JP2011154799A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応ガスの均一分配性や生成水の排水性が向上した燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池は、膜電極接合体と一対の多孔体流路層と金属板により形成された第1および第2のセパレータとを備える。セパレータは、膜電極接合体に対向する位置の外側に膜電極接合体の面方向に略垂直な反応ガス流路を構成する開口を有する。第1のセパレータは、開口が形成される位置の少なくとも一部の金属板が膜電極接合体側に折り返されて形成された折り返し部分を有する。折り返し部分は、折り返し部分と第1のセパレータとの間に形成され膜電極接合体の端面に連通する内部流路空間と、反応ガス流路と、を連通する連通孔を有する。第2のセパレータは、折り返し部分を有さない。多孔体流路層の開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に沿って開口の幅より長く連続する第1の溝型空間が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池に関するものである。
燃料電池は、一般に、電解質膜の一方の面にアノードが設けられ他方の面にカソードが設けられた構成の膜電極接合体を含む発電モジュールとセパレータとが交互に積層されたスタック構造の形態で利用される。燃料電池は、膜電極接合体に供給された反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)を利用して電気化学反応を引き起こすことにより、物質の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。
燃料電池に供給された反応ガスはマニホールドを介して膜電極接合体に導かれ、膜電極接合体において利用されなかった反応ガスはマニホールドへと排出される。反応ガスのマニホールドから膜電極接合体への導入部分や膜電極接合体からマニホールドへの導出部分(以下、まとめて「反応ガス導出入部」とも呼ぶ)は、ガス流路の確保とガスシール性の確保との両立が要求される。
金属製セパレータにおけるマニホールド用の開口が形成される部分を折り返し、折り返し部分にマニホールドと内部ガス流路空間とを連通する連通孔を設けることにより形成された反応ガス導出入部の構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−221905号公報
上記従来の技術では、アノード側セパレータおよびカソード側セパレータの両方に折り返し加工を施す必要があるため、加工工程が煩雑化すると共に、燃料電池の積層方向に沿った大きさが増大する傾向にある。また、上記従来の技術では、反応ガス導出入部が膜電極接合体の幅全体にわたって設けられているわけではないため、反応ガスの均一分配性や生成水の排水性の点で向上の余地があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成し、かつ、反応ガスの均一分配性や生成水の排水性が向上した燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]燃料電池であって、
電解質膜と前記電解質膜の両面に配置された電極層とを含む膜電極接合体と、
多孔体により形成され、前記膜電極接合体を挟むように配置された一対の多孔体流路層と、
金属板を加工することにより形成され、前記一対の多孔体流路層を挟むように配置された第1および第2のセパレータと、を備え、
前記第1および第2のセパレータは、前記膜電極接合体に対向する位置の外側の位置に、前記膜電極接合体の面方向に略垂直な反応ガス流路を構成する開口を有し、
前記第1のセパレータは、前記開口が形成される位置の少なくとも一部の前記金属板が前記開口の前記膜電極接合体側の辺を折り曲げ線として前記膜電極接合体側に折り返されて形成された折り返し部分を有し、
前記折り返し部分は、前記折り返し部分と前記第1のセパレータとの間に形成され前記膜電極接合体の端面に連通する内部流路空間と、前記反応ガス流路と、を連通する連通孔を有し、
前記第2のセパレータは、前記折り返し部分を有さず、
前記燃料電池における前記一対の多孔体流路層の少なくとも一方の前記開口に対向する側の端面近傍の位置に、前記開口と前記膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に沿って前記開口の幅より長く連続する第1の溝型空間が形成されている、燃料電池。
この燃料電池では、第1のセパレータに、金属板が膜電極接合体側に折り返されて形成された折り返し部分を有しており、折り返し部分は第1のセパレータとの間に膜電極接合体の端面に連通する内部流路空間を形成し、折り返し部分には反応ガス流路と内部流路空間とを連通する連通孔が形成されている。そのため、この燃料電池では、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第2のセパレータは折り返し部分を有さない。そのため、この燃料電池では、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制することができる。また、この燃料電池では、一対の多孔体流路層の少なくとも一方の開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に沿って開口の幅より長く連続する第1の溝型空間が形成されているため、第1の溝型空間内において反応ガスが開口と膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に流動することにより、反応ガスの均一分配性が向上する。また、第1の溝型空間内において生成水が開口と膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に流動することにより、生成水の排水性が向上する。
[適用例2]適用例1に記載の燃料電池であって、
前記第1の溝型空間は、前記多孔体流路層における断面が欠損してできた空間である、燃料電池。
この燃料電池では、多孔体流路層の断面を欠損させることにより燃料電池に第1の溝型空間を形成することができるため、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制しつつ、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
[適用例3]適用例2に記載の燃料電池であって、
前記第1の溝型空間は、前記第1の溝型空間が形成される前記多孔体流路層との間で反応ガスのやり取りを行う前記反応ガス流路を構成する前記開口と対向する位置においては、前記多孔体流路層の端面に達し、その他の位置においては、前記多孔体流路層の端面より内側に位置する、燃料電池。
この燃料電池では、第1の溝型空間が形成される多孔体流路層との間で反応ガスのやり取りを行う反応ガス流路を構成する開口と対向する位置においては、第1の溝型空間が多孔体流路層の端面に達するため、反応ガスおよび生成水の流通経路における流路抵抗を低減して反応ガスの均一分配性および生成水の排水性をより向上させることができる。また、その他の位置においては、第1の溝型空間が多孔体流路層の端面より内側に位置するため、シール材等の進入を抑制して第1の溝型空間を確保することができる。
[適用例4]適用例1に記載の燃料電池であって、
前記第1および第2のセパレータの少なくとも一方は、前記開口に対向する側の前記多孔体流路層端面近傍の位置に、前記面方向に略直交する方向に沿って外側に凸な形状の第1の凸部を有し、
前記第1の溝型空間は、前記多孔体流路層の表面と前記第1の凸部の表面との間に形成される空間である、燃料電池。
この燃料電池では、セパレータに第1の凸部を設けることにより燃料電池に第1の溝型空間を形成することができるため、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制しつつ、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。また、この燃料電池では、第1の溝型空間を形成することによる発電面積(電極利用率)の低下を抑制することができる。
[適用例5]適用例4に記載の燃料電池であって、
前記第1の凸部を有する前記セパレータは、前記面方向に略直交する方向に沿って外側に凸な形状の複数の第2の凸部であって、前記多孔体流路層の表面と前記第2の凸部の表面との間に形成される空間が前記第1の溝型空間から前記面方向の内側に向かって伸びる複数の第2の溝型空間を構成するように配置された第2の凸部を有する、燃料電池。
この燃料電池では、生成水が第2の溝型空間において毛細管現象により吸い上げられ、これにより、第2の溝型空間と連通した第1の溝型空間内への生成水の進入が促進されるため、生成水の排水性をさらに一層向上させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、燃料電池用セパレータ、燃料電池システム、これらの装置またはシステムの製造方法、等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例における燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。 燃料電池100の単セル140の平面構成を示す説明図である。 単セル140の平面構成をより詳細に示す説明図である。 単セル140の断面構成を示す説明図である。 単セル140の断面構成を示す説明図である。 カソード側セパレータ320の開口321付近の構成を示す斜視図である。 第1実施例における単セル140の製造工程を示すフローチャートである。 カソード側セパレータ320の成形工程を示すフローチャートである。 カソード側セパレータ320の成形工程における各段階でのカソード側セパレータ320の状態を示す説明図である。 多孔体流路層の加工方法の一例を示す説明図である。 第2実施例における燃料電池を構成する単セル140aの平面構成を示す説明図である。 第2実施例における単セル140aの断面構成を示す説明図である。 第2実施例における単セル140aの断面構成を示す説明図である。 第3実施例における燃料電池を構成する単セル140bの平面構成を示す説明図である。 第3実施例における単セル140bの断面構成を示す説明図である。 第3実施例における単セル140bの断面構成を示す説明図である。 第4実施例における燃料電池を構成する単セル140cの平面構成を示す説明図である。 第4実施例における単セル140cの断面構成を示す説明図である。 第4実施例における単セル140cの断面構成を示す説明図である。 第5実施例における燃料電池を構成する単セル140dの断面構成を示す説明図である。 第5実施例における燃料電池を構成する単セル140dの断面構成を示す説明図である。 第5実施例における単セルの熱圧着工程の様子を示す説明図である。 第6実施例における燃料電池を構成する単セル140eの断面構成を示す説明図である。 第6実施例における燃料電池を構成する単セル140eの断面構成を示す説明図である。 第6実施例における単セルの熱圧着工程の様子を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例における燃料電池システム10の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池100を備えている。燃料電池100は、エンドプレート110と、絶縁板120と、集電板130と、複数の単セル140と、集電板130と、絶縁板120と、エンドプレート110と、が、この順に積層されたスタック構造を有している。
