JP2018152797A - アンテナ装置及びアンテナ装置を備えた電子機器 - Google Patents

アンテナ装置及びアンテナ装置を備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】第1及び第2の周波数帯域に用いられる第1及び第2のアンテナ素子のそれぞれの放射特性を大きく変化させることなく、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間の干渉を低減する。【解決手段】アンテナ装置は、接地導体と、互いに離間して配置された第1及び第2の給電点と、第1の給電点に接続された第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、第2の給電点に接続された第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子と、接地導体の表面から離間して配置され接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する無給電素子とを有する。無給電素子の第1端部と接地導体との接続点から第1の給電点までの距離は、前記接続点から第2の給電点までの距離よりも小さく、無給電素子の電気長は、無給電素子が第2の周波数帯域において共振する長さに設定されている。【選択図】図4

Description

本発明は、異なる周波数帯域に対応した複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置及びそのようなアンテナ装置を備えた電子機器に関する。
交通安全白書によると、近年の交通事故者数の絶対値は減少傾向を維持しているが、内訳をみると歩行中の割合が一番高い点が指摘されている。そのような歩行者に対する安全性を向上させるべく、安全運転支援無線システムであるITS(Intelligent Transport System)の歩車間通信システムを用いることが研究、開発されている。
歩車間通信システムに用いられる歩車間通信装置は、歩車間通信装置を所持する移動体(歩行者、車両)の情報(現在位置、進行方向、移動速度等)を取得し、自身の情報をブロードキャストで送信する。これにより、歩車間通信装置は、他の歩車間通信装置から受信した上記情報と、自身における上記内容の情報とに基づき、交通事故の防止を図ることができる。
スマートフォンなどの携帯端末に歩車間通信装置の機能を持たせることが考えられるが、その場合、携帯端末には、携帯基地局との通信のための(即ち、セルラーシステム用の)周波数帯域に対応したアンテナと、ITS用の周波数帯域に対応したアンテナの2つのアンテナが設けられる。このように複数のアンテナを携帯端末に設ける場合、これらアンテナ間の結合を弱め(即ち、アンテナ間のアイソレーションを向上し)アンテナ間の干渉を抑制することが好ましい。
特許文献1には、高いアイソレーション効果を実現したアンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器を提供するため、電子機器の接地部に対し略平行に配置され、当該接地部に接地素子を介して接続されるアンテナ用接地部と、アンテナ用接地部の辺に沿って予め定められた距離内で近接配置され、送信又は受信対象とする周波数帯域が略同一に設定された第1及び第2のアンテナユニットとを具備し、第1のアンテナユニットは、アンテナ用接地部の前記辺の近傍に配置された第1の給電点と、中間部が少なくとも1回折曲形成され、一端部が前記第1の給電点に接続されると共に他端部が開放された第1の給電素子と、一端部がアンテナ用接地部に接続されると共に他端部が開放され、第1の給電素子に対し電気的に結合して動作する第1の無給電素子とを備え、第2のアンテナユニットは、アンテナ用接地部の前記辺の近傍位置に、第1の給電点から離間して配置された第2の給電点と、中間部が少なくとも1回折曲形成され、一端部が前記第2の給電点に接続されると共に他端部が開放された第2の給電素子と、一端部がアンテナ用接地部に接続されると共に他端部が開放され、第2の給電素子に対し電気的に結合して動作すると共に、第1の無給電素子に対しても電気的に結合する第2の無給電素子とを備えるアンテナ装置が開示されている。このアンテナ装置では、第1の無給電素子の接地位置と第2の無給電素子の接地位置との間の距離は、前記周波数帯域に対応する波長の略1/20以下となるように設定されている。また、第1の無給電素子の先端からアンテナ用接地部の辺を経由して第2の無給電素子の先端に至る長さが、前記周波数帯域に対応する波長の略1/2となるように設定されている。
特許文献2には、アンテナ間の相互干渉を低減してアイソレーション特性の向上を図ったアンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器が開示されている。このアンテナ装置では、接地パターンが形成されたアンテナ基板の上記接地パターンの角部近傍に第1の給電端子を設けると共に、上記アンテナ基板における上記接地パターンの中間部位に相当する位置に第2の給電端子を設けられている。これら第1及び第2の給電端子間の距離は、予め設定した共振周波数に対応する波長の略1/4波長以下の距離内に設定される。上記第1の給電端子には、上記共振周波数を含む第1の帯域を通信帯域とする第1のアンテナの一端が接続される。また、上記第2の給電端子には、上記第1のアンテナの共振周波数を少なくとも含む第2の帯域を通信帯域とする第2のアンテナの一端が接続される。これら第1及び第2のアンテナは、上記接地パターンに対し並行する部位を有しこれらの並行部位が同一方向を向くように配置される。さらに、上記第1のアンテナと第2のアンテナとの間には、上記アンテナ基板の接地パターンから突出した状態に第1の突出部が設けられる。この第1の突出部は、上記第1及び第2の給電端子間で互いの給電端子に流れ込む高周波電流の電流量を減少させる機能を有する。
特許文献3には、第1及び第2アンテナ間のアンテナ相関係数を改善できる(即ち、アンテナ間のアイソレーションを高めることができる)アンテナ装置及び携帯端末を提供するため、携帯端末に内蔵される基板の一端に設けられ、電波の受信を行う第1アンテナと、基板の他端に設けられ、電波の送受信を行う第2アンテナと、基板の前記一端側に設けられ、第1アンテナに給電を行う第1給電手段と、基板の他端側に設けられ、第2アンテナに給電を行う第2給電手段と、を備えるアンテナ装置であって、基板には、第1給電手段と第2給電手段とを結ぶ線と平行に延在し、一端が第1給電手段と第2給電手段との略中心で基板のグランドに接続され、他端が第1給電手段近傍で解放された導体部材が設けられていることを特徴とするアンテナ装置が開示されている。基板は、その一面がGNDとして構成されたGND基板である。導体部材は、第1及び第2給電手段を結ぶ線方向に流れる基板上の電流に対する逆位相電流を発生させる。導体部材の基板との接続部には、導体部材により生じる共振の周波数を調整するためのインダクタが設けられている。インダクタは、共振の周波数が第2アンテナの送信帯付近となるように、周波数調整される。
特許第5076019号公報 特許第5162012号公報 特開2015−037241号公報
特許文献1に記載のアンテナ装置では、第1及び第2の無給電素子により、周波数帯域が略同一に設定された第1及び第2のアンテナユニットの放射特性(指向性、偏波特性など)が、無給電素子がない場合と比べて大きく変化するという問題がある。
特許文献2に記載のアンテナ装置では、第1のアンテナと第2のアンテナの間においてアンテナ基板の接地パターンから突出した突出部が、これらアンテナが対応している周波数において共振する長さでないため、アイソレーション向上の効果が小さいという問題がある。
特許文献3に記載のアンテナ装置では、第1給電手段と第2給電手段とを結ぶ線と平行に延在し、一端が第1給電手段と第2給電手段との略中心で基板のグランドに接続され、他端が第1給電手段近傍で解放された導体部材(無給電素子)が設けられており、それにより、第1及び第2給電手段を結ぶ線方向に流れる基板上の電流に対する逆位相電流を発生させ、第1及び第2アンテナ間のアンテナ相関係数の劣化に繋がる第1及び第2給電手段を結ぶ線方向に流れる電流を抑制するものである。しかしながら、特許文献3に記載の直線状の導体部材では、基板上の電流を十分抑制することができず、アンテナ相関係数改善(即ち、アイソレーション改善)の効果が小さいという問題がある。
本発明は、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子とを有し、第1及び第2のアンテナ素子のそれぞれの対応周波数帯域における放射特性を大きく変化させることなく、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションが改善されたアンテナ装置、及び、そのようなアンテナ装置を備えた電子機器を提供することを主な目的とする。
