JP2011147498A - ゲーム機及びそれに用いるコンピュータプログラム - Google Patents

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伸也 東
Mitsuaki Imachi
充晶 井町
俊 ▲濱▼田
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Abstract

【課題】プレイヤの選択を適切に評価することが可能なゲーム機を提供する。
【解決手段】プレイヤに選択の機会を付与し、該選択の機会でプレイヤが行った選択が以降のゲームの展開に影響を与えるようにしてゲームを進行させるゲーム管理部と、選択の機会にてプレイヤに複数の選択肢が存在するときに、当該機会にて各選択肢が選択された場合のゲームの展開を所定の思考ルーチンに従って推論し、推論結果に基づいて各選択肢の優劣を判断する思考部とを備えたゲーム機において、プレイヤが前記機会にて行った選択を識別し(S5)、識別された選択と、思考部の判断結果との比較に基づいて、プレイヤが行った選択を評価し(S6)、その評価をプレイヤに報知する(S7)。
【選択図】図5

Description

本発明は、ゲーム中にプレイヤが行った選択を評価する機能を備えたゲーム機に関する。
プレイヤが選択を繰り返してゲームが進行するタイプのゲーム機では、ゲーム中における個々の選択と、その後のゲームの展開、すなわち、プレイヤの有利不利、あるいは形勢といったゲームの最終的な結果(勝敗や成績等)に通じる状況の変化との間に相応の関連性が本来的に存在する。しかし、例えば将棋、チェスのようないわゆる先読みが必須のゲームでは、個々の選択と、その後の展開との関連性が特にレベルの低いプレイヤには判断し難い。また、プレイヤの選択とその後の展開との間に偶然性が介在するタイプのゲームでは、選択とゲームの展開との関連性が薄められるために、個々の選択が必ずしも適当でなくとも、最終的には好結果が得られるといった状況が発生し得る。このような状況は、時として、プレイヤのゲームに対する興趣を削ぐ結果をもたらすおそれがある。そこで、ゲーム中のプレイヤの選択に関連付けた評価を行う試みとして、スポーツ競技を行うゲームを対象とし、そのゲーム上で発生し得るプレイを類型化し、それらの類型と評価とを対応付けたデータテーブルを予め用意し、評価対象の類型がゲーム中に検出されたとき、その類型をデータテーブルに基づいて評価する手法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−187266号公報
上述した特許文献1に記載のゲーム機は、予めプレイ類型と評価との対応関係を予め人為的に作成する必要があり、その対応関係の設定に応じて評価が様々に変動する。ゲーム上での選択肢が多数存在し、プレイヤの選択肢が多数存在し、人為的には選択の類型化が困難な場合には評価が不可能である。さらに、評価対象はプレイヤの選択そのものではなく、選択に対して与えられた結果である。したがって、プレイヤの選択そのものが客観的に高く評価されるべきであったとしても、その選択と結果との間に偶然性が介在するために評価が低くなり、選択を評価するという目的が達成できないことがある。
そこで、本発明は、プレイヤのゲーム中における選択を適切に評価することが可能なゲーム機等を提供することを目的とする。
本発明のゲーム機(2)は、プレイヤに選択の機会を付与し、該選択の機会で前記プレイヤが行った選択が以降のゲームの展開に影響を与えるようにして前記ゲームを進行させるゲーム管理手段(15)と、前記選択の機会にて当該プレイヤに複数の選択肢が存在するときに、当該機会にて各選択肢が選択された場合のゲームの展開を所定の思考ルーチンに従って推論し、推論結果に基づいて各選択肢の優劣を判断する思考手段(16)と、プレイヤが前記機会にて行った選択を識別する選択識別手段(17、S5)と、前記選択識別手段が識別した選択と、前記思考手段の判断結果との比較に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価する評価手段(17、S6)と、前記評価手段の評価をプレイヤに報知する評価報知手段(17、S7)と、を備えたものである。
また、本発明のコンピュータプログラム(PG)は、ゲーム機(2)に設けられたコンピュータ(10)を、プレイヤに選択の機会を付与し、該選択の機会で前記プレイヤが行った選択が以降のゲームの展開に影響を与えるようにして前記ゲームを進行させるゲーム管理手段(15)、前記選択の機会にて当該プレイヤに複数の選択肢が存在するときに、当該機会にて各選択肢が選択された場合のゲームの展開を所定の思考ルーチンに従って推論し、推論結果に基づいて各選択肢の優劣を判断する思考手段(16)、プレイヤが前記機会にて行った選択を識別する選択識別手段(17、S5)、前記選択識別手段が識別した選択と、前記思考手段の判断結果との比較に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価する評価手段(17、S6)、及び前記評価手段の評価をプレイヤに提示する評価報知手段(17、S7)、として機能させるように構成されたものである。なお、本発明において、ゲームの進行とはゲームがその開始から終了に向かって順次進められることを意味し、ゲームの展開とは、ゲームが進行する過程において、プレイヤの選択に応じて有利不利、あるいは形勢といったゲームの最終的な結果(例えば勝敗、成績)に関連する状況が変化することを意味する。
