JP2011146136A - 端子挿入状態検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタに挿入された端子の引張り試験を行う場合に、合格判定基準の変更に容易に対処できるようにすること。
【解決手段】コネクタ10に挿入された端子14の引張り試験を行うための端子挿入状態検査装置20である。端子挿入状態検査装置20は、端子14を挿入可能な姿勢でコネクタ10を保持するコネクタ保持部30と、コネクタ保持部30を移動可能に支持する基体部22と、コネクタ保持部30に作用する荷重を検出する荷重検出部40と、合格判定用基準値を記憶する記憶部と、荷重検出部40からの検出出力と合格判定用基準値とに基づいて端子14の引張り試験の合格判定を行う判定部とを有する検査制御ユニットとを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、コネクタへの端子挿入状態を検査する技術に関する。
ワイヤーハーネスの製造工程等において、電線端部に圧着された端子をコネクタに挿入接続した後、引張り試験が行われる。引張り試験は、コネクタに挿入された端子を所定の引抜き力で引張って、当該端子が抜けないかどうかを確認する試験である。
このような引張り試験を行うための装置として、特許文献1又は特許文献2に開示のものがある。
特許文献1及び特許文献2に図示の装置は、基本的には、移動可能に支持されたコネクタホルダと、コネクタホルダを付勢するバネと、コネクタホルダの移動により押されてオンとなるマイクロスイッチとを備えている。そして、コネクタホルダに保持されたコネクタに端子を挿入した後、端子を引張ることにより引張り試験を実施する。端子がコネクタに対して完全挿入されている場合、端子を引張ると、コネクタと共にコネクタホルダが移動する。この移動により、コネクタホルダがマイクロスイッチをオンすると、検査合格となる。一方、端子がコネクタに対して不完全挿入である場合、端子を引張ると、端子がコネクタから抜ける。このため、マイクロスイッチはオフ状態に維持され、検査の合格判定が下されない。
特開平9−180851号公報 特開2005−259623号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示の装置では、どの程度の引張り力に耐えることができれば合格と判定するかについての基準値は、コネクタホルダの重量、バネの設定値等によって定る。このため、合格判定基準の変更に対処することは困難である。
そこで、本発明は、コネクタに挿入された端子の引張り試験を行う場合に、合格判定基準の変更に容易に対処できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため,第1の態様は、コネクタに挿入された端子の引張り試験を行うための端子挿入状態検査装置であって、前記端子を挿入可能な姿勢でコネクタを保持するコネクタ保持部と、前記コネクタ保持部を移動可能に支持する基体部と、前記コネクタ保持部に作用する荷重を検出する荷重検出部と、合格判定用基準値を記憶する記憶部と、前記荷重検出部からの検出出力と前記合格判定用基準値とに基づいて前記端子の引張り試験の合格判定を行う判定部とを有する検査制御ユニットとを備える。
第2の態様は、第1の態様に係る端子挿入状態検査装置であって、前記判定部は、前記端子を引張る前に前記コネクタ保持部に作用していた荷重を初期荷重とし、前記端子を引張る際に前記コネクタ保持部に作用する検出荷重と前記初期荷重との差が、合格判定用基準値を越えた場合に、引張り試験が合格であると判定する。
第3の態様は、第2の態様に係る端子挿入状態検査装置であって、前記端子の挿入方向に向けて前記コネクタ保持部を付勢するプレ付勢部をさらに備え、前記荷重検出部は、前記コネクタ保持部が前記プレ付勢部による付勢力を含む力によって前記端子の挿入方向に向けて押された状態で、前記コネクタ保持部に作用する荷重を検出可能に構成されている。
第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に係る端子挿入状態検査装置であって、前記コネクタ保持部に保持された前記コネクタをロックする状態とアンロックする状態との間で切替可能なロック機構部と、前記ロック機構部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替駆動するロック状態切替駆動部と、を備え、前記検査制御ユニットは、前記荷重検出部からの検出出力と所定の過引張り基準値とに基づいて、前記端子が過引張りされたか否かを判断し、過引張りされたと判断されたときに、前記ロック状態切替駆動部の駆動により前記ロック機構部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替えるコネクタロック状態制御部を有する。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係る端子挿入状態検査装置であって、前記コネクタに設けられた複数の挿入箇所を指示動作可能な複数の挿入箇所指示部をさらに備え、前記検査制御ユニットは、前記複数の挿入箇所を順次指示するように前記複数の挿入箇所指示部に挿入指示動作を行わせる挿入順序指示制御部を有し、前記記憶部には、前記複数の挿入箇所のそれぞれに対応する合格用判定基準値が記憶され、前記判定部は、前記複数の挿入箇所指示部のうちのいずれかの挿入指示動作の後に、その挿入指示動作を行った前記挿入箇所指示部に対応する前記合格用判定基準値を用いて前記端子の引張り試験の合格判定を行う。
