JP2011158805A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Katsuji Inoue
勝治 井上
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Abstract

【課題】本発明の感光性樹脂組成物によれば、モヤムラの発生を抑制し、塗膜全体にわたって均一で、高品質な塗膜を形成することができる。また、この感光性樹脂組成物を利用することにより、高品質の表示装置等を得ることが可能となる。
【解決手段】樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含み、着色剤を実質的に含まず、溶剤が、式(1)で表される化合物を含む溶剤である感光性樹脂組成物。

[式(1)中、Rは、メチル基又はエチル基を表す。
は、炭素数3〜8のアルキル基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は感光性樹脂組成物に関する。
近年の液晶表示パネル等では、基板サイズの大型化が進行しており、通常、基板面には、コート層等の透明膜又はパターンを形成するために、感光性樹脂組成物が、スピン塗布法、スリット&スピン塗布法等により塗布形成されている。
このような感光性樹脂組成物としては、例えば、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシエチルプロピオネート、3−メトキシ1−ブタノール及び3−メトキシブチルアセテートの混合物を用いた感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−249609号公報
しかしながら、従来から提案されている感光性樹脂組成物を用いても、前記の塗布法において必ずしもムラのない高品質の塗膜が得られていないというのが現状である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、モヤムラの発生を抑制し、塗膜全体にわたって均一で、高品質な塗膜を形成することができる感光性樹脂組成物及びそれを用いた表示装置等を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[10]の発明である。
[1]樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含み、着色剤を実質的に含まず、溶剤が、式(1)で表される化合物を含む溶剤である感光性樹脂組成物。
[式(1)中、Rは、メチル基又はエチル基を表す。
は、炭素数3〜8のアルキル基を表す。]
[2]溶剤が、溶剤全量に対して、式(1)で表される化合物を0.5質量%以上20質量%以下含む溶剤である[1]記載の感光性樹脂組成物。
[3]式(1)で表される化合物が、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートである[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
[4]溶剤が、式(1)で表される化合物を含む溶剤と、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の溶剤とのみからなる溶剤である[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]さらに、界面活性剤を、感光性樹脂組成物100質量%に対して、0.0025質量%以上0.06質量%以下の量含む[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]樹脂が、炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを重合してなる共重合体である[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7]炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体が、オキシラニル基を有する単量体である[5]記載の感光性樹脂組成物。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される塗膜。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
[10][7]記載の塗膜及び[8]記載のパターンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む表示装置。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、モヤムラの発生を抑制し、塗膜全体にわたって均一で、高品質な塗膜を形成することができる。
また、この感光性樹脂組成物を利用することにより、高品質の表示装置等を得ることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)及び溶剤(D)を含んで構成される。なお、本明細書においては、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は組合せて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる樹脂(A)としては、アルカリ溶解性を有する樹脂(A1)、アルカリ溶解性ならびに光及び熱の少なくともいずれか一方の作用により反応性を有する樹脂(A2)等が例示される。
樹脂(A)としては、アルカリ溶解性ならびに光及び熱の少なくともいずれか一方の作用により反応性を有する樹脂(A2)が好ましく、炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを重合してなる共重合体がより好ましく、オキシラニル基を有する単量体と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを重合してなる共重合体がより好ましい。
アルカリ溶解性を有する樹脂(A1)としては、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、炭素数2〜4の環状エーテルは有さない。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体等が例示される。
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3‐ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が共重合反応性の点やアルカリ溶解性の点から好ましく用いられる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も同様の意味を有する。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリール又はアラルキルエステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が、共重合反応性及びアルカリ溶解性の点から好ましい。
(a)及び(c)を共重合させて得られる共重合体においては、それぞれに由来する構成単位の比率が、前記の共重合体を構成する全構成単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構成単位;2〜40モル%
(c)に由来する構成単位;60〜98モル%
また、前記の構成単位の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)に由来する構成単位;5〜35モル%
(c)に由来する構成単位;65〜95モル%
アルカリ溶解性を有する樹脂(A1)の構成単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性が良好になる傾向があり、好ましい。
