JP2011149935A - 容器検査方法および容器検査装置 - Google Patents

容器検査方法および容器検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】細口の容器や外表面に凹凸模様のある容器であっても、容器の底周縁部のコーナー部分に異物が存在しているかどうかの検査が可能であり、しかも、検査対象の容器を回転させずに効率よく検査を行えるようにする。
【解決手段】内視鏡2として円錐状の鏡3を用いたものを検査対象のガラスびん1の口部11よりガラスびん1の内部へ挿入してガラスびん1の内部の所定の高さ位置に鏡3を定位させ、円錐状の鏡3の鏡面30に写ったガラスびん1の底周縁部13の全周にわたる像を内視鏡2の上方からカメラ110により撮像して検査画像を取得し、その検査画像によってガラスびん1の底周縁部13に異物が存在しているかどうかを検査する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ガラスびんなどの透明または半透明の容器の底周縁部を容器の内側より撮像して検査するための容器検査方法と、その方法の実施に用いられる容器検査装置とに関し、特にこの発明は、細口の容器や外表面に凹凸模様のある容器であっても、容器の底周縁部のコーナー部分に異物が存在しているかどうかを精度良く検査することが可能な容器検査方法および容器検査装置に関する。
たとえば、ガラスびんの底周縁部を検査するのに、ガラスびんの口部の真上位置にカメラを下向きの姿勢で設置し、ガラスびんの底部の全体を視野に含むようにしてカメラで撮像して検査画像を取得し、その検査画像によって底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査している。
しかし、ガラスびんの底周縁部のコーナー部分はガラスびんの内外壁面での形状の変化による光の屈折や反射のため、検査が難しく、特に、図17に示すように、口部11の内径が小さな細口のガラスびん1については、口部11の真上に設置したカメラ110では、底部12の全体を含む視野αの設定が困難であり、底周縁部13のコーナー部分13aが検査できない場合もある。一方において、ガラスびん1の斜め上方または斜め下方にカメラ110を設置し、ガラスびん1のコーナー部分13aを含む視野内をカメラ110で撮像することも行われているが、ガラスびん1の外表面に凹凸模様があると、光の屈折による影が生じて適正かつ精度の良い検査画像が得られない場合がある。
先般、検査台上に支持したガラスびんの斜め上方に拡散光源を、斜め下方にカメラを、それぞれ設置し、拡散光源からの光を第1の直線偏光フィルタを通してガラスびんに投光し、検査台を回転させつつガラスびんの底周縁部を透過した光を第1の直線偏光フィルタと偏光軸が直交する第2の直線偏光フィルタを通して繰り返し撮像することにより1回転につき複数枚の検査画像を取得し、その検査画像によってガラスびんの底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査するようにした裾底部の異物検査装置が提案された(例えば特許文献1参照)。
特開平6−294760号公報
しかし、上記の異物検査装置では、検査対象のガラスびんを回動させる必要があるため、回動機構が組み込まれた検査台が必要であり、容器検査装置の構造が複雑かつ大掛かりとなるばかりでなく、検査台を回転させつつ撮像を幾度も行うため、検査に時間がかかり、検査効率が悪く、さらに、例えば黒い汚れなどの歪みを伴わない異物は検出できず、検査精度が十分でないという問題がある。
この発明は、上記した問題に着目してなされたもので、細口の容器や外表面に凹凸模様のある容器であっても、容器の底周縁部のコーナー部分に異物が存在しているかどうかの検査を精度良く、しかも、検査対象の容器自体を回転させずに効率よく行うことができる容器検査方法および容器検査装置を提供することを目的とする。
この発明による容器検査方法は、透明または半透明の検査対象の容器の底周縁部を容器の内側より撮像して検査するためのものであり、内視鏡として円錐状の鏡を用いたものを検査対象の容器の口部より容器の内部へ挿入して所定の高さ位置に定位させ、円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を容器の口部の上方からカメラにより撮像して検査画像を取得し、その検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査することを特徴とする。
この発明の容器検査方法が適用される検査対象は、透明または半透明のガラスびんやペットボトルなどの樹脂製容器である。
この発明の一実施態様においては、前記内視鏡の円錐状の鏡として、錐面に沿う母線が直線である円錐状の鏡を用いることができる他、視野を広げるために、錐面に沿う母線が外側へ膨らむ曲線である円錐状の鏡を用いることもできる。
なお、外表面に凹凸模様のある容器を検査対象とする場合、凹凸の形態、位置、大きさなどに応じて、円錐状の鏡として円錐の高さの異なるものを選定して錐面の角度を変えることにより、外表面の凹凸による検査画像へ及ぼす影の影響などを軽減することができる。
前者の円錐状の鏡は、後者の円錐状の鏡より視野が狭いので、好ましくは、鏡を定位させる高さを複数段階に設定して各高さ位置での検査画像を取得し、取得した複数の検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査する。なお、後者の円錐状の鏡を用いる場合でも同様の検査方法を採択してもよい。
