JP2011243600A - 半導体レーザ装置および光装置 - Google Patents

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伸彦 林
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Abstract

【課題】半導体レーザ素子が発する熱を十分に放熱することが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100は、青紫色半導体レーザ素子20と、ベース部10と、ベース部10の前面10cに取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20が載置される前端領域11bと、前端領域11bと一体的に形成され、ベース部10の側面10fより外側に延びる放熱部11dとを備える。そして、放熱部11dと前端領域11bとは、ベース部10の前面10c側から後面10d側に延びる接続部11cによって接続されており、放熱部11dと接続部11cとの接続領域となる後端領域11hは、ベース部10の後面10d側(A2側)に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体レーザ装置および光装置に関し、特に、放熱板を備えた半導体レーザ装置および光装置に関する。
従来、半導体レーザ素子は、光ディスクシステムや光通信システムなどの光源として広く用いられている。たとえば、約780nmの波長のレーザ光を出射する赤外半導体レーザ素子は、CDの再生用の光源として実用化されているとともに、約650nmの波長のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ素子は、DVDの記録・再生用の光源として実用化されている。また、約405nmの波長のレーザ光を出射する青紫色半導体レーザ素子は、ブルーレイディスクの光源として実用化されている。
このような光源装置を実現するために、従来、放熱板を備えた半導体レーザ装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
上記特許文献1には、樹脂成型品からなるヘッダと、ヘッダに固定された取付板を有する第1のリードと、取付板上にSiサブマウントを介して取り付けられた半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の周囲を覆う樹脂製の透明キャップとを備えた半導体レーザのプラスチックモールド装置が開示されている。また、この半導体レーザのプラスチックモールド装置では、第1のリードの両側に第2のリードと第3のリードとが配置されている。また、第1のリードと第2のリードおよび第3のリードとの間には、それぞれ、取付板から延伸する放熱板が配置されている。
また、上記特許文献2には、円柱状のステムと、ステムの一部に形成された載置面上にサブマウントを介して取り付けられた半導体レーザ素子と、ステムとともに半導体レーザ素子の周囲を覆うキャップとを備えた半導体装置が開示されている。この特許文献2に記載の半導体装置では、半導体レーザ素子から発生した熱は、キャップ全体から放熱される。
特開平9−205251号公報 特開2009−141157号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された半導体レーザのプラスチックモールド装置では、放熱板が第1のリードと第2のリードとに挟まれた領域に配置されているので、放熱板の放熱面積を十分に確保することができない。このため、半導体レーザ素子が発する熱を十分に放熱できないという問題点がある。
また、上記特許文献2に開示された半導体装置では、たとえば、キャップが樹脂などの熱伝導性の低い材料からなる場合には、キャップからの放熱が十分に行われないので、半導体レーザ素子が発する熱を十分に放熱できないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、半導体レーザ素子が発する熱を十分に放熱することが可能な半導体レーザ装置および光装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、ベース部と、ベース部の前面に取り付けられ、半導体レーザ素子が載置される素子設置部と、素子設置部と一体的に形成され、ベース部の側面よりも外側に延びる放熱部とを備え、放熱部と素子設置部とは、ベース部の前面側から後面側に延びる接続部によって接続されており、放熱部と接続部との接続領域は、ベース部の後面側に配置されている。
この発明の第1の局面による半導体レーザ装置では、上記のように、ベース部の側面よりも外側に延びる放熱部を備えることによって、放熱面積を十分に確保することができるので、半導体レーザ素子が発する熱を放熱部を介して十分に放熱することができる。また、ベース部の後面で、放熱部と接続部とが接続されているので、ベース部の前面側に放熱部と干渉することなく半導体レーザ素子を封止するためのキャップを取り付けることができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、半導体レーザ素子を覆うキャップ部をさらに備え、放熱部は、キャップ部の外側に配置されている。このように構成すれば、放熱性を維持した状態で半導体レーザ素子の封止を容易に行うことができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ベース部の後面に取り付けられた第1リード端子をさらに備え、素子設置部は、第1リード端子と一体的に形成されている。このように構成すれば、第1リード端子にも放熱機能の役割を兼用させることができる。これにより、半導体レーザ装置の放熱性をさらに向上させることができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ベース部の後面に取り付けられた第2リード端子をさらに備え、素子設置部と第2リード端子とは、異なる平面上に配置されている。このように構成すれば、リード端子の幅を小さくすることなく、リード端子の数を容易に増やすことができる。また、リード端子の数を増やした場合でも、接続部の幅(断面積)を適切に確保することができるので、接続部を介して素子設置部から放熱部に放熱する際に放熱(伝熱)特性が低下することを抑制することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、接続部および放熱部の少なくとも一部が折り曲げられている。このように構成すれば、放熱部の表面積をさらに大きくすることができる。これにより、折り曲げられた方向にも放熱部を延ばして配置することができるので、放熱特性をさらに向上させることができる。
この発明の第2の局面による光装置は、半導体レーザ素子と、ベース部と、ベース部の前面に取り付けられ、半導体レーザ素子が載置される素子設置部と、素子設置部と一体的に形成され、ベース部の側面よりも外側に延びる放熱部とを含む半導体レーザ装置と、半導体レーザ装置の出射光を制御する光学系とを備え、放熱部と素子設置部とは、ベース部の前面側から後面側に延びる接続部によって接続されており、放熱部と接続部との接続領域は、ベース部の後面側に配置に接続されている。
この発明の第2の局面による光装置では、上記のように、半導体レーザ装置がベース部の側面よりも外側に延びる放熱部を含むことによって、放熱面積を十分に確保することができるので、半導体レーザ素子が発する熱を放熱部を介して十分に放熱することが可能な光装置を得ることができる。また、ベース部の後面で、放熱部と接続部とが接続されているので、ベース部の前面側に放熱部と干渉することなく半導体レーザ素子を封止するためのキャップを取り付けることができる。これにより、良好な放熱性を有する半導体レーザ装置を備えた光装置を得ることができる。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置のベース部を構成する樹脂とガス吸収剤との混合物の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の上面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置をレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置のキャップ部とベース部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置の上面図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第2実施形態の変形例による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置をレーザ光の出射方向から見たときの断面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した斜視図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の上面図である。 本発明の第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置の上面図である。 本発明の第6実施形態による3波長半導体レーザ装置のキャップ部とベース部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第6実施形態による3波長半導体レーザ装置を、キャップ部を外した状態でレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第7実施形態による光ピックアップ装置の構成を示した概略図である。 本発明の第8実施形態による光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置の構成図である。 本発明の第9実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を、キャップ部を外した状態でレーザ光の出射方向から見たときの正面図である。 本発明の第9実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置を備えたプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第10実施形態によるプロジェクタ装置の構成図である。 本発明の第10実施形態によるプロジェクタ装置において、制御部が時系列的に信号を発信する状態を示したタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態の第4変形例による半導体レーザ装置の上面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100は、図1および図2に示すように、絶縁体からなり外径D1を有する略円柱状のベース部10と、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子20とを備えている。なお、青紫色半導体レーザ素子20は、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。
ベース部10は、前面10cの下側約半分が前方(レーザ光出射方向(A1方向))に延びる台座部10bを有する。また、図3に示すように、ベース部10は、エポキシ樹脂15に対して所定の割合で混入された粒子状のガス吸収剤16(合成ゼオライト)の混合物により形成されている。また、ガス吸収剤16は、個々の粒子が、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有した状態で存在している。この粒子状のガス吸収剤16は、樹脂15が発生する揮発性の有機ガスを吸収する役割を有する。
また、幅W5を有する金属製のリードフレームからなるリード端子11、12および13が、互いに絶縁された状態でベース部10の前面10c側(A1側)から後面10d側(A2側)に貫通して配置されている。リード端子11は、ベース部10の前面10cの略中心を貫通しており、リード端子12および13は、リード端子11の幅方向(B方向)の外側(B2側およびB1側)の同一平面上にそれぞれ配置されている。また、リード端子11、12および13は、各々の後方(A2側)に延びた後端領域11a、12aおよび13aが、ベース部10の後面10dからそれぞれ露出している。なお、リード端子11は、本発明の「第1リード端子」の一例である。