前記のアルカリ溶解性を有する樹脂(A1)は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素で、攪拌、加熱、保温する方法が例示される。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4− ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、感光性樹脂組成物の溶剤として後述する溶剤等を用いることができる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、後述する溶剤(D)を使用することにより、反応後の溶液をそのまま使用することができ、製造工程を簡略化することができる。
アルカリ溶解性ならびに光及び熱の少なくとも一方の作用により反応性を有する樹脂(A2)としては、炭素数2〜4の環状エーテル並びに、カルボン酸及びカルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂が好ましく、炭素数2〜4の環状エーテルとエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体、及びカルボン酸及びカルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体を含有する単量体をビニル重合してなる樹脂がより好ましい。
樹脂(A2−1):(a)と、(c)と、炭素数2〜4の環状エーテルを有する化合物(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体、
樹脂(A2−2):(a)と、(c)との共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂、
樹脂(A2−3):(b)と、(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂、
樹脂(A2−4):(a)と(b)との共重合体等が挙げられる。
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル(例えば、オキシラン環、オキセタン環およびテトラヒドロフラン環(オキソラン環)からなる群から選ばれる少なくとも1種)を有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルとエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体であることが好ましく、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b)としては、例えば、オキシラニル基を有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基を有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基を有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)などが挙げられる。
オキシラニル基を有する単量体(b1)とは、オキシラニル基を有する重合性化合物を指す。(b1)は、例えば、鎖式オレフィンをエポキシ化した構造とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、環式オレフィンをエポキシ化した構造とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
(b1)としては、オキシラニル基とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体であることが好ましく、オキシラニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b1−1)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、特開平7−248625号公報に記載の下記の式で示される化合物などが挙げられる。
(式中、R11〜R13は、互いに独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、mは1〜5の整数である。)。
前記の式で示される化合物としては、例えば、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレンなどが挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物等が挙げられる。
[式(I)及び式(II)において、R及びRは、互いに独立に、水素原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びXは、互いに独立に、単結合、−R−、*−R−O−、*−R−S−、*−R−NH−を表す。
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
及びRとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基等が挙げられる。
及びXとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CHCH−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CHCH−O−基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−11)〜式(I−15)が挙げられる。より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−15)が挙げられる。
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−11)〜式(II−15)が挙げられる。より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−15)が挙げられる。
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いることができる。また、それらは、任意の比率で混合することができる。混合する場合、その混合比率はモル比で、好ましくは式(I):式(II)で、5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、とりわけ好ましくは20:80〜80:20である。
オキセタニル基を有する単量体(b2)とは、オキセタニル基を有する重合性化合物を指す。(b2)としては、オキセタニル基とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体であることが好ましく、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、例えば、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
テトラヒドロフリル基を有する単量体(b3)とは、テトラヒドロフリル基を有する重合性化合物を指す。(b3)としては、テトラヒドロフリル基とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体であることが好ましく、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
樹脂(A2−1)は、(a)と(b)と(c)との共重合体である。
樹脂(A2−1)において、それぞれから導かれる構成単位の比率が、樹脂(A2−1)を構成する全構成単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構成単位;2〜40モル%
(c)に由来する構成単位;1〜65モル%
(b)に由来する構成単位;2〜95モル%
また、前記の構成単位の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)に由来する構成単位;5〜35モル%
(c)に由来する構成単位;1〜60モル%
(b)に由来する構成単位;5〜80モル%