本発明のアンテナ装置は、接地導体と、前記接地導体上または前記接地導体の近傍に互いに離間して配置された第1及び第2の給電点と、前記第1の給電点に電気的に接続された、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、前記第2の給電点に電気的に接続された、前記第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子と、前記接地導体の表面から離間して配置され前記接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、前記接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する無給電素子とを有し、前記無給電素子の前記第1端部と前記接地導体との間の接続点から前記第1の給電点までの距離は、当該接続点から前記第2の給電点までの距離よりも小さく、前記無給電素子の電気長は、前記無給電素子が前記第2の周波数帯域において共振する長さに設定されている。
また、本発明の電子機器は、前記アンテナ装置と、前記アンテナ装置の前記第1及び第2の給電点に第1及び第2の給電線を介して接続され、前記アンテナ装置を介して外部と通信する無線通信部とを備える。
本発明によれば、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子とを有し、第1及び第2のアンテナ素子のそれぞれの対応周波数帯域における放射特性を大きく変化させることなく、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションが改善されたアンテナ装置、及び、そのようなアンテナ装置を備えた電子機器が提供される。
第1実施形態に係るアンテナ装置を備えた電子機器の概略構成を示すブロック図 第1のアンテナ素子の周波数帯域及び第2のアンテナ素子の周波数帯域を示す模式図 第1実施形態に係るアンテナ装置を示す平面図 図3に示したアンテナ装置の斜視図 第1実施形態のアンテナ装置におけるアンテナ素子間のアイソレーション特性を比較例と対比して示す図 第1実施形態のアンテナ装置における第1のアンテナ素子のアンテナ効率を比較例(無給電素子が設けられていない点以外は第1実施形態のアンテナ装置と同じ構成のアンテナ装置)と対比して示す図 第1実施形態のアンテナ装置における第2のアンテナ素子のアンテナ効率を比較例と対比して示す図 従来のアンテナ装置において第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子に給電したときの電流分布を示す平面図 第1実施形態のアンテナ装置において第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子に給電したときの電流分布を示す平面図 第2実施形態に係るアンテナ装置を示す平面図 図10に示したアンテナ装置の斜視図 第3実施形態に係るアンテナ装置が用いられる2.4GHz帯の複数の周波数チャンネルを示す説明図 第3実施形態に係るアンテナ装置の要部の構成を示す模式図 第4実施形態に係るアンテナ装置を示す平面図
前記課題を解決するためになされた第1の発明に係るアンテナ装置は、接地導体と、前記接地導体上または前記接地導体の近傍に互いに離間して配置された第1及び第2の給電点と、前記第1の給電点に電気的に接続された、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、前記第2の給電点に電気的に接続された、前記第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子と、前記接地導体の表面から離間して配置され前記接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、前記接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する無給電素子とを有し、前記無給電素子の前記第1端部と前記接地導体との間の接続点から前記第1の給電点までの距離は、当該接続点から前記第2の給電点までの距離よりも小さく、前記無給電素子の電気長は、前記無給電素子が前記第2の周波数帯域において共振する長さに設定されている。
この構成によると、無給電素子の第1端部と接地導体との間の接続点から第1のアンテナ素子の第1の給電点までの距離が、当該接続点から第2のアンテナ素子の第2の給電点までの距離よりも小さく、無給電素子の電気長が、当該無給電素子が第2の周波数帯域において共振する長さに設定されているので、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子に給電したとき、第1のアンテナ素子と無給電素子とが電磁的に強く結合し、無給電素子と、接地導体の無給電素子に対向する部分とに電流が集中する。それにより、無給電素子が設けられていない場合と比べて、第2のアンテナ素子上に分布する電流が大きく低減される。即ち、第2の周波数帯域における第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子のアイソレーションが改善される。また、無給電素子は接地導体の表面に沿って延在しており、接地導体から突出する部分を有していない。そのため、概ね第2の周波数帯域のみの極めて狭帯域な共振特性を実現しており、無給電素子が設けられていない場合と比べて、第1の周波数帯域における第1のアンテナ素子の放射特性(指向性、偏波特性など)が大きく変化しない。また、第2のアンテナ素子とは疎結合なので、第2の周波数帯域における第2のアンテナ素子の放射特性は大きく変化しない。従って、第1の発明によれば、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子とを有し、第1及び第2のアンテナ素子のそれぞれの対応周波数帯域における放射特性を大きく変化させることなく、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションが改善されたアンテナ装置が提供される。
また、第2の発明では、前記無給電素子の電気長は、前記第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4の長さに設定されている。
この構成によると、無給電素子の長さを短くしつつ、無給電素子が第2の周波数帯域において共振し易くし、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションを改善することができる。
また、第3の発明では、前記第2の周波数帯域の帯域幅は前記第1の周波数帯域の帯域幅より狭い。
この構成によると、第2の周波数帯域で共振する無給電素子の共振帯域幅が狭くなるので、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間のアイソレーションを改善しつつ、無給電素子を設けることによる第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子のそれぞれの周波数帯域におけるアンテナ効率の低下を効果的に防止することができる。
また、第4の発明では、前記接地導体は、第1の辺と、前記第1の辺から前記第1の辺に対し交差する方向に延びる第2の辺とを有し、前記第1のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺の近傍に設けられ、前記無給電素子は前記接地導体の前記第2の辺に対し交差する方向に延在する部分を有する。
この構成によると、無給電素子の共振の帯域幅が狭くなり、無給電素子と第1のアンテナ素子の電磁的結合が一層強まるため、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との間のアイソレーションが一層改善される。
また、第5の発明では、前記第2のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺に対向する第3の辺の近傍に設けられ、前記無給電素子の前記第2端部は前記第1端部よりも前記接地導体の前記第1の辺に近接して位置している。
この構成によると、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子に給電したとき、無給電素子及び接地導体の無給電素子に対向する部分に分布する電流は、第2の辺の近傍に設けられた第2のアンテナ素子から離れた部分に集まるので、第2のアンテナ素子へと流れにくい。従って、第1のアンテナ素子に給電したとき第2のアンテナ素子上に生じる電流が低減される。即ち、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との間のアイソレーションが向上する。
