JP2011153195A - 塗料組成物と塗装品並びに塗装方法 - Google Patents

塗料組成物と塗装品並びに塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜形成直後より防汚性が発現されるとともに、透明性が高く外観に影響を与えにくい塗膜を得ることができる。
【解決手段】一般式がSi(OR)(Rは、同一又は異種の置換若しくは非置換の炭素数1〜8の一価炭化水素基)で表されるアルコキシドの加水分解物及び/又は部分加水分解物(A)成分、微粒子酸化チタンと微粒子シリカの混合物(B)成分、希釈溶媒(C)成分、及び表面張力調整剤(D)成分を必須の成分とする塗料組成物であって、前記(B)成分の組成が、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ=95:5〜40:60の範囲内であり、微粒子酸化チタンの粒子径が、10nm以上100nm未満、微粒子シリカの粒子径が、10nm以上300nm未満であること特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物と塗装品並びに塗装方法に関するものである。
従来より、建材等の建造物を構成する各部材に汚れが生じることを防止することを目的として、光触媒を含む塗料組成物の塗装が行われている。
このような塗料組成物としては、酸化チタン等の光触媒を含有するシリコーン系塗料組成物が知られており、これを塗布硬化させることにより、防汚性を発現させることが知られている(例えば特許文献1参照)。
得られた塗膜面では、紫外線が照射されることで光触媒作用(超親水性能、分解性能)が発揮され、高い防汚性が得られることになる。
しかし、光触媒作用による防汚性は、塗膜を形成した直後から得られるものではなく、防汚性の発現のためには、一定量の紫外線照射、もしくは、一定の屋外暴露期間が必要である。このため、日射量の少ない冬季に施工、設置された場合には、光触媒作用が発現されるまでに長期間を要し、防汚性が得られる前に汚れが生じやすいという不都合があった。
また、紫外線が照射されない環境下では防汚性効果が得られないため、常時日陰になる部分等は非処理面と同様の汚れを示すという問題があった。
一方、光触媒を用いず、ポリビニルアルコール等の有機系親水性樹脂や、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等の界面活性剤を用いることで、塗装面に親水性及び防汚性を付与する方法も知られている。しかし、その効果は一時的なものであり、建材等に求められる長期的な防汚性を維持することができないという欠点がある。加えて、有機物である有機系親水性樹脂や界面活性剤は、光触媒作用によって分解されるため、光触媒とは併用することができないという問題もある。
特開2003−226842号公報
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の問題点を解消して、塗膜形成直後から防汚性が発現されるとともに、透明性が高く外観に影響を与えにくい塗膜を得ることができる、新しい塗料組成物とこれを用いた塗装品、並びにこの塗料組成物を用いての塗装方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:一般式がSi(OR)(Rは、同一又は異種の置換若しくは非置換の炭素数1〜8の一価炭化水素基)で表されるアルコキシドの加水分解物及び/又は部分加水分解物(A)成分、微粒子酸化チタンと微粒子シリカの混合物(B)成分、希釈溶媒(C)成分、及び表面張力調整剤(D)成分を必須の成分とする塗料組成物であって、前記(B)成分における組成が、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ=95:5〜40:60の範囲内であり、微粒子酸化チタンの粒子径が、10nm以上100nm未満、微粒子シリカの粒子径が、10nm以上300nm未満である。
第2:(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.3〜0.9の範囲内である。
第3:(B)成分の微粒子シリカは、次の<1>から<3>の条件を満足する微粒子シリカである。<1>親水性であること。<2>撥水基を有していないこと。<3>SiO成分が70%以上であること。
第4:上記第1から第3のいずれかの発明の塗料組成物において、(C)成分の希釈溶媒は、水及び水溶性有機溶媒のうちの少なくともいずれかである。
第5:被塗装物の表層として、第1から第4のいずれかに記載の塗料組成物の塗膜を形成した塗装品である。
第6:被塗装物に形成された下地塗膜の上に、第1から第4のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して塗膜を形成する塗装方法であって、下地塗膜表面の水の接触角が80°以上である。
第7:被塗装物に形成された下地塗膜の上に、第1から第4のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して塗膜を形成する塗装方法であって、下地塗膜が半硬化状態のときに、塗料組成物を塗布する塗装方法である。
上記第1の発明によれば、上記(A)、(B)、(C)、(D)の特定の成分を必須として、塗料組成物を構成することから、その塗膜の親水性能を向上させて防汚性を優れたものとする。また塗膜は透明性が良好であって、外観に影響を与えにくい。