また、図1および図4に示すように、リード端子11、12および13の前方(A1側)の前端領域11b、12bおよび13bは、ベース部10の前面10cからそれぞれ露出するとともに、台座部10bの上面10e上に配置されている。また、リード端子11の前端領域11bは、リード端子12、13の前端領域12bおよび13bよりも前方側ででB方向に広がっており、幅W1(W1<D1)を有する。なお、前端領域11bは、本発明の「素子設置部」の一例である。
ここで、第1実施形態では、図4に示すように、リード端子11の前端領域11bには、リード端子11を中心としてB方向の両側に略対称に配置された一対の放熱部11dが接続されている。詳細に説明すると、リード端子11の前端領域11bの幅方向(B2側およびB1側)の両端部からそれぞれ後方(A2方向)に延びる接続部11cが形成されている。この接続部11cは、それぞれ、幅W2を有している。また、接続部11cは、それぞれ、前端領域11bからリード端子12および13よりも外側(B2側またはB1側)を後方に延びるとともに、ベース部10の前面10cから後面10dに貫通している。そして、放熱部11dは、ベース部10の後面10dから露出した接続部11cの後端領域11hに接続されている。なお、接続部11cの後端領域11hは、本発明の「接続領域」の一例である。また、放熱部11dは、一端が接続部11cの後端領域11hに接続される幅W3を有する第1放熱部11fと、第1放熱部11fの他端に接続される幅W4を有する第2放熱部11gとを含んでいる。この際、第1放熱部11fが、ベース部10の側面10fよりも外側(B2方向またはB1方向)にW6だけ延びた後、第2放熱部11gが、第1放熱部11fの他端から前方(A1方向)に向きを変えて延びている。したがって、図4に示すように、第2放熱部11gは、それぞれ、ベース部10の側面10fに対して幅W6の間隔を隔てて側面10fと略平行に延びている。つまり、接続部11cおよび放熱部11dは、平面的に見て略U字形状を有しており、台座部10bの上面10eと同一平面上に形成されている。
また、接続部11cの幅W2および第2放熱部11gの幅W4は、共にリード端子11のベース部10を貫通する部分の幅W5よりも広く(W2>W5かつW4>W5)形成されている。
また、リード端子11の前端領域11bの上面略中央に、青紫色半導体レーザ素子20がサブマウント40を介して取り付けられている。この青紫色半導体レーザ素子20は、約250μm以上約400μm以下の共振器長(A方向)を有するとともに、約100μm以上約200μm以下の素子幅(B方向)を有している。また、青紫色半導体レーザ素子20は、約100μmの厚みを有している。
また、図5に示すように、青紫色半導体レーザ素子20では、n型GaN基板21の上面上に、Siドープのn型AlGaNからなるn型クラッド層22が形成されている。n型クラッド層22の上面上には、In組成の高いInGaNからなる量子井戸層とGaNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層23が形成されている。活性層23の上面上には、Mgドープのp型AlGaNからなるp型クラッド層24が形成されている。
また、p型クラッド層24には、図5の紙面に対して垂直な方向(図1のA方向)に沿って延びる約1.5μmの幅を有するリッジ(凸部)25が形成されている。また、p型クラッド層24のリッジ25以外の上面とリッジ25の両側面には、SiOからなる電流ブロック層26が形成されている。また、p型クラッド層24のリッジ25および電流ブロック層26の上面上には、Auなどからなるp側電極27が形成されている。
また、n型GaN基板21の下面上の略全領域には、n型GaN基板21に近い側から順に、Al層、Pt層およびAu層の順に積層されたn側電極28が形成されている。また、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面20a(図2参照)には、低反射率の誘電体多層膜が形成されている。また、光反射面20b(図2参照)には、高反射率の誘電体多層膜が形成されている。ここで、上記した光出射面20aおよび光反射面20bは、青紫色半導体レーザ素子20に形成されている一対の共振器端面に対して、それぞれの端面から出射されるレーザ光の光強度の大小関係により区別される。すなわち、出射されるレーザ光の光強度が相対的に大きい方の端面が光出射面20aであり、相対的に小さい方の端面が光反射面20bである。
第1実施形態では、上記した青紫色半導体レーザ素子20のn側電極28と、サブマウント40の上面上に形成されたパッド電極41とが、導電性接着層(図示せず)を介して接合される。これにより、青紫色半導体レーザ素子20は、ジャンクションアップ方式によりサブマウント40上に接合されている(図5参照)。また、サブマウント40は、下面がAu−Sn半田からなる導電性接着層5を介してリード端子11の前端領域11bの表面(上面)に接合されている。この際、青紫色半導体レーザ素子20は、光出射面20aが、サブマウント40のA1側の端面40a、リード端子11の前端領域11bの前面およびベース部10の台座部10bの前面10hと同一面上に揃うように配置されている(図2参照)。また、図1に示すように、p側電極27には、Auなどからなる金属線91の一端がワイヤボンディングされており、金属線91の他端は、リード端子12の前端領域12bに接続されている。
また、図2に示すように、サブマウント40(パッド電極41)の上面上の後方領域(A2側)には、平板状のモニタ用PD(フォトダイオード)42が配置されている。また、モニタ用PD42は、受光面となる上面42a側(C2側)に形成されたp型領域42bと、下面側(C1側)に形成されたn型領域42cとを有している。そして、下面側のn型領域42cがサブマウント40上のパッド電極41に接合されている。
また、モニタ用PD42の上面42aには、Auなどからなる金属線92の一端がワイヤボンディングされており、金属線92の他端は、リード端子13の前端領域13bに接続されている。このようにして、第1実施形態による半導体レーザ装置100が構成されている。
次に、図1〜図7を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。
まず、図6に示すように、鉄や銅などの帯状の薄板からなる金属板をエッチングすることにより、放熱部11dおよび接続部11cが前端領域11bと一体的に形成されたリード端子11と、リード端子11の両側に配置されたリード端子12および13とが、横方向(B方向)に繰り返しパターニングされたリードフレーム105を形成する。この際、各リード端子12および13は、横方向(B方向)に延びる連結部101および102により連結された状態でパターニングされる。また、各放熱部11dは、横方向に延びる連結部103により連結された状態でパターニングされる。
その後、エポキシ樹脂とガス吸収剤との混合物を用いて、図1および図7に示すように、一組のリード端子11〜13を固定するベース部10をモールド成型する。この際、各リード端子11〜13は、ベース部10を貫通するとともに、各前端領域11b〜13bおよび後端領域11a〜13aがベース部10から露出するように固定される。また、ベース部10は、リード端子11〜13の前端領域11b〜13b側に形成され、接続部11cも内部に含めるように形成される。また、リード端子11〜13の前端領域11b〜13bの下側(図2のC1側)には、ベース部10の前面10cの下側約半分が前方に延びる台座部10bも形成される。
また、所定の製造プロセスを用いて、青紫色半導体レーザ素子20、モニタ用PD42およびサブマウント40を作製する。そして、サブマウント40の一方の表面上に形成されたパッド電極41上に、導電性接着層(図示せず)を用いて青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42を接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20はn側電極28側が、モニタ用PD42はn型領域42c側が、それぞれパッド電極41に接合される。
その後、図7に示すように、導電性接着層5(図5参照)を介して、リード端子11の前端領域11b(図4参照)の上面略中央(横方向)に、サブマウント40を接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42が接合されていないサブマウント40の下面側が前端領域11bの上面に接合される。また、青紫色半導体レーザ素子20の光反射面20bがベース部10の前面10cと対向するようにサブマウント40が接合される。
その後、図1に示すように、金属線91を用いて青紫色半導体レーザ素子20のp側電極27とリード端子12の前端領域12bとを接続する。また、金属線92を用いてモニタ用PD42のp型領域42bとリード端子13の前端領域13bとを接続する。なお、図7では、金属線91および92の記載を省略している。
その後、図7に示すように、分離線180および190に沿って切断することにより、連結部101、102および103を切断除去する。このようにして、第1実施形態による半導体レーザ装置100(図2参照)が形成される。
第1実施形態では、上記のように、ベース部10の側面10fよりも外側に延びる放熱部11dを備えることによって、放熱面積を十分に確保することができるので、青紫色半導体レーザ素子20が発する熱を放熱部11dを介して十分に放熱することができる。また、ベース部10の後面10dで、放熱部11dと接続部11cとが接続されているので、ベース部10の前面10c側に放熱部11dと干渉することなく青紫色半導体レーザ素子20を封止するためのキャップを取り付けることができる。
また、第1実施形態では、前端領域11bをリード端子11と一体的に形成することによって、リード端子11にも放熱機能の役割を兼用させることができる。これにより、半導体レーザ装置100の放熱性をさらに向上させることができる。なお、接続部11cの幅W2および第2放熱部11gの幅W4は、共にリード端子11のベース部10を貫通する部分の幅W5よりも広く(W2>W5、W4>W5)形成されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子20が発する熱は、サブマウント40を介してリード端子11の前端領域11bへ伝わった後、リード端子11よりも接続部11cおよび放熱部11dの方に伝達(熱伝導)されやすい。これにより、青紫色半導体レーザ素子20の熱が、接続部11cに繋がる各々の放熱部11dに伝達されて半導体レーザ装置100の外部に放熱されるように構成されている。
(第1実施形態の第1変形例)
図8〜図10を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aでは、上記第1実施形態で示したベース部10に樹脂製のキャップ部30を被せて半導体レーザ装置100aを構成する場合について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
すなわち、図8に示すように、半導体レーザ装置100aは、青紫色半導体レーザ素子20を載置するベース部10に加えて、青紫色半導体レーザ素子20を覆うキャップ部30を備えている。キャップ部30は、内径D2および外径D3を有する略円筒状に形成された側壁部30aと、側壁部30aの一方側(A1側)を塞ぐ底面部30bとを有する。また、側壁部30aは、約0.5mmの厚み(肉厚)t1を有するとともに、底面部30bは、厚みt1よりも若干大きな厚みt2(t2≧t1)を有する。また、キャップ部30の側壁部30aの厚みt1は、側面10fから第2放熱部11gの内縁までの距離W6(図10参照)よりも小さい。また、略円形状の底面部30bの中央部には、青紫色半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光が外部に向けて透過可能な光透過部35が形成されている。また、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上には、約0.1μmの厚みを有するSiOからなるガスバリア層33が連続して形成されている。なお、ガスバリア層33は、光透過部35の外側の表面上にも形成されている。