燃料電池100には、高圧水素を貯蔵した水素タンク50から、シャットバルブ51、レギュレータ52、配管53を介して、燃料ガスとしての水素が供給される。燃料電池100において利用されなかった燃料ガス(アノードオフガス)は、排出配管63を介して燃料電池100の外部に排出される。なお、燃料電池システム10は、アノードオフガスを配管53側に再循環させる再循環機構を有するとしてもよい。燃料電池100には、また、エアポンプ60および配管61を介して、酸化剤ガスとしての空気が供給される。燃料電池100において利用されなかった酸化剤ガス(カソードオフガス)は、排出配管54を介して燃料電池100の外部に排出される。なお、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、反応ガスとも呼ばれる。
さらに、燃料電池100には、燃料電池100を冷却するため、ウォーターポンプ71および配管72を介して、ラジエータ70により冷却された冷却媒体が供給される。燃料電池100から排出された冷却媒体は、配管73を介してラジエータ70に循環する。冷却媒体としては、例えば水、エチレングリコール等の不凍水、空気などが用いられる。
図2は、燃料電池100の単セル140の平面構成を示す説明図である。単セル140は、後述するように、電解質膜の両面に、それぞれ、アノードおよびカソードが配置された膜電極接合体(MEAとも呼ばれる)を含む発電モジュールを、一対のセパレータによって挟持した構成となっている。
燃料電池100の内部には、図2に示すように、燃料電池100に供給された燃料ガスとしての水素を各単セル140に分配する燃料ガス供給マニホールド162と、燃料電池100に供給された酸化剤ガスとしての空気を各単セル140に分配する酸化剤ガス供給マニホールド152と、各単セル140において利用されなかった燃料ガスを集めて燃料電池100の外部に排出する燃料ガス排出マニホールド164と、各単セル140において利用されなかった酸化剤ガスを集めて燃料電池100の外部に排出する酸化剤ガス排出マニホールド154と、が形成されている。上記各マニホールドは、燃料電池100の積層方向(すなわち膜電極接合体の面方向に略垂直な方向)に伸びる形状の反応ガス流路である。燃料電池100の内部には、さらに、冷却媒体を単セル140に分配する冷却媒体供給マニホールド172と、各単セル140から排出される冷却媒体を集めて燃料電池100の外部に排出する冷却媒体排出マニホールド174と、が形成されている。
図3は、単セル140の平面構成をより詳細に示す説明図である。図3(a)には、単セル140における燃料ガス供給マニホールド162付近の部分(図2のX1部)の平面構成を拡大して示しており、図3(b)には、単セル140における酸化剤ガス供給マニホールド152付近の部分(図2のX2部)の平面構成を拡大して示している。また、図4および図5は、単セル140の断面構成を示す説明図である。図4(a)には図3(a)のA1−A1断面を示しており、図4(b)には図3(a)のB1−B1断面を示しており、図5(a)には図3(b)のC1−C1断面を示しており、図5(b)には図3(b)のD1−D1断面を示している。
図4および図5に示すように、単セル140は、発電モジュール200と、発電モジュール200を挟持する一対のセパレータ(カソード側セパレータ320およびアノード側セパレータ310)と、を有している。発電モジュール200は、カソード側多孔体流路層230と、カソード側拡散層217と、膜電極接合体210と、アノード側拡散層216と、アノード側多孔体流路層220と、が、この順に積層された構成を有している。膜電極接合体210は、電解質膜212と、電解質膜212の一方の側に配置(塗布)されたカソード215と、電解質膜212の他方の側に配置(塗布)されたアノード214と、から構成されている。図2には、単セル140の平面における発電モジュール200の位置をハッチングにより示している。
電解質膜212は、フッ素系樹脂材料あるいは炭化水素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン導電性を有する。カソード215およびアノード214は、例えば、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金を含んでいる。カソード側拡散層217およびアノード側拡散層216は、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、あるいはカーボンペーパまたはカーボンフェルトによって形成されている。カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220は、金属多孔体(例えばエキスパンドメタル)などのガス拡散性および導電性を有する多孔質の材料で形成されている。カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220は、カソード側拡散層217およびアノード側拡散層216より空孔率が高いため、内部におけるガスの流動抵抗が低く、反応ガスが流動する流路として機能する。
なお、以下の説明では、発電モジュール200の各層を積層する方向を単に「積層方向」と呼ぶものとし、膜電極接合体210の面方向(すなわち積層方向と略垂直な方向)を単に「面方向」と呼ぶものとする。また、面方向の内、燃料ガス供給マニホールド162や酸化剤ガス供給マニホールド152に最も近い発電モジュール200の各層の外周辺に平行な方向をY方向と呼び、Y方向に略垂直な面方向をX方向と呼ぶものとする(図3ないし図5参照)。
図4および図5に示すように、燃料ガス供給マニホールド162や酸化剤ガス供給マニホールド152に対向する位置において、電解質膜212のX方向に沿った長さは、発電モジュール200を構成する他の層(アノード214やカソード215)の長さより長い。すなわち、燃料電池100の積層方向から発電モジュール200を見ると、電解質膜212は他の層よりX方向に突出している。図3(a)および(b)には、単セル140の平面における電解質膜212と他の層(アノード214やカソード215)の位置をハッチングにより示している。電解質膜212の突出部分には、耐久性やハンドリング性の向上のために、PEN等による保護層が設けられているとしてもよい。
カソード側セパレータ320およびアノード側セパレータ310は、金属板を加工して形成される。カソード側セパレータ320には、図4(a)および図4(b)に示すように、燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口321が形成されていると共に、図5(a)および図5(b)に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口323が形成されている。
図6は、カソード側セパレータ320の開口321付近の構成を示す斜視図である。図4および図6に示すように、カソード側セパレータ320の燃料ガス供給マニホールド162を構成するための開口321に隣接した位置には、折り返し部分322が形成されている。折り返し部分322は、後に詳述するように、カソード側セパレータ320の材料としての金属板における開口321が形成される位置の部分の少なくとも一部が、開口321の膜電極接合体210側の辺を折り曲げ線として、単セル140の積層方向に沿った内側方向(アノード側セパレータ310に向かう方向)で、かつ、X方向に沿った内側方向(膜電極接合体210に向かう方向)に折り返されることにより、形成される。
図4(a)および図4(b)に示すように、折り返し部分322は、面方向に略垂直な(積層方向に略平行な)垂直部分と面方向に略平行な平行部分とにより構成されている。折り返し部分322の平行部分の積層方向に沿った位置は、電解質膜212の位置よりわずかにカソード側よりの位置である。折り返し部分322の平行部分と、積層方向に沿って折り返し部分322の平行部分に対向するカソード側セパレータ320の部分と、の間には、内部流路空間350が形成されている。また、折り返し部分322の垂直部分には、燃料ガス供給マニホールド162と内部流路空間350とを連通するための複数の連通孔326が形成されている。複数の連通孔326は、Y方向に沿って互いに所定の間隔を空けて並んで配置されている。
積層方向に沿って折り返し部分322の平行部分に対向するカソード側セパレータ320の位置には、カソード側セパレータ320からアノード側セパレータ310に向かう方向に凸な形状(すなわち内部流路空間350に突出する形状)の凸部324が複数形成されている。複数の凸部324は、Y方向に沿った位置が連通孔326と重ならないように、Y方向に沿って互いに所定間隔を空けて並んで配置されている。各凸部324は、X方向に伸びる略長方形形状の平面を有している。各凸部324の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、折り返し部分322の平行部分に隣接するような位置である。
同様に、図5(a)および図5(b)に示すように、カソード側セパレータ320における酸化剤ガス供給マニホールド152を構成するための開口323に隣接した位置には、折り返し部分325が形成されている。折り返し部分325は、カソード側セパレータ320の材料としての金属板における開口323が形成される位置の部分の少なくとも一部が、開口323の膜電極接合体210側の辺を折り曲げ線として、単セル140の積層方向に沿った内側方向で、かつ、X方向に沿った内側方向に折り返されることにより、形成される。折り返し部分325は、面方向に略垂直な垂直部分と面方向に略平行な平行部分とにより構成されている。折り返し部分325の平行部分の積層方向に沿った位置は、折り返し部分322と同様に、電解質膜212の位置よりわずかにカソード側よりの位置であり、電解質膜212との間にシールのためのわずかな空間が確保されるような位置である。折り返し部分325の平行部分と、積層方向に沿って折り返し部分325の平行部分に対向するカソード側セパレータ320の部分と、の間には、内部流路空間360が形成されている。折り返し部分325の垂直部分には、酸化剤ガス供給マニホールド152と内部流路空間360とを連通するための複数の連通孔326が形成されている。複数の連通孔326は、Y方向に沿って互いに所定の間隔を空けて並んで配置されている。
積層方向に沿って折り返し部分325の平行部分に対向するカソード側セパレータ320の位置には、カソード側セパレータ320からアノード側セパレータ310に向かう方向に凸な形状(すなわち内部流路空間360に突出する形状)の凸部324が複数形成されている。複数の凸部324は、Y方向に沿った位置が連通孔326と重ならないように、Y方向に沿って互いに所定間隔を空けて並んで配置されている。各凸部324は、X方向に伸びる略長方形形状の平面を有している。各凸部324の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、折り返し部分325の平行部分に隣接するような位置である。
なお、以下の説明では、カソード側セパレータ320における燃料ガス供給マニホールド162を構成するための開口321に隣接する折り返し部分322を、燃料ガス側折り返し部分322とも呼び、カソード側セパレータ320における酸化剤ガス供給マニホールド152を構成するための開口323に隣接する折り返し部分325を、酸化剤ガス側折り返し部分325とも呼ぶ。
