JP2011154234A - 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア部の回転安定化を図る定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体に画像を定着する定着装置(14)であって、加熱部材(48)の外面に沿って配置され、加熱部材を誘導加熱する磁界を発生させるコイル(52)と、コイルを挟んで加熱部材の反対側に配置され、コイルの周囲にて磁路を形成し、且つ、記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転するコア部(58)とを具備し、コア部は、その回転軸線に交差する方向に分割して配置され、磁路を形成するべく磁性材料で構成された複数のコア本体(58a-58c)と、その外周面に複数のコア本体を配置させるシャフト(59)と、シャフトの周方向でみて略等間隔を存して3個配置されており、シャフトの外周面に対してコア本体の内周面を支持するバネ部材(90,90,90)とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、トナー画像を担持した記録媒体を、定着ローラ対や加熱ベルトとローラとのニップ間に通しながら、未定着トナーを加熱溶融させて用紙に定着させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置においては近年、定着装置でのウォームアップタイムの短縮や省エネルギー等の要望から、熱容量を少なく設定できるベルト方式が注目されている。また、近年、急速加熱や高効率加熱の可能性をもった電磁誘導加熱方式(IH)が注目されており、カラー画像を定着させる際の省エネルギー化の観点から、電磁誘導加熱をベルト方式と組み合わせたものが多数製品化されている。ベルト方式と電磁誘導加熱とを組み合わせる場合、コイルのレイアウト及び冷却の容易さ、さらにはベルトを直接加熱できるメリット等から、ベルトの外側に電磁誘導のための磁界を発生させる装置を配置する構成が多く採用されている(いわゆる外包IH)。
上記の電磁誘導加熱方式においては、定着装置に通紙される用紙サイズの幅(通紙幅)に合わせて非通紙域での過昇温を防止するために、各種の技術が開発されており、特に外包IHにおけるサイズ切り替えの技術が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。詳しくは、コイルの周囲にて磁路を形成するフェライト製のセンタコアを備えており、このセンタコアが回転することで、コイルで発生させた磁界によりヒートローラを誘導加熱するか磁界を遮断することで誘導加熱を抑制するかを選択でき、非通紙域と通紙域におけるヒートローラの発熱量に差を設けることができる。
このセンタコアは、最大用紙領域で磁路を形成するべく、その回転軸線に沿って細長い形状で構成されている。つまり、この細長い単体で構成させる場合には、センタコアを高精度で製造しなければ回転の振れが大きくなって、センタコアとヒートローラとの均一なギャップを得られず、ヒートローラの回転軸線方向で発熱ムラが生ずる。一方、センタコアを切削して製造すると製造コストの低廉化を図れず、型を用いた成型では寸法精度が出難い。また、コイルで発生した磁界内で磁気を遮蔽するにあたり、用紙サイズに応じた段付き形状の遮蔽部材をセンタコアの外周面に沿って設けるためにも、上記細長い単体の構成では設け難い。そのため、センタコアを複数のコア本体に分割してシャフトに配置することが考えられる(例えば、特許文献3参照)。
特許第4264086号公報 特開2009−37264号公報 特開2006−171273号公報
しかしながら、上記従来の技術では、センタコアの回転が不安定になるとの問題がある。
なぜならば、センタコアを複数のコア本体で構成する場合には、各コア本体の製造上の寸法バラツキ、具体的には、粉体を押し固めて焼成する際の収縮率(径方向及び軸線方向)がコア本体毎に異なるからである。
より詳しくは、この径方向の収縮率の違いから内外径の異なるコア本体が存在し、特に、内径の大きなコア本体はシャフトに対するガタが大きく、固定が困難であるばかりか、仮にコア本体の内径をシャフトの一点で接触して固定させた場合には、シャフトに対するコア本体の振れが大きくなってしまう。
しかも、これら内径の異なるコア本体をシャフトに単に並べると、この振れの大きさの他、振れの方向も定まらず、ヒートローラの均一な発熱を実現できない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、センタコアの回転の安定化を図る定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、加熱部材の外面に沿って配置され、この加熱部材を誘導加熱するための磁界を発生させるコイルと、このコイルを挟んで加熱部材の反対側に配置され、コイルの周囲にて磁路を形成し、且つ、搬送される記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転するコア部とを具備し、コア部は、その回転軸線に交差する方向に分割して配置され、磁路を形成するべく磁性材料で構成された複数のコア本体と、その外周面に軸線に沿って複数のコア本体を配置させるシャフトと、このシャフトの周方向でみて略等間隔を存して3個配置されており、シャフトの外周面に対してコア本体の内周面を支持するバネ部材とを備える。
本発明はシャフトの軸心と各コア本体の軸心とを一致させる点に着目したものである。
そして、第1の発明によれば、コイルで発生させた磁界により加熱部材を誘導加熱してトナー画像の加熱溶融を行う方式(外包IH)を採用する。回転するコア部を個々のコア本体に分割して構成すれば、各コア本体は加工精度や寸法精度を出し易い簡易な形状で済む。
また、当該発明によれば、3個のバネ部材がシャフトの周方向に略等間隔を存して配置されており、これらバネ部材がシャフトの径方向外側に向けてコア本体を付勢している。よって、分割された各コア本体の軸心をシャフトの軸心に一致可能になり、シャフトに対するコア本体の振れ精度が向上する。この結果、コア部の回転が安定してこの軸線方向の発熱ムラを防止でき、均一な発熱が実施可能になり、製造コストの低廉化の他、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
