JP2013157116A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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武央 頭川
Kyohei Yoshino
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Abstract

【課題】焼き付きが小さく、かつ低消費電力のプラズマディスプレイパネルを実現することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため本発明のプラズマディスプレイパネルは、電極、誘電体層、および保護層を有した前面板と、背面板とを対向配置し、前記保護層は、下地膜および酸化マグネシウム結晶体とを有し、前記下地膜を、酸化マグネシウムと、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる複合酸化物により形成し、前記背面板は、昇温脱離分析法において600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数の4倍以上15倍以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPにおいては、従来のNTSC方式に比べて走査線数が4倍以上の高精細テレビへの適用が進められており、エネルギー問題に対応してさらなる消費電力低減への取り組みや、環境問題に配慮した鉛成分を含まないPDPへの要求なども高まっている。
また、テレビは放送波の映像だけではなく、パソコンやゲームへの接続により固定映像を表示する機会が増えている。このような固定映像においては、表示画面の同一位置に同一画像を長時間表示し続けたときに発生する画面の焼き付きが起こりやすい。このため、市場では、固定用表示時の際の焼き付きの小さいPDPが要求されている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法により製造された硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、ガラス基板の一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。
一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色及び青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にネオン(Ne)−キセノン(Xe)−ネオン(Ne)の放電ガスが所定の圧力で封入されている。
前面板の誘電体層上に形成される保護層の役割としては、放電によるイオン衝撃から誘電体層を保護すること、放電を安定に保つこと、維持放電の電圧(維持電圧)を下げることなどが挙げられる。イオン衝撃から誘電体層を保護することは、維持電圧の上昇を防ぐ重要な役割である。放電を安定に保つことは、焼き付きを抑制する重要な役割である。また維持放電の電圧を下げることは、表示中の消費電力を小さくする重要な役割である。
保護層は、所定の条件下で電子ビーム蒸着などによって形成されたMgOが広く用いられている。このような電子ビーム蒸着で形成されたMgO膜は、結晶性が高く緻密な膜であり、耐スパッタ性に優れ、且つ維持放電の電圧が低いという優れた特徴を有している。
しかし、従来のPDPの製造方法では、MgO膜形成後に一旦大気に曝される。その時、MgO膜は、大気中の水分(H2O)や二酸化炭素(CO2)と反応して水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO3)などの化合物を生成し、その化合物がMgO膜の表面に析出する。また、大気中の埃やダスト等の不純物もMgO膜の表面に吸着、付着する。このようなMgO膜の表面に存在する化合物や吸着、付着物を含む層(以下、化合物や吸着、付着物を含む層を単に化合物層と記す)は、放電を不安定にする。このため、放電ガス封入工程のPDPのパネル完成後に、エージングと呼ばれる工程を行う。具体的には、PDPパネル管内を放電させることで、放電ガスのプラズマのスパッタ性を利用してMgO表面の化合物を除去し、清浄なMgO結晶面を露出させてPDPパネルの放電特性を安定化させている。
近年、消費電力削減や輝度向上の要望に応えるために、パネルの構造やパネル材料等に対する検討が活発になされている。例えば、パネルに封入されている放電ガスのキセノン分圧を増加させることによりパネルの発光効率が向上することが一般に知られている。しかしながら、単純にキセノン分圧を増加させると、維持電圧が上昇する、焼き付きが大きくなる、放電が不安定になる等の課題があった。
そこで、MgOに、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化バリウム(以下、それぞれ「SrO」、「CaO」、「BaO」と略記する)等を含有させた複合酸化物を保護層として用いることにより、パネルの維持電圧を低下させ、放電を安定させる検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、パネル内に水(H2O)を含ませることでエージング工程時の放電のスパッタ性を高め、エージング工程時間が短いままで放電を安定にする検討も行われている(例えば、特許文献2)。
特開2007−317484号公報 特開2003−424154号公報