図4(a)および図4(b)に示すように、燃料ガス側折り返し部分322の平行部分のX方向に沿った長さは、積層方向に沿って電解質膜212とは重ならないような長さとなっている。これに対して、図5(a)および図5(b)に示すように、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分のX方向に沿った長さは、積層方向に沿って電解質膜212と重なるような長さとなっている。すなわち、燃料ガス側折り返し部分322の平行部分のX方向に沿った長さは、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分のX方向に沿った長さより短い。図3(a)および(b)には、単セル140の平面における燃料ガス側折り返し部分322の平行部分および酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分の位置を、ハッチングにより示している。
カソード側セパレータ320には、その他に、電解質膜212の突出部分に対向する位置に、カソード側セパレータ320からアノード側セパレータ310に向かう方向に凸な凸部327が形成されている(図4(a)および(b)参照)。凸部327の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、燃料ガス側折り返し部分322の平行部分とほぼ同じ位置である。凸部327の積層方向に沿った外側には、充填材430が充填されている。なお、凸部327は、酸化剤ガス側折り返し部分325と対向する位置には形成されていない(図5(a)および(b)参照)。
また、カソード側セパレータ320には、開口321の燃料ガス側折り返し部分322が形成されている側以外の三方を囲む位置、および、開口323の酸化剤ガス側折り返し部分325が形成されている側以外の三方を囲む位置に、カソード側セパレータ320からアノード側セパレータ310に向かう方向に凸な凸部329が形成されている(図3ないし図5参照)。凸部329の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、折り返し部分322および325の平行部分とほぼ同じ位置である。
図4および図5に示すように、アノード側セパレータ310には、カソード側セパレータ320と同様に、燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口311が形成されていると共に、酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口313が形成されている。また、アノード側セパレータ310におけるカソード側セパレータ320の燃料ガス側折り返し部分322に対向する位置から面方向外側には、アノード側セパレータ310からカソード側セパレータ320に向かう方向に凸な形状の凸部312が形成されている。凸部312の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、燃料ガス側折り返し部分322および凸部329の面方向に略平行な部分との間にシールのためのわずかな空間が確保されるような位置である。また、アノード側セパレータ310におけるカソード側セパレータ320の酸化剤ガス側折り返し部分325に対向する位置から面方向外側には、アノード側セパレータ310からカソード側セパレータ320に向かう方向に凸な形状の凸部315が形成されている。凸部315の面方向に略平行な部分の積層方向に沿った位置は、酸化剤ガス側折り返し部分325および凸部329の面方向に略平行な部分との間にシールのためのわずかな空間が確保されるような位置である。
なお、アノード側セパレータ310には、カソード側セパレータ320のように、折り返し部分322および325は形成されていない。第1実施例におけるカソード側セパレータ320は、本発明における第1のセパレータに相当し、第1実施例におけるアノード側セパレータ310は、本発明における第2のセパレータに相当する。
図4(a)および(b)に示すように、カソード側セパレータ320の燃料ガス側折り返し部分322の平行部分とアノード側セパレータ310の凸部312との間(図中のR2部分)は、シール材420によりシールされている。また、カソード側セパレータ320の凸部327と電解質膜212との間(図中のR1部分)は、シール材410によりシールされている。また、図5(a)および(b)に示すように、カソード側セパレータ320の酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分とアノード側セパレータ310の凸部315との間、および、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分と電解質膜212との間(図中のR3部分)は、シール材440によりシールされている。さらに、カソード側セパレータ320の凸部329とアノード側セパレータ310の凸部312および315との間は、シール材450によりシールされている。各シール材は、シール箇所におけるシール機能と短絡防止機能とを発揮する。シール材としては、例えば、接着剤や熱可塑性樹脂が用いられる。図4に示すように、各シール材410,420,440,450の積層方向に沿った位置は、略同一となっている。
図3ないし図5には、単セル140における燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152付近の構成を示したが、燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154付近の構成も同様である。すなわち、単セル140における燃料ガス排出マニホールド164付近には、燃料ガス排出マニホールド164を構成する開口が形成されており、当該開口の隣には金属板の一部が膜電極接合体210の方向に折り返された折り返し部分322が形成されている。折り返し部分322には、折り返し部分322とカソード側セパレータ320との間に形成された内部流路空間と燃料ガス排出マニホールド164とを連通する連通孔が形成されている。また、単セル140における酸化剤ガス排出マニホールド154付近には、酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口が形成されており、当該開口の隣には金属板の一部が膜電極接合体210の方向に折り返された折り返し部分325が形成されている。折り返し部分325には、折り返し部分325とカソード側セパレータ320との間に形成された内部流路空間と酸化剤ガス排出マニホールド154とを連通する連通孔が形成されている。
図4および図5に示すように、単セル140には、複数の単セル140を積層した際に、図2および図3に示す発電モジュール200および各マニホールド用の開口を面方向に囲むシールラインSLを形成するために、ガスケット500が配置されている。ガスケット500は、射出成形により形成される。ガスケット500は、凸部502を有している。ある単セル140に配置されたガスケット500の凸部502は、複数の単セル140を積層した際に、隣接する他の単セル140のアノード側セパレータ310の凸部312および315の表面に密着してシールラインSLを形成する。単セル140の平面におけるガスケット500および凸部502の配置は、図2および図3に示すシールラインSLが形成されるような配置となっており、図4および図5に示す断面においては、凸部324および凸部329と重なる配置となっている。
アノード側セパレータ310における膜電極接合体210と対向する位置には、複数のディンプル319が形成されている。複数の単セル140を積層した際に、ディンプル319の積層方向最外側の表面は、積層方向に沿って隣接する他の単セル140のカソード側セパレータ320の表面に接触する。これにより、2つの単セル140間(すなわち、アノード側セパレータ310と当該アノード側セパレータ310に膜電極接合体210を挟まずに隣接するカソード側セパレータ320との間)には、面方向に沿って連続した空間が形成される。この空間は、図2に示した冷却媒体供給マニホールド172および冷却媒体排出マニホールド174に連通しており、冷却媒体の流路として利用される。
図4および図5に示すように、カソード側多孔体流路層230におけるマニホールド162および152を構成する開口321,311,323,313に対向する側の端面近傍の位置(端面から少し内側の位置)には、第1の溝型空間DSが形成されている。同様に、アノード側多孔体流路層220における開口321,311,323,313に対向する側の端面近傍の位置(端面から少し内側の位置)には、第1の溝型空間DSが形成されている。第1の溝型空間DSは、開口321,311,323,313と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する略矩形断面の空間である。なお、同様に、多孔体流路層230および220における燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口に対向する側の端面近傍の位置(端面から少し内側の位置)にも第1の溝型空間DSが形成されている。図2および図3には、単セル140の平面における第1の溝型空間DSの配置を破線で示している。図2に示すように、第1の溝型空間DSは、Y方向に沿って、発電モジュール200の幅とほぼ同じ長さに伸びる形状となっている。
図4(a)および(b)において矢印で示すように、燃料ガス供給マニホールド162に供給された燃料ガスとしての水素は、連通孔326を介して内部流路空間350に導かれる。内部流路空間350は、発電モジュール200のアノード側の端面(面方向に略垂直な面)に連通している。そのため、内部流路空間350に導かれた燃料ガスは、発電モジュール200のアノード側端面に達し、最も内部流路抵抗の小さいアノード側多孔体流路層220内に進入する。
上述したように、アノード側多孔体流路層220の端面から少し内側の位置には、内部流路抵抗のさらに小さい第1の溝型空間DSが形成されているため、燃料ガスは、図2に示すように、第1の溝型空間DS内に進入して第1の溝型空間DS内をマニホールド用開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って拡散する。その後、燃料ガスは、Y方向に沿って略均等に分配された状態でアノード側多孔体流路層220内を排出側に向かって流動しつつアノード側拡散層216およびアノード214に供給される。発電モジュール200において利用されなかった燃料ガスは、排出側に形成された第1の溝型空間DS内を燃料ガス排出マニホールド164に対向する位置に向かって流動し、燃料ガス排出マニホールド164側に形成された図示しない内部流路空間を介して燃料ガス排出マニホールド164に排出される。
また、図5(a)および(b)において矢印で示すように、酸化剤ガス供給マニホールド152に供給された酸化剤ガスとしての空気は、連通孔326を介して内部流路空間360に導かれる。内部流路空間360は、発電モジュール200のカソード側の端面に連通している。そのため、内部流路空間360に導かれた酸化剤ガスは、発電モジュール200のカソード側端面に達し、最も内部流路抵抗の小さいカソード側多孔体流路層230内に進入する。
