JP2003328468A - 断熱壁構造 - Google Patents

断熱壁構造

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JP2003328468A
JP2003328468A JP2002133576A JP2002133576A JP2003328468A JP 2003328468 A JP2003328468 A JP 2003328468A JP 2002133576 A JP2002133576 A JP 2002133576A JP 2002133576 A JP2002133576 A JP 2002133576A JP 2003328468 A JP2003328468 A JP 2003328468A
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heat insulating
heat
sound insulation
insulation performance
wall
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JP2002133576A
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Masaru Baba
優 馬場
Masanori Tano
正典 田野
Atsuo Minemura
敦雄 峯村
Takashi Koga
貴士 古賀
Mikinori Yairi
幹記 矢入
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性能を確保したまま、遮音性能の低下を
低減させることのできる断熱壁を得る。 【解決手段】 RC壁17の両面に断熱型枠13、15
を打ち込んでなる断熱壁構造において、 一方の面に打
ち込んだ断熱型枠13の共振周波数と異なる共振周波数
の断熱型枠15を他方の面に打ち込む。そして、このよ
うに構成される断熱壁構造では、一方の断熱型枠13の
表面材がケイカル板からなり、他方の断熱型枠15の表
面材がフレキシブル板からなることを一例として挙げる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集合住宅の遮音に
用いて好適な断熱壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、次世代省エネルギー基準の制定に
より、集合住宅の戸境壁に断熱補強(所謂「折返し」)
を施す事例が増えてきている。断熱折返し工法による戸
境壁1は、例えば図7に示すように、両面にケイ酸カル
シウム板(6mm厚以下ケイカル板という)と断熱材
(15mm厚)とからなる断熱型枠3を打ち込んでな
る。断熱型枠3は、ケイカル板を表面材として断熱材に
貼り張り付けている。断熱型枠3は、断熱材を貼りつけ
た側の面が内側となって、コンクリート打設空間を隔て
て対向するように保持され、コンクリート打設の型枠と
して使用される。したがって、コンクリート5の硬化後
には戸境壁と一体となってこの戸境壁の表面材となる。
つまり、この戸境壁によって仕切られた左右の居室に
は、ケイカル板が同じように表出することになる。この
ような断熱壁構造を有する戸境壁1によれば、RCの打
放し壁に比べて断熱性能を高めることができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、RCの戸境
壁に断熱折返しを施すと、両面に打ち込んだ断熱型枠が
特定の周波数で共振してしまう問題の生じることが発見
された。例えば上記した従来例のケイカル板(6mm
厚)と断熱材(15mm厚)とからなる断熱型枠3を両
面に打ち込んだ厚さ220mmの戸境壁1では、図8に
示すように、断熱型枠3が2000Hzで共振してしま
い、2ランク以上の落ち込みにより遮音性能がD−35
という極端な遮音性能の低下が発生する。この遮音性能
は、図9に示したRC180mm厚の打放し壁の場合の
遮音性能より大幅に劣るものとなっている。このような
遮音性能の劣化を改善する手段として、図10に示すよ
うに例えば片側の断熱型枠3を除去し、断熱モルタル7
を施工することが考えられる。この場合、図11に示す
ように、2000Hzで若干の遮音性能の落ち込みが確
認されるが遮音性能はD−50となり、十分な遮音性能
を確保することができたものの、断熱性能を低下させる
大きな問題を招く結果となった。本発明は上記状況に鑑
みてなされたもので、断熱性能を確保したまま、遮音性
能の低下を低減させることのできる断熱壁を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1記載の断熱壁構造は、RC壁の
両面に断熱型枠を打ち込んでなる断熱壁構造であって、
一方の面に打ち込んだ断熱型枠の共振周波数と異なる共
振周波数の断熱型枠を他方の面に打ち込んだことを特徴
とする。
【0005】この断熱壁構造では、一方の面に打ち込ま
れた断熱型枠の共振周波数と、他方の面に打ち込まれた
断熱型枠との共振周波数が異なるものとなり、RC壁両
面の断熱型枠同士の共振が防止される。これにより、遮
音性能の低下が特定の周波数で共振によって極端に大き
くなることがなくなり、遮音性能低下の落ち込みが広範
囲の周波数に分散され、結果として遮音性能の低下が低
減される。
【0006】請求項2記載の断熱壁構造は、請求項1記
