JP2011154085A - 開口絞装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回動中心穴及び開閉カム穴を有する一対の絞羽根、及びこの一対の絞羽根の開閉カム穴に共通に挿入される開閉ピンを偏芯位置に有する開閉軸を有し、該開閉軸の往復回動によって、回動中心穴を中心に一対の絞羽根を正逆に回動させて大小の開口を形成する開口絞装置において、特に小開口を高精度で実現することができる開口絞装置を得る。
【解決手段】一対の上記絞羽根の開閉カム穴に、上記開閉軸の往復回動によって一対の絞羽根を開閉させる開閉領域と、該絞羽根による開口を小開口とする小開口維持領域とを形成し、この一対の絞羽根の小開口維持領域は、該小開口維持領域内に開閉ピンが位置するとき、互いに重なるようにその形状が合致している開口絞装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えばズームレンズ鏡筒に搭載する開口絞装置に関する。
本出願人は、ズーム領域のワイド端近傍からテレ端に至る領域においては開口を大開口とし、ワイド端近傍においては開口を小開口とすることで、撮像に関与しない有害光線の入射を制限する開口絞装置を搭載したズームレンズ鏡筒を開発している。この開口絞装置は、基本的には、一対の絞羽根によって大開口と小開口を形成するもので、開口形成部を有する一対の絞羽根には、回動中心穴と開閉カム穴が形成されており、両者の開閉カム穴に挿通した単一の開閉ピンの移動により、一対の絞羽根による開口が大小に変化する。
特開2006-39400号公報
この開口絞装置は、小開口の精度を高くすることが求められている。しかし、プレス成形される絞羽根は、その回転中心穴とカム穴の位置と形状に誤差が避けられず、開閉ピンの位置誤差あるいは組立誤差と相俟って、小開口形成時に絞羽根に負荷が係り、最悪の場合には、破損するおそれがあった。あるいは逆に、回動中心穴を中心とする遊び回動が生じ、正確な小開口を形成することが困難になることがあった。
本発明は、開口絞装置についての以上の問題意識に基づき、特に小開口を高精度で実現することができる開口絞装置を得ることを目的とする。
本発明は、回動中心穴及び開閉カム穴を有する一対の絞羽根、及びこの一対の絞羽根の開閉カム穴に共通に挿入される開閉ピンを偏芯位置に有する開閉軸を有し、該開閉軸の往復回動によって、回動中心穴を中心に一対の絞羽根を正逆に回動させて大小の開口を形成する開口絞装置において、一対の上記絞羽根の開閉カム穴は、上記開閉軸の往復回動によって一対の絞羽根を開閉させる開閉領域と、該絞羽根による開口を小開口とする小開口維持領域とを有しており、この一対の絞羽根の小開口維持領域は、該小開口維持領域内に開閉ピンが位置するとき、互いに重なるようにその形状が合致していることを特徴としている。
本発明の一態様では、一対の上記絞羽根は、大開口形成方向に回動付勢されている。そして、一対の上記絞羽根が小開口を形成する際の一対の絞羽根の停止位置を機械的に定める一対のストッパがさらに備えられ、この一対のストッパと開閉ピン及び該ストッパに当接する絞羽根の係止部と開閉カム穴の小開口維持領域は、絞羽根の係止部がストッパに当接するとき、開閉ピンが小開口維持領域のカム穴のストッパ側の面に当接して、絞羽根に圧縮力を与える位置に形成されている。
一対の上記絞羽根の開閉カム穴の小開口維持領域のカム軌跡は、開閉軸の回転中心を中心とする円弧の一部から構成するのが好ましい。
本発明の開口絞装置は、回動中心穴を中心に回動する一対の絞羽根に形成する開閉カム穴に、開閉ピンの円弧運動によって一対の絞羽根を開閉させる開閉領域と、小開口維持領域とを設けており、この一対の絞羽根の小開口維持領域は、該小開口維持領域内に開閉ピンが位置するとき、互いに重なるようにその形状が合致しているため、正確な小開口を形成することができる。