また、図9に示すように、キャップ部30は、側壁部30aの内側面30cが、ベース部10の側面10fに沿ってA1側からA2側に向かってスライドして嵌め込まれている。これにより、台座部10b上に載置された青紫色半導体レーザ素子20が気密封止されている。なお、ベース部10とキャップ部30とにより青紫色半導体レーザ素子20が封止されるパッケージ50が構成される。
この際、第1実施形態の第1変形例では、ベース部10の側面10fとその両側の放熱部11d(第2放熱部11g)との間には、キャップ部30の側壁部30aの厚みt1よりも大きな幅W6を有する隙間(切り欠き部)が形成されている。したがって、キャップ部30をベース部10に嵌合した状態では、図10に示すように、放熱部11dの第2放熱部11gは、キャップ部30の側壁部30aと干渉(接触)することなくキャップ部30の外側に配置されている。
また、光透過部35を除くキャップ部30の部分は、図3を参照して、ベース部10と同様に、シリコン樹脂に対して所定の割合で混入された粒子状のガス吸収剤(合成ゼオライト)が混入された混合物により形成されている。ここで、光透過部35は、ガス吸収剤を含有していないので透光性を有するのに対して、側壁部30aおよび底面部30bは、ガス吸収剤を含有しているので透光性を有していない。また、ガス吸収剤は、個々の粒子が、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有した状態で存在している。この粒子状のガス吸収剤は、樹脂が発生する揮発性の有機ガスを吸収する役割を有する。
また、図9に示すように、ベース部10の側面10f上と後面10d上とにも、約0.1μmの厚みを有するSiOからなるガスバリア層17が連続して形成されている。また、ベース部10の側面10fと前面10c、および、側面10fと台座部10bの前面10hとが交わる縁部10gには、周状に面取り加工が施されている。
なお、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
次に、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100aの製造プロセスについて説明する。まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスを用いてリードフレーム105に対してベース部10(図7参照)をモールド成型する。
その後、真空蒸着法を用いて、ベース部10の側面10f上と後面10d上とに、SiOからなるガスバリア層17(図9参照)を形成する。この状態で、上記第1実施形態と同様に青紫色半導体レーザ素子20およびモニタ用PD42を、リード端子11の前端領域11bの上面略中央に配置した後、金属線91および92のワイヤボンディングを行う。その後、連結部101〜103を切断除去することにより、キャップ部30以外の半導体レーザ装置100aを個々に分離する。
一方、シリコン樹脂と硬化剤とを約10対1の割合で混ぜ合わせた硬化前のシリコン樹脂と、上記したガス吸収剤との混合物を所定の形状を有する型(図示せず)に流し込む。そして、約150℃の温度条件下で約30分間加熱することにより硬化させる。これにより、キャップ部30の側壁部30a、および、略中央部に開口部が形成される底面部30b(図9参照)が成型される。この際、ガス吸収剤(合成ゼオライト)をシリコン樹脂に混合する前に、合成ゼオライトに対して熱処理を行うことがより好ましい。これにより、合成ゼオライトの吸収能力を向上させることができる。
その後、ガス吸収剤が混入されていない上記硬化前のシリコン樹脂と、上記工程で成型されたキャップ部30(側壁部30aおよび底面部30bの部分)とを、再度、所定の形状を有する型(図示せず)に入れる。そして、約150℃の温度条件下で約30分間加熱する。これにより、上記底面部30bの略中央部に形成されていた開口部に、透光性を有する光透過部35(図9参照)が成型される。
その後、型からキャップ部30を取り出し、オイルフリーポンプにより減圧状態にしたオーブン内で、約240℃の温度条件下で約2日間加熱する。これにより、シリコン樹脂中に残留する低分子シロキサンは、キャップ部30に混入されているガス吸収剤によって吸収可能な量にまで低減される。
その後、真空蒸着法を用いて、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上に、SiOからなるガスバリア層33(図9参照)を形成する。このようにして、キャップ部30が形成される。
最後に、ベース部10を前面10c側からキャップ部30の内側に挿入する。これにより、キャップ部30の内側面30cとベース部10の側面10fとが嵌合することにより、青紫色半導体レーザ素子20が気密封止される。このようにして、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置100a(図9参照)が形成される。
第1実施形態の第1変形例では、上記のように、青紫色半導体レーザ素子20を覆うキャップ部30を備えているので、青紫色半導体レーザ素子20を封止することができる。ここで、放熱部11d(第2放熱部11g)がキャップ部30の外側に配置されることによって、ベース部10の前面10c側に放熱部11d(第2放熱部11g)と干渉することなくキャップ部30を容易に取り付けることができる。これにより、放熱性が維持された状態で青紫色半導体レーザ素子20が封止された半導体レーザ装置100aを容易に得ることができる。
また、第1実施形態の第1変形例では、ベース部10およびキャップ部30を、それぞれ、エポキシ樹脂およびシリコン樹脂と、ガス吸収剤との混合物により形成している。これにより、大気中に存在する低分子シロキサンやベース部10およびキャップ部30の樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、ガス吸収剤によって吸収することができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ50内の有機ガスなどの濃度を小さくすることができる。その結果、青紫色半導体レーザ素子20から出射されるレーザ光によりこれらのガスが励起あるいは分解されて光出射面20aに固体の付着物が形成されることを抑制することができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子20が劣化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態の第1変形例では、ベース部10およびキャップ部30を、ガス吸収剤16が混入された樹脂15により形成している。このため、ガス吸収剤を含む部材を、パッケージ50の内部に別途設置する必要がない。これにより、パッケージ50の内容積を大きくする必要がないので、半導体レーザ装置100aのサイズを小型化することができる。
また、第1実施形態の第1変形例では、キャップ部30も樹脂を用いて成型しているので、キャップ部30を容易に製造することができる。ここで、ベース部10においては、ガス吸収剤16は、樹脂(エポキシ樹脂)15に対して約70重量%以上約90重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。これにより、ベース部10に占めるエポキシ樹脂の割合が低下してエポキシ樹脂から発生する有機ガスの発生量が抑制される。また、同時に、ベース部10に占める割合が相対的に増加されたガス吸収剤によって、有機ガスを確実に吸収することが可能となる。また、キャップ部30においては、ガス吸収剤16は、樹脂(シリコン樹脂)15に対して約40重量%以上約70重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。これにより、ベース部10と同様に、シリコン樹脂から発生する有機ガスの発生量が抑制され、有機ガスを確実に吸収することが可能となる。なお、キャップ部30に混入されるガス吸収剤16の割合が、ベース部10に混入されるガス吸収剤16よりも少ない。これによりキャップ部30におけるシリコン樹脂による伸縮性を維持することができる。
なお、図8のようにキャップ部30とベース部10とを嵌合しない状態では、ベース部10の外径D1よりもキャップ部30の内径D2が、約1%程度小さくなるようにキャップ部30を形成しておくのが好ましい。これにより、ベース部10の側面10fに対してキャップ部30の側壁部30aの内側面30cを略完全に密着させた状態で嵌合させることが可能となる。
ここで、光透過部35にシリコン樹脂を用いることの有用性を確認するため、以下の実験を行った。まず、1mmの厚みを有する板状のポリジメチルシロキサンからなるシリコン樹脂(信越化学製:KE−106)により光透過部35を形成し、これを光出射面20aから1mmの距離を隔てて配置した。次に、70℃の条件で、青紫色半導体レーザ素子20から、APC(Auto Power Control)により、10mWの出力に調整されたレーザ光を上記光透過部35に1000時間照射した。この結果、光透過部35の透過率に変化がないことを確認した。なお、比較例として、1mmの厚みを有するPMMA(透明アクリル樹脂)で形成した光透過部に対して同じ条件でレーザ光を照射した場合には、レーザ光の照射領域が劣化により不透明になった。この結果から、光透過部35にシリコン樹脂を用いることの有用性が確認された。
また、第1実施形態の第1変形例では、ガス吸収剤は、光透過部35を構成する樹脂中には混入されていないので、光透過部35において、ガス吸収剤16による光吸収あるいは光散乱が生じることがない。これにより、光透過部35から出射光を確実に出射させることができる。
また、ベース部10やキャップ部30を構成するエポキシ樹脂やシリコン樹脂は、非結晶構造のためガス透過性が高いので、半導体レーザ装置100aの外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスが、エポキシ樹脂中やシリコン樹脂中を透過して青紫色半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ50内に浸入する虞がある。これに対して、第1実施形態の第1変形例では、混合物により形成されているベース部10の側面10fと後面10dとに、ガスバリア層17を形成している。また、キャップ部30の側壁部30aおよび底面部30bの外表面30d上に、ガスバリア層33を形成している。これにより、半導体レーザ装置100の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどがベース部10またはキャップ部30の材料中を透過して青紫色半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ内に浸入することを抑制することができる。この結果、青紫色半導体レーザ素子20の劣化をさらに抑制することができる。なお、ガスバリア層17および33は、数十nm以上の厚みを有していればよい。また、ベース部10やキャップ部30は、樹脂中にガス吸収剤を含有しており、内部構造が多孔質の状態となるため、ガスバリア層17や33を設けることは、有機ガスなどの外部からの浸入を遮断する上で非常に有効である。また、ベース部10の側面10fと前面10c、および、側面10fと台座部10bの前面10hとが交わる縁部10gには、周状に面取り加工が施されている。これにより、キャップ部30をベース部10に嵌め込む際に、ベース部10の側面10fに対してキャップ部30の内側面30cが滑らかに挿入することができる。なお、第1実施形態の第1変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例)
