JP2011157344A - 心身不調を改善し、脳の活動効率を向上させる作用を有する香気組成物及びそれを含有する製剤 - Google Patents

心身不調を改善し、脳の活動効率を向上させる作用を有する香気組成物及びそれを含有する製剤 Download PDF

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秀一 堀田
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孝則 川島
Hina Fujita
日奈 藤田
Takashi Fuse
貴史 布施
Hao-Feng Han
号峰 韓
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Abstract

【課題】心身不調を改善し、精神作業における脳の活動効率を向上させる作用を有し、精神作業時に脳の負担を軽減して、脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行うことができる香気組成物の提供。
【解決手段】漢方でいうところの(1)理気薬または解表薬に該当する少なくとも1種の生薬、及び/または(2)清熱薬または活血薬に該当する少なくとも1種の生薬を含む漢方処方で構成される生薬混合物を、熱水抽出分離にて抽出した蒸留液からなる、香気組成物及びそれを含有する製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、心身不調を改善し、精神作業における脳の活動効率を向上させる作用を有する香気組成物及びそれを含有する製剤に関する。
全身をコントロールする脳の働きのバランスが崩れると、こころの病気として精神や身体に症状が現れる。脳では1000億以上の神経細胞が相互に連結し、神経伝達物質により情動が調節されている。この神経伝達物質の量が過不足することにより、心身のバランスが崩れ、種々の不調や疲れの原因になる。このバランス失調の原因の一つとしてストレスが挙げられる。
即ち、過剰なストレスはさまざまな不調や病気を引き起こす要因になっており、ストレスが体全体に影響を及ぼし、免疫系から筋肉に至るまで全てに支障をきたす。特に、女性の身体は月経周期的でデリケートなホルモンバランスの上で成り立っており、ストレスの影響を受けやすい。特に、月経周期的な心身不調、例えば、月経前の疲労感も含めて「月経前緊張症」(PMS)で統合されるが、イライラ、眠気、憂うつ、頭痛、腰痛、吐き気、下痢、便秘などが非常に高頻度で出現する。また、「月経困難症」で月経期間中に経血が出渋り、詰まった感じの不快感や疲労感を訴える場合もある。
また、ストレスによるものと思われる胃痛、胸やけ、げっぷ、腹部違和感、吐き気、食欲不振のような胃腸症状を訴える場合もある。
このように過剰なストレスは、月経にまつわる疲労感、胃腸症状、また器質的な変化がなく生化学的な検査でも捉えることができない体調不良、本人にとって美容面で大きな悩みとなる肌トラブルを生じたりしてQOLを妨げ、快適な生活を維持することに対しても影響が生じてくる。
ストレスを受ければ自律神経系の交感神経の興奮により、血圧と心拍数を上昇させ、胃腸・腎臓・皮膚への血流量を減少させ、骨格筋への血液供給量を増やす。それに対して副交感神経は、体を休ませ体力を回復し、新たなエネルギーを獲得するために、心拍と血圧を下げて、皮膚と胃腸への血液を増やし、瞳孔と細気管支を収縮させて、唾液腺分泌を刺激して、消化器官の蠕動を活発にする。全身のほとんどの器官は交感神経と副交感神経両方の支配を受け、二つの神経系がバランス良く働くことで適正に保たれているが、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると全身症状が現れる。
ストレス反応とは恒常性によって一定に保たれている生体の諸バランスが崩れた状態(ストレス状態)から回復する際に生じる反応である。ストレスがなければ本来的に有する適応性が失われ心身の機能を鈍らせ退化させるため、適度なストレスが必要である。しかし過剰なストレスによってバランスが失われてしまう場合があるため、前述のような様々な症状が生じる。
脳細胞では、ブドウ糖と酸素から大量のエネルギーをつくり、かつ全身における20〜30%ものエネルギーを消費していることや、前頭連合野が人間の複雑な感情面、論理性など高度な判断を司っていることは知られており、ストレスと脳血流の関係が検討されている。脳にストレス、不快、驚き、不安や緊張などの情報が発生すると交感神経が活動し、心身のバランス保持のために効果器が活発に反応する。そして、ストレスによる緊張や