第1の態様によると、コネクタに挿入された端子を引張ることによって前記コネクタ保持部に作用する引張り荷重を検出し、その検出出力及び合格判定用基準値に基づいて、端子の引張り試験の合格判定を行うため、合格判定基準の変更に容易に対処できる。
第2の態様によると、前記判定部は、前記端子を引張る際に前記コネクタ保持部に作用する検出荷重と初期荷重の差が、合格判定用基準値を超えた場合に、引張り試験が合格であると判定するため、より正確な合格判定を行える。
第3の態様に係る端子挿入状態検査装置によると、前記荷重検出部は、前記コネクタ保持部が前記プレ付勢部による付勢力を含む力によって前記端子の挿入方向に向けて押された状態で、前記コネクタ保持部に作用する荷重を検出するため、荷重の検出精度に優れ、より正確に合格判定を行える。
第4の態様によると、前記端子が過引張りされると、コネクタのロック状態が解除される。このため、端子及びコネクタの破損等が抑制される。
第5の態様によると、挿入指示動作を行った挿入箇所指示部に対応する合格用判定基準値を用いて端子の引張り試験の合格判定を行うため、各挿入箇所に応じた適切な合格用判定基準値によって、合格判定を行うことができる。
実施形態に係る端子挿入状態検査装置を示す斜視図である。 同上の端子挿入状態検査装置を示す正面図である。 同上の端子挿入状態検査装置を示す平面図である。 荷重検出部に作用する荷重を示す説明図である。 荷重検出部に作用する荷重を示す説明図である。 ロック状態でのロック機構部及びロック状態切替駆動部を示す説明図である。 アンロック状態でのロック機構部及びロック状態切替駆動部を示す説明図である。 端子挿入状態検査装置の機能ブロック図である。 挿入順データの一例を示す図である。 合格判定用基準データの一例を示す図である。 検査制御ユニットの処理内容を示すフローチャートである。 検査制御ユニットの処理内容を示すフローチャートである。 検出荷重の時間変化例を示す図である。
以下、実施形態に係る端子挿入状態検査装置について説明する。図1は端子挿入状態検査装置20を示す斜視図であり、図2は端子挿入状態検査装置20を示す正面図であり、図3は端子挿入状態検査装置20を示す平面図である。
この端子挿入状態検査装置20は、コネクタ10に挿入された端子14の引張り試験を行うための装置である。すなわち、車両に組付けられるワイヤーハーネスの製造工程等においては、作業者が、ワイヤーハーネスを構成する複数の電線16の端部に取付けられた端子14を、コネクタ10に挿入する作業を行うことがある。コネクタ10は、樹脂等により形成された略直方体状部材である。このコネクタ10には、端子14を挿入接続可能な孔状のキャビティ11が、縦横に配列をなして形成されている(図1〜図3等では一部のみ図示)。各キャビティ11は、コネクタ10の背面側に開口しており、端子14はコネクタ10の背面側からキャビティ11内に挿入される。端子14をキャビティ11内に挿入するにあたっては、端子14がキャビティ11に対して途中までしか挿入されない状態(半挿入状態)を避ける必要がある。そこで、挿入された端子14が接続された電線16を引張ることで、端子14が確実にキャビティ11に挿入されているか否かを確認する。本端子挿入状態検査装置20は、そのような確認を行うための装置として構成されている。
この端子挿入状態検査装置20は、基体部22と、コネクタ保持部30と、荷重検出部40と、検査制御ユニット50とを備えている。概略的には、コネクタ10を保持可能なコネクタ保持部30が基体部22に対して移動可能に支持されている。そして、コネクタ保持部30にコネクタ10を保持した状態で、コネクタ10に挿入された端子14から延出する電線16を引張ると、コネクタ10及びコネクタ保持部30に上向きの力が作用する。この際にコネクタ保持部30に作用する荷重が荷重検出部40により検出され、当該荷重検出部40の検出出力に基づいて引張り試験の合格判定が行われるようになっている。
各構成別に説明すると、コネクタ保持部30は、樹脂又は金属、或はそれらの組合わせ等により形成された略直方体状の部材であり、端子14を挿入可能な姿勢でコネクタ10を保持可能に構成されている。ここでは、コネクタ保持部30の一主面(上向き面)にコネクタ10の外形状に対応するコネクタ保持凹部32が形成されている。そして、コネクタ10の先端部(相手側のコネクタに接続される側の部分)を奥側にして当該コネクタ10をコネクタ保持凹部32内に挿入すると、コネクタ10の背面(電線16が引出される側の面)をコネクタ保持部30の一主面に略一致させた状態で、当該コネクタ10がコネクタ保持凹部32内に収容されるようになっている。
もっとも、コネクタ保持部30がコネクタ10を保持する構成は、上記例に限られない。例えば、コネクタ保持部は、コネクタを部分的に囲んで保持する構成であってもよいし、又は、相手側コネクタへの接続構造を利用してコネクタを保持する構成であってもよい。つまり、コネクタ保持部は、コネクタのうち端子が挿入される側の面を露出させた状態で、当該コネクタを保持するように構成されていればよい。
なお、コネクタ10がコネクタ保持凹部32内に保持された状態で、後述するロック機構部60によってコネクタ10がコネクタ保持凹部32からより完全な抜止め状態に保持される。もっとも、ロック機構部60を用いた抜止め構成に限られず、コネクタ保持凹部の開口部に抜止め用の弾性変形可能な突起部等を形成して、抜止めを図る構成であってもよい。
また、コネクタ保持部30の底部の両側部には、下向きに突出するようにして一対の脚部34が突設されている。この一対の脚部34は、後述する基体部22の側部24bの上側に対向して配設される。
