JP2011159928A - 半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法および光装置 - Google Patents

半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法および光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体発光素子が劣化するのを抑制することが可能で、かつ、パッケージのサイズが大きくなるのを抑制することが可能な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100(半導体発光装置)は、青紫色半導体レーザ素子20と、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ50とを備え、パッケージ50は、青紫色半導体レーザ素子20が取り付けられるベース部10と、ベース部10に取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20を覆うキャップ部30とを含み、ベース部10およびキャップ部30は、樹脂15とガス吸収剤16との混合物によりそれぞれ形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法および光装置に関し、特に、半導体発光素子が取り付けられるベース部と、半導体発光素子を覆うキャップ部とを備えた半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法および光装置に関する。
従来、半導体発光素子は、光ディスクシステムや光通信システムなどの光源として広く用いられている。たとえば、約780nmのレーザ光を出射する赤外半導体レーザ素子は、CDの再生用の光源として実用化されるとともに、約650nmのレーザ光を出射する赤色半導体レーザ素子は、DVDの記録・再生用の光源として実用化されている。また、約405nmのレーザ光を出射する青紫色半導体レーザ素子は、ブルーレイディスクの光源として実用化されている。
このような光源装置を実現するために、従来、半導体発光素子が取り付けられるベース部と、半導体発光素子を覆うキャップ部とを有するパッケージを備えた半導体発光装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、フランジ面が形成された樹脂成型品からなるヘッダ(ベース部)と、ヘッダに一体的に形成された素子設置部上にSiサブマウント(基台)を介して取り付けられた半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の周囲を覆う樹脂製の透明キャップとを備えた半導体レーザのプラスチックモールド装置が開示されている。この特許文献1に記載の半導体レーザのプラスチックモールド装置では、透明キャップの開口端部が、エポキシ系材料を含有する接着剤を介してヘッダのフランジ面に接合されることにより、半導体レーザ素子が、ヘッダと透明キャップとによって取り囲まれたパッケージ内に気密封止されるように構成されている。
また、半導体発光素子を封止するパッケージ内に、活性炭やゼオライトなどを用いた吸収剤が別途設置されている半導体発光装置も知られている(たとえば特許文献2参照)。
特開平9−205251号公報 特開2008−147205号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された半導体レーザのプラスチックモールド装置では、ヘッダおよび透明キャップが樹脂材料により形成されているため、樹脂材料から揮発性の有機ガスが発生した場合、有機ガスがパッケージ内に充満すると考えられる。また、ヘッダと透明キャップとの接合にエポキシ系接着剤が用いられているため、この接着剤からも多量の有機ガスが発生すると考えられる。そして、多量の有機ガスがパッケージ内に充満した状態で青紫色半導体レーザ素子を動作させた場合、有機ガスが、レーザ出射端面から出射されるレーザ光により励起されるとともにレーザ出射端面近傍で分解されることに起因して、レーザ出射端面にの付着物を形成してしまう虞がある。この場合、付着物がレーザ光を吸収してレーザ出射端面の温度上昇を引き起こしてしまい、レーザ素子が劣化するという不都合がある。
また、上記特許文献2に開示された半導体発光装置では、パッケージ内の限られた空間に吸収剤を設置するため、吸収剤の大きさに合わせてパッケージの内容積を大きく構成する必要がある。したがって、半導体発光装置のサイズが大きくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、半導体発光素子が劣化するのを抑制することが可能で、かつ、パッケージのサイズが大きくなるのを抑制することが可能な半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法および光装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体発光装置は、半導体発光素子と、半導体発光素子を封止するパッケージとを備え、パッケージは、半導体発光素子が取り付けられるベース部と、ベース部に取り付けられ、半導体発光素子を覆うキャップ部とを含み、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方は、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成されている。
この発明の第1の局面による半導体発光装置では、上記のように、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成することによって、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方の構成材料に樹脂を用いた場合であっても、樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、樹脂中に混入されているガス吸収剤によって吸収することができる。これにより、半導体発光素子を封止するパッケージ内に有機ガスが充満することを抑制することができるので、半導体発光素子から出射される光により励起あるいは分解されて半導体発光素子の光出射端面に固体の付着物として形成されることを抑制することができる。その結果、半導体発光素子が劣化することを抑制することができる。
また、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方に、ガス吸収剤が混入されているので、ガス吸収剤を含む部材をパッケージ内部に別途設置する必要がない。これにより、パッケージの内容積を大きくする必要がないので、パッケージのサイズが大きくなることを抑制することができる。
上記第1の局面による半導体発光装置において、好ましくは、キャップ部は、混合物により形成されているとともに、半導体発光素子から出射された光が外部に向けて透過する光透過部を有し、樹脂は、透光性を有し、ガス吸収剤は、光透過部以外のキャップ部を構成する混合物中に混入されている。このように構成すれば、光透過部を有するキャップ部を、透光性を有する同じ樹脂を使用して形成することができるので、キャップ部を容易に製造することができるとともに、キャップ部の構造を簡素化することができる。また、ガス吸収剤は、光透過部以外のキャップ部を構成する樹脂中に混入されているので、光透過部において、ガス吸収剤による光吸収あるいは光散乱が生じることがない。これにより、光透過部から出射光を確実に出射させることができるとともに、光透過部を含むキャップ部の樹脂から発生する有機ガスがパッケージ内に充満することを抑制することができる。
上記第1の局面による半導体発光装置において、好ましくは、ガス吸収剤は、合成ゼオライトおよびシリカゲルの少なくともいずれか一方である。このように構成すれば、樹脂から発生する有機ガスを十分吸収することができるとともに、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂と上記材料からなるガス吸収剤との混合物により容易に形成することができる。
上記第1の局面による半導体発光装置において、好ましくは、混合物により形成されているベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方の表面に、ガスバリア層が形成されている。なお、本発明において、ガスバリア層とは、ベース部およびキャップ部を構成する樹脂よりもガス透過性の低い材料からなる層を意味している。このように構成すれば、半導体発光装置の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどがベース部またはキャップ部の材料中を透過してパッケージ内に浸入することを抑制することができるので、半導体発光素子の劣化をさらに抑制することができる。
上記第1の局面による半導体発光装置において、好ましくは、ベース部に取り付けられ、同一平面上に配置された複数のリード端子と、半導体発光素子が載置される素子設置部と一体的に形成された放熱部とをさらに備え、放熱部は、同一平面上の複数のリード端子の外側に配置されている。このように構成すれば、半導体発光素子からの発熱を放熱する放熱部を、第1リード端子と第2リード端子との間の限られたスペースに配置する必要がないので、放熱部の表面積を大きくすることができる。これにより、放熱部における放熱特性を向上させることができる。また、各リード端子と放熱部とが同一平面内に配置されていることにより、たとえば、各リード端子と放熱部とをリードフレームなどで容易に形成することができる。さらに、この半導体発光装置を、たとえば光ピックアップ装置などの筐体に取り付ける際にも、放熱部と筐体とを容易に固定することができるので、半導体発光素子が発する熱を、筐体に容易に放熱することができる。
上記第1の局面による半導体発光装置において、好ましくは、樹脂は、伸縮性を有し、半導体発光素子は、ベース部とキャップ部とが嵌合することにより、封止されている。このように構成すれば、ベース部とキャップ部とを容易に密着させることができるので、パッケージ内を容易に封止することができる。すなわち、封止を行うための接着剤などをさらに使用する必要がないので、有機ガスの発生を抑制することができる。
この発明の第2の局面による半導体発光装置の製造方法は、ベース部およびキャップ部をそれぞれ形成する工程と、半導体発光素子をベース部に取り付ける工程と、ベース部とキャップ部とを嵌合することにより、半導体発光素子を封止する工程とを備え、ベース部およびキャップ部をそれぞれ形成する工程は、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂とガス吸収剤との混合物を成型することにより形成する工程を含む。
この発明の第2の局面による半導体発光装置の製造方法では、上記のように、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂とガス吸収剤との混合物を成型することにより形成することによって、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方の構成材料に樹脂を用いた場合であっても、樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、樹脂中に混入されているガス吸収剤によって吸収することができる。これにより、半導体発光素子を封止するパッケージ内に有機ガスが充満することを抑制することができるので、半導体発光素子から出射される光により励起あるいは分解されて半導体発光素子の光出射端面に固体の付着物として形成されることを抑制することができる。その結果、半導体発光素子が劣化することを抑制することが可能な半導体発光装置を得ることができる。