次に、第1実施形態の第2変形例について説明する。この第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置100bでは、図11に示すように、上記第1実施形態と異なり、前端領域11bとリード端子11とが分離されている場合について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
すなわち、半導体レーザ装置100bでは、リード端子11と前端領域11bとは、分離して形成されている。また、前端領域11bとリード端子11の前端部211bとは、Auなどからなる金属線93を介して電気的に接続されている。なお、第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置100bのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置100bの製造プロセスについては、図6において前端領域11bがリード端子11と分離されるようにパターニングされたリードフレームを用いる点と、金属線91および92のボンディングの際に、金属線93を用いて前端領域11bとリード端子11の前端部211b(図11参照)とを接続する工程を含む点とを除いて、上記第1実施形態の第1変形例における製造プロセスと同様である。なお、第1実施形態の第2変形例の効果は、上記第1実施形態の第1変形例と同様である。
(第1実施形態の第3変形例)
次に、第1実施形態の第3変形例について説明する。この第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置100cでは、図12に示すように、上記第1実施形態と異なり、前端領域11bの両側に配置された放熱部11dが前方に延びた第2放熱部11gを有していない場合について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
すなわち、接続部11cの後端領域11hに接続される放熱部11dは、ベース部10の外側に延びる幅W21を有する第1放熱部211fの実から構成されている。ここで、幅W21は、上記第1実施形態の第1放熱部11fの幅W3(図4参照)よりも大きい(W21>W3)。なお、第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置100cのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置100cの製造プロセスについては、図6のようなリードフレームを作製する際、上記第1実施形態における第2放熱部11gを形成することなく、第1放熱部211f(図12参照)を直接連結部103によって連結するようにパターニングする。なお、上記以外の製造プロセスについては、第1実施形態の製造プロセスと略同様である。
第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置100cでは、上記のように、第2放熱部11gを有しない場合であっても、第1放熱部211fが幅W21を有して形成されているので、放熱部11dの放熱効率を容易に維持することができる。また、半導体レーザ装置100cでは、前方に延びる第2放熱部11gが形成されていないので、ベース部10の側方が広く開放されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子20を封止するキャップ部30(図8参照)のような構成をより自由に組み合わせることができる。なお、第1実施形態の第3変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置200について説明する。この半導体レーザ装置200では、図13に示すように、ベース部10の後面10dから露出した接続部11cの後端領域11hが上方(C2方向)に折り曲げられて配置されている。また、第2実施形態による半導体レーザ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態の第3変形例と同様であって、図中において、上記第1実施形態の第3変形例と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
また、第2実施形態による半導体レーザ装置200の製造プロセスについては、第1放熱部211fを有するリードフレームに対して、図示しないプレス機などを用いて、第1放熱部211fの部分をリードフレームの上面に対して上方に折り曲げる工程が加わる以外は、上記第1実施形態の第3変形例の製造プロセスと略同様である。
第2実施形態では、上記のように、接続部11cの後端領域11hが上方(C2方向)に折り曲げられているので、上方向(C方向)にも放熱部11d(第1放熱部211f)を容易に延ばして配置することができる。これにより、放熱部11d(第1放熱部211f)の表面積を容易に増加させることができる。したがって、放熱部11dの放熱効率を容易に維持することができるので、放熱特性をさらに向上させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の変形例)
次に、第2実施形態の変形例による半導体レーザ装置200aについて説明する。この第2実施形態の変形例による半導体レーザ装置200aでは、図14に示すように、上記第2実施形態の半導体レーザ装置200と比べて、上方に折り曲げられた第1放熱部211fから前方に延びる第2放熱部211gが形成されている以外は、同様の構成を備えている。なお、図中において、上記第2実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
すなわち、放熱部11dの第1放熱部211fと、第1放熱部211fには、幅W4を有する第2放熱部211gが接続されている。この第2放熱部211gは、接続部11cが接続されているのとは反対側の第1放熱部211fの端部に接続されている。また、第2放熱部211gは、第1放熱部211fとの接続領域で前方(A1方向)に折り曲げられている。さらに、第2放熱部211gは、ベース部10の側面10fからW6だけ隔てられるように、リード端子11の前端領域11bおよび接続部11cと同一平面上において、前方(A1方向)に延びるように配置されている。
また、第2実施形態の変形例による半導体レーザ装置200aの製造プロセスについては、上記第1実施形態の製造プロセスにおいて、第1放熱部211fの幅をW21に大きくするとともに、図6のようなリードフレームを作製した後に、図示しないプレス機などを用いて、第1放熱部211fの部分をリードフレームの上面に対して上方に折り曲げる工程が加わる以外は、上記第2実施形態の製造プロセスと略同様である。
第2実施形態の変形例では、上記のように、上方に延びる第1放熱部211fに加えて前方に延びる第2放熱部211gが形成されることによって、放熱部11dの表面積が上記第2実施形態よりもさらに増加される。したがって、放熱部11dの放熱効率をより一層向上させることができる。なお、第2実施形態の変形例のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態による半導体レーザ装置300について説明する。この半導体レーザ装置300では、図15に示すように、接続部311cの端部領域が上方(C2方向)に折り曲げられている以外は、半導体レーザ装置100と同様の構成を備えており、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
すなわち、第3実施形態による半導体レーザ装置300では、リード端子11の前端領域11bと各々の放熱部11dとの間に、上記第1実施形態における接続部11cよりも大きな幅を有する接続部311cが設けられている。具体的には、接続部311cのB方向に沿った端部領域(各々の接続部311cのB2側またはB1側の領域)が、前端領域11bの上面と略直交する方向(青紫色半導体レーザ素子20の高さ方向(C2方向))に折り曲げられている。この際、接続部311cが接続されている前端領域11bの端部(B2側およびB1側)もC2方向に折り曲げられている。また、接続部311cは、端部領域がC2方向に折り曲げられた状態でベース部10をA2方向に完全に貫通している。
したがって、接続部311cは、上記第1実施形態の接続部11cの幅W2(図4参照)に加えて、上方に延びる端部領域の幅W31を有することにより、合計でW2+W31の幅(接続部311cの上面に沿った周長)を有している。これにより、接続部311cを図15においてA2方向に沿って見た場合、その断面積は、接続部11c(図1参照)よりも増加している。
また、第3実施形態による半導体レーザ装置300の製造プロセスについては、図16に示すように、接続部311cと放熱部11dとの間に略L字状の切り欠き線390を形成したリードフレーム305を形成するとともに、図示しないプレス機などを用いて、前端領域11bおよび接続部311cの端部領域をリードフレームの上面に対して上方に折り曲げる工程が加わる以外の製造プロセスについては、第1実施形態の製造プロセスと略同様である。
第3実施形態の半導体レーザ装置300では、上記のように、接続部311cの端部領域はC2方向に折り曲げられている。これにより、接続部311cの延びるA方向に垂直な断面積を容易に増加することができるので、接続部311c内部の熱抵抗が減少することにより、熱を伝達しやすくすることができる。この結果、放熱部11dの放熱効率をより向上させることができる。
また、第3実施形態では、接続部311cの端部領域が上方に折り曲げられているので、接続部311cの剛性を向上させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図17〜図19を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態による半導体レーザ装置400では、上記第1実施形態と異なり、リード端子11とリード端子12および13とが異なる高さ位置に形成されている場合について説明する。なお、図17では、リードフレームの詳細な構造を説明するために、ベース部10(図18参照)の外形を破線で示している。また、図18は、図17の490−490線に沿った断面においてベース部10を見た図である。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。なお、リード端子12および13は、本発明の「第2リード端子」の一例である。
本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置400では、図1を参照して、上記第1実施形態で示したリード端子11、接続部11cおよび前端領域11bで囲まれた切り欠き部が形成されていない。すなわち、半導体レーザ装置400のリード端子11には、図17に示すように、前端領域11bと接続部11cとを含む略矩形状の平面部401が形成されている。また、平面部401の後方(A2方向)において、放熱部11dが平面部401に接続されている。また、図18に示すように、リード端子12および13は、それぞれ、平面部401上に形成されたエポキシ樹脂からなる絶縁膜402を介してリード端子11(前端領域11b)とは異なる高さ方向(C方向)の平面上に形成されている。したがって、平面部401(リード端子11)とリード端子12および13とは、互いに絶縁された状態かつ高さ方向にも異なった位置で、ベース部10を前方(A1側)から後方(A2側)に貫通している。なお、第4実施形態による半導体レーザ装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第4実施形態による半導体レーザ装置400の製造プロセスでは、まず、図19に示すように、第1実施形態と同様に、帯状の金属板をエッチングすることにより、リード端子11が横方向(B方向)に繰り返しパターニングされたリードフレーム106を形成する。この際、図6を参照して、リード端子12および13についてはパターニングを行わない。また、リード端子11、接続部11cおよび前端領域11bで囲まれた切り欠き部を形成せずに、平面部401の後方に第1放熱部11fが直接接続された状態にパターニングされる。また、図6を参照して、リード端子12および13が横方向(B方向)に繰り返しパターニングされたリードフレーム107を別途形成する。
