JP2011161852A - 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体噴射ヘッドの大型化を招くことなく、液体噴射ヘッドを効率的に加熱して噴射する液体の粘度を調節することで、信頼性を高めた液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ヘッドモジュールを構成する単位ヘッドは、複数のノズル37を形成したノズルプレート45と、ノズルに連通する圧力室36が形成された流路形成基板46とを積層した流路ユニット38と、複数の圧力室に連通して各圧力室にインクを供給するケース流路43が形成され、流路形成基板のノズルプレートとは反対側に接合されたヘッドケース32と、ノズルプレートに一部が重ねられると共に、ヘッドケース側面の少なくとも一部に対向する面33bを有するヘッドカバー33と、ヘッドケース側面に配置されたヒーター39と、を備え、ヒーターをヘッドケースとヘッドカバーの対向面との間に配置した。
【選択図】図4

Description

本発明は、ノズルに連通する圧力室に圧力変動を与えて、圧力室内の液体をノズルから噴射させるインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッド、及び、これを備える液体噴射装置に関する。
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズルから液滴として噴射させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンターという)などの画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)、液晶ディスプレイなどのカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)などの電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどがある。
例えば、上記の記録ヘッドでは、リザーバーから圧力室を経てノズルに至る一連の液体流路が形成された流路ユニットや圧力室の容積を変動可能な圧力発生素子を有するアクチュエーターユニットなどを樹脂製のヘッドケース(ケースの一種)に取り付けて構成されている。上記流路ユニットには、ノズルを開設した金属製のノズルプレート(ノズル形成部材の一種)が接合されている。
このような記録ヘッドから噴射する液体には、液体の種類に応じて、例えば、常温でおよそ4mPa・sなどのように、噴射に適した粘度がある。液体の粘度は、温度と相関関係にあるために、温度が低いほど粘度が高くなり、温度が高いほど粘度が低くなる特性がある。そのため、通常使用する液体の粘度に適するように設計された記録ヘッドが、低温(高温)環境に置かれた場合や、粘度の高い(低い)液体を噴射する場合などには、液体を加熱(冷却)するための温度調節部を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この温度調節部は、ノズルに至るまでの一連の液体流路の一部にリング状の温度調節部を近接させて配置されており、液体流路内の液体を直接的に加熱(冷却)している。そのため、液体流路の内、温度調節部に近接していない部分は、液体流路内の液体を所望温度まで効率的に加熱(冷却)することができなかった。即ち、このような構成の記録ヘッドは、液体流路内の液体を所望温度に調整するまでに長時間を必要とし、実用に供することができなかった。そして、効率的に加熱するために、液体流路と温度調節部とを近接させて、尚且つ長尺に亘って配置する必要があった。
特開2001−270090公報
しかしながら、温度調節部をそれぞれの液体流路に近接させて、尚且つ長尺に亘って配置しようとすると、記録ヘッドの大型化の虞があった。また、液体流路と温度調節部との距離が離れてしまうと、液体流路内の液体を効率的に加熱(冷却)することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドの大型化を招くことなく、液体噴射ヘッドを効率的に加熱して噴射する液体の粘度を調節することで、信頼性を高めた液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、複数のノズルを形成したノズル形成部材と、前記ノズルに連通する圧力室が形成された流路形成基板とを積層した流路ユニットと、
複数の圧力室に連通して各圧力室に液体を供給する共通液体流路が形成され、流路形成基板のノズル形成部材とは反対側に接合されたケースと、
前記ノズル形成部材に一部が重ねられると共に、前記ケース側面の少なくとも一部に対向する面を有するカバーと、
前記ケース側面に配置された加熱部と、を備え、
前記加熱部を、前記ケースと前記カバーの対向面との間に配置したことを特徴とする。