不快感が高まった状態では交感神経が優位に働き、脳血流が増加、さらに脳内の酸素消費量が増加して脳細胞の働きが低下する。また、脳血流が増加すると脳温の上昇により脳の神経細胞に影響を及ぼすことにもなる。
脳機能を維持するためには、脳血流の調節機構が正常に保たれることが非常に大切である。脳血流増加は脳活動の増加を示しているため、脳血流の増加は脳の発達や健康維持に良いことであるが、ストレスが原因の興奮により脳血流の増加が続くと、酸素消費量の増加や脳温上昇により脳細胞の働きの低下の原因になる。また、うつ病、アルツハイマー病や疲労感の強い者では前頭葉の血流低下が報告されている。
そこで、従来から、ストレスが原因の種々トラブルに関し、茯苓のような菌類のエッセンスを含有する生体環境快適化組成物(特許文献1)、免疫が低下するようなアポトーシスに対して、桂枝茯苓丸他いくつかの漢方薬を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤(特許文献2)、冠元顆粒を有効成分として含有する老化抑制剤及び酸化ストレス抑制剤(特許文献3)が開示されているが、いずれもストレスが原因で生じた生体側の機能低下を改善するものであり、ストレスそのものを根本的に軽減したり、取り除くまでには至っていない。
また、ストレスを解消する方法として、運動、入浴や睡眠など以外に、アロマテラピーがある。アロマテラピーは、植物から抽出された精油を利用し、嗅覚を通して大脳辺緑系や脳幹に働きかけることで、ストレスを軽減したり、リラックスを図る方法である。例えば、ラベンダーやカモミールの香りには鎮静作用があり、ストレス解消に役立つといわれている。また好きな香りにも、リラックス効果があることが知られており、興奮作用があるといわれているジャスミンが好きな香りであれば、気持ちが落ち着くと考えられている。
香りは情動を統御する大脳辺縁系に直接働くことが機能解剖学的にも知られているが、香りの効能に関する実質的な研究は、伝承的あるいは経験的なものが多く、科学的な手法によるアプローチは近年になりようやく取り組み始められた状況である。それゆえに、近年さまざまな香気成分がストレスの解消に有効な精油或いは香気成分を特定して利用する技術が種々提案されている。
具体的には、従来からアロマテラピーで用いられてきたローズ油、ジャスミン油、パイン油、セーダウッド油、ナルシス油やクローブ油を分画して使用する方法(特許文献4〜9)、鎮静作用を示す精油(烏薬、独活、白朮)と覚醒興奮作用を有する精油(莪朮、ヒハツ)を組合せる方法(特許文献10)、ハーブ精油の軟膏剤(特許文献11)、16−アンドロステンステロイドと種々ハーブ精油の組合せ(特許文献12)などが提案されている。
また、従来からアロマテラピーに用いられてきた精油成分を経口摂取することにリラックス作用があることから、抗ストレス作用を示す飲食物や医薬品が提案されており、R型リナロール(特許文献13)や柑橘類の精油(特許文献14)などが挙げられる。
さらに、アロマテラピーで用いることにより、特定の機能を有するハーブ精油や揮発成分が提案されており、随伴性陰性変動(CNV)評価によりリラックス作用を示すものとして、1,3−ジメトキシ−5−メチルベンゼンを含有する香料組成物(特許文献15)やヘリクリサムストエカス植物抽出物から得られる精油(特許文献16)、脳波測定でα波を増加させるフローラルハーブ調やグリーンフローラル調の香料成分(特許文献17)、心電図波形測定でHF成分を上昇させる4−メトキシスチレン(特許成分18)が挙げられる。また、光トポグラフィ法による脳血流測定から、脳の処理機能を効率化させてス
トレスの影響を緩和させることを示唆したウィスキーやブランデーの香気組成物が提案されている(特許文献19)。
しかしながら、これらの精油は鎮静やリラックス効果において必ずしも満足できるものではなく、また現代人に対しては鎮静やストレス抑制作用だけでなく、心身のバランスを整えた上で、知的活動を円滑に行えるように誘導できることが期待される。特に、女性においては、月経周期的な心身不調、例えば、PMS、イライラ、眠気、憂うつ、頭痛、腰痛、吐き気、下痢、疲労感、便秘などを取り去ることが重要である。そして、知的活動を円滑に行うためには、精神作業において脳の活動効率を向上させることがひとつの達成手段である。即ち、精神作業時に、脳の負担を軽減して脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行うことが求められるのである。