また、第6の発明では、前記無給電素子は、前記第1端部から前記接地導体の表面から離れる方向に延びる第1部分と、前記第1端部から離れた側の前記第1部分の端部から前記第2の辺に対し略垂直な方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第2部分と、前記第2部分の前記第1部分から離れた側の端部から前記第1の辺に向かう方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第3部分とを有する。
この構成によると、接地導体の第2の辺に対し略垂直な方向に接地導体の表面に沿って延びる第2部分によって無給電素子の共振帯域幅が狭まり、無給電素子と第1のアンテナ素子との電磁的結合が一層強まる。また、無給電素子の第2端部が第1端部よりも接地導体の第1の辺に近接して位置する構成を容易に実現できる。
また、第7の発明では、前記第2のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺の近傍に設けられ、前記無給電素子の前記第2端部は前記第1端部よりも前記接地導体の前記第1の辺から離れて位置している。
この構成によると、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子に給電したとき、無給電素子及び接地導体の無給電素子に対向する部分に分布する電流は、第1の辺の近傍に設けられた第2のアンテナ素子から離れた部分に集まることとなり、第2のアンテナ素子へと流れにくい。従って、第1のアンテナ素子に給電したとき第2のアンテナ素子上に生じる電流が低減される。即ち、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子との間のアイソレーションが向上する。
また、第8の発明では、前記無給電素子は、前記第1端部から前記接地導体の表面から離れる方向に延びる第1部分と、前記第1端部から離れた側の前記第1部分の端部から前記第2の辺に対し略直交する方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第2部分と、前記第2部分の前記第1部分から離れた側の端部から前記第1の辺から離れる方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第3部分とを有する。
この構成によると、接地導体の第2の辺に対し略垂直な方向に接地導体の表面に沿って延びる第2部分によって無給電素子の共振帯域幅が狭まり、無給電素子と第1のアンテナ素子との電磁的結合が一層強まる。また、無給電素子の第2端部が第1端部よりも接地導体の第1の辺から離れて位置している構成を容易に実現できる。
また、第9の発明では、前記第1のアンテナ素子は第3の周波数帯域にも用いられ、前記第2の周波数帯域は前記第1の周波数帯域と前記第3の周波数帯域の間に位置する。
この構成によると、第1のアンテナ素子の動作周波数帯域に第2の周波数帯域が含まれるため、第2の周波数帯域においてアンテナ素子間の干渉が生じ易いが、そのような場合でも、第2の周波数帯域においてアンテナ素子間の干渉を効果的に抑制することができる。
また、第10の発明では、前記第1のアンテナ素子から放射される電波の送信電力は、前記第2のアンテナ素子から放射される電波の送信電力より大きい。
この構成によると、第1のアンテナ素子から放射される送信電力の大きい電波により、第2のアンテナ素子を用いて実行される無線通信に悪影響が生じ易いが、第1のアンテナ素子と無給電素子とが電磁的に強く結合することにより、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とのアイソレーションを向上し、そのような影響を低減することができる。
また、第11の発明では、前記無給電素子の前記第1端部はリアクタンス素子を介して前記接地導体に接続されている。
この構成によると、無給電素子の物理長を変えることなく無給電素子の電気長を適切な長さに設定し、無給電素子の共振周波数を所望の周波数に高い精度で一致させることができる。
また、第12の発明では、前記リアクタンス素子は可変リアクタンス素子である。
この構成によると、複数の周波数帯域(周波数チャンネル)が動的に切り換えられて第2の周波数帯域として用いられる場合に、使用されている周波数チャンネルに合わせて可変リアクタンス素子のリアクタンス値を制御することにより、無給電素子の共振周波数を使用されている周波数チャンネルに合わせ、アンテナ素子間のアイソレーションを一層効果的に向上させることができる。
また、第13の発明では、前記アンテナ装置は、前記接地導体の表面から離間して配置され前記接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、前記接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する第2の無給電素子を更に有し、前記第2の無給電素子の前記第1端部と前記接地導体との間の接続点である第2接続点から前記第2の給電点までの距離は、当該第2接続点から前記第1の給電点までの距離よりも小さく、前記第2の無給電素子の電気長は、前記第2の無給電素子が前記第1の周波数帯域において共振する長さに設定されている。
この構成によると、第2の無給電素子は、第1の周波数帯域内の周波数で第2のアンテナ素子に給電したとき、第2のアンテナ素子に電磁的に強く結合することで、接地導体を介して第1のアンテナ素子に生じる電流を低減し、第1の周波数帯域におけるアンテナ素子間のアイソレーションを向上させるよう機能する。
また、第14の発明に係る電子機器は、前記アンテナ装置と、前記アンテナ装置の前記第1及び第2の給電点に第1及び第2の給電線を介して電気的に接続され、前記アンテナ装置を介して外部と通信する無線通信部とを備える。
この構成によると、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子とを有し、第1及び第2のアンテナ素子のそれぞれの対応周波数帯域における放射特性を大きく変化させることなく、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションが改善されたアンテナ装置を備えた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るアンテナ装置を備えた電子機器の概略構成を示すブロック図である。図1に示す電子機器1は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。図1に示すように、電子機器1は、ユーザの指示を入力するための入力部2と、画像や音声などの情報を出力するための出力部3と、プログラムやデータを格納するメモリ4と、メモリ4に格納されたプログラムに基づき動作し、入力部2から入力された操作信号を処理したり出力部3を制御したりするコントローラ(プロセッサ)5と、コントローラ5による制御の下、アンテナ装置6を介して外部と無線通信を行う無線通信部7とを有する。入力部2は例えばタッチパネルやマイクロフォンを含む。出力部3は例えば液晶ディスプレイやスピーカを含む。
アンテナ装置6は、第1の給電線8を介して無線通信部7に電気的に接続された第1のアンテナ素子10と、第2の給電線9を介して無線通信部7に電気的に接続された第2のアンテナ素子11とを有する。第1の給電線8と第1のアンテナ素子10との接続点は第1の給電点12となっており、第2の給電線9と第2のアンテナ素子11との接続点は第2の給電点13となっている。第1のアンテナ素子10は、携帯基地局(図示せず)との通信のための(即ち、セルラーシステム用の)周波数帯域に適合しており、第2のアンテナ素子11はITS用の周波数帯域に適合している。
図2に示すように、本実施形態では、第1のアンテナ素子10が用いられるセルラーシステム用の周波数帯域はLTE(Long Term Evolution)規格のBand28Bからなり、送信帯域として718〜748MHzの第1の周波数帯域と、受信帯域として773〜803MHzの第3の周波数帯域とを含んでいる。即ち、セルラーシステム用の周波数帯域は互いに離間した2つの周波数帯域を含んでいる。第2のアンテナ素子11が用いられるITS用の周波数帯域は、755〜765MHzの第2の周波数帯域からなる。即ち、本実施形態において、第2の周波数帯域は第1の周波数帯域と第3の周波数帯域の間に位置し、これら第1及び第3の周波数帯域の各々に隣接している。また、第2の周波数帯域の帯域幅(10MHz)は第1の周波数帯域及び第3の周波数帯域の各々の帯域幅(30MHz)より狭い。