この構成によれば、複数のノズルを開設したノズル形成部材と、ノズルに連通する圧力室が形成された流路形成基板とを積層した流路ユニットと、複数の圧力室に連通して各圧力室に液体を供給する共通液体流路が形成され、流路形成基板のノズル形成部材とは反対側に接合されたケースと、ノズル形成部材に一部が重ねられると共に、ケース側面の少なくとも一部に対向する面を有するカバーと、ケース側面に配置された加熱部と、を備え、加熱部を、ケースとカバーの対向面との間に配置したので、加熱部によってケースの側面から共通液体流路を加熱することで液体流路内の液体を温めることに加え、加熱部に対向するカバーを介してノズル形成部材を加熱することでノズル内の液体を温めることができ、液体流路の上流側と下流側の両方を加熱することができる。これにより、少ない加熱部で液体噴射ヘッド全体を効率的に加熱することができ、噴射する液体の粘度を調節することで、液体噴射ヘッドの信頼性を高めることができる。
上記構成において、前記加熱部は、前記ケースの外周面を覆う状態で配置する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、加熱部は、ケースの外周面を覆う状態で配置されたので、ケースの外周を効率良く加熱することができる。
上記構成において、前記ケースの少なくとも一部が金属部材によって構成され、当該金属部材に前記加熱部を臨ませた状態で配置する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、ケースの少なくとも一部が金属部材によって構成され、金属部材に加熱部を臨ませた状態で配置したので、加熱部から生じる熱がケースの金属部材に伝導し、熱伝導率の良好な金属部材がケースを効率よく昇温することで、共通液体流路内の液体を効率良く温めることができる。したがって、液体の粘度を効率良く調整することができる。
上記構成において、前記カバーの少なくとも一部が金属部材によって構成され、当該金属部材に前記加熱部を臨ませた状態で配置する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、カバーの少なくとも一部が金属部材によって構成され、金属部材に加熱部を臨ませた状態で配置したので、加熱部から生じる熱がカバーの金属部材に伝導することで、カバーを介してカバーが重ねられるノズル形成部材を昇温することができる。したがって、ノズル形成部材近傍、特にノズル内の液体を効率良く温めることができ、これにより液体の粘度を効率良く調整することができる。
上記構成において、前記加熱部は、電熱線と、当該電熱線の少なくとも一部を覆う可撓性の絶縁体とを有し、当該絶縁体に前記カバーを接触する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、加熱部は、電熱線と、電熱線の少なくとも一部を覆う可撓性の絶縁体とを有し、絶縁体にカバーを接触させたので、摩擦などによって噴射対象物が帯電することでカバーに静電気が流れたとしても、カバーを通して通電する静電気を加熱部の絶縁体によって遮断することができる。これにより、カバーからグランドへの静電気の除電を行ないつつ、ケース内の制御ICなどの破壊を防止することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、上記各構成の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、噴射不良の発生を抑制し、且つ小型化が可能な液体噴射ヘッドを搭載しているので、信頼性の高い液体噴射装置を提供することが可能となる。
プリンターの構成を説明する断面図である。 ヘッドモジュールの構成を示す平面図である。 単位ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 図3中のIV−IV線に沿う断面図である。 ヒーターの構成を説明する平面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。なお、本実施形態では、液体噴射装置の一形態である画像記録装置、詳しくは、ノズル開口群を等間隔で噴射対象物(又は記録媒体)となる記録紙の最大記録幅に相当する長さに配置した長尺な液体噴射ヘッド(以下、記録ヘッドという)を搭載したインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという)を例に挙げて説明する。
図1は本発明に係るプリンター1の概略構成を説明する断面図、図2はプリンター1におけるヘッドモジュール3の周囲の平面図である。本実施形態のプリンター1は、搬送ユニット7による記録紙4の搬送方向(相対送り方向。以下、第一方向X)に直交する方向(以下、第二方向Y)に複数の単位ヘッド11を配列して構成される記録ヘッドとしてのヘッドモジュール3(本発明の液体噴射ヘッドの一種)と、記録紙4(噴射対象物の一種)を積層状態で収納する給紙トレイ5a及び装置下部に設けられた下段給紙カセット5bからなる給紙部5と、これらの給紙部5a,5bから給紙された記録紙4をヘッドモジュール3の下方を通過させて排紙トレイ10側に搬送する搬送ユニット7と、ヘッドモジュール3によって記録が行われ、搬送ユニット7側から排出された記録紙4を保持する排紙トレイ10とを備え、ヘッドモジュール3を第一方向Xに走査することなく記録紙4の記録領域の全幅にテキストや画像等を記録できるように構成されている。
