JP2011149298A - エンジン自動停止始動制御装置 - Google Patents

エンジン自動停止始動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの再始動が失敗した後に再び再始動を試みるにあたり、スムーズにその再始動を実施できるようにしたエンジン自動停止始動制御装置を提供する。
【解決手段】ピニオンを回転駆動するモータと、ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み合わせるアクチュエータとを個別に作動可能なスタータを備え、エンジン自動停止要求が発生したときにエンジンを自動停止させ、エンジン再始動要求が発生したときにエンジンを再始動させるエンジン自動停止始動制御装置であることを前提とする。そして、前記再始動が失敗したことを検出する検出手段S201を備え、前記検出手段S201により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記再始動の実施を禁止する(S203)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、エンジン自動停止要求が発生したときにエンジンを自動停止させ、エンジン再始動要求が発生したときにエンジンを再始動させるエンジン自動停止始動制御装置に関する発明である。
近年、エンジン(内燃機関)を搭載した車両においては、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、エンジン自動停止始動制御システム(いわゆるアイドルストップ制御システム)を採用したものがある。このエンジン自動停止始動制御システムは、例えば、運転者が車両を停車させたときにエンジンを自動的に停止させ、その後、運転者が車両を発進させようとする操作を行ったときに自動的にスタータでエンジンをクランキングして再始動させるようにしている。
一般に、スタータは、モータでピニオンを回転させると共に、アクチュエータでピニオンを押し出して該ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み合わせてリングギヤを回転駆動することで、エンジンをクランキングするようになっている。しかし、ピニオンとリングギヤの回転速度の差が大きい状態でピニオンをリングギヤに噛み合わせようとすると、ピニオンがリングギヤにスムーズに噛み合わずに騒音が発生する可能性がある。
そこで、特許文献1に記載されているように、エンジン自動停止要求が発生した直後でエンジンの自動停止によりエンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生した場合には、その後、エンジン回転(リングギヤの回転)が停止直前の低回転になってから、スタータのピニオンを押し出してリングギヤに噛み合わせ、その後、ピニオンを回転させてクランキングを開始させることで、エンジンを再始動させるようにしたものがある。以下、この手法による再始動を「先出し制御」と記載する。
しかし、この先出し制御では、エンジン再始動要求が発生した後、エンジン回転がほぼ停止するまで待ってからクランキングを開始させるため、エンジン再始動要求からエンジンを再始動させるまでの遅れが大きくなってしまい、運転者にエンジンの再始動が遅いと感じさせてしまう可能性がある。
この対策として、特許文献2,3に記載されているように、エンジンの自動停止によるエンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生したときに、ピニオンの回転速度をリングギヤの回転速度に同期させて両者の回転速度の差を小さくした後に、ピニオンを押し出してリングギヤに噛み合わせてクランキングを開始させることで、エンジンを再始動させるようにしたものがある。以下、この手法による再始動を「先回し制御」と記載する。
但し、エンジン再始動要求発生時点でのエンジン回転速度がある程度高い場合には、スタータによるクランキングを行わずとも燃料を噴射させればエンジンを再始動させることができる。以下、この手法による再始動を「自律復帰制御」と記載する。
そこで、特許文献3では、エンジン再始動要求発生時点でのエンジン回転速度が、第1の回転速度よりも高い第1の回転速度領域であれば自律復帰制御を実施し、第1の回転速度以下で第2の回転速度よりも高い第2の回転速度領域であれば先回し制御を実施し、第2の回転速度以下の第3の回転速度領域であれば先出し制御を実施している。
特開2002−122059号公報 特開2005−330813号公報 特開2002−70699号公報
しかし、自律復帰制御を実施しても、所望する燃焼が得られない等のエンジンの不調により再始動に失敗する場合がある。また、先回し制御を実施しても、正確に同期できていない状態でピニオンを押し出すことでリングギヤへの噛み合わせに失敗したり、ピニオン又はリングギヤの歯部が経年劣化(磨耗)していることにより前記噛み合わせに失敗したりして、再始動に失敗する場合がある。また、先出し制御を実施しても、上記経年劣化に起因して噛み合わせに失敗して再始動に失敗する場合がある。
そして、上記特許文献3記載の制御手法では、例えば自律復帰制御による再始動に失敗すると、エンジン回転速度が第2の回転速度領域にまで降下することに伴い先回し制御が実施されることとなる。しかし、再始動に失敗した直後のエンジン回転速度の挙動は予測困難であるとともに、スタータのモータも惰性で回転した状態であるためモータ回転速度を把握することも困難である。よって、再始動失敗後のエンジン回転降下期間中に先回し制御を実施する場合には、同期したタイミングでピニオンを噛み合わせることは極めて困難となる。そのため、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができず、リングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷が懸念される。
また、先回し制御による再始動失敗の後に、エンジン回転速度が第3の回転速度領域にまで降下することに伴い先出し制御を実施する場合においても、再始動失敗直後のエンジン回転速度の挙動は予測困難であるため第2の回転速度領域の時にピニオンを押し出してしまうことが懸念される。そのため、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができず、リングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷が懸念される。
また、自律復帰制御による再始動失敗の後に、エンジン回転速度が第1の回転速度領域であることに伴い自律復帰制御を再び実施する場合においても、再始動失敗直後のエンジン回転速度の挙動は予測困難であるため第2の回転速度領域の時に自律復帰制御を実施してしまうことが懸念され、この場合には再び再始動が失敗することとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジンの再始動が失敗した後に再び再始動を試みるにあたり、スムーズにその再始動を実施できるようにしたエンジン自動停止始動制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、ピニオンを回転駆動するモータと、前記ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み合わせるアクチュエータとを個別に作動可能なスタータを備え、エンジン自動停止要求が発生したときにエンジンを自動停止させ、エンジン再始動要求が発生したときにエンジンを再始動させるエンジン自動停止始動制御装置であることを前提とする。そして、前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点からエンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記再始動の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、再始動の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。
なお、上記発明では、エンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合(ケース1)と、エンジン回転停止中に再始動要求が発生した場合(ケース2)の両方を想定しており、ケース2の場合、失敗した再始動により僅かにエンジン回転速度が上昇し、その後降下してゼロになるまでの期間に、再始動の実施を禁止するものである。また、以下に説明する請求項2〜5については、前記ケース1を想定したものである。
