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。
一般式(II)で表される2価のπ共役系有機残基Lの好適な具体例として、下記の一般式(III)で表されるものを示すことができる。
一般式(III)において、R及びRは、それぞれ、1価の炭化水素基である。
1価の炭化水素基は、飽和基でも不飽和基でも或いは脂肪族基でも脂環基でも芳香族基であってもよく、特に限定されない。
その好適な具体例として、一般式:−CHCH(R)(R)で表わされる炭素数6〜20のアルキル基を示すことができる。R及びRは、それぞれ、水素又は一価の炭化水素基である。このような基を使用することにより、溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
一般式:−CHCH(R)(R)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよい。その具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソアミル基、イソデシル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができるが、ポリマーの溶剤に対する溶解性を向上させる観点からは、R及びRの合計の炭素数が6以上のものが好ましく、合計の炭素数が10以上のものがより好ましい。
一般式(II)で表される2価のπ共役系有機残基Lのその他の好適な具体例として、下記の一般式(IVa)〜(IV)で表されるものを示すことができる。
なお、上記一般式中、環構造中の
は、電子の非局在化を示す。
一般式(IVa)〜(IVd)において、R〜R13は、それぞれ、1価の炭化水素基である。
1価の炭化水素基は、飽和基でも不飽和基でも或いは脂肪族基でも脂環基でも芳香族基であってもよく、特に限定されない。
一般式(I)で表わされるポリマーは、例えば、Lが一般式(II)で表わされるπ共役系2価有機残基であり、一般式(II)において、Lが一般式(III)で表わされる基である場合、即ち、下記の一般式(V)で表わされるポリマーの場合、下記の一般式(VI)で示す合成経路に従って得ることができる。
一般式(V)及び(VI)において、R及びRは、それぞれ、1価の炭化水素基であり、nは、単位構造の繰り返し数である。
本発明のポリマーは、溶液塗布法、溶融押出し法等の公知の方法により、フィルムとすることができる。より好ましいのは過剰な熱のかかりにくい、溶液状態のポリマーを基板やロール表面に塗布する溶液塗布法である。
塗布方法としては、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、ダイコート法、カーテンコート法等の公知の方法を採用できる。
本発明のポリマー材料は、分子の配列を制御することにより、その特異な性質を更に引き出すことができるため、塗布や乾燥の工程で、溶液に、ずりや延伸操作等により剪断を与えることは好ましい方法の一つである。
例えば実施例2に示したように、ローターエバポレータで回転させながら、溶媒を蒸発させることによって、溶媒の蒸発の際にポリマー溶液に一定の力を働かせることにより、フィルムに配向性を付与することができる。
基板としては所望の平面性があれば特に限定されないが、ガラス、金属、各種プラスチックフィルム等が挙げられる。各種プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系樹脂のようなポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム;ポリイミド;ポリアミド;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリビニルアルコール;トリアセチルセルロース:等を代表的な例として挙げることができる。
溶媒としては、ポリマーを溶解させることができれば特に制限はなく、各種有機溶剤を用いることができる。
また本発明のポリマーに低分子の材料を配合し、物性の改良や配向性の改良を行うこともできる。
本発明のポリマーは、配向性を有し、蛍光を発するので、偏光特性を有する蛍光材料、高分子液晶材料、有機導電性材料、電荷輸送材料、光情報記録媒体等としての用途が期待できる。
以下に合成例及び実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
化合物の構造は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)及び質量スペクトル(MS)により確認した。
プロトン核磁気共鳴スペクトルの測定条件は、Bruker社製、「DRX300」又はJEOL社製「EX270」を用いて、CDCl中、TMSを内部標準として測定した。シグナルの位置は、δ/ppmで示す。
低分解能質量スペクトルは、日本電子社製、「JMS−AX−600」を用いて、EIイオン化法で測定した。強度を相対強度で示す。
(実施例1)
〔ポリマー10の合成〕
(合成例)
〔1,4−ジエチニル−2,5−ビス(2−ヘキシルオクチルオキシ)ベンゼン(化合物(8))の合成
(合成例)
〔1−ブロモ−2−ヘキシルオクタン(化合物(5))の合成〕
以下の経路に沿って化合物(5)の合成をした。
〔工程1:2,2−ジヘキシルマロン酸ジエチル(化合物(2))の合成〕