その後、平面部401の、リード端子12および13が配置される所定領域上に、エポキシ樹脂からなる絶縁膜402(図18参照)を塗布する。そして、絶縁膜402の表面上に、リード端子12および13が重なるようにリードフレーム107をリードフレーム106上に配置した状態でエポキシ樹脂を硬化させる。これにより、リードフレーム106とリードフレーム107とを接着する(図19参照)。その後、図17および図18に示すように、リード端子11、12および13を固定するようにベース部10をモールド成型する。なお、第4実施形態のその他の製造プロセスについては、上記第1実施形態の製造プロセスと略同様である。
第4実施形態では、上記のように、前端領域11bとリード端子12および13とが、異なる平面上に配置されている。これにより、リード端子の幅を小さくすることなく、リード端子の数を容易に増やすことができる。また、リード端子の数を増やした場合でも、平面部401の幅(断面積)を適切に確保することができるので、平面部401を介して前端領域11bから放熱部11dに放熱する際に放熱(伝熱)特性が低下することを抑制することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図20および図21を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態による半導体レーザ装置500では、上記第1実施形態と異なり、一方の接続部511cがリード端子511を兼用している場合について説明する。なお、図20では、リードフレームの詳細な構造を説明するために、前端領域11bが取り付けられるベース部10(図21参照)の外形を破線で示している。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。なお、リード端子511は、本発明の「第1リード端子」の一例である。
すなわち、第5実施形態による半導体レーザ装置500では、図20および図21に示すように、一方(B2側)の幅W2を有する接続部511cの後端部(A2側)から、幅W5を有するリード端子511が後方に延びている。また、接続部511cの後端部には、放熱部11dが接続されている。そして、他方(B1側)の幅W52を有する接続部521cと接続部511cとの間に、リード端子12および13が設けられている。
また、図21に示すように、接続部521cの幅W52は、接続部511cの幅W2よりも大きく(W52>W2)形成されている。すなわち、第5実施形態では、図21に示すように、平面的に見て、青紫色半導体レーザ素子20を中心として、接続部511c側(B2側)の構造と接続部521c側(B1側)の構造とが非対称に形成されている。なお、第5実施形態による半導体レーザ装置500のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第5実施形態による半導体レーザ装置500の製造プロセスについては、前端領域11bの略中心に対して横方向に非対称に配置された接続部511cおよび521cを有するリード端子511と、接続部511cおよび521cの間の領域にリード端子12および13とが配置されるようにパターニングされたリードフレームを形成する点を除いて、上記第1実施形態の製造プロセスと略同様である。
第5実施形態では、上記のように、片側(B2側)の接続部511cとリード端子511とが兼用して形成されているので、他方(B1側)の放熱部521dの接続部521cの幅W52をより広くすることができる。この結果、放熱部521dの放熱効率を向上させることができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態の変形例)
次に、第5実施形態の変形例について説明する。この第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置500aでは、図22に示すように、上記第5実施形態の半導体レーザ装置500と比べて放熱部511dが形成されていない以外は同様の構成を備えており、図中において、上記第5実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
図22に示すように、リード端子511には上記第5実施形態で示した放熱部511d(図21参照)が形成されずに、放熱部521dのみが片側(B1側)に形成されている。なお、第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置500aのその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。また、第5実施形態の変形例による半導体レーザ装置500aの製造プロセスについては、片側に接続部521c、第1放熱部11fおよび第2放熱部11gのみからなる放熱部521dが形成されたリードフレームを作製する点を除いて、上記第5実施形態の製造プロセスと略同様である。
半導体レーザ装置500aのように、リード端子511の片側(B1側)にのみ放熱部521dを備えていても、青紫色半導体レーザ素子20が発する熱は、接続部521cを介して放熱部521dから外部に放熱することができる。これにより、半導体レーザ装置500aの幅(B方向)を容易に小さくすることができる。この場合、放熱部521dが接続されている接続部521cの幅(B方向の幅)を第1実施形態の接続部11cよりも広くすることにより、片側にのみ放熱部521dを形成していても十分放熱することができる。なお、第5実施形態の変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図23および図24を参照して、第6実施形態について説明する。この第6実施形態による3波長半導体レーザ装置600では、上記第4実施形態と異なり、互いに異なる波長のレーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子が搭載されている場合について説明する。なお、図23では、リードフレーム上に接着されたリード端子の詳細な構造を説明するために、前端領域11bが取り付けられるベース部610の外形を破線で示している。また、図中において、上記第4実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
本発明の第6実施形態による3波長半導体レーザ装置600には、図23に示すように、青紫色半導体レーザ素子20に隣接して、約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子70および約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子80がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子60が、サブマウント40の表面上に接合されている。なお、3波長半導体レーザ装置600は、本発明の「半導体レーザ装置」の一例である。また、2波長半導体レーザ素子60、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80は、それぞれ、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。
また、ベース部610は、断面が幅方向(B方向)に引き延ばされた長丸形状を有している。リード端子11の平面部401上には、上記第4実施形態の半導体レーザ装置400と比べて本数が多いリード端子612〜615が配置されている。各々のリード端子の前端領域は、青紫色半導体レーザ素子20、2波長半導体レーザ素子60およびモニタ用PD42とそれぞれ接続されている。ここで、リード端子612〜615は、本発明の「第2リード端子」の一例である。
また、2波長半導体レーザ素子60は、図24に示すように、赤色半導体レーザ素子70と赤外半導体レーザ素子80とが所定の溝幅を有する凹部65を隔てて共通のn型GaAs基板71の表面上に形成されている。
具体的には、赤色半導体レーザ素子70では、n型GaAs基板71の上面上に、AlGaInPからなるn型クラッド層72が形成されている。n型クラッド層72の上面上には、GaInPからなる量子井戸層とAlGaInPからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層73が形成されている。活性層73の上面上には、AlGaInPからなるp型クラッド層74が形成されている。また、赤外半導体レーザ素子80では、n型GaAs基板71の上面上に、AlGaAsからなるn型クラッド層82が形成されている。n型クラッド層82の上面上には、Al組成の低いAlGaAsからなる量子井戸層とAl組成の高いAlGaAsからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層83が形成されている。活性層83の上面上には、AlGaAsからなるp型クラッド層84が形成されている。
また、p型クラッド層74のリッジ75以外の上面とリッジ75の両側面、および、p型クラッド層84のリッジ85以外の上面とリッジ85の両側面とを覆うSiOからなる電流ブロック層86が形成されている。また、リッジ75、リッジ85および電流ブロック層86の上面上には、それぞれ、約200nmの厚みを有するPt層と約3μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側電極77および87が形成されている。
また、n型GaAs基板71の下面上に、n型GaAs基板71から近い順に、AuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたn側電極78が形成されている。また、n側電極78は、赤色半導体レーザ素子70と赤外半導体レーザ素子80とに共通のn側電極として設けられている。
また、図23に示すように、p側電極27には、金属線691の一端がワイヤボンディングされており、金属線691の他端は、リード端子614の前端領域614bに接続されている。p側電極77には、金属線692の一端がワイヤボンディングされており、金属線692の他端は、リード端子613の前端領域613bに接続されている。また、p側電極87には、金属線693の一端がワイヤボンディングされており、金属線693の他端は、リード端子612の前端領域612bに接続されている。また、モニタ用PD42のp型領域42bには、金属線694の一端がワイヤボンディングされており、金属線694の他端は、リード端子615の前端領域615bに接続されている。
また、キャップ部630についても、底面部630bおよび底面部630bから筒状に延びる側壁部630aの内周が、ベース部610の断面形状(長丸形状)に対応した断面を有するように樹脂成型されている。これにより、キャップ部630の内側面630cが、ベース部610の外側面610fを完全に取り囲んだ状態で嵌合するように構成されている。
また、第6実施形態では、キャップ部630は、粒子状の合成ゼオライトからなるガス吸収剤16と、伸縮性を有する熱可塑性フッ素樹脂15との混合物により形成されている。なお、ガス吸収剤16は、熱可塑性フッ素樹脂15に対して約40重量%以上約70重量%以下の範囲で混入されるのが好ましい。
ここで、キャップ部630の製造プロセスについて説明すると、ペレット(約3〜5mm程度の長さを有する円柱状の粒子)状の熱可塑性フッ素樹脂に対して、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有するように粉砕した合成ゼオライトからなるガス吸収剤を混合する。そして、混練機を用いて約170℃の温度条件下で加熱しながら混練する。この際、熱可塑性フッ素樹脂に対するガス吸収剤の割合を約40%以上約70%以下にするのが好ましい。
その後、熱可塑性フッ素樹脂とガス吸収剤との混練物を所定の形状を有する型(図示せず)に流し込んで除温することにより硬化させる。これにより、キャップ部630の側壁部630a、および、略中央部に開口部が形成された底面部630b(図23参照)が成型される。この際、ガス吸収剤を熱可塑性フッ素樹脂に混合する前に熱処理を行う。これにより、ガス吸収剤の吸収能力を向上させることができる。