請求項2記載の発明では、自動停止によるエンジン回転降下期間中にエンジン回転速度が第1の回転速度よりも高い第1の回転速度領域で再始動要求が発生したときに、クランキングを行わずに燃料噴射を再開して再始動させる自律復帰制御手段と、前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第1の回転速度以下で第2の回転速度よりも高い第2の回転速度領域で再始動要求が発生したときに、前記ピニオンの回転速度を前記リングギヤの回転速度に同期させた後に前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせて再始動させる先回し制御手段と、前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第2の回転速度以下の第3の回転速度領域で再始動要求が発生したときに、前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中に前記ピニオンを回転させて再始動させる先出し制御手段と、を備える。
そしてさらに、前記自律復帰制御、前記先回し制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記自律復帰制御、前記先回し制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御のいずれかによる再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。また、自律復帰制御が失敗した直後に再び自律復帰制御が失敗するといった不具合を回避できる。
請求項3記載の発明では、上述した自律復帰制御手段及び先出し制御手段を備えるとともに、前記自律復帰制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記自律復帰制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、自律復帰制御及び先出し制御のいずれかによる再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、自律復帰制御及び先出し制御の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。また、自律復帰制御が失敗した直後に再び自律復帰制御が失敗するといった不具合を回避できる。
請求項4記載の発明では、上述した先回し制御手段及び先出し制御手段を備えるとともに、前記先回し制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記先回し制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、先回し制御及び先出し制御のいずれかによる再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、先回し制御及び先出し制御の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。
請求項5記載の発明では、上述した先出し制御手段を備えるとともに、前記先出し制御による前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、先出し制御による再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、先出し制御の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。
請求項6記載の発明では、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、前記エンジン回転速度がゼロになった以降に前記先出し制御を実施することを特徴とする。一方、請求項7記載の発明では、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出の後に運転者による始動操作がなされたことを条件として、前記再始動を実施することを特徴とする。
要するに、再始動に失敗した後の対処として、請求項5記載の発明ではエンジン回転速度がゼロになった以降に自動で再始動を行うので、1度再始動に失敗しても自動で再び再始動を行うことによりエンジン再始動要求を満たすようにできる。但しこの場合には、再始動要求が発生してから2度目の再始動が実施されるまでのタイムラグが長くなるので、運転者に違和感を与えることが懸念される。この懸念に対し、上記請求項7記載の発明では、運転者が始動操作をしない限り自動で再始動を行うことはしないので、前記違和感を回避できる。
ところで、上述した自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御は、エンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合の制御であるが、エンジン回転が停止している時に再始動要求が発生した場合には、先出し制御と同様にしてピニオンを押し出してリングギヤに噛み合わせた後、ピニオンを回転させて再始動させる。以下、この手法による再始動を「通常制御」と記載する。
また、エンジン回転降下期間中にエンジン回転速度がゼロとなる直前の所定回転速度まで低下したときに、再始動要求の発生に先立ちピニオンを押し出してリングギヤに噛み合わせておく「プリセット制御」が従来より知られている。このプリセット制御を実施しておけば、その後に再始動要求が発生した時にはピニオンを回転駆動させるだけでよくなるため、通常制御で要するピニオンの押し出し時間を短縮して再始動させることができる。
しかし、通常制御を実施しても、上記経年劣化に起因して噛み合わせに失敗して再始動に失敗することがある。また、プリセット制御を実施しても上記経年劣化に起因して噛み合わせに失敗することがある。そして、これらの噛み合わせ失敗直後にはエンジン回転速度又はスタータのモータ回転速度を把握することが困難となるため、失敗直後に通常制御又はプリセット制御を実施しようとすると、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができず、リングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷が懸念される。
この懸念に対し、請求項8記載の発明では、上述したプリセット制御を実施するプリセット制御手段を備えるとともに、前記プリセット制御による前記噛み合わせが失敗したことを検出する検出手段を備え、前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記プリセット制御の実施を禁止することを特徴とする。
これによれば、プリセット制御による噛み合わせが失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、プリセット制御の実施が禁止されるので、「プリセット制御による噛み合わせ失敗後に再びプリセット制御を試みることによりリングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができずにリングギヤ又はピニオンが磨耗損傷する」といった不具合を回避できる。
ちなみに、上記請求項2〜7のいずれか1つに記載の発明では、エンジンの自動停止によりエンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生した場合の再始動失敗時の対処手法であるが、上記請求項1記載の発明は、このような対処手法に限定されるものではなく、例えば先述した通常制御による再始動が失敗した時の対処手法をも含むものである。すなわち、例えば通常制御による再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度やスタータのモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、通常制御等による再始動の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤにピニオンをスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ又はピニオンの著しい磨耗損傷を回避できる。