さらに、シャフトと各コア本体とを同心にして各コア本体の内径のバラツキを無くしても、各コア本体の外径のバラツキは存在する。しかし、コア部や遮蔽部材の各性能、並びにコア部の外側に位置する加熱部材などとの物理的な干渉については、この外径のバラツキのみを考慮して設計すれば済むため、各コア本体の内外径双方のバラツキを考慮して設計する場合に比して定着装置を容易に製造できる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、バネ部材は、押しバネであり、コア部は、シャフトの外周面及びコア本体の内周面に嵌合して配置され、押しバネを保持する孔が穿設された保持軸を備えることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、3個の押しバネがシャフトの周方向に等間隔を存して保持軸の孔にそれぞれ配置され、これら押しバネがシャフトの径方向外側に向けてコア本体を付勢している。これにより、各コア本体の軸心をシャフトの軸心に確実に一致できる。
第3の発明は、第2の発明の構成において、コア本体は、回転軸線方向でみた両端部分に凹部や凸部を有し、これらコア本体とコア本体とは凹凸の嵌め合わせによって連結されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、コア本体とコア本体とを凹凸の嵌め合わせによって連結すれば、これらコア本体同士を接着することなく、コア本体の回転方向の規制が可能になり、コア部の組立性向上に寄与する。
第4の発明は、第3の発明の構成において、コア部は、シャフトに係合するキャップを有し、このキャップは、対峙したコア本体に凹凸の嵌め合わせによって連結されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、シャフト及び対峙したコア本体に係合するキャップを有すれば、コア本体の脱落を防止できるし、また、これらコア本体とシャフトとを接着することなく、コア本体及びシャフトの回転方向の規制が可能になり、コア部の組立性が大幅に向上する。
第5の発明は、第1の発明の構成において、バネ部材は、板バネであり、コア部は、コア本体の内周面或いはシャフトの外周面の少なくともいずれか一方に、板バネを保持する溝を備えることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、3個の板バネがシャフトの周方向に等間隔を存して溝にそれぞれ配置され、これら板バネがシャフトの径方向外側に向けてコア本体を付勢しており、この場合にも各コア本体の軸心をシャフトの軸心に確実に一致できる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、溝は、回転軸線方向に沿って延び、コア本体の内周面にのみ形成されていることを特徴とする。
第6の発明によれば、第5の発明の作用に加えてさらに、溝をコア本体の内周面にのみ形成すれば、シャフト側にも溝を設ける場合に比して容易に各コア本体とシャフトとを同心にできる。
第7の発明は、第5の発明の構成において、溝は、回転軸線方向に沿って延びてコア本体の内周面に形成されており、このシャフトの外周面には、切削された平坦面が設けられていることを特徴とする。
第7の発明によれば、第5の発明の作用に加えてさらに、溝をコア本体の内周面に形成し、このシャフトの外周面に切削された平坦面を設ければ、これらコア本体とシャフトとを接着することなく、コア本体及びシャフトの回転方向の規制が可能になる。
第8の発明は、第1から第7の構成において、コア部の外周面に沿って設けられ、コイルで発生した磁界内で磁気を遮蔽可能な遮蔽部材を備えることを特徴とする。コア部と加熱部材との距離を大きくとれば磁気は遮蔽可能であるが、この遮蔽部材を備えればこの距離が不要なるため、装置の小型化を達成できる。
第9の発明は、第1から第8の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置であることを特徴とする。
第9の発明によれば、第1から第8の発明の作用に加えてさらに、加熱部材の発熱性能を確保して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置の信頼性が向上する。
本発明によれば、分割された各コア本体の軸心をシャフトの軸心に一致させるため、コア部の回転を安定させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
一実施形態の画像形成装置の構成を示した概略図である。 定着ユニットの構造例を示す縦断面図である。 センタコア周辺の構成を詳細に示す平面図である。 センタコアの平面図及び断面図である。 センタコアの回転に伴う動作例を示す図である。 センタコアの構造例を示す図である。 図6のVII−VII線からみた矢視断面図である。 分割したコア本体やキャップの説明図である。 センタコアの組立を説明する図である。 センタコアの他の構造例を示す図である。 センタコアのさらに他の構造例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、一実施形態の画像形成装置1の構成を示した概略図である。画像形成装置1は、例えば外部から入力された画像情報に基づいて記録媒体の一例としての用紙の表面にトナー画像を転写して印刷を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等としての形態をとることができる。また、以下の実施形態では、記録媒体は用紙に限らず、用紙以外の記録媒体(OHPシートなど)であっても実施可能である。
図1に示される画像形成装置1は、例えばタンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、内部で用紙にカラー画像を形成(プリント)する四角箱状の装置本体2を備え、この装置本体2の上面部には、カラー画像が印刷された用紙を排出するための排出トレイ3が設けられている。
装置本体2内において、その下部には、用紙を収納する給紙カセット5が配設されている。また、装置本体2内の中央部には、給紙カセット5に収容していない用紙を装置本体2へ供給するスタックトレイ6が配設されている。そして、装置本体2の上部には画像形成部7が設けられており、この画像形成部7は、画像形成装置1と接続されたPC等の上位装置から送信される文字や絵柄などの画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