上述したように、カソード側多孔体流路層230の端面から少し内側の位置には、内部流路抵抗のさらに小さい第1の溝型空間DSが形成されているため、酸化剤ガスは、第1の溝型空間DS内に進入して第1の溝型空間DS内をY方向に沿って拡散する。その後、酸化剤ガスは、Y方向に沿って略均等に分配された状態でカソード側多孔体流路層230内を排出側に向かって流動しつつカソード側拡散層217およびカソード215に供給される。発電モジュール200において利用されなかった酸化剤ガスは、排出側に形成された第1の溝型空間DS内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、酸化剤ガス排出マニホールド154側に形成された図示しない内部流路空間を介して酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
なお、発電モジュール200のカソード側では、膜電極接合体210における電気化学反応に伴い水が生成されるが、この生成水は、カソード側多孔体流路層230内を酸化剤ガスの流れに従い流動し、排出側に形成された第1の溝型空間DS内に進入して第1の溝型空間DS内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、その後、酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
図7は、第1実施例における単セル140の製造工程を示すフローチャートである。単セル140の製造工程のステップS110では、カソード側セパレータ320の成形が実行される。図8は、カソード側セパレータ320の成形工程を示すフローチャートである。また、図9は、カソード側セパレータ320の成形工程における各段階でのカソード側セパレータ320の状態を示す説明図である。図9には、カソード側セパレータ320の燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口321付近の部分の状態を示しているが、酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口323付近の部分の状態も同様である。
カソード側セパレータ320の成形工程のステップS210では、カソード側セパレータ320の材料としての金属板にプレス成形加工が施され、凸部324が形成される。図9(a)には、カソード側セパレータ320の材料としての金属板がプレス機Pでプレスされ、凸部324が形成された様子を示している。なお、金属板における凸部324が形成されない部分は、内部流路空間350(または内部流路空間360)となる。また、図9(b)には、金属板における開口321が形成される位置より面方向内側(膜電極接合体210側)の位置に、凸部324が形成された様子を示している。なお、このプレス成型加工では、凸部324の他に、凸部327や凸部329も形成される。
カソード側セパレータ320の成形工程のステップS220では、カソード側セパレータ320の材料としての金属板に孔空け加工が施され、連通孔326が形成される。図9(c)には、金属板に連通孔326が形成された様子を示している。連通孔326は、開口321(または開口323)の折り曲げ線付近にX方向に沿って並ぶように、かつ、Y方向に沿った位置が凸部324と重ならないように、形成される。
カソード側セパレータ320の成形工程のステップS230では、カソード側セパレータ320の材料としての金属板に折り曲げ加工が施され、燃料ガス側折り返し部分322および酸化剤ガス側折り返し部分325が形成される。図9(d)には、金属板に開口321が形成されると共に、開口321が形成される位置の部分の一部が折り曲げ加工される様子を示している。これにより、カソード側セパレータ320には、燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口321および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口323が形成されると共に、燃料ガス側折り返し部分322および酸化剤ガス側折り返し部分325が形成される。
単セル140の製造工程(図7)のステップS120では、アノード側セパレータ310の成形が実行される。アノード側セパレータ310の成形では、材料としての金属板にプレス成型加工が施され、開口311および313や、ディンプル319、凸部312および315が形成される。
ステップS130では、カソード側セパレータ320にシール材が配置される。シール材は、上述したシール材410、420、440、450の位置に配置される。
ステップS140では、カソード側セパレータ320に発電モジュール200を構成する各層が積層され、さらに、アノード側セパレータ310が積層される。ここで、発電モジュール200を構成する各層の内、カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220は、材料としての金属多孔体を加工することにより製造される。図10は、多孔体流路層の加工方法の一例を示す説明図である。図10(a)に示すように、材料としての金属多孔体EMを外形打ち抜き用の金型MuおよびMlを用いて切断加工することにより、図10(b)に示すアノード側多孔体流路層220(またはカソード側多孔体流路層230)が製造される。上側の金型Muの金属多孔体EMに対向する面の所定の2箇所に凸部が形成されているため、切断加工の際に金属多孔体EMが凸部によって押しつぶされ、金属多孔体EMの断面の一部が欠損する。この断面が欠損した部分がアノード側多孔体流路層220(カソード側多孔体流路層230)における第1の溝型空間DSとなる。
単セル140の製造工程(図7)のステップS160では、積層状態で熱圧着による接合が行われ、単セル140の製造が完了する。
以上説明したように、第1実施例の燃料電池100では、カソード側セパレータ320に、燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口321および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口323が形成されており、アノード側セパレータ310に、燃料ガス供給マニホールド162を構成する開口311および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口313が形成されている。カソード側セパレータ320には、カソード側セパレータ320の材料としての金属板における開口321が形成される位置の部分の少なくとも一部が開口321の膜電極接合体210側の辺を折り曲げ線として膜電極接合体210側に折り返されて形成された折り返し部分322を有する。また、カソード側セパレータ320は、金属板における開口323が形成される位置の部分の少なくとも一部が開口323の膜電極接合体210側の辺を折り曲げ線として膜電極接合体210側に折り返されて形成された折り返し部分325を有する。折り返し部分322および折り返し部分325の平行部分とカソード側セパレータ320との間には、膜電極接合体210の端面に連通する内部流路空間350および360が形成されている。また、折り返し部分322および折り返し部分325の垂直部分には、内部流路空間350および360と燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152とを連通する連通孔326が形成されている。また、カソード側セパレータ320の燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154付近にも、同様に、金属板の一部が折り返されることにより、折り返し部分が形成されている。そのため、第1実施例の燃料電池100では、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第1実施例の燃料電池100では、アノード側セパレータ310には折り返し部分は形成されていないため、カソード側セパレータ320およびアノード側セパレータ310の両側に折り返し部分を形成する場合と比較して、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制することができる。
さらに、第1実施例の単セル140では、カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220における各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置(端面から少し内側の位置)に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DSが形成されている。そのため、カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220の端面から内部に進入した反応ガスは、流入側に設けられた第1の溝型空間DS内をY方向に沿って拡散し、カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220内を面内に沿って均一に分配された状態で流動する。その後、反応ガスは、排出側に設けられた第1の溝型空間DSに一時的に溜まってから、各マニホールドへと排出される。従って、第1実施例の燃料電池100では、反応ガスの均一分配性を向上させることができる。また、排出側に設けられた第1の溝型空間DSが反応ガスのバッファとして機能するため、流入側に第1の溝型空間DSが設けられたことによる圧損の増大が抑制される。
なお、燃料電池において、単セル平面におけるマニホールド用開口の幅を大きくとることによっても反応ガスの均一分配性を向上させることはできるが、このような構成では単セル平面における発電領域の割合が低下してしまう。第1実施例の燃料電池100では、単セル平面における発電領域面積の割合の低下を抑制しつつ、反応ガスの均一分配性を向上させることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、特にカソード側において、生成水が、カソード側多孔体流路層230内を均一に分配された状態で流動する酸化剤ガスの流れにのって排出側へと移動し、排出側に形成された第1の溝型空間DS内に進入して第1の溝型空間DS内に一時的に溜まった後に酸化剤ガス排出マニホールド154に排出されるため、局所的な生成水の残存や出口付近での水詰まりの発生が抑制されて排水性が向上され、排水性悪化に伴う反応ガスの拡散性の低下や電極腐食の発生を抑制することができる。