近年、フルハイビジョンをはじめとする高精細、高階調でしかも低消費電力のテレビに対する期待が高まっている。特に、近年期待されているフルスペックの42インチクラスのハイビジョンテレビでは、画素数が1920×1080で、セルピッチは0.15mm×0.48mmと小さくなっている。このような高精細で、セルピッチが0.25mm以下のパネルにおいては、輝度の低下が特に顕在化しやすく焼き付きが視認しやすくなる。
消費電力低減のために放電による発光効率を向上させることを目的として、蛍光体の発光に寄与する放電ガスの一成分であるキセノン(Xe)の放電ガス全体における含有率をあげると、維持電圧が高くなるとともに、放電に伴う保護層の変質によって、焼き付きが発生しやすくなる。
このようにPDPの高精細化や低消費電力化を進めるにあたっては、維持電圧が高くならないようにすることと、放電を安定化させることで焼き付きを抑制させることを同時に実現させなければならない。
そこで、MgOにSrO、CaO、BaO等を含有させた複合酸化物を保護層として用いることにより、パネルの維持電圧を低下させ、放電を安定させる検討が行われている。
しかし、我々の検討の結果、前述した複合酸化物を用いたPDPに固定画像を表示し続けた場合は、表示をした領域の放電形状が変化するといった、MgOにSrO、CaO、BaO等を含有させた複合酸化物に起こる特有の課題が発生することがわかった。これは、2種類以上の保護層材料を用いるため、放電に晒されてイオン衝撃を受ける部分と放電に晒されていない部分とで保護層の放電のしやすさが変化することに起因していると予想している。
さらにこの放電形状の変化によって、放電が不安定になり、焼き付きが強くなる課題があることが分かった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、焼き付きが小さく、かつ低電圧駆動が可能なPDPを実現することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のPDPは、電極、誘電体層、および保護層を有した前面板と、背面板とを対向配置し、前記保護層は、下地膜および酸化マグネシウム結晶体とを有し、前記下地膜を、MgOと、CaO、SrO、及びBaOから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる複合酸化物により形成し、前記背面板は、昇温脱離分析法において600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数の4倍以上15倍以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、保護層における二次電子放出特性を向上させ、輝度を高めるために放電ガスのキセノン(Xe)ガス分圧を大きくした場合でも維持電圧を低減し、さらに、MgOにSrO、CaO、BaO等を含有させた複合酸化物特有の課題である放電形状が変化する課題を抑制することで、焼き付きが小さく表示性能に優れたPDPを実現することができる。
本発明によれば、高精細画像でも、高輝度かつ低電圧駆動で焼き付きの小さいPDPを実現することができる。
本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同PDPの前面板の構成を示す断面図 同PDPを製造する封着・排気用加熱炉の概要を示す模式図 同PDPの封着・排気用加熱炉の温度プロファイルの一例を示す図 同PDPの封着・排気工程を模式的に示す断面図
以下、本発明の実施の形態におけるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるPDP1の構造を示す斜視図である。PDP1の基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面基板3などよりなる前面板2と、背面基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、キセノン(Xe)やネオン(Ne)やヘリウム(He)などの放電ガスが所定の圧力で封入されている。
前面板2の前面基板3上には、走査電極4及び維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うように電荷を保持してコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその上に保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面基板11上には、前面板2の走査電極4及び維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝ごとに、紫外線によって赤色、緑色及び青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4及び維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電空間が形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電空間がカラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施の形態におけるPDP1の前面板2の構成を示す断面図であり、図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された厚さ1.8mmの前面基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6と遮光層7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層8は、前面基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮光層7を覆って設けた第1誘電体層81と、第1誘電体層81上に形成された第2誘電体層82の少なくとも2層構成とし、さらに第2誘電体層82上に保護層9が形成されている。