また、小開口を形成する際の一対の絞羽根の停止位置を機械的に定める一対のストッパを備え、このストッパと開閉ピン(ストッパに当接する絞羽根の係止部と開閉カム穴の小開口維持領域)が、絞羽根の係止部がストッパに当接するとき、開閉ピンが小開口維持領域のカム穴のストッパ側の面に当接して、絞羽根に圧縮力(撓み力)を与えるように構成すると、小開口形成時の絞羽根の遊びを確実に除去することができる。さらに、小開口維持領域のカム軌跡を、開閉軸の回転中心(つまり、開閉ピンの回動中心)を中心とする円弧の一部から構成することにより、小開口維持領域内で開閉ピンに位置誤差があっても、正確な小開口を形成することができる。
本発明による開口絞装置を搭載したズームレンズ鏡筒の一実施形態を示す撮影状態(ズーム域)での断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の収納(沈胴)状態での断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の主要な構成要素の分解斜視図である。 本発明によるズームレンズ鏡筒の開口絞装置の要部を示す、光軸方向前方から見た分解斜視図である。 (A)、(B)は、同開口絞装置の大開口状態と小開口状態を示す斜視図である。 (A)、(B)は、同開口絞装置の大開口状態と小開口状態を示す正面図である。 同絞機構装置の開閉軸を回転駆動する直進案内環の強制回動案内面と最大開口溝を示す、光軸方向後方から見た斜視図である。 同絞機構装置の絞羽根の開閉カム穴の小開口維持区間と係止部、開閉ピン及びストッパの関係を示す断面展開図である。
最初に図1ないし図3を参照して、本発明を適用した沈胴式ズームレンズ鏡筒ZLの一実施形態の全体構造を説明する。このズームレンズ鏡筒ZLの撮像光学系は、物体(被写体)側から順に第1レンズ群LG1、シャッタS、可変開口絞機構A、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及び撮像素子26を備えている。以下の説明中で光軸方向とは、この撮影光学系の光軸Oと平行な方向を意味し、前方とは光軸方向の前方(被写体側)、後方とは光軸方向の後方(像面側)を意味する。
ズームレンズ鏡筒ZLは固定部材として筒状のハウジング22を有し、ハウジング22の後部に撮像素子ホルダ21が固定される。ローパスフィルタ25と撮像素子26はユニット化されて撮像素子ホルダ21の前面部に固定されている。
第3レンズ群LG3は、ズームレンズ鏡筒ZLにおけるフォーカスレンズ群である。図3に示すように、3群レンズ枠51は、第3レンズ群LG3を保持するレンズ保持筒部51aと、該レンズ保持筒部51aから外径方向に延設される一対のガイド腕部51b、51cを有する。レンズ保持筒部51aとガイド腕部51cの境界部分には、2群レンズ保持枠6のレンズ保持筒部6a(図2、図3)が進入可能な2群レンズ収納凹部51dが形成されている。一方のガイド腕部51bに形成されたガイド孔に対して、ハウジング22と撮像素子ホルダ21に固定されたガイド軸52が挿通され、このガイド軸52を介して3群レンズ枠51が光軸方向に直進移動可能に支持されている。他方のガイド腕部51cの先端に設けた回り止め部が、ハウジング22内に形成した回転規制部(不図示)に係合して3群レンズ枠51の回転を規制する。3群レンズ枠51は、ハウジング22の外面に支持されるトーションバネからなる3群付勢バネ55(図3)によって光軸方向前方へ付勢され、AFナット54に当て付いて前方への移動が規制される。AFナット54は、リードスクリュー58に螺合しており、AFモータ160によってリードスクリュー58を回転させることにより光軸方向に移動される。したがって、3群レンズ枠51はAFモータ160の駆動によって光軸方向に移動される。
ハウジング22の内側には、3群レンズ枠51の支持駆動手段とは別に、ズームモータ150により駆動制御される変倍群(カム環)ブロックが支持されている。変倍群(カム環)ブロックは、図3に示すように、直進案内環10、カム環11、繰出筒12及び2群レンズブロック80を含んでいる。