樹脂(A2−1)の構成単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好になる傾向があり、好ましい。
樹脂(A2−1)としては、(b)が(b1)である樹脂が好ましく、(b)が(b1−2)である樹脂がより好ましい。
樹脂(A2−1)は、例えば、樹脂(A1)の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
具体的には、(a)、(c)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂(A2−2)は、(a)と(c)との共重合体に、(b)を反応させて得られる樹脂である。
樹脂(A2−2)は、例えば、二段階の工程を経て製造することができる。この場合も、上述した文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法、特開2001−89533号公報に記載された方法等を参考にして製造することができる。
まず、第一段階として、上述したアルカリ溶解性を有する樹脂(A1)の製造方法と同様にして、共重合体(すなわち、アルカリ可溶性を有する樹脂)を得る。
この場合、上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。また、上記と同様のポリスチレン換算の重量平均分子量及び分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]とすることが好ましい。
ただし、(a)及び(c)にそれぞれ由来する構成単位の比率が、前記の共重合体を構成する全構成単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構成単位;5〜50モル%
(c)に由来する構成単位;50〜95モル%
また、前記の構成単位の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)に由来する構成単位;10〜45モル%
(c)に由来する構成単位;55〜90モル%
次に、第二段階として、得られた共重合体に由来する(a)のカルボン酸及びカルボン酸無水物の一部を、前述の(b)の環状エーテルと反応させる。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては(b1)又は(b2)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
具体的には、上記に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(a)のモル数に対して、5〜80モル%の(b)、カルボキシ基と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、60〜130℃で、1〜10時間反応させ、樹脂(A2−2)を得ることができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
また、この場合、(b)のモル数は、(a)のモル数に対して、10〜75モル%とすることが好ましく、より好ましくは15〜70モル%である。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
樹脂(A2−3)は、(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂である。樹脂(A2−3)は、樹脂(A2−2)と同様に、例えば、(b)と(c)とを共重合する第一段階、(b)に由来する環状エーテルの一部と(a)のカルボン酸又はカルボン酸無水物とを反応させる第二段階の、二段階の工程を経て製造することができる。
(b)と(c)との共重合体において、(b)及び(c)にそれぞれ由来する構成単位の比率が、該共重合体を構成する全構成単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構成単位;5〜95モル%
(c)に由来する構成単位;5〜95モル%
また、前記の構成単位の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(b)に由来する構成単位;10〜90モル%
(c)に由来する構成単位;10〜90モル%
また、該共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)のモル数に対して5〜80モル%であることが好ましい。(b)としては、環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては(b1)又は(b2)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
樹脂(A2−4)において、それぞれから導かれる構成成分の比率が、樹脂(A2−3)を構成する構成単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構成単位;5〜60モル%
(b)に由来する構成単位;40〜95モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)に由来する構成単位;10〜50モル%
(b)に由来する構成単位;50〜90モル%
前記の構成比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性および機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂(A2−4)は、例えば、樹脂(A1)の製造方法として記載した方法と同様にして製造することができる。
具体的には、(a)および(b)の所定量、重合開始剤および溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素下で、攪拌、加熱、保温することにより、重合体が得られる。なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿などの方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。アルカリ溶解性を有する樹脂(A1)の重量平均分子量が、前記の範囲にあると、塗布性が良好となる傾向があり、また現像時に膜減りが生じにくく、さらに現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。
樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分子量分布が、前記の範囲にあると、現像性に優れる傾向があるので好ましい。
樹脂(A)の酸価は、20〜150であり、好ましくは50〜135、特に好ましくは70〜135である。ここで酸価は樹脂(A)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(A)の含有量は、樹脂(A)及び重合性化合物(B)の合計量に対して、好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは40〜60質量%である。樹脂(A)の含有量が、前記の範囲にあると、現像性、密着性、耐溶剤性、機械特性が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性脂組成物に含まれる重合性化合物(B)は、熱の作用、あるいは、重合開始剤(C)から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などがが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
重合性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有する重合性化合物(B)としては、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;
