JP2011144842A - 真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、真空断熱材製造時のエネルギー消費量を抑制して環境負荷が小さく、断熱性能及び生産性に優れた真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫を提供することを目的とするものである。
【解決手段】有機繊維を含む芯材(51)と、この芯材(51)を収納する外被材(53)とを備え、外被材(53)の内部を減圧封止する真空断熱材(50)において、芯材(51)の有機繊維には、流動性を向上する添加剤を含有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は真空断熱材及び真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品においては、消費電力量低減の観点から、真空断熱材を採用して断熱性能を向上している。
真空断熱材の従来例としては特許文献1及び特許文献2に記載のものがある。特許文献1には、ガラス繊維であるグラスウールを芯材とし、ガスバリヤ性の外被材で覆い内部を減圧状態としたものが記載されている。また、芯材は一定の厚みになるように、ガラス繊維が熱変形し始める高温で加圧プレスして成形している。
特許文献2には、リサイクル性を考慮して、繊維太さ1〜6デニールのポリエステル繊維を50重量%以上含有するシート状繊維集合体を芯材としたものが記載されている。
特開2005−220954号公報 特開2006−29505号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、芯材の製造工程における熱エネルギーの消費量が膨大となり、コストパフォーマンス及び環境配慮の点で課題があった。
また、特許文献2に記載の構成では、ニードルパンチ法によってシート状加工を施しており、ポリエステル繊維が部分的に束ねられる結果、熱伝導しやすくなり、断熱性能が劣る、という課題があった。
すなわち、従来の真空断熱材は製造時のエネルギー消費量や生産性と断熱性能の両面を満たすことが難しく、一長一短を有していた。
そこで、上記課題に鑑みて本発明は、真空断熱材製造時のエネルギー消費量を抑制して環境負荷が小さく、断熱性能及び生産性に優れた真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明の真空断熱材は、有機繊維を含む芯材と、該芯材を収納する外被材とを備え、前記外被材の内部を減圧封止する真空断熱材において、前記有機繊維には流動性を向上する添加剤を含有することを特徴とする。
また、前記添加剤の添加量は0.2重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とする。
また、前記添加剤は有機過酸化物添加剤であることを特徴とする。
また、前記有機過酸化物添加剤はビス(三級ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼンであることを特徴とする。
また、前記有機繊維はポリスチレン樹脂繊維であることを特徴とする。
また、前記ポリスチレン樹脂繊維の曲げ弾性率が3000MPa以上4000MPaであることを特徴とする。
また、本発明の冷蔵庫は、箱体を形成する外箱と、該外箱の内側に設けられた内箱と、前記外箱と前記内箱との間に設けられた真空断熱材と、を有する冷蔵庫において、前記真空断熱材は、有機繊維を含む芯材と、該芯材を収納する外被材とを備え、前記外被材の内部を減圧封止し、前記有機繊維には流動性を向上する添加剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、真空断熱材製造時のエネルギー消費量を抑制して環境負荷が小さく、断熱性能及び生産性に優れた真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫を提供することができる。
従来の真空断熱材の断面図。 本発明の実施形態に関する真空断熱材の使用状態を示す断面図。 本発明の実施形態に関する冷蔵庫の正面図。 図3のA−A断面図。 本発明の従来例,実施例及び比較例のパラメータ表。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は従来の真空断熱材の断面図である。図2は本発明の実施形態に関する真空断熱材の使用状態を示す断面図である。図3は本発明の実施形態に関する冷蔵庫の正面図である。図4は図3のA−A断面図である。
(従来例)
まず、図1を参照しながら、従来例を説明する。真空断熱材101は、外被材102,内袋103,芯材104,吸着剤(図示なし)で構成されている。
外被材102は、表面層,防湿層,ガスバリヤ層,熱溶着層の4層で構成されたラミネートフィルムとする。具体的に、表面層は、吸湿性が低いポリプロピレンフィルムとする。防湿層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着層を設ける。ガスバリヤ層は、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムにアルミ蒸着層を設け、防湿層のアルミ蒸着層と向かい合うように貼り合わせる。熱溶着層は、汎用性の高い直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いる。各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせる。
内袋103は、熱溶着可能なポリエチレンフィルムを用いる。吸着剤は、物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いる。
芯材104は、ポリスチレン樹脂を繊維化した繊維集合体を用いる。この時のポリスチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、3g/10minである。
繊維集合体は、ポリスチレン樹脂を290℃で溶融してメルトブローン法で繊維化したものであり、繊維径は平均11〜15μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3300MPaである。
この構成において、乾燥させた芯材104を内袋103で覆った後、圧縮して密封状態とし、これを外被材102に挿入後、内袋104の一端を開放して密封を解除してから、真空包装機にセットする。その後、大気圧から真空度2.2Paまで一気に減圧して、真空度2.2Pa以下で一定時間保持後、外被材53を封止する。これにより得られた真空断熱材の熱伝導率を、英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定した値を100とする。なお、熱伝導率については、以下の実施例との間で比較して後述する。
