JP2011157793A - Rc構造部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート界壁2に沿って断熱材51〜54を配設して形成される遮音断熱壁構造において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材を用いる。更に、隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体からなり、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、また、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いることができる。特定の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材とを層状に配設した複層構造体を用いることもできる。
【選択図】図1
Description
(コンクリート界壁その1)
本発明は、RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界壁に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱壁において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材であり、これを請求項1に係る発明とする。
また本発明は、RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界壁に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱壁において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有し、かつ、隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体からなり、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、また、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材であり、これを請求項2に係る発明とする。
前記断熱材として、請求項2に記載のポーラスEPS成形部材と、10〜14kg/m3の密度を有し、かつ30×106N/m3以下の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材とを層状に配設した複層構造体を用いることができ、これを請求項3に係る発明とする。
また、他方の壁面側に設けられる断熱材として、XPS断熱材を配設することができ、これを請求項4に係る発明とする。
また本発明は、RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界床に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱床において、床上面側または床下面側の少なくとも一方の面に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材、又は同等密度を有し、かつ隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体からなり、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、また、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材であり、これを請求項5に係る発明とする。
前記断熱材として、請求項5に記載のEPS成形部材又はポーラスEPS成形部材と、10〜14kg/m3の密度を有し、かつ30×106N/m3以下の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材とを層状に配設した複層構造体を用いることができ、これを請求項6に係る発明とする。
また、向かい合う他方の床面側に設けられる断熱材として、XPS断熱材を配設することができ、これを請求項7に係る発明とする。
本発明のRC建造物の境界形成構造部材であるコンクリート界壁およびコンクリート界床に関するRC構造部材に係るものであり、図1に示すように、例えば、界床2として地面に面する界床21、部屋間に位置する界床22、最上階屋上に面する界床23および、界壁3として屋外に面する界壁31、部屋間に位置する界壁32があり、それぞれの界床2、界壁3には、床断熱材41、43、天井断熱材42、44、および壁断熱材51、52、53、54などが配設されている。
(コンクリート界壁)
本発明においては、コンクリート界壁に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱壁構造において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有し、EPS成形部材を用いるところに重要な要点がある。また、断熱材として、25kg/m3以上の同等の密度を有し、かつ、隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体であって、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いることができる。
なお、前記通気度はJIS L 1096に準拠して測定したものである。
図4は、(1)RC造りの裸壁(断熱材などを全く配設していない厚さ200mmのRC開壁そのままの状態)、(2)その界壁の片面に厚さ25mmの押出法発泡ポリスチレン+厚さ9.5mmの石膏ホボードを配設した形態(片面XPSという)、(3)両面に厚さ25mmの押出法発泡ポリスチレン+厚さ9.5mmの石膏ボードを配設した形態(両面XPSという)におけるそれぞれについて、100Hz〜5kHzの音波の透過損失(dB)を示すグラフである。
これによると、(1)RC裸壁に対して、(2)片面XPS、(3)両面XPSのいずれも、400Hz〜3kHzにおいて相当な遮音欠損が生じることが示され、(4)片面XPS、に対して(3)両面XPSの場合は、遮音欠損の程度が15dB程度となり、より欠損の著しいことが示されている。
(4)界壁の片面に厚さ25mmのビーズ法発泡ポリスチレン(密度29kg/m3)を配設した形態(片面EPSという)。
(5)界壁の片面に厚さ25mmのビーズ法発泡ポーラスポリスチレン(密度:30kg/m3、通気度:5cc/cm2・sec以上)を配設した形態(片面ポーラスEPSという)。
(6)このポーラスEPS(厚さ20mm)に厚さ20mmの弾性発泡ポリスチレン(EFという)(静的バネ定数:21.2×106N/m3)を積層した複合板を配設した形態。
(片面ポーラスEPS+EF複合)