また、筐体2の内部には、各部の電気的な制御を行うプリンターコントローラー9が設けられている。このプリンターコントローラー9は駆動信号発生回路(図示せず)を有し、この駆動信号発生回路からの駆動信号を信号ケーブルを通じて各単位ヘッド11に出力する。さらに、図示しないが、筐体2の内部にはインク(本発明における液体の一種)を貯留したインクカートリッジ(液体供給源)が配置される。そして、エアポンプ等によるインクカートリッジ内の加圧によって、カートリッジ内に貯留されているインクがインク供給チューブを通じてヘッドモジュール3の各単位ヘッド11に供給(圧送)されるように構成されている。なお、記録紙4に対してヘッドモジュール3を第一方向Xに走査しながら記録を行う構成を採用することもできる。
上記給紙トレイ5aは、上下方向に移動可能に構成されており、記録紙束の上面(最上部の記録紙4の上面)が常にピックアップローラー6と一定圧で当接するように筐体2に対する上下方向の位置が制御されている。そして、ヘッドモジュール3による記録動作の実行タイミングに応じて、記録紙束の最上部から記録紙4がピックアップローラー6により引き出され、分離ローラー12と分離パッド13とにより一枚毎に分離されて下流側へ給送される。記録紙4は、図示しない紙センサー間を通った後、上下一対のレジストローラー14a,14bのニップ部に突き当たる。なお、下段給紙カセット5bからの記録紙4は、複数の中間ローラー15を経由してからレジストローラー14a,14bのニップ部に到達する。これにより、記録紙4の先端姿勢が揃い、記録紙4のスキューが補正される。その後、レジストローラー14a,14bは、規定のタイミングで記録紙4を互いにニップした状態で1枚ずつ搬送ユニット7側へと給送し、記録紙4が搬送ユニット7の搬送ベルト17に到達してから所定のタイミングでニップ状態を解放する。
搬送ユニット7は、図示しない駆動モーターの駆動力によって回転される駆動ローラー18と、駆動ローラー18よりも上流側に配設された従動ローラー19と、駆動ローラー18及び従動ローラー19の間に張設される無端状の搬送ベルト17と、搬送ベルト17に張力を付与するテンションローラー20と、押えローラー21とにより構成されている。テンションローラー20は、駆動ローラー18と、従動ローラー19との間に配設されて搬送ベルト17に内側から当接し、ばね等の付勢部材の付勢力により搬送ベルト17に張力を付与している。また、押えローラー21は、搬送ベルト17を挟んで従動ローラー19の直上に配設され、搬送ベルト上の記録紙4を搬送ベルト17側に押し付けて、記録紙4の搬送ベルト17に対する密着性を高める。
駆動ローラー18は、ヘッドモジュール3の記録動作に同期して駆動されることで搬送ベルト17を回転させ、記録紙4をヘッドモジュール3の下方を通過させて下流側へと搬送するように構成されている。また、搬送ベルト17の回転量は、エンコーダーによって検出される。そして、このエンコーダーの検出信号は、エンコーダーパルスとしてプリンターコントローラー9に出力される。
記録紙4に対し一方の面のみに記録を行う場合は、一方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7から排紙トレイ10へと排紙される。一方、記録紙4の両面に記録を行う場合は、一方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7の下流に配設されたフラッパー22により、用紙反転経路R2へ搬送される。記録紙4が用紙反転経路のUターン部Tまで到達した後、搬送方向を転換させ、記録紙4は再度レジストローラー14a,14b、搬送ベルト17へと順次送られて他方の面の記録が終了した後、搬送ユニット7から排紙トレイ10へと排紙される。
ヘッドモジュール3は、図2に示すように、ヘッドホルダー24に複数の単位ヘッド11を第二方向Yに配設するように構成されている。そして、複数のヘッドモジュール3、本実施形態においては4つのヘッドモジュール3a〜3dが、ヘッド長手方向を第2方向Yに揃えた姿勢で第1方向Xに一定の配置間隔でモジュール取付枠25に取り付けられている。
図3は、単位ヘッド11の構成を説明する正面図であり、図4は、図3中のIV−IV線に沿う断面図である。本実施形態における単位ヘッド11は、圧電振動子群28、固定板29、及び、フレキシブルケーブル30等をユニット化した振動子ユニット31と、この振動子ユニット31を収納可能なヘッドケース32(本発明におけるケースに相当)と、リザーバー(共通インク室)34から圧力室36(圧力発生室の一種)を通りノズル37に至る一連のインク流路を形成する流路ユニット38と、該流路ユニット38の縁部と側面を被う状態でヘッドケース32の先端側に取り付けられるヘッドカバー33(本発明におけるカバーに相当)と、ヘッドケース32の側面に配置されたヒーター39(本発明における加熱部に相当)と、を備えて構成される。