また、第1実施例では、多孔体流路層の加工に使用される金型Muに凸部を形成することにより、金属多孔体の一部を押しつぶして断面を欠損させ、この断面が欠損した空間が第1の溝型空間DSとなるため、第1の溝型空間DSの形成にあたって新たな部品を追加したり加工手順を変更したりする必要がなく、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、ガス流路を施した樹脂フレームや樹脂フィルム等の別部品を用いて反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を実現する場合と比較して、部品点数の低減、加工工程の簡易化、コストの低減を図ることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、反応ガス導出入部において反応ガスが発電モジュール200の端面(面方向に略垂直な面)を介して導出入されるため、反応ガスを発電モジュール200の積層面(面方向に平行な面)を介して導出入させることによりガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を実現する場合と比較して、電極利用率を向上させることができると共に、ガス溜まりによる排水性能の低下を抑制することができる。さらに、第1実施例の燃料電池100では、ガスケット500のバックアップ機能を電極ではなく金属製のセパレータにもたせることができるため、ガスケット500のバックアップ機能を電極にもたせる場合と比較して、電極の耐久性を向上させることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、カソード側セパレータ320の燃料ガス側折り返し部分322の平行部分および酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分と、アノード側セパレータ310と、の間がシール材によりシールされているため、セパレータと膜電極接合体との間をシールする場合と比較して、反応ガス導出入部におけるガスシール性の確保を達成しつつ、膜電極接合体210の面積を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、カソード側セパレータ320側の電極(カソード)に酸化剤ガスを供給し、もしくは、カソードから酸化剤ガスを排出する内部流路空間360を形成する酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分の面方向に沿った長さが、反対側の電極(アノード)に燃料ガスを供給し、もしくは、アノードから燃料ガスを排出する内部流路空間350を形成する燃料ガス側折り返し部分322の平行部分の面方向に沿った長さより長い。そのため、第1実施例の燃料電池100では、特に、酸化剤ガス側のガス導出入部における反応ガスの流路抵抗を低減することができる。また、第1実施例の燃料電池100では、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分の長さが積層方向に沿って電解質膜212と重なるような長さとなっている一方、燃料ガス側折り返し部分322の平行部分の長さが積層方向に沿って電解質膜212と重ならないような長さとなっているため、燃料ガス用の内部流路空間350と発電モジュール200のアノード側端面との連通を確保しつつ、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分と電解質膜212との関係を良好なシールが形成できる関係とすることができ、クロスリークの発生を抑制することができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、カソード側セパレータ320の燃料ガス側折り返し部分322の平行部分とアノード側セパレータ310の凸部312との間と、カソード側セパレータ320の凸部327と電解質膜212との間と、カソード側セパレータ320の酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分とアノード側セパレータ310の凸部315との間と、酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分と電解質膜212との間とが、シール材によりシールされており、各シール材の積層方向に沿った位置は略同一となっているため、単純な形状のシール部品を用いることができ、あるいは、スクリーン印刷といった簡易な工法でシール材を塗工することができ、製造工程の簡易化およびコストの低減を図ることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、燃料ガス側折り返し部分322および酸化剤ガス側折り返し部分325の平行部分に対向するカソード側セパレータ320の位置に、内部流路空間350および360に突出する形状の凸部324が、折り曲げ線に略平行な方向に並んで複数形成されている。そのため、第1実施例の燃料電池100では、内部流路空間350および360に、折り曲げ線に略垂直な方向(マニホールドから膜電極接合体210に向かう方向)に伸びる複数の小流路空間が形成されるため、反応ガス導出入部におけるガス分配性を向上させることができる。
また、第1実施例の燃料電池100では、アノード側セパレータ310におけるガスケット500の受け面(凸部312および凸部315)の積層方向に沿った位置が面内で同一となっているため、ガスケット500の形状を簡易な形状とすることができ、成形金型のコスト低減を図ることができる。
B.第2実施例:
図11は、第2実施例における燃料電池を構成する単セル140aの平面構成を示す説明図である。また、図12および図13は、第2実施例における単セル140aの断面構成を示す説明図である。図12(a)には図3(a)のA1−A1の位置に相当する断面を示しており、図12(b)には図3(a)のB1−B1の位置に相当する断面を示しており、図13(a)には図3(b)のC1−C1の位置に相当する断面を示しており、図13(b)には図3(b)のD1−D1の位置に相当する断面を示している。
第2実施例における単セル140aの構成は、第1の溝型空間DSaの構成の点が、第1実施例における単セル140の構成と異なっており、その他の点では第1実施例における単セル140の構成と同じである。図12および図13に示すように、第2実施例の単セル140aにおいては、第1実施例と同様に、カソード側多孔体流路層230における燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口321,311,323,313に対向する側の端面近傍の位置に、第1の溝型空間DSaが形成されている。ただし、第2実施例では、第1の溝型空間DSaがカソード側多孔体流路層230内に形成されているのではない。第2実施例では、カソード側セパレータ320aにおけるカソード側多孔体流路層230の端面から少し内側に入った位置からマニホールド用開口にかけて、積層方向に沿って外側に凸な形状の凸部334が設けられている。そして、カソード側多孔体流路層230の表面と凸部334の表面との間の空間が第1の溝型空間DSaとして機能している。凸部334は、カソード側セパレータ320aを製造する際の金属板のプレス加工において形成される。凸部334は、本発明における第1の凸部に相当する。
なお、単セル140aにおける燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154付近における断面構成も、図12および図13に示す断面構成と同様である。すなわち、第2実施例の単セル140aにおいては、カソード側多孔体流路層230における燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口に対向する側の端面近傍の位置にも、第1の溝型空間DSaが形成されている。
第2実施例における第1の溝型空間DSaは、開口321,311,323,313と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する空間となっている。図11には、単セル140aの平面における第1の溝型空間DSaの配置を破線で示している。図11に示すように、第2実施例においても、第1の溝型空間DSaは、Y方向に沿って、発電モジュール200の幅とほぼ同じ長さに伸びる形状となっている。
なお、第2実施例の単セル140aでは、アノード側には第1の溝型空間DSaが設けられていない。しかし、アノード側にも、カソード側と同様に、アノード側セパレータ310に凸部334を設けることによって第1の溝型空間DSaが形成されているとしてもよい。
図13(a)および(b)において矢印で示すように、酸化剤ガス供給マニホールド152に供給された酸化剤ガスとしての空気は、連通孔326を介して内部流路空間360に導かれ、カソード側多孔体流路層230の端面近傍に達する。カソード側多孔体流路層230の端面近傍には、内部流路抵抗の小さい第1の溝型空間DSaが形成されているため、酸化剤ガスは、図11に示すように、第1の溝型空間DSa内に進入して第1の溝型空間DSa内をマニホールド用開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って拡散する。その後、酸化剤ガスは、発電モジュール200の各層の内で最も内部流路抵抗の小さいカソード側多孔体流路層230内に進入し、Y方向に沿って略均等に分配された状態で、カソード側多孔体流路層230内を排出側に向かって流動しつつカソード側拡散層217およびカソード215に供給される。発電モジュール200において利用されなかった酸化剤ガスは、排出側に形成された第1の溝型空間DSa内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、酸化剤ガス排出マニホールド154側に形成された図示しない内部流路空間を介して酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
また、膜電極接合体210における電気化学反応に伴い生成された生成水は、カソード側多孔体流路層230内を酸化剤ガスの流れに従い流動し、排出側に形成された第1の溝型空間DSa内に進入して第1の溝型空間DSa内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、その後、酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
第2実施例の燃料電池を構成する単セル140aでは、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ320aに折り返し部分322および325が形成されているため、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第2実施例の単セル140aでは、第1実施例と同様に、カソード側多孔体流路層230における各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DSaが形成されているため、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
また、第2実施例の単セル140aでは、カソード側セパレータ320aを製造するための金属板のプレス加工において凸部334を設けることにより第1の溝型空間DSaが形成されるため、第1の溝型空間DSaの形成にあたって新たな部品を追加したり加工手順を変更したりする必要がなく、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
また、第2実施例の単セル140aでは、第1の溝型空間DSaが、多孔体流路層230の断面を欠損させて形成されているのではなく、カソード側セパレータ320に凸部334を設けることにより形成されているため、第1の溝型空間DSaを形成することによる発電面積(電極利用率)の低下を抑制することができる。また、第2実施例の単セル140aでは、カソード側多孔体流路層230が押しつぶされて内部応力が蓄積されることがなく、カソード側多孔体流路層230における反りの発生が抑制されるため、カソード側多孔体流路層230の反りを矯正する工程を省略することができ、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
C.第3実施例:
図14は、第3実施例における燃料電池を構成する単セル140bの平面構成を示す説明図である。また、図15および図16は、第3実施例における単セル140bの断面構成を示す説明図である。図15には燃料ガス排出マニホールド164近傍の位置(図14のA2−A2の位置)の断面を示しており、図16には酸化剤ガス排出マニホールド154近傍の位置(図14のC2−C2の位置)の断面を示している。なお、図15(a)および図16(a)には、凸部324が形成された位置における断面を示しており、図15(b)および図16(b)には、凸部324が形成されていない位置における断面を示している。