載の断熱壁構造において、前記一方の断熱型枠の表面材
がケイカル板からなり、前記他方の断熱型枠の表面材が
フレキシブル板からなることを特徴とする。
【0007】この断熱壁構造では、一方の断熱型枠の表
面材がケイカル板となり、他方の断熱型枠の表面材がフ
レキシブル板となることで、戸境壁によって仕切られた
左右の居室には異種の表面材が表出することになるが、
表面材として一般的に入手簡単な建築材料が使用可能と
なり、遮音性能に落ち込みがない異なる共振周波数の断
熱型枠が、容易に、しかも、安価に構築可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る断熱壁構造の
好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図
1は本発明に係る断熱壁構造の断面図である。
【0009】本実施の形態による断熱壁構造は、断熱折
返し工法により構築した戸境壁11に適用されている。
戸境壁11は、一方の面(図1の左側の面)と、他方の
面(図1の右側の面)とに、断熱型枠13、15を打ち
込んでなる。それぞれの断熱型枠13、15は、表面材
の背面に、断熱材を貼り張り付けることで形成されてい
る。この断熱型枠13、15は、断熱材を貼りつけた側
の面が内側となって、コンクリート打設空間を隔てて対
向するように保持され、コンクリート打設の型枠として
使用される。すなわち、断熱型枠13、15は、外側が
図示しない外型枠で囲まれ、空間内部にコンクリートを
打設した後、外型枠だけが取外されて内側となった断熱
型枠13、15がそのまま残されて断熱材として利用さ
れる。
【0010】したがって、断熱型枠13、15は、コン
クリート硬化後には戸境壁11の基材となるRC17と
一体となる。つまり、この戸境壁11によって仕切られ
た左右の居室19、21には、断熱型枠13、15の表
面材が表出することになる。この表面材は、断熱型枠1
3、15のそれぞれに異なる材質のものを使用してい
る。本実施の形態では、この表面材として、後述の実施
例において明らかとなるように、入手が容易で経済性に
優れ、しかも、共振周波数が同じ周波数帯域に入らない
組み合わせの材質で、その中でも最も共振周波数の遠い
組み合わせとなる材質、すなわち、ケイカル板(石綿セ
メント珪酸カルシウム)とフレキシブル板(可撓性のあ
る石綿セメント板)とを用いている。
【0011】後述の実施例からも明らかとなるように、
ケイカル板と、フレキシブル板との共振周波数は異なる
ものとなる。このケイカル板及びフレキシブル板には、
上記したように同様の断熱材を貼設している。このよう
に、戸境壁11は、RC壁の両面に、ケイカル板に断熱
材を貼設した断熱型枠13と、フレキシブル板に断熱材
を貼設した断熱型枠15とを打ち込んでなる。つまり、
本実施の形態による断熱壁構造は、一方の面に打ち込ん
だ断熱型枠13の共振周波数と異なる共振周波数の断熱
型枠15を他方の面に打ち込んだことを特徴としてい
る。
【0012】この断熱壁構造では、一方の面に打ち込ま
れた断熱型枠13の共振周波数と、他方の面に打ち込ま
れた断熱型枠15との共振周波数が異なるものとなり、
RC壁両面の断熱型枠同士の共振が防止される。これに
より、遮音性能の低下が特定の周波数で共振によって極
端に大きくなることがなくなり、遮音性能低下の落ち込
みが広範囲の周波数に分散され、結果として遮音性能の
低下が低減される。
【0013】また、一方の断熱型枠13の表面材がケイ
カル板となり、他方の断熱型枠15の表面材がフレキシ
ブル板となることで、戸境壁11によって仕切られた左
右の居室19、21に異種の表面材が表出することには
なるが、表面材として一般的に入手簡単な建築材料が使
用可能となり、遮音性能に落ち込みがない異なる共振周
波数の断熱型枠13、15が、容易に、しかも、安価に
構築可能となる。
【0014】さらに、断熱型枠13、15の背面には、
それぞれ同様に断熱材が貼設されていることから、高い
断熱効果を得ることができ、RCの打放し壁に比べて断
熱性能を高めることができた。この結果、本実施の形態
による断熱壁構造によれば、断熱性能を確保したまま、
遮音性能の低下を低減させることができる。
【0015】
【実施例】本実施例では、断熱折返し工法により構築し
た戸境壁における遮音性能の低下が、断熱型枠の共振現
象に起因していることに着目し、断熱性能を確保(次世
代省エネルギー基準を遵守)できる各種の断熱折返し材
の共振点を実験によって求め、戸境壁に使用する断熱折
返し材として共振周波数が遠いものを組み合わせて構築
した断熱壁構造の音響透過損失を比較例と共に測定し、
その有用性を検証した。
【0016】先ず、実際の現場で断熱補強用に使用され
ている断熱型枠に対して共振周波数f0(Hz)の測定
を行った。共振周波数の測定は、図2に示すスピーカー
31と、レーザ加速度計33a、33bと、測定器35
とを使用し、スピーカー31によって音響加振したサン
プルをレーザ加速度計33a、33bで検出し、測定器
35により表示して求めた。その結果を下表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1から、共振周波数は、表面材の物性に
大きく影響を受けることが分った。次いで、共振周波数
を求めた上表のサンプルの中から、最も共振数が遠い組
み合わせとなったケイカル板とフレキシブル板(No.