また、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方に、ガス吸収剤が混入されているので、ガス吸収剤を含む部材をパッケージ内部に別途設置する必要がない。これにより、パッケージの内容積を大きくする必要がないので、パッケージのサイズが大きくなることを抑制することができる。
この発明の第3の局面による光装置は、半導体発光素子と、半導体発光素子を封止するパッケージとを含む半導体発光装置と、半導体発光装置の出射光を制御する光学系とを備え、パッケージは、半導体発光素子が取り付けられるベース部と、ベース部に取り付けられ、半導体発光素子を覆うキャップ部とを有し、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方は、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成されている。
この発明の第3の局面による光装置では、上記のように、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成することによって、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方の構成材料に樹脂を用いた場合であっても、樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、樹脂中に混入されているガス吸収剤によって吸収することができる。これにより、半導体発光素子を封止するパッケージ内に有機ガスが充満することを抑制することができるので、半導体発光素子から出射される光により励起あるいは分解されて半導体発光素子の光出射端面に固体の付着物として形成されることを抑制することができる。その結果、半導体発光素子が劣化することを抑制することができる。
また、ベース部およびキャップ部の少なくともいずれか一方に、ガス吸収剤が混入されているので、ガス吸収剤を含む部材をパッケージ内部に別途設置する必要がない。これにより、パッケージの内容積を大きくする必要がないので、パッケージのサイズが大きくなることを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置のキャップ部とベース部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の樹脂とガス吸収剤との混合物の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置を、キャップ部を外した状態でレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置のキャップ部とベース部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第3実施形態による3波長半導体レーザ装置を、キャップ部を外した状態でレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第3実施形態による3波長半導体レーザ装置のキャップ部を外した状態を示した上面図である。 本発明の第4実施形態による3波長半導体レーザ装置を備えた光ピックアップ装置の構成を示した概略図である。 本発明の第5実施形態による3波長半導体レーザ装置が実装された光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置の構成図である。 本発明の第6実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を、キャップ部を外した状態でレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第6実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を備えたプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第7実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を備えたプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第7実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を備えたプロジェクタ装置において、制御部が時系列的に信号を発信する状態を示したタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置を構成するベース部の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置を構成するベース部の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100の構造について説明する。なお、半導体レーザ装置100は、本発明の「半導体発光装置」の一例である。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100は、図1および図2に示すように、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子20と、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ50とを備えている。また、パッケージ50は、青紫色半導体レーザ素子20が取り付けられるベース部10と、ベース部10に取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20を覆うキャップ部30とを有している。なお、青紫色半導体レーザ素子20は、本発明の「半導体発光素子」の一例である。
また、図1および図4に示すように、ベース部10は、エポキシ樹脂と合成ゼオライトからなるガス吸収剤との混合物により形成されており、外径D1を有する略円柱状のヘッダ部10aと、ヘッダ部10aの前面10cの下側約半分が前方(レーザ光出射方向(A1方向))に延びる台座部10bとを有する。なお、エポキシ樹脂と合成ゼオライトは、それぞれ、本発明の「樹脂」および「ガス吸収剤」の一例である。そして、金属製のリードフレームからなるリード端子11、12および13は、互いに絶縁された状態でヘッダ部10aを貫通するように同一平面上に配置されている。また、リード端子11は、ヘッダ部10aの略中心を貫通するとともに、リード端子11の幅方向(B方向)の外側(B2側およびB1側)に、それぞれリード端子12および13が配置されている。さらに、リード端子11、12および13の後方(A2方向)に延びた後端部11a、12aおよび13aが、ヘッダ部10aの背面10dからそれぞれ露出している。また、リード端子11、12および13の前方(A1側)の前端部11b、12bおよび13bは、ヘッダ部10aの前面10cからそれぞれ露出するとともに、台座部10bの上面10e上に配置されている。また、リード端子11の前端部11bは、台座部10b上でB方向に広がっており、幅D5(D5<D1)を有する。また、前端部11bの略中央に、青紫色半導体レーザ素子20が固定される素子設置部11cを有している。
また、図1に示すように、リード端子11には、前端部11bのB方向の両端部から、リード端子11〜13と同一平面上において、リード端子12および13の外側(B2側およびB1側)でヘッダ部10aを後方(A2方向)に貫通し、さらに、B2側およびB1側に延びてベース部10の外周面10fから離れた後、再度前方(A1方向)に向かって延びる一対の放熱部11eが形成されている。また、放熱部11eのベース部10の外周面10fから離れた部分のB方向の幅D6は、リード端子11のヘッダ部10aを貫通する部分のB方向の幅D7よりも広く形成されている。したがって、パッケージ50内で動作する青紫色半導体レーザ素子20が発する熱が、サブマウント40、素子設置部11c、両側の放熱部11eを介して、半導体レーザ装置100の外部に放熱されるように構成されている。
また、キャップ部30は、合成ゼオライトからなるガス吸収剤と、透光性および伸縮性を有するシリコン樹脂との混合物により形成されており、図1に示すように、内径D2および外径D3を有する略円筒状に形成された側壁部30aと、側壁部30aの一方側(A1側)を塞ぐ底面部30bとによって構成されている。なお、シリコン樹脂は、本発明の「樹脂」の一例である。また、側壁部30aは、約0.5mmの厚み(肉厚)t1を有するとともに、底面部30bは、厚みt1よりも若干大きな厚みt2(t2≧t1)を有している。また、略円形状を有する底面部30bの中央部には、青紫色半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光が外部に向けて透過可能である光透過部35が形成されている。ここで、光透過部35は、ガス吸収剤を含有していないので透光性を有しているのに対して、側壁部30aおよび底面部30bは、ガス吸収剤を含有しているので透光性を有していない。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、ベース部10およびキャップ部30は、それぞれ、樹脂(エポキシ樹脂、シリコン樹脂)15に対して所定の割合で粒子状のガス吸収剤(合成ゼオライト)16が混入された混合物により形成されている。また、ガス吸収剤16は、個々の粒子が、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有した状態で存在している。この粒子状のガス吸収剤16は、樹脂15が発生する揮発性の有機ガスを吸収する役割を有する。ここで、ベース部10においては、ガス吸収剤16は、樹脂(エポキシ樹脂)15に対して約70重量%以上約90重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。これにより、ベース部10に占めるエポキシ樹脂の割合が低下してエポキシ樹脂から発生する有機ガスの発生量が抑制されるのと同時に、ベース部10に占める割合が相対的に増加されたガス吸収剤によって、有機ガスを確実に吸収することが可能となる。また、キャップ部30においては、ガス吸収剤16は、樹脂(シリコン樹脂)15に対して約40重量%以上約70重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。これにより、ベース部10と同様に、シリコン樹脂から発生する有機ガスの発生量が抑制されるのと同時に、有機ガスを確実に吸収することが可能となる。なお、キャップ部30に混入されるガス吸収剤16の割合が、ベース部10に混入されるガス吸収剤16よりも少ないので、キャップ部30におけるシリコン樹脂による伸縮性を維持することができる。また、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bは、ガス吸収剤が混入されているので透光性を有しない一方、光透過部35は、ガス吸収剤が混入されていないので透光性を有している。