上記第2の発明によれば、(B)成分の含有量を(A)成分と(B)成分の合計質量に対し特定の範囲とすることで、前記の発明の効果をさらに確実に顕著なものとすることができる。
上記第3の発明によれば、(B)成分の微粒子シリカを特定の条件を満足するものとすることで、以上の効果をさらに確実に顕著なものとすることができる。
上記第4の発明によれば、(C)成分の希釈溶媒を、水及び水溶性有機溶媒としたので、透明性が高く、親水性も優れた塗膜を得ることができる。
上記第5の発明によれば、以上の顕著な効果を、塗装品として実現できる。
上記第6の発明によれば、被塗装物に形成された下地塗膜表面の水の接触角を80°以上としたので、被塗装物と塗膜との密着力を強固なものとすることができる。
上記第7の発明によれば、下地塗装が半硬化状態のときに、塗料組成物を塗布して塗膜を形成しているので、被塗装物と塗膜との密着力をより強固なものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の塗料組成物において、必須成分(A)成分は、一般式Si(OR)4で表されるアルコキシドの加水分解物及び/又は部分加水分解物である。
式中の符号Rは、同一又は異種の置換若しくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基であってもよい。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル基等を例示することができる。また、アルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。
上記の(A)成分は、塗膜のバインダー成分及び造膜成分として、後述する微粒子酸化チタン及び微粒子シリカ成分を固定化する。また、アルコキシドを加水分解することによって、塗膜の親水性能を向上させ防汚性を発現させることができる。
アルコキシドを加水分解(部分加水分解)するのに必要な水の量は、特に限定されるものではないが、例えば、後述する(B)成分としての微粒子酸化チタン及び微粒子シリカ中に含まれる水の量と合わせて、Si(OR)中のアルコキシ(OR)基1モルに対して0.001モル以上の水で加水分解(部分加水分解)するのが好ましい。
また、アルコキシドを加水分解(部分加水分解)する際に、製造工程に要する時間を短縮するため、必要に応じて触媒を用いることができる。用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、酸性触媒又は塩基性触媒が挙げられる。
酸性触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸や、塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸、酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー等を挙げることができ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
塩基性触媒としては、アンモニアや、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のナトリウム塩、塩基性コロイダルシリカ、塩基性チタニアゾル等を挙げることができ、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
アルコキシドの加水分解(部分加水分解)は、必要に応じて、例えば、40〜100℃程度に加温して行ってもよい。
(B)成分は、微粒子酸化チタンと微粒子シリカの混合物である。
(B)成分の微粒子酸化チタン:微粒子シリカの比率は95:5〜40:60の範囲であり、この範囲より微粒子シリカ含有量が多いと有機物分解性が低下し、少ないと親水性が得られない。
微粒子酸化チタンとしては、アナターゼ型チタニアゾルを使用することが好ましく、粒子径が10nm以上〜100nm未満である。10nm未満であると光触媒活性が低下する原因となる。また、100nm以上であると塗膜の透明性が損なわれる原因となる。また、上記範囲内であれは、粒子径が異なるものを2種以上配合してもよい。
微粒子シリカとしては、コロイダルシリカ、アエロジル等の微粒子シリカ分散体を用いることができる。また、(B)成分の微粒子シリカには、酸化チタンを含め、平均粒子径が異なるものを2種以上配合することができ、これらのものを配合すると表面凹凸及び表面積が増すため、親水性がより発揮されるようになり、長期にわたって優れた防汚性を得ることができる。特に、粒子径(平均一次粒子径)が10nm以上、300nm未満の微粒子シリカを用いることで、長期間にわたり親水性能を得ることができる。
使用される微粒子シリカは、微粒子酸化チタン及びアルコキシドを加水分解(部分加水分解)して得られる(A)成分への分散が可能であり、凝集物等の発生がなく安定に混合可能である必要がある。
また、(B)成分の微粒子シリカは、親水性であること、アルキル基、ビニル基、フルオロカーボン等の撥水基を含まないこと、SiO成分が70%以上であることの条件を満たしたものを用いるのが好ましい。これらのものを用いることにより、より防汚性に優れた塗料組成物とすることができる。