また、コネクタ保持部30の下端部に垂下片36が垂設されている。垂下片36は一対の脚部34の略中央部に位置している。この垂下片36に、コネクタ保持部30の移動方向に略直交する方向に沿って荷重伝達部37が突設されている。この荷重伝達部37は、コネクタ保持部30と共に移動することで、コネクタ保持部30に作用する荷重を荷重検出部40に伝達する役割を有している。
また、ここでは、コネクタ保持部30のうち上記コネクタ保持凹部32を含む部分は樹脂により形成され、一対の脚部34を含む底部は金属により形成され、両者はネジ固定等により一体化されている。コネクタ保持部30のうち上記コネクタ保持凹部32を含む部分を樹脂により形成しているのは、コネクタ10形状に応じたコネクタ保持凹部32を容易に形成するためである。また、一対の脚部34を含む底部を金属により形成しているのは、当該弾性変形困難な部分に垂下片36及び荷重伝達部37を設けることによって、コネクタ保持部30に作用する荷重を荷重検出部40により正確に伝達するためである。
なお、コネクタ保持部30に、キャビティ11に挿入された端子14の導通検査等を行う機構が組込まれていてもよい。
基体部22は、上記コネクタ保持部30を移動可能に、より具体的には、電線の引張り方向に沿って移動可能に支持する構成とされている。ここでは、基体部22は、底側にある第1基体部分24と、第1基体部分24の上方にある第2基体部分26と、第1基体部分24と第2基体部分26との間にある一対の連結部分28とを有している。
第1基体部分24は、金属等により形成され、略板状の底板部24aの両端部に略直方体状の側部24bが一対突設された形状とされている。一対の側部24bは、上記一対の脚部34と略同間隔をあけて突設されており、当該一対の脚部34に対向配置可能とされている。また、この一対の側部24bのそれぞれに略棒状のガイド部材35が突設されると共に、一対の脚部34のそれぞれに当該ガイド部材35を挿通可能なガイド穴35hが形成されている。そして、ガイド部材35がガイド穴35h内にその軸方向に沿って移動可能に挿通されることで、一対の脚部34を有するコネクタ保持部30が、一対の側部24bを有する第1基体部分24に対して接近離間移動可能に支持される。
また、第2基体部分26は、樹脂等により形成された板状部材であり、上記コネクタ保持部30の上部分を移動可能に配設可能な位置規制孔26hが形成されている。コネクタ保持部30の上部分は、当該位置規制孔26h内に嵌め込まれた状態で、電線の引張り方向に沿って移動可能に支持されている。この状態では、コネクタ保持部30の上部分は、位置規制孔26hによって電線の引張り方向に対して略直交する方向で位置規制されているので、当該コネクタ保持部30のぐらつき等が抑制されている。
また、一対の連結部分28は、略板状部材、より具体的には、略T字状の板状部材に形成されている。一対の連結部分28のそれぞれの下端部は、第1基体部分24の側面にネジ止等により固定され、一対の連結部分28のそれぞれの上端部は第2基体部分26の側面にネジ止等によって固定されている。この一対の連結部分28によって、第2基体部分26が第1基体部分24の上方一定位置に支持されている。
もっとも、基体部22がコネクタ保持部30を移動可能に支持する構成は上記例に限られない。例えば、コネクタ保持部が略直方体空間内に嵌め込まれることで移動可能に支持される構成であってもよいし、ガイド溝と当該溝に嵌り込むスライダ等を利用した構成によって移動可能に支持されていてもよい。要するに、基体部は、端子の挿入引抜き方向に沿って移動可能に支持する構成であればよい。
荷重検出部40は、上記コネクタ保持部30に作用する荷重を検出可能に構成されている。より具体的には、荷重検出部40は、ロードセル等、外部から加えられる荷重に応じた検出信号を出力する荷重センサ42を有している。ここでは、荷重センサ42は、略長方形板状に形成されており、荷重を受けるとその長手方向略中央部が弾性変形し、その弾性変形量に応じた電圧値の電気信号が出力されるようになっている。この荷重センサ42の一端部は、底板部24a上に突設されたセンサ固定部41の上端部にネジ止等によって固定されている。これにより、荷重センサ42は、その中間部及び他端部を、荷重伝達部37の下方を通ってセンサ固定部41の反対側に延出させるようにして、当該センサ固定部41に片持ち状に支持されている。
また、荷重センサ42の他端部にスペーサ43を介して荷重受部材44が固定されている。荷重受部材44は略板状に形成されており、その一端部がスペーサ43にネジ止等により固定され、その他端部が荷重センサ42の略中央部の上方に間隔を有して配設されている。荷重受部材44の他端部は、上記荷重伝達部37の下部に接触可能な位置に配設されている。そして、コネクタ保持部30に作用する下向き(端子14の挿入方向)への荷重が、荷重伝達部37から荷重受部材44を介して荷重センサ42に伝達される。これにより、コネクタ保持部30に作用する下向き荷重が荷重検出部40により検出される。
また、この端子挿入状態検査装置20は、端子14の挿入方向にむけてコネクタ保持部30を付勢するプレ付勢部としてのコイルバネ80を備えている。ここでは、コイルバネ80は、荷重センサ42を挟んで両側に一対設けられている。コイルバネ80の一端部は基体部22の底板部24a上に連結され、その他端部はコネクタ保持部30の底部に連結され、伸張状態で基体部22とコネクタ保持部30との間に配設されている。このコイルバネ80が伸縮しようとする弾性復元力によって、コネクタ保持部30が基体部22側(つまり、下方の端子14挿入方向)に向けて付勢されている。