本発明の第1実施形態にかかるエンジン自動停止始動制御装置が適用される、エンジン始動制御システムの概略構成図。 第1実施形態にかかるエンジン再始動制御を説明するタイムチャート。 第1実施形態にかかる先回し制御を説明するタイムチャート。 第1実施形態にかかる先出し制御を説明するタイムチャート。 第1実施形態にかかるエンジン再始動制御ルーチンの処理を説明するフローチャート。 自律復帰制御が失敗した後に、エンジン回転速度が脈動しながら低下していく様子を示すタイムチャート。 第1実施形態にかかる失敗時再始動制御ルーチンの処理を説明するフローチャート。 第1実施形態にかかるプリセット失敗時制御ルーチンの処理を説明するフローチャート。 本発明の第2実施形態にかかる失敗時再始動制御ルーチンの処理を説明するフローチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、第2実施形態のハード構成は、図1に示す第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1に基づいてエンジン始動制御システムの概略構成を説明する。
スタータ11は、いわゆるピニオン押し出し式スタータであり、モータ12と、このモータ12によって回転駆動されるピニオン13と、このピニオン13を押し出す電磁アクチュエータ14等を備えた構成となっている。ピニオン13は、軸方向に移動可能に設けられている。電磁アクチュエータ14には、プランジャ15と、このプランジャ15を駆動するソレノイド16が設けられ、プランジャ15の駆動力がレバー17等を介してピニオン13に伝達されるようになっている。
また、バッテリ18と電磁アクチュエータ14との間には、リレー19が設けられ、ECU20(エンジン制御回路)によってリレー19をオンして電磁アクチュエータ14の通電をオンすることで、プランジャ15をピニオン押出方向に移動させてピニオン13を押し出して、該ピニオン13をエンジン21のクランク軸22に連結されたリングギヤ23に噛み合わせるようになっている。
更に、バッテリ18とモータ12との間には、機械式のリレー25と、このリレー25をオン/オフするためのスイッチング素子24が設けられ、ECU20によってスイッチング素子24をオンしてリレー25をオンすることで、モータ12の通電をオンしてピニオン13を回転駆動するようになっている。
ECU20は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてエンジン21の燃料噴射量や点火時期を制御する。
また、ECU20は、図示しないエンジン自動停止始動制御ルーチンを実行することで、エンジン自動停止始動制御(いわゆるアイドルストップ制御)を実行する。このエンジン自動停止始動制御では、車両の走行中に運転者が減速操作(アクセル全閉、ブレーキ操作等)を行って減速要求が発生したときや、車両を停車させたときにエンジン自動停止要求が発生したと判断して、エンジン21の燃焼(燃料噴射及び/又は点火)を停止させてエンジン21を自動的に停止させる。その後、車両の走行中に減速要求が解除されたときや、車両の停止中に運転者が車両発進のための準備操作(ブレーキ解除、シフトレバー操作等)や発進操作(アクセル踏み込み等)を行ったときにエンジン再始動要求が発生したと判断して、エンジン21を再始動させる。
その際、本実施形態では、ECU20により後述する図5のエンジン再始動制御ルーチンを実行することで、エンジン21の再始動制御を次のようにして行う。
図2のタイムチャートに示すように、エンジン運転中にエンジン自動停止要求が発生すると、エンジン21の燃焼が停止されてエンジン21が自動停止される。
<自律復帰制御>
エンジン21の自動停止によりエンジン回転速度Neが降下するエンジン回転降下期間中に、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1(例えば500rpm)よりも高い第1の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生したときには、スタータ11によるクランキングを行わなくてもエンジン21を再始動できると判断して、自律復帰制御を実行する。この自律復帰制御では、スタータ11によるクランキングを行わずに燃料噴射及び点火を再開してエンジン21を再始動させる。
これにより、エンジン再始動要求が発生したときに、直ちにエンジン21の燃焼を再開してエンジン21を速やかに再始動させることができる。しかも、スタータ11によるクランキングを行わないため、スタータ11の電力消費量を0にすることができると共に、ピニオン13とリングギヤ23の回転速度の差が大きい状態でピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせることを回避して、騒音の発生を防止することができる。
<先回し制御>
エンジン21の自動停止によるエンジン回転降下期間中に、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1以下で第2の回転速度N2(例えば250rpm)よりも高い第2の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生したときには、リングギヤ23の回転速度が比較的高いため、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させないと、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができないと判断して、先回し制御を実行する。この先回し制御では、モータ12によりピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させて両者の回転速度の差を小さくした後に、電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。
具体的には、図3に示すように、エンジン回転速度Neが第2の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生した時点t1で、モータ12の通電をオンしてモータ12によりピニオン13を回転させ、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が±200rpmの範囲内になった時点t2で、ピニオン13の回転速度がリングギヤ23の回転速度に同期したと判断して、電磁アクチュエータ14の通電をオンしてピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。ここで、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差における「回転速度差」とは、「クランク軸22に換算した回転速度差」を意味する(以下、同様)。
このようにすれば、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせて騒音の発生を防止しながら、エンジン再始動要求からエンジン21を再始動させるまでの遅れを少なくすることができる。しかも、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との同期を判断する際の回転速度の検出精度をあまり高くする必要がないため、例えば、リングギヤ23の回転速度を精度良く検出できる高価なクランク角センサやピニオン13の回転速度を精度良く検出できる高価な回転速度センサを設ける必要がなく、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができる。
本実施形態では、リングギヤ23の直径(歯先の外径)が300mmで、ピニオン13の直径(歯先の外径)が30mmである。この場合、例えば、リングギヤ23の回転速度が300rpmで、ピニオン13の回転速度が1000rpmのときに、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差(クランク軸22に換算した回転速度差)が200rpmになる。このとき、リングギヤ23の直径が300mmで回転速度が300rpmであるため、リングギヤ23のピッチ円上(ピニオン13の歯車ところがり接触する仮想の円上)の周速度は約4.7m/秒となる。また、ピニオン13の直径が30mmで回転速度が1000rpmであるため、ピニオン13のピッチ円上(リングギヤ23の歯車ところがり接触する仮想の円上)の周速度は約1.6m/秒となる。これにより、リングギヤ23のピッチ円上の周速度とピニオン13のピッチ円上の周速度との周速度差は約3.1m/秒となる。従って、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が±200rpmの範囲内になるとは、リングギヤ23のピッチ円上の周速度とピニオン13のピッチ円上の周速度との周速度差が±3.1m/秒の範囲内になることである。