なお、ここでの表示は、片面XPSの透過損失値を基準として、それに対するdB差をプロットしてある。つまり、プラス表示は遮音性が向上、マイナスは遮音性が低下したことを示している。
(7)界壁の片面に厚さ25mmのビーズ法発泡ポリスチレン(密度:29kg/m3)を配設し、他面には、厚さ25mmの押出法発泡ポリスチレンXPSを配設した形態(EPS/XPS)。
(8)界壁の片面に厚さ25mmのビーズ法発泡ポーラスポリスチレン(密度:29kg/m3、通気度:5cc/cm2・sec以上)を配設し、他面には、厚さ25mmの押出法発泡ポリスチレンXPSを配設した形態(ポーラスEPS/XPS)。
(9)このポーラスEPS(厚さ20mm)に厚さ20mmの弾性発泡ポリスチレン(EFという)(静的バネ定数:21.2×106N/m3)を積層した複合板を配設し、他面には、厚さ25mmの押出法発泡ポリスチレンXPSを配設した形態(ポーラスEPS+EF/XPS)。
なお、ここでの表示では、両面にXPSを配設したものの透過損失値(ddB)を基準として、それに対する透過損失差(ddB)をプロットしてあり、図3と同様にプラス表示は遮音性が向上、マイナスは遮音性が低下したことを示している。
本発明では、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材を用いるのであるが、この密度が好ましい理由は、図5に示すように、25kg/m3以上の密度の範囲において優れた遮音特性が得られるからである。この結果は、本発明のポーラスEPS成形部材の場合にもほぼ同様に対応している。
本発明では、5cc/cm2・sec以上の通気度を有するポーラスEPS成形部材を用いるのであるが、この通気度が好ましい理由は、図6に示すように、その通気度の範囲において優れた遮音特性が得られるからである。
本発明では、30×106N/m3以下の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材を用いるのであるが、この静的バネ定数が好ましい理由は、図7に示すように、弾性EPS成形部材と密度25kg/m3以上のEPS(ポーラスを含む)成形部材の静的バネ定数は、各々、XPS材のそれとは全く異なる。即ち、共振周波数帯域がXPSでは500Hz以上の高域側に在るのに対し、EPS材のそれは、密度25Kg/m3以上では中域側に、弾性EPSでは低域側と、各々500〜100Hzに存在する。このことは、集合住宅で問題となる生活騒音の内、特にかん高い話し声やテレビのコマーシャル音に対しEPS材は、空気伝播音遮断効果が大きいことが判る。又、この時コンクリートの界壁や界床を介して反対側にXPS材が在ると、EPSが不得意な低域側でも、優れた遮音特性が得られる。
以上、コンクリート界壁の場合について説明したが、コンクリート界床の場合も同様に応用することができる。
すなわち、コンクリート界床に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱床において、床上面側または床下面側の少なくとも一方の面に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材を用いるか、又は同等密度を有し隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体であって、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いる点を特徴とするRC構造部材である。
また、前記EPS成形部材、又はポーラスEPS成形部材と、10〜14kg/m3の密度を有し、かつ30×106N/m3以下の静的バネ定数を有するEPS成形部材を層状に配設した複層構造体を用いる点を特徴とするRC構造部材である。
コンクリート界床の場合も、前述したコンクリート界壁と同様、遮音欠損帯を無くすよう補完させ合うことで、遮音性に優れたRC建造物の界床材を提供することができる。
21 地面に面する界床
22 部屋間に位置する界床
23 最上階屋上に面する界床
3 界壁
31 屋外に面する界壁
32 部屋間に位置する界壁
41、43 床断熱材
42、44 天井断熱材
51、52、53、54 壁断熱材
Claims (7)
- RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界壁に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱壁において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材。
- RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界壁に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱壁において、一方の壁面側に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有し、かつ、隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体からなり、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、また、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材。
- 断熱材として、請求項2に記載のポーラスEPS成形部材と、10〜14kg/m3の密度を有し、かつ30×106N/m3以下の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材とを層状に配設した複層構造体を用いたことを特徴とするRC構造部材。
- 他方の壁面側に設けられる断熱材として、XPS断熱材を配設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のRC構造部材。
- RC建造物の境界形成構造部材であって、コンクリート界床に沿って断熱材を配設して形成される遮音断熱床において、床上面側または床下面側の少なくとも一方の面に設けられる断熱材として、25kg/m3以上の密度を有するEPS成形部材、又は同等密度を有し、かつ隣り合うポリスチレン発泡粒子をそれ自体が溶融した融着部により結合した成形体からなり、通気度5cc/cm2・sec以上の三次元連通気孔を有し、また、10N/cm2以上の曲げ強度を有するポーラスEPS成形部材を用いたことを特徴とするRC構造部材。
- 断熱材として、請求項5に記載のEPS成形部材又はポーラスEPS成形部材と、10〜14kg/m3の密度を有し、かつ30×106N/m3以下の静的バネ定数を有する弾性EPS成形部材とを層状に配設した複層構造体を用いたことを特徴とするRC構造部材。
- 向かい合う他方の床面側に設けられる断熱材として、XPS断熱材を配設したことを特徴とする請求項5または6に記載のRC構造部材。
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