この状態では、コネクタ保持部30は、自重及びコイルバネ80の付勢力によって下方の端子14挿入方向に向けて付勢されている。このため、荷重検出部40は、コネクタ保持部30がコイルバネ80による付勢力を含む力によって端子14挿入方向に向けて押された状態で、当該コネクタ保持部30に作用する荷重を検出する。なお、この状態では、一対の側部24と一対の脚部34とは、間隔を有して対向している。
ここで、図4及び図5を参照して、荷重検出部40に作用する荷重について説明しておく。
まず、コネクタ保持部30内にコネクタ10を保持した状態、或は、当該コネクタ10に端子14を挿入した状態では、図4に示すように、コネクタ保持部30の自重及びコネクタ10の自重分等の力Faとコイルバネ80の弾性復元力による力Fbとの和の力F1が、荷重F1として荷重伝達部37から荷重受部材44を介して荷重センサ42に伝達された状態となっている。
この状態で、端子14をコネクタ10から引抜こうとすると、前記合力F1から引抜き力Fcを引いた力F2が、荷重F2として荷重伝達部37から荷重受部材44を介して荷重センサ42に伝達される。
そして、端子14をコネクタ10から引抜く力Fcを解除すると、力Faと力Fbとの和の力F1が、荷重F1として荷重センサ42に伝達される図4に示す状態に戻る。
このように、コイルバネ80によってプレ荷重を加えておくことで、端子14の引抜き力Fcが作用した場合でも、荷重伝達部37が荷重センサ42を一方向(下向きの端子挿入方向)に押している状態をなるべく維持することができる。これにより、荷重センサ42が一方向に弾性変形している範囲内で荷重を検出することができ、より正確な荷重検出が可能となる。また、荷重伝達部37を荷重受部材44に接触させたままの状態で、荷重センサ42に作用する荷重変化を検出しているため、検査中にコネクタ保持部30の移動量を小さくすることができる。このため、コネクタ保持部30が他の部分に引っかかる等のトラブルを抑制しつつより確実に試験を行えるというメリットもある。
なお、コイルバネ80の付勢力は、端子14の引抜き試験中に荷重伝達部37が荷重受部材44から離れてしまわないように、コイルバネ80の付勢力とコネクタ保持部30等の自重による力との和の力である下向きの力が、引抜き試験の基準値となる引抜き力よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。
もっとも、コイルバネ80は必須構成ではなく、また、コネクタ保持部30の荷重が荷重検出部40に伝達される構成は上記例に限られない。例えば、コネクタ保持部の一部が荷重検出部の一体的に連結されることで、荷重が伝達される構成であってもよい。
また、この端子挿入状態検査装置20は、コネクタ保持部30に保持されたコネクタ10をロック及びアンロックする構成として、ロック機構部60と、ロック状態切替駆動部66とを備えている。図6及び図7はロック機構部60及びロック状態切替駆動部66を示す説明図であり、図6はロック状態、図7はアンロック状態を示している。
図1〜図3,図6及び図7に示すように、ロック機構部60及びロック状態切替駆動部66は、コネクタ保持凹部32の一側部及び他側部のそれぞれに設けられている。
ロック機構部60は、ロック板61と、揺動支持片62と、コイルバネ63とを有している。
ロック板61は、コネクタ保持凹部32の開口縁部の長尺縁部に沿って配設され、当該コネクタ保持凹部32内に配設されたコネクタ10の背面側の長尺縁部に当接することで、当該コネクタ保持凹部32からのコネクタ10の抜けを規制可能に構成されている。
また、揺動支持片62は、ロック板61に垂下状に固定されており、コネクタ保持部30の側部に形成された凹部33内に配設可能に構成されている(図6及び図7参照)。この揺動支持片62の先端部(下端部)のコネクタ保持凹部32側コーナー部分は、ピン状の軸部62aを介してコネクタ保持部30に対して揺動可能に支持されている。そして、この揺動支持片62の支持状態下、ロック板61をコネクタ保持凹部32側に揺動させることで、ロック板61の内側側縁部がコネクタ保持凹部32の開口縁部内に配設され、当該コネクタ保持凹部32からのコネクタ10の抜けを規制するロック状態となる。この状態で、コネクタ10のキャビティ11に挿入された端子14から延出する電線16を引張ると、コネクタ10に作用する引抜き力はロック板61から軸部62aを介してコネクタ保持部30により確実に伝達される。また、ロック板61をコネクタ保持凹部32側から離れる方向に揺動させることで、ロック板61の内側側縁部がコネクタ保持凹部32の開口内から側方に配設され、当該コネクタ保持凹部32からのコネクタ10の抜けが可能なアンロック状態となる。つまり、ロック板61の揺動姿勢変更によって、ロック機構部60は、ロック状態とアンロック状態との間で切替えられる。
また、コイルバネ63は、ロック板61をロック方向に付勢する付勢部材として用いられている。すなわち、コイルバネ63は、上記軸部62aよりも外側位置で、揺動支持片62の先端部(下端部)とコネクタ保持部30の側部に形成された凹部33の底面との間に圧縮介在配置されている。そして、このコイルバネ63の伸張方向への弾性復元力によって、揺動支持片62が軸部62a周りに付勢され、ロック板61がロック方向に付勢されている。このコイルバネ63によって、ロック板61を含むロック機構部60は、常時、ロック状態となるように付勢されている。このコイルバネ63の役割を果す付勢部材としては、その他、板バネ、ねじりコイルバネ等を利用することができる。
また、ロック状態切替駆動部66は、上記ロック機構部60をロック状態からアンロック状態に切替駆動可能に構成されている。より具体的には、ロック状態切替駆動部66は、駆動部67と、リンク片68とを有している。