本発明者らは、ピニオン13とリングギヤ23の噛み合い時の音圧を測定する試験を行った。この試験結果より、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が±250rpmの範囲内の場合、好ましくはリングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が±200rpmの範囲内(つまりリングギヤ23のピッチ円上の周速度とピニオン13のピッチ円上の周速度との周速度差が±3.1m/秒の範囲内)の場合に、ピニオン13とリングギヤ23の噛み合い時の音圧を十分に低減できることが確認された。
尚、スタータ11に、エンジン回転方向においてモータ12からピニオン13へ動力を伝達するが、ピニオン13からモータ12へ動力を伝達しないワンウエイクラッチが設けられたシステムの場合には、先回し制御の際に、リングギヤ23の回転速度がピニオン13の回転速度よりも高く且つリングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が所定値(例えば200rpm)以下になったときにピニオン13の回転速度がリングギヤ23の回転速度に同期したと判断するようにしても良い。ここで、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が200rpm以下になるとは、リングギヤ23のピッチ円上の周速度とピニオン13のピッチ円上の周速度との周速度差が3.1m/秒以下になることである。
このようにすれば、ピニオン13の回転速度がリングギヤ23の回転速度に同期したと判断してピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせる際に、リングギヤ23の回転速度がピニオン13の回転速度よりも高いときにピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるが、ワンウエイクラッチが空転してスタータ11に加わる衝撃を緩和することができ、その後、フリクションによるエンジン回転速度(リングギヤ23の回転速度)の低下とモータ12の回転速度(ピニオン13の回転速度)の上昇に伴って、リングギヤ23の回転速度とピニオン13の回転速度との回転速度差が0になったときに、ワンウエイクラッチがロックしてモータ12からピニオン13へ動力が伝達され始める。このような挙動により、ピニオン13をリングギヤ23に比較的スムーズに噛み合わせることができ、スタータ11の構成部品への衝撃も少なく、強度的に余裕を持たせることができる。
<先出し制御>
エンジン21の自動停止によるエンジン回転降下期間中に、エンジン回転速度Neが第2の回転速度N2以下の第3の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生したときには、リングギヤ23の回転速度が比較的低いため、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させなくても、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができると判断して、先出し制御を実行する。この先出し制御では、電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中にモータ12によりピニオン13を回転させてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。
具体的には、図4に示すように、エンジン回転速度Neが第3の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生した時点t3で、電磁アクチュエータ14の通電をオンしてピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせ、ピニオン13とリングギヤ23の噛み合わせが完了した時点t4又はその噛み合わせの途中の時点で、モータ12の通電をオンしてモータ12によりピニオン13を回転させてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。
このようにすれば、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせて騒音の発生を防止しながら、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させる処理を省略することができるため、その分、スタータ11によるクランキングの開始を早くしてエンジン21を速やかに再始動させることができると共に、スタータ11の電力消費量を低減することができる。
尚、エンジン21の再始動制御の際に、エンジン回転速度Ne(リングギヤ23の回転速度)は、例えば、エンジン自動停止要求の発生(又はエンジン21の燃焼停止)からの経過時間をパラメータとするエンジン回転速度Neのマップを参照して、エンジン自動停止要求の発生(又はエンジン21の燃焼停止)からの経過時間に応じたエンジン回転速度Neを推定(算出)する。エンジン回転速度Neのマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU20のROMに記憶されている。一般に、エンジン自動停止要求が発生してエンジン21の燃焼が停止されてからの時間経過に伴ってエンジン回転速度Neが低下するため、エンジン自動停止要求の発生(又はエンジン21の燃焼停止)からの経過時間からエンジン回転速度Neを推定することができる。
また、ピニオン13の回転速度は、例えば、モータ12の通電時間(通電開始後の経過時間)と通電電流(例えばデューティ比)とをパラメータとするピニオン13の回転速度のマップを参照して、モータ12の通電時間と通電電流とに応じたピニオン13の回転速度を推定(算出)する。ピニオン13の回転速度のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU20のROMに記憶されている。一般に、モータ12の通電開始後の時間経過に伴ってモータ12の回転速度が上昇してピニオン13の回転速度が上昇し、その際、モータ12の通電電流が大きいほどモータ12の回転速度が速くなってピニオン13の回転速度が速くなるため、モータ12の通電時間や通電電流からピニオン13の回転速度を推定することができる。
<プリセット制御>
エンジン21の自動停止によるエンジン回転降下期間中に、エンジン再始動要求が発生しなかった場合であっても、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3(N3≦N2)まで低下したときには、プリセット制御を実行する。このプリセット制御では、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3まで低下したときに、電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせて、その後、エンジン再始動要求が発生したときに、モータ12によりピニオン13を回転させてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させるようにしている。
このようにすれば、その後に再始動要求が発生した時にはピニオン13を回転駆動させるだけでよくなるため、再始動要求発生後にピニオン13を押し出してから回転駆動させる場合に比べて、ピニオン13の押し出し時間を短縮できる。よって、エンジン21を速やかに再始動させることができる。
さらに、プリセット制御を実行することにより、エンジン回転が停止する間際のエンジン揺動期間(エンジン21の逆回転と正回転を交互に繰り返す期間(図2参照))よりも前に、ピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせておくことができる。よって、エンジン揺動期間中にピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせることを回避して、スタータ11の破損や騒音の発生を防止することができる。そして、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3以下に低下した後にエンジン再始動要求が発生したときに、その時点で、スタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を速やかに再始動させることができる。
以上説明した本実施形態のエンジン21の再始動制御は、ECU20によって図5のエンジン再始動制御ルーチンに従って実行される。以下、図5のエンジン再始動制御ルーチンの処理内容を説明する。