図1でみて装置本体2の左部には、給紙カセット5から繰り出された用紙を後述の二次転写部23に搬送する第1の搬送路9が配設されており、装置本体2の右部から左部にかけては、スタックトレイ6から繰り出された用紙を二次転写部23に搬送する第2の搬送路10が配設されている。また、装置本体2内の左上部には、二次転写部23で画像が転写された用紙に対して定着処理を行う定着ユニット(定着装置)14と、定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する第3の搬送路11とが配設されている。
給紙カセット5は、装置本体2の外部(例えば図1の手前側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にする。この給紙カセット5は収納部16を備えており、この収納部16には、給紙方向のサイズが異なる少なくとも2種類の用紙を選択的に収納可能である。なお、収納部16に収納されている用紙は、給紙ローラ17及び捌きローラ対18により1枚ずつ第1の搬送路9側に繰り出される。
スタックトレイ6は、装置本体2の外面にて開閉可能であり、その手差し部19には用紙が1枚ずつ載置されるか、又は複数枚が積載される。なお、手差し部19に載置された用紙はピックアップローラ20及び捌きローラ対21により1枚ずつ第2の搬送路10側に繰り出される。
第1の搬送路9と第2の搬送路10とはレジストローラ対22の手前で合流しており、レジストローラ対22に到達した用紙はここで一旦待機し、スキュー調整とタイミング調整を行った後、二次転写部23に向けて送出される。
送出された用紙には、二次転写部23で中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が用紙に二次転写される。この後、定着ユニット14でトナー画像が定着された用紙は、必要に応じて第4の搬送路12で反転され、最初とは反対側の面にも二次転写部23でフルカラーのトナー画像が二次転写される。そして、反対面のトナー画像が定着ユニット14で定着された後、第3の搬送路11を通って排出ローラ対24により排出トレイ3に排出される。
画像形成部7は、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各トナー画像を形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える他、これら画像形成ユニット26〜29で形成した各色別のトナー画像を重畳して担持する中間転写部30を備えている。
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33と、帯電部33の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面上の特定位置にレーザビームを照射するレーザ走査ユニット34と、レーザ走査ユニット34からのレーザビーム照射位置の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35と、現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36とを備えている。
なお、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32は、図示しない駆動モータにより図中の反時計回り方向に回転する。また、各画像形成ユニット26〜29の現像部35には、各現像装置51にブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーを含む二成分現像剤がそれぞれ収納されている。
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された後ローラ38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された前ローラ39と、後ローラ38と前ローラ39とに跨って配設された中間転写ベルト40と、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32における現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側の位置に中間転写ベルト40を介して圧接可能に配設された4つの一次転写ローラ41とを備えている。
この中間転写部30では、各画像形成ユニット26〜29の一次転写ローラ41の位置で、中間転写ベルト40上に各色別のトナー画像がそれぞれ重ね合わせて転写されて、最後にはフルカラーのトナー画像となる。
第1の搬送路9や第2の搬送路10は、給紙カセット5やスタックトレイ6から繰り出されてきた用紙を二次転写部23側に搬送するものであり、装置本体2内で所定の位置に配設された複数の搬送ローラ対43と、二次転写部23の手前に配設され、画像形成部7における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対22とを備えている。
定着ユニット14は、画像形成部7でトナー画像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、未定着トナー画像を用紙に定着させる処理を行うものである。定着ユニット14は、例えば加圧ローラ44と定着ローラ45からなるローラ対を備え、このうち加圧ローラ44が例えば金属製の芯材と弾性体の表層(例えば、シリコンゴム)及び離型層(例えば、PFA)を有するものであり、定着ローラ45が金属製の芯材と弾性体の表層(例えば、シリコンスポンジ)を有するものである。また、定着ローラ45に隣接してヒートローラ(加熱部材)46が設けられており、この円筒形のヒートローラ46と定着ローラ45には加熱ベルト(加熱部材)48が掛け回されている。なお、定着ユニット14の詳細な構造についてはさらに後述する。
用紙の搬送方向でみて、定着ユニット14の上流側及び下流側にはそれぞれ搬送路47,47が設けられており、二次転写部23を通って搬送されてきた用紙は上流側の搬送路47を通じて加圧ローラ44と定着ローラ45との間のニップに導入される。そして、加圧ローラ44及び定着ローラ45間を通過した用紙は下流側の搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