また、図2に示すように、サブマウント40の上面上には、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD(フォトダイオード)42をダイボンディングするためのパッド電極41が形成されている。なお、パッド電極41の前方(A1側)の上面の所定領域に青紫色半導体レーザ素子20が接合されるとともに、後方(A2側)の上面の所定領域にモニタ用PD42が接合されている。また、サブマウント40は、下面がAu−Sn半田からなる導電性接着層5を介してリード端子11の素子設置部11cの表面に接合されている。
また、図2に示すように、モニタ用PD42は、p型領域42bとn型領域42cとを有しており、n型領域42cの側をサブマウント40に接合している。これにより、青紫色半導体レーザ素子20の光反射面20b側に出射されたレーザ光が、モニタ用PD42のp型領域42bの上面(受光面42a)に入射されるように構成されている。また、青紫色半導体レーザ素子20は、光出射面20aが、サブマウント40のA1側の端面40a、リード端子11の前端部11bおよびベース部10の台座部10bの前面と同一面上に揃うように配置されている。
ここで、上記した光出射面20aおよび光反射面20bは、青紫色半導体レーザ素子20に形成されている一対の共振器端面に対して、それぞれの端面から出射されるレーザ光の光強度の大小関係により区別される。すなわち、出射されるレーザ光の光強度が相対的に大きい方の端面が光出射面20aであり、相対的に小さい方の端面が光反射面20bである。
また、図1に示すように、青紫色半導体レーザ素子20は、約250μm以上約400μm以下の共振器長(A方向)を有するとともに、約100μm以上約200μm以下の素子幅(B方向)を有している。また、青紫色半導体レーザ素子20は、約100μmの厚み(最大厚み)を有している。
また、図4に示すように、青紫色半導体レーザ素子20は、n型GaN基板21の上面上に、Siドープのn型AlGaNからなるn型クラッド層22、In組成の高いInGaNからなる量子井戸層とGaNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層23、および、Mgドープのp型AlGaNからなるp型クラッド層24がこの順に形成されている。
また、p型クラッド層24には、図4の紙面に対して垂直な方向(図1のA方向)に沿って延びる約1.5μmの幅を有するリッジ(凸部)25が形成されることにより導波路構造が形成されている。また、p型クラッド層24のリッジ25以外の上面とリッジ25の両側面とを覆うSiOからなる電流ブロック層26が形成されている。また、p型クラッド層24のリッジ25および電流ブロック層26の上面上には、Auなどからなるp側電極27が形成されている。
また、n型GaN基板21の下面上の略全領域には、n型GaN基板21に近い側から順に、Al層、Pt層およびAu層の順に積層されたn側電極28が形成されている。また、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面20a(図2参照)には、低反射率の誘電体多層膜が形成されているとともに、光反射面20b(図2参照)には、高反射率の誘電体多層膜が形成されている。
第1実施形態では、上記した青紫色半導体レーザ素子20のn側電極28とパッド電極41とが、導電性接着層(図示せず)を介して接合されることにより、青紫色半導体レーザ素子20は、ジャンクションアップ方式によりサブマウント40上に接合されている(図4参照)。
また、図1に示すように、青紫色半導体レーザ素子20は、p側電極27にワイヤボンディングされたAuなどからなる金属線91を介してリード端子12の前端面12bに接続されている。また、モニタ用PD42は、p型領域42bにワイヤボンディングされたAuなどからなる金属線92を介してリード端子13の前端面13bに接続されている。青紫色半導体レーザ素子20のn側電極28およびモニタ用PD42のn型領域42cは、共に、サブマウント40を介してリード端子11に電気的に接続されている。
第1実施形態では、図2に示すように、キャップ部30の側壁部30aが、ヘッダ部10aにA1側からA2側に向かってスライドして嵌め込まれることにより、台座部10b上に載置された青紫色半導体レーザ素子20が、パッケージ50内に気密封止されている。なお、キャップ部30とヘッダ部10aとを嵌合しない状態では、ヘッダ部10aの外径D1(図1参照)よりもキャップ部30の内径D2(図1参照)が、約1%程度小さくなるようにキャップ部30を形成しておくのが好ましい。これにより、ベース部10の外周面10fに対してキャップ部30の側壁部30aの内側面30cを略完全に密着させた状態で嵌合させることが可能となる。なお、ベース部10の外周面10fと前面10cとが交わる縁部10gには、周状に面取り加工が施されている。これにより、キャップ部30がヘッダ部10aに嵌め込まれる際、ベース部10の外周面10fに対してキャップ部30の内側面30cが滑らかに嵌合するように構成されている。
ここで、キャップ部30の側壁部30aは、ベース部10と放熱部11eとの間に挿入されるように嵌合されるので、キャップ部30がヘッダ部10aに嵌合した状態(図2参照)では、キャップ部30(側壁部30a)の外側にリード端子11の放熱部11eが配置される。
また、第1実施形態では、図2に示すように、ベース部10の外周面10f上と、ヘッダ部10aの背面10d上とに、SiOからなるガスバリア層17が連続して形成されている。また、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上に、SiOからなるガスバリア層33が連続して形成されている。すなわち、エポキシ樹脂やシリコン樹脂は、非結晶構造のためガス透過性が高いので、ガスバリア層17や33を設けていない場合、ヘッダ部10aに対してキャップ部30を嵌合させてパッケージ50を封止しても、半導体レーザ装置100の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスが、エポキシ樹脂中やシリコン樹脂中を透過してパッケージ50内に浸入する虞がある。これに対して、ガスバリア層17や33を設けて、有機ガスの外部からの浸入を防止することができる。なお、ガスバリア層17および33は、数十nmの厚みを有していればよい。また、ベース部10やキャップ部30は、樹脂中にガス吸収剤を含有しており、内部構造が多孔質の状態となるため、ガスバリア層17や33を設けることは、有機ガスなどの外部からの浸入を遮断する上で非常に有効である。なお、キャップ部30の外表面30dに形成されるガスバリア層33は、光透過部35の外側の表面上にも形成されている。
次に、図1〜図6を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示すように、帯状の金属板をエッチングすることにより上記説明した形状にそれぞれパターニングされたリードフレームからなるリード端子11〜13を形成する。このとき、各端子は、連結部101、102および103により、横方向に繰り返し連結されている。その後、図6に示すように、リード端子11〜13を固定する上記形状を有するベース部10(図1参照)を、上記エポキシ樹脂とガス吸収剤との混合物により形成する。
その後、真空蒸着法を用いて、ベース部10のヘッダ部10aおよび台座部10bの外周面10f上と、ヘッダ部10aの背面10d上とに、SiOからなるガスバリア層17(図2参照)を形成する。
一方、シリコン樹脂と硬化剤とを約10対1の割合で混ぜ合わせた硬化前のシリコン樹脂と、上記したガス吸収剤との混合物を所定の形状を有する型(図示せず)に流し込み、約150℃の温度条件下で約30分間加熱することにより硬化させる。これにより、キャップ部30の側壁部30a、および、略中央部に開口部が形成される底面部30b(図2参照)が成型される。この際、合成ゼオライトをシリコン樹脂に混合する前に、合成ゼオライトに対して熱処理を行うことがより好ましい。これにより、合成ゼオライトの吸収能力を向上させることができる。
その後、ガス吸収剤が混入されていない上記硬化前のシリコン樹脂と、上記工程で成型されたキャップ部30(側壁部30aおよび底面部30bの部分)とを、再度、所定の形状を有する型(図示せず)に入れて、約150℃の温度条件下で約30分間加熱する。これにより、上記底面部30bの略中央部に形成されていた開口部に、透光性を有する光透過部35(図2参照)を成型する。
その後、型からキャップ部30を取り出し、オイルフリーポンプにより減圧状態にしたオーブン内で、約240℃の温度条件下で約2日間加熱することにより、シリコン樹脂中に含有している低分子シロキサンを除去する。なお、約2日間加熱しても、シリコン樹脂中の低分子シロキサンは完全には除去できないが、残留する低分子シロキサンは、キャップ部30に混入されているガス吸収剤によって吸収可能な量にまで減じられている。
その後、真空蒸着法を用いて、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上に、SiOからなるガスバリア層33(図2参照)を形成する。このようにして、キャップ部30が形成される。
また、所定の製造プロセスを用いて、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42のチップを作製する。そして、一方の表面上にパッド電極41が形成されたサブマウント40に対して、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42のチップを接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20のn側電極28およびモニタ用PD42のn型領域42cを、パッド電極41に対して導電性接着層(図示せず)を用いてそれぞれ接合する。
その後、図6に示すように、樹脂モールド成型された分離前のベース部10において、リード端子11の前端部11b(図5参照)に形成されている素子設置部11cの上面上に、導電性接着層5(図4参照)を介して、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42が接合されたサブマウント40を接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20からの出射光がA1側に出射されるように、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42が接合されていないサブマウント40の下面を素子設置部11cの上面に接合する。
その後、図1に示すように、金属線91を用いて青紫色半導体レーザ素子20のp側電極27とリード端子12の前端部12bとを接続するとともに、金属線92を用いてモニタ用PD42のp型領域42bとリード端子13の前端部13bとを接続する。なお、図6では、金属線91および92の記載を省略している。
その後、図6に示すように、帯状に繋げられているリード端子11〜13を分離線900および910の位置で切断し、連結部101、102および103を除去することにより、ベース部10を個々に分離する。最後に、分離された個々のベース部10のヘッダ部10aに対してキャップ部30を嵌合しながら被せることにより、第1実施形態による半導体レーザ装置100(図2参照)が形成される。
