JP2011124068A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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誠治 西谷
Hideji Kawarasaki
秀司 河原崎
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敬司 堀河
Ryosuke Sawa
亮介 澤
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寛 十河
Hironori Yasukawa
浩範 安川
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Abstract

【課題】水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して保護層や蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDPを提供することを目的とする。
【解決手段】互いに平行な複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板11と、互いに平行な複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板17とを有し、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板11と背面基板17とを対向配置して周囲を封着するとともに内部に白金族からなる水素吸蔵性材料を配置したPDP10の製造方法であって、前面基板11と背面基板17との周囲を封着する封着ステップが、PDP10内を減圧状態にして行われる。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像表示に用いられるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
近年、大画面で薄型軽量を実現できるカラー表示デバイスとしてプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略記する)が注目されている。
PDPとして代表的な交流面放電型PDPは、対向配置された前面基板と背面基板との間に多数の放電セルが形成されている。前面基板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対がガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面基板は、ガラス基板上に複数の互いに平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上に井桁状の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。
そして、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板と背面基板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のPDPの各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。PDPを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。
PDPは、前面基板作製工程、背面基板作製工程、封着工程、排気工程、放電ガス供給工程の各工程を経て製造される。ここで封着工程は、前面基板作製工程で作成した前面基板と背面基板作製工程で作成した背面基板とを貼り合わせる工程であり、排気工程はPDP内部の空間からガスを排気する工程である。封着工程ではフリットを用いて前面基板と背面基板とを貼り合わせるため、それらを重ね合わせてフリットの軟化点温度以上、例えば440℃〜500℃程度で焼成する。
このような封着工程において、フリットなどから、水(HO)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO)、炭化水素(C)などの不純ガスが排出され、これらの不純ガスの一部がPDPの内部に吸着される。また、続く排気工程では、PDPの内部空間を排気するが、PDPの内部に吸着された不純ガスを完全に排気することが難しく、PDPの内部にある程度の不純ガスが残留する。
保護層や蛍光体などはこれらの不純ガスと反応し、その特性が劣化することが知られている。特に、水(HO)は、保護層に影響を及ぼして放電セルの放電開始電圧を低下させ、表示画面に「にじみ」状の画質劣化を発生させる。また、長時間にわたり静止画像を表示するとその画像が残像となる「焼きつき」を発生させる。また炭化水素は、蛍光体の表面を還元し、蛍光体の発光輝度を低下させる。