図5に示すエンジン再始動制御ルーチンは、ECU20の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップS101で、エンジン自動停止制御中(例えば、エンジン21の燃焼停止から再始動制御が開始されるまでの期間)であるか否かを判定し、エンジン自動停止制御中ではないと判定されれば、ステップS103以降の再始動制御に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップS101で、エンジン自動停止制御中であると判定された場合には、ステップS102に進み、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3(例えば100rpm)よりも高いか否かを判定する。このステップS102で、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3よりも高いと判定された場合には、ステップS103に進み、エンジン再始動要求が発生したか否かを判定し、エンジン再始動要求が発生したと判定された時点で、ステップS104に進み、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1よりも高いか否かによって、エンジン回転速度Neが第1の回転速度領域であるか否かを判定する。
ここで、第1の回転速度N1は、例えば300〜700rpmの範囲内(本実施形態では500rpm)に設定されている。エンジン回転降下期間中に、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1(300〜700rpm)よりも高いときには、スタータ11によるクランキングを行わなくても燃焼(燃料噴射・点火)を再開するだけでエンジン21を再始動できるため、第1の回転速度N1を300〜700rpmの範囲内に設定すれば、第1の回転速度N1(300〜700rpm)よりも高い第1の回転速度領域が、スタータ11によるクランキングを行わずに燃料噴射及び点火を再開してエンジン21を再始動できる領域となる。
このステップS104で、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1よりも高いと判定された場合(つまりエンジン回転速度Neが第1の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生した場合)には、スタータ11によるクランキングを行わなくてもエンジン21を再始動できると判断して、ステップS105(自律復帰制御手段)に進み、自律復帰制御を実行する。この自律復帰制御では、スタータ11によるクランキングを行わずに燃料噴射及び点火を再開してエンジン21を再始動させる。
この後、ステップS106に進み、エンジン21の始動が完了したか否かを、例えばエンジン回転速度Neが始動完了判定値Nth(図6参照)を越えたか否かによって判定し、エンジン21の始動が完了していないと判定された場合には、上記ステップS104に戻り、エンジン回転速度Neが第1の回転速度領域であれば、自律復帰制御を継続する(ステップS104、104)。その後、ステップS106で、エンジン21の始動が完了したと判定されれば、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップS104で、エンジン回転速度Neが第1の回転速度N1以下であると判定された場合には、ステップS107に進み、エンジン回転速度Neが第2の回転速度N2よりも高いか否かによって、エンジン回転速度Neが第2の回転速度領域であるか第3の回転速度領域であるかを判定する。
ここで、第2の回転速度N2は、例えば50〜450rpmの範囲内(本実施形態では250rpm)に設定されている。エンジン回転降下期間中に、エンジン回転速度Neが第2の回転速度N2(50〜450rpm)以下に低下すれば、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させなくても、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができるため、第2の回転速度を50〜450rpmの範囲内に設定すれば、第2の回転速度N2(50〜450rpm)以下の第3の回転速度領域が、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させなくても、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができる領域となる。
このステップS107で、エンジン回転速度Neが第2の回転速度N2よりも高いと判定された場合(つまりエンジン回転速度Neが第2の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生した場合)には、リングギヤ23の回転速度が比較的高いため、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させないと、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができないと判断して、ステップS108(先回し制御手段)に進み、先回し制御を実行する。
この先回し制御では、先述したエンジン回転速度Neのマップ及びピニオン13の回転速度のマップに基づき、エンジン自動停止要求の発生から前記同期に至るまでの経過時間を算出する。そして、エンジン自動停止要求の発生時点でモータ12によりピニオン13を回転駆動させ、前記経過時間に達した時点で電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるよう押し出し駆動させる。これにより、モータ12によりピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させて両者の回転速度の差を小さくした後に、電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21が再始動される。
この後、ステップS109に進み、エンジン21の始動が完了したか否かを判定し、エンジン21の始動が完了したと判定されれば、本ルーチンを終了するが、エンジン21の始動が完了していないと判定されれば、ステップS110(先出し制御手段)に進む。
一方、上記ステップS107で、エンジン回転速度Neが第2の回転速度N2以下であると判定された場合(つまりエンジン回転速度Neが第3の回転速度領域でエンジン再始動要求が発生した場合)には、リングギヤ23の回転速度が比較的低いため、ピニオン13の回転速度をリングギヤ23の回転速度に同期させなくても、ピニオン13をリングギヤ23にスムーズに噛み合わせることができると判断して、ステップS110に進み、先出し制御を実行する。この先出し制御では、エンジン自動停止要求の発生時点で電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるよう押し出し駆動させる。そして、噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中にモータ12によりピニオン13を回転させてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。
この後、ステップS111に進み、エンジン21の始動が完了したか否かを判定し、エンジン21の始動が完了していないと判定された場合には、上記ステップS110に戻り、先出し制御を継続する。その後、ステップS111で、エンジン21の始動が完了したと判定されれば、本ルーチンを終了する。
また、上記ステップS102で、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3以下であると判定された場合(つまりエンジン再始動要求が発生せずにエンジン回転速度Neが第3の回転速度N3以下に低下した場合)には、ステップS112(プリセット制御手段)に進み、プリセット制御を実行する。このプリセット制御では、エンジン回転速度Neが第3の回転速度N3まで低下したときに、電磁アクチュエータ14によりピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせて、その後、エンジン再始動要求が発生したときに、モータ12によりピニオン13を回転させてスタータ11によるクランキングを開始してエンジン21を再始動させる。
以上説明した図5の処理では、要するに、エンジン21の自動停止によるエンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生したとき、その発生時点でのエンジン回転速度Neが第1の回転速度領域であれば自律復帰制御を実行し、第2の回転速度領域であれば先回し制御を実行し、第3の回転速度領域であれば先出し制御を実行する。そして、エンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求がなければプリセット制御を実行する。