スチレン、α−,o−,m−,p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tertブトキシスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類;
ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン等のジエン類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラニル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェナシル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル等の(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;
(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル等のビニル化合物;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル;
グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル及びビニル化合物等が挙げられる。
重合性の炭素−炭素不飽和結合を2つ有する重合性化合物(B)としては、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性の炭素−炭素不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物(B)としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。なかでも、2官能以上のモノマーが好ましく用いられる。
重合性化合物(B)の含有量は、樹脂(A)及び重合性化合物(B)の合計量に対して、好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%である。重合性化合物(B)の含有量が、前記の範囲にあると、感度や、塗膜及びパターンの強度や平滑性、信頼性、機械強度が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる重合開始剤(C)としては、光又は熱の作用により重合を開始する化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(C)として、例えば、ビイミダゾール系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物が好ましい。また、特開2008−181087号公報に記載された光及び/又は熱カチオン重合開始剤(例えば、オニウムカチオンとルイス酸由来のアニオンとから構成されているもの)を用いてもよい。なかでも、ビイミダゾール系化合物が感度に優れるため、より好ましい。
前記のビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
前記のアセトフェノン系化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]―フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(2−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−エチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−プロピルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2,3−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2、4−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモ−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
前記のトリアジン系化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記のアシルホスフィンオキサイド系開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
前記のオキシム化合物としては、O−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート、1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート等が挙げられる。
さらに重合開始剤(C)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(C1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
また、連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤として、特表2002−544205号公報に記載されている光重合開始剤を使用してもよい。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤としては、例えば、下記式(a)〜(f)の光重合開始剤が挙げられる。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤は、樹脂(A)を構成する成分(c)としても使用することができる。
なお、上述した重合開始剤(C)とともに、重合開始助剤(C1)を用いることが好ましい。重合開始助剤(C1)としては、式(III)で表される化合物が挙げられる。
[式(III)中、Wで示される点線はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香環を表す。
は、−O−又は−S−を表す。
は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の飽和炭化水素基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
炭素数6〜12の芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香環としては、例えば、ベンゼン環、メチルベンゼン環、ジメチルベンゼン環、エチルベンゼン環、プロピルベンゼン環、ブチルベンゼン環、ペンチルベンゼン環、ヘキシルベンゼン環、シクロヘキシルベンゼン環、クロロベンゼン環、ジクロロベンゼン環、ブロモベンゼン環、ジブロモベンゼン環、フェニルベンゼン環、クロロフェニルベンゼン環、ブロモフェニルベンゼン環、ナフタレン環、クロロナフタレン環、ブロモナフタレン環などが挙げられる。
炭素数1〜6の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、上記の炭素数1〜6のアルキル基に加え、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、1−クロロブチル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロブロモフェニル基、ビフェニル基、クロロビフェニル基、ジクロロビフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジブロモナフチル基などが挙げられる。
なお、本明細書では、いずれの化学構造式においても、炭素数によって異なるが、特に断りのない限り、各置換基は、上記の例示が適用される。また、直鎖又は分岐の双方をとることができるものは、そのいずれをも含む。
式(III)で表される化合物として、具体的には、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,3−d]チアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,3−d]オキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン等が挙げられる。
