JP2011160295A - アンテナ装置、及び、通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】他のアンテナ装置との電磁界結合の強度を向上させることが可能で、薄型化を実現しつつ、取り扱いが容易な構造を有するアンテナ装置を提供する。
【解決手段】ベース材4を介して、一方の面の導電層にグランド2が形成され、他方の面の導電層に信号が伝送される信号線3が形成されたフレキシブルプリント基板1と、略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となる結合用電極8と、フレキシブルプリント基板1に形成された信号線3と結合用電極8とを、フレキシブルプリント基板1の厚み方向に所定距離離間させて、電気的に接続する電極柱7と、電極柱7の周囲を覆うように配置され、電極柱7の電流経路上のインダクタンス成分を調整する磁性体9とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、対向する一対の電極間での電磁界結合により情報通信を行うアンテナ装置、及び、このアンテナ装置が組み込まれた通信装置に関する。
近年、コンピュータや小型携帯端末等の電子機器間で、音楽、画像等のデータを、ケーブルやメディアを介さずに無線伝送にて行うシステムが開発されている。このような無線伝送システムには、数cmの近距離で最大560Mbps程度の高速転送が可能なものがある。このような高速転送可能な伝送システムの中で、Transferjet(登録商標)は、通信距離が短いが盗聴される可能性が低く、伝送速度が速いという利点がある。
Transferjet(登録商標)では、超近距離を隔てて対応する高周波結合器の電磁界結合によりなしえるもので、その信号品質が高周波結合器の性能に依存する。例えば、特許文献1に記載された高周波結合器は、一方の面にグランドを形成したプリント基板と、プリント基板のもう一方の面に形成したマイクロストリップ構造のスタブと、結合用電極と、この結合用電極とスタブを接続する金属線からなる。また、特許文献1に記載された通信装置では、高周波結合器を構成するプリント基板上に、送受信回路も形成している。
特開2008−311816号公報
ところで、高周波結合器間での電磁界結合の結合強度は、一対の高周波結合器が対向して配された結合状態での結合用電極間の容量分と、結合用電極とスタブを接続する電極柱のインダクタンス分によって大きく変化する。小型化を図るために結合用電極の電極板の面積を小さくすると、高周波結合器の発振周波数を一定に保つには、電極柱のインダクタンスを増やす必要がある。
ここで、電極柱の長さを増やすとインダクタンスを増やすことができるが、これに応じて高周波結合器の高さが増すことになり、薄型化という点で不利になる。
別の方法として、特許文献1に記載された通信装置において、結合用電極とスタブを接続する金属線を細くする、すなわち、電極柱の柱径を細くするとインダクタンスを増やすことができるが、この場合、結合用電極を機械的に保持するための強度が低下し、高周波結合器の取り扱いが困難となってしまった。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、他のアンテナ装置との電磁界結合の強度を向上させることが可能で、薄型化を実現しつつ、取り扱いが容易な構造を有するアンテナ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このアンテナ装置が組み込まれた通信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係るアンテナ装置は、所定の通信周波数により、対向する一対の電極間で電磁界結合することにより情報通信を行うアンテナ装置であって、誘電体を介して、一方の面の導電層にグランド層が形成され、他方の面の導電層に信号が伝送される信号線が形成されたプリント基板と、略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となる結合用電極と、プリント基板に形成された信号線と結合用電極とを、プリント基板の厚み方向に所定距離離間させて、電気的に接続する電極柱と、電極柱の周囲を覆うように配置され、電極柱の電流経路上のインダクタンス成分を調整する磁性体とを備える。