したがって、エンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生した場合に、そのときのエンジン回転速度Neに応じた適正なエンジン再始動制御を行うことができ、エンジン21の再始動の遅れや騒音の発生を防止できると共に、スタータ11の電力消費量を低減することができる。
また、図5の処理では、エンジン再始動制御の際に、エンジン自動停止要求の発生(又はエンジン21の燃焼停止)からの経過時間に基づいてエンジン回転速度を推定するようにしたので、例えば、エンジン回転降下期間のエンジン回転速度を精度良く検出できる高価なクランク角センサを設ける必要がなく、更に、モータ12の通電時間と通電電流とに基づいてピニオン13の回転速度を推定するようにしたので、モータ12の回転速度(ピニオン13の回転速度)を検出するセンサを省略した構成にすることができ、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができる。
しかしながら、上記図5の処理を実施するだけでは、以下に説明する問題が懸念される。すなわち、上述した自律復帰制御を実施しても、所望する燃焼が為されずにエンジン再始動に失敗する場合がある。特に、エンジン回転速度Neの降下速度が速い時に自律復帰制御を実施すると失敗のおそれが高くなる。このような自律復帰制御の失敗が生じた場合、図5の処理によると、エンジン回転速度Neが第2の回転速度領域にまで降下することに伴い先回し制御が実施されることとなる。
しかしながら、図6に示すように、自動停止後のエンジン回転速度Neは、厳密には降下と上昇を繰り返し脈動しながら降下していく。そのため、エンジン回転速度Neが第1の回転速度領域である時に自律復帰制御を実施したがエンジン再始動に失敗した場合、その失敗した時点t10の後、エンジン回転速度Neが第2の回転速度領域にまで降下した時点t20で先回し制御を実施すると、その先回し制御によりピニオン13を押し出す時点t30において、エンジン回転速度Neが第2の回転速度領域よりも高くなっている場合がある。この場合、リングギヤ23の回転速度がピニオン13の回転速度よりも遥かに大きい状態(両回転速度が同期していない状態)でピニオン13が押し出されることとなるので、ピニオン13がリングギヤ23にスムーズに噛み合うことができない。そのため、リングギヤ23及びピニオン13の著しい磨耗損傷が懸念される。
また、先回し制御、先出し制御及びプリセット制御についても、リングギヤ23にピニオン13を噛み合わせることに失敗する場合がある。そして、噛み合わせに失敗した直後のエンジン回転速度Neの挙動は予測困難であるとともに、スタータ11のモータ12も惰性で回転した状態であるためモータ回転速度を把握することも困難である。なお、モータ12が静止した状態からであれば、モータ12に通電を開始してからの経過時間に基づきモータ12の回転速度を容易に把握することができる。
したがって、先回し制御による噛み合わせ失敗後のエンジン回転降下期間、或いはその噛み合わせ失敗後のモータ12の惰性回転期間に先回し制御を実施する場合には、先回し制御を実施するにあたり両回転速度を同期させることが極めて困難となる。
また、先回し制御又は先出し制御による噛み合わせ失敗後のエンジン回転降下期間、或いはその噛み合わせ失敗後のモータ12の惰性回転期間に先出し制御を実施する場合には、第2の回転領域でピニオン13を押し出し駆動させてしまうことが懸念される。
また、プリセット制御による噛み合わせ失敗後のエンジン回転降下期間、或いはその噛み合わせ失敗後のモータ12の惰性回転期間にプリセット制御を実施する場合には、リングギヤ23の回転速度及びピニオン13の回転速度の差が大きい状態でピニオン13を押し出し駆動させてしまうことが懸念される。
これらの問題に対し、本実施形態では、自律復帰制御によるエンジン再始動が失敗した場合、或いは、先回し制御、先出し制御による噛み合わせが失敗した場合には、その失敗が検出された時点から、その後エンジン回転速度Neがゼロになるまでの期間、自律復帰制御、先回し制御、及び先出し制御の実施を禁止するとともに、エンジン回転速度がゼロになった時点で先出し制御を実施する。
また、プリセット制御による噛み合わせが失敗した場合には、その失敗が検出された時点から、その後エンジン回転速度Neがゼロになるまでの期間、プリセット制御の実施を禁止する。
以上説明した失敗時の再始動制御は、ECU20によって図7の失敗時再始動制御ルーチンに従って実行される。以下、図7の失敗時再始動制御ルーチンの処理内容を説明する。なお、図7の処理は、自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御の失敗時に対する処理であり、プリセット制御の失敗時に対する処理は、後述する別の制御ルーチンに従って実行される。
図7に示す失敗時再始動制御ルーチンは、ECU20の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップS201(検出手段)で、自律復帰制御、先回し制御、及び先出し制御のいずれかによる再始動が失敗したか否かを判定する。例えば、自律復帰制御開始から所定時間が経過するまでに、又は先回し制御開始から所定時間が経過するまでに、又は先出し制御開始から所定時間が経過するまでに、エンジン回転速度Neが始動完了判定値Nth(図6参照)を越えて高くならなかった場合に、再始動に失敗したと判定する。なお、失敗と判定された場合において、前記所定時間が経過した時点が「失敗検出時点」に相当する。
失敗と判定されなければ、ステップS202以降の再始動制御に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。一方、上記ステップS201で、再始動が失敗したと判定された場合には、ステップS202に進み、失敗検出以降においてエンジン回転速度Neが低下してゼロになったか否かを判定する。この判定では、クランク角度を検出するクランク角センサの検出信号を用いてNe=0であるか否かを判定してもよいし、失敗検出時点から十分な所定時間(例えば3秒)が経過した時点でNe=0になったと判定してもよい。
Ne=0になっていないと判定されれば、ステップS203に進み、図5のステップS105による自律復帰制御、ステップS108による先回し制御、及びステップS110による先出し制御の実行を禁止する。そして、Ne=0になったと判定されれば、ステップS204に進み、図5のS110と同様の先出し制御を実行する。具体的には、Ne=0になったと判定した時点で電磁アクチュエータ14を通電オンさせてピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるよう押し出し駆動させる。
この後、ステップS205に進み、エンジン21の始動が完了したか否かを判定し、エンジン21の始動が完了していないと判定された場合には、上記ステップS204に戻り、先出し制御を継続する。その後、ステップS205で、エンジン21の始動が完了したと判定されれば、本ルーチンを終了する。なお、先出し制御を実行してから所定時間が経過するまでの間にエンジン回転速度Neが始動完了判定値Nthを越えて高くなった場合にエンジン21の始動が完了したと判定すればよい。
次に、図7の処理とは別に実施されるプリセット制御の失敗時に対する処理について、図8を用いて説明する。
図8に示すプリセット失敗時制御ルーチンは、ECU20の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップS201a(検出手段)で、プリセット制御による噛み合わせ(プリセット)が失敗したか否かを判定する。例えば、ピニオン13の押し出し位置を検出するセンサを設け、当該センサの検出値に基づきピニオン13が所定の位置にまで押し出されてリングギヤ23に噛み合った状態(プリセットされた状態)になっているか否かを判定すればよい。
失敗と判定されなければ、ステップS202a以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。一方、上記ステップS201aで、プリセットが失敗したと判定された場合には、ステップS202aに進み、失敗検出以降においてエンジン回転速度Neが低下してゼロになったか否かを判定する。この判定では、クランク角度を検出するクランク角センサの検出信号を用いてNe=0であるか否かを判定すればよい。
Ne=0になっていないと判定されれば、ステップS203aに進み、図5のステップS112によるプリセット制御の実行を禁止する。そして、Ne=0になったと判定されれば、ステップS204aに進み、図5のS112と同様のプリセット制御を再度試みる。具体的には、Ne=0になったと判定した時点で電磁アクチュエータ14を通電オンさせてピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるよう押し出し駆動させる。