特開2000−119126号公報 特開平9−30983号公報 特開2006−28155号公報 特開平5−202380号公報 特開平5−230495号公報 特開平5−255687号公報 特開平5−255688号公報 特開平6−25693号公報 特開平6−128586号公報 特開2004−284974号公報 特開2005−23044号公報 特開2008−156276号公報 特開2004−194590号公報 特開2006−241051号公報 特開平6−172781号公報 特開2008−101129号公報 特開2002−206097号公報 特開2004−131436号公報 特開2006−22036号公報
本発明は、「精神作業における脳の活動効率を向上させる作用」を有し、月経に伴うイライラ、眠気、憂うつ、頭痛、腰痛、吐き気、下痢、便秘、また胃痛、胸やけ、げっぷ、腹部違和感、吐き気、食欲不振といった胃腸症状などの心身不調を改善し、精神作業時に脳の負担を軽減して、脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行うことができる香気組成物を提供することにある。
従来、漢方処方で構成される生薬混合物から、熱水抽出分離にて抽出された蒸留液に、精神作業における脳の活動効率を向上させる作用があることは知られていなかった。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行ったところ、漢方でいうところの(1)理気薬または解表薬に該当する少なくとも1種の生薬、及び/または(2)清熱薬または活血薬に該当する少なくとも1種の生薬 を含む漢方処方で構成される生薬
混合物から、熱水抽出分離にて抽出された蒸留液に、心身不調を改善し、精神作業時に脳の負担を軽減させ、脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行わせることができ、脳の活動効率を向上させる作用があることを見出した。
この香気組成物の香りを形成する揮発性成分は、鼻孔から吸入することで嗅粘膜を介して大脳辺縁系に入る経路、及び肺から吸収されて血液中に入る経路により効果を発現する。また、経口摂取により消化管或いは口腔粘膜から吸収されて、血液中に入ることによっても同様な効果が期待できる。
即ち、本発明は、漢方でいうところの(1)理気薬または解表薬に該当する少なくとも1種の生薬、及び/または(2)清熱薬または活血薬に該当する少なくとも1種の生薬 を含む漢方処方で構成される生薬混合物から、熱水抽出分離にて抽出された蒸留液からなる心身不調を改善し、脳の活動効率を向上させる作用を有する香気組成物及びそれを含有する製剤である。
本発明の香気組成物及びそれを含有する製剤は、月経に伴うイライラ、眠気、憂うつ、頭痛、腰痛、吐き気、下痢、便秘、また胃痛、胸やけ、げっぷ、腹部違和感、吐き気、食欲不振といった胃腸症状などの心身不調を改善し、精神作業における脳の負担を軽減させ、脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行わせることができ、そして脳の活動効率を向上させることができる。
試験例1及び2のシーケンス 試験例1の脳血流(O2Hb)測定結果 試験例2の脳血流(O2Hb)測定結果 試験例2の脳血流(TOI)測定結果 試験例3及び4のシーケンス 試験例3の脳血流(O2Hb)測定結果 試験例4の脳血流(O2Hb)測定結果 試験例3におけるクレペリン作業量の変化 試験例6における慢性的症状の改善効果(塗布期間2週間の結果)n=19名 試験例6における発作的症状の改善(発作時の即時的効果:塗布期間2週間)n=19名
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明に用いられる理気薬とは、自律神経系に作用して失調、緊張を調整緩解する生薬で、枳実、枳殻、延胡索、木香、生姜、香附子、陳皮、蘇葉、桂皮、荊芥、川きゅう、茴香、厚朴、縮砂などが挙げられる。
本発明に用いられる解表薬とは、発汗をうまく調整することによって治癒に導く生薬で、辛夷、薄荷、防風、独活、金銀花、菊花、牛蒡子、葛根、連翹、かっ香、細辛、升麻などが挙げられる。
本発明に用いられる清熱薬とは、熱証を改善する生薬で、芍薬、牡丹皮、薄荷、連翹、茵陳嵩、淡竹葉、竹茹、知母、山梔子、ヨク苡仁などが挙げられる。
本発明に用いられる活血薬とは、主として循環改善に働く生薬で、当帰、川きゅう、桃仁、莪朮、紅花、益母草、延胡索などが挙げられる。