第1実施形態では、上記のように、ベース部10およびキャップ部30を、それぞれ、エポキシ樹脂およびシリコン樹脂と、ガス吸収剤との混合物により形成することによって、ベース部10およびキャップ部30の樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、ガス吸収剤によって吸収することができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ50内に有機ガスが充満することを抑制することができるので、パッケージ50内の有機ガス濃度を小さくすることができる。その結果、青紫色半導体レーザ素子20から出射されるレーザ光により励起あるいは分解されて光出射面20aに固体の付着物として形成されることを抑制することができるので、青紫色半導体レーザ素子20が劣化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ベース部10およびキャップ部30を、ガス吸収剤16が混入された樹脂15により形成しているので、ガス吸収剤を含む部材を、パッケージ50内に別途設置する必要がない。これにより、パッケージ50の内容積を大きくする必要がないので、半導体レーザ装置100のサイズが大きくなることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、パッケージ50のサイズを、ガス吸収剤16を含有せずに形成した場合のパッケージサイズと略等しくしているので、ガス吸収剤16を含有している分、パッケージ50中に占める樹脂15の体積を減らすことができる。これにより、有機ガスの発生を抑制することができるので、青紫色半導体レーザ素子20が劣化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、光透過部35を含むキャップ部30を、透光性を有するシリコン樹脂を使用しているので、キャップ部30を容易に製造することができるとともに、キャップ部30の構造を簡素化することができる。
ここで、約1mmの厚みを有する板状のポリジメチルシロキサンからなるシリコン樹脂(信越化学製:KE−106)により光透過部35を形成し、これを光出射面20aから1mmの距離を隔てて配置した。次に、70℃の条件で、青紫色半導体レーザ素子20から、APC(Auto Power Control)により、10mWの出力に調整されたレーザ光を上記光透過部35に1000時間照射したところ、光透過部35の透過率に変化がないことを確認した。なお、比較例として、PMMA(透明アクリル樹脂)で形成した光透過部に対して同じ条件でレーザ光を照射した場合には、レーザ光の照射領域が劣化により不透明になった。この結果から、キャップ部30にシリコン樹脂を用いることの有用性が確認された。
また、第1実施形態では、樹脂15が透光性を有し、ガス吸収剤16を光透過部35以外のキャップ部30を構成する混合物中に混入することによって、光透過部35を有するキャップ部30を、透光性を有する同じ樹脂15を使用して形成することができるので、キャップ部30を容易に製造することができるとともに、キャップ部30の構造を簡素化することができる。また、ガス吸収剤16は、光透過部35以外のキャップ部30を構成する樹脂15中に混入されているので、光透過部35において、ガス吸収剤16による光吸収あるいは光散乱が生じることがない。これにより、光透過部35から出射光を確実に出射させることができるとともに、光透過部35を含むキャップ部30の樹脂15から発生する有機ガスがパッケージ50内に充満することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ガス吸収剤16に合成ゼオライトを用いることによって、樹脂15から発生する有機ガスを十分吸収することができるとともに、ベース部10およびキャップ部30を、共に、樹脂15と上記材料からなるガス吸収剤16との混合物により容易に形成することができる。
また、第1実施形態では、混合物により形成されているベース部10の外周面10fと、ヘッダ部10aの背面10dとに、ガスバリア層17を形成するとともに、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上に、ガスバリア層33を形成することによって、半導体レーザ装置100の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどがベース部10またはキャップ部30の材料中を透過してパッケージ50内に浸入することを抑制することができるので、青紫色半導体レーザ素子20の劣化をさらに抑制することができる。
また、第1実施形態では、放熱部11eを、ベース部の同一平面上に配置された複数のリード端子11〜13の外側に配置することによって、青紫色半導体レーザ素子20からの発熱を放熱する放熱部11eを、リード端子11およびリード端子12(13)の間の限られたスペースに配置する必要がないので、放熱部11eの表面積を大きくすることができる。これにより、放熱部11eにおける放熱特性を向上させることができる。また、リード端子11〜13と放熱部11eとが同一平面内に配置されていることにより、たとえば、各リード端子と放熱部11eとをリードフレームなどで容易に形成することができる。さらに、この半導体レーザ装置100を、たとえば光ピックアップ装置などの筐体に取り付ける際にも、放熱部11eと筐体とを容易に固定することができるので、青紫色半導体レーザ素子20が発する熱を、筐体に容易に放熱することができる。
また、第1実施形態では、樹脂15が伸縮性を有し、青紫色半導体レーザ素子20を、ベース部10とキャップ部30とが嵌合することにより封止することによって、キャップ部30の内側面30cをベース部10の外周面10fに容易に密着させることができるので、パッケージ50内を容易に封止することができる。すなわち、封止のための接着剤などをさらに使用する必要がないので、有機ガスの発生を抑制することができる。
(第1実施形態の第1変形例)
図7を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aでは、上記第1実施形態と異なり、キャップ部130と嵌合する部分のベース部110の外周面110fが、後方から前方に向かって先細りするテーパ形状を有している場合について説明する。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、上記第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
すなわち、図7に示すように、ベース部110は、ヘッダ部110aの背面110dから台座部110bの前面110cに向かって外周面110fの外径D1が徐々に小さくなることによってベース部110の外形が先細りするように樹脂成型されている。また、キャップ部130の側壁部130aの開口部には、側壁部130aの内側面130cから内側に突出する爪部130eが周状に形成されるとともに、キャップ部130の底面部130bの内側であって、台座部110bと対向する領域には、キャップ部130の開口部に向かって突出する突出部130fが形成されている。
なお、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aの製造プロセスについては、ベース部110の外周面110fが図7に示すようなテーパ形状を有するように樹脂成型する点と、爪部130eおよび突出部130fを有するようにキャップ部130を樹脂成型する点とを除いて、上記第1実施形態の製造プロセスと同様である。
第1実施形態の第1変形例では、上記のように、ベース部110の外周面110fが、後方から前方に向かって先細りするテーパ形状を有して形成されているので、ベース部110(ヘッダ部110a)の外周面110fに対してキャップ部130の内側面130cがより嵌め込みやすくなるとともに、外周面110fのテーパ形状に合わせてキャップ部130の側壁部130aが伸縮しながら嵌合するので、青紫色半導体レーザ素子20が載置されるパッケージ内部をより確実に気密封止することができる。
また、第1実施形態の第1変形例では、キャップ部130の底面部130bの内側にキャップ部130の開口部に向かって突出する突出部130fが形成されているので、キャップ部130がベース部110に嵌め込まれた際、突出部130fが台座部110bの前面110cに当接することにより、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面20aとキャップ部130の光透過部135との間に所定の間隔を有する隙間を確実に形成することができる。また、この状態で、キャップ部130の爪部130eは、ヘッダ部110aの背面10dの縁部に弾性変形しながら係合することができるので、キャップ部130がベース部110から前方(A1方向)に抜け落ちることを抑制することができる。なお、第1実施形態の第1変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
図8を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態による半導体レーザ装置200では、上記第1実施形態と異なり、ヘッダ部210aおよび台座部210bの断面が幅方向(B方向)に引き延ばされた長丸形状を有するベース部210を有し、ベース部210のB方向の両端部における外周面210fには、エッジ(角部)などが形成されていない。また、キャップ部230についても、底面部230bおよび底面部230bから筒状に延びる側壁部230aの内周が、ベース部210(ヘッダ部210a)の断面形状(長丸形状)に対応した断面を有するように樹脂成型されている。これにより、キャップ部230の内側面230cが、ベース部210の外周面210fを完全に取り囲んだ状態で嵌合するように構成されている。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、上記第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、第2実施形態では、キャップ部230は、粒子状の合成ゼオライトからなるガス吸収剤と、伸縮性を有する熱可塑性フッ素樹脂との混合物により形成されている。なお、ガス吸収剤32は、熱可塑性フッ素樹脂に対して約40重量%以上約70重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。なお、熱可塑性フッ素樹脂は、本発明の「樹脂」の一例である。
また、長丸形状を有する底面部230bの中央部には、青紫色半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光が外部に向けて透過可能である光透過部235がキャップ部230と一体的に形成されている。また、光透過部235は、ガス吸収剤を含有していないので透光性を有しているのに対して、側壁部230aおよび底面部230bは、ガス吸収剤を含有しているので透光性を有しない。
なお、第2実施形態においても、ベース部210の外周面210f上と背面210d上とに、外部からのガスの浸入を遮断するためのガスバリア層17(図2参照)が形成されており、キャップ部230の側壁部230aおよび底面部230bの外表面230dに、ガスバリア層33が形成されている。
また、キャップ部230の製造プロセスについて説明すると、ペレット(約3〜5mm程度の長さを有する円柱状の粒子)状の熱可塑性フッ素樹脂に対して、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有するように粉砕した合成ゼオライトからなるガス吸収剤を混合するとともに、混練機を用いて約170℃の温度条件下で加熱しながら混練する。この際、熱可塑性フッ素樹脂に対するガス吸収剤の割合を約40%以上約70%以下にするのが好ましい。