そのため、PDPの内部に残留する不純ガス、特に水や炭化水素を低減し、放電特性を安定させ、経時変化を抑制して信頼性を高めることが重要である。これら不純ガスを除去する方法として、例えば特許文献1には、結晶性アルミノケイ酸塩(xMO・yMO・yAl・zSiO・nHO)、γ活性アルミナ(γ−Al)または非晶質活性シリカ(SiO)などの吸着剤をPDP内部に配置して水を除去する例が開示されている。また特許文献2には、PDP内部の画像表示領域以外に酸化マグネシウム膜を設けて、水を除去する例が開示されている。
さらに特許文献3には、アルミナ(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ランタニウム(La)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化クロム(CrO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉄(Fe)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化チタン(TiO)などの酸化物や、これらの酸化物に炭化水素の分解触媒である白金族元素を添加した吸着剤をPDP内部の画像表示領域以外に配置して炭化水素を除去する例が開示されている。また特許文献4には、ジルコン(Zr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属ゲッタをPDP内部の隔壁上に設けて有機溶媒成分を吸着する例が開示されている。
特開2003−303555号公報 特開平5−342991号公報 国際公開第2005/088668号 特開2002−531918号公報
しかしながら、近年のPDPの大画面化および高精細化にともない、不純ガスの残留量が増加する。そのため、上記の従来例では、水や炭化水素、有機溶媒などの不純ガスを十分に除去することが難しく、保護層や蛍光体が劣化するといった課題を有していた。
本発明はこれらの課題を解決して、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のPDPの製造方法は、互いに平行な複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、互いに平行な複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板と背面基板とを対向配置して周囲を封着するとともに内部に白金族からなる水素吸蔵性材料を配置したPDPの製造方法であって、前面基板と背面基板との周囲を封着する封着ステップが、PDP内を減圧状態にして行っている。
このような方法によれば、封着ステップで水素吸蔵性材料が酸化されるのを防ぎ、水素吸蔵性材料の高い水素吸蔵性能力を維持することができる。その結果、水、炭化水素などの不純ガスが十分に除去され、保護層や蛍光体の劣化を抑制して高画質で信頼性の高いPDPを実現することができる。
さらに、封着ステップが、PDP内を一旦減圧状態にして保持するステップと、その後、酸素を含まない不活性ガスで復圧するステップとを含むことが望ましい。このような方法によれば、水素吸蔵性材料の酸化がさらに抑制され、保護層や蛍光体の劣化をさらに抑制することができる。
さらに、水素吸蔵性材料がパラジウムである場合には、保護層や蛍光体の劣化をきわめて大きく抑制することができる。
本発明のPDPによれば、水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去して保護層や蛍光体の劣化を抑制し、高画質で信頼性の高いPDPを提供することができる。
実施の形態1におけるPDPの構造を示す分解斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 実施の形態1におけるPDPの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1における封着・排気ステップに用いる焼成装置を示す図である。 実施の形態2におけるPDPの製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態2における封着ステップに用いる焼成装置を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるPDPの構造を示す分解斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。図1、図2に示すように、PDP10は、前面基板11と背面基板17とから構成されている。
図1、図2において、ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とで対をなす表示電極対14が互いに平行に複数対形成されている。この走査電極12および維持電極13は、走査電極12−維持電極13−維持電極13−走査電極12の配列で繰り返すパターンで形成されている。走査電極12は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物からなる幅の広い透明電極12aの上に、導電性を高めるために銀(Ag)などの金属を含む幅の狭いバス電極12bを積層して形成されている。維持電極13も同様に、幅の広い透明電極13aの上に幅の狭いバス電極13bを積層して形成されている。