なお、従来例並びに以下の実施例1から6及び比較例については、図5にまとめて記載する。
(実施例1)
次に、実施例1について、図2を参照しながら説明する。真空断熱材50は、外被材53,内袋54,芯材51,吸着剤(図示なし)で構成されている。
外被材53は、ガスバリヤ性を有するものであれば特に限定されないが、実施例1では表面層,防湿層,ガスバリヤ層,熱溶着層の4層で構成されたラミネートフィルムとする。
具体的に、表面層は、吸湿性が低いポリプロピレンフィルムとする。なお、表面層には耐突き刺し強度に優れているポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム等を用いてもよい。
防湿層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着層を設ける。ガスバリヤ層は、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムにアルミ蒸着層を設け、防湿層のアルミ蒸着層と向かい合うように貼り合わせる。
熱溶着層は、汎用性の高い直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いる。なお、熱溶着層は特に限定するものではなく、高密度ポリエチレンやポリプロピレン,ポリブチレンテレフタレート等の熱溶着可能なフィルムであればよい。
外被材53のラミネート構成については、上述の特性を有していれば、特に4層構成に限定するものではなく、5層,3層であってもよい。
各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤や貼り合わせ方法については特にこれに限定するものではない。
内袋54は、実施例1では熱溶着可能なポリエチレンフィルムを用いる。吸着剤については、物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いる。
なお、内袋54及び吸着剤は、いずれもこれに限定するものではない。内袋54についてはポリプロピレンフィルム,ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであればよい。
吸着剤は、水分やガスを吸着するものであれば、細孔径の異なる合成ゼオライトやシリカゲル等の物理吸着タイプや、酸化カルシウム,塩化カルシウム,酸化ストロンチウム等の化学反応型吸着タイプ等を用いることができる。
芯材51については、ポリスチレン樹脂に有機過酸化物であるビス(三級−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼン(商品名:ビスブレークC,化薬アクゾ社製)をポリスチレン樹脂の0.2重量%添加し繊維化した繊維集合体を用いる。有機過酸化物は、流動性を向上するための材料である。この時のポリスチレン樹脂のMFR(メルトフローレート)は、6g/10minである。
芯材51の繊維集合体は、ポリスチレン樹脂に有機過酸化物添加剤を0.2重量%配合して、タンブラーでよく撹拌したものを、押出機にて290℃で溶融してメルトブローン法で繊維化したものであり、繊維径は平均9〜10μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3280MPaであった。
なお,配合した有機過酸化物については、ビス(三級−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼンの他に、ベンゾイールペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,1′−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチレンシクロヘキサン、1,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
ポリスチレン樹脂については、バージン材料を使用できることは勿論であるが、廃家電品やその他使用済製品から回収されたリサイクル材料についても使用することができる。リサイクル材料について、好ましくは粗粉砕後に選別,洗浄したものをペレット状或いは5mm以下程度に細かく粉砕したものが好適であるが、特にこれに限定するものではない。また、ポリスチレン樹脂の構造については、シンジオタクチック構造やアイソタクチック構造のものも使用できる。
この構成で、芯材51を70〜90℃で十分に乾燥させ、内袋54で覆った後、圧縮して密封状態とし、これを外被材53に挿入後、内袋の一端を開放して密封を解除し、真空包装機にセットしする。その後、大気圧から真空度2.2Paまで一気に減圧して、真空度2.2Pa以下で一定時間保持後、外被材53を封止する。
なお、内袋54の密封解除方法は、カッターや鋏み等で行うものであるが、特に指定するものではない。これにより、得られた真空断熱材の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、先の従来例と比較した比率では、98となり、断熱性能は向上している。
(実施例2)
次に、実施例2について、実施例1との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を0.5重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。それ以外は実施例1と同様である。
なお、ポリスチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、8g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均8〜10μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3250MPaである。
この構成で、芯材51の繊維集合体を70〜90℃で十分乾燥する。この繊維集合体を内袋54で覆った後、一端圧縮して密封状態とし、これを外被材53に挿入後、内袋54の密封を解除して、真空包装機にセットする。内袋54の密封を解除する理由は、内袋54の内部を減圧するためである。その後、大気圧から真空度2.2Paまで一気に減圧して、真空度2.2Pa以下で一定時間保持した後、外被材53を封止する。これにより得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で97となり、断熱性能はさらに向上する。
(実施例3)
次に、実施例3について、実施例1及び2との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を0.8重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。それ以外は実施例1と同様である。