その後、熱可塑性フッ素樹脂とガス吸収剤との混練物を所定の形状を有する型(図示せず)に流し込んで除温することにより硬化させる。これにより、キャップ部230の側壁部230a、および、略中央部に開口部が形成された底面部230b(図8参照)が成型される。この際、ガス吸収剤を熱可塑性フッ素樹脂に混合する前に、ガス吸収剤に対して熱処理を行うことがより好ましい。これにより、ガス吸収剤の吸収能力を向上させることができる。
その後、ガス吸収剤が混入されていない熱可塑性フッ素樹脂と、上記工程で成型されたキャップ部230(側壁部230aおよび底面部230bの部分)とを、再度、所定の形状を有する型(図示せず)に入れて、約170℃の温度条件下で加熱する。これにより、上記底面部230bの略中央部に形成されていた開口部に、透光性を有する光透過部235(図8参照)を成型する。なお、熱可塑性フッ素樹脂からの揮発性ガスは端面に付着物を形成しないので、上記第1実施形態のキャップ部30の製造プロセスで行った脱ガス処理を行う必要はない。
なお、第2実施形態による半導体レーザ装置200のその他の構成については、上記第1実施形態と同様である。また、第2実施形態による半導体レーザ装置200のその他の製造プロセスについては、上記したキャップ部230の断面形状(長丸形状)に対応するようにヘッダ部210aおよび台座部210bを幅方向(B方向)に引き延ばしたベース部210を樹脂成型する点を除いて、上記第1実施形態と略同様である。
第2実施形態では、上記のように、ベース部210およびキャップ部230を、それぞれ、エポキシ樹脂および熱可塑性フッ素樹脂と、ガス吸収剤との混合物により形成することによって、ベース部210およびキャップ部230の樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、ガス吸収剤によって吸収することができる。
なお、約1mmの厚みを有するテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドからなる熱可塑性フッ素樹脂(3M製:THV500G)により光透過部235を形成し、これを光出射面20aから1mmの距離を隔てて配置した。次に、70℃の条件で、青紫色半導体レーザ素子20から、APC(Auto Power Control)により、10mWの出力に調整されたレーザ光を上記光透過部235に1000時間照射したところ、光透過部235の透過率に変化がないことを確認した。この結果から、キャップ部230に熱可塑性フッ素樹脂を用いることの有用性が確認された。また、上記のように、熱可塑性フッ素樹脂からの揮発性ガスは、端面に付着物を形成しないので、これを用いてベース部およびキャップ部の少なくとも一方を形成した第2実施形態の半導体レーザ装置200では、青紫色半導体レーザ素子20の劣化をさらに抑制することができる。また、熱可塑性フッ素樹脂については、上記のように脱ガス処理を行う必要がないので、優れた特性を備えた半導体レーザ装置200を容易に製造することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
まず、図9および図10を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態による3波長半導体レーザ装置300では、上記第2実施形態と異なり、互いに異なる波長のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子を搭載して集積型の半導体レーザ装置を構成する場合について説明する。また、図中において、上記第2実施形態と同様の構成には、上記第2実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第3実施形態による3波長半導体レーザ装置300は、図9に示すように、上記第1実施形態の青紫色半導体レーザ素子20と、約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子70と約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子80とがモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子60とが、横方向(B方向)に隣接した状態で、各々がパッド電極341を介してAlNからなる導電性のサブマウント340の表面上に接合された構造を有している。また、サブマウント340は、ベース部310から露出するリード端子311(素子設置部311c)の表面上に導電性接着層5を介して接合されている。そして、キャップ部230がベース部310に嵌合されて被せられてパッケージが気密封止されるように構成されている。なお、3波長半導体レーザ装置300は、本発明の「半導体発光装置」の一例である。また、2波長半導体レーザ素子60、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80は、それぞれ、本発明の「半導体発光素子」の一例である。
また、図10に示すように、ベース部310には、金属製のリードフレームからなるリード端子311、312、313、314および315が、互いに絶縁された状態でヘッダ部210aを貫通するように同一平面上に配置されている。また、リード端子311は、ヘッダ部210aの略中心を貫通するとともに、リード端子311の幅方向(B方向)の外側(B2側およびB1側)に、それぞれ、リード端子312および313、および、リード端子314および315が配置されている。また、リード端子311〜315の各々の前方(A1側)の前端部311b〜315bは、ヘッダ部210aの前面210cからそれぞれ露出するとともに、台座部210bの上面210e上に配置されている。また、リード端子311の前端部311bは、台座部210b上でB方向に広がっている。また、前端部311bの略中央に、青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60が固定される素子設置部311cを有している。
また、リード端子311には、前端部311bのB方向の両端部から、リード端子311〜315と同一平面上において、リード端子312および315の外側(B2側およびB1側)でヘッダ部210aを後方(A2方向)に貫通し、さらに、B2側およびB1側に延びてベース部210の外周面210fから離れた後、再度前方(A1方向)に向かって延びる一対の放熱部311eが形成されている。また、放熱部311eのB方向の幅は、リード端子311のヘッダ部210aを貫通する部分のB方向の幅よりも広く形成されている。したがって、パッケージ内で動作する青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60が発する熱が、サブマウント340、素子設置部311c、両側の放熱部311eを介して、半導体レーザ装置300の外部に放熱されるように構成されている。
また、2波長半導体レーザ素子60は、図9に示すように、赤色半導体レーザ素子70と赤外半導体レーザ素子80とが所定の溝幅を有する凹部65を隔てて共通のn型GaAs基板71の表面上に形成されている。
具体的には、赤色半導体レーザ素子70は、n型GaAs基板71の上面上に、AlGaInPからなるn型クラッド層72と、GaInPからなる量子井戸層とAlGaInPからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層73と、AlGaInPからなるp型クラッド層74とが形成されている。また、p型クラッド層74のリッジ75以外の上面とリッジ75の両側面とを覆うSiOからなる電流ブロック層76が形成されている。また、リッジ75および電流ブロック層76の上面上に、約200nmの厚みを有するPt層と約3μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側電極77が形成されている。また、n型GaAs基板71の下面上に、n型GaAs基板71から近い順に、AuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたn側電極78が形成されている。また、n側電極78は、赤色半導体レーザ素子70と赤外半導体レーザ素子80とに共通のn側電極として設けられている。
また、赤外半導体レーザ素子80は、n型GaAs基板71の上面上に、AlGaAsからなるn型クラッド層82と、Al組成の低いAlGaAsからなる量子井戸層とAl組成の高いAlGaAsからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層83と、AlGaAsからなるp型クラッド層84とが形成されている。また、p型クラッド層84のリッジ85以外の上面とリッジ85の両側面とを覆うSiOからなる電流ブロック層86が形成されている。また、リッジ85および電流ブロック層86の上面上に、p側電極87が形成されている。
また、図10に示すように、青紫色半導体レーザ素子20は、p側電極27にワイヤボンディングされた金属線391を介してリード端子314の前端部314bに接続されている。また、赤色半導体レーザ素子70は、p側電極77にワイヤボンディングされた金属線392を介してリード端子313の前端部313bに接続されるとともに、赤外半導体レーザ素子80は、p側電極87にワイヤボンディングされた金属線393を介してリード端子312の前端部312bに接続されている。また、各々のレーザ素子の光反射面からのレーザ光を受光可能に形成されたモニタ用PD342は、p型領域342bにワイヤボンディングされた金属線394を介してリード端子315の前端部315bに接続されている。また、青紫色半導体レーザ素子20のn側電極28、2波長半導体レーザ素子60のn側電極78、および、モニタ用PD342のn型領域(図示せず)は、共に、サブマウント340を介してリード端子311に電気的に接続されている。
なお、第3実施形態による3波長半導体レーザ装置300のその他の構造および製造プロセスについては、青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60を横方向(図10のB方向)に並べた状態でサブマウント340上に接合する点を除いて、上記第2実施形態と略同様である。また、第3実施形態による3波長半導体レーザ装置300の効果については、上記第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態による光ピックアップ装置450について説明する。なお、光ピックアップ装置450は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第4実施形態による光ピックアップ装置450は、図11に示すように、上記第3実施形態による3波長半導体レーザ装置300(図10参照)と、3波長半導体レーザ装置300から出射されたレーザ光を調整する光学系420と、レーザ光を受光する光検出部430とを備えている。
また、光学系420は、図11に示すように、偏光ビームスプリッタ(PBS)421、コリメータレンズ422、ビームエキスパンダ423、λ/4板424、対物レンズ425、シリンドリカルレンズ426および光軸補正素子427を有している。