なかでも好ましくは、式(III―1)で表される2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、式(III―2)で表される2−ベンゾイルメチレン−3−メチルーナフト[1,2−d]チアゾリン及び式(III−3)で表される2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリンが挙げられる。
これらの化合物を使用すると得られる感光性樹脂組成物は高感度となるので、これを用いて塗膜やパターンを形成すると、塗膜やパターンの生産性が向上し、また、光及び熱の少なくともいずれか一方の作用により退色して透明性が向上するので、好ましい。
また、重合開始助剤(C1)としては、式(IV)又は式(V)で表される化合物を用いてもよい。
[式(IV)及び式(V)中、環W、Wおよび環Wは、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香環又は炭素数2〜10の複素環を表す。Y〜Yは、互いに独立に、−O−又は−S−を表す。R〜Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、該アルキル基及び該アリール基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。
芳香環としては、式(III)で挙げたものと同様の芳香環が挙げられ、該芳香環に含まれる水素原子は、前記で挙げたハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。
ハロゲン原子で置換されていてもよい複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピラン環等が挙げられる。
ヒドロキシ基置換アルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基置換アリール基としては、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等が挙げられる。
アルコキシ基置換アルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、プロポキシブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基置換アリール基としては、メトキシフェニル基、エトキシナフチル基等が挙げられる。
式(IV)及び式(V)で表される化合物としては、具体的には、
ジメトキシナフタレン、ジエトキシナフタレン、ジプロポキシナフタレン、ジイソプロポキシナフタレン、ジブトキシナフタレンなどのジアルコキシナフタレン類;
9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、ジプロポキシアントラセン、ジイソプロポキシアントラセン、ジブトキシアントラセン、ジペンチルオキシアントラセン、ジヘキシルオキシアントラセン、メトキシエトキシアントラセン、メトキシプロポキシアントラセン、メトキシイソプロポキシアントラセン、メトキシブトキシアントラセン、エトキシプロポキシアントラセン、エトキシイソプロポキシアントラセン、エトキシブトキシアントラセン、プロポキシイソプロポキシアントラセン、プロポキシブトキシアントラセン、イソプロポキシブトキシアントラセンなどのジアルコキシアントラセン類;
ジメトキシナフタセン、ジエトキシナフタセン、ジプロポキシナフタセン、ジイソプロポキシナフタセン、ジブトキシナフタセンなどのジアルコキシナフタセン類;
等が挙げられる。
また、重合開始助剤(C1)としては、チオキサントン系化合物が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
さらに、重合開始助剤(C1)としては、アミン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称;ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのような芳香族アミン化合物が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等の芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
重合開始剤(C)の含有量は、樹脂(A)及び重合性化合物(B)の合計量に対して重量分率で、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
重合開始剤(C)の合計量がこの範囲にあると、感光性樹脂組成物が高感度となり、この感光性樹脂組成物を用いて形成した塗膜やパターンの強度や、塗膜やパターンの表面における平滑性が良好になる傾向があり、好ましい。
重合開始助剤(C1)の使用量は、樹脂(A)及び重合性化合物(B)の合計量に対して、重量分率で、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜40質量%である。
重合開始助剤(C1)の量がこの範囲にあると、得られる感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、この感光性樹脂組成物を用いて形成するパターン基板の生産性が向上する傾向にあり、好ましい。
特に、式(III)で表される化合物を用いる場合には、その含有量は、重合開始助剤(C1)の含有量に対して、50〜100%、さらに60〜100%、とりわけ65〜100%とすることが好ましい。式(III)で表される化合物の含有量がこの範囲にあると、これを含む感光性樹脂組成物を用いて塗膜を形成したときに、塗膜の可視光領域の透明性が良好になり好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、さらに多官能チオール化合物(T)を含有していてもよい。この多官能チオール化合物(T)は、分子内に2個以上のスルファニル基を有する化合物である。なかでも、脂肪族炭化水素基に隣接するスルファニル基を2個以上有する化合物を用いると、本発明の感光性樹脂組成物の感度が高くなるため、好ましい。
多官能チオール化合物(T)としては、具体的には、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ビス(メチルスルファニル)ベンゼン、ブタンジオールビス(3−スルファニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−スルファニルアセテート)、エチレングリコールビス(3−スルファニルアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルアセテート)、ブタンジオールビス(3−スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−スルファニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルアセテート)、トリスヒドロキシエチルトリス(3−スルファニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルブチレート)、1,4−ビス(3−スルファニルブチルオキシ)ブタン等が挙げられる。
多官能チオール化合物(T)の含有量は、重合開始剤(C)に対して重量分率で、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。多官能チオール化合物(T)の含有量がこの範囲にあると、感度が高くなり、また現像性が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤(D)は、少なくとも式(1)で表される化合物(以下「溶剤(1)」ということがある)を含む。溶剤(D)が式(1)で表される化合物を含むことで、モヤムラやストリエーションを防止することができる。

[式(1)中、Rは、メチル基又はエチル基を表す。