なお、ポリスチレン樹脂のMFRは10g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均7〜9μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3200MPaである。
この構成で得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で95となり、断熱性能はさらに向上する。
(実施例4)
次に、実施例4について、実施例1から3との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を1.0重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。それ以外は実施例1と同様である。
なお、ポリスチレン樹脂のMFRは12g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均7〜9μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3160MPaである。
この構成で得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で96となる。
(実施例5)
次に、実施例5について、実施例1から4との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を1.5重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。それ以外は実施例1と同様である。
なお、ポリスチレン樹脂のMFRは13g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均6〜8μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3090MPaである。
この構成で得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で97となる。
(実施例6)
次に、実施例6について、実施例1から5との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を1.8重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。それ以外は実施例1と同様である。
なお、ポリスチレン樹脂のMFRは13g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均6〜8μmである。また、この時の曲げ弾性率は、3060MPaである。
この構成で得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で98となる。
(比較例)
次に、比較例について、実施例1から6との相違は、ポリスチレン樹脂に添加する有機過酸化物の配合量を2.0重量%とし、繊維化した繊維集合体を芯材51として用いる点である。
なお、ポリスチレン樹脂のMFRは13g/10minであり、メルトブローン法で作製された繊維径は平均8〜10μmである。また、この時の曲げ弾性率は、2950MPaである。
この構成で得られた真空断熱材の熱伝導率は、先の従来例と比較した比率で101となり、従来例と同等の断熱性能に留まる。
(実施例7)
次に、実施例1から6のいずれかの真空断熱材を冷蔵庫に適用した実施例について説明する。図3及び図4において、冷蔵庫1は、上から冷蔵室2,製氷室3a,上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5を有している。これら各貯蔵室の前面開口には、それぞれ閉塞する扉が設けられている。
冷蔵室2の前面開口には、ヒンジ10等を中心に回動する回転式の冷蔵室扉6a,6bが設けられる。冷蔵室扉6a,6b以外は、全て引き出し式の扉であり、それぞれ製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8及び野菜室扉9が引き出し自在に設けられる。これらの引き出し式扉を引き出すと、各貯蔵室内の収納容器が共に引き出される。また、各扉の室内側外周縁には、各貯蔵室の前面開口とそれぞれ密着して閉鎖するためのパッキン11を備えている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために断熱仕切り12を配置している。この断熱仕切り12は、厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム,発泡断熱材(ウレタンフォーム),真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて構成される。
製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため、区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。
下段冷凍室4と野菜室5の間には、区画断熱するための断熱仕切り14を設けており、断熱仕切り12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等で構成される。このように、温度帯の異なる貯蔵室間の仕切りには断熱仕切り12,14を設置している。
なお、箱体20内には、上から冷蔵室2,製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a,6b,製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側又は内箱22側のいずれかに真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。
また、冷蔵庫1の各貯蔵室を所定の温度に冷却するために、下段冷凍室4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方には、この冷却器28にて冷却された冷気を各貯蔵室内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵室扉6a,6bを開けたときに貯蔵空間を明るく照明し、視認性を向上したものである。庫内灯45については、電球,蛍光灯,LED若しくはキセノンランプ等、特に限定するものではない。
また、庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなるため、真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではなく、冷蔵室2の側面や背壁であってもよい。
