JP2011146217A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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敬司 堀河
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Hironori Yasukawa
浩範 安川
Daishi Asano
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Abstract

【課題】水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して保護層や蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDPを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の表示電極対14と誘電体層15と保護層16とが形成された前面基板11と、複数のデータ電極18と下地誘電体層19と隔壁22と蛍光体層23とが形成された背面基板17とを有し、隔壁22を挟んで前面基板11と背面基板17とを対向配置して周囲を封着するともに、内部にパラジウムまたはパラジウムを含む合金の粒子21を配置したPDP10の製造方法であって、前面基板11と背面基板17との周囲を封着する封着ステップを、PDP10の内部に酸素含有ガスを供給しながら行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像表示に用いられるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
近年、大画面で薄型軽量を実現できるカラー表示デバイスとしてプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略記する)が注目されている。
PDPとして代表的な交流面放電型PDPは、対向配置された前面基板と背面基板との間に多数の放電セルが形成されている。前面基板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対がガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面基板は、ガラス基板上に複数の互いに平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上に井桁状の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。
そして、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板と背面基板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のPDPの各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。PDPを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。
PDPは、前面基板作製工程、背面基板作製工程、封着工程、排気工程、放電ガス供給工程の各工程を経て製造される。ここで封着工程は、前面基板作製工程で作成した前面基板と背面基板作製工程で作成した背面基板とを貼り合わせる工程であり、排気工程はPDP内部の空間からガスを排気する工程である。封着工程ではフリットを用いて前面基板と背面基板とを貼り合わせるため、それらを重ね合わせてフリットの軟化点温度以上、例えば440℃〜500℃程度で焼成する。
このような封着工程において、フリットなどから、水(HO)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO)、炭化水素(C)などの不純ガスが排出され、これらの不純ガスの一部がPDPの内部に吸着される。また、続く排気工程では、PDPの内部空間を排気するが、PDPの内部に吸着された不純ガスを完全に排気することが難しく、PDPの内部にある程度の不純ガスが残留する。
保護層や蛍光体などはこれらの不純ガスと反応し、その特性が劣化することが知られている。特に、水(HO)は、保護層に影響を及ぼして放電セルの放電開始電圧を低下させ、表示画面に「にじみ」状の画質劣化を発生させる。また、長時間にわたり静止画像を表示するとその画像が残像となる「焼きつき」を発生させる。また炭化水素は、蛍光体の表面を還元し、蛍光体の発光輝度を低下させる。
そのため、PDPの内部に残留する不純ガス、特に水や炭化水素を低減し、放電特性を安定させ、経時変化を抑制して信頼性を高めることが重要である。これら不純ガスを除去する方法として、例えば特許文献1には、結晶性アルミノケイ酸塩(xMO・yMO・yAl・zSiO・nHO)、γ活性アルミナ(γ-Al)または非晶質活性シリカ(SiO)などの吸着剤をPDP内部に配置して水を除去する例が開示されている。また特許文献2には、PDP内部の画像表示領域以外に酸化マグネシウム膜を設けて、水を除去する例が開示されている。
さらに特許文献3には、アルミナ(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタニウム(La)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化クロム(CrO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉄(Fe)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化チタン(TiO)などの酸化物や、これらの酸化物に炭化水素の分解触媒である白金族元素を添加した吸着剤をPDP内部の画像表示領域以外に配置して炭化水素を除去する例が開示されている。また特許文献4には、ジルコン(Zr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属ゲッタをPDP内部の隔壁上に設けて有機溶媒成分を吸着する例が開示されている。
特開2003−303555号公報 特開平5−342991号公報 国際公開第2005/088668号 特開2002−531918号公報