このように、隣接する異なる周波数帯域に対応した第1及び第2のアンテナ素子10、11を同一の電子機器1に設ける場合、何ら対策がないと、アンテナ素子10、11間の干渉が発生する。特に、互いに離間した第1及び第3の周波数帯域に対応した第1のアンテナ素子10と、第1及び第3の周波数帯域の間に位置する第2の周波数帯域に対応した第2のアンテナ素子11とを同一の電子機器1に設ける場合、第1のアンテナ素子の動作周波数帯域に第2の周波数帯域が含まれるため、第2の周波数帯域において第1のアンテナ素子の放射効率が必然的に高くなり、アンテナ素子10、11間の干渉が生じ易い。また、通常、セルラーシステム用の第1のアンテナ素子10から放射される電波の送信電力は、ITS用の第2のアンテナ素子11から放射される電波の送信電力より大きい。このような場合、第1のアンテナ素子10から放射される電波により、第2のアンテナ素子11を用いて実行される無線通信に悪影響が生じ易い。そこで、以下に説明するように、第1実施形態のアンテナ装置6は、第2の周波数帯域における第1のアンテナ素子10と第2のアンテナ素子11との間のアイソレーションを高めるための構成、特に、第1のアンテナ素子10に給電したときに第2のアンテナ素子に及ぼされる影響を低減するための構成を有している。
以下、アンテナ装置6の構成について詳細に説明する。図3は、第1実施形態に係るアンテナ装置6を示す平面図であり、図4は、図3に示したアンテナ装置6の斜視図である。
図3及び図4に示すように、アンテナ装置6は、主として絶縁体からなる基板20の第1の面に設けられた平坦な表面を有する矩形の接地導体(地板とも呼ばれる)21を有している。第1のアンテナ素子10は接地導体21の下辺22(「第1の辺」の一例)の近傍に配置され、第2のアンテナ素子11は接地導体21の下辺22に対向する上辺23(「第3の辺」の一例)の近傍に配置されている。第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11は、それぞれの周波数帯域に対応した長さを有する逆Lアンテナからなり、接地導体21の対応する辺22、23に沿って延在する部分を有している。接地導体21は、例えば銅箔や基板20上に印刷された接地パターンからなる。尚、接地導体21は必ずしも基板20上に設ける必要はなく、例えば、電子機器1の筐体に設けてもよい。
図示省略するが、基板20の第1の面と反対側の第2の面には配線が印刷されている。即ち、本実施形態において基板20はプリント配線板として構成されている。図1に示したメモリ4、コントローラ5、無線通信部7等を構成する回路モジュールや回路素子は、基板20の第2の面に実装されている。無線通信部7は、基板20の第2の面側において、第1及び第2の給電線8、9によって第1及び第2のアンテナ素子10、11に接続されている。
図3に示すように、本実施形態では、第1の給電点12は、接地導体21の下辺22の左端近傍において接地導体21上に位置している(即ち、平面視において接地導体21と重なっている)。また、第2の給電点13は、接地導体21の上辺23の左端近傍において接地導体21上に位置している(即ち、平面視において接地導体21と重なっている)。これにより、第1の給電点12と第2の給電点13は互いに離間して接地導体21上に位置している。尚、第1の給電点12及び第2の給電点13は必ずしも接地導体21上に位置している必要はなく、平面視において接地導体21と重ならないように接地導体21の近傍に配置されてもよい。また、図4ではアンテナ素子10、11の形状を明示するべく給電点12、13を示すシンボルを省略した。
アンテナ装置6は、接地導体21の表面から離間して配置され接地導体21の表面に沿って(好適には、接地導体21の表面に平行に)延びる導電部材30を有している。この導電部材30の一端(第1端部)31は接地導体21に電気的に接続され、他端(第2端部)32は接地導体21に接続されない開放端となっている。即ち、この導電部材30は無給電素子を構成する。尚、導電部材30の第1端部31は接地導体21に例えば導電性接着剤等で機械的に接続されていてもよく、あるいは、接地導体21に単に接していてもよい。
無給電素子(導電部材)30の第1端部31と接地導体21との接続点40は、接地導体21の下辺22と交差する方向に延在し下辺22と上辺23とを結ぶ左辺24(「第2の辺」の一例)上において、第2の給電点13よりも第1の給電点12に近い位置に配置されている。別の言い方をすると、接続点40から第1の給電点12までの距離D1は、接続点40から第2の給電点13までの距離D2より小さい。
無給電素子30は長寸の板状部材からなり、第1の屈曲部33及び第2の屈曲部34において屈曲されている。無給電素子30は、第1端部31(即ち接続点40)から第1の屈曲部33まで接地導体21の表面から離れる方向に延在する第1部分35と、第1の屈曲部33(即ち、接続点40から離れた側の第1部分35の端部)から第2の屈曲部34まで接地導体21の左辺24に対し垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分36と、第2の屈曲部34(即ち、第2部分36の第1部分35から離れた側の端部)から第2端部32まで接地導体21の下辺22に向かう方向に接地導体21の表面に沿って延びる第3部分37とを有する。
第2部分36は接地導体21の左辺24から離れる向きに接地導体21の内部に向かって延びていると言うこともできる。これにより、無給電素子30の開放された第2端部32は、第1端部31(即ち、接続点40)よりも接地導体の下辺22に近接して位置している。また、無給電素子30の第2部分36は、接地導体21の下辺22に沿って延在する第1のアンテナ素子10の部分と略平行に延びている。
無給電素子30の第1端部31から第2端部32までの長さは、第2の周波数帯域の代表周波数(例えば、中心周波数(図2に示した例では760MHz))に対応する波長の略1/4(代表周波数が760MHzの場合、約98.6mm)となるように設定されている。従って、無給電素子30の電気長は第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4となっている。これにより、無給電素子30は、第2の周波数帯域において共振する。尚、第2の周波数帯域内の周波数であれば中心周波数以外の別の周波数でもよい。
また、無給電素子30の長さを極力小さくしつつ、無給電素子30が第2の周波数帯域において共振し易くするために、無給電素子30の長さを第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4とすることが好ましいが、スペースが確保できる場合、無給電素子30の長さを第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/2など別の長さとしてもよい。
また、無給電素子30の物理長が同じでも、無給電素子30の周囲に配置される部材(例えば、電子機器1の樹脂製の筐体(シャーシ)など)の影響等により無給電素子30の電気長は変り得るので、後述するように、第1端部31と接地導体21の間にリアクタンス素子を装荷することにより、無給電素子30の電気長が第2の周波数帯域の代表周波数の対応する波長の1/4になるべく近づくように個別の環境に応じて調整してもよい。
また、本実施形態では、無給電素子30の第2部分36及び第3部分37の接地導体21の表面からの離間距離(即ち、無給電素子30の第1部分35の長さH)は約5mm、第2部分36の幅W1は約2mm、第3部分37の幅W2は約5mmとして例示するが、これらの寸法(パラメータ)は、無給電素子30の望ましい共振の鋭さ(帯域幅)が得られるように適切に設定される。尚、狭い共振帯域幅を得るには、第1端部31(接続点40)に近いほど幅が狭く、第2端部32に近いほど幅が広いとよい。即ち、狭い共振帯域幅を得るには、第2部分36の幅W1よりも第3部分37の幅W2を大きくすることが好ましく、例えば、第2部分36の幅W1を2mmの代わりに0.5mm程度としてもよい。また、無給電素子30の第2部分36及び第3部分37の接地導体21の表面からの離間距離(即ち、無給電素子30の第1部分35の長さH)を小さくするほど、無給電素子30の共振帯域幅が狭くなる傾向がある。
上記のように構成された無給電素子30は、例えば、スマートフォン等の電子機器の樹脂製の筐体(シャーシ)の内側に貼り付けられ保持される。
図5は、第1実施形態のアンテナ装置6におけるアンテナ素子間のアイソレーション特性を、比較例(無給電素子30が設けられていない点以外は第1実施形態のアンテナ装置6と同じ構成のアンテナ装置)と対比して示す図である。図5において、S21は第1のアンテナ素子10に対する第2のアンテナ素子11の結合係数であり、結合係数S21の値が小さいほどアイソレーションは良好である。図5はこの結合係数S21の周波数特性を比較例(点線)及び第1実施形態(実線)のそれぞれに対し示している。図5に示されているように、第1実施形態のアンテナ装置6では、比較例と比べて、第2の周波数帯域における結合係数S21が6〜23dB低下している。即ち、アンテナ素子10、11間のアイソレーションが大幅に向上している。