この発明による容器検査装置は、透明または半透明の検査対象の容器の底周縁部を容器の内側より撮像して検査するためのものであり、検査位置へ検査対象の容器を導きかつ検査済の容器を検査位置より導出する容器導出入機構と、容器の口部の内径より小さな外径と容器の高さより大きな長さとを有するパイプの下端部に円錐状の鏡が取り付けられた内視鏡と、容器の底部を取り囲むように配置され容器の底周縁部へ周囲から拡散光を照射する照明装置と、容器の内部の所定の高さ位置と容器の口部の上方位置との間を容器の中心線に沿って内視鏡を昇降動作させる内視鏡昇降機構と、容器の内部に挿入された内視鏡の上方位置より内視鏡の円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を撮像して検査画像を取得するカメラと、カメラにより取得した検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査する画像処理装置とを備えて成るものである。
上記した構成の容器検査装置によりガラスびんなどの透明または半透明の容器の底周縁部を容器の内側より検査するには、容器導出入機構により検査位置へ検査対象の容器を導くとともに、内視鏡昇降機構により内視鏡を容器の口部の上方位置から下降動作させ、円錐状の鏡を容器の内部の所定の高さ位置で定位させる。容器の底部を取り囲むように照明装置が配置され、容器の底周縁部へ周囲から拡散光が照射される。円錐状の鏡の鏡面には容器のコーナー部分を含む底周縁部の全周にわたる像が写る。容器の内部に挿入された内視鏡の上方にカメラが位置し、内視鏡の鏡の鏡面に写った容器のコーナー部分を含む底周縁部の全周にわたる像がカメラにより撮像される。カメラにより取得された検査画像は画像処理装置に取り込まれ、容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかが検査される。検査済の容器は容器導出入機構より検査位置より導出される。
この発明による他の容器検査装置は、失透異物のような歪みを伴う異物が容器の底周縁部に存在しているかどうかを検査することを可能としたもので、前記照明装置と容器の底周縁部との間に介在させる第1の円偏光板と、前記カメラと内視鏡のパイプの上端面との間に介在させる第2の円偏光板とをさらに備え、照明装置からの拡散光を第1の円偏光板により円偏光させて容器の底周縁部へ周囲から照射し、内視鏡の円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を第2の円偏光板を介してカメラにより撮像するようにしている。
ここで、「失透異物」とは、ガラスびんなどのガラス生地中に析出した異物のことであり、また「失透」とは、ガラスを溶融して冷却するとき、溶融ガラスが一定の温度域に長く保たれることで、ガラスの成分からなる化合物の結晶が析出する現象をいう。失透異物のような歪みを伴う異物に偏光を当てると、偏光の向きが変化する。
上記した構成において、「円偏光板」は直線偏光板と1/4波長板とがはり合わされた構成のものであり、無偏光の光が直線偏光板を通るとき直線偏光になり、さらに1/4波長板を通るとき円偏光になる。円偏光には1/4波長板の軸が直線偏光板の軸に対してどちらに45度傾いているかにより右円偏光板と左円偏光板とに分けられる。右円偏光板を通った光は右回転の円偏光となり、左円偏光板を通った光は左回転の円偏光となる。
この発明では、円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を撮像するので、もし、円偏光板に代えて直線偏光板を使用した場合は、直線偏光板の向きにより鏡面に写る画像が放射状または同心円状となり、カメラで取得される画像が斑状となる。したがって、円偏光板に代えて直線偏光板を使用することができない。
好ましい実施態様においては、第1の円偏光板と第2の円偏光板とは、その一方が右円偏光板、他方が左円偏光板である。例えば、第1の円偏光板が右円偏光板、第2の円偏光板が左円偏光板である場合、第1の円偏光板による右回転の円偏光は、容器の底周縁部を通って内視鏡の円錐状の鏡の鏡面で反射するとき、左回転の円偏光となり、左円偏光板である第2の円偏光板を透過するもので、カメラで撮像される画像は明るい部分、暗い部分がそのまま明部、暗部として現れる画像となる。ところが、容器の底周縁部に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板で遮光され、異物の画像は明るい背景に対して暗部として現れる(この方式を「ダークオン方式」という。)。
この「ダークオン方式」によると、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)も暗部となって現れるので、歪みの有無を問わず異物の検出が可能である反面、容器の柄、模様、影なども暗部となって現れるので、異物の画像と柄などの画像との切り分けが必要である。
好ましい他の実施態様においては、第1の円偏光板と第2の円偏光板とは、いずれもが右円偏光板または左円偏光板である。例えば、第1、第2の各円偏光板が右円偏光板である場合、第1の円偏光板による右回転の円偏光は、容器の底周縁部を通って内視鏡の円錐状の鏡の鏡面で反射するとき、左回転の円偏光となり、右円偏光板である第2の円偏光板で遮光されるため、カメラで撮像される画像は明るい部分が暗部となって現れる暗い画像となる。ところが、容器の底周縁部に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板を透過し、異物の画像は暗い背景に対して明部として現れる(この方式を「ライトオン方式」という。)。