プレイヤが何らかの選択をしたと仮定して、その後のゲームの展開をコンピュータによって推論し、適切と思われる選択肢を探索する思考ルーチンは様々なゲームの分野で開発され、あるいは実用に供されている。本発明は、そのような思考ルーチンの推論結果を利用して選択肢毎の優劣を判断し、その判断結果と、プレイヤが実際に行った選択との比較に基づいて、プレイヤの選択そのものを評価するものである。したがって、評価の基となるデータを予め人為的に作り込んでおく必要がなく、プレイヤの選択を、思考ルーチンの判断に基づいて適切に評価することができる。プレイヤの選択肢が多数存在し、人為的には選択の類型化が困難な場合でも、コンピュータの演算能力を利用して選択を評価することができる。思考ルーチンを利用した推論結果に基づいて選択肢の優劣を判断し、その判断結果とプレイヤの実際の選択との比較に基づいて評価を行っているので、選択の結果に着目して評価を行う従来の技術と異なり、プレイヤの選択そのものが有している価値を評価対象とすることができる。選択と結果との間に偶然性が介在しないゲームの場合には、思考ルーチンにより選択の優劣を比較的高精度に評価することができるので、プレイヤの選択に対して適切な評価を与えることができる。選択と結果との間に偶然性が介在する場合であっても、その偶然性を考慮に入れた推論に従って実際の選択が評価される。そのため、実際の選択の優劣とは必ずしも一致しない結果がもたらされる場合であっても、その結果に影響されることなく選択の優劣を適切に評価することができる。そして、プレイヤの選択に対して適切な評価を与えてこれをプレイヤに報知することにより、ゲームのプレイに対するプレイヤのモチベーションを向上させ、ゲームの興趣を高めることができる。
本発明の一形態において、前記思考手段は、前記展開の推論結果に基づいて各選択肢の優劣を順位付けするように構成され、前記評価手段は、前記プレイヤが行った選択と、前記思考手段が決定した各選択肢の順位との対応関係に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価してもよい。さらに、前記評価手段は、前記プレイヤが行った選択が、前記思考手段にて所定レベルよりも高順位に評価された選択肢と一致するときに当該プレイヤの選択を良好な選択として評価してもよい。一般的に、コンピュータによるゲームの思考ルーチンは、ゲーム展開を種々の要素により数値化して選択肢の優劣を判断しているため、選択肢の順位付けをすることは容易に行い得る。そして、その順位とプレイヤの選択との対応関係を利用すれば、高順位ほど良好な評価を与えるといった処理を行うことにより、プレイヤが行った選択を比較的容易にかつ客観的に評価することができる。
本発明の一形態において、前記ゲーム管理手段は、前記選択の機会が前記プレイヤとその対戦相手との間で交互に生じるように前記ゲームの進行を管理し、前記思考手段は前記プレイヤに対して前記選択の機会が付与される毎に前記選択肢の優劣を判断し、前記評価手段は前記選択の機会が付与される毎に前記選択を評価してもよい。この形態によれば、プレイヤは、選択を行う都度、自己の選択に対する評価を確かめつつゲームを進めることができる。
選択の機会毎に評価を行う場合においては、前記展開の推論の結果が所定の中止条件を満たしたとき、前記評価手段は、以降の前記プレイヤの選択に対する評価を中止してもよい。これによれば、ゲームの進行状況から見て、以降は評価を与える必要が薄い場合、あるいは評価を与えることが適切ではない場合等に、その判断の目安となる中止条件を設定して評価を中止させることができる。さらに、前記展開の推論の結果として、少なくとも一つの選択肢が選択された場合にプレイヤがゲームに勝利する可能性が所定の程度よりも高いと前記思考手段が判断した場合、前記評価手段は前記中止条件が満たされたと判断してもよい。これによれば、プレイヤがゲームに勝利する可能性が所定の程度よりも高くなる選択肢が存在する状態までゲームが進行した後はプレイヤの選択が評価されない。そのため、評価機能を、ゲームの展開に対する予測性が低いゲームの初期あるいは中盤の段階において、ゲームを進める手掛かりを与える手段として活用しつつ、ゲームが終盤まで進行してプレイヤが勝利する可能性が高くなった段階では評価を中止して、ゲームのプレイ形態を、評価に頼らずに勝利を目指す本来の形態へと戻すことができる。
本発明の一形態において、前記ゲーム管理手段は、前記評価手段による評価を考慮に入れることなく前記ゲームを進行させてもよい。これによれば、ゲームの進行の管理に影響を与えることなく、プレイヤの選択に対して評価を与えることができる。評価の高低に関わりなくゲームが進行するので、プレイヤは、自らの判断で選択を決定し、自己の選択が適切であったか否かを確認しつつゲームを進めることになる。
本発明の一形態において、前記評価手段による評価に基づいて、前記ゲームの進行には影響しない特典を付与する特典付与手段(17、S8〜S10)をさらに備えてもよい。これによれば、ゲームの進行の管理に影響を与えることなく、高評価が得られたときに報酬を与えるといった制御が可能となり、高評価を得ることに対するモチベーションをプレイヤに与えてゲームの興趣をさらに高めることができる。評価の高低に応じて特典の付与が制御される一方で、特典が付与されたか否かに関わりなくゲームが進行するので、プレイヤが自らの判断で選択し、その選択に応じてその後の展開が変化するというゲーム本来の興趣を損なうことなく、特典の付与という新たな興趣を評価機能に関連付けて導入することができる。