また、本発明に係る通信装置は、対向する位置に配置された他の通信装置の電極間での電磁界結合により情報通信を行う通信装置であって、誘電体を介して、一方の面の導電層にグランド層が形成され、他方の面の導電層に情報を伝送する信号線が形成されたプリント基板と、略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となる結合用電極と、プリント基板に形成された信号線と結合用電極とを、プリント基板の厚み方向に所定距離離間させて、電気的に接続する電極柱と、電極柱の周囲を覆うように配置され、電極柱のインダクタンス成分を高める磁性体と、信号線の一端に形成された接続用端子を介して電気的に接続され、信号の送受信処理を行う送受信処理部とを備える。
本発明は、プリント基板に形成された信号線と結合用電極とを電気的に接続する電極柱の周囲を覆うように配置された磁性体により、電極柱のインダクタンスを調整することができるので、他のアンテナ装置との電磁界結合の強度を向上させることが可能で、さらに、電極柱の物理的な強度を増すことができ、薄型化を実現しつつ取り扱いを容易にすることができる。
本発明が適用されたアンテナ装置が組み込まれる通信システムの構成を示す図である。 本発明が適用されたアンテナ装置である第1の実施形態に係る高周波結合器の構成を示す図である。 高周波結合器間での通信状態を示す斜視図である。 電極柱の径を変化させたときの結合強度の変化について説明するための図である。 電極柱の周囲を覆うように配置された磁性体の比透磁率を変化させたときの結合強度の変化について説明するための図である。 本発明が適用されたアンテナ装置である第2の実施形態に係る高周波結合器の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
<通信システム>
本発明が適用されたアンテナ装置は、対向する一対の電極間での電磁界結合により情報通信を行う装置であって、例えば図1に示すような、560Mbps程度の高速転送を可能とする通信システム100に組み込まれて使用されるものである。
通信システム100は、2つのデータ通信を行う通信装置101、105から構成される。ここで、通信装置101は、電極103を有する高周波結合器102と、送受信回路部104とを備える。また、通信装置105は、電極107を有する高周波結合器106と、送受信回路部108とを備える。
図1に示すように通信装置101、105のそれぞれが備える高周波結合器102、106を向かい合わせて配置すると、2つの電極103、107が1つのコンデンサとして動作し、全体としてバンドパスフィルタのように動作することによって、2つの高周波結合器102、106の間で、例えば560Mbps程度の高速転送を実現するための4〜5GHz帯域の高周波信号を効率よく伝達することができる。
ここで、高周波結合器102、106がそれぞれ持つ送受信用の電極103、107は、例えば3cm程度離間して対向して配置され、電界結合が可能である。
通信システム100において、例えば、高周波結合器102に接続された送受信回路部104は、上位アプリケーションから送信要求が生じると、送信データに基づいて高周波送信信号を生成し、電極103から電極107へ信号を伝搬する。そして、受信側の高周波結合器106に接続された送受信回路部108は、受信した高周波信号を復調及び復号処理して、再現したデータを上位アプリケーションへ渡す。
なお、本発明が適用されるアンテナ装置は、上述した4〜5GHz帯域の高周波信号を伝達するものに限定されず、他の周波数帯の信号伝達にも適用可能であるが、以下の具体例では、4〜5GHz帯域の高周波信号を伝達対象として説明する。
<第1の実施形態>
このような通信システム100に組み込まれるアンテナ装置として、図2に示すような第1の実施形態に係る高周波結合器110について説明する。
すなわち、高周波結合器110は、フレキシブルプリント基板1と、結合用電極8と、フレキシブルプリント基板1上に形成された信号線3と結合用電極8とを電気的に接続する電極柱7と、電極柱7の周囲を覆うように配置した磁性体9を備える。
フレキシブルプリント基板1は、誘電体として機能するベース材4の両面に銅箔を配した可撓性を有する両面プリント基板で、一方の面の導電層をグランド2とし、もう一方の面の導線層にパターニング処理により信号線3が形成されたものである。