第3の搬送路11は、定着ユニット14で定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する。このため第3の搬送路11には、適宜位置に搬送ローラ対49が配設されるとともに、その出口には上記の排出ローラ対24が配設されている。
〔定着ユニットの詳細〕
次に、本実施形態の画像形成装置1に適用された定着ユニット14の詳細について説明する。
図2は、定着ユニット14の構造例を示す縦断面図である。なお、図2では、画像形成装置1に実装した状態から向きを約90°反時計回りに転回させて示している。したがって、図1中でみて下方から上方への用紙搬送方向は、図2でみると右方から左方となる。なお、装置本体2がより大型(複合機等)である場合、図2に示される向きで実装されることもある。また、この他のレイアウトとして、図2に示される状態から左右いずれかに傾斜した姿勢で定着ユニット14が配置される場合もある。
本実施例の定着ユニット14は、上記のように加圧ローラ44、定着ローラ45、ヒートローラ46及び加熱ベルト48を備えている。加圧ローラ44は、例えば金属製(例えば、SUS)の芯金上に厚み2〜5mm程度のSiゴム層を形成し、さらにその表層に離型層(例えばFPA)を積層して直径50mm程度のローラとしている。定着ローラ45は、例えば金属製(例えば、SUS)の芯金上に厚み5〜10mm程度のシリコンゴムスポンジ層を積層して直径45mm程度のローラとしている。
また、ヒートローラ46は、芯金が例えば直径30mm程度、厚み0.2〜1.0mm程度の磁性金属(例えば、Fe)であり、その表面には離型層(例えば、PFA)が形成され、図示しない軸の回転駆動に伴って回転する。
さらに、加熱ベルト48は、その基材の厚みが例えば35μm(1μm=1×10−6m)の強磁性材料(例えばNi電鋳基材)であり、その表層に厚み200〜500μm程度の薄膜の弾性層(例えば、シリコンゴム)が形成され、その外面には離型層(例えば、PFA)が形成されており、その発熱温度を例えば150〜200℃の範囲に調整される。なお、加熱ベルト48に発熱機能を持たせない場合はPI等の樹脂ベルトであってもよい。
上記のように定着ローラ45が表層にシリコンスポンジの弾性層を有することから、加熱ベルト48と加圧ローラ44との間にはフラットニップが形成される。なお、加圧ローラ44の内側には、ハロゲンヒータ44aが設けられている。
この他に定着ユニット14は、ヒートローラ46及び加熱ベルト48の外側にIHコイルユニット50を備えている(図1には示されていない)。IHコイルユニット50は、誘導加熱コイル52をはじめ一対のアーチコア54、同じく一対のサイドコア56及びセンタコア(コア部)58から構成されている。
〔コイル〕
図2の例では、ヒートローラ46及び加熱ベルト48の円弧状の部分で誘導加熱を行うため、誘導加熱コイル(コイル)52は円弧状の外面に沿う仮想的な円弧面上に配置されている。実際には、ヒートローラ46及び加熱ベルト48の外側に、コイルボビン53が配置されており、このボビン53上に誘導加熱コイル52が巻線状に配置される構成である。コイルボビン53は、ヒートローラ46の外面に沿う半円筒形状に成形されている。なお、ボビン53の材質は、耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)であることが好ましく、また、コイル52のコイルボビン53への固定は、例えばシリコン系接着剤を用いて行う。
〔アーチコア、サイドコア〕
図2でみてセンタコア58はIHコイルユニット50の中央に位置し、その両側で対をなすように上記のアーチコア54及びサイドコア56が配置されている。このうち両側のアーチコア54は、互いに対称をなす断面アーチ形に成形されたフェライト製コアであり、それぞれ全長は誘導加熱コイル52が配置された領域よりも長い。また、両側のサイドコア56は、ブロック形状に成形されたフェライト製のコアである。両側のサイドコア56は各アーチコア54の一端(図2では下端)に連結して設けられており、これらサイドコア56は誘導加熱コイル52が配置された領域の外側を覆っている。
アーチコア54は、例えばヒートローラ46の長手方向に間隔をおいて複数箇所に配置されている(図3)。本実施形態では、アーチコア54の幅は10mm程度としている。また、アーチコア54の配置密度は、高ければ高いほど磁界の誘導性能がよいが、ある程度密度を減らしても性能の低下は少ないので、充分な性能を発揮できる範囲で高いコストパフォーマンスが得られるように配置密度を設定することが好ましい。また、軸方向の加熱ベルト48の温度分布を調整する場合、アーチコア54の配置密度を調整することで対応することが可能である。本実施形態では、例えばアーチコア54の配置密度を全体で1/2〜1/3程度とし、誘導加熱コイル52の長手方向の両端部での配置密度を中央付近よりも高めに設定することで、ヒートローラ46の長手方向の端部領域での温度低下の改善も行っている。
また、サイドコア56は、1つが30〜60mm程度の長さであり、複数のサイドコア56がヒートローラ46の長手方向に間隔をあけずに連続して配置されている。サイドコア56を配置する範囲の全長は誘導加熱コイル52が配置された領域の長さに対応している。このようにサイドコア56を連続的に複数配置することで、アーチコア54の配置による温度分布の振れ幅を均す効果がある。なお、各コア54,56の配置は、例えば誘導加熱コイル52の磁束密度(磁界強度)分布に合わせて決定されており、アーチコア54がある程度の間隔をおいて配置されている分、その抜けた箇所でサイドコア56が磁界の集束効果を補い、長手方向での磁束密度分布(温度分布)を均している。
アーチコア54及びサイドコア56の外側には、例えば図示しない樹脂製のコアホルダが設けられており、このコアホルダによりアーチコア54及びサイドコア56が支持される構造である。コアホルダの材質もまた、耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)であることが好ましい。