本発明は、プレイヤの選択肢毎にゲームの展開を推論する思考ルーチンが存在する限りにおいて各種のゲームに適用することができ、思考ルーチンの推論の精度は特に問わない。しかしながら、前記ゲームが二人零和有限確定完全情報ゲームである場合には、アルゴリズムを用いた精度の高い思考ルーチンが比較的容易に利用可能であり、本発明を好適に適用することができる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、ゲームの展開を推論する思考ルーチンを利用して思考手段を構成し、その思考手段が判断した選択肢の優劣とプレイヤが実際に行った選択との比較に基づいてプレイヤの選択を評価し、その評価をプレイヤに報知している。したがって、プレイヤの選択を、思考ルーチンの判断に基づいて適切に評価することができる。プレイヤの選択肢が多数存在し、人為的には選択の類型化が困難な場合でもコンピュータの演算能力を利用して選択を評価することができる。選択の結果に着目して評価を行う従来の技術と異なり、プレイヤの選択そのものが有している価値を評価対象とすることができる。そして、プレイヤの選択に対して適切な評価を与えてこれをプレイヤに報知することにより、プレイヤに対してゲームをプレイするモチベーションを与え、ゲームの興趣を高めることができる。
本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。 図1のゲームシステムにおけるゲーム機の機能ブロック図。 ゲーム画面の一例を示す図。 思考部が作成する評価値リストの一例を示す図。 制御ユニットが実行する指し手評価ルーチンを示すフローチャート。 制御ユニットが実行する対局結果処理ルーチンを示すフローチャート。
本発明の一形態に係るゲーム機が組み込まれたゲームシステムを図1に示す。そのゲームシステム1においては、複数のゲーム機2と、センターサーバ3とがルータ4を介してネットワーク5にそれぞれ接続されている。ネットワーク5は好適にはインターネットである。各ゲーム機2は、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する商用のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ゲーム機2とルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。
センターサーバ3は、ゲームシステム1の運営者によって設置されている。センターサーバ3は、ネットワーク5を介した各種のサービスを、ゲーム機2又はそのゲーム機2のユーザであるプレイヤに対して提供する。一例として、センターサーバ3は、ゲーム機2を介したゲームプログラムあるいはデータの更新サービス、ゲーム機2のプレイヤをそのID(以下、プレイヤIDと呼ぶことがある)及びパスワードによって認証し、そのプレイヤのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイデータをセンターサーバ3上に保管するサービス、ネットワーク5を介したプレイヤ間の対戦ゲームを実行する際のマッチングサービス等を提供する。対戦ゲームとしては、一例として将棋ゲームが実行可能とされている。なお、図1では一台のセンターサーバ3が図示されているが、複数のセンターサーバ3を設置し、それらの間でネットワークサービスに必要な処理を分担してもよい。ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれぞれを識別するためのユニークなアドレスが付されており、ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのアドレスを利用して通信相手が特定される。
図2に示すように、ゲーム機2は、制御ユニット10と、入力装置11と、表示装置12と、外部記憶装置13と、通信制御ユニット14とを備えている。なお、各ゲーム機2の機能ブロックは同様であるため、以下では単一のゲーム機2について説明する。制御ユニット10は、CPU及びその動作に必要な主記憶装置(RAM及びROM)等の周辺装置とを備えたコンピュータユニットとして構成されている。入力装置11は、プレイヤにが操作可能な操作部を有し、その操作部への操作に応じた信号を制御ユニット10に出力する。入力装置11は、さらにプレイヤを認証するために必要なプレイヤ情報(プレイヤにユニークなID及びパスワード)を入力するための装置を含む。例えば、プレイヤ情報がカード、ICチップといった媒体に保持されている場合には、その媒体からプレイヤ情報を読み取るリーダが入力装置11の一部として設けられる。表示装置12は、液晶ディスプレイ等の表示ユニットを有し、制御ユニット10から映像信号を受け取ってその映像信号に対応した画像を表示する。外部記憶装置13は、磁気記憶媒体、EEPROMのような不揮発性の半導体記憶媒体等を含む補助記憶装置として設けられている。外部記憶装置13には、ゲームを実行するためのゲームプログラム(コンピュータプログラム)PG及びそのプログラムPGが参照するデータ等が記録されている。通信制御ユニット14は、制御ユニット10と、センターサーバ3あるいは他のゲーム機2の制御ユニット10とがルータ4及びネットワーク5を介して情報を送受信するために必要な処理を実行する。