この「ライトオン方式」によると、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)は暗部として埋没してしまうので、その種の異物の有無は判別できず、さらに、少なくとも一方の円偏光板を用いずに検査対象を撮像することが必要となる。
この発明の好ましい実施態様においては、前記容器導出入機構は、外周部の等角度位置に検査対象の容器を支持するチャック機構がそれぞれ配設された回転テーブル機構を含んでおり、回転テーブル機構の外周部沿いに前記カメラが設置されるとともに、回転テーブル機構の各チャック機構の配設角度位置に前記内視鏡と前記照明装置と前記内視鏡昇降機構とが回転テーブル機構と一体に回動するようにそれぞれ配置されている。
この実施態様では、容器導出入機構により導入される検査対象の容器は回転テーブル機構の外周部の等角度位置に設けられたチャック機構に次々に支持されて検査位置へ導かれる。内視鏡、照明装置、および内視鏡昇降機構は回転テーブル機構の各チャック機構の配設角度位置に配置されているので、容器が検査位置へ移動する間に内視鏡が検査可能な状態にセットされる。内視鏡がセットされた容器がカメラの設置位置を通過するとき、内視鏡の円錐状の鏡の鏡面に写った容器のコーナー部分を含む底周縁部の全周にわたる像がカメラにより撮像される。
この実施態様によると、多数個の容器を次々に連続して検査でき、容器を製造する工程中に容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかの検査が効率よく行える。
この発明によれば、内視鏡を容器の口部から容器の内部へ挿入し、円錐状の鏡を容器の内部の所定の高さ位置で定位させて鏡面に写った容器のコーナー部分を含む底周縁部の全周にわたる像をカメラにより撮像するので、細口の容器や外表面に凹凸模様のある容器であっても、容器の底周縁部のコーナー部分に異物が存在するかどうかの検査を精度良く行うことが可能であり、しかも、検査対象の容器自体を回転させずに効率よく検査を行うことができる。
この発明のびん検査方法を示す正面から見た説明図である。 円錐状の鏡を拡大して示す正面図である。 円錐状の鏡の他の実施例を拡大して示す正面図である。 図2に示す鏡を用いたびん検査方法を示す正面から見た説明図である。 図3に示す鏡を用いたびん検査方法を示す正面から見た説明図である。 この発明の1実施例であるびん検査装置の概略構成を示す平面図である。 図6の実施例のびん検査装置の一部を破断した正面図である。 図6の実施例に用いられた内視鏡を示す一部を省略した正面図である。 第1〜第3の各カムのカム面を展開して示す説明図である。 拡散照明部の具体例を示す断面図である。 失透異物などの判別を可能としたダークオン方式の実施例の原理説明図である。 図11の実施例で得られた画像を示す説明図である。 失透異物などの判別を可能としたライトオン方式の実施例の原理説明図である。 図13の実施例で得られた画像を示す説明図である。 ダークオン方式によるびん検査装置の主要構成を示す断面図である。 ライトオン方式によるびん検査装置の主要構成を示す断面図である。 従来の容器検査方法を示す説明図である。
図1は、この発明のびん検査方法を示している。同図中、1は口部11の内径が小さく胴部14の下部の外周面に凹凸模様15が形成されている透明かつ細口のガラスびんであり、このガラスびん1の底周縁部13に異物が存在しているかどうかをこの発明のびん検査方法を実施してガラスびん1の内側より検査する。なお、図中、13aは胴部14と底部12との境目であるコーナー部分である。13は底周縁部であり、コーナー部分13aを含む帯状の一周する領域を指している。16はガラスびん1のくび部である。
検査対象のガラスびん1の内部には口部11より内視鏡2が挿入されている。図示例の内視鏡2は、全長が透明な合成樹脂製またはガラス製の円筒状のパイプ20と、パイプ20の下端部に装着された円錐状の鏡3とで構成されている。なお、パイプ20は、鏡3が装着されている部分が透明であれば、必ずしも全長にわたって透明である必要はない。パイプ20は、ガラス瓶1の口部11に対して挿脱が可能であるように、ガラスびん1の口部11の内径より小さな外径に形成されている。また、パイプ20は、ガラスびん1への挿入時、下端がガラスびん1の底部12の近くまで達し、かつ上端がガラスびん1の口部11より上方へ突出するように、ガラスびん1の高さより十分に大きい長さに形成されている。
円錐状の鏡3は、図2に示すように、円錐の錐面31の全体が鏡面30になっており、裾側に短軸状の台部33が形成されている。円錐状の鏡3は頂点32を上方に向けてパイプ20の下端部の内孔21へ挿入され、台部33の下端面34をパイプ20の下端の開口より臨ませた状態で台部33の外周面を透明の接着剤によりパイプ20の内周面に固着している。内視鏡2の挿入時、円錐状の鏡3をガラスびん1の底部12に近い所定の高さ位置に定位させる。
パイプ20の上端の開口面に対物レンズが対向するようにカメラ110を配置する。カメラ110はCCDなどの固体撮像素子を用いたカメラであり、円錐状の鏡3の鏡面30の全体が視野θに含まれる。
図示例の円錐状の鏡3は、円錐の錐面31に沿う母線が直線であり、この円錐状の鏡3を用いたときのカメラ110の視野θに対するガラスびん1の底周縁部13の撮像領域は図1においてAで示しているが、円錐状の鏡3として、図3に示すように、円錐の錐面31に沿う母線が外側へ膨らむ曲線であるものを用いれば、カメラ110の同じ視野θに対する前記撮像領域Aを広げることができる。なお、外表面に凹凸模様のあるガラスびん1を検査対象とする場合、凹凸の形態、位置、大きさなどに応じて、円錐の高さの異なる鏡3を選択して用いるとよい。