上記のコロイド状物質であるゾルとしては、例えば、水分散ゾル、あるいはアルコール等の水溶性有機溶媒分散ゾルを使用することができる。一般にこのようなゾルは、固形分として20〜50質量%含有しており、この値から配合量を決定することができる。水分散ゾルを使用する場合には、固形分以外として存在する水は、アルコキシドの加水分解(部分加水分解)に使用することができる。従って、アルコキシドの加水分解(部分加水分解)の際の水の量にはこの水分散ゾルの水を加算する必要がある。
本発明に係る塗料組成物において、(B)成分の微粒子酸化チタン及び微粒子シリカは、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比(B/(A+B))で0.3〜0.9の範囲で含有するものである。
質量比が0.3未満であると、十分な親水性を得ることがでず、質量比が0.9を超えると成膜性が悪くなり、成膜できたとしても密着性の悪化、塗膜の白色化等の原因となる。
(C)成分は、希釈溶媒であり、(A)成分の加水分解物及び/又は部分加水分解物と、微粒子シリカ(B)の混合物を任意の濃度に調整するために用いられる。
(C)成分の希釈溶媒としては、水及びメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、及びジアセトンアルコール等の水溶性有機溶媒を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
水及び水溶性有機溶媒で希釈した塗料組成物を塗装すると、一旦、濡れた状態から水及び水溶性有機溶媒が短時間で完全に蒸発して被膜になるので透明性が高く、親水性能も高い塗膜を得ることができる。
レベリング性、塗料のポットライフ、膜厚と塗膜性能等から、(A)成分+(B)成分の固形分が0.1%〜30%になるように調整するのが好ましい。
(D)成分は、表面張力調整剤であり、塗料組成物の表面張力を低下させ、基材の表面エネルギーが低い場合においても、レベリング良く塗装するための成分である。
建造物を構成する各部材の表面エネルギーが低い場合、溶媒成分の調整のみではレベリング良く塗装できないことがある。また、意匠性を高めるために表面に凹凸が付与されることがあり、このような基材に塗装する場合は、凹部に塗料が溜まると均一な塗膜及び親水性能を得ることができない。
(D)成分の表面張力調整剤としては、塗料組成物に混合でき、表面張力を低下させるものであれば特に制限なく用いることができ、通常、界面活性剤、レベリング剤、湿潤剤といわれるものを用いることができる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれも用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールサルフェート(Na塩又はアミン塩)、アルキルアリルスルフォン酸塩(Na塩又はアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩(Na塩又はアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩縮合物、アルキルフォスフェート、ジルキルスルフォサクシネート、ロジン石鹸、脂肪酸塩(Na塩又はアミン塩)等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、オクタデシルアミンアセテート、イミダゾリン誘導体アセテート、ポリアルキレンポリアミン誘導体又はその塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアミノエチルアルキルアミドハロゲニド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキロールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等を挙げることができる。
また、レベリング剤、湿潤剤としては、シリコーン変性タイプ、フッ素系等が挙げられる。(D)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
(D)成分は、塗料全体の合計質量に対し0.01〜1.0%の範囲であることが好ましい。0.01%未満であると、レベリング良く塗装できない場合があり、1.0%を超えると塗料のポットライフに影響をおよぼし、塗膜の親水性・防汚性を低下させることがある。
本発明の塗料組成物は、被塗装物表面に直接塗布し表層とすることで、本発明の効果を十分に発揮することができるが、被塗装物表面に下地塗膜を形成して、その上に本発明の塗料組成物を塗布することにより、密着力を強固にすることができより好ましい。
本発明の塗装方法に用いる下地塗膜としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機系コーティング剤、無機系コーティング剤を用いて下地塗膜を形成することができ、耐候性、耐腐食性等の面で無機系コーティング剤を用いた下地塗膜が特に好ましい。
本発明の塗料組成物の塗装方法は、上記コーティング剤により形成した下地塗膜が半硬化状態で塗布することが特に好ましい。下地塗膜が半硬化状態とは、コーティング剤を塗布した後、指触乾燥レベルの硬化状態のことをいう。
この状態で本発明の塗料組成物を塗布することで下地塗膜との密着力を、より強固にすることができる。下地塗膜の硬化方法は特に限定されるものではなく、公知の方法で行うことができる。硬化温度についても特に限定されるものではなく、所望とする塗膜性能や硬化触媒の使用の有無に応じて常温から加熱温度までの広い温度範囲を取ることができる。