以上により、本実施形態によれば、自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御による再始動が失敗した直後には、これらの制御を実施することが禁止される。よって、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤ23にピニオン13をスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ23及びピニオン13の著しい磨耗損傷を回避できる。また、自律復帰制御が失敗した直後に再び自律復帰制御が失敗するといった不具合を回避できる。
さらに、本実施形態によれば、エンジン回転速度Neがゼロになった以降に、先出し制御による再始動を自動で行うので、1度再始動に失敗しても自動で再び再始動を行うことによりエンジン再始動要求を満たすようにできる。
また、プリセット制御による噛み合わせが失敗した直後には、当該プリセット制御の再試行が禁止されるので、プリセット制御の再試行時にリングギヤ23にピニオン13をスムーズに噛み合わせることができずにリングギヤ23又はピニオン13が磨耗損傷するといった不具合を回避できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、再始動に失敗した後の対処として、エンジン回転速度Neがゼロになった時点で先出し制御による再始動を自動的に実施する。これに対し本実施形態では、再始動に失敗した場合には、エンジン回転速度Neがゼロになった以降においても、自動で再始動を実施することを禁止する。そして、エンジン回転速度Neがゼロになった以降に、エンジン21が搭載された車両の運転者により始動操作が為されたことを条件として、再始動を実施する。
本実施形態にかかる失敗時の再始動制御は、ECU20によって図9のエンジン再始動制御ルーチンに従って実行される。以下、図9の失敗時再始動制御ルーチンの処理内容を説明する。
図9に示す失敗時再始動制御ルーチンは、ECU20の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。なお、図9中、図7と同じ符号が付された処理については、図7の処理と同じであるため説明を援用する。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップS201(検出手段)で、自律復帰制御、先回し制御、及び先出し制御のいずれかによる再始動が失敗したか否かを判定する。失敗と判定されなければ、ステップS202以降の再始動制御に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。一方、上記ステップS201で、再始動が失敗したと判定された場合には、ステップS202に進み、失敗検出以降においてエンジン回転速度Neが低下してゼロになったか否かを判定する。
Ne=0になっていないと判定されれば、ステップS203に進み、自律復帰制御、先回し制御、及び先出し制御の実行を禁止する。そして、Ne=0になったと判定されれば、ステップS206に進み、車両運転者により始動操作が為されるまで再始動を実施することなく待機する。なお、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったことが検出された場合に、運転者により始動操作が為されたと判定すればよい。
そして、続くステップS207にて、運転者により始動操作が為されたと判定されれば、ステップS208に進み、図5のS110と同様の先出し制御を実行する。具体的には、Ne=0になったと判定した時点で電磁アクチュエータ14を通電オンさせてピニオン13をリングギヤ23に噛み合わせるよう押し出し駆動させる。
この後、ステップS209に進み、エンジン21の始動が完了したか否かを判定し、エンジン21の始動が完了していないと判定された場合には、上記ステップS208に戻り、先出し制御を継続する。その後、ステップS209でエンジン21の始動が完了したと判定されれば、本ルーチンを終了する。
以上により、本実施形態によれば、自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御による再始動が失敗した直後に、これらの制御を実施することを禁止するので、上記第1実施形態と同様にして、リングギヤ23にピニオン13をスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、また、自律復帰制御が失敗した直後に再び自律復帰制御が失敗するといった不具合を回避できる。
ここで、再始動失敗後にNe=0となった時点で自動で再始動させる上記第1実施形態の場合には、再始動要求が発生してから2度目の再始動が実施されるまでのタイムラグが長くなるので、運転者に違和感を与えることが懸念される。この懸念に対し本実施形態によれば、エンジン回転速度Neがゼロになった以降であっても、運転者が始動操作するまで、先出し制御による再始動の実施を禁止して待機するので、前記違和感を回避できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、エンジン回転降下期間中にエンジン再始動要求が発生したとき、その発生時点でのエンジン回転速度Neが第1の回転速度領域であれば自律復帰制御を実行し、第2の回転速度領域であれば先回し制御を実行し、第3の回転速度領域であれば先出し制御を実行するシステムに本発明を適用させている。これに対し、先回し制御を廃止して、再始動要求が発生時点でのエンジン回転速度Neが第2の回転速度領域であれば、第3の回転速度領域にまで低下するのを待って先出し制御を実行するシステムに本発明を適用させてもよい。
・或いは、自律復帰制御を廃止して、再始動要求が発生時点でのエンジン回転速度Neが第1の回転速度領域であれば、第2の回転速度領域にまで低下するのを待って先回し制御を実行するシステムに本発明を適用させてもよい。
・或いは、自律復帰制御及び先回し制御を廃止して、再始動要求が発生時点でのエンジン回転速度Neが第1の回転速度領域又は第2の回転速度領域であれば、第1の回転速度領域にまで低下するのを待って先出し制御を実行するシステムに本発明を適用させてもよい。
・図7のステップS202の判定において、失敗検出時点から十分な所定時間(例えば3秒)が経過した時点でNe=0になったと判定してもよいことは先述した通りである。但し、エンジン温度が低いほどエンジンオイルの粘性が大きくなっているので、エンジン21の駆動摩擦が大きくなる。よって、再始動が失敗した後、エンジン回転速度Neの低下速度が速くなる。この点を鑑みて、エンジン温度(例えばエンジン冷却水温度)が低いほど前記所定時間を短く設定することが望ましい。これによれば、再始動失敗後において、ステップS204による先出し制御により再始動するタイミングをできるだけ早くできる。
・上述した自律復帰制御、先回し制御及び先出し制御は、エンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合の制御であるが、エンジン回転が停止している時に再始動要求が発生した場合には、先出し制御と同様にしてピニオン13を押し出してリングギヤ23に噛み合わせた後、ピニオン13を回転させて再始動させるといった、通常制御を実施する。そして、このような通常制御による再始動を実施した場合、例えば正常に着火しない、正常に燃料が噴射されない等の原因により正常に燃焼できずに再始動に失敗することがある。このように失敗したか否かを、再始動実施から所定時間経過後のエンジン回転速度Neが所定値に達したか否かに基づき検出し、再始動失敗が検出された場合に、その失敗検出時点からエンジン回転速度Neがゼロになるまでの期間、前記通常制御の実施を禁止するようにしてもよい。
これによれば、通常制御による再始動が失敗した直後であって、エンジン回転速度Neやスタータ11のモータ回転速度を正確に把握することが困難なエンジン回転降下期間には、通常制御等による再始動の実施が禁止されるので、再始動失敗後に再び再始動を試みるにあたり、リングギヤ23にピニオン13をスムーズに噛み合わせることができないといった不具合を回避でき、ひいてはリングギヤ23又はピニオン13の著しい磨耗損傷を回避できる。
11…スタータ、12…モータ、13…ピニオン、14…電磁アクチュエータ(アクチュエータ)、S105…自律復帰制御手段、S108…先回し制御手段、S110…先出し制御手段、S112…プリセット制御手段、S201,S201a…検出手段。

Claims (8)