なお、図2の例では、ヒートローラ46の内側にサーミスタ及びサーモスタット62が設置されている。サーミスタ等62は、ヒートローラ46の特に誘導加熱による発熱量の大きい箇所の内側に配置されている。また、より実用的には、加熱ベルト48に対して非接触タイプのセンサをコイルユニット50の下方に配置して、このベルト48の外面温度を検出することもできる。
〔コア部〕
図2,3に示されたセンタコア58は、例えば断面円筒形状をなすフェライト製コアである(外径約18mm)。センタコア58は、その中央には軸方向に例えば非磁性金属(SUS等)や耐熱性樹脂(PPS、PET、LCP等)のシャフト59が挿通され、ヒートローラ46と略同様に、用紙の最大通紙幅13インチ(約340mm程度)に対応するだけの長さを有している。
〔遮蔽部材〕
また、センタコア58には、その外面に沿って遮蔽部材60が取り付けられている。遮蔽部材60は薄板状をなし、全体的に円弧状に湾曲して形成されている。なお、遮蔽部材60は例えば図示のようにセンタコア58の肉厚部分に埋め込んだ状態に設置されていてもよいし、センタコア58の外面に貼り付けた状態で設置されていていてもよい。遮蔽部材60のセンタコア58への貼り付けは、例えばシリコン系接着剤を用いて行うことができる。
なお、遮蔽部材60としては、非磁性かつ良導電部材が好ましく、例えば無酸素銅などが用いられる。遮蔽部材60はその面に垂直な磁界が貫通することによる誘導電流で逆磁界を発生させ、錯交磁束(垂直な貫通磁界)をキャンセルすることで誘導加熱コイル52からの磁界を遮蔽する。また、良導電性部材を用いることで誘導電流によるジュール発熱を抑制し、効率よく磁界を遮蔽することができる。導電性を向上するには、例えば(1)なるべく固有抵抗の小さい材料を選定すること、(2)部材の厚みを厚くすること、等の方法が有効である。具体的には、遮蔽部材60の板厚は0.5mm以上が好ましく、本実施形態では例えば1mmのものを用いている。
図2に示されるように、遮蔽部材60が加熱ベルト48の表面に近接する位置(遮蔽位置)にあると、誘導加熱コイル52の周囲で磁気抵抗が増大して磁界強度が低下する。一方、図2に示される状態からセンタコア58が180°回転(方向は特に限定しない)し、遮蔽部材60が加熱ベルト48から最も離隔した位置(退避位置)に移動すると、誘導加熱コイル52の周囲で磁気抵抗が低下し、センタコア58を中心として両側のアーチコア54及びサイドコア56を通じて磁路が形成され、加熱ベルト48やヒートローラ46に磁界が作用する。
〔センタコアの詳細〕
図3は、センタコア58の周辺の平面図である。センタコア58は、通紙方向(図3中の矢印方向)と直交する用紙の幅方向に延びており、その全長は最大通紙幅(例えばA3縦、A4横)よりも僅かに大きい。
IHコイルユニット50には例えばステッピングモータ66が装備されており、シャフト59はこのモータ66からの動力により回転する。このためシャフト59の一端部には従動ギヤ59aが取り付けられており、この従動ギヤ59aにステッピングモータ66の出力ギヤ66aが噛み合わされている。ステッピングモータ66を駆動すると、その動力によってシャフト59が回転し、センタコア58を長手方向の軸線回りに回転させることができる。
このとき、センタコア58の回転角度(基準位置からの回転変位量)を検出するため、シャフト59の一端部にインデックス72が設けられており、これにフォトインタラプタ74が組み合わされている。インデックス72の位置はセンタコア58の回転角度に関する基準位置に設定され、基準位置でフォトインタラプタ74にインデックス72が反応(例えば遮光)する。
センタコア58の回転角度は、例えばステッピングモータ66に印加する駆動パルス数によって制御することができ、ステッピングモータ66にはそのための図示しない制御部が付属する。この制御部は、例えば制御用ICと入出力ドライバ、半導体メモリ等によって構成することができる。
フォトインタラプタ74からの検出信号は入力ドライバを通じて制御用ICに入力され、これに基づいて制御用ICはセンタコア58の基準位置を検出することができる。一方、制御用ICには、図示しない画像形成制御部から現在の用紙サイズに関する情報が通知される。これを受けて制御用ICは、半導体メモリ(ROM)から用紙サイズに適した回転角度(基準位置を0度としたときの角度)の情報を読み出し、その目標とする回転角度に到達する分の駆動パルスを一定周期で出力する。駆動パルスは出力ドライバを通じてステッピングモータ66に印加され、これを受けてステッピングモータ66が作動する。なお、各種の用紙サイズに応じたセンタコア58の回転角度の調整についてはさらに後述する。
図3に示される例では、上記の遮蔽部材(図2の参照符号60)として3種類の第1遮蔽部材60a、第2遮蔽部材60b及び第3遮蔽部材60cがセンタコア58の軸方向(長手方向)に分割して配置されている。これら第1〜第3遮蔽部材60a,60b,60cは、それぞれセンタコア58の軸方向でみた配置と長さが異なるとともに、センタコア58の周方向でみた長さ(センタコア58を被覆する幅)も異なっている。以下、この点について説明する。なお、第1〜第3遮蔽部材60a,60b,60cは上記のように分割して設けるのではなく、一体として設けることも可能である。
図4は、センタコア58に対する第1〜第3遮蔽部材60a,60b,60cの軸方向の配置とそれぞれの長さ、及び周方向の幅を示す図である。
図4(A)に示されているように、3種類の遮蔽部材60a,60b,60cは、センタコア58の軸方向で用紙の幅方向中央に関して対称に設けられており、このうち第1遮蔽部材60aがセンタコア58の両端部に配置され、そこから中央に向かって順に第2遮蔽部材60b、第3遮蔽部材60cが並べられている。このとき、最も内側(中央寄り)に位置する第3遮蔽部材60cは、最小の用紙サイズに対応した通紙域W1の外側に設けられている。また、第2遮蔽部材60bは、中間の用紙サイズに対応した通紙域W2の外側に設けられており、そして、これより1サイズ大きい通紙域W3の外側に第1遮蔽部材60aが設けられている。このような配置であれば、例えば最大の用紙サイズを13インチ(340mm)として、これより小さい用紙サイズをA3(297mm)、A4縦(210mm)、A5縦(149mm)の3種類とし、合計4種類の用紙サイズに対応することができる。各遮蔽部材60a,60b,60cの軸方向の長さWP1,WP2,WP3は、それぞれ対応する用紙サイズに合わせて設定されている。