図6は、第1実施形態のアンテナ装置6における第1のアンテナ素子10のアンテナ効率を比較例と対比して示す図である。図6において、比較例のアンテナ効率は点線で、第1実施形態のアンテナ効率は実線で示されている。図6に示されているように、第1実施形態のアンテナ装置6では、第1のアンテナ素子10のアンテナ効率は第2の周波数帯域では比較例と比べて低下しているものの、第1のアンテナ素子10の動作周波数帯域である第1及び第3の周波数帯域では、比較例と同等若しくは改善されている。
図7は、第1実施形態のアンテナ装置6における第2のアンテナ素子11のアンテナ効率を比較例と対比して示す図である。図7において、比較例のアンテナ効率は点線で、第1実施形態のアンテナ効率は実線で示されている。図7に示されているように、第1実施形態のアンテナ装置6では、第2のアンテナ素子11のアンテナ効率は第3の周波数帯域では比較例と比べてやや低下しているものの、第2のアンテナ素子11の動作周波数帯域である第2の周波数帯域では、比較例より1〜1.5dB改善されている。
このように第1実施形態のアンテナ装置6では、第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11のそれぞれの動作周波数帯域におけるアンテナ効率を向上させつつ、アンテナ間の干渉が生じ易い第2の周波数帯域における第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11の間のアイソレーションを大幅に向上させることができる。
図8は、従来のアンテナ装置において第2の周波数帯域内の周波数(本例では760MHz)で第1のアンテナ素子10に給電したときの電流分布を示す平面図であり、図9は、第1実施形態のアンテナ装置6において第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したときの電流分布を示す平面図である。
図8に示されているように、無給電素子30が設けられていない従来のアンテナ装置では、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したとき、第1のアンテナ素子10のアンテナ電流が、接地導体21を介して、特に接地導体21の左辺24に沿って第2のアンテナ素子11に流れ、第2のアンテナ素子11に電流が分布している。
それに対し第1実施形態のアンテナ装置6では、図9に示されているように、第2の周波数帯域内の周波数(本例では760MHz)で第1のアンテナ素子10に給電したとき、無給電素子30とそれに対向する接地導体21の無給電素子30の部分とに電流が集中する。このとき、無給電素子30に流れる電流と無給電素子30に対向する接地導体21の部分に流れる電流とでは向きが互いに逆となる。このように無給電素子30とそれに対向する接地導体21の部分とに電流が集中する結果、第2のアンテナ素子11上に分布する電流が、図8に示した比較例と比べて大きく低減される。即ち、第1実施形態のアンテナ装置6では、図5に示したように、比較例に比べ、第2の周波数帯域において第1及び第2のアンテナ素子10、11間の電磁的結合が低減し、アイソレーションが向上する。
このように本実施形態のアンテナ装置6において第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したとき、無給電素子30と無給電素子30に対向する接地導体21の部分とに電流が集中するのは、(1)無給電素子30の電気長が、第2の周波数帯域の代表周波数の略1/4となっていることにより第2の周波数帯域で無給電素子30が共振すること、及び(2)無給電素子30と接地導体21との間の接続点40が第2のアンテナ素子11用の第2の給電点13よりも、第1のアンテナ素子10用の第1の給電点12に近接して配置されていることにより、第2の周波数帯域において第1のアンテナ素子10と無給電素子30が電磁的に強く結合するためである。尚、接続点40を第1の給電点12に近づけると、無給電素子30の共振の帯域幅が広くなる傾向があるため、接続点40は第1の給電点12から所定の距離離間していることが好ましい。
また、無給電素子30は接地導体21の表面に沿って延在しており、平面視で接地導体21から突出する部分を有していない。その結果、無給電素子30の共振は接地導体との鏡像効果による共振となる。そのため、第1実施形態のアンテナ装置6では、概ね第2の周波数帯域のみの極めて狭帯域な無給電素子30の共振特性が実現されており、無給電素子30が設けられていない場合と比べて、第1の周波数帯域における第1のアンテナ素子の放射特性(指向性、偏波特性など)が大きく変化しない。また、無給電素子30と第2のアンテナ素子11とは疎結合なので、第2のアンテナ素子11の放射特性は大きく変化しない。尚、一例として、無給電素子30の共振特性は、無給電素子30の各部の寸法(無給電素子30の第2部分36及び第3部分37の接地導体21の表面からの離間距離(即ち、無給電素子30の第1部分35の長さH)等)を適切に設定することで、図5において実線で示した無給電素子30を設けた場合の結合係数S21の値が、図5において破線で示した無給電素子30を設けない場合の結合係数S21の値と比べて6dB改善される(即ち、6dB低くなる)周波数間の幅が第2の周波数帯域と概ね一致するように調整してよい。
更に、第1実施形態のアンテナ装置6では、無給電素子30が、接地導体21の左辺24に対し垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分36を有している。即ち、無給電素子30の第2部分36は、図8に示すように無給電素子30が設けられていない場合に、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したとき、ほとんど電流が分布しない接地導体21の内部部分へと延びている。それにより、第2の周波数帯域における無給電素子30の共振の帯域幅が狭くなり、無給電素子30と第1のアンテナ素子10との電磁的結合が一層強まる。尚、無給電素子30の共振帯域幅を狭め無給電素子30と第1のアンテナ素子10の電磁的結合を強める効果を得るためには、無給電素子30の第2部分36が接地導体21の左辺24に対し必ずしも垂直な方向に延びている必要はなく、略垂直な方向に延びていてもよい。また、無給電素子30の第2部分36は接地導体21の左辺24に対し斜めに延びていてもよい。即ち、無給電素子30の第2部分36は接地導体21の左辺24に対し交差する方向に延びていればよい。
また、第1実施形態のアンテナ装置6では、第2のアンテナ素子11は接地導体21の上辺23の近傍に設けられ、無給電素子30の開放された第2端部32は第1端部31と接地導体21との接続点40(即ち第1端部31)よりも接地導体21の下辺22に近接して位置している。そのため、図9に示されているように、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したとき、無給電素子30及び接地導体21の無給電素子30に対向する部分に分布する電流は、上辺23の近傍に設けられた第2のアンテナ素子11から離れた部分に集まるので、第2のアンテナ素子11へと流れにくい。従って、第1のアンテナ素子10に給電したとき第2のアンテナ素子11上に生じる電流が低減される。即ち、第1のアンテナ素子10と第2のアンテナ素子11との間のアイソレーションが向上する。
また上述したように、第1実施形態のアンテナ装置6の無給電素子30は、第1端部31から接地導体21の表面から離れる方向に延びる第1部分35と、第1端部31から離れた側の第1部分35の端部から接地導体21の左辺24に対し略垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分36と、第2部分36の第1部分35から離れた側の端部から第1の辺22に向かう方向に接地導体21の表面に沿って延びる第3部分37とを有する。これにより、上述したように、接地導体21の左辺24に対し略垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分36によって無給電素子30の共振帯域幅が狭まり、無給電素子30と第1のアンテナ素子10との電磁的結合が一層強まる。また、無給電素子30の第2端部32が第1端部31よりも接地導体21の第1の辺22に近接して位置する構成を容易に実現できる。