まず、振動子ユニット31について説明する。圧電振動子群28を構成する圧電振動子40(圧力発生素子の一種)は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されており、数十μm程度の極めて細い幅に切り分けられている。そして、この圧電振動子40は縦方向に伸縮可能な縦振動型の圧電振動子として構成されている。各圧電振動子40は、固定端部を固定板29上に接合することにより、自由端部を固定板29の先端縁よりも外側に突出させて所謂片持ち梁の状態で固定されている。そして、各圧電振動子40における自由端部の先端は、後述するように、それぞれ流路ユニット38におけるダイヤフラム部50を構成する島部52に接合される。フレキシブルケーブル30は、固定板29とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子40と電気的に接続されている。このフレキシブルケーブル30の表面には、各圧電振動子40の駆動等を制御するための制御用IC41が実装されている。また、各圧電振動子40を支持する固定板29は、圧電振動子40からの反力を受け止め得る剛性を備えた金属製の板材によって構成される。本実施形態では、厚さが1mm程度のステンレス鋼板によって作製されている。
ヘッドケース32は、例えば、エポキシ系樹脂などの樹脂により作製された中空箱体状部材であり、その先端面(下面)には流路ユニット38を固定し、ケース内部に形成された収容空部42内には、アクチュエーターの一種である前記振動子ユニット31を収容している。また、ヘッドケース32の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路43(本発明における共通液体流路に相当)が形成されている。このケース流路43は、インクカートリッジ側からのインクをリザーバー34に供給するための流路である。
さらに、本実施形態のヘッドケース32の内部、具体的には、収容空部42を区画している区画壁の内部には、図3に示すように、区画壁の補強芯材として、金具44がその長手方向の両端部を外側に露出させた状態でインサート成型されて固定されている。この金具44は、例えば、ステンレス(SUS)などの金属部材によって構成され、ヘッドケース32の高さ方向に亘って配置されている。
次に、流路ユニット38について説明する。流路ユニット38は、ノズルプレート45(本発明におけるノズル形成部材に相当)、流路形成基板46、及び振動板47から構成され、ノズルプレート45を流路形成基板46の一方の表面に、振動板47をノズルプレート45とは反対側となる流路形成基板46の他方の表面にそれぞれ配置して積層し、接着等により一体化することで構成されている。
ノズルプレート45は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル37を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、例えば、180個のノズル37を列状に開設し、これらのノズル37によってノズル列を構成している。そして、このノズル列を横並びに4列設けている。
ヘッドケース32の先端部には、さらにノズルプレート45の外側からその周縁部を包囲するようにヘッドカバー33が取り付けられる。このヘッドカバー33は、例えば金属製の薄板部材によって作製されている。このヘッドカバー33は、ノズルプレート45に重ねられる平板部分と、この平板部分の中央部をノズル列が露出するように開口させて形成された窓33aと、前記平板部分の縁部を後方(図4中上方)に略90度屈曲した側面部分と、この側面部分の内側であってヘッドケース32側面のうち先端側に対向する対向面32bとを有し、平面部分や側面部分で囲繞すると共にグランドに接続することで、流路ユニット38やヘッドケース32の先端部を保護すると共に、ノズルプレート45の帯電を防止する機能を有する。
流路形成基板46は、リザーバー34、インク供給口35、及び圧力室36からなる一連のインク流路を形成する板状部材である。具体的には、この流路形成基板46は、各ノズル37に対応させて圧力室36となる空部を隔壁で区画した状態で複数並べて形成すると共に、インク供給口35およびリザーバー34となる空部を形成した板状の部材である。そして、本実施形態の流路形成基板46は、シリコンウェハーをエッチング処理することで作製されている。上記の圧力室36は、ノズル37の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成され、インク供給口35は、圧力室36とリザーバー34との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成されている。また、リザーバー34は、インクカートリッジに貯留されたインクを各圧力室36に供給するための室であり、インク供給口35を通じて対応する各圧力室36に連通している。