カム環11は、繰出筒12と共にズームレンズ鏡筒ZLの外観筒を構成しており、ハウジング22の内周面に形成したカム環ガイド溝22aに対して摺動可能に嵌るガイド突起11aを有する。カム環11は、ズームモータ150(図3)により回転駆動されるズームギヤ28の駆動力をギヤ部11bで受けて回転され、カム環ガイド溝22aの案内により回転しながら光軸方向に移動する。
直進案内環10は、ハウジング22の内面に形成した直進案内溝22bに対して直進案内突起10aを摺動可能に係合させることで、光軸方向に直進移動可能に案内されている。直進案内突起10aの基部を構成する壁部と回転案内爪10bの間に回転案内爪11cを挟むことによって、2群用直進案内環10とカム環11は、相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように結合されている。
2群レンズブロック80は、2群レンズ移動枠(移動枠)8の前部にシャッタブロック(レンズシャッタ)100を固定した構成であり、2群レンズ移動枠8から外径方向に突出する直進案内キー8aを、直進案内環10に形成した光軸方向への長孔である直進案内スロット10cに対して摺動可能に係合させることにより光軸方向へ直進案内されている。シャッタSは光軸Oと平行な軸により軸支された複数枚のシャッタ羽根で構成され、この複数のシャッタ羽根をシャッタブロック100に内蔵したアクチュエータにより駆動することで、シャッタSが開閉される。シャッタブロック100の後部には、ズームレンズ鏡筒ZLの状態(焦点距離)に応じて開口径が変化する可変開口絞機構Aが設けられている。可変開口絞機構Aは、光軸Oと平行な軸により軸支された複数枚の絞羽根74、75(図4ないし図6)で構成され、ズーム域のテレ端側(図1の下半断面)よりもワイド端側(図1の上半断面)で開口径を小さくするように開度が切り替えられるが、その両方の状態において、絞り開口内への第2レンズ群LG2の一部の進入を許す開口径となっている。また、2群レンズ移動枠8の内部には、自由端部に第2レンズ群LG2を保持する2群レンズ保持枠6の基部が光軸方向に軸線を向けた回動軸(図示せず)を中心として揺動可能に支持されている。第2レンズ群LG2は、ワイド端からテレ端までのズーム域全体においては、図1に示す光軸上への挿入位置に位置し、収納位置においては、図2に示す光軸からの退避位置(光軸O上からの離脱位置、沈胴位置)に位置する。図3では、第2レンズ群LG2は、退避位置に位置している。その詳細な支持構造は、本発明の特徴と関係がないので省略する。
カム環11の内周面に形成した2群制御カム溝CG2に対し、2群レンズ移動枠8に設けた2群用カムフォロアCF2が摺動可能に係合している。2群用カムフォロアCF2は、直進案内キー8aの外径部に設けられ、直進案内環10を径方向に貫通する直進案内スロット10cを通して2群用カムフォロアCF2との係合位置まで突出されている。2群レンズ移動枠8(2群レンズブロック80)は直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群制御カム溝CG2の形状に従って、2群レンズ移動枠8(2群レンズブロック80)が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。直進案内環10は、ズーミングの際に2群レンズ移動枠8に対して相対移動する相対移動部材である。
繰出筒12内には第1レンズ群LG1が保持されている。繰出筒12は内面側に設けた直進案内キー12a(図1)を直進案内環10の直進案内溝10dに対して摺動可能に係合させることで光軸方向へ直進案内されている。なお、繰出筒12の直進案内機構である直進案内溝10d及び直進案内キー12aと、2群レンズブロック80の直進案内機構である直進案内スロット10c及び直進案内キー8aを、図1では同一断面位置に示しているが、図3から分かるように、それぞれの直進案内機構の実際の周方向位置は異なる。
カム環11の内周面に形成した1群制御カム溝CG1に対し、繰出筒12の後端部付近に設けた1群用カムフォロアCF1が摺動可能に係合している。繰出筒12は直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、1群制御カム溝CG1の形状に従って繰出筒12が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