また上述したように、第1実施形態のアンテナ装置6では、無給電素子30の第1端部31と接地導体21との接続点40は、接地導体21の下辺22と上辺23とを結ぶ左辺24上に配置されている。図8に示したように、無給電素子30が設けられていない場合、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子10に給電したとき、第1のアンテナ素子10のアンテナ電流が、接地導体21の左辺24に沿って第2のアンテナ素子11に流れ、第2のアンテナ素子11上にも電流が分布する。無給電素子30の第1端部31と接地導体21との接続点40が左辺24上に配置されていることにより、接地導体21の左辺24に沿って第2のアンテナ素子11へと流れる電流を遮断し、第2のアンテナ素子11上に分布する電流を低減してアイソレーションを向上することができる。
また上述したように、第1実施形態のアンテナ装置6では、無給電素子30の第1部分35の長さH、第2部分36の幅W1、第3部分37の幅W2等を適切に調整することで、無給電素子30の共振帯域幅が第2の周波数帯域に略一致している。それにより、無給電素子30を設けたことによる第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11のそれぞれの動作周波数帯域におけるアンテナ効率の低下が防止される。むしろ、アンテナ素子10、11間の電磁的結合の低下により、図6及び7に示したように、第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11のそれぞれの動作周波数帯域におけるアンテナ効率は、無給電素子30を設けない場合と比べて改善される。尚、無給電素子30の共振帯域幅が第2の周波数帯域より大幅に狭い(即ち、共振が鋭い)と、第2の周波数帯域においてアイソレーションが向上されない部分が発生する。逆に、無給電素子30の共振帯域幅が第2の周波数帯域より大幅に広いと、第1のアンテナ素子10及び第2のアンテナ素子11のそれぞれの周波数帯域においてアンテナ効率が低下する部分が生じ得る。従って、上記のように、無給電素子30の共振帯域幅が第2の周波数帯域に略一致していることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係るアンテナ装置6aを示す平面図であり、図11は、図10に示したアンテナ装置6aの斜視図である。図12は、第2実施形態に係るアンテナ装置6aが用いられる2.4GHz帯の複数の周波数チャンネルを示す説明図である。尚、第2実施形態の説明において特に言及しない点は前記の第1実施形態と同様である。
図10及び図11に示すように、第2実施形態のアンテナ装置6aは、共に接地導体21の上辺23の近傍に配置された第1及び第2のアンテナ素子110、111を有している(第2実施形態では、上辺23が「第1の辺」に対応する)。第1及び第2のアンテナ素子110、111の各々は、上辺23に沿って延在する部分を有している。第1のアンテナ素子110用の第1の給電点112は接地導体21の上辺の右端近傍に配置され、第2のアンテナ素子111用の第2の給電点113は接地導体21の上辺23の左端近傍に配置されている。これにより、第1の給電点112と第2の給電点113は接地導体21の上辺23に沿った方向に互いに離間して配置されている。
図12に示すように、第2実施形態では、2.4GHz産業科学医療用バンド(ISM帯)が、各々5MHzの帯域幅を有する複数の周波数帯域(周波数チャンネルと云う)に分割されている。図12において、上段の周波数は各周波数チャンネルの中心周波数を示す。本実施形態において第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111は、互いに異なる周波数チャンネルに用いられる。この場合、第1のアンテナ素子110が用いられる周波数チャンネルが本発明における第1の周波数帯域に相当し、第2のアンテナ素子111が用いられる周波数チャンネルが本発明における第2の周波数帯域に相当し得る。第2実施形態では、第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111はいずれも2.4GHzISM帯に対応しているため(即ち、第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111に割り当てられる周波数チャンネルの違いによるこれらアンテナ素子の物理長に対する影響が小さいため)、左右対称ではあるが、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111は同じ形状(長さ)を有している。
第1実施形態と同様に、第2実施形態のアンテナ装置6aは、接地導体21の表面から離間して配置され接地導体21の表面に沿って延びる導電部材130を有している。この導電部材130の一端(第1端部)131は接地導体21に電気的に接続され、他端(第2端部)132は接地導体21に接続されない開放端となっている。即ち、この導電部材130は無給電素子を構成する。
無給電素子(導電部材)130の第1端部131と接地導体21との接続点140は、接地導体21の上辺23の下方において、第2の給電点113よりも第1の給電点112に近い位置に配置されている。即ち、第2実施形態でも、接続点140から第1の給電点112までの距離D1は、接続点140から第2の給電点113までの距離D2より小さい。
第2実施形態の無給電素子130も長寸の板状部材からなり、第1の屈曲部133及び第2の屈曲部134において屈曲されている。無給電素子130は、第1端部131(即ち接続点140)から第1の屈曲部133まで接地導体21の表面から離れる方向に延在する第1部分135と、第1の屈曲部133(即ち、接続点140から離れた側の第1部分135の端部)から第2の屈曲部134まで接地導体21の左辺24に対し垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分136と、第2の屈曲部134(即ち、第2部分136の第1部分135に接続されていない側の端部)から第2端部132まで接地導体21の上辺23から離れる方向に接地導体21の表面に沿って延びる第3部分137とを有する。これにより、無給電素子130の開放された第2端部132は、第1端部131(即ち、接続点140)よりも上辺23から離れて位置している。また、無給電素子130の第2部分136は、接地導体21の上辺23に沿って延在する第1のアンテナ素子110の延在部分と略平行に延びている。
第2実施形態において、無給電素子130の第1端部131から第2端部132までの長さは、第2のアンテナ素子111が用いられる周波数チャンネル(第2の周波数帯域)の代表周波数(例えば中心周波数)に対応する波長の略1/4となるように設定されている。従って、無給電素子130の電気長は第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4となっている。これにより、無給電素子130は、第2の周波数帯域において共振する。また、やはり第1実施形態と同様に、第2実施形態の無給電素子130の各部の寸法は、無給電素子130の共振の帯域幅が第2の周波数帯域の帯域幅(この例では5MHz)と略一致するように設定されている。
上記のような構成を有する第2実施形態のアンテナ装置6aも、第1実施形態のアンテナ装置6と同様に、(1)無給電素子130の電気長が、第2のアンテナ素子111が用いられる第2の周波数帯域(周波数チャンネル)の代表周波数の略1/4となっていることにより第2の周波数帯域で無給電素子130が共振する、及び(2)無給電素子130と接地導体21との間の接続点140が第2のアンテナ素子111用の第2の給電点113よりも、第1のアンテナ素子110用の第1の給電点112に近接して配置されている、との特徴を有しているので、第1実施形態について上述したのと同様に、第2の周波数帯域におけるアンテナ素子間アイソレーションが向上する。
また、無給電素子130は接地導体21の表面に沿って延在しており、平面視で接地導体21から突出する部分を有していない。そのため、無給電素子130が設けられていない場合と比べて、第1及び第2のアンテナ素子110、111の放射特性(指向性、偏波特性など)が大きく変化しない。
更に、第2実施形態のアンテナ装置6aでも、無給電素子130は、接地導体21の左辺24に対し垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分136を有している。これにより、第2の周波数帯域における無給電素子130の共振の帯域幅が狭くなり、無給電素子130と第1のアンテナ素子110との電磁的結合が一層強まり、その結果、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111とのアイソレーションが向上する。尚、無給電素子130の第2部分136は接地導体21の左辺24に対し必ずしも垂直な方向に延びている必要はなく、略垂直な方向に延びていてもよい。また、無給電素子130の第2部分136は接地導体21の左辺24に対し斜めに延びていてもよい。即ち、無給電素子130の第2部分136は接地導体21の左辺24に対し交差する方向に延びていればよい。