その後、ガス吸収剤が混入されていない熱可塑性フッ素樹脂と、上記工程で成型されたキャップ部630(側壁部630aおよび底面部630bの部分)とを、再度、所定の形状を有する型(図示せず)に入れる。そして、約170℃の温度条件下で加熱する。これにより、上記底面部630bの略中央部に形成されていた開口部に、透光性を有する光透過部635(図23参照)が成型される。なお、熱可塑性フッ素樹脂からの揮発性ガスは端面に付着物を形成しないので、上記第1実施形態の第1変形例によるキャップ部30の製造プロセスで行った脱ガス処理を行う必要はない。
なお、第6実施形態による3波長半導体レーザ装置600のその他の構造および製造プロセスについては、青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60を横方向(図24のB方向)に並べた状態でサブマウント40上に接合する点と、熱可塑性フッ素樹脂とガス吸収剤(合成ゼオライト)との混合物を用いてキャップ部630を形成した後に、キャップ部630をベース部610に嵌合して青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60を封止する点とを除いて、上記第4実施形態と略同様である。
第6実施形態では、上記のように、前端領域11bとリード端子612〜615とが、異なる平面上に配置されている。これにより、リード端子の幅を小さくすることなく、リード端子の数を容易に増やすことができる。また、リード端子の数を増やした場合でも、平面部401の幅(断面積)を適切に確保することができるので、平面部401を介して前端領域11bから放熱部11dに放熱する際に放熱(伝熱)特性が低下することを抑制することができる。
また、第6実施形態では、ベース部610およびキャップ部630を、それぞれ、エポキシ樹脂および熱可塑性フッ素樹脂と、ガス吸収剤との混合物により形成している。これにより、ベース部610およびキャップ部630の樹脂から発生する揮発性の有機ガスを、ガス吸収剤によって吸収することができる。
ここで、キャップ部に熱可塑性フッ素樹脂を用いることの有用性を確認するため、以下の実験を行った。まず、9mmの直径(外径)を有する金属製のステム(ベース部)に青紫色半導体レーザ素子20のみを取り付けるとともに、金属製のキャップ部(ガラス窓付き)を被せて封止を行う際に、パッケージ内に2mm×2mm×0.1mm(縦×横×厚み)のサイズにカットしたテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドからなる熱可塑性フッ素樹脂(3M製:THV500G)を入れて封止した。そして、70℃の条件で、青紫色半導体レーザ素子20から、APC(Auto Power Control)により、10mWの出力に調整されたレーザ光を250時間出射して動作試験を行った。この結果、250時間経過後においても動作電流に顕著な変化は生じなかった。なお、比較例として、同じパッケージ内に上記と同じサイズにカットしたアクリル板を入れて封止した後に動作試験を行った。この場合、140時間で動作電流が上昇し始め、レーザ素子が破損した。
上記のように、熱可塑性フッ素樹脂からの揮発性ガスによっては、光出射端面に付着物は形成されないので、この熱可塑性フッ素樹脂を用いてキャップ部を形成した第6実施形態の3波長半導体レーザ装置600では、青紫色半導体レーザ素子20の劣化をさらに抑制することができる。また、熱可塑性フッ素樹脂については、上記のように脱ガス処理を行う必要がないので、優れた特性を備えた3波長半導体レーザ装置600を容易に製造することができる。なお、第6実施形態による3波長半導体レーザ装置600のその他の効果については、上記第1実施形態と同様である。
(第7実施形態)
図23および図25を参照して、本発明の第7実施形態による光ピックアップ装置700について説明する。なお、光ピックアップ装置700は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第7実施形態による光ピックアップ装置700は、図25に示すように、上記第6実施形態による3波長半導体レーザ装置600(図23参照)と、3波長半導体レーザ装置600から出射されたレーザ光を調整する光学系720と、レーザ光を受光する光検出部730とを備えている。
また、光学系720は、偏光ビームスプリッタ(PBS)721、コリメータレンズ722、ビームエキスパンダ723、λ/4板724、対物レンズ725、シリンドリカルレンズ726および光軸補正素子727を有している。
また、PBS721は、3波長半導体レーザ装置600から出射されるレーザ光を全透過するとともに、光ディスク735から帰還するレーザ光を全反射する。コリメータレンズ722は、PBS721を透過した3波長半導体レーザ装置600からのレーザ光を平行光に変換する。ビームエキスパンダ723は、凹レンズ、凸レンズおよびアクチュエータ(図示せず)から構成されている。アクチュエータは後述するサーボ回路からのサーボ信号に応じて、凹レンズおよび凸レンズの距離を変化させることにより、3波長半導体レーザ装置600から出射されたレーザ光の波面状態を補正する機能を有している。
また、λ/4板724は、コリメータレンズ722によって略平行光に変換された直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する。また、λ/4板724は光ディスク735から帰還する円偏光のレーザ光を直線偏光に変換する。この場合の直線偏光の偏光方向は、3波長半導体レーザ装置600から出射されるレーザ光の直線偏光の方向に直交する。これにより、光ディスク735から帰還するレーザ光は、PBS721によって略全反射される。対物レンズ725は、λ/4板724を透過したレーザ光を光ディスク735の表面(記録層)上に収束させる。なお、対物レンズ725は、対物レンズアクチュエータ(図示せず)により、後述するサーボ回路からのサーボ信号(トラッキングサーボ信号、フォーカスサーボ信号およびチルトサーボ信号)に応じて、フォーカス方向、トラッキング方向およびチルト方向に移動可能にされている。
また、PBS721により全反射されるレーザ光の光軸に沿うように、シリンドリカルレンズ726、光軸補正素子727および光検出部730が配置されている。シリンドリカルレンズ726は、入射されるレーザ光に非点収差作用を付与する。光軸補正素子727は、回折格子により構成されており、シリンドリカルレンズ726を透過した青紫色、赤色および赤外の各レーザ光の0次回折光のスポットが後述する光検出部730の検出領域上で一致するように配置されている。
また、光検出部730は、受光したレーザ光の強度分布に基づいて再生信号を出力する。ここで、光検出部730は再生信号とともに、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号が得られるように所定のパターンの検出領域を有する。このようにして、3波長半導体レーザ装置600を備えた光ピックアップ装置700が構成される。
この光ピックアップ装置700では、3波長半導体レーザ装置600は、リード端子11と、リード端子612〜614との間に、それぞれ、独立して電圧を印加することによって、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80から、青紫色、赤色および赤外のレーザ光を独立的に出射することが可能に構成されている。また、3波長半導体レーザ装置600から出射されたレーザ光は、上記のように、PBS721、コリメータレンズ722、ビームエキスパンダ723、λ/4板724、対物レンズ725、シリンドリカルレンズ726および光軸補正素子727により調整された後、光検出部730の検出領域上に照射される。
ここで、光ディスク735に記録されている情報を再生する場合には、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80から出射される各々のレーザパワーが一定になるように制御しながら、光ディスク735の記録層にレーザ光を照射するとともに、光検出部730から出力される再生信号を得ることができる。また、同時に出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ723のアクチュエータと対物レンズ725を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
また、光ディスク735に情報を記録する場合には、記録すべき情報に基づいて、青紫色半導体レーザ素子20および赤色半導体レーザ素子70(赤外半導体レーザ素子80)から出射されるレーザパワーを制御しながら、光ディスク735にレーザ光を照射する。これにより、光ディスク735の記録層に情報を記録することができる。また、上記同様、光検出部730から出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ723のアクチュエータと対物レンズ725を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
このようにして、3波長半導体レーザ装置600を備えた光ピックアップ装置700を用いて、光ディスク735への記録および再生を行うことができる。
第7実施形態における光ピックアップ装置700では、上記第6実施形態における3波長半導体レーザ装置600を備えているので、良好な放熱性を有するとともに青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60の劣化が生じにくいので、長時間の使用にも耐え得る信頼性の高い光ピックアップ装置700を得ることができる。
(第8実施形態)
図25および図26を参照して、本発明の第8実施形態による光ディスク装置800について説明する。なお、光ディスク装置800は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第8実施形態による光ディスク装置800は、図26に示すように、上記第7実施形態による光ピックアップ装置700と、コントローラ801と、レーザ駆動回路802と、信号生成回路803と、サーボ回路804と、ディスク駆動モータ805とを備えている。
コントローラ801には、光ディスク735に記録すべき情報に基づいて生成された記録データSL1が入力される。また、コントローラ801は、記録データSL1および後述する信号生成回路803からの信号SL5に応じて、レーザ駆動回路802に向けて信号SL2を出力するとともに、サーボ回路804に向けて信号SL7を出力するように構成されている。また、コントローラ801は、後述するように、信号SL5を基に再生データSL10を出力する。また、レーザ駆動回路802は、上記信号SL2に応じて、光ピックアップ装置700内の3波長半導体レーザ装置600から出射されるレーザパワーを制御する信号SL3を出力する。すなわち、3波長半導体レーザ装置600は、コントローラ801およびレーザ駆動回路802により駆動されるように構成されている。
光ピックアップ装置700では、図26に示すように、上記信号SL3に応じて制御されたレーザ光を光ディスク735に照射する。また、光ピックアップ装置700内の光検出部730から、信号生成回路803に向けて信号SL4が出力される。また、後述するサーボ回路804からのサーボ信号SL8により、光ピックアップ装置700内の光学系720(図25に示すビームエキスパンダ723のアクチュエータおよび対物レンズ725を駆動する対物レンズアクチュエータ)が制御される。信号生成回路803は、光ピックアップ装置700から出力された信号SL4を増幅および演算処理して、再生信号を含む第1出力信号SL5をコントローラ801に向けて出力するとともに、上記光ピックアップ装置700のフィードバック制御および後述する光ディスク735の回転制御を行う第2出力信号SL6をサーボ回路804に向けて出力する。
サーボ回路804は、図26に示すように、信号生成回路803およびコントローラ801からの第2出力信号SL6および信号SL7に応じて、光ピックアップ装置700内の光学系720を制御するサーボ信号SL8およびディスク駆動モータ805を制御するモータサーボ信号SL9を出力する。また、ディスク駆動モータ805は、モータサーボ信号SL9に応じて、光ディスク735の回転速度を制御する。