200ml二つ口ナスフラスコにスピナーを入れ、そこにマロン酸エチル2.98g(18.6mmol,1.0当量)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)18mlを入れた。二つ口ナスフラスコの細い口にセプタムをつけ、太い口に風船をつけてから窒素置換した。フラスコに窒素を流しながら、溶液に水素化ナトリウム(油中60%)を2.29g(57.0mmol,3.0当量)を少しずつ加えていった。加え終わったのち、30分間攪拌した。水浴中、1−ブロモヘキサン7.0ml(47.4mmol,3.0当量)を滴下した。室温で2時間攪拌したあと、60〜70℃で8時間加熱し、更に室温で13時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を加えたのち、水層をエチルエーテルで3回抽出後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去したのちエバポレーターで溶媒を除いたところ、黄色の液体を得た。この黄色液体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、化合物(2)を、黄色液体5.16g(15.7mmol,収率84.5%)として得た。
H−NMR;4.17(4H,q,J/Hz=7.1),1.86(4H,m),1.13−1.28(22H,m),0.87(6H,t,J/Hz=6.7)
〔工程2:2−ヘキシルルオクタン酸エチル(化合物(3))の合成〕

30ml二つ口ナスフラスコにスピナーを入れ、そこに化合物(2)を128mg(0.39mmol,1.0当量)と、LiCl44mg(1.04mmol,2.7当量)を入れた。更に乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)0.8mlとパスツールピペット一滴分の水とを加えた。二つ口ナスフラスコの細い口にセプタムを付け、太い口には還流冷却器を着け、その上に風船を取り付けた。窒素置換してから、溶液を攪拌しながら油浴で加熱した。加熱還流(約200℃)を4時間行い、黒い溶液を得た。そこに飽和食塩水を加え、エチルエーテルで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去したのちエバポレーターで溶媒を除いたところ、黄色の液体を得た。この黄色液体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、化合物(3)を薄黄色液体64.6mg(0.25mmol。収率64.7%)として得た。
H−NMR;4.13(2H,q,J/Hz=7.1),2.30(1H,m),1.44−1.41(4H,m),1.29−1.24(19H,m),0.87(6H,t,J/Hz=6.9).
〔工程3:2−ヘキシルオクタノール(化合物(4))の合成〕
200ml三口フラスコに化合物(3)を5.00g(19.5mmol,1.0当量)を入れ、真空乾燥をしたあと窒素置換をした。シリンジで乾燥テトラヒドロフラン(THF)5mlを入れた。氷冷しながら、2.0Mの水素化リチウムアルミニウムのTHF溶液10ml(20mmol,1.0当量)を滴下した。一晩攪拌したあと、エタノール・水を順次加えてクエンチした。3moldm−3HClで溶液を酸性にしたあと、ジエチルエーテルで3回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で固体を除いたのちエバポレーターで溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、化合物(4)を薄黄色液体として、3.58g(収率86%)得た。
H−NMR;0.88(6H,t,J/Hz=6.7),1.23(20H,m),1.46(1H,m),3.54(2H,t,J/Hz=4.5)
〔工程4:1−ブロモ−2−ヘキシルオクタン(化合物(5))の合成〕
50ml二つ口ナスフラスコにスピナーを入れ、四臭化炭素255mg(0.769mmol,1.1当量)を入れたのち、ジクロロメタン(DCM)4.4mlに溶かした化合物(4)を150mg(0.15mmol,1.0当量)加えた。氷浴下、少量のジクロロメタンに溶かしたとりフェニルホスフィン268mg(1.02mmol,1.5当量)を滴下した。滴下後、室温で3時間攪拌した。反応液を水で3回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去した。エバポレーターで溶媒を除いたところ、無色の液体を得た。この液体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製し、化合物(5)158mg(0.570mmol。収率81.4%)を無色液体として得た。
H−NMR;3.44(2H,d,J/Hz=5.0),1.60−1.56(1H,m),1.43−1.28(20H,m),0.89(6H,t,J/Hz=6.9)
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度);276
〔工程5:1,4−ビス(2−ヘキシル−1−オクチルオキシ)−2,5−ジブロモベンゼン(化合物(6))の合成〕