また、第2実施形態のアンテナ装置6aでは、無給電素子130の開放された第2端部132が、第1端部131(即ち、接続点140)よりも上辺23から離れて位置している。そのため、第1実施形態と同様に、第2の周波数帯域内の周波数で第1のアンテナ素子110に給電したとき、無給電素子130及び接地導体21の無給電素子130に対向する部分に分布する電流は、上辺23の近傍に設けられた第2のアンテナ素子11から離れた部分に集まることとなり、第2のアンテナ素子11へと流れにくい。従って、第1のアンテナ素子110に給電したとき第2のアンテナ素子111上に生じる電流が低減される。即ち、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111との間のアイソレーションが向上する。
また、第2実施形態のアンテナ装置6aでは、無給電素子130は、第1端部131から接地導体21の表面から離れる方向に延びる第1部分135と、第1端部131から離れた側の第1部分135の端部から接地導体21の左辺24に対し略垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分136と、第2部分136の第1部分135から離れた側の端部から上辺23から離れる方向に接地導体21の表面に沿って延びる第3部分137とを有する。これによると、接地導体21の左辺24に対し略垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分136によって無給電素子130の共振帯域幅が狭まり、無給電素子130と第1のアンテナ素子110の電磁的結合が一層強まる。また、無給電素子130の第2端部132が第1端部131よりも接地導体21の上辺23から離れて位置している構成を容易に実現できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図13は、第3実施形態に係るアンテナ装置6bの要部の構成を示す模式図である。尚、第3実施形態の説明において特に言及しない点は前記第1実施形態または第2実施形態と同様である。
第2実施形態では2.4GHzISM帯を複数の周波数チャンネルに分割して用いる例を示した。この場合、電子機器1(図1参照)のコントローラ5が無線通信部7を制御して、これら複数の周波数チャンネルを動的に第1のアンテナ素子110及び第2のアンテナ素子111に割り当てることもできる。その際、キャリアセンス機能などにより、コントローラ5は、第1のアンテナ素子110と第2のアンテナ素子111に同一の周波数チャンネルが割り当てられないように無線通信部7を制御する。このように、複数の周波数チャンネルを動的に用いる場合、例えば第2実施形態において、第2のアンテナ素子111に割り当てられた周波数チャンネルに応じて、無給電素子130の望ましい共振周波数、即ち望ましい電気長が変化することとなる。
図13に示すように、第3実施形態のアンテナ装置6bは、無給電素子230と接地導体21との間に可変リアクタンス部250を有している。図13では、第1及び第2のアンテナ素子は図示を省略した。この可変リアクタンス部250は、直列接続された第1の固定容量素子Cs及び可変容量素子Cvと、これら第1の固定容量素子Cs及び可変容量素子Cvに並列に接続された第2の固定容量素子Cpとを有する。第1の固定容量素子Csの容量は4pFであり、第2の固定容量素子Cpの容量は7.8pFである。可変容量素子Cvは、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)可変容量素子であってよい。可変容量素子Cvの容量は、コントローラ5(図1参照)からの信号によって制御することができる。
このような構成において、図13に示したように、可変容量素子Cvの可変容量値を周波数チャンネルに合わせて変化させることで無給電素子230の電気長を変え、無給電素子230の共振周波数を使用されている周波数チャンネル(好ましくは、周波数チャンネルの中心周波数)に合わせることができる。それにより、アンテナ素子間のアイソレーションを一層効果的に向上させることができる。
尚、図13に示した例では、可変リアクタンス部250は、第1及び第2の固定容量素子Cs、Cpを含んでいるが、可変容量素子Cvのみで所望の容量値を精度よく設定できる場合、これら第1及び第2の固定容量素子Cs、Cvを含まなくてもよい。また、無給電素子230の電気長を調節するための可変リアクタンス素子として可変容量素子Cvを用いたが、可変容量素子Cvの代わりに可変インダクタを用いることもできる。また、アンテナ素子への周波数チャンネルの動的な割り当てを行わない場合(即ち、アンテナ素子が用いられる周波数チャンネルが固定の場合)、無給電素子230の電気長を調節するべく無給電素子230と接地導体21との間に接続されるリアクタンス素子のリアクタンス値を固定値としてもよい。無給電素子230が用いられる個々の環境に応じて適切なリアクタンス値を有するリアクタンス素子を用いることにより、無給電素子230の物理長を変えることなく(即ち、異なる物理長の無給電素子230を用いることなしに)無給電素子230の電気長を適切な長さに設定し、無給電素子230の共振周波数を所望の周波数に高い精度で一致させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。図14は、第4実施形態に係るアンテナ装置6cを示す平面図である。
第4実施形態のアンテナ装置6cは、第2の無給電素子330を有する点が第1実施形態のアンテナ装置6と異なり、他の点は第1実施形態のアンテナ装置6と同じである。第2の無給電素子330は、第1の周波数帯域における第1及び第2のアンテナ素子10、11間のアイソレーションを向上させるために設けられている。特にこの第2の無給電素子330は、第1の周波数帯域内の周波数で第2のアンテナ素子11に給電したときに第1のアンテナ素子10上に生じる電流を低減するべく構成されている。
第2の無給電素子330も、第1実施形態で示した無給電素子30と同様に、接地導体21の表面から離間して配置され接地導体21の表面に沿って延びる導電部材を有し、接地導体21に電気的に接続された一端(第1端部)331と、接地導体21に接続されない開放された他端(第2端部)332とを有する。
第2の無給電素子330の第1端部331と接地導体21との接続点(第2の接続点)340は、接地導体21の下辺22と交差する方向に延在し下辺22と上辺23とを結ぶ左辺24上において、第1の給電点12よりも第2の給電点13に近い位置に配置されている。別の言い方をすると、接続点340から第2の給電点13までの距離D4は、接続点340から第1の給電点12までの距離D3より小さい。
第2の無給電素子330も長寸の板状部材からなり、第1の屈曲部333及び第2の屈曲部334において屈曲されている。第2の無給電素子330は、第1端部331(即ち接続点340)から第1の屈曲部333まで接地導体21の表面から離れる方向に延在する第1部分335と、第1の屈曲部333(即ち、接続点340から離れた側の第1部分335の端部)から第2の屈曲部334まで接地導体21の左辺24に対し垂直な方向に接地導体21の表面に沿って延びる第2部分336と、第2の屈曲部334(即ち、第2部分336の第1部分335に接続されていない側の端部)から第2端部332まで接地導体21の上辺23に向かう方向に接地導体21の表面に沿って延びる第3部分337とを有する。これにより、第2の無給電素子330の開放された第2端部332は、第1端部331(即ち、接続点340)よりも上辺23に近接して位置している。また、第2の無給電素子330の第2部分336は、接地導体21の上辺23に沿って延在する第2のアンテナ素子11の延在部分と略平行に延びている。
第2の無給電素子330の第1端部331から第2端部332までの長さは、第1のアンテナ素子10が用いられる第1の周波数帯域の代表周波数(例えば中心周波数)に対応する波長の略1/4となるように設定されている。従って、第2の無給電素子330の電気長は第1の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4となっている。これにより、第2の無給電素子330は、第1の周波数帯域において共振する。
このような第2の無給電素子330は、第1の周波数帯域内の周波数で第2のアンテナ素子11に給電したとき、接地導体21を介して第1のアンテナ素子10に生じる電流を低減し、第1の周波数帯域におけるアンテナ素子10、11間のアイソレーションを向上させる。このように、無給電素子を2つ設けることもできる。尚、第4実施形態では、第1の周波数帯域におけるアンテナ素子10、11間のアイソレーションを向上させるよう適合された第2の無給電素子330を設けたが、それに替えて、またはそれに加えて、第2の周波数帯または第3の周波数帯域におけるアンテナ素子10、11間のアイソレーションを向上させるよう適合された無給電素子を設けてもよい。