また、PBS421は、3波長半導体レーザ装置300から出射されるレーザ光を全透過するとともに、光ディスク435から帰還するレーザ光を全反射する。コリメータレンズ422は、PBS421を透過した3波長半導体レーザ装置300からのレーザ光を平行光に変換する。ビームエキスパンダ423は、凹レンズ、凸レンズおよびアクチュエータ(図示せず)から構成されている。アクチュエータは後述するサーボ回路からのサーボ信号に応じて、凹レンズおよび凸レンズの距離を変化させることにより、3波長半導体レーザ装置300から出射されたレーザ光の波面状態を補正する機能を有している。
また、λ/4板424は、コリメータレンズ422によって略平行光に変換された直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する。また、λ/4板424は光ディスク435から帰還する円偏光のレーザ光を直線偏光に変換する。この場合の直線偏光の偏光方向は、3波長半導体レーザ装置300から出射されるレーザ光の直線偏光の方向に直交する。これにより、光ディスク435から帰還するレーザ光は、PBS421によって略全反射される。対物レンズ425は、λ/4板424を透過したレーザ光を光ディスク435の表面(記録層)上に収束させる。なお、対物レンズ425は、対物レンズアクチュエータ(図示せず)により、後述するサーボ回路からのサーボ信号(トラッキングサーボ信号、フォーカスサーボ信号およびチルトサーボ信号)に応じて、フォーカス方向、トラッキング方向およびチルト方向に移動可能にされている。
また、PBS421により全反射されるレーザ光の光軸に沿うように、シリンドリカルレンズ426、光軸補正素子427および光検出部430が配置されている。シリンドリカルレンズ426は、入射されるレーザ光に非点収差作用を付与する。光軸補正素子427は、回折格子により構成されており、シリンドリカルレンズ426を透過した青紫色、赤色および赤外の各レーザ光の0次回折光のスポットが後述する光検出部430の検出領域上で一致するように配置されている。
また、光検出部430は、受光したレーザ光の強度分布に基づいて再生信号を出力する。ここで、光検出部430は再生信号とともに、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号が得られるように所定のパターンの検出領域を有する。このようにして、3波長半導体レーザ装置300を備えた光ピックアップ装置450が構成される。
この光ピックアップ装置450では、3波長半導体レーザ装置300は、リード端子311と、リード端子312〜314との間に、それぞれ、独立して電圧を印加することによって、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80から、青紫色、赤色および赤外のレーザ光を独立的に出射することが可能に構成されている。また、3波長半導体レーザ装置300から出射されたレーザ光は、上記のように、PBS421、コリメータレンズ422、ビームエキスパンダ423、λ/4板424、対物レンズ425、シリンドリカルレンズ426および光軸補正素子427により調整された後、光検出部430の検出領域上に照射される。
ここで、光ディスク435に記録されている情報を再生する場合には、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80から出射される各々のレーザパワーが一定になるように制御しながら、光ディスク435の記録層にレーザ光を照射するとともに、光検出部430から出力される再生信号を得ることができる。また、同時に出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ423のアクチュエータと対物レンズ425を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
また、光ディスク435に情報を記録する場合には、記録すべき情報に基づいて、青紫色半導体レーザ素子20および赤色半導体レーザ素子70(赤外半導体レーザ素子80)から出射されるレーザパワーを制御しながら、光ディスク435にレーザ光を照射する。これにより、光ディスク435の記録層に情報を記録することができる。また、上記同様、光検出部430から出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ423のアクチュエータと対物レンズ425を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
このようにして、3波長半導体レーザ装置300を備えた光ピックアップ装置450を用いて、光ディスク435への記録および再生を行うことができる。
第4実施形態における光ピックアップ装置450では、上記第3実施形態における3波長半導体レーザ装置300を備えているので、3波長半導体レーザ装置300に搭載された個々の半導体レーザ素子が劣化するのが抑制され、かつ、3波長半導体レーザ装置300のサイズが大きくなるのが抑制された光ピックアップ装置450を得ることができる。
(第5実施形態)
図11および図12を参照して、本発明の第5実施形態による光ディスク装置500について説明する。なお、光ディスク装置500は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第5実施形態による光ディスク装置500は、図12に示すように、上記第4実施形態による光ピックアップ装置450と、コントローラ501と、レーザ駆動回路502と、信号生成回路503と、サーボ回路504と、ディスク駆動モータ505とを備えている。
コントローラ501には、光ディスク435に記録すべき情報に基づいて生成された記録データS1が入力される。また、コントローラ501は、記録データS1および後述する信号生成回路503からの信号S5に応じて、レーザ駆動回路502に向けて信号S2を出力するとともに、サーボ回路504に向けて信号S7を出力するように構成されている。また、コントローラ501は、後述するように、信号S5を基に再生データS10を出力する。また、レーザ駆動回路502は、上記信号S2に応じて、光ピックアップ装置450内の3波長半導体レーザ装置300から出射されるレーザパワーを制御する信号S3を出力する。すなわち、3波長半導体レーザ装置300は、コントローラ501およびレーザ駆動回路502により駆動されるように構成されている。
光ピックアップ装置450では、図12に示すように、上記信号S3に応じて制御されたレーザ光を光ディスク435に照射する。また、光ピックアップ装置450内の光検出部430から、信号生成回路503に向けて信号S4が出力される。また、後述するサーボ回路504からのサーボ信号S8により、光ピックアップ装置450内の光学系420(ビームエキスパンダ423のアクチュエータおよび対物レンズ425を駆動する対物レンズアクチュエータ)が制御される。信号生成回路503は、光ピックアップ装置450から出力された信号S4を増幅および演算処理して、再生信号を含む第1出力信号S5をコントローラ501に向けて出力するとともに、上記光ピックアップ装置450のフィードバック制御および後述する光ディスク435の回転制御を行う第2出力信号S6をサーボ回路504に向けて出力する。
サーボ回路504は、図12に示すように、信号生成回路503およびコントローラ501からの第2出力信号S6および信号S7に応じて、光ピックアップ装置450内の光学系420を制御するサーボ信号S8およびディスク駆動モータ505を制御するモータサーボ信号S9を出力する。また、ディスク駆動モータ505は、モータサーボ信号S9に応じて、光ディスク435の回転速度を制御する。
ここで、光ディスク435に記録されている情報を再生する場合には、まず、ここでは説明を省略する光ディスク435の種類(CD、DVD、BDなど)を識別する手段により、照射すべき波長のレーザ光が選択される。次に、光ピックアップ装置450内の3波長半導体レーザ装置300から出射されるべき波長のレーザ光強度が一定になるように、コントローラ501からレーザ駆動回路502に向けて信号S2が出力される。さらに、上記で説明した光ピックアップ装置450の3波長半導体レーザ装置300、光学系420および光検出部430が機能することにより、光検出部430から再生信号を含む信号S4が信号生成回路503に向けて出力され、信号生成回路503は、再生信号を含む信号S5をコントローラ501に向けて出力する。コントローラ501は、信号S5を処理することにより、光ディスク435に記録されていた再生信号を抽出し、再生データS10として出力する。この再生データS10を用いて、たとええば、光ディスク435に記録されている映像、音声などの情報を、モニタやスピーカなどに出力することができる。また、光検出部430からの信号S4を基に、各部のフィードバック制御も行う。
また、光ディスク435に情報を記録する場合には、まず、上記同様の光ディスク435の種類(CD、DVD、BDなど)を識別する手段により、照射すべき波長のレーザ光が選択される。次に、記録される情報に応じた記録データS1に応じて、コントローラ501からレーザ駆動回路502に向けて信号S2が出力される。さらに、上記で説明した光ピックアップ装置450の3波長半導体レーザ装置300、光学系420および光検出部430が機能することにより、光ディスク435に情報を記録するとともに、光検出部430からの信号S4を基に、各部のフィードバック制御を行う。
このようにして、光ディスク装置500を用いて、光ディスク435への記録および再生を行うことができる。
第5実施形態における光ディスク装置500では、上記第4実施形態における光ピックアップ装置450を備えているので、光ピックアップ装置450に搭載された個々の半導体レーザ素子が劣化するのが抑制され、かつ、光ピックアップ装置450のサイズが大きくなるのが抑制された光ディスク装置500を得ることができる。
(第6実施形態)
図10、図13および図14を参照して、本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置600の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置600では、RGB3波長半導体レーザ装置610を構成する個々の半導体レーザ素子が略同時に点灯される例について説明する。なお、RGB3波長半導体レーザ装置610は、本発明の「半導体発光装置」の一例であり、プロジェクタ装置600は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置600は、図14に示すように、RGB3波長半導体レーザ装置610と、複数の光学部品からなる光学系620と、RGB3波長半導体レーザ装置610および光学系620を制御する制御部690とを備えている。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置610から出射されたレーザ光が、光学系620により変調された後、外部のスクリーン695などに投影されるように構成されている。
また、RGB3波長半導体レーザ装置610は、図13に示すように、約530nmの緑色(G)の発振波長を有する緑色半導体レーザ素子660および約480nmの青色(B)の波長を有する青色半導体レーザ素子665がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子650に対して、約655nmの赤色(R)の発振波長を有する赤色半導体レーザ素子670が接合され、RGBの3つの波長を有するレーザ光を出射することができるRGB3波長半導体レーザ装置610を備えている。