さらに、本発明の塗装方法では、半硬化状態の下地塗膜表面の水の接触角が80°以上、好ましくは80〜110°であることが好ましい。上記の範囲の水の接触角であると、下地塗膜と塗料組成物のぬれ性が良好であるので界面で良好に相溶し、さらに強固な密着力を得ることができる。
下地塗膜及び、本発明の塗料組成物の塗布方法は特に限定されるものではなく、例えば、刷毛塗り、スプレーコート、浸漬(ディッピング、ディップコート)、ロールコート、フローコート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、バーコート等の通常の方法を適宜選択することができる。
塗料組成物によって形成される塗膜の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.05〜10μm程度であればよいが、塗膜が長期にわたって基材の表面に安定して密着、保持されるとともに、クラックや剥離の発生を防止するためには、0.05〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<実施例1>
(配合成分)
各配合成分は以下のものを用いた。
(A)成分:テトラエトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製 TSL8124)
(B)成分:微粒子酸化チタン及び微粒子シリカ
微粒子酸化チタン:アルカリ性酸化チタンゾル(テイカ社製 TK/1086)(粒径30〜50nm)
微粒子シリカ(1):コロイダルシリカ(日産化学工業社製 ST−O)(粒径10〜20nm)
微粒子シリカ(2):コロイダルシリカ、日産化学工業社製 ST−OL)(粒径40〜50nm)
(C)成分:イソプロパノール
(D)成分:表面張力調整剤(デグサ社製 BYK−346)
(塗料組成物の調製)
(A)成分5部に(C)成分80部を加えたものに、(B)成分を表1の添加量となるように調製して加えて、ディスパーを用いて良く混合した。
(A)(B)成分の比率を、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.9((A):(B)比率が質量比で10:90)になるように配合した。
まず、微粒子シリカ(1)と、微粒子シリカ(2)を常温、スターラー攪拌で配合し調製した。
調製した微粒子シリカの成分の比率を、微粒子酸化チタンの20%になるように調整した。
上記の混合物を、混合物を1時間重合反応させた後に、全固形分が3%になるように水で希釈し、(D)成分を塗料組成物全量に対して0.3部加えて塗料組成物を調製した。
この塗料組成物を、あらかじめ用意した撥水性無機コーティング被膜(半硬化状態)を施した建築用構造材に塗布し、150℃で30分間焼成して防汚建材を得た。
(実施例2)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.7((A):(B)比率が質量比で30:70)となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(実施例3)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.5((A):(B)比率が質量比で50:50)となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(実施例4)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.3((A):(B)比率が質量比で70:30)となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(実施例5)
実施例4において、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ比率が質量比で40:60となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例1)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で1.0((A):(B)比率が質量比で0:100)となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例2)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.9((A):(B)比率が質量比で10:90)であり、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ比率が質量比で100:0となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例3)
実施例3において、下地塗膜を完全硬化させた以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例4)
実施例3において、(D成分)を2.0部加える以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例5)
実施例3において、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ比率が質量比で40:60となるように添加した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
(比較例6)