制御ユニット10は、外部記憶装置13に記憶されたゲームプログラムPGを読み取って実行することにより、ゲーム機2にて所定の対戦ゲームを行うための制御主体として機能する。対戦ゲームは適宜に選択されてよいが、ここでは、将棋ゲームが対戦ゲームとして実行される場合を例にして説明を続ける。制御ユニット10には、対局管理部15、思考部16、指し手評価部17及び対局結果処理部18が設けられている。それらは、ハードウエアとしての制御ユニット10がゲームプログラムPGを実行することによって生成される論理的装置である。対局管理部15は、対戦ゲームとして実行される将棋ゲームに必要な各種の演算処理等を実行し、ゲームの進行に応じた画像データを生成して表示装置12に映像信号として出力するといった、ゲームを進行させるために必要とされる基本的な処理を担当する。例えば、対局管理部15は、将棋の対局中に、自機のプレイヤ及び対戦相手に交互に手番(選択の機会)を付与し、自機のプレイヤの手番では、入力装置11の出力信号に基づいてその手番における選択を判別し、対戦相手の手番では、他のゲーム機2からネットワーク5を介して送られる対戦相手の選択を通信制御ユニット14から取得し、それらの選択に応じて表示装置12に表示される将棋の棋面を変化させ、あるいはゲームの終了を判別する、といった処理を実行してゲームを進行させる。思考部16、指し手評価部17及び対局結果処理部18の詳細は後述する。
図3は、将棋ゲーム時に、表示装置12に表示されるゲーム画面100の一例を示している。以下、図3を参照しつつ将棋ゲームを説明する。将棋ゲームでは、二人のプレイヤが手番を交替しつつ、マス目で仕切られた盤面101上にて自分の駒102aを一回ずつ移動させ、あるいは盤面外に保管された持ち駒102bを盤面101上の適宜のマス目103に配置することによりゲームが進行する。なお、以下では、駒をその状況に応じて添え字a、b…で区別するが、それらを区別する必要がないときは駒102と表記する。
駒102には複数の種類が存在する。駒102の種類毎に盤面101上での移動方向及び移動量(マス目の数)が決められている。自分の駒102aを相手の駒102aと同じマス目103に動かすことにより、その相手の駒102aを取得して自分の持ち駒102bとすることができる。次回の手番にて相手の王将(又は玉将)と呼ばれる駒102cを取ることができるマス目に自分の駒102aを移動させ、あるいは自分の持ち駒102bを配置することを「王手」と呼び、いずれかのプレイヤがその王手を解消できない状況になることを「詰み」と呼ぶ。各プレイヤは、相手の王将を詰みの状況に持ち込むことを目的として自分の駒102aを移動させ、あるいは持ち駒102bを盤面101上のマス目103に配置する。対戦相手の王将が詰みの状況になれば、プレイヤが勝利してゲームが終了する。詰みの状況が確定した場合の他、プレイヤが今後の展開を予測して、自分の王将が相手の王将よりも先に詰むことが明らかな場合には、プレイヤ自らが負けを認めてゲームを終了させることができる。プレイヤが負けを認めてゲームを終えることを「投了」と呼ぶ。ゲームの開始から投了までが一回の対局となる。
将棋では、対戦するプレイヤ間で盤面101の状況、その状況に至るまでに各プレイヤが行った選択(駒102aの移動、又は持ち駒102bの配置)の情報がプレイヤ間で等しく共有されており、いずれか一方のプレイヤが知り、他方のプレイヤが知らない情報は存在しない。このようなゲームは、完全情報ゲームと呼ばれる。また、将棋は、プレイヤの各手番における選択(指し手と呼ばれることがある。)によってゲームの展開が確定し、それらの選択以外にゲームの展開に偶然性が関与しないことから確定ゲームの一種であり、プレイヤが各手番で取り得る選択の組み合わせの総数が有限であることから有限ゲームの一種であり、対戦しているプレイヤ間の利得の合計が常に零であることから零和ゲームの一種である。さらに、将棋は二人のプレイヤによって対戦が行われる。上述した特性を踏まえて、将棋は、二人零和有限確定完全情報ゲームの一種として区分されることがある。この種のゲームとしては、他にチェス、オセロ、囲碁等の各種のボートゲームが存在する。いずれのゲームにおいても、理論的にはプレイヤが先の展開を完全に予測して各手番における選択を決定することが可能であり、プレイヤが最善の選択を続ければ、先手必勝、後手必勝又は引き分けのいずれかが必ず定まる点において共通する。現実には完全な予測が困難であることから、プレイヤの予測の優劣がゲームの勝敗を左右し、その予測の優劣がプレイヤの強弱、あるいはスキルの高低と直結する。
図2に戻って、思考部16は、将棋ゲームに適合された思考ルーチンに従って、その将棋ゲームの各手番で取り得る選択(「手」と呼ばれることがある。)の候補を評価して、最善の選択を探索することが可能な論理的装置として構成されている。思考部16は、各手番における棋面を解析してプレイヤの各手番における選択肢(選択の候補)を検出し、各選択肢が選択されたと仮定したときの棋面の展開を推論して選択肢の優劣を示す評価値を算出する。評価値の算出は、例えば、駒102の価値、攻め方の筋の良否、進展性といった様々な要素に基づいて行われる。思考ルーチンのアルゴリズムは、選択肢が有利であるほど評価値も高くなるように設計される。評価値を算出する際に、何手先の展開までを推論するかは一定でもよいし、可変でもよい。例えば、プレイデータからプレイヤの強さを取得して、強いほど推論の範囲を拡大してもよい。あるいはプレイヤからの指示に応じて推論の範囲を変化させてもよい。思考部16は、推論の結果として、評価値の大小に応じた評価値リストを生成し、その評価値リストで最も評価値が高い選択肢を最善の手として選び出すことができる。