  1. ピニオンを回転駆動するモータと、前記ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み合わせるアクチュエータとを個別に作動可能なスタータを備え、エンジン自動停止要求が発生したときにエンジンを自動停止させ、エンジン再始動要求が発生したときにエンジンを再始動させるエンジン自動停止始動制御装置において、
    前記再始動が失敗したことを検出する検出手段を備え、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点からエンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記再始動の実施を禁止することを特徴とするエンジン自動停止始動制御装置。
  2. 前記エンジンの自動停止により前記エンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が第1の回転速度よりも高い第1の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記スタータによるクランキングを行わずに燃料噴射を再開して前記エンジンを再始動させる自律復帰制御を実施する自律復帰制御手段と、
    前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第1の回転速度以下で第2の回転速度よりも高い第2の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記モータにより前記ピニオンの回転速度を前記リングギヤの回転速度に同期させた後に前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先回し制御を実施する先回し制御手段と、
    前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第2の回転速度以下の第3の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中に前記モータにより前記ピニオンを回転させて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先出し制御を実施する先出し制御手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記自律復帰制御、前記先回し制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出するものであり、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記自律復帰制御、前記先回し制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  3. 前記エンジンの自動停止により前記エンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が第1の回転速度よりも高い第1の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記スタータによるクランキングを行わずに燃料噴射を再開して前記エンジンを再始動させる自律復帰制御を実施する自律復帰制御手段と、
    前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第1の回転速度以下の第3の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中に前記モータにより前記ピニオンを回転させて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先出し制御を実施する先出し制御手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記自律復帰制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出するものであり、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記自律復帰制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  4. 前記エンジンの自動停止により前記エンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が第2の回転速度よりも高い第2の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記モータにより前記ピニオンの回転速度を前記リングギヤの回転速度に同期させた後に前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先回し制御を実施する先回し制御手段と、
    前記エンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が前記第2の回転速度以下の第3の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中に前記モータにより前記ピニオンを回転させて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先出し制御を実施する先出し制御手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記先回し制御及び前記先出し制御のいずれかによる前記再始動が失敗したことを検出するものであり、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記先回し制御及び前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  5. 前記エンジンの自動停止により前記エンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度が第3の回転速度領域で前記エンジン再始動要求が発生したときに、前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせた後又はその噛み合わせの途中に前記モータにより前記ピニオンを回転させて前記スタータによるクランキングを開始して前記エンジンを再始動させる先出し制御を実施する先出し制御手段を備え、
    前記検出手段は、前記先出し制御による前記再始動が失敗したことを検出するものであり、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記先出し制御の実施を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  6. 前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、前記エンジン回転速度がゼロになった以降に前記再始動を再び実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  7. 前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出の後に運転者による始動操作がなされたことを条件として、前記再始動を再び実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のエンジン自動停止始動制御装置。
  8. ピニオンを回転駆動するモータと、前記ピニオンをエンジンのクランク軸に連結されたリングギヤに噛み合わせるアクチュエータとを個別に作動可能なスタータを備え、エンジン自動停止要求が発生したときにエンジンを自動停止させ、エンジン再始動要求が発生したときにエンジンを再始動させるエンジン自動停止始動制御装置において、
    前記エンジンの自動停止によりエンジン回転速度が降下するエンジン回転降下期間中に前記エンジン回転速度がゼロとなる直前の所定回転速度まで低下したときに、前記エンジン再始動要求の発生に先立ち前記アクチュエータにより前記ピニオンを前記リングギヤに噛み合わせておくプリセット制御を実施するプリセット制御手段と、
    前記プリセット制御による前記噛み合わせが失敗したことを検出する検出手段と、
    を備え、
    前記検出手段により前記再始動の失敗が検出された場合には、その失敗検出時点から前記エンジン回転速度がゼロになるまでの期間、前記プリセット制御の実施を禁止することを特徴とするエンジン自動停止始動制御装置。
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