円錐の錐面31に沿う母線が直線である図2の鏡3を用いるときは、例えば、図4に示すように、鏡3を定位させる高さを、図中、h1〜h3で示す複数段階に定め、各高さ位置においてカメラ110による撮像を行って撮像領域が異なる複数個(この例では3個)の検査画像を取得し、この3個の検査画像によってガラスびん1のコーナー部分13aを含む底周縁部13を検査する。
一方、円錐の錐面31に沿う母線が外側へ膨らむ曲線である図3の鏡3を用いるときは、例えば、図5に示すように、鏡3を定位させる高さを、図中、hで示す1箇所に定め、その高さ位置においてカメラ110による撮像を行って広い撮像領域の1個の検査画像を取得し、その検査画像によってガラスびん1のコーナー部分13aを含む底周縁部13を検査する。
図6および図7は、上記のびん検査方法を具体的に実施するためのびん検査装置の一実施例を示している。図6はびん検査装置を上方から見た図、図7はびん検査装置を正面より見た図である。
図示例のびん検査装置は、細口のガラスびん1であっても検査することが可能な構成のものであり、ガラスびん1の底周縁部13に異物が存在しているかどうかを検査する。このびん検査装置はガラスびん1の製造ライン上の適所に配置されており、コンベヤ40により搬送されてきたガラスびん1をびん導出入機構4により検査位置まで導入するとともに、検査済のガラスびん1をびん導出入機構4により検査位置からコンベヤ40上へ導出する。コンベヤ40はベルトコンベヤであり、多数本のガラスびん1を直立状態で底面を支持している。
びん導出入機構4は、回転テーブル機構5と、コンベヤ40と回転テーブル機構5との間に配置される導入側および導出側の各スターホイール6A,6Bと、2個のスターホイール6A,6B間に配置されるガイド機構41と、コンベヤ40上にスターホイール6Aと対向させてコンベヤ40に沿って配備される整列コンベヤ42とで構成されている。整列コンベヤ42はスクリューコンベヤにより構成されており、コンベヤ40により搬送されてきた多数本のガラスびん1を一定間隔で一列に整列させて導入側のスターホイール6Aへ導く。上記の回転テーブル機構5、各スターホイール6A,6B、および整列コンベヤ42は同期して動作するように図示しない制御装置により制御される。
導入側のスターホイール6Aは、回転軸60Aに水平に支持される上下一対の回転板61,62を有しており、上側の回転板61の外周の等角度位置(図示例では60度)にガラスびん1の胴部14の上部を支持するためのくぼみ63が、下側の回転板62の外周の同じ角度位置にガラスびん1の胴部14の下部を支持するためのくぼみ64が、それぞれ形成されている。
導出側のスターホイール6Bも、同様の構成のものであり、回転軸60Bに水平に支持される上下一対の回転板65,66を有し、上側の回転板65の外周の等角度位置(図示例では60度)にガラスびん1の胴部14の上部を支持するためのくぼみ67が、下側の回転板66の外周の同じ角度位置にガラスびん1の胴部14の下部を支持するためのくぼみ68が、それぞれ形成されている。
ガイド機構41は、導入側のスターホイール6Aの上下の回転板61,62と向き合う側に円弧状の第1のガイド面43、導出側のスターホイール6Bの上下の回転板65,66と向き合う側に円弧状の第2のガイド面45を備えている。
検査対象のガラスびん1は、導入時、図示しない床板上に底部12が支持され、導入側のスターホイール6Aの上下の回転板61,62の各くぼみ63,64に胴部14の上下各部がそれぞれ支持されており、スターホイール6Aの回転に伴ってガイド機構41の第1のガイド面43に沿って回転テーブル機構5に向けて移動する。
検査済のガラスびん1は、導出時、図示しない床板上に底部12が支持されるとともに、導出側のスターホイール6Bの上下の回転板65,66の各くぼみ67,68に胴部14の上下各部がそれぞれ支持されており、スターホイール6Bの回転に伴ってガイド機構41の第2のガイド面45に沿ってコンベヤ40に向けて移動する。
回転テーブル機構5は、スターホイール6Aによって導入された検査対象のガラスびん1を検査位置へ導くとともに、検査済のガラスびん1を検査位置からスターホイール6Bを経てコンベヤ40へ導出するものであり、直立する固定軸54上に軸受を介して回動自由に支持される回転筒50と、回転筒50と一体回転するように間隔をあけてそれぞれ水平に設けられた第1〜第3の回転テーブル51〜53と、回転筒50の回転駆動源であるモータ55と、モータ55の回転を回転筒50へ伝達する歯車伝達機構56とを含んでいる。
第2の回転テーブル52の外周部の等角度位置には、ガラスびん1のくび部16を掴んで宙づり状態で支持するチャック機構7がそれぞれ設置されている。この実施例では、合計12個のチャック機構7が30度等角の位置に配されている。
各チャック機構7は、開閉可能な左右一対の爪71,72と、爪を開閉動作させる爪開閉機構73とを備えている。爪開閉機構73は、爪開閉駆動用の第1のカム板75のカム面76を転動するローラ74を有し、ローラ74がカム面76に乗り上がって押されることで各爪71,72が開動作し、ローラ74がカム面76より外れて押圧力より解放されることで図示しないバネの復元力を受けて閉動作する。第1のカム75は板状体であり、固定軸54上に設けられた固定板58の外周部の下面に取り付けられている。
左右の爪71,72は、ガラスびん1を掴んで宙吊り状態で保持することが可能なように、第2の回転テーブル52の外周縁より外側へ突き出ている。