図4は思考部16が生成する評価値リストの一例である。その評価値リスト110は、順位、評価値及び展開を相互に関連付けたデータテーブルとして構成されている。展開の先頭に記述された「○○歩」、「○△香」、「×○桂」は、思考部16が抽出した選択肢であり、それらの選択肢に続く情報は思考部16が推論した手番毎の選択である。最も高い評価値が得られている展開に対して1位の順位が与えられ、以下、評価値が高いほど高順位が与えられる。1位に評価された選択肢が、思考部16によって探索された最善の選択に相当する。以上のような演算処理が可能な将棋用の思考ルーチンとしては、既に様々なアルゴリズムに基づくコンピュータプログラムが提案され、あるいは実用に供されている。思考部16の思考ルーチンには、それらのコンピュータプログラムを適宜に用いることができる。ゲーム機2が商業用途に供される場合、思考部16の思考ルーチンは、現実のプレイヤの代わりに対戦相手を務める場合があることから、人間の思考パターンに似せて行動を決定するように構成されていることが望ましい。さらに、その思考パターンは、強さのレベルを調整可能であってもよい。
指し手評価部17は、プレイヤの選択と思考部16の評価結果とを比較してプレイヤの選択(指し手)の優劣を評価する。例えば、指し手評価部17は、対局管理部15からプレイヤの選択を取得するとともに、思考部16から評価値リスト110を取得し、プレイヤの選択が評価値リスト110内で1位〜3位にランクされた選択肢のいずれかと一致している場合、そのプレイヤの選択を良好な選択(以下、「好手」と呼ぶ。)と判断する。ただし、指し手評価部17の評価はこのような態様に限らず適宜に変更が可能である。対局結果処理部18は、対局管理部15がゲーム終了と判断した場合に、ゲームの勝敗、指し手評価部17の評価履歴といったプレイ結果に基づいてプレイヤのプレイ内容を評価し、その評価結果に応じてプレイヤのステイタス(格付け)を変更するといったゲーム結果に関連する処理を実行し、その処理内容が反映されるようにプレイデータを更新する。
なお、図2に示した論理的装置以外にもゲーム機2の制御ユニット10にはゲームの実行に必要な各種の論理的装置が形成される。例えば、プレイヤ同士をマッチングする処理をセンターサーバ3と連係して実行するための論理的装置、プレイヤを識別してセンターサーバ3との間でプレイヤデータを送受信するための論理的装置等が制御ユニット10に設けられるが、それらの図示は省略した。また、ゲーム機2には、制御ユニット10と入力装置11、あるいは表示装置12といった入出力装置との間で信号を交換するためのインターフェースといった各種のハードウエア装置が設けられるが、それらの図示も省略した。センターサーバ3は、ネットワークを介した対戦を可能とする従来のゲームシステムのそれと同様でよく、その詳細は省略する。
図3に示したように、ゲーム画面100の右下部には、サポートボタン104及び投了ボタン105が表示されている。ボタン104、105は、プレイヤが入力装置11の操作を介して仮想的に押下げ操作することが可能である。将棋対戦の進行中にプレイヤが投了ボタン105を操作すると、その操作をしたプレイヤの負けとなってゲームが終了する。一方、将棋ゲームの進行中にサポートボタン104が操作された場合には、プレイヤが棋面上で試し打ちする機会を与えるといったサポート処理が行われる。さらに、ゲーム画面100の左下にはゲージ106が表示される。そのゲージ106に示されるべきゲージ量(ハッチングで示された領域の長さ)は、指し手評価部17にて好手と判断される毎に所定量ずつ増加するように制御される。ゲージ量が最大値に達する毎に、プレイヤには特典としてシンボルが付与される。さらに、シンボルの獲得数が所定数に達する毎にプレイヤには上位シンボルが付与される。上位シンボルは対局の勝敗に応じてプレイヤ間で取り引きされるものである。例えば、対局で負けたプレイヤから勝ったプレイヤへと1個の上位シンボルが移動する。
次に、将棋ゲームを実現するために制御ユニット10が実行する処理を説明する。まず、ゲーム2機のプレイヤが入力装置11を操作して、ゲーム機2の制御ユニット10に将棋の対戦を要求すると、制御ユニット10から通信制御ユニット14を介してセンターサーバ3に将棋ゲームへの参加要求が送信される。センターサーバ3は、その参加要求を受けて、対戦相手を選択するマッチング処理を実行する。そのマッチング処理にて対戦相手が決定されると、マッチングされた二人のプレイヤのゲーム機2のそれぞれにマッチング情報が送信される。以降は、マッチングされたプレイヤのゲーム機2間で通信が行われて将棋の対戦が開始される。マッチング処理は公知のゲームシステムのそれと同様でよく、ここでは詳細を省略する。また、将棋の対局は、上述したように、対局管理部15によりその進行が制御される。進行管理の詳細も公知のゲームシステムのそれと同様でよい。さらに、本形態のゲーム機2では、制御ユニット10が対局中に図5の指し手評価ルーチンを実行することにより、プレイヤの選択が逐次評価され、その評価に基づいて所定の処理が行われる。以下、図5の指し手評価ルーチンを説明する。