は、炭素数3〜8のアルキル基を表す。]
炭素数3〜8のアルキル基としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチプロピル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。中でも、炭素数3又は4のアルキル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。
溶剤(1)としては、具体的には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノオクチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノオクチルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
中でも、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましく、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテートがより好ましい。
上記の溶剤(1)を用いることにより、感光性樹脂組成物の各成分との相溶性を確保して、種々の塗布法、特に、スピン塗布法によって、凹凸基板上に塗布した場合においても、有効にストリエーションを防止することができる。
溶剤(1)は、溶剤全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下で含有されることが好ましい。さらに、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。溶剤(1)の含有量が、上記の範囲にあると、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれることがある。)、インクジェット、ロールコータ、ディップコーター等の種々の塗布装置において、良好な塗布性を見込むことができる。
溶剤(D)は、溶剤(1)以外の溶剤を含んで構成されることが好ましい。溶剤(1)以外の溶剤としては、樹脂(A)、重合性化合物(B)及び重合開始剤(C)等の成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものであることが好ましく、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の溶剤であることがより好ましい。
溶剤(1)以外の溶剤としては、例えば、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、エトキシブタノール、プロポキシブタノール、ブトキシブタノール、グリセリン等のアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのようなアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;
メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、プロポキシブチルアセテート、ブトキシブチルアセテート等のブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類;
メトキシブチルプロピオネート、エトキシブチルプロピオネート、プロポキシブチルプロピオネート、ブトキシブチルプロピオネート等のブタンジオールモノアルキルエーテルプロピオネート類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテルプロピレングリコールプロピルメチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類;
テトラヒドロフラン、ピラン等の環状エーテル類;
γ−ブチロラクトン等の環状エステル類等を含有していてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−1−ブタノール等が好ましい。
さらに、溶剤(D)としては、式(1)で表される化合物を含む溶剤と、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤とのみからなる溶剤であることが好ましい。また、式(1)で表される化合物を含む溶剤と、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤との含有量の比が、0.5:99.5〜20:80であることが好ましく、3:97〜20:80であることがより好ましく、5:95〜20:80であることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、溶剤(D)の含有量は、感光性樹脂組成物全量に対して、60〜90質量%が好ましく、62〜88質量%がより好ましく、65〜85質量%が特に好ましい。
感光性樹脂組成物から溶剤を除いた量を固形分量とすると、固形分量としては、10〜40質量%であることが好ましく、12〜38質量%がより好ましく、15〜35質量%が特に好ましい。この範囲とすることにより、種々の塗布方法、特にスリット法によっても、欠陥等が発生せず、平坦な塗膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は界面活性剤(E)を含有することが好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。
具体的には、東レシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。
具体的には、フロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM Chemie社製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。好ましくはメガファック(登録商標)F475が挙げられる。
界面活性剤(E)は、感光性樹脂組成物100質量%に対して、0.0025質量%以上0.06質量%以下であり、好ましくは0.0025質量%以上0.05質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.02質量%以下である。界面活性剤をこの範囲で含有することにより、塗膜の平坦性を良好にすることができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤等の種々の添加剤を併用してもよい。
充填剤として、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ等が例示される。
他の高分子化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂等の硬化性樹脂ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−スルファニルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、こはく酸と(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)エタノールからなる高分子、N,N',N'',N'''−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカンジオイックアシッドと、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと、1,1−ジメチルエチルヒドロパーオキシドとの反応物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、ドデカンチオール、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、顔料および染料などの着色剤を実質的に含有しない。すなわち、本発明の感光性樹脂組成物において、組成物全体に対する着色剤の含量は、例えば、質量分率で、1質量%未満、好ましくは、0.5質量%未満である。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、光路長が1cmの石英セルに充填し、分光光度計を使用して、測定波長400〜700nmの条件下で透過率を測定すると、平均透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上である。