しかしながら、近年のPDPの大画面化および高精細化にともない、不純ガスの残留量が増加する。そのため、上記の従来例では、水や炭化水素、有機溶媒などの不純ガスを十分に除去することが難しく、保護層や蛍光体が劣化するといった課題を有していた。
本発明はこれらの課題を解決して、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のPDPの製造方法は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを対向配置して周囲を封着するともに、内部にパラジウムまたはパラジウムを含む合金を配置したPDPの製造方法であって、前面基板と背面基板とを封着する封着ステップが、PDPの内部に酸素含有ガスを供給しながら行われている。
このような方法によれば、パラジウムまたはパラジウムを含む合金の酸化度合いが向上し高い水素吸蔵性能力を維持することができるので、PDP内部に吸着した水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して保護層や蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDPを実現することができる。
さらに、酸素含有ガスは、露点が−45℃以下であるとともに炭酸ガスを含まないガスであってもよい。このような方法によれば、汚染物質となるハイドロカーボンをPDP内部に持ち込むのを防ぐことができ、より信頼性を向上させることができる。
以上のように、本発明のPDPの製造方法によれば、パラジウムまたはパラジウムを含む合金が高い水素吸蔵性能力を維持することができる。そのため、PDP内部に吸着した水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して保護層や蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDPを実現することができる。
本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す分解斜視図である。 図1のA‐A線断面図である。 本発明の実施の形態におけるPDPの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における前面基板と背面基板との封着を行うために使用する焼成装置を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す分解斜視図、図2は図1の矢印A方向から見た詳細断面図である。図1、図2に示すように、PDP10は、前面基板11と背面基板17とから構成されている。
図1は実施の形態におけるPDPの構造を示す分解斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。図1、図2に示すように、PDP10は、前面基板11と背面基板17とから構成されている。
図1、図2において、ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とで対をなす表示電極対14が互いに平行に複数対形成されている。この走査電極12および維持電極13は、走査電極12−維持電極13−維持電極13−走査電極12の配列で繰り返すパターンで形成されている。走査電極12は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物からなる幅の広い透明電極12aの上に、導電性を高めるために銀(Ag)などの金属を含む幅の狭いバス電極12bを積層して形成されている。維持電極13も同様に、幅の広い透明電極13aの上に幅の狭いバス電極13bを積層して形成されている。
さらに、表示電極対14を覆うように誘電体層15および酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層16が形成されている。誘電体層15は、膜厚が約40μmの酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスまたは酸化亜鉛(ZnO)系低融点ガラスで形成されている。保護層16は、膜厚が約0.8μmの酸化マグネシウム(MgO)を主体とするアルカリ土類酸化物からなる薄膜層であり、誘電体層15をイオンスパッタから保護するとともに放電開始電圧などの放電特性を安定させるために設けられている。
ガラス製の背面基板17上には、銀(Ag)などを主成分とする導電性の高い材料からなる互いに平行な複数のデータ電極18が形成され、データ電極18を覆うように下地誘電体層19が形成されている。下地誘電体層19は、誘電体層15と同様の酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスなどであってもよいが、可視光反射層としての働きも兼ねるように酸化チタン(TiO)を混合した材料であってもよい。
下地誘電体層19上には井桁状の隔壁22が形成され、下地誘電体層19の表面と隔壁22の側面とには、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体層23が形成されている。隔壁22は、例えば低融点ガラス材料を用いて約0.12mmの高さに形成されている。蛍光体層23は、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Euを、緑色蛍光体としてZnSiO:Mnを、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO:Euなどをそれぞれ用いて約15μmの膜厚に形成されている。
前面基板11と背面基板17は、表示電極対14とデータ電極18とが交差するように、対向配置され、その外周部をフリットなどの封着材(図示せず)によって封着され内部に放電空間が形成されている。放電空間にはキセノン(Xe)などを含む放電ガスが約6×10Paの圧力で封入されている。放電空間は隔壁22によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極18とが交差する部分に放電セル24が形成されている。そしてこれらの放電セル24が放電、発光することにより画像が表示される。なお、PDP10の構造は上述したものに限られるわけではなく、隔壁22の形状がストライプ状であってもよい。