さらに、表示電極対14を覆うように誘電体層15および酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層16が形成されている。誘電体層15は、膜厚が約40μmの酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスまたは酸化亜鉛(ZnO)系低融点ガラスで形成されている。保護層16は、膜厚が約0.8μmの酸化マグネシウム(MgO)を主体とするアルカリ土類酸化物からなる薄膜層であり、誘電体層15をイオンスパッタから保護するとともに放電開始電圧などの放電特性を安定させるために設けられている。
ガラス製の背面基板17上には、銀(Ag)などを主成分とする導電性の高い材料からなる互いに平行な複数のデータ電極18が形成され、データ電極18を覆うように下地誘電体層19が形成されている。下地誘電体層19は、誘電体層15と同様の酸化ビスマス(Bi)系低融点ガラスなどであってもよいが、可視光反射層としての働きも兼ねるように酸化チタン(TiO)粒子を混合した材料であってもよい。
下地誘電体層19上には井桁状の隔壁22が形成され、下地誘電体層19の表面と隔壁22の側面とには、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体層23が形成されている。隔壁22は、例えば低融点ガラス材料を用いて約0.12mmの高さに形成されている。蛍光体層23は、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Euを、緑色蛍光体としてZnSiO:Mnを、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO:Euなどをそれぞれ用いて約15μmの膜厚に形成されている。
図2に示すように、保護層16の表面あるいは隔壁22の頂部には、粒径が0.1μm〜20μmの白金族元素からなる水素吸蔵性材料21が分散して配置されている。水素吸蔵性材料21の詳細については後述する。
前面基板11と背面基板17は、表示電極対14とデータ電極18とが交差するように、対向配置され、その外周部をフリットなどの封着材(図示せず)によって封着され内部に放電空間が形成されている。放電空間にはキセノン(Xe)などを含む放電ガスが約6×10Paの圧力で封入されている。放電空間は隔壁22によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極18とが交差する部分に放電セル24が形成されている。そしてこれらの放電セル24が放電、発光することにより画像が表示される。なお、PDP10の構造は上述したものに限られるわけではなく、隔壁22の形状がストライプ状であってもよい。
次に、白金族元素からなる水素吸蔵性材料21について説明する。従来、水や炭化水素を除去するために金属ゲッタや酸化物ゲッタを使用していたが、これら不純ガスの分子径が大きいためゲッタの内部まで十分に浸透せず、不純ガスの吸着量に限界があった。
本発明者らは、PDP10の放電により、保護層16、隔壁22、蛍光体層23などから放出される水分子や炭化水素分子などの不純ガスが、水素原子、酸素原子、炭素原子に分解されることに注目した。そして白金族元素が、水素を大量に吸蔵する水素吸蔵性材料であることに着目し、水素原子を白金族元素に吸蔵させることで、水や炭化水素を除去できることを見いだした。
まず、白金族元素を用いて以下のような実験を行った。白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミニウム(Os)、パラジウム(Pd)などの白金族元素からなる水素吸蔵性材料21を粉体化してそれぞれを有機バインダーと混練し、スプレー法などを用いて図2に示すように蛍光体層23の表面に分散塗布したPDP10を作成した。
このようにして作成したPDP10を用いて画像を表示させ、およそ1000時間の間、表示面での「にじみ」および「焼きつき」の有無を目視で確認した。その結果、全てのPDP10で「にじみ」や「焼きつき」による画質劣化が従来のPDP10よりも軽減することを確認した。また、白金族元素のなかではパラジウムを用いたものが最も効果が大きかった。これはパラジウムが、水分子や炭化水素分子が分解されて発生した水素原子を最もよく吸収する能力があるためと考えられる。
しかしながら、400℃〜500℃の大気雰囲気で加熱される封着ステップにおいて、白金族元素の水素吸蔵性材料21が部分的に酸化され、その結果、本来の水素吸蔵能力が十分に発揮されずに水、炭化水素などの不純ガスを十分には除去できないことも確認された。そこで、封着ステップにおいて、水素吸蔵性材料21が酸化されるのを防ぐ方法を種々試みた。その結果、封着ステップにおいて、PDP10内を減圧状態に保持することによって、水素吸蔵性材料21の酸化を防ぐことができることを見いだした。
図3は実施の形態1におけるPDP10の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように、PDP10は、前面基板作製ステップ(S1)、背面基板作製ステップ(S2)、封着・排気ステップ(S3)、放電ガス封入ステップ(S5)、チップオフステップ(S6)の各ステップを経て製造される。