駆動部67は、基体部22の側部24bの一側面に固定された駆動本体部67aと、当該駆動本体部67bから上方に突出すると共に進退駆動可能なロッド部67bとを有している。この駆動部67としては、コイルと可動鉄心とを有し、コイルに流す電流をオンオフ制御することによって可動鉄心に連結されたロッド部67bを進退駆動する構成が採用されている。駆動部としては、その他、エアシリンダ、液体シリンダ等、外部からの制御信号によって進退駆動可能な各種アクチュエータを利用することができる。
リンク片68は、長尺部材、ここでは、長尺板状部材に形成されている。リンク片68の一端部はロッド部67bに回転可能に連結され、リンク片68の他端部は上記ロック板61のうちコネクタ保持凹部32とは反対側の側部に回転可能に連結されている。
そして、通常状態では、コイルバネ63の付勢力によってロック板61がロック状態に付勢され、これにより引張られるようにして、リンク片68が上方に移動すると共に、駆動部67のロッド部67bが突出状態となっている(図6参照)。これにより、コネクタ保持凹部32からのコネクタ10の抜けが規制されている。もちろん、ロッド部67b自体が別のコイルバネ等の付勢部によって突出方向に付勢されていてもよい。
そして、駆動部67の駆動によりロッド部67bが退避駆動されると、リンク片68が下方に引張られると共に、ロック板61の外側側縁部が下方に引かれて、当該ロック板61がアンロック状態になる(図7参照)。これにより、コネクタ保持凹部32からコネクタ10が脱出可能となる。なお、作業者が手でロック板61を移動させることによっても、ロック板61をロック状態とすることができる。
なお、上記したように、本端子挿入状態検査装置20は、荷重伝達部37を荷重センサ42側の荷重受部材44に押し当てた状態で、検査を行う構成となっているため、端子14を挿入及び引抜き試験する際にコネクタ保持部30が移動する量はかなり小さい。このため、ロック板61がリンク片68及び駆動部67を介して基体部22に連結されている状態で、検査中にコネクタ保持部30が移動したとしても、ロック板61をロック状態とアンロック状態との間で状態変更させる程の影響はない。
もっとも、本端子挿入状態検査装置20において、ロック機構部60及びロック状態切替駆動部66は、必須ではない。
また、図1〜図3に示すように、この端子挿入状態検査装置20は、複数の挿入箇所指示部70をさらに備えている。複数の挿入箇所指示部70は、コネクタ10の挿入箇所であるキャビティ11に対応して設けられており、それぞれ挿入指示動作可能に構成されている。なお、図1〜図3では、一部のキャビティ11に対応する挿入箇所指示部70を示している。ここでは、挿入箇所指示部70は、発光ダイオードによって構成されており、第2基体部分26の上面であって対応するキャビティ11の並びに倣う外方位置に設けられている。そして、検査制御ユニット50の制御信号に応じて発光することで、対応するキャビティ11に対する挿入指示動作を行うようになっている。
なお、挿入箇所指示部70は、各キャビティ11に対して1対1で設けられている必要はない。例えば、挿入される端子14の種類等に応じて、複数のキャビティ11に対して一つの挿入箇所指示部70が設けられていてもよい。また、挿入箇所指示部70は、電球等のその他の表示部等であってもよい。また、本挿入箇所指示部70は必須ではない。
図8は本端子挿入状態検査装置20の機能ブロック図である。上記荷重検出部40は、図示省略の入力回路等を介して検査制御ユニット50に接続されており、荷重検出部40の検出出力が本検査制御ユニット50に入力されるようになっている。また、検査制御ユニット50は、図示省略の出力回路等を介してロック状態切替駆動部66及び挿入箇所指示部70に接続されている。そして、検査制御ユニット50からの制御信号に応じて、一対のロック状態切替駆動部66が同期してロック及びアンロック駆動制御され、また、各挿入箇所指示部70が個別に発光指示動作制御されるようになっている。また、検査制御ユニット50には、スイッチ、タッチパネル等により構成される入力部51aが接続されると共に、液晶表示パネル、ランプ等により構成される表示部51bが接続されている。入力部51aは、諸設定情報及び諸指示の入力を受付可能に構成されている。また、表示部51bは、少なくとも合格判定結果、好ましくは、荷重検出部40による検出荷重を表示可能に構成されている。
上記検査制御ユニット50は、マイクロプロセッサ52と記憶部54とを有している。マイクロプロセッサ52は、記憶部54に記憶されたプログラムに規定される命令に従って諸処理を実行可能に構成されている。記憶部54は、ROM (Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等)、ハードディスク装置等によって構成されている。この記憶部54は、上記プログラムの他各種データを格納すると共に、マイクロプロセッサの作業領域としても用いられる。