図5の指し手評価ルーチンは、自機のプレイヤの手番(選択の機会)が到来する毎に実行される。制御ユニット10は、図5の指し手評価ルーチンを開始すると、まずステップS1で、対局管理部15により現在の棋面(駒102の配置)を取得する。続くステップS2において、制御ユニット10は、思考部16を利用してプレイヤの指し手(選択)を検索する。この段階で、思考部16は上述したようにプレイヤの最善の選択を探索して評価値リスト110を生成する。続くステップS3において、制御ユニット10は、思考部16のゲーム展開に関する推論結果を指し手評価部17に渡し、プレイヤが勝利する状態、つまり対戦相手が詰みの状態になっているか否かを判別する。なお、ステップS3〜S10までの処理は指し手評価部17が担当する。制御ユニット10は、詰みの状態でなければステップS4に進み、思考部16が生成した評価値リスト110を取得する。
続くステップS5において、指し手評価部17は、対局管理部15からプレイヤの選択(指し手)を取得する。ここでいう選択は、入力装置11を介してプレイヤが指示した指し手の内容である。選択の取得後、指し手評価部17はステップS6に進み、その選択が評価値リスト110で1位〜3位にランクされている選択肢のいずれかと一致するか否かを判別することにより、プレイヤの選択が好手に相当するか否かを判定する。好手と判定された場合、指し手評価部17はステップS7に進み、好手と評価されたことをプレイヤに報知するための画像をゲーム画面100上に表示する。その後、指し手評価部17はステップS8に進み、ゲージ106のゲージ量を所定量増加させる。次のステップS9において、指し手評価部17は、ゲージ106のゲージ量が最大量に達したか否かを判別する。最大量に達している場合、指し手評価部17はステップS10に進み、シンボルの獲得数に1を加算し、ゲージ量を初期値のゼロにリセットする。シンボルは、上述したように、好手の評価を得たことに対する報酬の一種として設定されているもので、所定数毎に上位シンボルと交換できる価値を有している。シンボル獲得数は制御ユニット10のRAMに保持される。ゲージ量及びシンボルはいずれも好手と評価されたことに対する特典としてプレイヤに付与されるものである。
ステップS10にてシンボル数を変更した後、制御ユニット10は今回のルーチンを終了する。また、ステップS3で詰みと判断された場合、制御ユニット10はステップS3以下の処理をスキップしてルーチンを終了する。したがって、思考部16の思考ルーチンが一旦「詰み」の状態と判断した場合、以降はプレイヤの選択が「好手」と評価されてシンボルが付与されることはない。これにより、棋面の展開に関する予測性が低い序盤又は中盤の段階では、ゲームを進める手掛かりとして指し手の評価が行われる一方、ゲームが終盤まで進行してプレイヤの勝利がほぼ確定した段階では評価が中止される。そのため、ゲームの終盤では、ゲームのプレイ形態が、評価に頼らずに勝利を目指す本来の形態へと戻される。また、詰みの状態までゲームが進んでも、プレイヤがシンボル獲得のために敢えて詰み状態を解消する選択をする行為が防止される。さらに、ステップS6で好手と判断されなかった場合、又はステップS9でゲージ量が最大ではないと判断された場合にもルーチンが終了する。
以上の処理では、指し手評価部17によって行われる評価が対局管理部15によるゲームの進行管理に対して影響を与えない。言い換えれば、対局管理部15は、プレイヤの手番における選択と対戦相手の手番における選択とに基づいて将棋ゲームを進行させるものであり、好手の評価が得られたか否かは将棋の進行に影響しない。言い換えれば、ゲームの進行の管理に影響を与えることなく、プレイヤの選択(指し手)に対して評価を与えることができる。評価の高低に関わりなくゲームが進行するので、プレイヤは自らの判断で指し手を決定してその指し手が適切であったか否かを確認しつつ、ゲームを進めることになる。また、好手の評価を得た場合に与えられるゲージ量あるいはシンボルといった特典も、対局管理部15によるゲームの進行には何らの影響を与えない。つまり、特典が付与されたか否かに関わりなくゲームが進行するので、プレイヤが自らの判断で指し手を選択し、その指し手に応じてその後のゲームの展開、つまり棋面の有利不利、あるいは形勢が変化するという将棋ゲーム本来の興趣を損なうことなく、特典の付与という新たな興趣を評価機能に関連付けて導入し、それにより、プレイヤのゲームに対するモチベーションを向上させてゲームの興趣をさらに高めることができる。
図6は、対局管理部15により対局終了と判断された場合に、制御ユニット10が対局結果処理部18を利用して実行する対局結果処理ルーチンを示している。そのルーチンにおいて、制御ユニット10はまずステップ11で対局中に獲得したシンボルがプレイヤに付与されるような演出を表示装置12の画面上に表示する。次のステップS12において、制御ユニット10はシンボルの獲得数に応じてプレイヤの上位シンボル獲得数を更新する。シンボル獲得数が所定の交換単位に満たない場合には上位シンボルの獲得数はゼロである。続くステップS13において、制御ユニット10は自機のプレイヤが勝利したか否かを判断し、勝利していればステップS14で上位シンボルの獲得数に1を加算し、敗北していればステップS15で上位シンボルの獲得数から1を減算する。ステップS14又はS15で上位シンボルの獲得数を更新した後、制御ユニット10はステップS16に進み、プレイヤのプレイ結果(勝敗、好手の評価履歴等を含む。)に基づいてプレイ内容を評価し、その評価結果に応じてプレイヤのステイタス(格付け)を更新する。ステイタスは、例えば段位といった将棋ゲームにおけるプレイヤの強さを示す概念によりプレイヤを格付けするものである。続くステップS17において、制御ユニット10は、更新後のステイタス等が反映されるようにプレイデータを更新し、その後、今回のルーチンを終了する。