前面基板11と背面基板17との周囲を封着する封着・排気ステップ(S3)について詳細に説明する。封着・排気ステップ(S3)では、まず背面基板17の周囲にガラスフリットを塗布し、ガラスフリットに含まれる樹脂成分を除去するために350℃程度で仮焼成し封着ガラス層を形成する。次に表示電極対14とデータ電極18とが交差するように前面基板11と背面基板17とを対向配置して位置合わせをし、クリップなどで仮固定する。次に、図4に示す焼成装置30内に配置して封着する。
図4は実施の形態1における封着・排気ステップ(S3)に用いる焼成装置30を示す図である。焼成炉31の内部には、封着ガラス層25によって背面基板17と前面基板11とが仮固定されたPDP10が設置されている。焼成炉31の内部には、PDP10を加熱するためのヒータ32が設けられている。背面基板17にはPDP10の内部空間に連通する吸排気用のガラス管26が形成されており、ガラス管26には配管33が接続されている。配管33はバルブ34を介して排気装置35に接続され、さらに、バルブ36を介して高圧ボンベなどからなる放電ガス供給装置37に接続されている。
封着・排気ステップ(S3)では、まず、バルブ34を開放して排気装置35を作動させてPDP10内のガスを排気し、PDP10内部を減圧状態にする。内部が133×10Pa程度の真空状態になった時点で、排気を続けながらヒータ32をオンにして焼成炉31の内部を加熱する。焼成炉31の内部の温度が封着ガラス層25の軟化点温度よりも高い温度(450℃程度)になったところで一定時間(20分程度)保持する。これによって封着ガラス層25が軟化して前面基板11と背面基板17とが封着される。
一方、この状態では、PDP10内部は減圧状態となり酸素がない状態となる。そのため、保護層16の表面に配置された水素吸蔵性材料21が酸化されることがなく、水素吸蔵能力を十分保持したままとすることができる。
その後、ヒータ32をオフにして焼成炉31内の温度を室温まで下げる。この間、PDP10内部に発生した水、炭化水素などの不純ガスの多くが排気されるが、一部はPDP10内部の表面に吸着されて残留する。しかしながら、これらの残留した不純ガスは、その後、酸化されていない水素吸蔵性材料21により十分に除去される。
次に、放電ガス封入ステップ(S4)について説明する。焼成炉31内の温度が室温まで下がった状態で、バルブ34を閉じ排気装置35を停止する。その後、バルブ36を開き放電ガス供給装置37から放電ガスを所定の圧力になるように供給する。実施の形態1においては、放電ガスは、キセノン(Xe)10%、ネオン(Ne)90%の混合ガスを用い、PDP10内部への封入圧力を6×10Paの圧力とした。最後に、チップオフステップ(S5)において、ガラス管26を加熱封止(チップオフ)してPDP10が完成する。
したがって、実施の形態1のように、封着・排気ステップ(S3)において、PDP10内を減圧状態として作製したPDP10は、「にじみ」や「焼きつき」による画質劣化が著しく軽減されることを確認した。これは、封着・排気ステップ(S3)において、内部に配置した水素吸蔵性材料21が酸化されていないため、不純ガスを十分に除去することができるからである。また、これらのPDP10において、水素吸蔵性材料21にパラジウムを用いた場合には特に効果が大きく、「にじみ」や「焼きつき」などの画質劣化や蛍光体の発光輝度低下がほとんど発生しないことを確認できた。
以上の結果より、封着・排気ステップ(S3)において、PDP10内を減圧状態に保持することにより水素吸蔵性材料21の酸化を防ぐことができる。これにより水素吸蔵性材料21が放電にともなって分解された水素を十分に吸蔵でき、水分子や炭化水素分子の発生を大幅に減少させる。その結果、PDP10の放電特性が安定で、その経時変化を抑制し、加えて蛍光体の輝度低下を抑えることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2におけるPDPの製造方法について説明する。図5は実施の形態2におけるPDP10の製造方法を示すフローチャートであり、図6はその封着ステップに用いる焼成装置40を示す図である。なお、PDP10の構成と焼成装置40の主要な構成は実施の形態1と同じであるので、同一の構成要素については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。実施の形態2と実施の形態1とは封着・排気ステップの内容が異なり、図5に示すように、実施の形態2では、封着・排気ステップ(S3)において、不活性ガス封入ステップ(S6)を付加している。
すなわち、図6に示す焼成装置40において、焼成炉31の内部には、封着ガラス層25によって背面基板17と前面基板11とが仮固定されたPDP10が設置されている。焼成炉31の内部には、PDP10を加熱するためのヒータ32が設けられている。背面基板17にはPDP10の内部空間に連通する吸排気用のガラス管26が形成されており、ガラス管26には配管33が接続されている。配管33はバルブ34を介して排気装置35に、バルブ36を介して高圧ボンベなどからなる放電ガス供給装置37に、さらに、バルブ38を介して高圧ボンベなどからなる不活性ガス供給装置39に接続されている。