特に、ここでは、記憶部54には、合格判定用基準データ54a、過引張り基準値54b、挿入順データ54cが、入力部51a等を通じて設定されたデータとして格納されている。挿入順データ54cは、図9に示すように、挿入順と挿入位置(キャビティ11の位置)とを対応づけたデータである。つまり、ワイヤーハーネスを組立てる際には、作業の効率化、検査手順の都合等から各キャビティ11に対する端子14の挿入順が規定されることがあり、本挿入順データ54cは、かかる挿入順を示している。もっとも。本挿入順データ54cは必須ではない。合格判定用基準データ54aは、端子14を引張る際に、どの程度の引張り荷重に耐え得れば合格と判定するかの基準となるデータである。ここでは、合格判定用基準データ54aは、図10に示すように、複数のキャビティ11(挿入位置)と合格判定用基準値とを対応づけたデータであり、キャビティ11毎に合格判定用基準値が規定されている。通常、大きい端子14に対応するキャビティ11については比較的大きい合格判定用基準値が設定され、小さい端子14に対応するキャビティ11については比較的小さい合格判定用基準値が設定される。また、荷重伝達部37に対するキャビティ11の相対的な位置関係によっても、端子14を引張った場合に荷重検出部40に作用する力の加わり方は異なる。そこで、キャビティ11の位置に応じて合格判定用基準値を変更してもよい。もっとも、全てのキャビティ11に共通する合格判定用基準値が設定されていてもよく、また、キャビティ11に挿入される端子の種類或はキャビティ11の位置等に応じて複数のキャビティ11が複数のグループに分割され、グループ毎に異なる合格判定用基準が設定されていてもよい。過引張り基準値54bは、端子14を引張る際に、端子14及びコネクタ10の破損を抑制するため、どの程度の引張り荷重が作用すればコネクタ10のロックを解除するかを示すデータである。ここでは、全てのキャビティ11に共通して一つの過引張り基準値54bが設定されている。もっとも、上記と同様、キャビティ11毎に、或は、グループ分けされたキャビティ11毎に、別々の過引張り基準値が設定されていてもよい。また、過引張り基準値54bの設定は必須ではない。
上記マイクロプロセッサ52は、記憶部54に記憶されたプログラムに規定される命令に従って諸処理を実行することで、判定部52a、コネクタロック状態制御部52b、挿入箇所指示制御部52cとしての諸処理を実行する。判定部52aは、上記荷重検出部40からの検出出力と上記合格判定用基準データ54aに含まれる合格判定用基準値とに基づいて端子14の引張り試験の合格判定を行う処理機能部分である。コネクタロック状態制御部52bは、荷重検出部40からの検出出力と上記過引張り基準値54bとに基づいて端子14が過引張りされたか否かを判断し、過引張りされたと判断されたときに、ロック状態切替駆動部66の駆動によりロック機構部60をロック状態からアンロック状態に切替制御する処理機能部分である。挿入箇所指示制御部52cは、挿入順データ54cに基づいて、複数の挿入箇所を順次指示するように複数の挿入箇所指示部70に発光動作を行わせる処理機能部分である。これらの処理については後でより詳細に説明する。なお、これらの各処理の全部又は一部は、ハードウエアで実現されてもよい。
図11は本検査制御ユニット50の処理内容を示すフローチャートである。
まず、処理開始後、ステップS1において、挿入位置の指示が行われる。すなわち、挿入箇所指示制御部52cは、挿入順データ54cに基づいて、ステップS1の繰返し数に応じた順の挿入位置を特定し、当該挿入位置に応じた挿入箇所指示部70を発光させる。これにより、作業者は発光した挿入箇所指示部70を見ることで、端子14を挿入すべきキャビティ11を認識できる。
次ステップS2では、初期荷重を取得する。すなわち、判定部52aは、荷重検出部40からの検出出力に基づき、端子14を引張る前にコネクタ保持部30に作用していた荷重を初期荷重として取得し、これを記憶する。ここでは、初期荷重を取得するタイミングが、挿入箇所指示直後である場合を想定しているが、その他のタイミングであってもよい。コネクタ保持部30に作業者等による外力が作用していないと想定されるタイミングで初期荷重を取得すればよい。この点については、後でさらに説明する。
次ステップS3では合格判定を行う。ここでは、判定部52aは、上記初期荷重と、荷重検出部40からの検出出力との差が、上記合格判定用基準値を越えた場合に、引張り試験が合格であると判定する。つまり、作業者は上記挿入位置指示に応じて端子14を指示されたキャビティ11に挿入した後、端子14から延出する電線16を引張る。すると、その引張り力に応じた荷重がコネクタ保持部30に作用し、端子14を引張る際にコネクタ保持部30に作用する検出荷重に応じた信号が荷重検出部40から出力される。すると、検出荷重から前記初期荷重を減算した値が、現在試験対象となるキャビティ11に対応する合格判定用基準値を超えるか否かが判断される。この合格判定用基準値は、上記合格判定用基準データ54aを参照して、ステップS1で指示されたキャビティ11に対応する合格判定用基準値を特定することで選択される。そして、前記減算した値が合格判定用基準値を超えると判断されると、十分な引張り強度を持つこと、つまり、合格であると判断される。合格と判断された場合、その旨が表示部51bに表示される。なお、単にブザー等の発音体によって報知する構成であってもよい。つまり、合格である旨が、何らかの報知部によって視覚或は聴覚等によって報知されればよい。なお、前記減算した値と合格判定用基準値とが同じである場合、合格或は不合格のいずれに判断してもよい。そして、不合格であると判断されると、ステップS3の処理が繰返され、合格であると判断されると、ステップS4に進む。
ステップS4では、挿入が終了したか否かが判断される。すなわち、挿入箇所指示制御部52cが、現在の挿入順等を参照して、挿入すべきキャビティ11の全てに端子14を挿入したか否かを判断する。挿入が完了していないと判断されると、ステップS1に戻って、上記処理を繰返す。挿入が完了したと判断されると、処理を終了する。