図4ないし図7は、例えば以上のように構成されたズームレンズ鏡筒ZLに搭載された可変開口絞機構Aの支持構造の一実施形態を示している。2群レンズブロック80は、2群レンズ移動枠(移動枠)8とシャッタブロック(レンズシャッタ)100を備えている。2群レンズ移動枠8は、図4に示すように、その周縁部から前方に突出する係止腕8pを備え、シャッタブロック100はこの係止腕8pをスナップフィットさせる凹部100pが備えていて、2群レンズ移動枠8とシャッタブロック100の間に、可変開口絞機構Aを支持した状態で、係止腕8pと凹部100pが係合している。可変開口絞機構Aを構成する一対(2枚)の絞羽根74、75(図4ないし図6)は、回動中心穴74a、75a、開閉カム穴74b、75b、及び開口形成部74c、75cを有している。2枚の絞羽根74、75の開口形成部74c、75cは、絞羽根74、75が回動中心穴74a、75aを中心に互いに接近する方向に回動したとき、図6(B)に示すように、小開口Aaを形成し、離反する方向に回動したとき、図6(A)に示すように、大開口Abを形成する。小開口Aaは円形であるのに対し、大開口Abは非円形であるが、大開口Abの大きさは、シャッタブロック100の円形の最大開口(穴)Amaxより充分大きい。一方小開口Aaは、最大開口Amaxより小さい。最大開口Amaxは、シャッタブロック100の後端部(面)に固定される裏板73の中心部に形成されている。2群レンズ移動枠8に支持される第2レンズ群LG2は、全レンズ群中で最も小径のレンズ群であり、この小径レンズ群の前方に可変開口絞機構Aを配置することで、同絞機構Aを小型にすることができる。
合成樹脂材料の成形品からなる2群レンズ移動枠8の前端面(シャッタブロック100との対向面)には、絞羽根74、75の回動中心穴74a、75aに嵌まる支持ボス(ピン、円柱)81a、82aが一体に成形されている。
裏板73(シャッタブロック100)と2群レンズ移動枠8と間には、光軸と平行な開閉軸72が回転自在に支持されている。図1、図2に示すように、シャッタブロック100には、開閉軸72の前端小径部を挿入支持する回動支持穴100xが形成され、2群レンズ移動枠8には、開閉軸72の後端小径部を挿入支持する回動支持穴8xが形成されている。この開閉軸72は、径方向に突出する径方向腕72aを有し、この径方向腕72a上に、支持ボス81aと82aの間に位置して、絞羽根74、75の開閉カム穴74b、75bに共通に嵌まる開閉ピン72bが設けられている。つまり、開閉軸72はその偏芯位置に開閉ピン72bを有している。開閉カム穴74b、75bは、開閉領域74b1、75b1と、小開口維持領域74b2、75b2を有しており、開閉ピン72bが開閉領域74b1、75b1内を移動するときに、絞羽根74、75が回動中心穴74a、75aを中心に回動して開口形成部74c、75cによる開口径が小開口Aaと大開口Abの間で変化し、開閉ピン72bが小開口維持領域74b2、75b2内を移動するときには、同開口径が小開口Aaに維持される。この一対の絞羽根74、75の小開口維持領域74b2、75は、該小開口維持領域内に開閉ピン72bが位置するときには、互いに重なるようにその形状が合致している。また、小開口維持領域74b2、75b2のカム軌跡は、開閉軸72の回転中心からの円弧の一部である。従って、開閉ピン72bが小開口維持領域74b2、75b2内に入ってしまえば、開閉ピン72bの位置誤差に拘わらず、正しい小開口Aaを維持することができる。
2群レンズ移動枠8には、支持ボス81aと同軸に、該支持ボス81aより大径のバネ掛け柱83が形成されており、このバネ掛け柱83に回動付勢バネ84のコイル部84aが嵌められている。回動付勢バネ84は、コイル部84aから延びて反力受け柱85に支持されるトーション腕84bと、コイル部84aから延びて開閉軸72に形成したバネ掛け凹部72cに支持されるトーション腕84cを有しており、開閉軸72を図4ないし図6の時計方向に回動付勢している。すなわち、開閉軸72の開閉ピン72bは、自由状態では、絞羽根74、75の開閉カム穴74b、75bの開閉領域74b1、75b1の端部に位置して、開口形成部74c、75cによる開口径を大開口Abに維持している。本実施形態の可変開口絞機構Aは、常開型として構成されている。