ここで、RGB3波長半導体レーザ装置610は、図10に示す上記第3実施形態の3波長半導体レーザ装置300を参照して、青紫色半導体レーザ素子20の代わりにn型GaAs基板71の上面上に形成された赤色半導体レーザ素子670(図13参照)を備え、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子60の代わりに緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665がn型GaN基板21の下面上にモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子650(図13参照)を備えている。また、各々の半導体レーザ素子は、パッド電極341を介してサブマウント340の表面上に接合されている。
また、図13に示すように、赤色半導体レーザ素子670は、p側電極77にワイヤボンディングされた金属線391を介してリード端子314の前端部314b(図10参照)に接続されている。また、青色半導体レーザ素子665は、p側パッド電極666にワイヤボンディングされた金属線392を介してリード端子313の前端部313b(図10参照)に接続されるとともに、緑色半導体レーザ素子660は、p側パッド電極661にワイヤボンディングされた金属線393を介してリード端子312の前端部312b(図10参照)に接続されている。また、各々のレーザ素子の光反射面からのレーザ光を受光可能に形成されたモニタ用PD342は、p型領域342bにワイヤボンディングされた金属線394を介してリード端子315の前端部315b(図10参照)に接続されている。また、赤色半導体レーザ素子670のn側電極678、2波長半導体レーザ素子650のn側電極658、および、モニタ用PD342のn型領域342cは、共に、サブマウント340を介してリード端子311に電気的に接続されることにより、RGB3波長半導体レーザ装置610では、カソードコモンの結線が実現されている。
なお、RGB3波長半導体レーザ装置610のその他の構成および製造プロセスは、上記第3実施形態の3波長半導体レーザ装置300の場合と同様である。
また、図14に示すように、光学系620において、RGB3波長半導体レーザ装置610から出射されたレーザ光は、凹レンズと凸レンズとからなる分散角制御レンズ622により所定ビーム径を有する平行光に変換された後、フライアイインテグレータ623に入射される。また、フライアイインテグレータ623では、蝿の目状のレンズ群からなる2つのフライアイレンズが向き合うように構成されており、液晶パネル629、633および640に入射する際の光量分布が均一となるように分散角制御レンズ622から入射される光に対してレンズ作用を付与する。すなわち、フライアイインテグレータ623を透過した光は、液晶パネル629、633および640のサイズに対応したアスペクト比(たとえば16:9)の広がりをもって入射できるように調整されている。
また、フライアイインテグレータ623を透過した光は、コンデンサレンズ624によって集光される。また、コンデンサレンズ624を透過した光のうち、赤色光のみがダイクロイックミラー625によって反射される一方、緑色光および青色光はダイクロイックミラー625を透過する。
そして、赤色光は、ミラー626を経てレンズ627による平行化の後に入射側偏光板628を介して液晶パネル629に入射される。この液晶パネル629は、赤色用の画像信号(R画像信号)に応じて駆動されることにより赤色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー630では、ダイクロイックミラー625を透過した光のうちの緑色光のみが反射される一方、青色光はダイクロイックミラー630を透過する。
そして、緑色光は、レンズ631による平行化の後に入射側偏光板632を介して液晶パネル633に入射される。この液晶パネル633は、緑色用の画像信号(G画像信号)に応じて駆動されることにより緑色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー630を透過した青色光は、レンズ634、ミラー635、レンズ636およびミラー637を経て、さらにレンズ638によって平行化がなされた後、入射側偏光板639を介して液晶パネル640に入射される。この液晶パネル640は、青色用の画像信号(B画像信号)に応じて駆動されることにより青色光を変調する。
その後、液晶パネル629、633および640によって変調された赤色光、緑色光および青色光は、ダイクロイックプリズム641により合成された後、出射側偏光板642を介して投写レンズ643へと入射される。また、投写レンズ643は、投写光を被投写面(スクリーン695)上に結像させるためのレンズ群と、レンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズームおよびフォーカスを調整するためのアクチュエータを内蔵している。
また、プロジェクタ装置600では、制御部690によって赤色半導体レーザ素子670の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子660の駆動に関するG信号および青色半導体レーザ素子665の駆動に関するB信号としての定常的な電圧が、RGB3波長半導体レーザ装置610の各レーザ素子に供給されるように制御される。これによって、RGB3波長半導体レーザ装置610の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665は、実質的に同時に発振されるように構成されている。また、制御部690によってRGB3波長半導体レーザ装置610の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665の各々の光の強度を制御することによって、スクリーン695に投写される画素の色相や輝度などが制御されるように構成されている。これにより、制御部690によって所望の画像がスクリーン695に投写される。
このようにして、本発明の第6実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置610が搭載されたプロジェクタ装置600が構成されている。
第6実施形態では、上記のように、RGB3波長半導体レーザ装置610を備えているので、RGB3波長半導体レーザ装置610に搭載された個々の半導体レーザ素子が劣化するのが抑制され、かつ、RGB3波長半導体レーザ装置610のサイズが大きくなるのが抑制されたプロジェクタ装置600を得ることができる。
(第7実施形態)
図13、図15および図16を参照して、本発明の第7実施形態によるプロジェクタ装置700の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置700では、RGB3波長半導体レーザ装置610を構成する個々の半導体レーザ素子が時系列的に点灯される例について説明する。なお、プロジェクタ装置700は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第7実施形態によるプロジェクタ装置700は、図15に示すように、上記第6実施形態で用いたRGB3波長半導体レーザ装置610と光学系720と、RGB3波長半導体レーザ装置610および光学系720を制御する制御部790とを備えている。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置610からのレーザ光が、光学系720により変調された後、スクリーン795などに投影されるように構成されている。
また、光学系720において、RGB3波長半導体レーザ装置610から出射されたレーザ光は、それぞれ、レンズ722により平行光に変換された後、ライトパイプ724に入射される。
ライトパイプ724は内面が鏡面となっており、レーザ光は、ライトパイプ724の内面で反射を繰り返しながらライトパイプ724内を進行する。この際、ライトパイプ724内での多重反射作用によって、ライトパイプ724から出射される各色のレーザ光の強度分布が均一化される。また、ライトパイプ724から出射されたレーザ光は、リレー光学系725を介してデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)726に入射される。
DMD726は、マトリクス状に配置された微小なミラー群からなる。また、DMD726は、各画素位置の光の反射方向を、投写レンズ780に向かう第1の方向Aと投写レンズ780から逸れる第2の方向Bとに切り替えることにより各画素の階調を表現(変調)する機能を有している。各画素位置に入射されるレーザ光のうち第1の方向Aに反射された光(ON光)は、投写レンズ780に入射されて被投写面(スクリーン795)に投写される。また、DMD726によって第2の方向Bに反射された光(OFF光)は、投写レンズ780には入射されずに光吸収体727によって吸収される。
また、プロジェクタ装置700では、制御部790によりパルス電源がRGB3波長半導体レーザ装置610に供給されるように制御されることによって、RGB3波長半導体レーザ装置610の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665は、時系列的に分割されて1素子ずつ周期的に駆動されるように構成されている。また、制御部790によって、光学系720のDMD726は、赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665の駆動状態とそれぞれ同期しながら、各画素(R、GおよびB)の階調に合わせて光を変調するように構成されている。
具体的には、図16に示すように、赤色半導体レーザ素子670(図13参照)の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子660(図13参照)の駆動に関するG信号、および青色半導体レーザ素子665(図13参照)の駆動に関するB信号が、互いに重ならないように時系列的に分割された状態で、制御部790(図15参照)によって、RGB3波長半導体レーザ装置610の各レーザ素子に供給される。また、このB信号、G信号およびR信号に同期して、制御部790からB画像信号、G画像信号、R画像信号がそれぞれDMD726に出力される。
これにより、図16に示したタイミングチャートにおけるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子665の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、B画像信号に基づいて、DMD726により青色光が変調される。また、B信号の次に出力されるG信号に基づいて、緑色半導体レーザ素子660の緑色光が発光されるとともに、このタイミングで、G画像信号に基づいて、DMD726により緑色光が変調される。さらに、G信号の次に出力されるR信号に基づいて、赤色半導体レーザ素子670の赤色光が発光されるとともに、このタイミングで、R画像信号に基づいて、DMD726により赤色光が変調される。その後、R信号の次に出力されるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子665の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、再度、B画像信号に基づいて、DMD726により青色光が変調される。上記の動作が繰り返されることによって、B画像信号、G画像信号およびR画像信号に基づいたレーザ光照射による画像が、被投写面(スクリーン795)に投写される。