3とNo.8)とを表面材として両面に用いた断熱型枠
を実施例とし、ケイカル板(No.3)のみを両面に用
いた断熱型枠を比較例として遮音性能の測定を行った。
【0019】ここで、Aパネルを、断熱材25mm+ケ
イカル板6mm、f0=3.1kHzとし、Bパネル
を、断熱材25mm+フレキシブル板6mm、f0
1.5kHzとし、Aパネル+RC+Bパネルからなる
断熱型枠のサンプルを実施例とし、Aパネル+RC+A
パネルからなる断熱型枠のサンプルを比較例とした。
【0020】次に、図3に示す大小残響室間のRC壁に
図4に示すように幅600(次世代省エネ基準に示され
る地域区分2・3の断熱補強幅)、図5に示すように高
さ3350で実際に断熱型枠のサンプルを貼り付け、J
IS A1416で空気音遮断性能の測定を実施した。
その測定結果を図6に示す。
【0021】図6から分るように、両面をケイカル板と
した断熱型枠(A+RC+A)は、1/3オクターブバ
ンドで概ね2〜3.15kHzの帯域で透過損失が大き
く(7〜9dB)落ち込んでいることが分る。これは共振
周波数を得るために行った先の検出結果(f0=3.1
kHz)と整合性がとれており、予想通りの結果といえ
る。
【0022】これに対し、一方の面をケイカル板とし、
他方の面をフレキシブル板とした断熱型枠(A+RC+
B)は、両面ケイカル板のものに比べ、透過損失を大き
く改善させていることが分る。この実施例のように、断
熱型枠両面の表面材を異なるものに変えることは、遮音
性能の低下低減に大きく効果のあることが知見できた。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る請求項1記載の断熱壁構造によれば、一方の面に打ち
込んだ断熱型枠の共振周波数と異なる共振周波数の断熱
型枠を他方の面に打ち込んだので、RC壁両面の断熱型
枠同士が共振することを防止できる。これにより、遮音
性能の低下が特定の周波数で共振によって極端に大きく
なることがなくなり、遮音性能の落ち込みが広範囲の周
波数に分散され、結果として遮音性能の低下を低減する
ことができる。
【0024】請求項2記載の断熱壁構造によれば、一方
の断熱型枠の表面材をケイカル板とし、他方の断熱型枠
の表面材をフレキシブル板としたので、戸境壁によって
仕切られた左右の居室には異種の表面材が表出すること
になるが、表面材として一般的に入手簡単な建築材料を
用いることができ、遮音性能に落ち込みがない異なる共
振周波数の断熱型枠を、容易に、しかも、安価に構築す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断熱壁構造の立断面図である。
【図2】共振周波数測定方法の説明図である。
【図3】遮音性能測定方法の説明図である。
【図4】遮音性能測定板の平断面図である。
【図5】遮音性能測定板の立断面図である。
【図6】音響透過損失測定結果を表したグラフである。
【図7】従来の断熱壁構造の立断面図である。
【図8】従来の断熱壁構造における遮音性能の低下を音
圧レベル差で表したグラフである。
【図9】RC180mm厚の打放し壁における遮音性能
を音圧レベル差で表したグラフである。
【図10】断熱モルタルを併用した従来の断熱壁構造の
立断面図である。
【図11】従来の改善断熱壁構造における遮音性能を音
圧レベル差で表したグラフである。
【符号の説明】
13,15…断熱型枠、17…RC壁
フロントページの続き (72)発明者 峯村 敦雄 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 古賀 貴士 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 矢入 幹記 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF02 DF14 FA08 GA42 GA47 HA04 HA21 HF11 JA01 JA24 LA04 2E002 FB02 FB24 MA18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RC壁の両面に断熱型枠を打ち込んでな
    る断熱壁構造であって、 一方の面に打ち込んだ断熱型枠の共振周波数と異なる共
    振周波数の断熱型枠を他方の面に打ち込んだことを特徴
    とする断熱壁構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の断熱壁構造において、 前記一方の断熱型枠の表面材がケイ酸カルシウム板から
    なり、前記他方の断熱型枠の表面材がフレキシブル板か
    らなることを特徴とする断熱壁構造。
JP2002133576A 2002-05-09 2002-05-09 断熱壁構造 Pending JP2003328468A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007225436A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Nippon Sheet Glass Co Ltd 板状体の音響透過特性の測定方法
JP2011157793A (ja) * 2010-02-04 2011-08-18 Daisen Co Ltd Rc構造部材

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