本発明に用いられる漢方薬とは、(1)理気薬または解表薬、及び(2)清熱薬または活血薬を含む漢方処方として、安中散、温経湯、温清飲、乙字湯、葛根湯、葛根湯加川きゅう辛夷、加味帰脾湯、加味温胆湯、加味逍遥散、きゅう帰調血飲、銀翹散、荊芥連翹湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、桂枝加苓朮附湯、桂枝茯苓丸、五積散、牛車腎気丸、血府逐お湯、杞菊地黄丸、柴胡桂枝湯、四物湯、十全大補湯、十味敗毒湯、小建中湯、小青竜湯、消風散、逍遥散、辛夷清肺湯、真武湯、清上防風湯、疎経活血湯、大柴胡湯、天王補心丸、桃核承気湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、人参養栄湯、八味地黄丸、防風通聖散、補中益気湯、ヨク苡仁湯、抑肝散加陳皮半夏などが挙げられる。また、(1)理気薬または解表薬、または(2)清熱薬または活血薬を含む漢方処方として、茵陳嵩湯、黄連解毒湯、かっ香正気散、桂枝人参湯、香蘇散、呉茱萸湯、五苓散、柴胡加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴朴湯、柴苓湯、七物降下湯、芍薬甘草湯、小柴胡湯、小半夏加茯苓湯、参蘇飲、神秘湯、参苓白朮散、知柏地黄丸、独活寄生丸、二陳湯、釣藤散、人参湯、麦味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、平胃散、防己黄耆湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、麻杏ヨク甘湯、六君子湯、苓桂朮甘湯、竜胆瀉肝湯、六味丸などが挙げられる。
精神作業における脳の活動効率を評価する方法として、光トポグラフィ法(NIRS)により精神作業時の脳酸素代謝と脳血液循環を測定することができる。このNIRSは頭蓋骨外から近赤外光を照射・受光し、無侵襲で局所脳血流動態を計測する方法で、例えば、赤外線酸素モニタ装置(浜松ホトニクス社製NIRO200)を用いることできる。この装置により、脳血流の指標として、酸素化ヘモグロビン濃度(O2Hb)、脱酸素化ヘモグロビン濃度(HHb)、ヘモグロビン酸素飽和度(TOI)、組織中総ヘモグロビン相対値(nTHI)の各測定値が得られる。
そして「酸素化ヘモグロビン濃度変化量(ΔO2Hb)」とは、酸素と結合したヘモグロビンの濃度の経時的変化量を示す数値で、通常μmoL/Lで表示される。
「脱酸素化ヘモグロビン濃度変化量(ΔHHb)」とは、酸素が外れたヘモグロビンの濃度の経時的変化量を示す数値で、通常μmoL/Lで表示される。
このΔO2HbとΔHHbの変化量により、精神作業による酸素供給量の変動を測ることができる。
「ヘモグロビン酸素飽和度(TOI)」とは、血液中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているかを示す数値で、酸素化ヘモグロビンと総ヘモグロビンの濃度比であり、通常%で表示される。
また、「組織中総ヘモグロビン相対値(nTHI)」とは、組織ヘモグロビン指標で、血流量を示す数値であり、a.u.(任意単位)で表される。
これら指標のうち「O2Hbの変化量」が「局所脳血流の変化」と最も高い相関を示していること(Hoshi,et.al., Journal of Applied Physilogy, 90, 1657, 2001)、 また、神経活動に必要な大量の酸素と栄養を運ぶ「局所脳血流の増加」は、その部位の神経活動の増加を反映したものであると報告されている(Jueptner M & Weller C. (Neuroimage, 2, 148(1995))。
そこで、本発明の香気組成物を吸入しながら、精神作業として語想起や計算の課題を実施しところ、作業量は低下していないにもかかわらず、酸素化ヘモグロビン(O2Hb)増加が抑えられていることが明らかになった。これは、本発明の香気組成物が、精神作業時に脳の負担を軽減し、脳酸素代謝と脳血液循環の調節を円滑に行い、脳の活動効率を向上させたものと推察される。すなわち、本発明の香気組成物が、脳での語想起や計算の課
題の情報処理を円滑に行なわせ、脳の負担を軽減させたことによるものと考えられる。
本来、過剰なストレスにより緊張や不快感が高まった状態が続くと、脳血流が増加した状態が続き、脳内の酸素消費が増加し、脳温の上昇により脳の神経細胞に影響を及ぼす結果、脳細胞の働きが低下することになる。
それが精神作業遂行時において、同等の作業量・作業品質を維持しつつ、かつ脳血流増加を抑制できたことは、脳が新たに多くの酸素を必要とすることなく、効率的に酸素を消費したことを示唆するものと考えられる。
(香気組成物の調製)
本発明の香気組成物は、例えば、漢方薬が桂枝茯苓丸の場合、桂皮2〜5重量部、茯苓2〜5重量部、牡丹皮2〜5重量部、桃仁2〜5重量部、芍薬2〜5重量部からなる生薬混合物、好ましくは桂皮4重量部、茯苓4重量部、牡丹皮4重量部、桃仁4重量部、芍薬4重量部からなる生薬混合物に、水を加えて熱水抽出分離により得られる。