第3実施例における単セル140bの構成は、第1の溝型空間DSの構成の点が、第1実施例における単セル140の構成と異なっており、その他の点では第1実施例における単セル140の構成と同じである。図15および図16に示すように、第3実施例の単セル140bにおいては、第1実施例と同様に、多孔体流路層230bおよび220bにおける燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口321,311,323,313に対向する側の端面近傍の位置に、第1の溝型空間DSbが形成されている。
なお、単セル140bにおける燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152付近における断面構成も、図15および図16に示す断面構成と同様である。すなわち、第3実施例の単セル140bにおいては、多孔体流路層230bおよび220bにおける燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口に対向する側の端面近傍の位置にも、第1の溝型空間DSbが形成されている。
第3実施例における第1の溝型空間DSbは、第1実施例と同様に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する空間となっており、Y方向に沿って、発電モジュール200の幅とほぼ同じ長さに伸びる形状となっている。第3実施例の第1の溝型空間DSbは、第1実施例と同様に、多孔体流路層230bおよび220bの製造の際に、金属多孔体を押しつぶして金属多孔体の断面の一部を欠損させることにより、形成される。
図15および図16に示すように、第3実施例における単セル140bでは、第1の溝型空間DSbの一部が、第1実施例のように多孔体流路層230bおよび220bの端面より内側に位置するのではなく、多孔体流路層230bおよび220bの端面に達するように形成されている。具体的には、第1の溝型空間DSbは、第1の溝型空間DSbが形成される多孔体流路層230bおよび220bとの間で反応ガスのやり取りを行うマニホールドを構成する開口と対向する位置においては、多孔体流路層230bおよび220bの端面に達するように形成され、その他の位置においては、多孔体流路層230bおよび220bの端面より内側に形成されている。
例えば、カソード側の第1の溝型空間DSbは、図16(a)および(b)に示すように、カソード側多孔体流路層230bとの間で反応ガスのやり取りを行う酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口323および313と対向する位置においては、多孔体流路層230bの端面に達するように形成されているが、その他の位置、例えば図15(a)および(b)に示すようなカソード側多孔体流路層230bとの間で反応ガスのやり取りを行うマニホールドではない燃料ガス排出マニホールド164を構成する開口321および311と対向する位置においては、多孔体流路層230bの端面より内側に形成されている。図14には、単セル140bにおけるカソード側の第1の溝型空間DSbの配置を破線で示している。
反対に、アノード側の第1の溝型空間DSbは、図15(a)および(b)に示すように、アノード側多孔体流路層220bとの間で反応ガスのやり取りを行う燃料ガス排出マニホールド164を構成する開口321および311と対向する位置においては、多孔体流路層220bの端面に達するように形成されているが、その他の位置、例えば図16(a)および(b)に示すようなアノード側多孔体流路層220bとの間で反応ガスのやり取りを行うマニホールドではない酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口323および313と対向する位置においては、多孔体流路層220bの端面より内側に形成されている。
図14に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド152に供給された酸化剤ガスとしての空気は、図示しない連通孔を介して内部流路空間に導かれ、カソード側多孔体流路層230bの端面近傍に達する。カソード側多孔体流路層230bの端面近傍には、内部流路抵抗の小さい第1の溝型空間DSbが形成されているため、酸化剤ガスは、第1の溝型空間DSb内に進入して第1の溝型空間DSb内をマニホールド用開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って拡散する。その後、酸化剤ガスは、発電モジュール200の各層の内で最も内部流路抵抗の小さいカソード側多孔体流路層230b内に進入し、Y方向に沿って略均等に分配された状態で、カソード側多孔体流路層230b内を排出側に向かって流動しつつカソード側拡散層217およびカソード215に供給される。発電モジュール200において利用されなかった酸化剤ガスは、図14および図16に示すように、排出側に形成された第1の溝型空間DSb内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、酸化剤ガス排出マニホールド154側に形成された内部流路空間360を介して酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
また、膜電極接合体210における電気化学反応に伴い生成された生成水は、カソード側多孔体流路層230b内を酸化剤ガスの流れに従い流動し、排出側に形成された第1の溝型空間DSb内に進入して第1の溝型空間DSb内を酸化剤ガス排出マニホールド154に対向する位置に向かって流動し、その後、酸化剤ガス排出マニホールド154に排出される。
また、アノード側でも同様に、燃料ガス供給マニホールド162に供給された燃料ガスとしての水素は、図示しない連通孔を介して内部流路空間に導かれ、アノード側多孔体流路層220bの端面近傍に達し、アノード側多孔体流路層220bの端面近傍に形成された内部流路抵抗の小さい第1の溝型空間DSb内に進入してY方向に沿って拡散する。その後、燃料ガスは、発電モジュール200の各層の内で最も内部流路抵抗の小さいアノード側多孔体流路層220b内に進入し、Y方向に沿って略均等に分配された状態でアノード側多孔体流路層220b内を排出側に向かって流動しつつアノード側拡散層216およびアノード214に供給される。発電モジュール200において利用されなかった燃料ガスは、図15に示すように、排出側に形成された第1の溝型空間DSb内を燃料ガス排出マニホールド164に対向する位置に向かって流動し、内部流路空間350を介して燃料ガス排出マニホールド164に排出される。
第3実施例の燃料電池を構成する単セル140bでは、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ320に折り返し部分322および325が形成されているため、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第3実施例の単セル140bでは、第1実施例と同様に、多孔体流路層230bおよび220bにおける各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DSbが形成されているため、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
特に、第3実施例の単セル140bでは、第1の溝型空間DSbが形成される多孔体流路層230bおよび220bとの間で反応ガスのやり取りを行うマニホールドを構成する開口と対向する位置において、第1の溝型空間DSbが、多孔体流路層230bおよび220bの端面に達するように形成されているため、反応ガスおよび生成水の流通経路における流路抵抗を低減して反応ガスの均一分配性および生成水の排水性をより向上させることができる。また、その他の位置においては、第1の溝型空間DSbが、多孔体流路層230bおよび220bの端面より内側に形成されているため、第1の溝型空間DSbへのシール材410の進入を抑制して第1の溝型空間DSbを確保することができる。
また、第3実施例では、多孔体流路層230bおよび220bの製造の際に金属多孔体を押しつぶして金属多孔体の断面の一部を欠損させることにより、第1の溝型空間DSbが形成されるため、第1の溝型空間DSの形成にあたって新たな部品を追加したり加工手順を変更したりする必要がなく、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
D.第4実施例:
図17は、第4実施例における燃料電池を構成する単セル140cの平面構成を示す説明図である。また、図18および図19は、第4実施例における単セル140cの断面構成を示す説明図である。図18(a)には燃料ガス排出マニホールド164近傍の位置(図17のA3−A3の位置)の断面を示しており、図18(b)には燃料ガス排出マニホールド164近傍の別の位置(図17のB3−B3の位置)の断面を示しており、図19(a)には酸化剤ガス排出マニホールド154近傍の位置(図17のC3−C3の位置)の断面を示しており、図19(b)には酸化剤ガス排出マニホールド154近傍の別の位置(図17のD3−D3の位置)の断面を示している。
第4実施例における単セル140cの構成は、第2の溝型空間CSが形成されている点が、第2実施例における単セル140a(図11ないし図13参照)の構成と異なっており、その他の点では第2実施例における単セル140aの構成と同じである。図17ないし図19に示すように、第4実施例の単セル140cにおいては、第2実施例と同様に、カソード側セパレータ320cにおけるカソード側多孔体流路層230の端面から少し内側に入った位置からマニホールド用開口にかけて、積層方向に沿って外側に凸な形状の凸部334が設けられており、カソード側多孔体流路層230の表面と凸部334の表面との間の空間が第1の溝型空間DScとして機能している。
また、第4実施例における単セル140cでは、図17に示すように、排出側の第1の溝型空間DScから面方向の内側に向かって伸びる複数の第2の溝型空間CSが形成されている。第2の溝型空間CSは、積層方向から見て櫛形状に形成されており、第1の溝型空間DScと連通している。図18および図19に示すように、カソード側セパレータ320cにおける凸部334の内側に隣接して、積層方向に沿って外側に凸な形状の凸部332が設けられており、カソード側多孔体流路層230の表面と凸部332の表面との間の空間が第2の溝型空間CSとして機能している。なお、複数の第2の溝型空間CSの個数やY方向に沿った位置は任意に設定可能である。凸部332は、本発明における第2の凸部に相当する。
単セル140cにおける燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152付近における断面構成は、第2の溝型空間CSが形成されていない点を除き、図18および図19に示す断面構成と同様である。すなわち、第4実施例の単セル140cにおいては、カソード側多孔体流路層230における燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152を構成する開口に対向する側の端面近傍の位置にも、第1の溝型空間DScが形成されている(図17参照)。
なお、第4実施例の単セル140cでは、アノード側には第1の溝型空間DScが設けられていないが、アノード側にも、カソード側と同様に、アノード側セパレータ310cに凸部334を設けることによって第1の溝型空間DScが形成されているとしてもよい。