図6において、回転テーブル機構5は、回転中心Pからガイド機構41へ向かう角度方向を基準角度位置(0度位置)に設定すると、0度〜30度の角度範囲が検査対象のガラスびん1をチャック機構7により掴んで保持する動作が行われる領域S1、30度〜120度の角度範囲がガラスびん1の検査に必要な内視鏡2や照明装置9の拡散照明部93(詳細は後述)を検査可能な状態に位置決めする動作が行われる領域S2、120度〜270度の角度範囲がカメラ110による撮像を行ってガラスびん1の底周縁部13を検査する領域S3、270度〜330度の角度範囲が内視鏡2や拡散照明部93をもとの待機位置に戻す動作が行われる領域S4、330度〜360度の角度範囲が検査済のガラスびん1をチャック機構7から解放する動作が行われる領域S5である。
チャック機構7は、315度の角度位置で爪71,72が開き始め、0度の基準角度位置では完全に開いた状態であり、45度の角度位置で閉じた状態になる。そのようなチャック機構7の開閉動作を実現するために、前記の爪開閉駆動用の第1のカム75のカム面76を90度の角度に設定し、この第1のカム75を、図6および図9(3)に示すように、315度〜45度の角度位置に配置している。
図示例のびん検査装置では、上記の120度〜270度の領域S3が検査位置であり、150度、180度、210度、240度の各角度位置にはそれぞれカメラ110が高さ調節可能に設置される。検査対象のガラスびん1の種類、形状、大きさなどに応じて、4台のカメラ110のうちの必要な台数のカメラ110が用いられて検査される。
前記の図4に示したびん検査方法では、内視鏡2の鏡3を定位させる高さをh1〜h3の複数段階に設定し、各高さ位置において異なる角度位置の3台のカメラ110による撮像を行って撮像領域が異なる複数個(この例では3個)の検査画像を取得するもので、内視鏡2の各高さh1〜h3に応じた高さに3台のカメラ110が位置決めされる。
一方、前記の図5に示したびん検査方法では、内視鏡2の鏡3を定位させる高さをhの1箇所に定め、その高さ位置においていずれかの角度位置の1台のカメラ110による撮像を行って広い撮像領域の1個の検査画像を取得するもので、内視鏡2の高さhに応じた高さにいずれかの1台のカメラ110が位置決めされる。なお、この実施例では図5のびん検査方法を実施している。
カメラ110で得られた検査画像は画像処理装置120に取り込まれる。画像処理装置120はカメラ110で取得した検査画像に所定の画像処理を施し、ガラスびん1の底周縁部13に異物が存在しているかどうかを判別して判別結果を出力する。
回転テーブル機構5の第1の回転テーブル51上には、第2の回転テーブル52の各チャック機構7が設置された各角度位置に、ガラスびん1の内部の底部12に近い位置とガラスびん1の口部11の上方位置との間をガラスびん1の中心線に沿って内視鏡2を支持して昇降動作させる内視鏡昇降機構8がそれぞれ配備されている。各内視鏡昇降機構8は、第1の回転テーブル51上の外周部に立設された摺動レール81と、摺動レール81に摺動自由に支持される昇降体82と、昇降体82に一体に取り付けられた内視鏡ホルダ83とで構成されている。内視鏡ホルダ83は内視鏡2のパイプ20の上端部を保持する。内視鏡ホルダ83の側面には、内視鏡昇降動作用の第2のカム85のカム面86を転動するローラ84が突設されている。
第2のカム85は、有底の筒状体より成り、筒底部の中心が固定軸54に取り付け固定されている。第2のカム85の一周する開放端面がカム面86になっており、ローラ84が回転テーブル機構5の回転に伴いカム面86を転動することにより内視鏡ホルダ83と昇降体82とが一体に摺動レール81に沿って昇降動作する。
第2のカム85のカム面86は、回転テーブル機構5が一回転する間に、内視鏡2が上方の待機位置からガラスびん1の内部の底部近くまで下降して定位した後、上方の待機位置へ上昇するように、図9(1)に示すような形状(高さ)に設定されている。このカム面86上をローラ84が転動することで、内視鏡2は、図6に示したS1,S5の各領域では上方の待機位置に定位し、S2の領域では上方の待機位置から降下してガラスびん1の内部へ進入し、S3の領域ではガラスびん1の内部の底部に近い所定の高さ位置に定位し、S4の領域ではガラスびん1の内部から抜け出て上昇し上方の待機位置に戻る。
この実施例の内視鏡2は、図3に示した形態の円錐状の鏡3、すなわち、円錐の錐面31に沿う母線が外側に膨らむ曲線であるものを用いているので、S3の領域(検査位置)では内視鏡2をガラスびん1の内部の底部12に近い一定の高さhに定位させているが(図5参照)、図2に示した形態の円錐状の鏡3、すなわち、円錐の錐面31に沿う母線が直線であるものを用いる場合は、図9(1)において一点鎖線で示すカム面86を有する第2のカム85を用いることにより、カメラ110の設置位置毎に内視鏡2を異なる高さh1〜h3に調節して定位させる(図4参照)。
図8は、この実施例で用いられる内視鏡2を示すもので、円筒状の不透明なパイプ20aの下端部に円筒状の透明なパイプ20bを連結し、下端部の透明なパイプ20bの内部に円錐状の鏡3が装着されている。各パイプ20a,20bは、ガラスびん1の口部11に対して挿脱が可能であるように、ガラスびん1の口部11の内径より小さな外径に形成されている。また、各パイプ20a、20bで構成されているパイプ20は、ガラスびん1への挿入時、下端がガラスびん1の底部12の近くまで達し、かつ上端がガラスびん1の口部11より上方へ突出するように、ガラスびん1の高さより十分に長い全長に形成されている。
第2のカム85の筒底部上には、前記した所定の角度位置(図示例では、150度、180度、210度、240度の各角度位置)に、カメラ110を高さ調節可能に支持するための支柱111が立設されている。この支柱111にはカメラ110を支持するカメラホルダ112が上下に移動可能に取り付けられている。