開閉軸72にはまた、径方向に突出させて強制回動突起72dが形成されている。この強制回動突起72dは、図7に示すように、直進案内環10の内面に形成した光軸と平行な最大開口溝10s内に嵌まっており、この最大開口溝10sの前端部には、強制回動案内面10pが形成されている。図7は、直進案内環10を図3とは逆の方向から見た状態を描いており、前端面が後方を向いている。図7では、凹凸の関係が分かりにくいので、前端面を薄黒で描いた。強制回動突起72dは、ズームレンズ鏡筒ZLのテレ端からワイド端の直前においては、最大開口溝10s内に位置していて外力を受けることがなく、従って絞羽根74、75は、大開口Ab(図6(A))に維持されている。これに対し、2群レンズ移動枠8が撮影領域の後方端に位置するワイド端近傍においては、強制回動突起72dが強制回動案内面10pに係合して、回動付勢バネ84の力に抗して回動し、その結果、絞羽根74、75は、開閉軸72の開閉ピン72b及び開閉カム穴74b、75bを介して、小開口Aaになる(図6(B))。つまり、短焦点距離側(2群レンズ移動枠8の前進端近傍)で有害光の除去が図られる。
2群レンズ移動枠8上にはさらに、絞羽根74、75による開口を正しく小開口Aaに保持するためのストッパボス(ストッパ)86a、86bが一体に突出形成されている。このストッパボス86a、86bは、絞羽根74、75の開口形成部74c、75cが小開口Aaを構成するとき、大開口形成方向に回動付勢されている該絞羽根74、75の先端部に形成した直線係止部(係止部)74d、75dに当接(衝突)して、該小開口Aaの大きさを正確に維持する。直線係止部74d、75dは、直線(状)とすることで、ストッパボス86a、86bとの当接位置を安定させることができる。ストッパボス86a、86bは、図5、図6では単なる円形に描いている。
より詳細には、ストッパボス86a、86bの位置と、絞羽根74、75の開閉カム穴74b、75bの小開口維持領域(開閉軸72の回転中心を中心とする同一円弧形状をなしている)74b2、75b2の位置は、開口形成部74c、75cが小開口Aaを形成するとき、開閉軸72の開閉ピン72bとストッパボス86a、86bとにより、絞羽根74、75が開閉カム穴74b、75bの小開口維持領域74b2、75b2と直線係止部74d、75dの間で圧縮力を受けるように、設定されている。図8は開口形成部74c、75cが小開口Aaを形成するときの関係を誇張して示したもので、開閉軸72の開閉ピン72bとストッパボス86a、86bとの開口形成部74c、75cに沿う距離(より具体的には,例えば小開口維持領域74b2、75b2の壁面と直交する直線と、直線係止部74d、75dに直交する直線、及び両直線を滑らかに結ぶ曲線の絞羽根74、75内の延長距離)dは、自由状態における小開口維持領域(カム穴)74b2、75b2の直線係止部74d、75d側の壁面と直線係止部74d、75dの間の開口形成部74c、75cに沿う距離(同)Dより小さく設定されている。つまり、直線係止部74d、75dがストッパボス86a、86bに当接して小開口Aaが形成されるときには、開閉ピン72bは確実に小開口維持領域74b2、75b2(開閉カム穴74b、75b)のストッパボス86a、86b側の面に当接し、開閉カム穴74b、75bとストッパボス86a、86bの間において絞羽根74、75に圧縮力(撓み力)を与え、さらには、平面形状が崩れる挫屈方向に僅かに撓ませる。この設定により、小開口Aaを形成するときの絞羽根74、75の遊びを完全に防ぐことができる。