第4実施例の燃料電池を構成する単セル140cでは、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ320cに折り返し部分322および325が形成されているため、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第4実施例の単セル140cでは、第2実施例と同様に、カソード側多孔体流路層230における各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DScが形成されているため、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
また、第4実施例の単セル140cでは、カソード側の排出側の第1の溝型空間DScから面方向の内側に向かって伸びる複数の第2の溝型空間CSが形成されているため、生成水が第2の溝型空間CSにおいて毛細管現象により吸い上げられ、これにより、第2の溝型空間CSと連通した排出側の第1の溝型空間DS内への生成水の進入が促進される。従って、第4実施例の単セル140cでは、燃料電池における生成水の排水性をさらに一層向上させることができる。
また、第4実施例の単セル140cでは、カソード側セパレータ320cを製造するための金属板のプレス加工において凸部334および凸部332を設けることにより第1の溝型空間DScおよび第2の溝型空間CSが形成されるため、第1の溝型空間DScおよび第2の溝型空間CSの形成にあたって新たな部品を追加したり加工手順を変更したりする必要がなく、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
また、第4実施例の単セル140cでは、第1の溝型空間DScおよび第2の溝型空間CSが、多孔体流路層230の断面を欠損させて形成されているのではなく、カソード側セパレータ320cに凸部334および凸部332を設けることにより形成されているため、第1の溝型空間DScおよび第2の溝型空間CSを形成することによる発電面積(電極利用率)の低下を抑制することができる。また、第4実施例の単セル140cでは、カソード側多孔体流路層230が押しつぶされて内部応力が蓄積されることがなく、カソード側多孔体流路層230における反りの発生が抑制されるため、カソード側多孔体流路層230の反りを矯正する工程を省略することができ、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を抑制することができる。
E.第5実施例:
図20および図21は、第5実施例における燃料電池を構成する単セル140dの断面構成を示す説明図である。図20(a)には図3(a)のA1−A1の位置に相当する断面を示しており、図20(b)には図3(a)のB1−B1の位置に相当する断面を示しており、図21(a)には図3(b)のC1−C1の位置に相当する断面を示しており、図21(b)には図3(b)のD1−D1の位置に相当する断面を示している。
第5実施例における単セル140dの構成は、カソード側セパレータ320dおよびアノード側セパレータ310dの構成の点が、第2実施例における単セル140a(図11ないし図13参照)の構成と異なっており、その他の点では第2実施例における単セル140aの構成と同じである。第5実施例における単セル140dでは、アノード側セパレータ310dの面方向に沿った端部に、カソード側セパレータ320dから離れる方向に折り曲げられた端部折り曲げ部分317が形成されている。ここで、アノード側セパレータ310dの面方向に沿った端部は、燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152に隣接する位置と、アノード側セパレータ310dの最外周部と、を意味している。端部折り曲げ部分317の面方向に平行な部分の積層方向に沿った位置は、ディンプル319の積層方向に沿った最外部の位置と一致している。また、第5実施例における単セル140dでは、カソード側セパレータ320dのガスケット500が形成されている位置の少し内側の位置に傾斜部342が形成されている。カソード側セパレータ320dの傾斜部342より外側部分の積層方向に沿った位置は、カソード側セパレータ320dの発電モジュール200に対向する部分(凸部334を除く)の積層方向に沿った位置と一致している。なお、単セル140dにおける燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154付近における断面構成は、図20および図21に示す断面構成と同様である。
第5実施例の燃料電池を構成する単セル140dでは、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ320dに折り返し部分322および325が形成されているため、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第5実施例の単セル140dでは、第2実施例と同様に、カソード側多孔体流路層230における各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DSが形成されているため、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
また、第5実施例の単セル140dでは、切断加工や孔空け加工に伴ってバリや反りが発生しやすいためにセパレータ間の短絡が発生しやすい金属製のアノード側セパレータ310dの端部に、カソード側セパレータ320dから離れる方向に折り曲げられた端部折り曲げ部分317が形成されているため、セパレータ間の距離を大きくしてセパレータ間の短絡の発生を効果的に抑制することができると共に端部の曲げ変形を抑制することができる。また、第5実施例の単セル140dでは、端部折り曲げ部分317の存在により両セパレータ間に余分なシール材のバッファ空間が確保されるため、セパレータ間に不足ない量のシール材を配置しても、はみ出したシール材を除去する作業が必要なくなるため、作業工程の煩雑化を抑制しつつセパレータ間の短絡の発生を効果的に抑制することができる。
また、第5実施例における単セル140dでは、熱圧着工程の精度を向上させることにより単セルの品質を向上させることができる。図22は、第5実施例における単セルの熱圧着工程の様子を示す説明図である。第5実施例における単セル140dでは、端部折り曲げ部分317の平行部分の積層方向に沿った位置がディンプル319の積層方向に沿った最外部の位置と一致しており、また、カソード側セパレータ320dの傾斜部342より外側部分の積層方向に沿った位置がカソード側セパレータ320dの発電モジュール200に対向する部分の位置と一致している。そのため、図22に示すように、熱圧着工程用の下側治具Glとして、ワーク側表面に凹凸加工を施す必要のない平坦形状の治具を使用することができると共に、上側治具Guとして、ガスケット500や凸部334との干渉を避けるための掘り込み部以外の部分ではワーク側表面に凹凸加工を施す必要のない平坦形状の治具を使用することができる。従って、第5実施例における単セル140dを製造するための熱圧着工程では、ワーク側表面の位置精度が良好であり内部歪みや反りの発生が抑制された治具を用いることができ、結果として、製造される単セル140dの精度を向上させることができる。特に、第5実施例における単セル140dを製造するための熱圧着工程では、ガスケット500の周辺部分の積層方向に沿った位置の精度を向上させることができるため、ガスケット500周辺部の位置の精度が低下してシール反力が低下しガスリークが発生することを抑制することができる。また、第5実施例における単セル140dを製造するための熱圧着工程では、下側治具Glとワークとの接着面積が大きくなるため、ワークに均一に荷重をかけることができ、製造される単セル140dの精度を向上させることができる。
F.第6実施例:
図23および図24は、第6実施例における燃料電池を構成する単セル140eの断面構成を示す説明図である。図23(a)には図3(a)のA1−A1の位置に相当する断面を示しており、図23(b)には図3(a)のB1−B1の位置に相当する断面を示しており、図23(a)には図3(b)のC1−C1の位置に相当する断面を示しており、図23(b)には図3(b)のD1−D1の位置に相当する断面を示している。
第6実施例における単セル140eの構成は、ディンプル319eの位置とアノード側セパレータ310eの構成の点が、第2実施例における単セル140a(図11ないし図13参照)の構成と異なっており、その他の点では第2実施例における単セル140aの構成と同じである。第6実施例における単セル140eでは、ディンプル319eが、アノード側セパレータ310eではなくカソード側セパレータ320eに形成されている。ディンプル319eの積層方向に沿った最外部の位置は、カソード側セパレータ320eの端部の積層方向に沿った位置(すなわち凸部334の積層方向に沿った最外部の位置)と同一となっている。また、第6実施例における単セル140eでは、第5実施例と同様に、アノード側セパレータ310eの面方向に沿った端部に、カソード側セパレータ320eから離れる方向に折り曲げられた端部折り曲げ部分317が形成されている。端部折り曲げ部分317の面方向に平行な部分の積層方向に沿った位置は、アノード側セパレータ310eの平坦部分(凸部315を除く部分)の積層方向に沿った位置と一致している。なお、単セル140eにおける燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154付近における断面構成は、図23および図24に示す断面構成と同様である。
第6実施例の燃料電池を構成する単セル140eでは、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ320eに折り返し部分322および325が形成されているため、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部におけるガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成することができる。また、第6実施例の単セル140eでは、第2実施例と同様に、カソード側多孔体流路層230における各マニホールドを構成する開口に対向する側の端面近傍の位置に、開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って連続する第1の溝型空間DSが形成されているため、反応ガスの均一分配性および生成水の排水性を向上させることができる。
また、第6実施例の単セル140eでは、第5実施例と同様に、セパレータ間の短絡が発生しやすい金属製のアノード側セパレータ310eの端部に端部折り曲げ部分317が形成されているため、セパレータ間の距離を大きくしてセパレータ間の短絡の発生を効果的に抑制することができると共に端部の曲げ変形を抑制することができる。また、第6実施例の単セル140eでは、端部折り曲げ部分317の存在により両セパレータ間に余分なシール材のバッファ空間が確保されるため、セパレータ間に不足ない量のシール材を配置しても、はみ出したシール材を除去する作業が必要なくなるため、作業工程の煩雑化を抑制しつつセパレータ間の短絡の発生を効果的に抑制することができる。