30ml二つ口ナスフラスコにスターラーバーを入れ風船を取り付けた。化合物(5)55.5mg(0.200mmol,2.5当量)、粉末にしたKOH44.9mg(0.800mmol,10当量)、乾燥DMSO2.4mlを入れ、窒素置換した。反応液を60℃に加熱し、撹拌しながら、DMSO1.4mlに溶かした2,5−ジブロモハイドロキノン21.4mg(0.0799mmol,1.0当量)を、3回に分けてゆっくりと滴下した。3時間経過したのち一晩室温で撹拌した。水を加えて薄めてからヘキサンで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去し、エバポレーターで溶媒を除いた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサン)で精製し、化合物(6)の液体43.6mg(0590mmol。収率73.6%)を得た。
H−NMR;0.88(12H,t,J/Hz=6.6),1.34(40H,m),1.78(2H,m),3.82(4H,d,J/Hz=5.7),7.07(2H,s)
〔工程6:1,4−ビス(2−ヘキシル−1−オクチルオキシ)−2,5−(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(化合物(7))の合成〕
30ml二つ口ナスフラスコに風船、セプタムを取り付けたのち、トリエチルアミン5.3ml、化合物(6)を200mg(0.30mmol,1.0当量)、PdCl(PPh42.0mg(0.06mmol,0.2当量)、CuI6.2mg(0.03mmol,0.1当量)を入れた。窒素置換してから10分撹拌し、テトラメチルシリルアセチレン148mg(1.52mmol,5.0当量)を滴下した。80℃で6時間加熱撹拌したのち、水で薄めて酢酸エチルで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去したのちエバポレーターで溶媒を除いた。フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色液体として、化合物(7)250mg(0.360mmol。収率120%)を得た。
H−NMR;0.27(18H,s),0.89(12H,t,J/Hz=3.5),1.30(40H,m),1.79(2H,m),3.84(4H,d,J/Hz=5.5),6.89(2H,s)
〔工程7:1,4−ジエチニル−2,5−ビス(2−ヘキシル−1−オクチルオキシ)ベンゼン(化合物(8))の合成

50ml二つ口ナスフラスコに化合物(7)を249mg(0.358mmol,1.0当量)とメタノール1ml及びTHF2mlを入れた。室温で20%KOH水溶液0.4mlを滴下したのち、3時間撹拌した。水で薄めてから酢酸エチルで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過で硫酸ナトリウムを除去したのちエバポレーターで溶媒を除いたところ、化合物(8)を黄色の液体として150mg(0.272mmol。収率76.0%)得た。
H−NMR;0.87(12H,m),1.32(40H,m),1.80(2H,m),3.30(2H,s),3.83(4H,d,J/Hz=5.8),6.94(2H,s)
(参考例)
4−ビス(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(化合物(9))の合成〕
〔工程1:4,9−ジフェニルジアマンタン(化合物(12))の合成〕
300ml三つ口ナスフラスコにジアマンタン(化合物(11))(3.10g,16.48mmol,1.0当量)、塩化アルミニウム(207.1mg,1.55mmol,0.1当量)及びスピナーを入れ、還流管、風船及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液のトラップを取り付け、系を窒素置換した。系内を0℃に冷却し、ベンゼン(35.5ml)をシリンジで加え攪拌した。これに臭化t−ブチル(5.4ml,48.1mmol,2.9当量)を加えた後、室温に戻しながら1時間攪拌した。0.5mol/l塩酸で反応をクエンチした後、生成した白色粉末を濾別し、4,9−ジフェニルジアマンタン(化合物(12))の粉末結晶(4.01g)を得た。一方、濾液は水及び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した後、ヘキサンを加え、沈殿してきた白色固体を濾別し、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:20%クロロホルム/ヘキサン→40%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、4,9−ジフェニルジアマンタン(化合物(12))の粉末結晶(0.29g)を得た。
収量:4.30g(12.6mmol)
収率:76.6%(ジアマンタンに対して)
H−NMR:1.98(18H,s),7.19(2H,tt,J/Hz=7.2,1.6),7.34(4H,t,J/Hz=7.6),7.42(4H,dt,J/Hz=8.4,1.2)
IR:3079(w),3052(w),3014(w),2914(s),2888(s),2849(s),1600(w),1492(m),1461(w),1441(w),1378(w),1350(w),1316(w),1271(w),1248(w),1157(w),1067(w),1049(w),1031(w),1001(w),987(w),966(w),906(w),761(s),699(s),682(w),530(m).