保護層9は、誘電体層8に形成した下地膜91と、下地膜91上に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを複数個凝集させた凝集粒子92とにより構成している。下地膜91は、MgOと、CaO、SrO、及びBaOから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成され、さらに下地膜91上に酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92を付着形成している。
次に、本発明の実施の形態におけるPDP1の製造方法について説明する。まず、前面基板3上に、走査電極4及び維持電極5と遮光層7とを形成する。走査電極4と維持電極5とを構成する透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀(Ag)材料を含むペーストを所定の温度で焼成して固化している。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆うように前面基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含む塗料である。
次に、誘電体層8上に下地膜91を形成する。本発明の実施の形態においては、下地膜91を、MgOと、CaO、SrO、及びBaOから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成している。
下地膜91は、MgO、CaO、SrO、及びBaOの単独材料のペレットや、それらの材料を混合したペレットを用いて薄膜成膜方法によって形成される。薄膜成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法を適用できる。一例として、スパッタリング法では1Pa、蒸着法の一例である電子ビーム蒸着法では0.1Paが実際上取り得る圧力の上限と考えられる。
また、下地膜91の成膜時の雰囲気としては、水分付着や不純物の吸着を防止するために外部と遮断された密閉状態で、成膜時の雰囲気を調整することにより、所定の電子放出特性を有する金属酸化物よりなる下地膜91を形成することができる。
次に、下地膜91上に付着形成する酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aの凝集粒子92について述べる。これらの結晶粒子92aは、以下に示す気相合成法または前駆体焼成法のいずれかで製造することができる。
気相合成法では、不活性ガスが満たされた雰囲気下で純度が99.9%以上のマグネシウム金属材料を加熱し、さらに、雰囲気に酸素を少量導入することによって、マグネシウムを直接酸化させ、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを作製することができる。
一方、前駆体焼成法では、以下の方法によって結晶粒子92aを作製することができる。前駆体焼成法では、酸化マグネシウム(MgO)の前駆体を700℃以上の高温で均一に焼成し、これを徐冷して酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを得ることができる。前駆体としては、例えば、マグネシウムアルコキシド(Mg(OR)2)、マグネシウムアセチルアセトン(Mg(acac)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硝酸マグネシウム(Mg(NO32)、シュウ酸マグネシウム(MgC24)のうちのいずれか1種以上の化合物を選ぶことができる。なお選択した化合物によっては、通常、水和物の形態をとることもあるがこのような水和物を用いてもよい。
これらの化合物は、焼成後に得られる酸化マグネシウム(MgO)の純度が99.95%以上、望ましくは99.98%以上になるように調整する。これらの化合物中に、各種アルカリ金属、B、Si、Fe、Alなどの不純物元素が一定量以上混じっていると、熱処理時に不要な粒子間癒着や焼結を生じ、高結晶性の酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを得にくいためである。このため、不純物元素を除去することなどにより予め前駆体を調整することが必要となる。
上記いずれかの方法で得られた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを、溶媒に分散させ、その分散液をスプレー法やスクリーン印刷法、静電塗布法などによって下地膜91の表面に分散散布させる。その後、乾燥・焼成工程を経て溶媒除去を図り、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aを下地膜91の表面に定着させることができる。
このような一連の工程により前面基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成されて前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、1.8mmの背面基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面基板11上にダイコート法などにより、アドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダ及び溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布し、所定の形状にパターニングすることにより隔壁材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。そして、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上及び隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