振動板47は、ステンレス鋼等の金属製の支持板48上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルム49をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室36の一方の開口面を封止してこの圧力室36の容積を変動させるためのダイヤフラム部50を有すると共に、リザーバー34の一方の開口面を封止するコンプライアンス部51が形成された部材である。そして、ダイヤフラム部50は、圧力室36に対応した部分の支持板48にエッチング加工を施し、当該部分を環状に除去して圧電振動子40の自由端部の先端を接合するための島部52を形成することで構成されている。この島部52は、圧力室36の平面形状と同様に、ノズル37の列設方向と直交する方向に細長いブロック状であり、この島部52の周りの樹脂フィルム49が弾性体膜として機能する。また、コンプライアンス部51として機能する部分、すなわちリザーバー34に対応する部分は、このリザーバー34の開口形状に倣って支持板48がエッチング加工で除去されて樹脂フィルム49のみとなっている。
そして、上記の島部52には圧電振動子40の先端面が接合されているので、この圧電振動子40の自由端部を伸縮させることで圧力室36の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室36内のインクに圧力変動が生じる。そして、ヘッドモジュール3を構成する各単位ヘッド11は、この圧力変動を利用してノズル37からインク滴を噴射(吐出)させる。
図5は、ヒーター39の構成を説明する平面図である。ヒーター39は、可撓性を有する帯状の絶縁体55によってニクロム線などの電熱線56を封止した、所謂フィルムヒーターである。電熱線56は、その表面が絶縁体55によって覆われており、絶縁体55の幅方向に亘って等間隔に蛇行するように配置され、電熱線56に電流を流すことにより発熱する。そして、ヒーター39は、図3に示すように、その一部が金具44の露出面に重ねられた状態でヘッドケース32の外周面に貼付されることで、ヘッドケース32の外周面を覆うように密着した状態で配置され、さらに、図4に示すように、ヒーター39の外側に位置する絶縁体55の表面に、上記したヘッドカバー33の対向面33bが重ねられる。このようにヘッドカバー33にヒーター39をその内側に臨ませた状態で配置することで、図4に示すように、ヒーター39が、ヘッドケース32の側面とヘッドカバー33の対向面33bとの間に配置される。なお、ヒーター39の絶縁体55にヘッドカバー33を接触させることにより、摩擦などによって記録紙4が帯電して、ヘッドカバー33に静電気が流れたとしても、ヘッドカバー33を通して通電する静電気をヒーター39の絶縁体55によって遮断することができる。これにより、ヘッドケース32内の制御用IC41などの静電気による破壊を防止することができる。
次に、ヒーター39に電流を流すことによる熱の伝導を説明する。まず、ヒーター39の電熱線56に電流を流すことによって、ヒーター39が発熱する。そして、ヒーター39の熱は、ヒーター39と接触するヘッドケース32の側面及びヘッドケース32に埋設された金具44に伝導する一方、ヘッドカバー33の対向面33bのうちヒーター39に重ねられた部分に伝導する。そして、ヘッドケース32側に伝導した熱は、ケース流路43内のインクを加熱すると共に、ヘッドケース32に接合された流路ユニット38の流路形成基板46やノズルプレート45にさらに伝導することで、リザーバー34、インク供給口35、圧力室36及びノズル37内のインクを加熱する。また、ヘッドカバー33に伝導した熱は、ヘッドカバー33が重ねられるノズルプレート45に伝導することで、ノズル37及びリザーバー34内のインクを加熱する。この結果、ヘッドモジュール3を構成する単位ヘッド11内の液体流路の上流側と下流側との両方を効率良く加熱ことができる。このようにして加熱されたインクは、噴射に適した粘度に調整され、これにより圧電振動子40の圧力変動によってノズル37から設計通りの量と速度で吐出される。
このように、本実施形態のヘッドモジュール3を構成する単位ヘッド11は、複数のノズル37を開設したノズルプレート45と、ノズル37に連通する圧力室36が形成された流路形成基板46とを積層した流路ユニット38と、複数の圧力室36に連通して各圧力室36にインクを供給するケース流路43が形成され、流路形成基板46のノズルプレート45とは反対側に接合されたヘッドケース32と、ノズルプレート45に一部が重ねられると共に、ヘッドケース32側面に対向する対向面33bを有するヘッドカバー33と、ヘッドケース32側面に配置されたヒーター39と、を備え、ヒーター39を、ヘッドケース32とヘッドカバー33の対向面33bとの間に配置したので、ヒーター39によってヘッドケース32の側面からケース流路43を加熱することでケース流路43内のインクを温めることに加え、ヒーター39に対向するヘッドカバー33を介してノズルプレート45を加熱することでノズル37内のインクを温めることができ、ヘッドモジュール3の液体流路の上流側と下流側の両方を加熱することができる。これにより、少ないヒーター39でヘッドモジュール3を構成する単位ヘッド11全体を効率的に加熱することができ、噴射するインクの粘度を調節することで、ヘッドモジュール3の信頼性を高めることができる。