図12は検査制御ユニット50が図11に示す処理を実行する間に、コネクタロック状態制御部52bが定期的な割込み処理として実行する処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、コネクタロック状態制御部52bは、ステップS11において、上記初期荷重と荷重検出部40からの検出出力との差が、過引張り基準値54bを越えたか否かを判断し、越えないと判断された場合には処理を終了して、図11に示す処理に戻る。一方、越えたと判断された場合には、ステップS12に進む。なお、上記初期荷重と荷重検出部40からの検出出力との差が、過引張り基準値54bと同じである場合には、いずれの処理に進んでもよい。また、本処理は、荷重検出部40からの検出出力を、過引張り基準値と比較することで行われてもよい。
ステップS12では、コネクタロック状態制御部52bは、ロック状態切替駆動部66に、アンロック状態に切替える指令を出力する。すると、ロック状態切替駆動部66の駆動により、ロック機構部60がロック状態からアンロック状態に切替り、コネクタ10がコネクタ保持凹部32から脱出できるようになる。なお、ロック機構部60をロック状態に切替える構成の代りに、或は、これに加えて、音又は表示による警告を与えるようにしてもよい。
なお、図12に示す処理は、ハードウエア的な割込み処理によってなされてもよい。例えば、荷重検出部40からの検出出力が、比較回路によって過引張り基準値に対応する基準電圧と比較され、過引張り基準値を越える場合に割込み端子等を介して入力され、これにより、検査制御ユニット50からロック状態切替駆動部66にアンロック状態に切替える指令を出力する構成であってもよい。
上記端子挿入状態検査装置20の動作について、端子引張り試験手順と共に説明する。なお、図13は検査中において荷重検出部40によって検出される検出荷重の時間変化例を示す図である。
まず、組立及び検査対象となるコネクタ10をコネクタ保持部30のコネクタ保持凹部32内に挿入する。この際、ロック板61を広げつつコネクタ10をコネクタ保持凹部32内に挿入し、挿入後ロック板61をロック方向に復帰移動させれば、コネクタ10はコネクタ保持内にロックされた状態で保持される。
この後、入力部51a等を介して検査開始を指示すると、検査制御ユニット50において図11及び図12に示す処理がなされる。
すなわち、複数の挿入箇所指示部70が選択的に発光する。作業者は、当該発光を手がかりとして挿入対象となるキャビティ11を特定し、所定の端子14を当該キャビティ11に挿入する。
そして、検査制御ユニット50において、初期荷重が取得される。この初期荷重は、主としてコネクタ10及びコネクタ保持部30の自重による荷重とコイルバネ80による荷重との和である。端子14の挿入作業が進んだ段階では、挿入済の端子14及び電線16の自重による荷重が加わる。このため、各キャビティ11の検査毎に初期荷重を更新していくことで、検査毎により正確な引張り荷重を検出することができる。
この後、作業者は、挿入した端子14から外方に延出する電線16を引張り、表示部51b等を通じて合格判定がなされるか否かを確認する。電線16を引張っても合格判定が下されない場合、通常は、端子14の挿入が不完全であり、端子14はキャビティ11から抜けてしまう。そこで、作業者は端子14の再挿入作業等を実施することになる。
そして、作業者が合格判定を確認すると、作業者が電線16の引張り作業を終了する。その後、次順の挿入箇所指示部70が発光するので、作業者は、次の端子14挿入及び検査作業を実施する。
なお、電線16を引張る際、急激に強く引張る等すると、ロック機構部60がアンロック状態に切替る。このため、電線16の引張りによって、コネクタ10はコネクタ保持凹部32から抜出ることができ、端子14(特に端子14の係止用のランス)及びキャビティ11の破損等が抑制される。
なお、初期荷重の取得タイミングは、上記のように、挿入位置指示直後の他、挿入位置指示時或は挿入位置指示直前であってもよい。その他、合格判定時から所定時間経過後、或は、合格判定後において検出荷重が所定値よりも小さくなり、かつ、変動幅が所定範囲内に収るように安定した時(図13の期間Ts参照)等であってもよい。
また、上記検査中の検出荷重の変化を、表示部51b等に表示するようにしてもよい。これにより、作業者は、適切な力の加え方を学習することができる。
以上のように構成された端子挿入状態検査装置20によると、コネクタ10に挿入された端子14を、電線16を介して引張ることによってコネクタ保持部30に作用する引張り荷重を検出し、その検出出力及び合格判定用基準値に基づいて、端子14の引張り試験の合格判定を行うため、合格判定基準の変更に容易に対処できる。
合格判定基準の変更としては、上記したように、キャビティ11毎に合格判定用基準値を対応づけた合格判定用基準データ54aを作成し、各キャビティ11への端子14挿入作業毎に、当該キャビティ11に応じた合格判定用基準値を読込んで合格か否かを判定することが想定される。これにより、キャビティ11の位置、形状、キャビティ11に挿入される端子形状等に応じて適切な基準値で合格判定を実施できることになる。特に、複数種類の端子14が挿入されるいわゆるハイブリッド型のコネクタについても適切な検査を実施できるという点で有効である。
また、判定部52aは、検出荷重と初期荷重との差が、合格判定用基準値を越えた場合に引張り試験が合格であると判定するため、より正確な合格判定を行える。
つまり、バネ80が劣化して付勢力が変動すると、荷重検出部40による検出荷重は異なってくる。そこで、初期荷重と検出荷重との差に基づいて合格か否かを判定することで、そのようなバネ80等の劣化影響を抑制して、より正確な判定を行える。