以上、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
例えば、上記第1実施形態では、第2の周波数帯域において第1のアンテナ素子10と第2のアンテナ素子11との間のアイソレーションを向上するべく、第2の周波数帯域において共振するよう構成された無給電素子30をアンテナ装置6に設けたが、そのような無給電素子30の代わりに、またはそれに加えて、第1の周波数帯域または第3の周波数帯域において第1のアンテナ素子10と第2のアンテナ素子11との間のアイソレーションを向上するべく、第1の周波数帯域または第3の周波数帯域において共振するよう構成された無給電素子をアンテナ装置6に設けてもよい。
また、第1実施形態では、第1のアンテナ素子10が用いられる第1の無線システムはセルラーシステムであり、第2のアンテナ素子11が用いられる第2の無線システムはITSであったが、本発明が適用可能な無線システムはこれらに限らない。例えば、無線システムは、WiFi(登録商標)システム、Bluetooth(登録商標)システム、あるいは特定小電力無線局の独自システムであってもよい。
また、第1実施形態では、無給電素子30の第2部分36や第3部分37は直線状であったが、これらは必ずしも直線状である必要はなく、曲がっていてもよい。また、接地導体21は必ずしも完全な矩形でなくてもよく、例えば角部が丸まっていてもよい。第1のアンテナ素子の第1の給電点が配置された平板状の導体と、第2のアンテナ素子の第2の給電点が配置された平板状の導体とを別個に設け、これら2つの導体を電気的に接続して一つの接地導体としてもよい。
本発明に係るアンテナ装置及び電子機器は、複数のアンテナ素子のそれぞれの対応周波数帯域における放射特性を大きく変えることなくアンテナ素子間のアイソレーションを改善することができるという効果を有し、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置及びこれを備えた電子機器として有用である。
1 電子機器
2 入力部
3 出力部
4 メモリ
5 コントローラ
6、6a、6b、6c アンテナ装置
7 無線通信部
8 第1の給電線
9 第2の給電線
10、110 第1のアンテナ素子
11、111 第2のアンテナ素子
12、112 第1の給電点
13、113 第2の給電点
20 基板
21 接地導体
22 下辺
23 上辺
24 左辺
30、130、230、330 無給電素子(導電部材)
31、131、331 第1端部
32、132、332 第2端部
33、133、333 第1の屈曲部
34、134、334 第2の屈曲部
35、135、335 第1部分
36、136、336 第2部分
37、137、337 第3部分
40、140、340 接続点
250 可変リアクタンス部
Cs 第1の固定容量素子
Cv 可変容量素子
Cp 第2の固定容量素子

Claims (14)

  1. 接地導体と、
    前記接地導体上または前記接地導体の近傍に互いに離間して配置された第1及び第2の給電点と、
    前記第1の給電点に電気的に接続された、第1の周波数帯域に用いられる第1のアンテナ素子と、
    前記第2の給電点に電気的に接続された、前記第1の周波数帯域と異なる第2の周波数帯域に用いられる第2のアンテナ素子と、
    前記接地導体の表面から離間して配置され前記接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、前記接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する無給電素子とを有し、
    前記無給電素子の前記第1端部と前記接地導体との間の接続点から前記第1の給電点までの距離は、当該接続点から前記第2の給電点までの距離よりも小さく、
    前記無給電素子の電気長は、前記無給電素子が前記第2の周波数帯域において共振する長さに設定されているアンテナ装置。
  2. 前記無給電素子の電気長は、前記第2の周波数帯域の代表周波数に対応する波長の略1/4の長さに設定されている請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第2の周波数帯域の帯域幅は前記第1の周波数帯域の帯域幅より狭い請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記接地導体は、第1の辺と、前記第1の辺から前記第1の辺に対し交差する方向に延びる第2の辺とを有し、
    前記第1のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺の近傍に設けられ、
    前記無給電素子は前記接地導体の前記第2の辺に対し交差する方向に延在する部分を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第2のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺に対向する第3の辺の近傍に設けられ、
    前記無給電素子の前記第2端部は前記第1端部よりも前記接地導体の前記第1の辺に近接して位置している請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記無給電素子は、
    前記第1端部から前記接地導体の表面から離れる方向に延びる第1部分と、
    前記第1端部から離れた側の前記第1部分の端部から前記第2の辺に対し略垂直な方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第2部分と、
    前記第2部分の前記第1部分から離れた側の端部から前記第1の辺に向かう方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第3部分とを有する請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第2のアンテナ素子は前記接地導体の前記第1の辺の近傍に設けられ、
    前記無給電素子の前記第2端部は前記第1端部よりも前記接地導体の前記第1の辺から離れて位置している請求項4に記載のアンテナ装置。
  8. 前記無給電素子は、
    前記第1端部から前記接地導体の表面から離れる方向に延びる第1部分と、
    前記第1端部から離れた側の前記第1部分の端部から前記第2の辺に対し略垂直な方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第2部分と、
    前記第2部分の前記第1部分から離れた側の端部から前記第1の辺から離れる方向に前記接地導体の表面に沿って延びる第3部分とを有する請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1のアンテナ素子は第3の周波数帯域にも用いられ、前記第2の周波数帯域は前記第1の周波数帯域と前記第3の周波数帯域の間に位置する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10. 前記第1のアンテナ素子から放射される電波の送信電力は、前記第2のアンテナ素子から放射される電波の送信電力より大きい請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記無給電素子の前記第1端部はリアクタンス素子を介して前記接地導体に接続されている請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  12. 前記リアクタンス素子は可変リアクタンス素子である請求項11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記接地導体の表面から離間して配置され前記接地導体の表面に沿って延びる導電部材からなり、前記接地導体に電気的に接続された第1端部と、開放された第2端部とを有する第2の無給電素子を更に有し、
    前記第2の無給電素子の前記第1端部と前記接地導体との間の接続点である第2接続点から前記第2の給電点までの距離は、当該第2接続点から前記第1の給電点までの距離よりも小さく、
    前記第2の無給電素子の電気長は、前記第2の無給電素子が前記第1の周波数帯域において共振する長さに設定されている請求項1乃至12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の前記アンテナ装置と、
    前記アンテナ装置の前記第1及び第2の給電点に第1及び第2の給電線を介して電気的に接続され、前記アンテナ装置を介して外部と通信する無線通信部とを備える電子機器。
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