このような焼成装置40において、まず、バルブ34を開放して排気装置35を作動させてPDP10内のガスを排気し、PDP10内部を減圧状態にする。内部が133×10Pa程度の真空状態になった時点で、排気を続けながらヒータ32をオンにして焼成炉31の内部を加熱する。焼成炉31の内部の温度が封着ガラス層25の軟化点温度よりも高い温度(450℃程度)になったところで一定時間(20分程度)保持する。これによって封着ガラス層25が軟化して前面基板11と背面基板17とが封着される。この、排気と加熱過程で、加熱によってPDP10内に発生した水、炭化水素などの不純ガスの多くは排気される。
その後、バルブ34を閉じバルブ38を開いて不活性ガス供給装置39から不活性ガスを供給する。そして、PDP10内部が大気圧近くになるまで復圧させる。このように、封着・排気ステップにおいて、PDP10内を一旦減圧状態にして保持した後、酸素を含まない不活性ガスで復圧させる。このようにすることによって、水素吸蔵性材料21が酸化されるのをさらに効果的に防ぐことができる。
その後、バルブ38を閉じバルブ34を開いて、PDP10内のガスを排気してPDP10内部を減圧状態にする。これらの過程において、不純ガスの一部がPDP10内部の表面に吸着されて残留する。しかしながら、残留した不純ガスはその後、酸化されていない水素吸蔵性材料21により十分に除去される。その後ヒータ32をオフにして焼成炉31内の温度を室温まで下げる。
次に放電ガス封入ステップについて説明する。焼成炉31内の温度が室温まで下がったらバルブ34を閉じ排気装置35を止める。次にバルブ36を開き放電ガス供給装置37から放電ガスを所定の圧力になるように供給する。実施の形態2においては、放電ガスは、キセノン(Xe)10%、ネオン(Ne)90%の混合ガスを用い、6×10Paの圧力とした。最後に、チップオフステップ(S5)において、ガラス管26を加熱封止(チップオフ)してPDP10が完成する。
これにより水素吸蔵性材料21が放電にともなって分解された水素を十分に吸蔵でき、水分子や炭化水素分子の発生を大幅に減少させる。その結果、PDP10の放電特性が安定で、その経時変化を抑制し、加えて蛍光体の輝度低下を抑えることができる。
なお、本発明の実施の形態においては、白金族からなる水素吸蔵性材料21を隔壁22と対向する保護層16の表面に配置した例を示したが、その他の蛍光体層23や下地誘電体層19などPDP10の内部であればどの位置に配置しても同様の効果がある。
以上のように、本発明の実施の形態におけるPDPの製造方法によれば、封着・排気ステップで水素吸蔵性材料が酸化されるのを防ぐことができ、水素吸蔵性材料の高い水素吸蔵性能力を維持することができる。
本発明のPDPによれば、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去でき、保護層や蛍光体の劣化を抑制できるので、高画質で信頼性の高いPDPの製造方法として有用である。
10 PDP
11 前面基板
12 走査電極
12a,13a 透明電極
12b,13b バス電極
13 維持電極
14 表示電極対
15 誘電体層
16 保護層
17 背面基板
18 データ電極
19 下地誘電体層
21 水素吸蔵性材料
22 隔壁
23 蛍光体層
24 放電セル
25 封着ガラス
26 ガラス管
30,40 焼成装置
31 焼成炉
32 ヒータ
33 配管
34,36,38 バルブ
35 排気装置
37 放電ガス供給装置
39 不活性ガス供給装置

Claims (3)

  1. 互いに平行な複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、互いに平行な複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、前記表示電極対と前記データ電極とが交差するように前記前面基板と前記背面基板とを対向配置して周囲を封着するとともに内部に白金族からなる水素吸蔵性材料を配置したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記前面基板と前記背面基板との周囲を封着する封着ステップが、前記プラズマディスプレイパネル内を減圧状態にして行われることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記封着ステップが、前記プラズマディスプレイパネル内を一旦減圧状態にして保持するステップと、その後、酸素を含まない不活性ガスで復圧するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記水素吸蔵性材料がパラジウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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