また、第6実施例における単セル140eでは、第5実施例と同様に、熱圧着工程の精度を向上させることにより単セルの品質を向上させることができる。図25は、第6実施例における単セルの熱圧着工程の様子を示す説明図である。第6実施例における単セル140eでは、端部折り曲げ部分317の平行部分の積層方向に沿った位置がアノード側セパレータ310eの平坦部分の位置と一致しており、また、カソード側セパレータ320eの凸部334における面方向に平行な部分の積層方向に沿った位置がディンプル319eの最外側部の位置と同じとなっているため、図25に示すように、熱圧着工程においてワーク側表面の位置精度が良好であり内部歪みや反りの発生が抑制された治具を用いることができ、結果として、製造される単セル140eの精度を向上させることができる。特に、第6実施例における単セル140eを製造するための熱圧着工程では、ガスケット500の周辺部分の積層方向に沿った位置の精度を向上させることができるため、ガスケット500周辺部の位置の精度が低下してシール反力が低下しガスリークが発生することを抑制することができる。また、第6実施例における単セル140eを製造するための熱圧着工程では、下側治具Glとワークとの接着面積が大きくなるため、ワークに均一に荷重をかけることができ、製造される単セル140eの精度を向上させることができる。
また、第6実施例における単セル140eでは、生成水の多いカソード側にディンプル319eが形成されているため、カソード側多孔体流路層230内の生成水がディンプル319eとカソード側多孔体流路層230との間の空間に吸い上げられて保持されることにより、生成水によるカソード側多孔体流路層230における燃料ガスの流通の阻害を抑制することができると共に、生成水の排出能力を向上させることができる。また、第6実施例における単セル140eでは、第5実施例(図20および図21)のようにカソード側セパレータ320に傾斜部342を設ける必要がないため、内部流路空間350および360における同一の流路断面を確保するために要する単セル140の長さを短くすることができる。
G.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
G1.変形例1:
上記各実施例における燃料電池システム10の構成はあくまで一例であり、燃料電池システム10の構成は種々変更可能である。例えば、上記各実施例では、流入側のマニホールド(燃料ガス供給マニホールド162および酸化剤ガス供給マニホールド152)を構成する開口に対向する側の多孔体流路層端面近傍と、排出側のマニホールド(燃料ガス排出マニホールド164および酸化剤ガス排出マニホールド154)を構成する開口に対向する側の多孔体流路層端面近傍とに、第1の溝型空間DSが形成されているとしているが、第1の溝型空間DSが、流入側と排出側とのどちらか一方のマニホールドを構成する開口に対向する側の多孔体流路層端面近傍のみに形成されているとしてもよい。また、第1の溝型空間DSは、必ずしもアノード側とカソード側との両方に形成されている必要はなく、アノード側とカソード側とのいずれか一方のみに形成されているとしてもよい。
また、上記各実施例では、第1の溝型空間DSは、マニホールドを構成する開口と膜電極接合体210とを結ぶ方向(X方向)に交差する方向(Y方向)に沿って、発電モジュール200の幅とほぼ同じ長さに伸びる形状であるとしているが、第1の溝型空間DSの長さは、少なくとも開口の多孔体流路層側の幅より長ければ、燃料電池における反応ガスの均一分配性や生成水の排水性を向上させることができる。また、上記各実施例では、第1の溝型空間DSは略矩形断面の連続空間であるとしているが、第1の溝型空間DSの断面は矩形以外の形状(例えば円形形状や多角形形状)であるとしてもよい。また、上記各実施例では、第1の溝型空間DSは、多孔体流路層の材料としての金属多孔体を押しつぶして金属多孔体の断面の一部を欠損させることにより形成されるとしているが、他の方法(例えば、断面の切り取り)によって金属多孔体の断面の一部を欠損させて第1の溝型空間DSが形成されるとしてもよい。
また、上記第2実施例では、カソード側セパレータ320aに、面方向に沿って多孔体流路層230の端面近傍からマニホールド用の開口近傍まで伸びる凸部334が形成されているが、凸部334は第1の溝型空間DSが形成されるように多孔体流路層230の端面近傍に設けられていればよく、カソード側セパレータ320aの多孔体流路層230の端面近傍以外の部分が平坦形状であるものとしてもよい。
また、上記各実施例では、折り返し部分322および325の垂直部分に複数の連通孔326が設けられているが、複数の連通孔326の代わりに連続したスリット状の開口が設けられているとしてもよい。また、上記各実施例では、燃料電池100を構成する各部の材料を特定しているが、これらの材料に限定されるものではなく、適正な種々の材料を用いることができる。例えば、カソード側多孔体流路層230およびアノード側多孔体流路層220は、金属多孔体を用いて形成されるとしているが、カーボン多孔体といった他の材料を用いて形成されるとしてもよい。
また、上記各実施例では、発電モジュール200がアノード側拡散層216およびカソード側拡散層217を含んでいるとしているが、発電モジュール200がアノード側拡散層216およびカソード側拡散層217の一方または両方を含まないものとしてもよい。
G2.変形例2:
上記各実施例の単セル140において、カソード側とアノード側とを逆にしてもよい。すなわち、上記各実施例の単セル140の構成では、カソード側セパレータ320に折り返し部分322および325が形成されており、アノード側セパレータ310には折り返し部分は形成されていないが、反対に、アノード側セパレータ310に折り返し部分が形成され、カソード側セパレータ320には折り返し部分は形成されていない構成を採用することも可能である。このような構成の場合には、折り返し部分の面方向に沿った長さは、上記各実施例とは逆に、燃料ガス供給マニホールド162および燃料ガス排出マニホールド164を構成する開口321および311に隣接した折り返し部分の方が、酸化剤ガス供給マニホールド152および酸化剤ガス排出マニホールド154を構成する開口323および313に隣接した折り返し部分より長いことが好ましい。すなわち、折り返し部分が形成されるセパレータ側の電極で利用される反応ガスを流動させるマニホールドを構成する開口に隣接する折り返し部分の長さの方が、反対側の電極で利用される反応ガスを流動させるマニホールドを構成する開口に隣接する折り返し部分の長さより長いことが好ましい。また、折り返し部分が形成されるセパレータ側の電極で利用される反応ガスを流動させるマニホールドを構成する開口に隣接する折り返し部分の長さは、積層方向(面方向に略垂直な方向)に沿って電解質膜212と重なるような長さであることが好ましく、反対側の電極で利用される反応ガスを流動させるマニホールドを構成する開口に隣接する折り返し部分の長さは、積層方向に沿って電解質膜212と重ならない長さであることが好ましい。
また、上記各実施例では、マニホールド(酸化剤ガス供給マニホールド152、燃料ガス供給マニホールド162、酸化剤ガス排出マニホールド154、燃料ガス排出マニホールド164)を構成する開口のすべてに隣接して折り返し部分が形成されているとしているが、一部の開口のみに隣接して折り返し部分が形成されているとしてもよい。
10…燃料電池システム
50…水素タンク
51…シャットバルブ
52…レギュレータ
53…配管
54…排出配管
60…エアポンプ
61…配管
63…排出配管
70…ラジエータ
71…ウォーターポンプ
72…配管
73…配管
100…燃料電池
110…エンドプレート
120…絶縁板
130…集電板
140…単セル
152…酸化剤ガス供給マニホールド
154…酸化剤ガス排出マニホールド
162…燃料ガス供給マニホールド
164…燃料ガス排出マニホールド
172…冷却媒体供給マニホールド
174…冷却媒体排出マニホールド
200…発電モジュール
210…膜電極接合体
212…電解質膜
214…アノード
215…カソード
216…アノード側拡散層
217…カソード側拡散層
220…アノード側多孔体流路層
230…カソード側多孔体流路層
310…アノード側セパレータ
311…開口
312…凸部
313…開口
315…凸部
317…端部折り曲げ部分
319…ディンプル
320…カソード側セパレータ
321…開口
322…燃料ガス側折り返し部分
323…開口
324…凸部
325…酸化剤ガス側折り返し部分
326…連通孔
327…凸部
329…凸部
332…凸部
334…凸部
342…傾斜部
350…内部流路空間
360…内部流路空間
410…シール材
420…シール材
430…充填材
440…シール材
450…シール材
500…ガスケット
502…凸部

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と前記電解質膜の両面に配置された電極層とを含む膜電極接合体と、
    多孔体により形成され、前記膜電極接合体を挟むように配置された一対の多孔体流路層と、
    金属板を加工することにより形成され、前記一対の多孔体流路層を挟むように配置された第1および第2のセパレータと、を備え、
    前記第1および第2のセパレータは、前記膜電極接合体に対向する位置の外側の位置に、前記膜電極接合体の面方向に略垂直な反応ガス流路を構成する開口を有し、
    前記第1のセパレータは、前記開口が形成される位置の少なくとも一部の前記金属板が前記開口の前記膜電極接合体側の辺を折り曲げ線として前記膜電極接合体側に折り返されて形成された折り返し部分を有し、
    前記折り返し部分は、前記折り返し部分と前記第1のセパレータとの間に形成され前記膜電極接合体の端面に連通する内部流路空間と、前記反応ガス流路と、を連通する連通孔を有し、
    前記第2のセパレータは、前記折り返し部分を有さず、
    前記燃料電池における前記一対の多孔体流路層の少なくとも一方の前記開口に対向する側の端面近傍の位置に、前記開口と前記膜電極接合体とを結ぶ方向に交差する方向に沿って前記開口の幅より長く連続する第1の溝型空間が形成されている、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記第1の溝型空間は、前記多孔体流路層における断面が欠損してできた空間である、燃料電池。
  3. 請求項2に記載の燃料電池であって、
    前記第1の溝型空間は、前記第1の溝型空間が形成される前記多孔体流路層との間で反応ガスのやり取りを行う前記反応ガス流路を構成する前記開口と対向する位置においては、前記多孔体流路層の端面に達し、その他の位置においては、前記多孔体流路層の端面より内側に位置する、燃料電池。
  4. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記第1および第2のセパレータの少なくとも一方は、前記開口に対向する側の前記多孔体流路層端面近傍の位置に、前記面方向に略直交する方向に沿って外側に凸な形状の第1の凸部を有し、
    前記第1の溝型空間は、前記多孔体流路層の表面と前記第1の凸部の表面との間に形成される空間である、燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池であって、
    前記第1の凸部を有する前記セパレータは、前記面方向に略直交する方向に沿って外側に凸な形状の複数の第2の凸部であって、前記多孔体流路層の表面と前記第2の凸部の表面との間に形成される空間が前記第1の溝型空間から前記面方向の内側に向かって伸びる複数の第2の溝型空間を構成するように配置された第2の凸部を有する、燃料電池。
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