これら5種類の生薬の合計重量に対して5〜25倍量、好ましくは8〜20倍量の水を加えて、通常80〜100℃で30分間〜2時間加熱してエキスを煎出する。その際に、水蒸気と共に精油成分が蒸留し、この蒸留液を集めることによって、本発明の香気組成物を得ることができる。また本発明における抽出方法は、水蒸気蒸留による抽出、冷浸による抽出、アルコールやヘキサンなど有機溶媒による抽出、圧搾法や超臨界二酸化炭素抽出等、各種の公知の方法を使用することができる。
(外用剤、化粧料の調製)
このようにして得られた香気組成物はそのままの状態、或いは香気組成物を濃縮して使用することもできるが、各種の溶媒や他の植物油や鉱物油で希釈したり、アロマテラピー用剤であるオイル状の香気組成物の構成成分として用いることもできる。また、クリーム、軟膏、ローション、コロン、石鹸や入浴剤等の外用剤や化粧料として用いることもできる。
本発明の香気組成物を外用剤や化粧料として用いる場合の配合量は、組成物の種類や用途により一律には規定できないが、精油成分の総量として0.001〜50%、好ましくは0.01〜5%である。
(内服剤の調製)
また、本発明の香気組成物を濃縮し、油脂類等と混合して、ソフトカプセルに充填して用いたり、通常使用し得る公知の賦形剤(例えば、結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、白糖等)を加え、例えば、乾式造粒法或は湿式造粒法により造粒して製造した造粒物や、それらをさらに打錠機を用いた圧縮成形物を内服用として用いることもできる。また、被覆剤で被覆したフィルムコート剤として用いることもできる。また、上記造粒物を粉末にし、賦形剤を加えてハードカプセルやソフトカプセルに充填し摂取してもよい。また、通常、液状の食品などに使用される甘味料、酸味料、乳化剤、フレーバー、分散助剤などの賦形剤を加えて溶解して液体や半固形状の形態のもの及び、水や湯などに溶解し液状にして用いることができる粉末状の形態などに加工することもできる。
本発明の香気組成物を内服用として用いる場合の配合量は、組成物の種類や用途により一律には規定できないが、精油成分の総量として0.001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
以下に試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(試験例1)語想起
健常成人8名に対し、図1に示したシーケンスに従い、ムエット(試香紙)を呈示した後、語想起遂行(例えば、都道府県の名前をできるだけ多く想起する)を実施するという作業を繰り返し施行し、精神作業による脳賦活時の脳血流変化を評価した。
ムエット(試香紙)による呈示は、実施例1の桂枝茯苓丸料蒸留液、比較として通常アロマテラピーで用いられている精油(ラベンダー及びローズ(小川香料社製))及び水を用いた。
脳血流の測定は、赤外線酸素モニタ装置(浜松ホトニクス社製NIRO200)を用い、2チャンネルのプローブを眉上前頭部左右にそれぞれ装着して、試験期間中の酸素化ヘモグロビン(O2Hb)、脱酸素化ヘモグロビン(HHb)、ヘモグロビンの酸素飽和度(TOI)、総ヘモグロビン濃度の相対比(nTHI)を連続的に測定した。
香りの呈示方法は、実施例1の香気組成物、ローズ、ラベンダー、水を試料として、ムエットに浸したものを、被験者より約3cmの距離で吸入させた。
評価方法は、ムエット呈示前の「前安静中」の左又は右チャンネルの信号の加算平均値を基準値とし、「ムエット呈示直後」と「語想起遂行中」の左又は右チャンネルの信号の加算平均値との差をそれぞれ求め、脳血流変化量(ΔO2Hb)とした。
図2に言語思考に関与する左脳における「ムエット呈示直後」と「語想起遂行中」の脳血流変化量(ΔO2Hb)を示した。
結果は、水及びアロマテラピーで用いられている精油では語想起遂行により、O2Hbが顕著に増加した。これは語想起遂行が、脳に負担をかけたため局所脳血流が増加したものと推察される。
一方、本発明の香気組成物は、語想起遂行中のO2Hbの増加が他の比較試料と比較し低かった。これは本発明の香気組成物では、脳内の情報処理が円滑に行われ、脳への負担が軽減されたため、語想起遂行中の血流量増加が抑制されたものと考えられる。
また、アロマテラピーで用いられるローズとラバンダーの精油は、ムエット呈示直後にΔO2Hbが明らかに低下しており、一定の鎮静効果が認められるが、語想起遂行中にはΔO2Hbが急激に上昇しており、本願発明の香気組成物のような脳への負担軽減効果は小さいといえる。
(試験例2)語想起
健常成人6名に対し、試験例1と同様の条件で図1に示したシーケンスに従い脳血流変化を評価した。
ムエット(試香紙)による呈示は、実施例1〜5の香気組成物、比較として水を用いた。
脳血流の測定は、試験例1と同様の条件で、O2Hb、HHb、TOI、nTHIを連続的に測定した。
香りの呈示方法は、実施例1〜5の香気組成物と水を試料として、ムエットに浸したものを、被験者より約3cmの距離で吸入させた。