本発明の感光性樹脂組成物は、塗膜とした際に、塗膜の平均透過率が90%以上であり、さらに95%以上となることが好ましい。この平均透過率は、加熱硬化(例えば、100〜250℃、5分〜3時間)後の厚みが3μmの塗膜に対して、分光光度計を使用して、測定波長400〜700nmの条件下で測定した場合の平均値である。これにより、可視光領域での透明性に優れた塗膜を提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、後述するように、基材、例えば、ガラス、金属、プラスチック等の基板、カラーフィルタ、各種絶縁又は導電膜、駆動回路等を形成したこれらの基板上に塗布することによって、塗膜として形成することができる。塗膜は、乾燥及び硬化したものであることが好ましい。また、得られた塗膜を所望の形状にパターニングして、パターンとして用いることもできる。さらに、これら塗膜又はパターンを、表示装置等の構成部品の一部として形成して使用してもよい。
まず、本発明の感光性樹脂組成物を、基材上に、塗布する。
塗布は、上述したように、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、インクジェット、ロールコータ、ディップコーター等の種々の塗布装置を用いて行うことができる。なかでも、溶解性、乾燥防止、異物の発生防止等から、スピン塗布法による塗布、つまり、スリット&スピンコーター及びスピンコーター等を利用する塗布を行うことが好ましい。
次いで、乾燥又はプリベークして、溶剤等の揮発成分を除去することが好ましい。これにより、平滑な未硬化塗膜を得ることができる。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、1〜6μm程度が例示される。
さらに、得られた未硬化塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して、光、例えば、水銀灯、発光ダイオードから発生する紫外線等を照射する。この際のマスクの形状は特に限定されず、種々の形状が挙げられる。また、線幅等も、マスクサイズ等によって、適宜調整することができる。
近年の露光機では、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出して、露光面全体に均一に平行光線を照射したりすることができる。このときマスクと基材との正確な位置合わせを行うために、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用してもよい。
この後、塗膜をアルカリ水溶液に接触させて所定部分、例えば、非露光部を溶解させ、現像することにより、目的とするパターン形状を得ることができる。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基材を任意の角度に傾けてもよい。
現像に使用する現像液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤とを含む水溶液である。
アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。
無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、有機アルカリ性化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
これらの無機及び有機アルカリ性化合物のアルカリ現像液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤のいずれでもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムのような高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩類等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアミン塩又は第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%の範囲、より好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
現像後、水洗を行い、さらに必要に応じて、ポストベークを行ってもよい。ポストベークは、例えば、150〜230℃の温度範囲、10〜180分間が好ましい。
このようにして得られる塗膜又はパターンは、例えば、液晶表示装置に使用されるフォトスペーサ、パターニング可能なオーバーコートとして有用である。また、未硬化塗膜へのパターニング露光の際に、ホール形成用フォトマスクを使用することにより、ホールを形成することができ、層間絶縁膜として有用である。さらに、未硬化塗膜への露光の際に、フォトマスクを使用せず、全面露光及び加熱硬化又は加熱硬化のみを行うことにより、透明膜を形成することができる。この透明膜は、オーバーコートとして有用である。また、タッチパネル等の表示装置にも用いることができる。これにより、高品質の塗膜又はパターンを備えた表示装置を、高い歩留りで製造することが可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、種々の膜及びパターンを形成するための材料、例えば、透明膜、特に、カラーフィルタの一部を構成する透明膜、パターン、フォトスペーサ、オーバーコート、絶縁膜、液晶配向制御用突起、マイクロレンズ、異なる膜厚を組み合わせた着色パターン、コート層等を形成するために好適に利用することができる。また、これらの塗膜又はパターンをその構成部品の一部として備えるカラーフィルタ、アレイ基板等、さらに、これらカラーフィルタ及び/又はアレイ基板等を具備する表示装置、例えば、液晶表示装置、有機EL装置等に利用することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
合成例1
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200部及び3−メトキシブチルアセテート105部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物の、モル比、50:50の混合物。)240部を、3−メトキシブチルアセテート140部に溶解して溶液を調製し、この溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を3−メトキシブチルアセテート225部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6%、酸価110mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(樹脂Ac)の溶液を得た。得られた樹脂Aの重量平均分子量Mwは、13,400、分子量分布は2.50であった。
得られた樹脂Aの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行なった。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
実施例1〜4、比較例1
表1の組成物を混合して、感光性樹脂組成物1〜5を得た。
表1中各成分は以下のとおりである。
樹脂(A);樹脂A
重合性化合物(B);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤Ca;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(B−CIM;保土谷化学(株)製)