LRMS:342((M+2),4.1),341((M+1),28.6),340(M,100),263((M−C,3.6).
融点:264.5〜265.0℃
〔工程2:4,9−ビス(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(化合物(9))の合成〕
100ml二つ口ナスフラスコに4,9−ジフェニルジアマンタン(化合物(12))(2.14g,6.29mmol,1.0当量)、ヨウ素(1.815g,7.15mmol)、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(5.808g,13.0mmol,2.1当量)及びスピナーを入れ、クロロホルム(42ml)を加えた。この混合物を室温で30分攪拌した。混合物を蒸留水200mlの入った500mlビーカーに移し攪拌した。混合物の紫色が消失するまで亜ジチオン酸を加えた後、水層をクロロホルムで3回抽出し、集めた有機層を水、飽和食塩水で洗い、溶媒を減圧留去した後、ヘキサンを加えた。このとき生じる白色粉末を濾別し、4,9−ビス(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(化合物(9))を得た。
収量:2.92g(4.93mmol)
収率:74.2%(化合物(12)に対して)
H−NMR:1.92(12H,bs),1.96(4H,bs),1.97(4H,bs),7.15(4H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.64(4H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7)
IR:2911(s),2874(s),2849(s),1488(m),1461(w),1437(w),1391(m),1243(w),1108(w),1073(m),1048(m),1003(m),984(m),893(w),821(s),796(m),760(w),716(w),699(w),526(s).
LRMS:593((M+1),59.1),592(M,100),466((M−I),54.2),389((M−CI),7.4).
融点:>360℃(融点測定装置の限界を超えるため測定ができなかった。)
(ポリマー(10)の合成)
50ml二つ口フラスコに、1,4−ビス(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(化合物(9))110.4mg(0.186mmol,0.73当量)とCuI7.3mg(0.038mmol,0.15当量)、PdCl(PPh13.9mg(0.020mmol,0.08当量)を入れた。窒素置換し、還流冷却器、風船及びセプタムをつけたのちピペリジン10ml、約100℃になったとき溶液の濁りが消えた。
一方、ナシフラスコに化合物(8)を140mg(0.254mmol,1.0当量)とピペリジン9mlを入れておいた。これを110−120℃の反応液にカヌーラで滴下した。滴下が終わったあと、加熱還流を4時間行った。水で薄めてからクロロホルムで3回抽出し、0.5moldm−3HCl2回と飽和食塩水で一回洗った。溶媒留去したのち、良溶媒CHClに溶解し、エタノールで1回、メタノール/ヘキサン=2/1で1回再沈殿を行い、生成物91.6mg(ユニット数換算:0.102mmol),収率55%)の黄色固体を得た。
H−NMR;0.86(12H,br),1.26(40H,br),1.57(2H,br),1.98(18H,br),3.91(4H,d,J/Hz=4.5),7.00(2H,s),7.37(4H,d,J/Hz=9.2),7.50(4H,d,J/Hz=9.2)
(ポリマーの分子量解析)
合成したポリマーの少量をクロロホルムに溶解した。溶液をメンブレンフィルターでろ過したのち、GPC測定を行ったところ、65,000以上であった。
測定条件は以下のとおりである。
溶媒:クロロホルム
カラム:以下の順に直列でつないだものを使用