また、箱体20の天面後方部には、冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されている。そして、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。
カバー42の高さは、意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱21の天面よりも突き出る場合、10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間分、窪んだ状態で配置される。そのため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23側の面には、真空断熱材50を配置して断熱性能を確保している。
本実施例では、真空断熱材50を前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50とした。なお、カバー42は耐火性を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱量の大きい部品であるため、各貯蔵室への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50を配置している。
なお、真空断熱材50の被覆面積を大きくするため、内箱22の底面から圧縮機30と冷却器28の間まで一体に成形した立体形状にすることも可能である。尚、圧縮機30と冷却器28の間に位置する真空断熱材50の形状については図示しないドレンパイプを逃げるための切欠きを設けたものとする。切欠きの有無、或いはその形状については特に限定するものではない。
本実施例における真空断熱材50は、実施例1から6のいずれかであって、芯材51の厚みを10mm、繊維集合体の密度を約250(kg/m3)に設定したものを使用する。天面部の真空断熱材50の配置により、電気部品41及び放熱パイプ60による庫内への熱侵入を低減でき、更には放熱パイプ60の放熱特性を向上でき、また、底面の真空断熱材50の配置により、圧縮機30及び凝縮機31から発生する熱の庫内への侵入を抑制できる。そのため、壁厚を増やすことなく断熱性能を改善することができる。
以上の本発明の各実施形態に係る真空断熱材は、生産性を向上して、製造工程におけるエネルギー消費量を抑制した環境配慮型の真空断熱材を提供することができる。
真空断熱材の高性能化のためには、芯材を構成する樹脂繊維の剛性が高い方が好ましい。そのため、同じ汎用樹脂であっても、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の樹脂の剛性では真空断熱材の芯材としたときの断熱性能(熱伝導率)が、グラスウールを芯材とした時と比較して劣る傾向であった。高剛性の樹脂は、一般的に高分子量であるため流動性(例えばメルトフローレート)に乏しい。流動性に乏しい樹脂を使用した場合、押出機での樹脂溶融押出、メルトブローン法での紡糸工程において、樹脂吐出量が少なくなるため、生産性が落ちる傾向となる。しかし、流動性は樹脂の分子量と相関関係にあるため、樹脂に改良を加えず大幅に物性を改善するのは困難である。そこで、本課題を解決するために、低分子量化を図り流動性を下げる手段が有効であり、末端分子鎖を分断すべく過酸化物添加剤を配合し、低分子量化、流動性向上を図るものである。なお、低分子量化が進むと、剛性も小さくなる傾向であり、流動性と剛性はトレードオフの関係にある。このため、過酸化物添加剤の最適配合量が存在し、上記各実施例により実現するものである。
また、樹脂流動性を向上することにより、紡糸時の延伸性も向上するため、極細繊維化が可能となる。繊維を細径化することにより、真空断熱材内部の空隙率が向上するため一般的に熱伝導率が低減し、断熱性能が向上する。
また、ポリスチレン樹脂については、リサイクル材の使用も可能であり、原材料の製造工程においても省エネルギー化できるだけでなく、省資源化にも大きく貢献でき、環境負荷を大幅に軽減できる。
また、本実施形態の真空断熱材を冷蔵庫以外にも高温槽,恒温槽等、冷熱機器全般,住宅・建物,自動車や電車等の車両分野等に適用することで、断熱性能を向上することができる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、各実施形態の真空断熱材を用いることにより、製品のライフサイクル全般において環境負荷を軽減できる。
また、芯材の一部に樹脂繊維材料を用いることで、真空断熱材及びその材料の製造工程で消費される電気・熱エネルギーを大幅に削減できる。さらに、従来、樹脂繊維材料を芯材に用いた真空断熱材では、断熱性能でグラスウールの芯材よりも劣っていたが、本発明の各実施形態によれば、グラスウールの芯材の真空断熱材と同等以上の断熱性能を実現できる。更に、樹脂材料としては廃家電等から回収したリサイクル樹脂を使用できることから、リサイクル性の高い真空断熱材及び冷蔵庫を提供できる。
1 冷蔵庫
12,14 断熱仕切り
20 箱体
21 外箱
22 内箱
23 断熱材
33 発泡ポリスチレン
40 凹部
41 電気部品
42 カバー
45 庫内灯
45a ケース
50 真空断熱材
51 芯材
53 外被材
54 内袋

Claims (7)

  1. 有機繊維を含む芯材と、該芯材を収納する外被材とを備え、前記外被材の内部を減圧封止する真空断熱材において、
    前記有機繊維には流動性を向上する添加剤を含有することを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記添加剤の添加量は0.2重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
  3. 前記添加剤は有機過酸化物添加剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の真空断熱材。
  4. 前記有機過酸化物添加剤はビス(三級ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼンであることを特徴とする請求項3記載の真空断熱材。
  5. 前記有機繊維はポリスチレン樹脂繊維であることを特徴とする請求項4記載の真空断熱材。
  6. 前記ポリスチレン樹脂繊維の曲げ弾性率が3000MPa以上4000MPaであることを特徴とする請求項5記載の真空断熱材。
  7. 箱体を形成する外箱と、該外箱の内側に設けられた内箱と、前記外箱と前記内箱との間に設けられた真空断熱材と、を有する冷蔵庫において、
    前記真空断熱材は、有機繊維を含む芯材と、該芯材を収納する外被材とを備え、前記外被材の内部を減圧封止し、前記有機繊維には流動性を向上する添加剤を含有することを特徴とする冷蔵庫。
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