フレキシブルプリント基板1のベース材4は、導電層よりも誘電性が優位な物質であり、例えば、25〜125μm厚の誘電性材料で、特に、ポリイミド、液晶ポリマー、テフロン(登録商標)等の低誘電率で、誘電損失の小さい材料からなるものが好ましい。
結合用電極8は、略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となるアンテナとして機能するものである。このような結合用電極8は、上述したように略平面状の導体で、円形、四角形、多角形等の形状とすることができ、材料としては銅、黄銅、ステンレス等の剛性を有する良導体を用いることが好ましい。
電極柱7は、フレキシブルプリント基板1の厚み方向Hに所定距離離間させて、フレキシブルプリント基板1に形成された信号線3と、結合用電極8とを電気的に接続する。このような電極柱7は、結合用電極8と同様な剛性を有する良導体で、結合用電極8と信号線3とそれぞれ半田等の導電性を有する接合材で接合される。
このような接続材による電気的信頼性、機械的強度を向上させるために、信号線3のライン幅を被接合部分で電極柱7の径よりも広げて導電性材料で十分な接合強度が得られるようにすることが好ましく、更に接合された部分の周りを有機接着剤等で補強する等の処置を施すようにすることも好ましい。
電極柱7は、結合用電極8と別々に作製して接続しても、結合用電極8の一部を加工して結合用電極8と一体物として作製してもよい。また、図2中で示される結合用電極110において、電極柱7は一本としているが、結合用電極8を支える役割も担うので強度を向上させるために複数本としてもよい。
また、電極柱7は結合用電極8の中心付近に接合するが、複数本で用いる場合も結合用電極8の中心付近に接合することが好ましい。電極柱7を複数本用いるとき、電極柱7と信号線3との接続状態を考慮すると、信号線3の線幅が狭く線幅内に収まらない場合があるが、この場合は信号線3の線幅を部分的に広くして接合できるようにする。
磁性体9は、電極柱7の外周に電極柱7を覆うように設置されるものある。この磁性体9は、一定の厚みをもたせた磁性粒子配合の成型品としているが、電極柱7の外周部にメッキや薄膜形成プロセス等で形成した薄膜であってもよい。磁性体9は、電極柱7のインダクタンス成分を高めるためのものであって薄膜形状でもよいが、一定の厚みをもたせた成型品とすることで、電極柱7と合わせて結合用電極8の支持を強固にできる。
以上のような構成からなる高周波結合器110において、フレキシブルプリント基板1上に形成された信号線3に係る構成が次のようになっている。すなわち、信号線3は、その一端が、スルーホール5によりグランド2と短絡処理されている。例えば、信号線3は、スルーホール5に設けた導電性メッキ膜あるいは導電性ペースト等によりベース材4を貫通してグランド2に接合されることで、短絡処理がなされる。なお、グランド2との接続は電気的に短絡するためのものであり、貫通バンプ等の導電性の柱により信号線3とグランド2とを接続してもよい。
また、図2中に示す高周波結合器110では、信号線3のうち、通信感度を高める観点から、スルーホール5により短絡処理されている端部から電極柱7との接続点までの距離が、通信周波数の略4分の1波長の整数倍離れるようにした共振ライン3aとして機能する。
このように、共振ライン3aは、他の高周波結合器が備える結合用電極と、当該高周波結合器110の結合用電極8の結合効率を上げるために用いるもので、上述したようにグランド2に接続することでショートスタブとなり、この部分では電圧が0となるため、この部分からライン上で通信周波数の略4分の1波長の距離に電極柱7が接続されると、その接続点で電圧が最大となり結合効率が良好となる。共振ライン3aは、高周波結合器間の結合効率を上げる役割を担うので、そのライン長を通信周波数の略4分の1波長の整数倍に設定することが好ましい。
図2に示す高周波結合器110では、信号線3の共振ライン3a側の端部をスルーホール5を介したショートスタブとしているが、開放端としたオープンスタブとしてもよい。但し、このオープンスタブの場合も共振ライン3aと電極柱7の接合部で電圧が最大となるように、共振ライン3aのライン長を調整する必要がある。
また、信号線3のライン形状は、必ずしも直線状にする必要はなく曲率を持たせた曲線状としたり、図2に示されるように折り曲げて用いることもできる。