また、ヒーター39は、ヘッドケース32の外周面を覆う状態で配置されるので、ヘッドケース32の外周面を効率良く加熱することができる。
また、ヘッドケース32の内部には、両端部を外側に露出させた金具44が固定され、金具44の露出面にヒーター39を臨ませた状態で配置したので、ヒーター39から生じる熱がヘッドケース32の金具44に伝導することで、ケース流路43内のインクを効率良く温めることができ、これによりインクの粘度を効率良く調整することができる。
また、ヘッドカバー33が金属部材によって構成され、ヘッドカバー33にヒーター39を臨ませた状態で配置したので、ヒーター39から生じる熱がヘッドカバー33に伝導することで、ヘッドカバー33を介してヘッドカバー33に重ねられるノズルプレート45に形成されたノズル37内のインクを効率良く温めることができ、これによりインクの粘度を効率良く調整することができる。
また、ヒーター39は、電熱線56と、電熱線56を覆う可撓性の絶縁体55とを有し、絶縁体55にヘッドカバー33を接触させたので、摩擦などによって記録紙4が帯電することでヘッドカバー33に静電気が流れたとしても、ヘッドカバー33を通して通電する静電気をヒーター39の絶縁体55によって遮断することができる。これにより、静電気に起因するヘッドケース32内の制御用IC41などの破壊を防止することができる。
また、本発明に係るプリンター1は、噴射不良の発生を抑制し、且つ小型化が可能なヘッドモジュール3を搭載しているので、印字の高速化を実現できると共に、印字品質を向上させて信頼性を向上させることができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、ヘッドケース32内に金具44をインサート成型する構成を例示したが、これに限られず、ヘッドケース32全体を樹脂や金属で作製しても良い。ヘッドケース32全体を金属で作製した場合には、ヘッドケース32の伝熱効率を高めることができる。また、ヘッドカバー33を金属製の薄板部材によって作製される構成を例示したが、これに限られず、ヘッドカバー33を樹脂部材と金属製の金属部材との両方によって構成しても良い。即ち、ヘッドケース32及びヘッドカバー33の少なくとも一部を金属部材によって構成し、この金属部材にヒーター39を臨ませた状態で配置することで、ヒーター39に熱を効率良く伝導させることができる。
また、上記実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動モードの圧電振動子40を例示したが、これには限られない。例えば、所謂撓み振動モードの圧電振動子や発熱素子を用いる場合にも本発明を適用することが可能である。
そして、本発明は、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,3…ヘッドモジュール,32…ヘッドケース,33…ヘッドカバー,33b…対向面,36…圧力室,37…ノズル,38…流路ユニット,39…ヒーター,43…ケース流路,44…金具,45…ノズルプレート,46…流路形成基板,55…絶縁体,56…電熱線

Claims (6)

  1. 複数のノズルを形成したノズル形成部材と、前記ノズルに連通する圧力室が形成された流路形成基板とを積層した流路ユニットと、
    複数の圧力室に連通して各圧力室に液体を供給する共通液体流路が形成され、流路形成基板に対してノズル形成部材とは反対側に接合されたケースと、
    前記ノズル形成部材に一部が重ねられると共に、前記ケース側面の少なくとも一部に対向する面を有するカバーと、
    前記ケースと前記カバーの対向面との間に配置された加熱部と、
    を備えたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記加熱部は、前記ケースの外周面を覆う状態で配置されたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記ケースの少なくとも一部が金属部材によって構成され、当該金属部材に前記加熱部を臨ませた状態で配置したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記カバーの少なくとも一部が金属部材によって構成され、当該金属部材に前記加熱部を臨ませた状態で配置したことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記加熱部は、電熱線と、当該電熱線の少なくとも一部を覆う可撓性の絶縁体とを有し、当該絶縁体に前記カバーを接触させたことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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