評価方法は、試験例1と同様の条件で測定した。
図3に、左脳における「ムエット呈示直後」と「語想起遂行中」の脳血流変化量(ΔO2Hb)を示した。
水は語想起遂行によりO2Hbが顕著に増加したが、本発明の実施例1〜5の香気組成物では、水と比較しO2Hbの増加は小さかった。
また図4に左脳における「ムエット呈示直後」と語想起遂行後の「後安静中」のTOI平均値を示した。
水は後安静中にTOIが増加していた。これは語想起遂行により脳に負担がかかったため、脳血流の増加が後安静中にも持続したものと推察される。
一方、本発明の実施例1〜5の香気組成物は、後安静中のTOIは増加しておらず、語想起前のTOIと同等であった。これは、語想起遂行による脳の興奮が速やかに治まったことによるものと推察される。従って、本発明の香気組成物では、脳内の情報処理が円滑に行われ、脳への負担が軽減されたため、語想起遂行後に血流量が安静状態に回復されたものと考えられる。
(試験例3)クレペリン検査
健常成人4名に対し、図5に示したシーケンスに従い、ムエット(試香紙)を呈示した後、クレペリン検査(3分)を実施するという作業を繰り返し施行し、精神作業による脳賦活時の脳血流変化を評価した。
ムエット(試香紙)による呈示は、実施例1の桂枝茯苓丸料蒸留液、比較としてラベンダー精油及び水を用いた。
脳血流の測定は、試験例1と同様の条件で、O2Hb、HHb、TOI、nTHIを連続的に測定した。
香りの呈示方法は、実施例1の香気組成物、ラベンダー精油、水を試料として、ムエットに浸したものを、被験者より約3cmの距離で吸入させた。そして、作業の慣れによる影響度を考慮するため、3種類の試料の呈示順番を以下のように変えて、実験1〜3として実施した。

(検査1) (検査2) (検査3)
実験1 水 実施例1 水
実験2 水 水 水
実験3 水 ラベンダー 水

評価方法は、「検査1でのクレペリン検査中」の左右両チャンネルの信号の加算平均値を基準値とし、「検査2でのクレペリン検査中」と「検査3でのクレペリン検査中」の左右両チャンネルの信号の加算平均値との差をそれぞれ求め脳血流変化量(ΔO2Hb)とした。
図6に検査1〜3における実験1〜3のO2Hbの変化量を示した。
まず検査2における実験1〜3の結果を比較すると、各実験ともクレペリン作業量の低下はなく、また作業量にも大きな差はない(図8参照)。しかし、実験1の香気組成物は、実験2の水、実験3のラベンダー精油と比較し、O2Hbの増加が有意に抑制された(図6参照)。これは、本発明の香気組成物では、脳内の情報処理が円滑に行われ、脳への負担が軽減されたため、計算課題遂行時の血流量増加が抑制されているものと考えられる。即ち、精神作業時に、脳の負担を軽減して脳酸素代謝と脳血液循環の調節が円滑に行われた結果と考えられ、本発明の香気組成物が、精神作業における脳の活動効率を向上させる作用を有することが示唆された。
(試験例4)クレペリン検査
健常成人7名に対し、図5に示したシーケンスに従い、ムエット(試香紙)を呈示した
後、クレペリン検査(3分)を実施するという作業を繰り返し施行し、精神作業による脳賦活時の脳血流変化を評価した。
ムエット(試香紙)による呈示は、実施例1の桂枝茯苓丸料蒸留液、比較としてシンナムアルデヒド及び水を用いた。
脳血流の測定は、試験例1と同様の条件でO2Hb、HHb、TOI、nTHIを連続的に測定した。
香りの呈示方法は、実施例1の香気組成物、シンナムアルデヒド(Aldrich Chemical社製)、水を試料として、ムエットに浸したものを、被験者より約3cmの距離で吸入させた。そして、3種類の試料の呈示順番を以下のように変えて、実験4〜5として実施した。

(検査1) (検査2) (検査3)
実験4 水 実施例1 水
実験5 水 シンナムアルデヒド 水
評価方法は、「検査1でのクレペリン検査中」の左右両チャンネルの信号の加算平均値を基準値とし、「検査2でのクレペリン検査中」と「検査3でのクレペリン検査中」の左右両チャンネルの信号の加算平均値との差をそれぞれ求め脳血流変化量(ΔO2Hb)とした。
図7に検査1〜3における実験4〜5のO2Hbの変化量を示した。
検査2における実験4〜5の結果を比較すると、各実験ともクレペリン作業量の低下はなく、また作業量にも大きな差がない。しかし、実験4の香気組成物は、実験5のシンナムアルデヒドと比較し、O2Hbの増加が有意に抑制された。
以上のように、実施例1の香気組成物では、精神作業時における脳の活動効率を向上させる作用を有することが示唆された。しかし、実施例1の主成分で、香気組成物の77%を占めるシンナムアルデヒド単体ではその作用が認められず、種々の成分が含まれる漢方薬蒸留液からなる香気組成物が特に有益であることを示した。