以上の形態においては、対局管理部15がゲーム管理手段に相当し、思考部16が思考手段に相当する。また、指し手評価部17が図5のステップS5の処理を実行することにより選択式別手段として機能し、ステップS6の処理を実行することにより評価手段として機能し、ステップS7の処理を実行することにより評価報知手段として機能し、ステップS8〜S10の処理を実行することにより特典付与手段として機能する。
本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、評価値リスト110の1位〜3位の選択肢のいずれかとプレイヤの指し手とが一致するときに好手として評価したが、評価手段による評価はこれに限らず適宜の変形が可能である。例えば、プレイヤの選択が上位にランクされるほどより高い評価を与えてもよい。あるいは、評価値が所定レベルよりも低い選択肢をプレイヤが選択した場合、「悪手」といった低い評価を与えてこれをプレイヤに報知してもよい。低評価がなされた場合にゲージ量を減少させるといった処理が行われてもよい。評価結果の報知は、表示装置12の画面上に表示する態様に限らず、音、光、その他の各種の態様で行ってよい。
思考部16の思考ルーチンが、手番毎の選択肢の評価に加えて、棋面の有利不利、つまりゲームの形勢を判断する機能を有する場合には、その判断結果をも考慮に入れてゲージ量あるいはシンボル等の特典を制御してもよい。さらに、その形勢の変化を記憶し、例えば有利な状況が続くとき、あるいは不利な状況から有利な状況へと大きく逆転をしたときにより高い評価を与え、あるいはさらなる特典を付与するといった処理を加えてもよい。
上記の形態では、図5のステップS3にて詰みの状態、つまりプレイヤの勝利を決定付ける選択肢が存在すると判断された場合に、中止条件が満たされたものとして以降の評価を中止している。しかしながら、中止条件はこれに限らず適宜の変形が可能である。例えば、少なくとも一つの選択肢が選択された場合にプレイヤがゲームに勝利する可能性が所定の程度よりも高いと思考部16が判断した場合に中止条件が満たされたと判断して以降の評価を中止してもよい。より具体的な例としては、プレイヤが特定の指し手を選択したときに、その一手先、あるいは二手先といったごく近い将来に詰みの状態へとゲームが進む蓋然性が極めて高いと判断されるような状況にあるときに中止条件が満たされたと判断して以降の評価を中止するといった変形が可能である。その他にも、プレイヤの手番が所定回数を超えたときに中止条件が満たされたと判断するといったように、中止条件は評価を与えるべき範囲と関連付けて適宜に設定することができる。
上記の形態では、将棋ゲームを対象とし、その将棋におけるプレイヤの手番を選択の機会とし、その手番におけるプレイヤの指し手を評価対象としたが、本発明はそのような形態に限らない。例えばチェス、オセロ(登録商標)、囲碁などの二人零和有限確定完全情報ゲームであれば、それらに適した思考ルーチンが多々提供されているので、上記の形態に倣ってプレイヤの選択を評価することができる。二人零和有限確定情報ゲームに含まれないゲームであっても、プレイヤに選択の機会が付与されたとき、選択肢毎にゲーム展開を推論して選択肢の優劣を判断できる思考ルーチンが存在するゲームであれば、その思考ルーチンの推論精度の高低に関わりなく、上記の形態に則してプレイヤの選択を評価してよい。例えば、バックギャモンではゲームの展開に偶然性が入り込むが、これに適した思考ルーチンが種々提供されているので、本発明にしたがってプレイヤの選択を評価することができる。野球ゲームのように、現実の競技をゲーム上で仮想的に再現してプレイ可能としたタイプのゲームでは、局面に応じてどのような選択をすることが望ましいかを、現実の競技における経験、理論、あるいは確率に基づいて推定することが可能である。したがって、そのような現実の競技における理論等に基づく思考ルーチンを構築して、プレイヤが実際に行った選択と思考ルーチンの判断結果とを比較することにより、本発明に従って選択を評価することができる。
本発明において、プレイヤに与えられる選択の機会はゲームにおける手番に限らない。ゲームを進める過程でプレイヤに複数の選択肢が存在し、かつ、プレイヤが行った選択に応じてその後のゲームの展開が変化する各種の機会において、本発明によりプレイヤが行った選択を評価することが可能である。例えば、将棋等のボードゲームのように、プレイヤ間で交替的に選択の機会が明示的に与えられる、いわゆるターン制を採用したゲームはもちろんのこと、そのようなターン制が採用されていないゲームであっても、プレイヤが入力装置等を介して与え得る指示に関して複数の候補が存在し、それらの候補から一又は複数の候補を選択して指示を与えたとき、その指示に応じてその後のゲームの展開が変化するような場合でも、指示とその後の展開との間に何らかの関連性が存在する場合には、本発明を適用してプレイヤの選択を評価することが可能である。より具体的な一例として、格闘ゲームのキャラクタの動作をプレイヤがジョイスティックや十字キーといった入力装置を介して指示するような局面において、キャラクタが有利になる動作と不利になる動作とが存在する場合には、動作とその後の展開とを思考ルーチンで推論して、プレイヤが選択した動作の優劣を評価するといった形態で本発明を適用することができる。