ここで、光ディスク735に記録されている情報を再生する場合には、まず、ここでは説明を省略する光ディスク735の種類(CD、DVD、BDなど)を識別する手段により、照射すべき波長のレーザ光が選択される。次に、光ピックアップ装置700内の3波長半導体レーザ装置600から出射されるべき波長のレーザ光強度が一定になるように、コントローラ801からレーザ駆動回路802に向けて信号SL2が出力される。さらに、上記で説明した光ピックアップ装置700の3波長半導体レーザ装置600、光学系720および光検出部730が機能することにより、光検出部730から再生信号を含む信号SL4が信号生成回路803に向けて出力され、信号生成回路803は、再生信号を含む信号SL5をコントローラ801に向けて出力する。コントローラ801は、信号SL5を処理することにより、光ディスク735に記録されていた再生信号を抽出し、再生データSL10として出力する。この再生データSL10を用いて、たとえば、光ディスク735に記録されている映像、音声などの情報を、モニタやスピーカなどに出力することができる。また、光検出部730からの信号SL4を基に、各部のフィードバック制御も行う。
また、光ディスク735に情報を記録する場合には、まず、上記同様の光ディスク735の種類を識別する手段により、照射すべき波長のレーザ光が選択される。次に、記録される情報に応じた記録データSL1に応じて、コントローラ801からレーザ駆動回路802に向けて信号SL2が出力される。さらに、上記で説明した光ピックアップ装置700の3波長半導体レーザ装置600、光学系720および光検出部730が機能することにより、光ディスク735に情報を記録するとともに、光検出部730からの信号SL4を基に、各部のフィードバック制御を行う。
このようにして、光ディスク装置800を用いて、光ディスク735への記録および再生を行うことができる。
第8実施形態における光ディスク装置800では、光ピックアップ装置700の内部に3波長半導体レーザ装置600(図25参照)が実装されているので、良好な放熱性を有するとともに青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60の劣化が生じにくいので、長時間の使用にも耐え得る信頼性の高い光ディスク装置800を容易に得ることができる。
(第9実施形態)
図25、図27および図28を参照して、本発明の第9実施形態によるプロジェクタ装置900の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置900では、RGB3波長半導体レーザ装置605を構成する個々の半導体レーザ素子が略同時に点灯される例について説明する。なお、RGB3波長半導体レーザ装置605は、本発明の「半導体レーザ装置」の一例であり、プロジェクタ装置900は、本発明の「光装置」の一例である。
本発明の第9実施形態によるプロジェクタ装置900は、図28に示すように、RGB3波長半導体レーザ装置605と、複数の光学部品からなる光学系920と、RGB3波長半導体レーザ装置605および光学系920を制御する制御部950とを備えている。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置605から出射されたレーザ光が、光学系920により変調された後、外部のスクリーン990などに投影されるように構成されている。
また、RGB3波長半導体レーザ装置605は、図27に示すように、約530nmの緑色(G)の発振波長を有する緑色半導体レーザ素子660および約480nmの青色(B)の波長を有する青色半導体レーザ素子665がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子650に対して、約655nmの赤色(R)の発振波長を有する赤色半導体レーザ素子670が接合されている。なお、2波長半導体レーザ素子650、緑色半導体レーザ素子660、青色半導体レーザ素子665および赤色半導体レーザ素子670は、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。
ここで、RGB3波長半導体レーザ装置605は、図23に示す上記第6実施形態の3波長半導体レーザ装置600において、青紫色半導体レーザ素子20の代わりにn型GaAs基板71の上面上に形成された赤色半導体レーザ素子670(図27参照)を備える。また、RGB3波長半導体レーザ装置605は、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子80がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子60の代わりに緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665がn型GaN基板21の下面上にモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子650(図27参照)を備える。また、各々の半導体レーザ素子は、パッド電極41を介してサブマウント40の表面上に接合されている。
また、図27に示すように、赤色半導体レーザ素子670は、p側電極77にワイヤボンディングされた金属線691を介してリード端子614の前端領域614b(図23参照)に接続される。また、青色半導体レーザ素子665は、p側パッド電極666にワイヤボンディングされた金属線692を介してリード端子613の前端領域613b(図23参照)に接続される。また、緑色半導体レーザ素子660は、p側パッド電極661にワイヤボンディングされた金属線693を介してリード端子612の前端領域612b(図23参照)に接続される。また、各々のレーザ素子の光反射面からのレーザ光を受光可能に形成されたモニタ用PD42は、p型領域42bにワイヤボンディングされた金属線694を介してリード端子615の前端領域615b(図23参照)に接続されている。また、赤色半導体レーザ素子670のn側電極678、2波長半導体レーザ素子650のn側電極658、および、モニタ用PD42のn型領域42cは、共に、サブマウント40を介してリード端子11に電気的に接続される。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置605では、カソードコモンの結線が実現されている。
なお、RGB3波長半導体レーザ装置605のその他の構成および製造プロセスは、上記第6実施形態の3波長半導体レーザ装置600の場合と同様である。
また、図28に示すように、光学系920において、RGB3波長半導体レーザ装置605から出射されたレーザ光は、凹レンズと凸レンズとからなる分散角制御レンズ922により所定ビーム径を有する平行光に変換された後、フライアイインテグレータ923に入射される。また、フライアイインテグレータ923では、蝿の目状のレンズ群からなる2つのフライアイレンズが向き合うように構成される。これにより、液晶パネル929、933および940に入射する際の光量分布が均一となるように分散角制御レンズ922から入射される光に対してレンズ作用を付与する。すなわち、フライアイインテグレータ923を透過した光は、液晶パネル929、933および940のサイズに対応したアスペクト比(たとえば16:9)の広がりをもって入射できるように調整されている。
また、フライアイインテグレータ923を透過した光は、コンデンサレンズ924によって集光される。また、コンデンサレンズ924を透過した光のうち、赤色光のみがダイクロイックミラー925によって反射される一方、緑色光および青色光はダイクロイックミラー925を透過する。
そして、赤色光は、ミラー926を経てレンズ927による平行化の後に入射側偏光板928を介して液晶パネル929に入射される。この液晶パネル929は、赤色用の画像信号(R画像信号)に応じて駆動されることにより赤色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー930では、ダイクロイックミラー925を透過した光のうちの緑色光のみが反射される一方、青色光はダイクロイックミラー930を透過する。
そして、緑色光は、レンズ931による平行化の後に入射側偏光板932を介して液晶パネル933に入射される。この液晶パネル933は、緑色用の画像信号(G画像信号)に応じて駆動されることにより緑色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー930を透過した青色光は、レンズ934、ミラー935、レンズ936およびミラー937を経て、さらにレンズ938によって平行化がなされた後、入射側偏光板939を介して液晶パネル940に入射される。この液晶パネル940は、青色用の画像信号(B画像信号)に応じて駆動されることにより青色光を変調する。
その後、液晶パネル929、933および940によって変調された赤色光、緑色光および青色光は、ダイクロイックプリズム941により合成された後、出射側偏光板942を介して投写レンズ943へと入射される。また、投写レンズ943は、投写光を被投写面(スクリーン995)上に結像させるためのレンズ群と、レンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズームおよびフォーカスを調整するためのアクチュエータを内蔵している。
また、プロジェクタ装置900では、制御部950によって赤色半導体レーザ素子670の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子660の駆動に関するG信号および青色半導体レーザ素子665の駆動に関するB信号としての定常的な電圧が、RGB3波長半導体レーザ装置605の各レーザ素子に供給されるように制御される。これによって、RGB3波長半導体レーザ装置605の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665は、実質的に同時に発振されるように構成されている。また、制御部950によってRGB3波長半導体レーザ装置605の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665の各々の光の強度を制御することによって、スクリーン990に投写される画素の色相や輝度などが制御されるように構成されている。これにより、制御部950によって所望の画像がスクリーン990に投写される。
このようにして、本発明の第9実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置605が搭載されたプロジェクタ装置900が構成されている。
(第10実施形態)
図29および図30を参照して、本発明の第10実施形態によるプロジェクタ装置905の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置905では、RGB3波長半導体レーザ装置605を構成する個々の半導体レーザ素子が時系列的に点灯される例について説明する。
本発明の第10実施形態によるプロジェクタ装置905は、図29に示すように、上記第9実施形態で用いたRGB3波長半導体レーザ装置605と、光学系960と、RGB3波長半導体レーザ装置605および光学系960を制御する制御部951とを備えている。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置605からのレーザ光が、光学系960により変調された後、スクリーン991などに投影されるように構成されている。
また、光学系960において、RGB3波長半導体レーザ装置605から出射されたレーザ光は、それぞれ、レンズ962により平行光に変換された後、ライトパイプ964に入射される。
ライトパイプ964は内面が鏡面となっており、レーザ光は、ライトパイプ964の内面で反射を繰り返しながらライトパイプ964内を進行する。この際、ライトパイプ964内での多重反射作用によって、ライトパイプ964から出射される各色のレーザ光の強度分布が均一化される。また、ライトパイプ964から出射されたレーザ光は、リレー光学系965を介してデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)966に入射される。