このようにして、本発明の第7実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置610が搭載されたプロジェクタ装置700が構成されている。なお、第7実施形態の効果は、上記第6実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第7実施形態では、ベース部およびキャップ部の各々に対してガス吸収剤が混入された樹脂材料を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では、ベース部にのみガス吸収剤が混入された樹脂材料を用いるとともに、キャップ部にガス吸収剤が混入されていない樹脂材料を用いて半導体レーザ装置を構成してもよいし、キャップ部にのみガス吸収剤が混入された樹脂材料を用いるとともに、ベース部にガス吸収剤が混入されていない樹脂材料を用いて半導体レーザ装置のパッケージを構成してもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、ガス吸収剤として合成ゼオライトを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有するように粉砕された粒子状のシリカゲルを、ガス吸収剤として用いてもよく、合成ゼオライトおよびシリカゲルの両方を用いてもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、キャップ部を、伸縮性を有するシリコン樹脂または熱可塑性フッ素樹脂により形成し、かつ、キャップ部をベース部に嵌合させて半導体レーザ装置のパッケージを構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リードフレームのベース部を、伸縮性を有するシリコン樹脂または熱可塑性フッ素樹脂などを用いて形成し、かつ、ベース部をキャップ部に嵌合させて半導体レーザ装置のパッケージを構成してもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、ベース部およびキャップ部を、共に樹脂とガス吸収剤との混合物により形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベース部およびキャップ部の一方を金属材料を用いて形成し、他方を樹脂とガス吸収剤との混合物により形成してもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、樹脂(エポキシ樹脂)に粒子状に粉砕されたガス吸収剤(合成ゼオライト)を混入してベース部を形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図17に示す第1実施形態の第2変形例のように、複数のペレット状(円柱状)のガス吸収剤816を粉砕することなくベース部810に埋め込んで形成してもよい。この場合、ペレット状のガス吸収剤816のほとんどの部分が樹脂15(たとえばエポキシ樹脂など)中に埋め込まれるとともに、埋め込まれた複数のペレットの一方端部816aがベース部810の端面(前面810c)から露出するように構成されている。この第2変形例のように構成すれば、樹脂15内部において発生した有機ガスが、ベース部810に埋め込まれたガス吸収剤816により吸収されるとともに、パッケージ内に漏れた有機ガスについても、ベース部810の端面(前面810c)に露出する一方端部816aにより吸収される。また、図2に示したベース部10の内部構造と比較して、ベース部810の外周面810fの近傍は、ガス吸収剤816が存在せずに樹脂15のみによって構成される領域を有するので、その分、外部(大気中)からの低分子シロキサンや揮発性の有機ガスが樹脂15中に浸入することを抑制することができる。なお、外周面810fにガスバリア層を形成することにより、外部からのガス浸入に対する抑制効果をさらに高めることができる。
また、上記第1〜第7実施形態では、樹脂(エポキシ樹脂)に粒子状に粉砕されたガス吸収剤(合成ゼオライト)を一様に混入してベース部を形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図18に示す第1実施形態の第3変形例のように、ベース部910の外周面910fの近傍に、エポキシ樹脂に粒子状に粉砕されたガス吸収剤が混入されない領域Pを有するようにベース部910をモールド成型して構成してもよい。この第3変形例のように構成しても、図2に示したベース部10の内部構造と比較して、ベース部910の外周面910fの近傍は、ガス吸収剤が存在せずに樹脂15のみによって形成される領域Pを有するので、外部(大気中)からの低分子シロキサンや揮発性の有機ガスが樹脂15中に浸入するのが抑制される。なお、外周面910fに、上記第1実施形態と同様にガスバリア層を形成することによって、パッケージ外部からのガス浸入抑制効果をさらに高めることができる。
また、上記第1〜第7実施形態では、ベース部およびキャップ部の各々に対してガスバリア層を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では、ベース部またはキャップ部のいずれか一方にのみガスバリア層を設けるようにしてもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、ベース部の外表面にガスバリア層17を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では、パッケージ内の空間に接する側のベース部の表面(ヘッダ部の前面と台座部の前面および上面と)にガスバリア層を設けるように構成してもよい。また、キャップ部についても同様に、パッケージ内の空間に接する側のキャップ部の表面(キャップ部の内面)にガスバリア層を設けるように構成してもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、ガスバリア層を、SiOからなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、AlやZrOなどの誘電体膜を用いてガスバリア層を形成してもよいし、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールなどのガス透過性の低い樹脂膜を用いてガスバリア層を形成してもよい。なお、キャップ部に形成されるガスバリア層33を、AlやZrOなどからなる多層の金属酸化膜によって構成する場合、このガスバリア層33を兼ねる金属酸化膜が、反射防止層の役割を有する。なお、ガスバリア層33を反射防止層としての金属酸化膜により構成する場合、図2に示したキャップ部30の光透過部35の内表面および外表面の両方の表面上に形成されるのが好ましい。
また、上記第1〜第7実施形態では、樹脂にガス吸収剤を混入したベース部およびキャップ部を用いてパッケージを構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、樹脂にガス吸収剤を混入したベース部およびキャップ部を用いることに加えて、パッケージ内の空いたスペースに、ガス吸収剤を設置するようにしてもよい。
10、210、310、810、910 ベース部
11c、311c 素子設置部
11e 放熱部
15 樹脂
16 ガス吸収剤
17、33 ガスバリア層
20 青紫色半導体レーザ素子(半導体発光素子)
30 キャップ部
35、235 光透過部
50 パッケージ
60 2波長半導体レーザ素子(半導体発光素子)
70 赤色半導体レーザ素子(半導体発光素子)
80 赤外半導体レーザ素子(半導体発光素子)
100、200 半導体レーザ装置(半導体発光装置)
231 熱可塑性フッ素樹脂(樹脂)
300 3波長半導体レーザ装置(半導体発光装置)
420、620、720 光学系
450 光ピックアップ装置(光装置)
500 光ディスク装置(光装置)
610 RGB3波長半導体レーザ装置(半導体発光装置)
600、700 プロジェクタ装置(光装置)

Claims (8)

  1. 半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子を封止するパッケージとを備え、
    前記パッケージは、前記半導体発光素子が取り付けられるベース部と、前記ベース部に取り付けられ、前記半導体発光素子を覆うキャップ部とを含み、
    前記ベース部および前記キャップ部の少なくともいずれか一方は、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成されている、半導体発光装置。
  2. 前記キャップ部は、前記混合物により形成されているとともに、前記半導体発光素子から出射された光が外部に向けて透過する光透過部を有し、
    前記樹脂は、透光性を有し、
    前記ガス吸収剤は、前記光透過部以外の前記キャップ部を構成する前記混合物中に混入されている、請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記ガス吸収剤は、合成ゼオライトおよびシリカゲルの少なくともいずれか一方である、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記混合物により形成されている前記ベース部および前記キャップ部の少なくともいずれか一方の表面に、ガスバリア層が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  5. 前記ベース部に取り付けられ、同一平面上に配置された複数のリード端子と、前記半導体発光素子が載置される素子設置部と一体的に形成された放熱部とをさらに備え、
    前記放熱部は、前記同一平面上の前記複数のリード端子の外側に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記樹脂は、伸縮性を有し、
    前記半導体発光素子は、前記ベース部と前記キャップ部とが嵌合することにより、封止されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. ベース部およびキャップ部をそれぞれ形成する工程と、
    半導体発光素子を前記ベース部に取り付ける工程と、
    前記ベース部と前記キャップ部とを嵌合することにより、前記半導体発光素子を封止する工程とを備え、
    前記ベース部および前記キャップ部をそれぞれ形成する工程は、前記ベース部および前記キャップ部の少なくともいずれか一方を、樹脂とガス吸収剤との混合物を成型することにより形成する工程を含む、半導体発光装置の製造方法。
  8. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子を封止するパッケージとを含む半導体発光装置と、
    前記半導体発光装置の出射光を制御する光学系とを備え、
    前記パッケージは、前記半導体発光素子が取り付けられるベース部と、前記ベース部に取り付けられ、前記半導体発光素子を覆うキャップ部とを有し、
    前記ベース部および前記キャップ部の少なくともいずれか一方は、樹脂とガス吸収剤との混合物により形成されている、光装置。
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