次に、前面基板、背面基板の少なくとも一方の画像表示領域外部に、封着材料を塗布し、その後、封着材料の樹脂成分等を除去するために350℃程度の温度で仮焼成する。ここで、保護層9に含まれる、CaO、SrO、BaOのうちの少なくとも1つの材料が、封着材料の仮焼成で劣化してしまうということを避けるために、封着材料の塗布・形成は、保護層9を備える前面基板3側にではなく、背面基板11側に行うことが好ましい。また、ここで用いる封着材料およびガラス管固着フリットとしては、後述する理由により、酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分としたフリットが望ましい。
なお、酸化ビスマスを主成分とするフリットとしては、例えば、Bi23−B23−RO−MO系(ここでRは、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれかであり、Mは、Cu、Sb、Feのいずれかである。)のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
また、酸化バナジウムを主成分とするフリットとしては、例えば、V25−BaO−TeO−WO系のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
次に、前面板作製工程で作製した前面板2とフリット塗布工程で作製した背面板10とを貼り付けて封着する。まず封着工程で用いる封着・排気用加熱炉について説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるPDP1を製造する封着・排気用加熱炉100の概要を示す模式図である。
封着・排気用加熱炉100は、内部にヒータ51を有する加熱炉52を備えている。図3の加熱炉52の内部には、前面板2の上に、仮焼成された封着フリット41およびガラス管43、44を有する背面板10が重ね合わされている様子を示している。
また背面板10に設けられた貫通孔38a、38bのそれぞれには、ガラス管固着フリット(図示せず)が置かれ、その上にガラス管43、44が置かれている。
以上の状況においては、前面板2と背面板10、および背面板10とガラス管43、44とはそれぞれ、例えばクリップ等の固定手段(図示せず)によって固定された状態となっている。
また、ガラス管43には配管53が接続され、配管53は、加熱炉52の外部に設けられた乾燥ガス供給装置71にバルブ61を介して接続されている。配管53にはガス逃がし弁62が設けられている。
ガラス管44には配管54が接続され、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた排気装置72にバルブ63を介して接続されている。また、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた放電ガス供給装置73にバルブ64を介して接続されている。さらに配管54は、バルブ65を介して配管53にも接続されている。加えて配管54には圧力計66が設けられている。
図4は、封着・排気用加熱炉100の温度プロファイルの一例を示す図である。
封着工程およびそれに続く排気工程、放電ガス供給工程のプロファイルの詳細は、順を追って以下に説明するが、説明の便宜上、封着工程と、それに続く排気工程、放電ガス供給工程とを、温度の観点から次の5つの期間に分割する。
すなわち、室温から軟化点まで上昇させる期間(期間1)、軟化点から封着温度まで上昇させる期間(期間2)、封着温度以上の温度で一定時間保持した後、軟化点まで低下させる期間(期間3)(以上、封着工程)、軟化点温度付近またはそれよりやや低い温度で一定時間保持した後、室温まで低下させる期間(期間4:排気工程)、および、室温まで低下した後の期間(期間5:放電ガス供給工程)である。
ここで、軟化点とは、フリットが軟化する温度を指し、本実施の形態におけるフリットの軟化点温度は、例えば430℃程度である。
また封着温度とは、前面板2と背面板10とが封着フリット41により、また、背面板10とガラス管43、44とがガラス管固着フリット(図示せず)により、密閉される状態となる温度を指すものである。本実施の形態における封着温度は、例えば490℃程度である。なお、上記の封着温度は以下のようにしてあらかじめ確認することができる。
すなわち、前面板2と背面板10とを重ね合わせ、バルブ61、64、65を閉じ、バルブ63のみを開いて、排気装置72によってガラス管44からパネルの内部を排気しながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を上昇させる。すると、ある温度で圧力計66において確認されるパネル内部の圧力がステップ状に減少し、かつバルブ63を閉じてもパネル内部の圧力が大きく上昇しなくなる。このときの温度は、パネルが密封される封着温度である。
ここで、図5を用いて封着工程の詳細について説明する。図5(a)〜図5(e)はそれぞれ上述の期間1〜期間5におけるパネル内部のガスおよびその流れを示す図である。
まず、表示電極6とアドレス電極12とが直交して対向するように前面板2と背面板10とを位置決めして重ね合わせる。