このような共振ライン3aが形成された端部に対して、もう一方の信号線3の端部は、送受信回路基板との接続用端3bとなる。この接続用端3bは、図には明示しないフレキシブルプリント基板1を貫通させたコネクタ端子に接続したり、あるいはフレキシブルプリント基板1の端部まで信号線3を延長してそこに接続用端子を設けるなどして用いる。
なお、高周波結合器110では、プリント基板として、フレキシブルプリント基板1を用いているが、これに限定されず、可撓性を有さないリジットプリント基板などを用いるようにしてもよいが、フレキシブルプリント基板1を用いることで、自由に折り曲げて使うことができ、設置場所に対する自由度を高めることができる点で好ましい。
次に、第1の実施形態に係る高周波結合器110の性能を調べるために、アンソフト社製の3次元電磁界シミュレータHFSSを用いて通信特性の解析を行なった。
解析モデルは、図2の構成の高周波結合器110として、具体的な条件は、次のようなものを用いた。すなわち、フレキシブルプリント基板1は、ベース材4に50μmの液晶ポリマーを用いた両面銅箔基板、結合用電極8は直径10mmの薄銅板、電極柱7は直径0.4mm、高さ2.4mmの鉄製柱を想定している。なお、接続用端3bは0.5mmピッチの低背コネクタに嵌合する構造としている。
このように構成された2つの高周波結合器110a、110bを図3に示すように対向させて、一方の高周波結合器110aの接続用端3bに入力信号を加え、他方の高周波結合器110bの接続用端3bで信号を受けた場合の結合強度を解析した。ここで、結合強度は、Sパラメータの透過特性S21を用いて評価した。
図3は、電極柱7の半径Rを、0.15mm、0.2mm、0.35mm、0.5mmとした場合の結合強度S21の周波数特性を重ねて示したものである。但し、この周波数特性においては、磁性体9がない場合の結合強度をみる比較例として、磁性体9の比透磁率を0としている。
例えば、TransferJet(登録商標)の通信では4.48GHzの周波数が用いられるが、図3に示す比較例を見ると、電極柱7の半径が大きくなると通信周波数で結合強度が低下していくことが明らかである。この比較例で示される結果から、結合用電極8が大きい高周波結合器110では電極柱7のインタクタンス成分を大きくするために柱径を小さくしていく必要があるが、柱径が細くなりすぎると結合用電極8の機械的支持が困難となり高周波結合器110を作製することができなくなる。
このような比較例に対して、電極柱7と、電極柱7の周囲を覆うように配置される磁性体9を次のような条件となるようにして作製した高周波結合器110の結合強度を解析した。具体的には、電極柱7の半径Rを0.5mmとして、その外周に厚さ0.5mmの磁性体9を配し、その比透磁率をそれぞれ0、2、4、6とした場合の結合強度の解析結果を図5に示す。ここで、この図5の解析結果において、比透磁率0は図4のR=0.5mmの解析結果に該当する。
図5の結果より、比透磁率が高い磁性体9を用いることで、結合強度S21を大きく改善することができる。この例では、図4と図5との解析結果を比較すると、半径0.2mmの電極柱の代わりに、半径0.5mmの電極柱とその外周の肉厚0.5mmの比透磁率6の磁性体を用いることで、同等な結合強度を得ることができ、結合強度を低下させることなく、結合用電極の機械的支持強度を大幅に改善することができることを示している。このような磁性体9によるインダクタンス改善の効果は、磁性体の容積と比透磁率に依存し、材料の比透磁率が低い場合は容積を増やすことで調整できる。
磁性体の比透磁率は高い方がよいが、その虚数成分が高いと高周波結合器周辺の電磁界成分を吸収してしまい、高周波結合器結合強度を低下させてしまう。したがって、磁性体としては、通信周波数で透磁率虚数成分が極力小さい材料が好ましい。このような磁性材料としては、バリウムフェライト等の六方晶系フェライトや、ナノ〜ミクロンオーダーの磁性金属粒子を樹脂中に分散させたもの、あるいはナノ〜サブミクロンオーダーの磁性金属粒子を酸化物母体に析出させたグラニュラー構造、ヘテロアモルファス構造のものが挙げられる。
以上のように、高周波結合器110は、フレキシブルプリント基板1に形成された信号線3と結合用電極8とを電気的に接続する電極柱7の周囲を覆うように配置された磁性体9により、電極柱7のインダクタンスを調整することができるので、他のアンテナ装置との電磁界結合の強度を向上させることが可能で、さらに、電極柱7の物理的な強度を増すことができ、薄型化を実現しつつ取り扱いを容易にすることができる。