なお、本実施形態では、各遮蔽部材60a,60b,60cの境界位置は、実際には各通紙域W1,W2,W3に対して、10±5mm程度まで内側に食い込む(進入する)ように設定している。このように、各遮蔽部材60a,60b,60cを各通紙域W1,W2,W3に対して食い込み気味に設定するのは、通常、非通紙域の温度が通紙域内の温度よりは高めになるため、非通紙域からの伝熱も考慮すると、上記程度まで各遮蔽部材60a,60b,60cを各通紙域に食い込ませておくことにより、境界付近での温度分布のバランスをとりやすくすることができる。
〔遮蔽部材の周方向の幅〕
図4(B),(G):上記のように4種類の用紙サイズに対応する場合、第1遮蔽部材60aの周方向でみた幅は、センタコア58の中心角A1で240度に設定されている。
図4(C),(F):また第2遮蔽部材60bの周方向でみた幅は、中心角A2で160度に設定されている。
図4(D),(E):そして第3遮蔽部材60cの周方向でみた幅は、中心角A3で80度に設定されている。
図5は、センタコア58の回転に伴う動作例を示す図である。なお、図5では説明の都合上、ボビン53の図示を省略する。また、第1遮蔽部材60aを例に挙げているが、その他の第2及び第3遮蔽部材60b,60cについても同様である。
図5(A):センタコア58の回転に伴い、両端部の第1遮蔽部材60aを退避位置に切り替えた場合の動作例を示す。この場合、誘導加熱コイル52の発生させる磁界がサイドコア56、アーチコア54及びセンタコア58を通じて加熱ベルト48及びヒートローラ46を通過する。このとき強磁性体である加熱ベルト48及びヒートローラ46に渦電流が発生し、それぞれの材料の持つ固有抵抗によりジュール熱が発生してヒートローラ46や加熱ベルト48の加熱が行われる。
図5(B):第1遮蔽部材60aを遮蔽位置に切り替えた場合、センタコア58の両端部の位置(通紙域の外側)では磁気経路上に第1遮蔽部材60aが位置するため、そこで磁界の透過が部分的に抑制される。これにより、非通紙域では発熱量が抑えられ、加熱ベルト48やヒートローラ46の過昇温を防止することができる。
ここで、本実施例のセンタコア58は、搬送される用紙の幅方向、つまり、上述したセンタコア58の回転軸線に交差する方向に分割して構成されている。
詳しくは、センタコア58は、図6に示される如く例えば計12個のコア本体58a〜58cがシャフト59に配置され、センタコア58の幅方向中央に関してセンタコア58の軸方向で対称に設けられている。なお、この図6に示されたセンタコア58は上から順に、図5(B)のボビン53側から、アーチコア54側から、そして、シャフト59を挟んでボビン53の反対側からそれぞれみたものである。
より具体的には、シャフト59は、回転軸線方向に沿って延びた中実丸棒で形成されており(図9(I))、その回転軸線に沿って外周面にコア本体58a〜58cやキャップ84を配置させ、その両端がコイルボビン53に回転自在に支持される。
まず、コア本体58aは1本のシャフト59に計2個配置され、3種類のコア本体58a〜58cのうち最も軸線方向長さが小さく形成され、第2遮蔽部材60bと第3遮蔽部材60cとの境界位置よりも中央寄りに配置されている(図6,図8(A))。また、この図8(A)に示されるように、コア本体58aは、遮蔽部材60の設置範囲がセンタコア58の中心角で約80度に設定されるが、その軸線方向の両端部分には凹部82や凸部83が、コア58の周方向でみて90度ずつ分割して形成されており、隣り合うコア本体58b,58cに連結可能に構成されている。
次に、コア本体58bは1本のシャフト59に計4個配置され、上記コア本体58aよりも軸線方向長さが大きく形成されており、コア本体58aの位置よりも大きいサイズの用紙に対応した位置、つまり、第1遮蔽部材60aや第2遮蔽部材60bに対応してそれぞれ配置されている(図6,図8(B))。また、この図8(B)に示される如く、コア本体58bは、上記コア本体58aと同様に、遮蔽部材60の設置範囲がセンタコア58の中心角で約240度または160度に設定され、さらに、その軸線方向の両端部分には凹部82や凸部83が形成される。そして、隣り合うコア本体58b,58cやキャップ84に連結可能に構成される。
続いて、コア本体58cは1本のシャフト59に計6個配置される。また、上記コア本体58bと略同等の軸線方向長さで形成され、上述したコア本体58aの位置よりも小さいサイズの用紙に対応した位置にそれぞれ配置されている(図6,図8(C))。図8(C)に示されるように、コア本体58cは、遮蔽部材60の設置範囲がセンタコア58の中心角で約80度或いは0度に設定される。その軸線方向の両端部分にも、上記コア本体58a,58bと同様に凹部82や凸部83が形成されており、隣り合うコア本体58a,58cに連結可能に構成されている。
さらに、上記キャップ84は1本のシャフト59に計2個配置され、シャフト59の両端に設けられる(図6,図8(D))。また、この図8(D)に示される如く、キャップ84には、コア本体58bの凸部83に係合する凹部85や、図6や図9(I)に示されたシャフト59のDカット部80に係合する凹部86が形成されている。
そして、このキャップ84がシャフト59に固定されると、コア本体58b等のシャフト59からの脱落を防止できる。これにより、第1遮蔽部材60aを有したコア本体58bがシャフト59の軸線方向の両端側にそれぞれ配置され、そこから中央に向かって順に、第2遮蔽部材60bを有したコア本体58b、第3遮蔽部材60cを有したコア本体58a、第3遮蔽部材60cを有したコア本体58c、遮蔽部材60を有しないコア本体58cがそれぞれ配置される。
このように、計12個のコア本体58a〜58cがシャフト59に配置されてセンタコア58を構成しているが、本実施例では、これらコア本体58a〜58cとシャフト59との間には押しバネ(バネ部材)90が設けられている。
具体的には、図7は図6のVII−VII線からみた矢視断面図であり、コア本体58bを例に挙げると、シャフト59の外周面とコア本体58bの内周面との間には、吊る巻き状の押しバネ90がシャフト59の径方向に沿って延びて配置されている。押しバネ90の姿勢でみてコア本体58bの内周面側がシャフト59の外周面側に比して大径で構成される。
また、この図7に示される如く、押しバネ90は、シャフト59の周方向でみて中心角120度ずつの略等間隔で3個配置されている。