シャッタブロック100の裏板73には、開閉軸72の前端小径部を挿通する支持溝73f及び円弧運動する開閉ピン72bの先端部が嵌まる円弧穴73gの他、2群レンズ移動枠8に一体成形した上述の支持ボス81a、82a、ストッパボス86a、86bの逃げ孔が形成されている。裏板73及び絞羽根74、75はいずれも、金属製の薄板からなっていて、これらが重なっているため、絞羽根74、75の回動移動に引っ掛かりが生じることがなく、かつ絞羽根74、75は、2群レンズ移動枠8上に支持されているため、特別な支持機構が不要であり、光軸方向の寸法を短縮することができる(増大させることがない)。
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒ZLは次のように動作する。図1に示す撮影状態(ズーム域)でズームモータ150を正逆に駆動すると、ハウジング22に対してカム環11が光軸方向に移動する。カム環11の光軸方向位置はカム環ガイド溝22aの軌跡により制御される。第1レンズ群LG1を支持する繰出筒12と、第2レンズ群LG2を支持する2群レンズブロック80(2群レンズ移動枠8)はそれぞれ、カム環11の回転に応じてカムフォロアCF1、CF2がカム溝CG1、CG2の案内を受けて光軸方向に相対移動し、図1上半のワイド端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間隔が大きく、図2下半のテレ端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間隔が小さくなる。ワイド端からテレ端までのズーム域全体において、2群レンズ保持枠6は、第2レンズ群LG2の中心を光軸Oに一致させる挿入位置(図1)に保持される。
一方、図1に示す撮影状態(より詳細には図1上半のワイド端)からズームモータ150を鏡筒収納方向に駆動させると、ガイド突起11aがカム環ガイド溝22aの案内を受け、カム環11が回転しながら光軸方向後方へ移動される。繰出筒12と2群レンズブロック80(2群レンズ移動枠8)は、カム環11上のカム溝CG1、CG2の軌跡による所定の相対移動を伴いつつ、カム環11と共に光軸方向後方へ移動する。そして、2群レンズ移動枠8と共に2群レンズ保持枠6が光軸方向後方へ移動して撮像素子ホルダ21に接近すると、2群レンズ保持枠6が離脱位置へ向けて回動し、離脱位置に移動する(図2)。
可変開口絞機構Aは、以上のズームレンズ鏡筒ZLのワイド端からテレ端の間の動作に伴って、次のように動作する。ズームレンズ鏡筒ZLのテレ端からワイド端の間においては、2群レンズ移動枠8は直進案内環10によって光軸方向に直進移動する。そして、2群レンズ移動枠8(とシャッタブロック100との間)に支持されている開閉軸72の強制回動突起72dは、ワイド端からテレ端の少し手前まで最大開口溝10s内に位置していて、このとき、羽根74、75は、回動付勢バネ84の力によって大開口Ab(図5(A)、図6(A))に維持されている。つまり、開口絞りは、シャッタブロック100(裏板73)の最大開口Amaxによって定まっている。これに対し、2群レンズ移動枠8が直進案内環10に対する前進端に達する直前(ワイド端近傍)においては、強制回動突起72dが強制回動案内面10pに係合して、回動付勢バネ84の力に抗して回動し、絞羽根74、75は、開閉軸72の開閉ピン72b及び開閉カム穴74b、75bを介して、小開口Aaになる(図5(B)、図6(B))。つまり、ワイド端側(2群レンズ移動枠8の前進端近傍)で有害光の除去が図られる。この小開口Aaへの移行に際しては、開閉軸72の開閉ピン72bは、開閉カム穴74b、75bの開閉領域74b、75b1から小開口維持領域74b2、75b2へ係合位置を変化させる。そして、一対の絞羽根74、75の小開口維持領域74b2、75は、該小開口維持領域内に開閉ピン72bが位置するときには、互いに重なるようにその形状が合致しており、さらに同小開口維持領域74b2、75b2のカム軌跡は、開閉軸72の回転中心からの円弧の一部からなっているため、小開口維持領域74b2、75b2を通過する際に、開閉ピン72bの位置に若干の誤差があったとしても、正しい小開口Aaを維持(形成)することができる。また、ズーム域のテレ端側(図1の下半断面)とワイド端側(図1の上半断面)のいずれの状態でも、第2レンズ群LG2の前方一部は、可変開口絞機構Aの大開口Abまたは小開口Aa内に進入する。