回転テーブル機構5の第3の回転テーブル53上には、第2の回転テーブル52の各チャック機構7が設置された角度位置に、カメラ110による撮像時にガラスびん1の底周縁部13へ周囲から拡散光を照射するための拡散照明部93がそれぞれ昇降可能に配備されている。この拡散照明部93は、光源90、光ファイバ束91、および昇降機構97とともに照明装置9を構成するもので、ガラスびん1の底部12および底周縁部13を取り囲むことが可能なように円環状になっている。
前記光源90は、カメラ110が設置される各角度位置にそれぞれ設けられており、投光部分が第3の回転テーブル53の下面と対向するように、後述する拡散照明部昇降用の第3のカム100の底部上に支柱102により支持されている。第3の回転テーブル53には、カメラ110が設置される各角度位置に開口部92がそれぞれ設けられており、第3の回転テーブル53の回転により開口部92が光源90の投光部分と向き合う角度位置にきたとき、光源90の投光部分からの光が開口部92を通って光ファイバ束91に取り込まれる。なお、図示例のびん検査装置では4個の光源90が設置しているが、使用するカメラ110に対応する光源90のみ点灯させて用いる。
光ファイバ束91は複数本の光ファイバが束ねられたものであり、一端部は端面を前記開口部92に臨ませるようにして第3の回転テーブル53の上面に固定され、他端部は前記拡散照明部93に導かれて接続されている。
図10は、拡散照明部93のひとつの具体例を示している。図示の拡散照明部93は、筒状の導光拡散板94の一方の開口面を拡散板95で塞ぐとともに、導光拡散板94の開口端面および拡散板95の下面に光ファイバ束91を構成する複数本の光ファイバ(図中、矢印で示す)の端面を臨ませて成る。導光拡散板94の外周面は粗面94aに形成されかつその周囲が反射シート96により覆われている。導光拡散板94の開口端面より内部へ導入された光は粗面94aで拡散されかつ反射シート96で反射されて導光拡散板94の内周面より導出される。拡散板95の下面に当てられた光はその拡散板95で拡散されて上面より照射される。
上記の拡散照明部93は、昇降機構97を構成する昇降ロッド98の上端に取り付けられている。昇降機構97はガラスびん1の底部12および底周縁部13を取り囲む位置とその下方位置との間をガラスびん1の中心線に沿って拡散照明部93を支持して昇降動作させる。前記昇降ロッド98は第3の回転テーブル53の下面に取り付けられた昇降ガイド99に昇降自由に支持されている。昇降ロッド98の側面には、拡散照明部昇降動作用の第3のカム100のカム面101を転動するローラ103が突設されている。
第3のカム100は、有底の半筒状体より成り、筒底部が脚104,105に支持されている。このカム100の開放された上端面は半周するカム面101になっており、ローラ103は回転テーブル機構5の回転に伴いカム面101を転動することにより昇降ロッド98が昇降ガイド99に沿って昇降動作する。
第3のカム100のカム面101は、回転テーブル機構5が一回転する間に、拡散照明部93が下方の待機位置からガラスびん1の底部12の外周まで上昇して定位した後、下方の待機位置へ下降するように、図9(2)に示すような形状(高さ)に設定されている。このカム面101上をローラ103が転動することで、拡散照明部93は、図6に示したS1,S5の各領域では下方の待機位置に定位し、S2の領域では下方の待機位置から上昇してガラスびん1の底部12の位置に達し、S3の領域ではガラスびん1の底部12の位置に定位し、S4の領域では下降動作して下方の待機位置に戻る。
なお、内視鏡2を複数段階に定位させて撮像する場合には、第3のカム100として、第2のカム85の図9(1)で一点鎖線で示したカム面86に合わせて、図9(2)で一点鎖線で示したカム面101のものを用いてもよい。
上記した構成のびん検査装置によりガラスびん1の底周縁部13を検査するには、びん導出入機構4を構成する整列コンベヤ42およびスターホイール6Aにより検査対象のガラスびん1をコンベヤ40から次々に回転テーブル機構5に導いてチャック機構7により保持する。チャック機構7により宙吊り状態に保持されたガラスびん1は回転テーブル機構5の回転に伴ってカメラ110が設置されている検査位置へ導かれる。
ガラスびん1が検査位置へ導かれる過程において、内視鏡昇降機構8は内視鏡2をガラスびん1の上方位置から下降動作させてガラスびん1の内部へ進入させ、円錐状の鏡3をガラスびん1の内部の所定の高さ位置で定位させるとともに、照明装置9の昇降機構97は拡散照明部93をガラスびん1の底部12を取り囲む位置まで上昇させ、ガラスびん1の底周縁部13へ周囲から拡散光を照射させる。
内視鏡2のパイプ20bは透明であるので、円錐状の鏡3の鏡面30にガラスびん1の底周縁部13の全周にわたる像が写り、この鏡面30に写った像がカメラ110により上方から撮像されて検査画像が取得される。カメラ110により取得された検査画像は画像処理装置120に取り込まれ、ガラスびん1の底周縁部13に異物が存在しているかどうかが精度良く判別される。検査済のガラスびん1は回転テーブル機構5の回転に伴って検査位置からスターホイール6Bへ移送されてコンベヤ40へ導出される。