そして、前面板2と背面板10とを重ね合わせた後、図5(a)に示すように、バルブ61とバルブ65とを開いて、乾燥ガスをガラス管43およびガラス管44の両方からパネルの内部に吹き込みながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を封着用フリットの軟化点温度まで上昇させる。
このとき、パネルの内部に吹き込まれた乾燥ガスは、符号200にて示すように、前面板2と背面板10上に形成された封着材料41との隙間からパネルの外部へ漏れ出る状態となる。
なお、乾燥ガスとして、露点が−45℃以下の乾燥窒素ガスを用い、その流量は5L/minが一般的である(期間1)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着用フリットの軟化点温度以上になると、図5(b)に示すように、バルブ65を閉じるとともにバルブ61を調節して乾燥窒素ガスの流量を期間1の半分以下の2L/minにする。そしてガス逃がし弁62を開いて、パネル内部の圧力が、封着・排気用の加熱炉52内部の圧力よりも僅かに揚圧となるようにする。そして加熱炉52内部の温度を封着温度まで上昇させる(期間2)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着温度以上の温度に到達し、封着材料およびガラス管固着フリットが溶融し、前面板2と背面板10との封着、および背面板10とガラス管43、44との接合が行われると、図5(c)に示すように、排気装置72を動作させバルブ63を調整して、パネル内部の圧力を僅かに陰圧、例えば8.0×104Paにする。このようにしてガラス管43からは乾燥窒素ガスを供給するとともにガラス管44から乾燥窒素ガスを排気することによって、パネル内部の圧力を僅かに陰圧に保ちつつパネル内部に乾燥窒素ガスを流し続ける。
そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を封着温度以上の温度に約30分保持する。この間に溶融した封着材料およびガラス管固着フリットが僅かに流動し、パネル内部の圧力が僅かに陰圧に保たれていることから、前面板2と背面板10との封着、および背面板10とガラス管43、44とが精度よく接合される。その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52の温度を軟化点以下の温度まで下げる(期間3)。
ここで、期間2および期間3において、パネル内の圧力を上述のように設定する理由について説明する。まず、期間2および期間3においては封着材料は軟化もしくは溶融しているため、期間1での状態のような、前面板2と背面板10上に形成された封着材料41との隙間からパネルの外部へ乾燥ガスが漏れ出すような圧力状態であると、封着材料の形状が漏れ出る乾燥ガスにより影響を受けてしまい、封着の信頼性に悪影響を与えてしまう場合がある。そこで、期間2および期間3においては、パネル内外での圧力差は、極力、小さく設定することが好ましい。その上で、期間2においては、封着材料は軟化しているが溶融にまでは至っておらず、封着の過程が進行することはないので、パネル内への不純ガスの混入を防ぐということを第1の目的として、僅かに揚圧としている。
これに対し期間3では、封着材料は溶融しており、この期間で前面板と背面板との封着の過程が進行する。ここで、この期間3においても期間2と同様、若干の揚圧と設定すると、前面板と背面板とは若干、膨らんだ状態、すなわち、前面板と背面板上に形成された隔壁とは隙間を持った状態で封着されてしまい、パネルの画像表示への品質に悪影響を与えてしまう場合がある。
そこで、このようなパネルの封着状態を避けつつ、パネル内への不純ガスの混入を防ぐという目的を達成するために、期間3においては、僅かに陰圧となるように設定している。
(排気工程)
排気工程は、パネル内部のガスを排気する工程である。加熱炉52内部の温度が軟化点温度以下になると、図5(d)に示すように、バルブ61を閉じ、バルブ63およびバルブ65を開いて、複数の貫通孔38a、38bからガラス管43、44を通してパネルの内部を排気する。そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を所定の時間保持しながら、排気を継続して行う。その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52内部の温度を室温まで低下させる。この間も排気を継続して行う(期間4)。
(放電ガス供給工程)
放電ガス供給工程は、真空排気されたパネル内部にNeおよびXeを主成分とする放電ガスを供給する工程である。加熱炉52内部の温度が室温まで低下した後、図5(e)に示すように、バルブ63を閉じ、バルブ64およびバルブ65を開いて、ガラス管43、44から複数の貫通孔38a、38bを通して放電ガスを所定の圧力となるように供給する。
本発明の実施の形態におけるPDP1の放電ガスは、Xe:15%、Ne:85%の混合ガスで、所定の気圧は6×104Paで作製した。しかし、放電ガスはこれに限定されるものではない。その後、ガラス管43、44を加熱封止する(期間5)。
以上のようにして、所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置し、その周囲をガラスフリットで封着して放電空間16にXeとNeなどを含む放電ガスを封入してPDP1が完成する。
次に、本発明の実施の形態におけるPDP1の特徴について説明する。