さらに、絞羽根74、75が小開口Aaを形成するとき、該絞羽根74、75の先端(自由端部)の直線係止部74d、75dは、ストッパボス86a、86bと当接し、開閉カム穴74b、75bの小開口維持領域74b2、75b2内に位置している開閉ピン72bとの間で圧縮力を受ける。このため、絞羽根74、75が遊ぶことがなく、安定感のある動作が得られる。
以上の実施形態は、構成レンズ群中で最も小径の第2レンズ群2LGを搭載した第2レンズ移動枠8と、この第2レンズ移動枠8の前方に固定するシャッタブロック100との間に可変開口絞機構Aを配したズームレンズ鏡筒ZLに本発明を適用したものであるが、本発明は、可変開口絞機構Aの設置位置を問わない。例えば、移動枠は第2レンズ群以外のレンズ群を搭載した移動枠でもよく、移動枠とシャッタブロックの前後関係は逆にすることもできる。
8 2群レンズ移動枠(移動枠)
10 直進案内環
10s 最大開口溝
10p 強制回動案内面
11 カム環
21 撮像素子ホルダ
22 ハウジング
26 撮像素子
72 開閉軸
72a 径方向腕
72b 開閉ピン
72c バネ掛け凹部
72d 強制回動突起
73 裏板(シャッタブロック)
74 75 絞羽根
74a 75a 回動中心穴
74b 75b 開閉カム穴
74b1 75b1 開閉領域
74b2、75b2 小開口維持領域
74c 75c 開口形成部
74d 75d 直線係止部(係止部)
80 2群レンズブロック
81a 81b 支持ボス
83 バネ掛け柱
84 回動付勢バネ
84a コイル部
84b 84c トーション腕
85 反力受け柱
86a 86b ストッパボス(ストッパ)
100 シャッタブロック(レンズシャッタ)
150 ズームモータ
160 AFモータ
A 開口可変絞機構
CF1 1群用カムフォロア
CF2 2群用カムフォロア
CG1 1群制御カム溝
CG2 2群制御カム溝
LG1 第1レンズ群(変倍レンズ群)
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
S シャッタ
ZL ズームレンズ鏡筒
A 可変開口絞機構
Aa 小開口
Ab 大開口
Amax 最大開口

Claims (4)

  1. 回動中心穴及び開閉カム穴を有する一対の絞羽根、及びこの一対の絞羽根の開閉カム穴に共通に挿入される開閉ピンを偏芯位置に有する開閉軸を有し、該開閉軸の往復回動によって、回動中心穴を中心に一対の絞羽根を正逆に回動させて大小の開口を形成する開口絞装置において、
    一対の上記絞羽根の開閉カム穴は、上記開閉軸の往復回動によって一対の絞羽根を開閉させる開閉領域と、該絞羽根による開口を小開口とする小開口維持領域とを有しており、この一対の絞羽根の小開口維持領域は、該小開口維持領域内に開閉ピンが位置するとき、互いに重なるようにその形状が合致していることを特徴とする開口絞装置。
  2. 請求項1記載の開口絞装置において、一対の上記絞羽根が小開口を形成する際の一対の絞羽根の停止位置を機械的に定める一対のストッパがさらに備えられ、この一対のストッパと開閉ピン及び該ストッパに当接する絞羽根の係止部と開閉カム穴の小開口維持領域は、絞羽根の係止部がストッパに当接するとき、開閉ピンが小開口維持領域のカム穴のストッパ側の面に当接して、絞羽根に圧縮力を与える位置に形成されている開口絞装置。
  3. 請求項1または2記載の開口絞装置において、一対の上記絞羽根の開閉カム穴の小開口維持領域のカム軌跡は、開閉軸の回転中心を中心とする円弧の一部からなっている開口絞装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の開口絞装置において、一対の上記絞羽根は、大開口形成方向に回動付勢されている開口絞装置。
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