本発明はネットワークを介して対戦するタイプのゲーム機に限らず、いわゆるスタンドアローンのゲーム機でも適用可能である。プレイヤの対戦相手は現実のプレイヤに限らず、コンピュータによって仮想的に生成されたプレイヤでもよい。さらに、本発明のゲーム機は、単一のコンピュータ上に全ての手段が設けられている例に限らない。思考手段、評価手段等が複数のコンピュータ上に分散されて設けられている場合でも、それらの手段を包含する一つの論理的なゲーム機が観念できる限り、本発明のゲーム機の概念に含まれる。
1 ゲームシステム
2 ゲーム機
3 センターサーバ
5 ネットワーク
10 制御ユニット(コンピュータ)
15 対局管理部(ゲーム管理手段)
16 思考部(思考手段)
17 指し手評価部(選択識別手段、評価報知手段、特典付与手段)
106 ゲージ
110 評価値リスト
PG ゲームプログラム

Claims (10)

  1. プレイヤに選択の機会を付与し、該選択の機会で前記プレイヤが行った選択が以降のゲームの展開に影響を与えるようにして前記ゲームを進行させるゲーム管理手段と、
    前記選択の機会にて当該プレイヤに複数の選択肢が存在するときに、当該機会にて各選択肢が選択された場合のゲームの展開を所定の思考ルーチンに従って推論し、推論結果に基づいて各選択肢の優劣を判断する思考手段と、
    プレイヤが前記機会にて行った選択を識別する選択識別手段と、
    前記選択識別手段が識別した選択と、前記思考手段の判断結果との比較に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価をプレイヤに報知する評価報知手段と、
    を備えたゲーム機。
  2. 前記思考手段は、前記展開の推論結果に基づいて各選択肢の優劣を順位付けするように構成され、
    前記評価手段は、前記プレイヤが行った選択と、前記思考手段が決定した各選択肢の順位との対応関係に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価する請求項1に記載のゲーム機。
  3. 前記評価手段は、前記プレイヤが行った選択が、前記思考手段にて所定レベルよりも高順位に評価された選択肢と一致するときに当該プレイヤの選択を良好な選択として評価する請求項2に記載のゲーム機。
  4. 前記ゲーム管理手段は、前記選択の機会が前記プレイヤとその対戦相手との間で交互に生じるように前記ゲームの進行を管理し、
    前記思考手段は前記プレイヤに対して前記選択の機会が付与される毎に前記選択肢の優劣を判断し、前記評価手段は前記選択の機会が付与される毎に前記選択を評価する請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム機。
  5. 前記展開の推論の結果が所定の中止条件を満たしたとき、前記評価手段は、以降の前記プレイヤの選択に対する評価を中止する請求項4に記載のゲーム機。
  6. 前記展開の推論の結果として、少なくとも一つの選択肢が選択された場合にプレイヤがゲームに勝利する可能性が所定の程度よりも高いと前記思考手段が判断した場合、前記評価手段は前記中止条件が満たされたと判断する請求項5に記載のゲーム機。
  7. 前記ゲーム管理手段は、前記評価手段による評価を考慮に入れることなく前記ゲームを進行させる請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム機。
  8. 前記評価手段による評価に基づいて、前記ゲームの進行には影響しない特典を付与する特典付与手段をさらに備えた請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム機。
  9. 前記ゲームが二人零和有限確定完全情報ゲームである請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム機。
  10. ゲーム機に設けられたコンピュータを、
    プレイヤに選択の機会を付与し、該選択の機会で前記プレイヤが行った選択が以降のゲームの展開に影響を与えるようにして前記ゲームを進行させるゲーム管理手段、
    前記選択の機会にて当該プレイヤに複数の選択肢が存在するときに、当該機会にて各選択肢が選択された場合のゲームの展開を所定の思考ルーチンに従って推論し、推論結果に基づいて各選択肢の優劣を判断する思考手段、
    プレイヤが前記機会にて行った選択を識別する選択識別手段、
    前記選択識別手段が識別した選択と、前記思考手段の判断結果との比較に基づいて、前記プレイヤが行った選択を評価する評価手段、及び
    前記評価手段の評価をプレイヤに提示する評価報知手段、
    として機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
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