実施例1において、(B)成分が、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0((A):(B)比率が質量比で100:0)即ち(B)成分を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、実施例1と同様の方法で防汚建材を作成した。
<評価方法>
上記の実施例及び比較例で得た防汚建材を、下記方法にて評価を行った。
(親水性)
水接触角計(協和界面科学社製)を用いて接触角の測定を行った。判定は、○:40°未満、△:40°以上〜60°未満、×:60°以上とした。
(初期防汚性)
5%カーボンブラック(デグサ社製FW−200)水分散体に試験片を浸漬し、5秒後に引き上げた後、霧吹きを用いて付着カーボン洗いをした。その後、分光色差計(コニカミノルタ社CM−2600d)を用いてLab値を測定することで、試験前後のΔLを求めた。判定は、ΔL3未満:○、ΔL3以上〜5未満:△、ΔL5以上:×とした。
(分解性)
10mMメチレンブルー水溶液に試験片を浸漬し、5秒後に引き上げた後、ブラックライト(照度1mW/cm)に1時間照射した。その後、分光色差計(コニカミノルタ社CM−2600d)を用いてLab値を測定することで、試験前後のΔEを求めた。判定は、ΔE3未満:○、ΔE3以上〜5未満:△、ΔE5以上:×とした。
(密着性)
評価方法は、JIS5400.8.5.2に準じて行った。詳細としては、まずカーターナイフガイドを用いて縦横6本ずつ4mm間隔で平行線引き、25個の碁盤の目を作製する。次に碁盤の目にセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、上から消しゴムで擦りつけ、その後一気にテープを引きはがし、テープ剥離後の塗膜残存性の評価を行った。判定は、塗膜剥離なし:◎、塗膜剥離2%以下:○、塗膜剥離10%以下:△、塗膜剥離50%以上:×とした。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 2011153195
<評価結果>
各成分が、本発明の必須成分を含み、(B)成分が微粒子酸化チタン:微粒子シリカ=95:5〜40:60の範囲内であり、(B)成分の含有量を(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、質量比で0.3〜0.9の範囲とした実施例1〜5については、全ての評価において良好な結果が得られた。
(B)成分を酸化チタンのみとした比較例1、2、6は、親水性、初期防汚性について良好な結果が得られず、(B)成分をシリカのみとした比較例5は、分解性について良好な結果が得られなかった。
また、(D)成分の表面張力調整剤を、本発明で好ましい範囲0.01〜1.0%から外れた2%とした比較例4は、親水性及び初期防汚性において良好な結果が得られなかった。
また、下地塗膜の硬化状態を、完全硬化した比較例3は、密着性において良好な結果が得られなかった。
上記の結果から、本発明の塗料組成物を、本発明の塗装方法により塗装した塗装品は、外観、防汚性、及び密着性において優れたものであることが確認された。

Claims (7)

  1. 一般式がSi(OR)(Rは、同一又は異種の置換若しくは非置換の炭素数1〜8の一価炭化水素基)で表されるアルコキシドの加水分解物及び/又は部分加水分解物(A)成分、微粒子酸化チタンと微粒子シリカの混合物(B)成分、希釈溶媒(C)成分、及び表面張力調整剤(D)成分を必須の成分とする塗料組成物であって、前記(B)成分における組成が、微粒子酸化チタン:微粒子シリカ=95:5〜40:60の範囲内であり、微粒子酸化チタンの粒子径が、10nm以上100nm未満、微粒子シリカの粒子径が、10nm以上300nm未満であること特徴とする塗料組成物。
  2. (B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計質量に対し、固形分換算した質量比で0.3〜0.9の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. (B)成分の微粒子シリカは、下記<1>から<3>の条件を満足する微粒子シリカであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の塗料組成物。
    <1>親水性であること。
    <2>撥水基を有していないこと。
    <3>SiO成分が70%以上であること。
  4. (C)成分の希釈溶媒は、水及び水溶性有機溶媒のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の塗料組成物。
  5. 被塗装物の表層として、請求項1から4のいずれかに記載の塗料組成物の塗膜を形成したことを特徴とする塗装品。
  6. 被塗装物に形成された下地塗膜の上に、請求項1から4のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して塗膜を形成する塗装方法であって、下地塗膜表面の水の接触角が80°以上であることを特徴とする塗装方法。
  7. 被塗装物に形成された下地塗膜の上に、請求項1から4のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して塗膜を形成する塗装方法であって、下地塗膜が半硬化状態のときに、塗料組成物を塗布することを特徴とする塗装方法。
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