上記したガラスびんの検査において、検査対象のガラスびん1の底周縁部に異物が存在する場合、カメラ110により取得される検査画像に異物の画像が現れ、画像処理装置120において、画像の2値化処理などにより異物の画像を切り出すことにより異物の存在が判別される。多種類の異物のうち失透異物のような歪を伴う異物についてその画像を切り出すための第1の方法は、2個の円偏光板とも右円偏光板または左円偏光板のいずれか1種類用いる方法であり、図11に示すように、照明装置9からの拡散光を第1の円偏光板130(例えば右円偏光板)により円偏光させてガラスびん1へ照射し、ガラスびん1の検査すべき箇所の画像を第2の円偏光板140(例えば右円偏光板)を介してカメラ110により撮像する。第1、第2の各円偏光板130,140は、直線偏光板131と1/4波長板132とがはり合わされたものであり、第1の円偏光板130は直線偏光板131を照明装置9に向けて配置され、第2の円偏光板140は直線偏光板131をカメラ110に向けて配置されている。
例えば、第1、第2の各円偏光板130,140が右円偏光板である場合、第1の円偏光板130による右回転の円偏光は、ガラスびん1を通って右円偏光板である第2の円偏光板140を透過するので、カメラ110で撮像される画像は明るい部分、暗い部分がそのまま明部、暗部として現れる画像となる。ところが、ガラスびん1に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板140で遮光され、異物の画像は明るい背景に対して暗部として現れる(「ダークオン方式」)。
図12は、カメラ110で取得されたガラスびん1の画像Gであり、ガラス生地や背景などの明るい部分がそのまま明部として現れている。図中、G1がガラスびん1の画像、G2が背景の画像、G3が異物の画像であり、異物の画像G3は明るい背景に対して暗部として現れている。なお、図示していないが、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)も暗部として現れる。また、図示していないが、ガラスびん1の柄、模様、影なども暗部となって現れるので、異物の画像と柄などの画像との切り分けが必要である。
失透異物のような歪を伴う異物についてその画像を切り出すための第2の方法は、右円偏光板と左円偏光板の2種類の円偏光板を用いる方法であり、図13に示すように、照明装置9からの拡散光を第1の円偏光板130(例えば右円偏光板)により円偏光させてガラスびん1へ照射し、ガラスびん1の検査すべき部分の画像を第2の円偏光板140(例えば左円偏光板)を介してカメラ110により撮像する。第1、第2の各円偏光板130,140は、直線偏光板131と1/4波長板132とがはり合わされたものであり、第1の円偏光板130は直線偏光板131を照明装置9に向けて配置され、第2の円偏光板140は直線偏光板131をカメラ110に向けて配置されている。
例えば、第1の円偏光板130が右円偏光板、第2の円偏光板140が左円偏光板である場合、第1の円偏光板130による右回転の円偏光は、ガラスびん1を通って左円偏光板である第2の円偏光板140で遮光されるため、カメラ110で撮像される画像は明るい部分が暗部となって現れる暗い画像となる。ところが、ガラスびん1に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板140を透過し、異物の画像は暗い背景に対して明部として現れる(「ライトオン方式」)。
図14は、カメラ110で取得された画像Gであり、ガラス生地や背景などの明るい部分が暗部となって現れる暗い画像となっている。図中、G1がガラスびん1の画像、G2が背景の画像、G3が異物の画像であり、異物の画像G3は暗部の背景となる画像に対して明部として現れている。なお、図示していないが、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)は暗部となって埋没してしまうので、この種の異物の有無を判別するには明るい部分、暗い部分がそのまま明部、暗部として現れる画像を別途取得する必要がある。
図15は、「ダークオン方式」によるびん検査装置の主要構成を示している。なお、図中、前記の図7に示したびん検査装置の構成に対応する構成は同じ符号を付することで説明を省略する。同図において、照明装置9を構成する拡散照明部93の内面に沿って第1の円偏光板130を配設することにより拡散照明部93とガラスびん1の底周縁部との間に第1の円偏光板130を介在させるとともに、カメラ110の対物レンズの手前に第2の円偏光板140を配設することによりカメラ110と内視鏡2のパイプ20の上端面との間に第2の円偏光板140を介在させている。拡散照明部93からの拡散光は第1の円偏光板130により円偏光されてガラスびん1の底周縁部へ周囲から照射される。また、内視鏡2の円錐状の鏡3の鏡面に写ったガラスびん1の底周縁部の全周にわたる像は第2の円偏光板140を介してカメラ110により撮像される。
この「ダークオン方式」は、第1の円偏光板130と第2の円偏光板140とが、その一方が右円偏光板、他方が左円偏光板である。例えば、図15に示すように、第1の円偏光板130が右円偏光板、第2の円偏光板140が左円偏光板である場合、第1の円偏光板130による右回転の円偏光は、ガラスびん1の底周縁部を通って内視鏡2の円錐状の鏡3の鏡面で反射するとき、左回転の円偏光となり、左円偏光板である第2の円偏光板140を透過するので、カメラ110で撮像される画像は明るい部分、暗い部分がそのまま明部、暗部として現れる画像となる。ところが、ガラスびん1の底周縁部に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板140で遮光され、異物の画像は明るい背景に対して暗部として現れる。