(試験例5)
実施例6のローションを、月経に伴う諸症状を訴える17名の女性モニターを対象に、月経前或いは月経期に下肢のくるぶし付近に毎日2回、1g程度塗布し、諸症状の改善効果を調べた。17名中16名に有用性が確認され、効果が得られ項目の詳細を表に示した。
表1及び表2に示したとおり、月経前或いは月経時に生じる不快な諸症状に対して、塗布による香気療法により改善作用が確認された。
Figure 2011157344
Figure 2011157344
(試験例6)
実施例7のローションを、胃腸症状を訴える19名の女性モニターを対象に、下肢のくるぶし付近に毎日2回、1g程度塗布し、諸症状の改善効果を調べた。また胃腸症状が発作的に発症したときは、不調時に頓服で上腹部に1g程度塗布した。
2週間後に症状の聞き取り調査を行い、自覚症状の変化及び発作時の即時的効果を5段階(著明改善、改善、変化なし、悪化、著明悪化)でスコア化し、その割合を図9〜12に
示した。
図9〜10に示したとおり、胃腸症状に対して、塗布による香気療法により改善作用が確認された。
SHAPE \* MERGEFORMAT
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(桂枝茯苓丸料蒸留液)
桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁及び芍薬各300gを抽出釜に投入し、精製水を15L加えた。抽出釜に精油回収用の連結管を装着し、還流冷却器を付けて、加熱し、沸騰させた。連結管を通り、冷却器で冷却され回収された蒸留物を1.5L得た。この蒸留物をセパラフラスコに入れ、連結管を装着し、還流冷却器を付けて、マントルヒーターを用いて加熱し、沸騰させた。連結管を通り冷却器で冷却され回収した実施例1の蒸留液を100mL得た。
得られた蒸留液についてRtx−5カラム(レステック社製)を用いGCMS−QP2010(島津社製)を用いて分析を行い、トータルイオンクロマトグラムのピーク面積比から成分含量を算出した結果、シンナムアルデヒドが主成分で77%であった。
実施例2(加味逍遥散料蒸留液)
当帰・芍薬・白朮・茯苓・柴胡各15g、牡丹皮・山梔子各10g、甘草7.5g、薄荷5g、生姜2.5gをセパラフラスコに入れ、精製水を1.1L加えた。このセパラフラスコに精油回収用の連結管を装着し、還流冷却器を付けて、マントルヒーターを用いて加熱し、沸騰させた。連結管を通り冷却器で冷却され回収した実施例2の蒸留液を約55mL得た。
実施例3(釣藤散料蒸留液)
釣藤鈎・菊花・石膏・半夏・陳皮・茯苓・人参・麦門冬。防風各15g、生姜・甘草各5gをセパラフラスコに入れ、精製水を1.45L加えた。このセパラフラスコに精油回収用の連結管を装着し、還流冷却器を付けて、マントルヒーターを用いて加熱し、沸騰させた。連結管を通り冷却器で冷却され回収した実施例2の蒸留液を約73mL得た。
実施例4(六味丸料蒸留液)
地黄25g、山薬・山茱萸・沢瀉・牡丹皮・茯苓各15gをセパラフラスコに入れ、精製水を1L加えた。このセパラフラスコに精油回収用の連結管を装着し、還流冷却器を付けて、マントルヒーターを用いて加熱し、沸騰させた。連結管を通り冷却器で冷却され回収した実施例4の蒸留液を50mL得た。
実施例5(安中散料蒸留液)
桂皮40g、延胡索・牡蠣各30g、茴香15g、縮砂・甘草各10g、良姜5gをセパラフラスコに入れ、精製水を1.4L加えた。このセパラフラスコに精油回収用の連結管を装着し、還流冷却器を付けて、マントルヒーターを用いて加熱し、沸騰させた。連結管を通り冷却器で冷却され回収した実施例5の蒸留液を約70mL得た。
実施例6(ローション)
(1)実施例1の桂枝茯苓丸料蒸留液 5.0%
(2)スクワラン 5.0%
(2)パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
(3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 0.7%
(4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.4%
(5)メチルシクロポリシロキサン 3.0%
(6)メチルフェニルポリシロキサン 0.5%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.02%
(8)クエン酸 0.05%
(9)クエン酸ナトリウム 0.1%
(10)濃グリセリン 6.0%
(11)ジプロピレングリコール 1.0%
(12)ソルビット液 2.0%
(13)カルボキシビニルポリマー 0.6%
(14)キサンタンガム 0.1%