また、端子挿入状態検査装置20の設置姿勢によっても荷重検出部40による検出荷重は異なる。例えば、本端子挿入状態検査装置20を斜め姿勢で設置した場合には、コネクタ保持部30等に自重による影響が小さくなる。そこで、初期荷重と検出荷重との差に基づいて合格か否かを判定することで、端子挿入状態検査装置20の設置姿勢による影響を抑制して、より正確な判定を行える。
また、端子14挿入作業中において、端子14及び電線16の自重等によって検出荷重は刻々変化する。即ち、端子14の挿入作業が進むと、徐々に重くなり検出荷重が大きくなる。そこで、そこで、初期荷重と検出荷重との差に基づいて合格か否かを判定することで、挿入済の端子14の数の影響を抑制して、より正確な判定を行える。
また、荷重検出部40は、コイルバネ80による付勢力を含む力によって端子14の挿入方向に向けた押された状態で、コネクタ保持部30に作用する荷重を検出するため、荷重検出部40を一方向に変形させた状態のままで荷重の変化を検出できる。このため、荷重の検出精度に優れ、より正確に合格判定を行える。
また、端子14が過引張りされると、ロック機構部60のロックが解除され、コネクタ10はコネクタ保持凹部32から抜けるようになる。このため、端子14及びコネクタ10の破損が有効に抑制される。
また、検査中及び前後において、コネクタ保持部30に作用する下向き(端子14の挿入方向)への荷重が、荷重伝達部37から荷重受部材44を介して荷重センサ42に伝達されており、荷重センサに作用する下向き荷重の変化によって荷重検出を行う構成であるため、コネクタ保持部30の移動量は微小である。このため、コネクタ保持部を大きく移動させる必要がないため、コネクタ保持部が移動する際の周辺部材への引っかかり等が抑制され、より確実かつ円滑に検査を実施できる。
10 コネクタ
11 キャビティ
14 端子
16 電線
20 端子挿入状態検査装置
22 基体部
30 コネクタ保持部
32 コネクタ保持凹部
37 荷重伝達部
40 荷重検出部
42 荷重センサ
44 荷重受部材
50 検査制御ユニット
52 マイクロプロセッサ
52a 判定部
52b コネクタロック状態制御部
52c 挿入箇所指示制御部
54 記憶部
54a 合格判定用基準データ
54b 過引張り基準値
54c 挿入順データ
60 ロック機構部
66 ロック状態切替駆動部
70 挿入箇所指示部
80 コイルバネ

Claims (5)

  1. コネクタに挿入された端子の引張り試験を行うための端子挿入状態検査装置であって、
    前記端子を挿入可能な姿勢でコネクタを保持するコネクタ保持部と、
    前記コネクタ保持部を移動可能に支持する基体部と、
    前記コネクタ保持部に作用する荷重を検出する荷重検出部と、
    合格判定用基準値を記憶する記憶部と、前記荷重検出部からの検出出力と前記合格判定用基準値とに基づいて前記端子の引張り試験の合格判定を行う判定部とを有する検査制御ユニットと、
    を備える端子挿入状態検査装置。
  2. 請求項1記載の端子挿入状態検査装置であって、
    前記判定部は、前記端子を引張る前に前記コネクタ保持部に作用していた荷重を初期荷重とし、前記端子を引張る際に前記コネクタ保持部に作用する検出荷重と前記初期荷重との差が、合格判定用基準値を越えた場合に、引張り試験が合格であると判定する、端子挿入状態検査装置。
  3. 請求項2記載の端子挿入状態検査装置であって、
    前記端子の挿入方向に向けて前記コネクタ保持部を付勢するプレ付勢部をさらに備え、
    前記荷重検出部は、前記コネクタ保持部が前記プレ付勢部による付勢力を含む力によって前記端子の挿入方向に向けて押された状態で、前記コネクタ保持部に作用する荷重を検出可能に構成されている、端子挿入状態検査装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の端子挿入状態検査装置であって、
    前記コネクタ保持部に保持された前記コネクタをロックする状態とアンロックする状態との間で切替可能なロック機構部と、
    前記ロック機構部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替駆動するロック状態切替駆動部と、
    を備え、
    前記検査制御ユニットは、前記荷重検出部からの検出出力と所定の過引張り基準値とに基づいて、前記端子が過引張りされたか否かを判断し、過引張りされたと判断されたときに、前記ロック状態切替駆動部の駆動により前記ロック機構部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替えるコネクタロック状態制御部を有する、端子挿入状態検査装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の端子挿入状態検査装置であって、
    前記コネクタに設けられた複数の挿入箇所を指示動作可能な複数の挿入箇所指示部をさらに備え、
    前記検査制御ユニットは、前記複数の挿入箇所を順次指示するように前記複数の挿入箇所指示部に挿入指示動作を行わせる挿入順序指示制御部を有し、
    前記記憶部には、前記複数の挿入箇所のそれぞれに対応する合格用判定基準値が記憶され、
    前記判定部は、前記複数の挿入箇所指示部のうちのいずれかの挿入指示動作の後に、その挿入指示動作を行った前記挿入箇所指示部に対応する前記合格用判定基準値を用いて前記端子の引張り試験の合格判定を行う、端子挿入状態検査装置。
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