詳しくは、シャフト59とコア本体58bとの間には、これらシャフト59の外周面及びコア本体58bの内周面にそれぞれ嵌合するパイプ状の中間軸(保持軸)92が配置される(図9(II))。この中間軸92がその内外周面を貫通して穿設されたバネ受容孔(孔)93を有している。このバネ受容孔93には中間軸92の外周面側、すなわち、コア本体58bの内周面側に座ぐり部分が形成されており、押しバネ90の上記大径部分を保持する。
そして、バネ受容孔93は、このコア本体58bに対してはその軸方向両端側にそれぞれ配置されており、1個のコア本体58bの内周面をシャフト59に対して支持する押しバネ90は計6個用いられる。
なお、コア本体58bを例に挙げているが、コア本体58cについても同様である。つまり、1個のコア本体58cの軸方向両端側にも計6個の押しバネ90が用いられ、コア本体58cの内周面はシャフト59の外周面に対して支持される。一方、その軸線方向長さの小さなコア本体58aについては、1個のコア本体58aの軸方向中央部分にて計3個の押しバネ90が配置される。
本実施例によるセンタコア58の組立は、図9(II)の中間軸92の各バネ受容孔93に、押しバネ90をそれぞれ挿入する(図9(III))。このとき、押しバネ90の上記大径部分がバネ受容孔93の座ぐり部分に引っかかり、押しバネ90の上記大径部分とは反対側の小径部分はフリーな状態で中間軸92の内周面よりも内側に向けて突出する。
続いて、計12個のコア本体58a〜58cを中間軸92の外側に順次嵌合させ、凹部82と凸部83との嵌め合わせによって連結すると、センタコア58の各コア本体58a〜58cの内周面が押しバネ90の大径部分に接触する(図9(IV))。次いで、計2個のキャップ84を中間軸92の外側に嵌合させ、両端に位置するコア本体58bの凸部83やシャフト59のDカット部80とキャップ84の凹部85,86との嵌め合わせによって連結する。そして、遮蔽部材60をコア本体58a〜58cの外周に配置する。なお、まず、一端側のキャップ84を固定し、続いて、計12個のコア本体58a〜58cを連結してから反対側のキャップ84を固定しても良い。
その後、シャフト59を、コア本体58a〜58cを配置した中間軸92の内側に嵌合させると、このシャフト59の外周面が押しバネ90の上記小径部分に当接し、押しバネ90を中間軸92の外側に向けて押圧するため、各コア本体58a〜58cは円周上の3方向外側に向けてそれぞれ押し広げられる(図7、図9(V))。これにより、その径方向公差や軸方向公差が±0.2mm程度である焼結製品のコア本体58a〜58cの軸心とシャフト59の軸心とが速やかに一致する。
ところで、上述の中間軸92は省略可能である。
詳しくは、図10,11に示された例は、上記実施例と同様に、分割したセンタコア58は円周上の3方向外側に向けてシャフト59に対して支持されている。しかし、図10の実施例では、センタコア58の内周面にバネ受容溝(溝)96が形成されている。このバネ受容溝96はセンタコア58の回転軸線方向に沿って延び、シャフト59の外周面から離間する方向に向けて窪んでいる。
また、当該実施例では、上記押しバネではなく、波型状の板バネ(バネ部材)95が用いられており、分割したセンタコアのそれぞれをシャフト59に配置する毎に、若しくは、センタコア58の総てをシャフト59に配置した後に、板バネ95をバネ受容溝96とシャフト59の外周面との間に挿入する。これにより、分割したセンタコアが円周上の3方向外側に向けてそれぞれ押し広げられる。なお、この図10の例では上記キャップ84を用いてセンタコア58及びシャフト59の回転方向を規制している。
一方、図11の実施例では、センタコア58の内周面にセンタコア58の回転軸線方向に沿って延びるバネ受容溝(溝)96が形成されており、シャフト59の外周面にはフライス加工された平坦面98が設けられている。
そして、図10の例と同様に波型状の板バネ95を用い、分割したセンタコアのそれぞれをシャフト59に配置する毎に、若しくは、センタコア58の総てをシャフト59に配置した後に、板バネ95をバネ受容溝96と平坦面98との間に挿入する。これにより、板バネ95は、バネ受容溝96と平坦面98との平行を保持しつつ、分割したセンタコアを円周上の3方向外側に向けてそれぞれ押し広げる。
以上のように、各実施例によれば、コイル52で発生させた磁界により加熱ベルト48やヒートローラ46を誘導加熱してトナー画像の加熱溶融を行う方式(外包IH)を採用する。回転するセンタコア58を個々のコア本体58a〜58cに分割して構成すれば、各コア本体58a〜58cは加工精度や寸法精度を出し易い簡易な形状で済む。
また、3個の押しバネ90(若しくは3個の板バネ95)がシャフト59の周方向に略等間隔で配置されており、これら押しバネ90(若しくは板バネ95)がシャフト59の径方向外側に向けてコア本体58a〜58cを付勢している。よって、分割された各コア本体58a〜58cの軸心をシャフト59の軸心に一致可能になり、シャフト59に対するコア本体58a〜58cの振れ精度が向上する。この結果、センタコア58の回転が安定してこの軸線方向の加熱ベルト48やヒートローラ46の発熱ムラを防止でき、均一な発熱が実施可能になり、製造コストの低廉化の他、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
さらに、シャフト59と各コア本体58a〜58cとを同心にして各コア本体58a〜58cの内径のバラツキを無くしても、各コア本体58a〜58cの外径のバラツキは存在する。しかし、センタコア58や遮蔽部材60の各性能、並びにセンタコア58の外側に位置する加熱ベルト48などとの物理的な干渉については、この外径のバラツキのみを考慮して設計すれば済むため、各コア本体58a〜58cの内外径双方のバラツキを考慮して設計する場合に比して定着ユニット14を容易に製造できる。
さらにまた、図7,9に示されるように、3個の押しバネ90がシャフト59の周方向に略等間隔を存して中間軸92のバネ受容孔93にそれぞれ配置され、これら押しバネ90がシャフト59の径方向外側に向けてコア本体58a〜58cを付勢している。これにより、各コア本体58a〜58cの軸心をシャフト59の軸心に確実に一致できる。