本発明の実施の形態におけるPDPでは、図2に示すように、保護層9は、誘電体層8に形成した下地膜91と、下地膜91上に付着させた酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子92aが複数個凝集した凝集粒子92とにより構成されている。また、下地膜91を、MgOと、CaO、SrO、BaOから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる金属酸化物により形成し、背面板10へのH2Oの吸着量は、昇温脱離分析法において600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の4倍以上15倍以下に制御している。
本発明の実施の形態における背面板10へのH2Oの吸着量の制御方法は、封着工程における期間4の温度を制御することで行った。
このように背面板10へのH2Oの吸着量の制御を行った本発明の実施の形態におけるPDP1は、MgOにSrO、CaO、BaO等を含有させた複合酸化物特有の課題である放電形状の変化を抑制し、焼き付きが小さく、実用に十分な維持電圧のPDPを実現することができる。
背面板10のH2Oの吸着量を制御することで、放電形状の変化を抑制できる理由を以下に述べる。
背面板は、蛍光体粒子が隔壁に塗布されており、前面板よりも表面積が大きい。また、背面板を形成する隔壁や蛍光体や封着用のフリットは、有機物や水を含むペーストによって塗布され、乾燥と焼成により形成される。また、隔壁内には小さな空洞がいくつも存在している。このため、背面板は前面板と比較して非常にH2Oの吸着量が多い。このことから、パネル内に存在するH2Oの吸着量は、背面板が大半を占めていることがわかる。
また、本発明者の実験によれば、背面板に吸着するH2Oの吸着量は、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数と150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の比に対して放電形状の変化と維持電圧とが強い相関があることを見出した。
2Oの各温度のピーク分子数の比が放電形状の変化に与える影響については、詳細は不明であるが、以下のように考えている。
放電ガスにH2Oが残留した場合、H2Oを含むガスがプラズマ化され、プラズマ中に多量の活性種が発生する。このH2Oに起因する大量の活性種により、保護層表面に与えるイオン衝撃が大きくなると考えられる。つまり、放電に晒されている維持電極対部分の複合酸化物の保護層表面は、このH2Oに起因する活性種を含んだプラズマの強いイオン衝撃により、組成変化が起こると考えられる。この組成変化により、保護層の放電のしやすさが放電に晒された領域と放電に晒されていない領域とで異なるため、放電形状が変化すると考えられる。
放電形状の変化を抑制し、焼き付きが小さく、実用に十分な維持電圧のPDPになるためのH2Oの吸着量が、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の4倍以上15倍以下のように範囲を持つ理由としては、例えば以下が考えられる。
600度から720度までの領域のH2Oの吸着量は、隔壁や下地誘電体層等の背面板の構造物に含まれており、背面板や前面板のサイズによって依存する。また、吸着温度領域が高温であることから、作製プロセスには依存しにくい。一方、150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oの分子は、蛍光体層に物理的に吸着したH2Oの分子であると考えられる。よって、背面板や前面板のサイズが変わらない場合において、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の4倍以下のように小さい場合、放電時にプラズマ化するH2Oが多いことを意味している。一方で、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の15倍以上のように大きい場合は、放電時にプラズマ化するH2Oが少ないことを意味している。
600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の4倍以下となる場合、放電に晒されている維持電極対部分の複合酸化物の保護層表面の組成変化が大きくなると考えられる。このため、放電の形状が変化し焼き付きが発生すると考えられる。
一方で、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の15倍以上の場合、エージング工程における保護層表面の清浄化が不足するため、パネル特性の放電の安定性や維持電圧等の特性が悪化すると考えられる。特に、MgOにSrO、CaO、BaO等を含有させた本発明の複合酸化物においては、保護層表面が変質しやすいことから、より清浄化が不足し、維持電圧が高くなりやすいと考えられる。
2Oの吸着量の制御方法として、封着工程における期間4の温度を制御できる要因としては以下が考えられる。
排気工程の期間4は、パネル内部に残留した有機物やH2OやCO2を脱離させることを目的としている。このため、期間4の時間が長いほど背面板10のH2Oの吸着量を減らすことができる。
次に、排気工程の期間4の時間を変えたPDPについて、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数と150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数との比と、維持電圧と、維持電圧の実用性と、放電形状の変化の有無と、目視での焼き付き評価を行った実験結果について説明する。表1にその結果を示している。表1における各項目の意味と評価法は以下の通りである。
Figure 2013157116
パネル番号:本実施の形態とその比較例として実験を行ったパネルの番号である。