DMD966は、マトリクス状に配置された微小なミラー群からなる。また、DMD966は、各画素位置の光の反射方向を、投写レンズ980に向かう第1の方向Aと投写レンズ980から逸れる第2の方向Bとに切り替えることにより各画素の階調を表現(変調)する機能を有している。各画素位置に入射されるレーザ光のうち第1の方向Aに反射された光(ON光)は、投写レンズ980に入射されて被投写面(スクリーン991)に投写される。また、DMD966によって第2の方向Bに反射された光(OFF光)は、投写レンズ980には入射されずに光吸収体967によって吸収される。
また、プロジェクタ装置905では、制御部951によりパルス電源がRGB3波長半導体レーザ装置605に供給されるように制御される。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置605の赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665は、時系列的に分割されて1素子ずつ周期的に駆動されるように構成されている。また、制御部951によって、光学系960のDMD966は、赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665の駆動状態とそれぞれ同期しながら、各画素(R、GおよびB)の階調に合わせて光を変調するように構成されている。
具体的には、図30に示すように、赤色半導体レーザ素子670(図29参照)の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子660(図29参照)の駆動に関するG信号、および青色半導体レーザ素子665(図29参照)の駆動に関するB信号が、互いに重ならないように時系列的に分割された状態で、制御部951(図29参照)によって、RGB3波長半導体レーザ装置605の各レーザ素子に供給される。また、このB信号、G信号およびR信号に同期して、制御部951からB画像信号、G画像信号、R画像信号がそれぞれDMD966に出力される。
これにより、図30に示したタイミングチャートにおけるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子665の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、B画像信号に基づいて、DMD966により青色光が変調される。また、B信号の次に出力されるG信号に基づいて、緑色半導体レーザ素子660の緑色光が発光されるとともに、このタイミングで、G画像信号に基づいて、DMD966により緑色光が変調される。さらに、G信号の次に出力されるR信号に基づいて、赤色半導体レーザ素子670の赤色光が発光されるとともに、このタイミングで、R画像信号に基づいて、DMD966により赤色光が変調される。その後、R信号の次に出力されるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子665の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、再度、B画像信号に基づいて、DMD966により青色光が変調される。上記の動作が繰り返されることによって、B画像信号、G画像信号およびR画像信号に基づいたレーザ光照射による画像が、被投写面(スクリーン991)に投写される。
このようにして、本発明の第10実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置605が搭載されたプロジェクタ装置905が構成されている。
第9実施形態および第10実施形態におけるプロジェクタ装置900および905では、プロジェクタ装置の内部にRGB3波長半導体レーザ装置605(図27参照)が実装されているので、良好な放熱性を有するとともに赤色半導体レーザ素子670、緑色半導体レーザ素子660および青色半導体レーザ素子665の劣化が生じにくいので、長時間の使用にも耐え得る信頼性の高いプロジェクタ装置900および905を容易に得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、放熱部11dにおける第1放熱部11fをベース部10の後面10dよりも若干後方の位置から外側に延びるように形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図31に示す第4変形例の半導体レーザ装置100dのように、第1放熱部11fの一部分(前端側)がベース部10の側面10fから外側(B2側またはB1側)に突出して延びるように形成されていてもよい。さらに、本発明では、第1放熱部11fが後面10dの後方に露出することなく、全ての部分がベース部10内から側面10fを横方向(B方向)に貫通して外側に延びていてもよい。この場合、ベース部10の側面10fの前方側に放熱部が形成されていない領域を残しておくことによって、上記第1実施形態の第1変形例のように、キャップ部30を嵌合させることができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子20を封止することができる。
また、上記第2実施形態では、第1放熱部211fを上方(図13のC2方向)に折り曲げた例について示したが、本発明では、第1放熱部211fを下方(C1方向)に折り曲げて放熱部11dを構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、接続部311cの端部を上方(図15のC2方向)に折り曲げた例について示したが、本発明では、接続部311cの端部領域を下方(C1方向)に折り曲げて接続部を構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、接続部を折り曲げて放熱部を上方に延ばしたが、本発明では、放熱部を折り曲げて放熱部を折り曲げた方向に延ばしてもよい。
また、上記第6実施形態では、リード端子11を有するリードフレーム(平面部401)の表面上にリード端子612〜615を同一面上に横に並べて配置した例について示したが、本発明では、たとえば、リード端子614および615を、リード端子612および613の上にさらに積層するように構成してもよい。これにより、複数のリード端子が半導体レーザ装置の幅方向に広がって配置されないので、3波長半導体レーザ装置の幅を小さくすることができる。
また、上記第1実施形態の第1変形例および上記第6実施形態では、ベース部およびキャップ部の各々に対してガス吸収剤が混入された樹脂材料を用いた例について示したが、本発明では、ベース部またはキャップ部のいずれか一方にのみガス吸収剤が混入された樹脂材料を用いてもよいし、ガス吸収剤を混入しない樹脂材料を用いてもよい。
また、上記第1実施形態の第1変形例および上記第6実施形態では、ガス吸収剤として合成ゼオライトを用いた例について示したが、本発明では、たとえば、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有するように粉砕された粒子状のシリカゲルを、ガス吸収剤として用いてもよく、合成ゼオライトおよびシリカゲルの両方を用いてもよい。
また、上記第1実施形態の第1変形例および上記第6実施形態では、キャップ部を、伸縮性を有するシリコン樹脂または熱可塑性フッ素樹脂により形成したが、本発明では、リードフレームのベース部を、伸縮性を有するシリコン樹脂または熱可塑性フッ素樹脂などを用いて形成してもよい。また、本発明では、ベース部およびキャップ部の一方を金属材料を用いて形成し、他方を樹脂などを用いて形成してもよい。
また、上記第1実施形態、上記第1実施形態の第2変形例および第3変形例では、ベース部10にキャップ部30を被せていない例について示したが、本発明では、上記第1実施形態の第1変形例と同様にベース部10にキャップ部30を被せるように構成してもよい。また、上記第2〜第5実施形態についても、ベース部10にキャップ部30を被せるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、ベース部10には前方に突出する台座部10bが形成されている例について示したが、本発明では、ベース部10は、台座部10bが突出して形成されていない略円板状の形状を有していてもよい。
10、610 ベース部
10c 前面
10d 後面
10f 側面
11、511 リード端子(第1リード端子)
11b 前端領域(素子設置部)
11d、511d、521d 放熱部
11c、311c、511c、521c 接続部
11h 後端領域(接続領域)
12、13、612、613、614、615 リード端子(第2リード端子)
20 青紫色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
30、630 キャップ部
60、650 2波長半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
70 赤色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
80 赤外半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
100、100a、100b、100c、100d、200、200a、300、400、500、500a 半導体レーザ装置
600 3波長半導体レーザ装置(半導体レーザ装置)
605 RGB3波長半導体レーザ装置(半導体レーザ装置)
660 緑色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
665 青色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
670 赤色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
700 光ピックアップ装置(光装置)
800 光ディスク装置(光装置)
720、920、960 光学系
900、905 プロジェクタ装置(光装置)

Claims (6)

  1. 半導体レーザ素子と、
    ベース部と、
    前記ベース部の前面に取り付けられ、前記半導体レーザ素子が載置される素子設置部と、
    前記素子設置部と一体的に形成され、前記ベース部の側面よりも外側に延びる放熱部とを備え、
    前記放熱部と前記素子設置部とは、前記ベース部の前面側から後面側に延びる接続部によって接続されており、
    前記放熱部と前記接続部との接続領域は、前記ベース部の後面側に配置されている、半導体レーザ装置。
  2. 前記半導体レーザ素子を覆うキャップ部をさらに備え、
    前記放熱部は、前記キャップ部の外側に配置されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記ベース部の後面に取り付けられた第1リード端子をさらに備え、
    前記素子設置部は、前記第1リード端子と一体的に形成されている、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記ベース部の後面に取り付けられた第2リード端子をさらに備え、
    前記素子設置部と前記第2リード端子とは、異なる平面上に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記接続部および前記放熱部の少なくとも一部が折り曲げられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 半導体レーザ素子と、ベース部と、前記ベース部の前面に取り付けられ、前記半導体レーザ素子が載置される素子設置部と、前記素子設置部と一体的に形成され、前記ベース部の側面よりも外側に延びる放熱部とを含む半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置の出射光を制御する光学系とを備え、
    前記放熱部と前記素子設置部とは、前記ベース部の前面側から後面側に延びる接続部によって接続されており、
    前記放熱部と前記接続部との接続領域は、前記ベース部の後面側に配置されている、光装置。
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