図2に示すように、隔壁22と対向する保護層16の表面には、粒径が0.1μm〜20μmのパラジウムやパラジウムを含む合金の粒子21が分散して配置されている。
従来、PDP10内部に残留した水や炭化水素を除去するために、金属ゲッタや酸化物ゲッタを使用していた。しかしながら、これらの不純ガスの分子径が大きいためにゲッタの内部まで十分に浸透せず、不純ガスの吸着量に限界があった。本発明者らは、PDP10の放電により、保護層16、隔壁22、蛍光体層23などから放出される水分子や炭化水素分子などの不純ガスが、水素原子、酸素原子、炭素原子に分解されることに注目した。そしてパラジウムやパラジウムを含む合金が水素を大量に吸蔵する水素吸蔵性材料であることに着目し、径の小さい水素原子をこれらの材料に吸蔵させることで、水や炭化水素を除去できると考えた。
そこで、これらの材料を用いてさまざまな条件で水素を吸蔵させる実験を行った。その結果、パラジウムやパラジウムを含む合金には優れた水素吸蔵能力があるが、これらの材料の水素吸蔵能力はそれらの酸化状態に大きく依存していることを把握した。すなわち、酸化状態が弱いと水素吸蔵能力が大幅に減少してしまい不純ガスを効果的に取り除くことができなくなることを見いだした。さらに実験を進めた結果、封着工程の全工程または一部工程においてPDP10内部に酸素を含むガスを強制的に供給することでパラジウムやパラジウムを含む合金の酸化度合いが向上し、水素吸蔵能力が低下しないことを見いだした。
以下、本実施の形態におけるPDP10の製造方法の詳細について説明する。図3は本実施の形態におけるPDP10の製造工程を示すフローチャートである。図3に示すように、PDP10は前面基板作製ステップ(S1)、背面基板作製ステップ(S2)、封着ステップ(S3)、排気ステップ(S4)、放電ガス供給ステップ(S5))、チップオフステップ(S6)の各ステップを経て製造される。
まず前面基板11を作成する前面基板作製ステップ(S1)を説明する。ガラス製の前面基板11上に、酸化インジウムスズ(ITO)などの導電性金属酸化物からなる幅の広い透明電極12a、13aを形成し、フォトリソグラフィ法などを用いて互いに平行な複数のライン状にパターニングする。次に、透明電極12a、13a上に銀(Ag)などの導電性の良い材料を含むペーストをスクリーン印刷でライン状に形成し、これを所定の温度で焼成して固化させる。その結果、走査電極12と維持電極13が形成される。走査電極12と維持電極13とは対をなして表示電極対14を構成している。
次に、表示電極対14を覆うように酸化ビスマス系低融点ガラスなどを含むペーストをダイコート法などによって塗布し、その後、これを焼成して固化することにより、誘電体層15が形成される。次に誘電体層15を覆うように酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層16を真空蒸着法により形成する。以上の工程により次に前面基板11が完成する。
次に背面基板17を作成する背面基板作製ステップ(S2)について説明する。まず、ガラス製の背面基板17上に銀(Ag)などの導電性の良い材料を含むペーストを、スクリーン印刷などを用いてライン状に形成する。これを所定の温度で焼成して固化することにより、データ電極18が形成される。次にデータ電極18を覆うように酸化ビスマス系低融点ガラスなどを含むペーストをダイコート法などによって塗布する。その後、これを焼成して固化することにより、下地誘電体層19が形成される。次に下地誘電体層19上に低融点ガラスなどを含むペーストを塗布し、これをフォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いて井桁状にパターニングする。その後これを焼成して固化することにより、隔壁22が形成される。次に、下地誘電体層19の表面と隔壁22の側面に赤、緑、青各色の蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、その後これを約100℃で乾燥することによって蛍光体層23を形成する。以上の工程により次に背面基板17が完成する。
なお、隔壁22と対向する保護層16の表面には、パラジウムの粒子21が分散して配置されている。これらの粒子21は、前面基板作製ステップ(S1)において、保護層16上にスプレー法などによって散布しても良いし、背面基板作製ステップ(S2)において、隔壁22上にこれらの粒子21を含むペーストを塗布して形成しても良い。
また、本実施の形態では、パラジウムやパラジウムを含む合金の粒子21を隔壁22の位置に対応させて設けた場合を例示している。しかしながら、粒子21の配置はこれらに限らない。例えば、粒子21を、隣接する走査電極12間や隣接する維持電極13間に設けたブラックストライプ(図示せず)に対応する保護層16上に設けても良い。また、蛍光体層23上、あるいはその内部に分散配置しても良い。
次に、前面基板11と背面基板17との周囲を封着する封着ステップ(S3)からチップオフステップ(S6)について説明する。図4は実施の形態における前面基板11と背面基板17との封着を行うために使用する焼成装置30を示す図である。
まず背面基板17の周囲にガラスフリット25を塗布し、ガラスフリット25に含まれる樹脂成分を除去するために350℃程度で仮焼成して封着ガラス層を形成する。次に表示電極対14とデータ電極18とが交差するように前面基板11と背面基板17とを対向配置して位置合わせをし、クリップなどで仮固定する。その後、仮固定した前面基板11と背面基板17とを焼成装置30において封着する。
焼成炉31の内部には、ガラスフリット25が仮焼成された背面基板17と、前面基板11とが仮固定されたPDP10が設置されている。また焼成炉31の内部にはPDP10を加熱するためのヒータ32が設けられている。背面基板17にはPDP10の内部空間に連通する吸排気用のガラス管26が連結されており、ガラス管26には配管33が接続されている。配管33は、バルブ34を介して排気装置35に接続されている。また、配管33は、それぞれ、バルブ36を介して放電ガス供給装置37に連結され、バルブ38を介して酸素含有ガス供給装置39に接続されている。さらに配管33は、ガス逃がしバルブ40にも接続されている。