重合開始助剤C1;2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン
多官能チオール化合物Ta;ペンタエリスリトールテトラキス(3−スルファニルプロピオネート)(堺化学工業(株)製PEMP)
溶剤Da;ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート
溶剤Db;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤Dc;3−エトキシプロピオン酸エチル
溶剤Dd;3−メトキシ−1−ブタノール
溶剤De;3−メトキシブチルアセテート
界面活性剤E;ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製 SH8400)
添加剤1;IRGANOX3114(チバ・ジャパン社製)
溶剤(D)は、感光性樹脂組成物の固形分量が表1の「固形分量〔%〕」となるように混合し、溶剤(D)中の溶剤成分(Da)〜(De)の値は、溶剤(D)中での質量比を表す。
<組成物の平均透過率>
各感光性樹脂組成物について、紫外可視近赤外分光光度計(V−650;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
<塗膜の平均透過率>
各感光性樹脂組成物を用いて、硬化後の膜厚が3μmになるように、以下のようにして、硬化膜を作製した。
硬化性樹脂組成物をジエチレングリコールn−ブチルエーテルアセテートで、固形分20質量%になるように希釈した。スピン塗布法で硬化後膜厚が3μmになるように塗布し、100℃×10分プリベーク後、220℃×20分で加熱硬化した。
得られた各硬化膜について、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。
透過率が高くなることは、吸収が小さくなることを意味する。結果を表1に示す。
<ストリエーション評価>
表2に示す各成分を、表2に示す割合で混合して、着色感光性樹脂組成物1を得た。
4インチのシリコン基板を、中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このシリコン基板上に、着色感光性樹脂組成物1を、100mJ/cmの露光量(365nm)で露光し、現像、水洗、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコートした。次に、クリーンオーブン中、90℃で3分間プリベークした。冷却後、この着色感光性樹脂組成物1を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとし、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、100mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。なお、このときの着色感光性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯からの放射光を、光学フィルタ(UV−35;旭テクノグラス(株)製)を通過させ使用した。また、フォトマスクとして、パターン(1辺が10mmである正方形の透光部を有し、当該正方形の間隔が100mm)が同一平面上に形成されたフォトマスクを用いた。
光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に上記塗膜を23℃で80秒間浸漬して現像し、水洗後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行い、10mm角の着色パターン有するシリコン基板を作成した。
この10mm角の着色パターンを有するシリコン基板に、実施例1〜4、及び比較例1の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて硬化後の膜厚が3.0μmになるような条件で塗布した。次にクリーンオーブン中、90℃で3分間プリベークして塗膜を形成した。冷却後、膜表面をNaランプにて照らし、目視にて塗膜表面を確認した。
着色パターンに沿って発生するストリエーションがはっきり確認できた場合は×、僅かに確認できた場合は△、ほとんど確認されなかった場合は○とした。結果を表3に示す。
尚、ストリエーションとは、基板の段差(ここでは着色パターン)に由来する放射線状のムラのことをいう。
<モヤムラ評価>
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、実施例1〜4、及び比較例1の感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて硬化後の膜厚が3.0μmになるような条件で塗布した。次にクリーンオーブン中、90℃で3分間プリベークして塗膜を形成した。冷却後、得られた膜表面をNaランプにて照らし、目視にて塗膜表面を確認した。
モヤムラ(雲状のムラ)がはっきり確認できた場合は×、僅かに確認できた場合は△、ほとんど確認されなかった場合は○とした。結果を表3に示す。
このように、本発明の感光性樹脂組成物を用いて塗膜を形成した際、モヤムラの発生は抑制され、塗膜全体にわたって均一でかつ平滑であり、高品質な塗膜を形成することができる。また、凹凸のある基板に塗布形成した場合において、ストリエーションの発生は抑制され、高品質な塗膜を形成することができる。
このような感光性樹脂組成物を用いて塗膜又はパターンを形成し、それらを利用して表示装置を製造することにより、歩留まりを向上させることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、モヤムラの発生が抑えられ、塗膜全体にわたって均一で、高品質な塗膜を形成することができる。
また、この感光性樹脂組成物を利用することにより、高品質の表示装置等を得ることが可能となる。

Claims (10)

  1. 樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含み、着色剤を実質的に含まず、溶剤が、式(1)で表される化合物を含む溶剤である感光性樹脂組成物。
    [式(1)中、Rは、メチル基又はエチル基を表す。
    は、炭素数3〜8のアルキル基を表す。]
  2. 溶剤が、溶剤全量に対して、式(1)で表される化合物を0.5質量%以上20質量%以下含む溶剤である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 式(1)で表される化合物が、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 溶剤が、式(1)で表される化合物を含む溶剤と、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の溶剤とのみからなる溶剤である請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. さらに、界面活性剤を、感光性樹脂組成物100質量%に対して、0.0025質量%以上0.06質量%以下の量含む請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 樹脂が、炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを重合してなる共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体が、オキシラニル基を有する単量体である請求項6記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される塗膜。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
  10. 請求項8記載の塗膜及び請求項9記載のパターンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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