(15)グリチルリチン酸ジカリウム 1.0%
(16)水酸化カリウム 0.8%
(17)精製水 残 余
(製造方法)
(1)〜(15)と全量が100%となる精製水を混合した後、(16)を加えて中和し、ホモミキサーで均一に分散して実施例6のローションを得た。
実施例7(ローション)
(1)実施例5の安中散料蒸留液 5.0%
(2)スクワラン 5.0%
(2)パラオキシ安息香酸エステル 0.1%
(3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 0.7%
(4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.4%
(5)メチルシクロポリシロキサン 3.0%
(6)メチルフェニルポリシロキサン 0.5%
(7)エデト酸二ナトリウム 0.02%
(8)クエン酸 0.05%
(9)クエン酸ナトリウム 0.1%
(10)濃グリセリン 6.0%
(11)ジプロピレングリコール 1.0%
(12)ソルビット液 2.0%
(13)カルボキシビニルポリマー 0.6%
(14)キサンタンガム 0.1%
(15)グリチルリチン酸ジカリウム 1.0%
(16)水酸化カリウム 0.8%
(17)精製水 残 余
(製造方法)
(1)〜(15)と全量が100%となる精製水を混合した後、(16)を加えて中和し、ホモミキサーで均一に分散して実施例7のローションを得た。
実施例8(クリーム)
(1)実施例1の桂枝茯苓丸料蒸留液 5.0%
(2)ベヘニルアルコール 2.0%
(3)イソステアリン酸 1.0%
(4)流動パラフィン 4.0%
(5)ミリスチン酸イソセチル 2.0%
(6)パルミチン酸セチル 2.0%
(7)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0%
(8)コレステロール 0.4%
(9)水素添加大豆リン脂質 0.5%
(10)パラオキシ安息香酸エステル 0.2%
(11)キサンタンガム 0.1%
(12)濃グリセリン 3.0%
(13)1,3−ブチレングリコール 2.0%
(14)ソルビット液 5.0%
(15)ジプロピレングリコール 5.0%
(16)エデト酸二ナトリウム 0.1%
(17)カルボキシビニルポリマー 0.3%
(18)水酸化カリウム 0.6%
(19)精製水 残 余
(製造方法)
油相として(1)〜(10)、水相として(11)〜(17)と全量が100%となる精製水を、それぞれ80℃まで加熱した後、混合しホモミキサーをかけて乳化する。冷却後(18)を加えて中和し、さらに均一に分散して実施例8のクリームを得た。
実施例9(顆粒)
(1)実施例6の安中散料蒸留液粉末 400g
(2)乳糖 570g
(3)ヒドロキシプロピルセルロース 30g
合 計 1000g
(製造方法)
「日局」製剤総則、顆粒剤の項に準じて顆粒剤を製する。すなわち上表に記載の、安中散料蒸留液粉末からヒドロキシプロピルセルロースまでの成分をとり、実施例9の顆粒剤を得た。

Claims (7)

  1. 漢方でいうところの(1)理気薬または解表薬に該当する少なくとも1種の生薬、及び/または(2)清熱薬または活血薬に該当する少なくとも1種の生薬 を含む漢方処方で構成される生薬混合物から、熱水抽出分離にて抽出された蒸留液からなる、脳の活動効率を向上させる作用を有する香気組成物。
  2. 漢方でいうところの(1)理気薬または解表薬に該当する少なくとも1種の生薬、及び/または(2)清熱薬または活血薬に該当する少なくとも1種の生薬 を含む漢方処方で構成される生薬混合物から、熱水抽出分離にて抽出された蒸留液からなる、心身不調を改善する香気組成物。
  3. 請求項2記載の心身不調が、月経に伴うPMS、イライラ、眠気、憂うつ、頭痛、腰痛、吐き気、下痢、疲労感、便秘である請求項2記載の香気組成物。
  4. 請求項2記載の心身不調が、胃痛、胸やけ、げっぷ、腹部違和感、吐き気、食欲不振である請求項2記載の香気組成物。
  5. 請求項1記載の(1)理気薬または解表薬に該当する生薬が、枳実、枳殻、延胡索、木香、生姜、香附子、陳皮、蘇葉、桂皮、荊芥、川きゅう、茴香、厚朴、縮砂、辛夷、薄荷、防風、独活、金銀花、菊花、牛蒡子、葛根、連翹、かっ香、細辛、升麻である請求項1〜3記載の香気組成物。
  6. 請求項1記載の(2)清熱薬または活血薬に該当する生薬が、芍薬、牡丹皮、薄荷、連翹、茵陳嵩、淡竹葉、竹茹、知母、山梔子、ヨク苡仁、当帰、川きゅう、桃仁、莪朮、紅花、益母草、延胡索である請求項1〜4記載の香気組成物。
  7. 請求項1〜5に記載の香気組成物を含有する製剤。
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