このような焼成装置30による封着ステップ(S3)について説明する。まず、バルブ38を開き酸素含有ガス供給装置39から配管33を介して酸素含有ガスをPDP10内に吹き込みながら、ヒータ32をオンにして焼成炉31の内部の温度をガラスフリット25の軟化点温度近くまで上昇させて一定時間保持する。次にガス逃がしバルブ40を開いて、PDP10内部の圧力が、焼成炉31の内部の圧力よりもわずかに高い圧力となるようにする。この時、PDP10内部に吹き込まれた酸素を含むガスは、ガラスフリット25と前面基板11とのわずかな隙間からPDP10の外部へ漏れ出る状態となる。なお本実施の形態においては酸素を含むガスとして、露点が−45℃以下であるとともに炭酸ガスを含まない純空気ガスを用いた。また、画面サイズが42インチのPDP10の場合で、そのガス流量が2リットル/分となるように調整した。
次に、焼成炉31の内部の温度をガラスフリット25の軟化点温度よりも高い封着温度以上の温度まで上昇させ、一定時間(20分程度)保持する。この結果、ガラスフリット25が溶融して、前面基板11と背面基板17とが封着され、さらに、背面基板17とガラス管26とが接合される。その後、ヒータ32をオフにして焼成炉31内の温度を室温まで下げることでガラスフリット25を硬化させる。
このように封着ステップ(S3)において、PDP10の内部に酸素含有ガスを強制的に供給することで、パラジウムやパラジウムを含む合金の粒子21の酸化度合いを向上させることができる。さらに、本実施の形態のように酸素含有ガスが通常の酸素を20%含む空気であっても良いが、純空気などのように、露点が−45℃以下であるとともに炭酸ガスを含まないガスの場合は、汚染物質となるハイドロカーボンをPDP10内部に持ち込むのを防ぐことができる。
次に排気ステップ(S4)について説明する。焼成炉31の内部の温度が軟化点温度以下に下がった時点でガス逃がしバルブ40、バルブ38を閉じ酸素含有ガス供給装置39を停止するとともに、バルブ34を開き排気装置35を作動してPDP10内部のガスを排気する。
次に放電ガス供給ステップ(S5)について説明する。焼成炉31内の温度が室温まで下がったらバルブ34を閉じ排気装置35を停止する。次にバルブ36を開き放電ガス供給装置37から放電ガスを所定の圧力になるように供給する。本実施の形態においては、放電ガスは、キセノン(Xe):10%、ネオン(Ne):90%の混合ガスを用い、封入圧力として、6×10Paの圧力とした。なお、放電ガスはこれに限定されるものではなく、例えば、キセノン(Xe):100%のガスであってもよい。
最後にガラス管26を加熱して封止するチップオフステップ(S6)によってPDP10が完成する。
このようにして作成したPDP10は、内部に配置したパラジウムの粒子21の大半が、酸素含有ガスによって強く酸化されている。そのため、1000時間の連続点灯評価において、「にじみ」や「焼きつき」などの画質劣化や蛍光体の発光輝度低下がほとんど発生しないことが確認できた。これは、水分子や炭化水素分子が、水素原子、酸素原子、炭素原子に分解され、酸化された粒子21が水素を大量に吸着したことにより、酸素、炭素は残留するものの、水分子や炭化水素分子が大幅に減少したためであると考えられる。
この実験から明らかなように、パラジウムの粒子21をPDP10内部に配置して、前面基板11と背面基板17との周囲を封着する封着ステップにおいて、酸素含有ガスをPDP10内に供給することで、パラジウムの粒子21の酸化が進行し、放電にともなって分解された水素を効果的に吸蔵するために水分子や炭化水素分子を大幅に減少させることができる。その結果として、放電特性を安定させ、経時変化を抑制し、加えて蛍光体の輝度低下を抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、パラジウムの粒子21を隔壁22と対向する保護層16の表面に配置した例を示したが、その他の蛍光体層23や下地誘電体層19などPDP10内部であればどの位置に配置しても同様の効果がある。
また、パラジウムの代わりにパラジウムを含む合金を用いても同様の効果がある。
以上のように本発明のPDP製造方法によれば、パラジウムまたはパラジウムを含む合金の酸化度合いを向上させて、高い水素吸蔵性能力を維持することができる。そのため、PDP10内部に吸着した水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して、保護層16や蛍光体層23の蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDP10を実現することができる。
本発明本発明のPDPによれば、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去でき、保護層や蛍光体の劣化を抑制できるので、高画質で信頼性の高いPDPの製造方法として有用である。
10 PDP
11 前面基板
12 走査電極
12a,13a 透明電極
12b,13b バス電極
13 維持電極
14 表示電極対
15 誘電体層
16 保護層
17 背面基板
18 データ電極
19 下地誘電体層
21 粒子
22 隔壁
23 蛍光体層
24 放電セル
25 ガラスフリット
26 ガラス管
30 焼成装置
31 焼成炉
32 ヒータ
33 配管
34,36,38 バルブ
35 排気装置
37 放電ガス供給装置
39 酸素含有ガス供給装置
40 ガス逃がしバルブ

Claims (2)

  1. 複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを対向配置して周囲を封着するともに、内部にパラジウムまたはパラジウムを含む合金を配置したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記前面基板と前記背面基板とを封着する封着ステップが、前記プラズマディスプレイパネルの内部に酸素含有ガスを供給しながら行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記酸素含有ガスが、露点が−45℃以下であるとともに炭酸ガスを含まないガスであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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