図16は、「ライトオン方式」によるびん検査装置の主要構成を示している。なお、図中、前記の図7に示したびん検査装置の構成に対応する構成は同じ符号を付することで説明を省略する。この「ライトオン方式」は、第1、第2の円偏光板130,140として右円偏光板または左円偏光板を用いたもので、図15に示したものと同様、照明装置9を構成する拡散照明部93の内面に沿って第1の円偏光板130を配設することにより拡散照明部93とガラスびん1の底周縁部との間に第1の円偏光板130を介在させるとともに、カメラ110の対物レンズの手前に第2の円偏光板140を配設することによりカメラ110と内視鏡2のパイプ20の上端との間に第2の円偏光板140を介在させている。
例えば、図16に示すように、第1、第2の各円偏光板130,140が右円偏光板である場合、第1の円偏光板130による右回転の円偏光は、ガラスびん1の底周縁部を通って内視鏡2の円錐状の鏡3の鏡面で反射するとき、左回転の円偏光となり、右円偏光板である第2の円偏光板140で遮光されるので、カメラ110で撮像される画像は明るい部分が暗部となって現れる暗い画像となる。ところが、ガラスびん1の底周縁部に失透異物のような歪みを伴う異物が存在する場合、その異物を透過する光は偏光の向きが変えられる結果、第2の円偏光板140を透過し、異物の画像は暗い背景に対して明部として現れる。
なお、上記の「ダークオン方式」は、ガラスびん1の柄、模様、影なども暗部となって現れるという短所が、また、「ライトオン方式」は、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)が暗部となって埋没するという短所が、それぞれ存在するので、検査を行うガラスびんの種類に応じて、また、検査精度のさらなる向上のために、前記の図6に示されるS3の領域中に、この「ダークオン方式」の検査部と「ライトオン方式」の検査部とを順不同で併設することもできる。この場合、「ダークオン方式」の検査部では、第2の円偏光板140を用いなくても、歪みを伴わない異物(例えば黒い汚れ)はカメラ110の撮像画像に暗部となって現れるので、第2の円偏光板140はあってもなくてもよい。
1 ガラスびん
11 口部
12 底部
13 底周縁部
2 内視鏡
20 パイプ
3 鏡
30 鏡面
4 びん導出入機構
5 回転テーブル機構
51,52,53 回転テーブル
7 チャック機構
8 内視鏡昇降機構
9 照明装置
93 拡散照明部
110 カメラ
130,140 円偏光板

Claims (9)

  1. 透明または半透明の検査対象の容器の底周縁部を容器の内側より撮像して検査するための容器検査方法であって、内視鏡として円錐状の鏡を用いたものを検査対象の容器の口部より容器の内部へ挿入して所定の高さ位置に定位させ、円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を容器の口部の上方からカメラにより撮像して検査画像を取得し、その検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査することを特徴とする容器検査方法。
  2. 前記内視鏡の円錐状の鏡は、錐面に沿う母線が直線である請求項1に記載された容器検査方法。
  3. 前記内視鏡の円錐状の鏡は、錐面に沿う母線が外側へ膨らむ曲線である請求項1に記載された容器検査方法。
  4. 前記内視鏡を定位させる高さを複数段階に設定して各高さ位置での検査画像を取得し、取得した複数の検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査する請求項1〜3のいずれかに記載された容器検査方法。
  5. 透明または半透明の検査対象の容器の底周縁部を容器の内側より撮像して検査するための容器検査装置であって、検査位置へ検査対象の容器を導きかつ検査済の容器を検査位置より導出する容器導出入機構と、容器の口部の内径より小さな外径と容器の高さより大きな長さとを有するパイプの下端部に円錐状の鏡が取り付けられた内視鏡と、容器の底部を取り囲むように配置され容器の底周縁部へ周囲から拡散光を照射する照明装置と、容器の内部の所定の高さ位置と容器の口部の上方位置との間を容器の中心線に沿って内視鏡を昇降動作させる内視鏡昇降機構と、容器の内部に挿入された内視鏡の上方位置より内視鏡の円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を撮像して検査画像を取得するカメラと、カメラにより取得した検査画像によって容器の底周縁部に異物が存在しているかどうかを検査する画像処理装置とを備えて成る容器検査装置。
  6. 請求項5に記載された容器検査装置であって、前記照明装置と容器の底周縁部との間に介在させる第1の円偏光板と、前記カメラと内視鏡のパイプの上端面との間に介在させる第2の円偏光板とをさらに備え、照明装置からの拡散光を第1の円偏光板により円偏光させて容器の底周縁部へ周囲から照射し、内視鏡の円錐状の鏡の鏡面に写った容器の底周縁部の全周にわたる像を第2の円偏光板を介してカメラにより撮像するようにした容器検査装置。
  7. 第1の円偏光板と第2の円偏光板とは、その一方が右円偏光板、他方が左円偏光板である請求項6に記載された容器検査装置。
  8. 第1の円偏光板と第2の円偏光板とは、いずれもが右円偏光板または左円偏光板である請求項6に記載された容器検査装置。
  9. 前記容器導出入機構は、外周部の等角度位置に検査対象の容器を支持するチャック機構がそれぞれ配設された回転テーブル機構を含んでおり、回転テーブル機構の外周部沿いに前記カメラが設置されるとともに、回転テーブル機構の各チャック機構の配設角度位置に前記内視鏡と前記照明装置と前記内視鏡昇降機構とが回転テーブル機構と一体に回動するようにそれぞれ配置されている請求項5〜8のいずれかに記載された容器検査装置。
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