(1)SHIMADZU Shim−pack:GPC−803C Serial No.:9601301
(2)SHIMADZU Shim−pack:GPC−802C Serial No.:501010
流量:0.5ml/分
カラムオーブン温度:40℃
検出波長:262nm
投入量:50μl
ポンプ圧:1.6MPa
測定時間:50分
(実施例2)
(ロータリーエバポレータによる溶媒揮散によるポリマーフィルムの作成)
サンプル瓶にポリマーを20.0mg入れて、クロロホルム2mlに溶解させた。溶液の入ったサンプル瓶をロータリーエバポレータ(東京理科器械社製「TYPE:N−2 SER No.:10005035」)に接続し、回転速度185rpm、水浴温度30℃、圧力300〜100mmHgで溶媒を除いた。このとき、サンプル瓶の角度を、図1に示すように、水平から約20度傾けた状態で行った。
サンプル瓶の壁面に付着したフィルムに切り口を入れたのち、水に浸してフィルムを浮かせた。取り出したフィルムをシャーレに移し、偏光顕微鏡観察を行った。
(実施例3)
(溶液流延法によるポリマーフィルムの作成)
ポリマーをクロロホルムに溶解し、これを枠付きガラス板に流延して、溶媒を揮散させフィルムを作成した。
このフィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、等方的なフィルムが形成されたことが分かった。
(ポリマーの蛍光発光性)
ポリマー(10)の蛍光を溶液(1.2×10−4Mクロロホルム溶液)及びフィルムで測定したところ、溶液(励起光波長:370nm)では青色の、フィルム(励起光波長:380nm)では緑色の蛍光を発光した。その蛍光スペクトルを、それぞれ、図3及び図4に示す。また、上記ポリマー溶液の紫外/可視吸収スペクトルを図5に示す。
(偏光顕微鏡によるフィルムの観察)
ロータリーエバポレータで溶媒を蒸発させて得た実施例2のフィルムを偏光顕微鏡で観察した。明るさの極大の位置を角度0°とした(図6a)。この状態から、フィルムを45°回転させたところ暗くなり(図6b)、更に45°回転させたところ再び明るくなった(図6c)。以降、同様に45°ごとの明暗が確認された。このことから、フィルム中のポリマーが一軸配向していることが明らかとなった。
(偏光蛍光スペクトル)
フィルムに励起光を照射し、偏光板を通過させて蛍光を検出した。偏光板を回転させることにより、蛍光の異方性を観察した。528nmにおける、偏光子の回転による蛍光強度の変化を図7に示す。偏光子の回転に伴い蛍光強度が90°周期で変化することから、フィルムが配向していることが確認された。

Claims (5)

  1. 一般式(I)で表わされる繰返し単位構造を有するポリマー。
    (一般式(I)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。)
  2. 一般式(I)において、Lが一般式(II)で表わされる2価のπ共役系有機残基である請求項1に記載のポリマー。
    (一般式(II)において、Lは、2価のπ共役系有機残基である。)
  3. 一般式(II)において、Lが一般式(III)で表わされる基である請求項2に記載のポリマー。
    (一般式(III)において、R及びRは、それぞれ、1価の炭化水素基である。)
  4. 一般式(III)において、R及びRが、それぞれ、一般式:−CHCH(R)(R)で表わされる炭素数6〜20のアルキル基である請求項3に記載のポリマー(但し、R及びRは、それぞれ、水素又は1価の炭化水素基である。)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマーを異方的に配向せしめることによって得られるフィルム。
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CN105713187B (zh) * 2016-03-24 2018-01-23 广东工业大学 一种金刚烷改性聚咔唑高分子发光材料及其制备方法

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