保護層の組成:前面板に形成した保護層の組成を示す。MgOとCaOとSrOとBaOの単独材料のペレットを混合し、電子ビーム蒸着にて形成している。組成の割合は混合するペレットの割合で制御を行った。各パネルの組成は、重量比で記載している。
期間4の時間:排気工程の期間4における時間を記載している。
2O吸着量の比:600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数から150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数で割った比を記載している。吸着分子数X(個/g)は、昇温脱離質量分析において排気速度をS(m3/s)、測定間隔時間をt(s)、全検出イオン電流をI(A)、求めたい分子のイオン電流をJ(A)、電流検出時の圧力をP(Pa)、測定試料の重さをW(g)とした時、気体定数をR、温度をT、アボガドロ数をNとして、
X={N/(R×T)}×P×S×t×(J/I)/W=2.471×1020×P×S×t×(J/I)/Wの式より求まる値であり、本実施の形態では排気速度0.19(m3/s)、測定間隔時間10(s)により測定したデータを用いている。
昇温脱離質量分析を行った各パネルの試料は、焼き付きの目視評価を行った後に、各パネルを大気中で割断してサンプリングしている。分析した試料のサイズは10×10mmであり、分析した領域は、連続表示していない領域である。また、割断は、露点−30度の乾燥大気雰囲気で行った。
維持電圧:パネル全面を点灯させるのに必要な維持電圧を示している。
維持電圧の実用性:維持電圧が高い場合、消費電力が大きくなる。各実施例において、保護層にMgOを用いたパネル番号23の消費電力に対する優位性の有無を判断し記載している。結果を、○:MgOのパネルに対して優位性がある、×:MgOのパネルに対して優位性がない、で示している。
放電形状の変化の有無:放電形状は、維持放電を10kHzで300時間実施し、維持放電前後の放電形状をゲートカメラで観察した。放電形状は、500回観察した際の平均を観察している。維持放電の期間は、維持放電を10kHzで300時間実施した。評価した結果は、○:変化が見られない、△:若干変化がある、×:変化がある、で表記している。
放電形状の変化:静止画像を200時間表示させた後に、ゲートカメラにて放電形状を観察した。静止画像を表示させた領域と表示させていない領域との放電形状の変化を、○:変化無し、△:若干の変化がある、×:大きな変化がある、で表記している。
焼き付きの目視評価:画面の面積に対して1%の面積の白い四角の画像を画面中央に10kHzで300時間連続表示し、その後に焼き付きが見えるかを目視にて評価した。評価は、連続表示後に全面白色表示を1時間行い、その後に全面白色表示で評価を行った。評価した結果は、○:実用上問題なし、×:実用上問題である、で表記している。
この表1から明らかなように、600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oのピーク分子数の4倍以上15倍以下では、焼き付きと維持電圧が実用上問題無いことが分かる。また、焼き付きが実用上問題無い評価結果となる期間4の時間は、保護層の組成によって異なることが分かる。また、焼き付きの目視評価の結果は、放電形状の変化に相関があることが分かる。
MgOでは、H2O吸着量の比に関わらず、放電形状の変化は起こっていないことがわかる。このため、本発明の課題は、CaOかSrOかBaOを含まないMgOのみの保護層では発生しないと考えられる。
なお、本実施の形態では、排気工程の期間4の時間を制御することで背面板のH2Oの吸着量を制御したが、期間4の温度や、封着工程の期間3の温度や時間でも制御を行うことができるし、背面板を構成する蛍光体や隔壁の材料や焼成温度やディメンジョンを変更しても制御することができ、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、保護層の組成として表1に記載した組成で実施したが、MgOにCaOかSrOかBaOかのいずれか一つ以上の酸化物からなればよいため、表1に記載した組成以外においても同様の効果を得ることができる。
以上のように本発明は、焼き付きが小さく、かつ低消費電力のPDPを実現する上で有用な発明である。
1 PDP
2 前面板
3 前面基板
4 走査電極
5 維持電極
6 表示電極
8 誘電体層
9 保護層
16 放電空間
38 貫通孔
41 封着フリット(封着材料)
43,44 ガラス管
51 ヒータ
52 加熱炉
53、54 配管
61,63,64,65 バルブ
62 ガス逃がし弁
66 圧力計
71 乾燥ガス供給装置
72 排気装置
73 放電ガス供給装置
91 下地膜
92 凝集粒子
92a 結晶粒子
100 封着・排気用加熱炉

Claims (1)

  1. 電極、誘電体層、および保護層を有した前面板と、背面板とを対向配置し、
    前記保護層は、下地膜および酸化マグネシウム結晶体とを有し、
    前記下地膜を、酸化マグネシウムと、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムから選ばれる少なくとも1つ以上の酸化物からなる複合酸化物により形成し、
    前記背面板は、昇温脱離分析法において600度から720度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数が150度から200度までの領域で現れる脱離H2Oの分子数の4倍以上15倍以下である、プラズマディスプレイパネル。
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