特に、高周波結合器110では、物理的な制約により結合用電極8の形状が制限されるとき、電極柱7のインダクタンスを調整することで、当該高周波結合器110の発振周波数を通信周波数と一致するように調整することを要する。これは、結合用電極が、予め決められた通信周波数により、対向する位置に配置された結合用電極と電磁界結合されて通信可能となるからである。
結合用電極8の形状が制限されるなど、電極柱7のインダクタンスのみによって発振周波数を調整しなければならない場合、高周波結合器110は、磁性体9の透磁率と膜厚とのうち少なくとも何れか一方を調整することで、電極柱7のインダクタンスによって変化する当該高周波結合器110の発振周波数が通信周波数と一致するように調整する。このようにして、高周波結合器110は、物理的な制約により結合用電極8の形状が制限されるような場合においても、磁性体9の特性を調整することで、他の高周波結合器110と電磁界結合されて通信することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明が適用されたアンテナ装置の他の実施形態として、図6に示すような高周波結合器120の構成について説明する。
高周波結合器120は、上述した第1の実施形態に係る高周波結合器110と同様に、フレキシブルプリント基板1と、結合用電極8と、フレキシブルプリント基板1上に形成された信号線3と結合用電極8とを電気的に接続する電極柱7と、電極柱7の周囲を覆うように配置した磁性体9を備える。これに加えて、高周波結合器120は、結合用電極8を保持する固定部材として、上部基板16を備える。
ここで、第1の実施形態に係る高周波結合器110では、結合用電極8が細い電極柱7を介して保持されるために強度が弱く、完成品を移動させる際に注意が必要であったのに対して、本実施形態に係る高周波結合器120は、上部基板16により結合用電極8が強固に保持されるので、結合用電極8の物理的な強度を高めて、衝撃や加圧などによる変形を防止することができる。すなわち、高周波結合器120の移動にかかわる取扱が容易となる。
なお、本実施形態に係る高周波結合器120は、上部基板16を有する以外は、上述した第1の実施形態に係る高周波結合器110が備える構成と同様なので、図6中において同様の符号を付し、各要素についての説明を省略するものとする。
このような構成からなる高周波結合器120では、上部基板16により結合用電極8が保持するため、次のような接続方法によって、電極柱7と、この外周に設置された磁性体9が上部基板16を貫通して、信号線3と結合用電極8が電気的に接続される。
まず、高周波結合器120では、結合用電極8を、磁性体9をメッキ処理等により埋設した上部基板16の片面、すなわち図6の上面16aに、その中心軸を埋設されている磁性体9の中心軸と合わせてメッキ等により形成する。続いて、高周波結合器120では、結合用電極8の中心を上部基板16と共に貫通穴あけ処理によりスルーホール16cを形成する。このスルーホール16cが信号線3の所定の位置に合わさるようにして、上部基板16のもう一方の面、すなわち図6の下面16bをフレキシブルプリント基板1に接着させる。そして、このスルーホール16cを介したメッキ処理あるいは導電性ペースト等により、結合用電極8と信号線3を電気的に接続する。
なお、上記の接続方法は、電気的接続方法の一例であって、例えばメッキ処理されたスルーホール16cに、結合用電極8と接続された針状の電極柱7を挿入しハンダあるいは導電性ペーストにより信号線3と接続するなどの方法を用いるようにしてもよい。すなわち、高周波結合器120では、結合用電極8と信号線3と、誘電体基板である上部基板16を挟んで所定距離離間させた状態で電気的に接続できれば、いずれの接続方法を用いても良い。
以上のようにして、第2の実施形態に係る高周波結合器120では、電極柱7に磁性体9を被覆して電極柱7の柱径を大きくしても、所望とする結合強度を実現できるのに加えて、当該高周波結合器120の作製プロセスを容易にすることができる。すなわち、上述したように、スルーホール16cを介して、結合用電極8と信号線3とを接続するには、スルーホール16cの径が小さいと、電極柱7をメッキ処理で形成する場合はスルーホール16cの内壁に十分な厚みの導電層が形成されず、また電極柱7を導電性ペーストを用いて形成する場合はペーストの充填が不完全になるなどの問題が生じる。