また、図9に示される如く、コア本体58a〜58cを中間軸92の外側に嵌合させ、コア本体58a〜58cの内周面を押しバネ90を中間軸92の内側に向けて押圧させておき、次いで、シャフト59を中間軸92の内側に嵌合させ、シャフト59の外周面が押しバネ90を中間軸92の外側に向けて押圧させることから、コア本体58a〜58cは円周上の3方向外側に向けて押し広げられ、各コア本体58a〜58cの軸心とシャフト59の軸心とが速やかに一致する。
さらに、コア本体58a〜58cとコア本体58a〜58cとを凹凸の嵌め合わせによって連結すれば、これらコア本体58a〜58c同士を接着することなく、コア本体58a〜58cの回転方向の規制が可能になり、センタコア58の組立性向上に寄与する。
さらにまた、シャフト59のDカット部80及び対峙したコア本体58bに係合するキャップ84を有すれば、コア本体58a〜58cの脱落を防止できるし、また、これらコア本体58a〜58cとシャフト59とを接着することなく、コア本体58a〜58c及びシャフト59の回転方向の規制が可能になり、センタコア58の組立性が大幅に向上する。
また、図10,11に示されるように、3個の板バネ95がシャフト59の周方向に略等間隔を存してバネ受容溝96にそれぞれ配置され、これら板バネ95がシャフト59の径方向外側に向けてコア本体58a〜58cを付勢しており、この場合にも各コア本体58a〜58cの軸心をシャフト59の軸心に確実に一致できる。
さらに、図10の例によれば、バネ受容溝96をコア本体58a〜58cの内周面にのみ形成すれば、シャフト側にも溝を設ける場合に比して容易に各コア本体58a〜58cとシャフト59とを同心にできる。
さらにまた、図11の例によれば、バネ受容溝96をコア本体58a〜58cの内周面に形成し、このシャフト59の外周面にフライス加工された平坦面98を設けており、これらコア本体58a〜58cとシャフト59とを接着することなく、コア本体58a〜58c及びシャフト59の回転方向の規制が可能になる。
また、加熱ベルト48等の発熱性能を確保して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置の信頼性が向上する。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、本実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているものの、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、センタコアの回転安定化を達成できるとの効果を奏する。
1 プリンタ(画像形成装置)
7 画像形成部
14 定着ユニット(定着装置)
46 ヒートローラ(加熱部材)
48 加熱ベルト(加熱部材)
50 IHコイルユニット
52 誘導加熱コイル(コイル)
58 センタコア(コア部)
58a〜58c コア本体
59 シャフト
60 遮蔽部材
82 凹部
83 凸部
84 キャップ
85,86 凹部
90 押しバネ(バネ部材)
92 中間軸(保持軸)
93 バネ受容孔(孔)
95 板バネ(バネ部材)
96 バネ受容溝(溝)
98 平坦面

Claims (9)

  1. 記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、
    加熱部材の外面に沿って配置され、この加熱部材を誘導加熱するための磁界を発生させるコイルと、
    このコイルを挟んで前記加熱部材の反対側に配置され、前記コイルの周囲にて磁路を形成し、且つ、搬送される前記記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転するコア部とを具備し、
    前記コア部は、
    その回転軸線に交差する方向に分割して配置され、前記磁路を形成するべく磁性材料で構成された複数のコア本体と、
    その外周面に前記軸線に沿って前記複数のコア本体を配置させるシャフトと、
    このシャフトの周方向でみて略等間隔を存して3個配置されており、前記シャフトの外周面に対して前記コア本体の内周面を支持するバネ部材と
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置であって、
    前記バネ部材は、押しバネであり、
    前記コア部は、前記シャフトの外周面及び前記コア本体の内周面に嵌合して配置され、前記押しバネを保持する孔が穿設された保持軸を備えることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2に記載の定着装置であって、
    前記コア本体は、前記回転軸線方向でみた両端部分に凹部や凸部を有し、これらコア本体とコア本体とは凹凸の嵌め合わせによって連結されていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置であって、
    前記コア部は、前記シャフトに係合するキャップを有し、このキャップは、対峙したコア本体に凹凸の嵌め合わせによって連結されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1に記載の定着装置であって、
    前記バネ部材は、板バネであり、
    前記コア部は、前記コア本体の内周面或いは前記シャフトの外周面の少なくともいずれか一方に、前記板バネを保持する溝を備えることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置であって、
    前記溝は、前記回転軸線方向に沿って延び、前記コア本体の内周面にのみ形成されていることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項5に記載の定着装置であって、
    前記溝は、前記回転軸線方向に沿って延びて前記コア本体の内周面に形成されており、このシャフトの外周面には、切削された平坦面が設けられていることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置であって、
    前記コア部の外周面に沿って設けられ、前記コイルで発生した磁界内で磁気を遮蔽可能な遮蔽部材を備えることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成装置。
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