これに対して、第2の実施形態に係る高周波結合器120では、上部基板16の厚みに対して一定量の開口幅を確保しても、所望とする結合強度を実現できるので、上記のような問題が生じることなく、作製プロセスを容易にするとともに、プロセスの選択肢を拡げることができる。
上部基板16の材料としては、特に比誘電率の低い材料を用いることが好ましく、例えば比誘電率が有効数字1桁で2台のテフロン、液晶ポリマー等が候補と挙げられるが、特に結合強度を向上させたい場合は、低誘電材料であるフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリイミド等を発泡させて作製する比誘電率が有効数字1桁で1台の多孔質材料を用いるのが好ましい。
このように、第2の実施形態に係る高周波結合器120では、上述した高周波結合器110と同様な通信特性を実現しつつ、さらに、結合用電極8と信号線3とが、上部基板16を挟んで所定距離離間されて電気的に接続されるので、結合用電極8の物理的な強度を高めて、衝撃や加圧などによる変形を防止することができる。
1 フレキシブルプリント基板、2 グランド、3 信号線、3a 共振ライン、3b 接続用端、4 ベース材、5、16c スルーホール、7 電極柱、8、102、106、110、110a、110b、120 結合用電極、9 磁性体、16 上部基板、16a 上面、16b 下面、100 通信システム、101、105 通信装置、103、107 電極、104、108 送受信回路部

Claims (5)

  1. 所定の通信周波数により、対向する一対の電極間で電磁界結合することにより情報通信を行うアンテナ装置において、
    誘電体を介して、一方の面の導電層にグランド層が形成され、他方の面の導電層に信号が伝送される信号線が形成されたプリント基板と、
    略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となる結合用電極と、
    上記プリント基板に形成された信号線と上記結合用電極とを、上記プリント基板の厚み方向に所定距離離間させて、電気的に接続する電極柱と、
    上記電極柱の周囲を覆うように配置され、該電極柱の電流経路上のインダクタンス成分を調整する磁性体とを備えるアンテナ装置。
  2. 上記結合用電極は、所定の通信周波数により、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となり、
    上記電極柱の周囲を覆うように配置した磁性体は、上記電極柱のインダクタンスによって変化する当該アンテナ装置の発振周波数が、上記所定の通信周波数と一致するように、該磁性体の透磁率と膜厚とのうち少なくとも何れか一方が調整されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 上記結合用電極は、上記プリント基板の信号線が形成された面と、該プリント基板の厚み方向に誘電体からなる固定部材を挟んで、所定距離離間されていることを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  4. 上記プリント基板は、可撓性を有するフレキシブルプリント基板であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のアンテナ装置。
  5. 対向する位置に配置された他の通信装置の電極間での電磁界結合により情報通信を行う通信装置において、
    誘電体を介して、一方の面の導電層にグランド層が形成され、他方の面の導電層に情報を伝送する信号線が形成されたプリント基板と、
    略平面状の導体からなり、対向する位置に配置された他のアンテナ装置の電極と電磁界結合されて通信可能となる結合用電極と、
    上記プリント基板に形成された信号線と上記結合用電極とを、上記プリント基板の厚み方向に所定距離離間させて、電気的に接続する電極柱と、
    上記電極柱の周囲を覆うように配置され、該電極柱のインダクタンス成分を高める磁性体と、
    上記信号線の一端に形成された接続用端子を介して電気的に接続され、信号の送受信処理を行う送受信処理部とを備える通信装置。
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