JP2011144258A - 廃油中のリン酸エステル除去装置及びpcbを含有する廃油の処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リン酸エステル12を含む廃油13を保管する保管タンク11と、該保管タンク11からラインL1により送給されたリン酸エステル12を含む廃油13を所定量供給する供給タンク14と、前記供給タンク14からラインL2により送給された廃油13に酸化剤供給タンク15からの酸化剤16を混合する撹拌手段17を備えた混合タンク18と、前記廃油13に酸化剤16が混合された反応液19中のリン(P)又はリン酸(H3PO4)を分析する分析部22と、前記反応液19を混合タンク18に戻す循環ラインL4と、前記分析部22の結果に基づき反応液19を静置させ、油層23と水層24とに分離する静置タンク25と、前記油層23中の固形分を除去するフィルタ26と、前記水層24のリン酸を除去する廃水処理部29とを具備する。
【選択図】図1
Description
ところで、その使用の後は、廃油としてドラム缶などで保管されている。
また、水熱酸化分解装置で廃油中のPCBを分解する際には、予めリン酸エステルを除去するので、リン酸エステルのアパタイト化が生じることがないので、絶縁油や潤滑油の水熱分解反応が効率的に行うことができる。
図1に示すように、廃油中のリン酸エステル除去装置10Aは、リン酸エステル12を含む廃油13を保管する保管タンク11と、該保管タンク11からラインL1により送給されたリン酸エステル12を含む廃油13を所定量供給する供給タンク14と、前記供給タンク14からラインL2により送給された廃油13に酸化剤供給タンク15からの酸化剤16を混合する撹拌手段17を備えた混合タンク18と、前記廃油13に酸化剤16が混合された反応液19中のリン(P)又はリン酸(H3PO4)を分析する分析部22と、前記反応液19を混合タンク18に戻す循環ラインL4と、前記分析部22の結果に基づき反応液19を静置させ、油層23と水層24とに分離する静置タンク25と、前記油層23中の固形分を除去するフィルタ26と、前記フィルタ26通過後のリン酸エステル12が除去処理された処理廃油27を貯蔵する貯蔵タンク28と、前記水層24のリン酸を除去する廃水処理部29とを具備するものである。なお、図1中、符号V1、V2は切り替え弁、P1〜P3は送給ポンプ、ラインL4、L5〜L8は送給ライン、Wは水層を各々図示する。
なお、リン酸エステル12の含有量が少ない場合には、添加量を下げるようにしている。
ここで、酸化剤16としては、例えば過酸化水素水(H2O2)、酸素(O2)を用いることができる。
過酸化水素を用いる場合には、希薄な過酸化水素水を用いることができる。
なお、下記[化1]では、リン酸エステルとして、TCP(トリクレジルホスフェート)を例にしている。反応式に示すように、酸化分解によりTCP(トリクレジルホスフェート)が分解され、Pをリン酸(H3PO4)として無機化させている。
酸化分解が進行しない間は、循環ラインL4を用いて、混合タンク18へ戻し、再度混合タンク18の攪拌手段17による酸化分解処理を繰り返すようにしている。
ここで、所定の濃度としては、例えば潤滑油に10%以下のリン酸エステルが含まれている場合、反応液19の水中におけるリン酸(H3PO4)の割合を判断する場合には、リン酸が20%程度以上となった場合に、酸化分解が進行し、油層23から水層24へ移行が完了すると判断する。
これに対し、油中におけるリン(P)の割合を判断する場合には、10〜100ppm程度となった場合に、酸化分解が進行し、油層23から水層24へ移行が完了すると判断する。
この判断は、両方おこなってもよいし、いずれか一方であってもよい。
この静置タンク25で所定時間静置させて、油層23と水層24とに分離させる。
ここで、フィルタ26としては、油層23中に微量に残存するリン酸エステルを効率的に除去させるために、金属フィルタ(例えば鉄系メッシュフィルタなど)を用いて、金属鉄(Fe)にリンを付着除去するようにしている。
リン酸を固定処理する廃水処理部29には、例えばCa、Mg、Na、Alのいずれかを少なくとも含む固形吸着剤を充填した無機充填槽を有してなり、リン酸を金属塩で固定化(例えばアパタイト(Ca5(PO4)3(F,Cl,OH))を生成)するようにしている。その後pH調整槽においてpHを調整して後、外部へ排出する。
図2に示すように、廃油中のリン酸エステル除去装置10Bは、混合タンク18の後流側に、過酸化水素水の水Wと廃油とを乳化させる乳化手段20を設けるようにしている。
ここで、乳化手段20としては、油と水とを微細混合状態となる手段であればいずれでもよいが、特にはラインミキサを用いるのが好ましい。
このラインミキサは、加水分解を効率的に処理するために微細な反応液19とすることができる。
なお、ラインミキサ以外の乳化手段20としては、流体に高いシェアーを与えることが出来る攪拌手段であればいずれでも良いが、例えば、回転ミル、羽回転型、超音波振動式などを例示することができる。
図3に示すように、廃油中のリン酸エステル除去装置10Cは、リン酸エステル12を含む廃油13を保管する保管タンク11と、該保管タンク11からラインL1により送給されたリン酸エステル12を含む廃油13を所定量供給する供給タンク14と、前記供給タンク14からラインL2により送給された廃油13に酸化剤16である酸素(O2)を混合する撹拌手段17を備えた混合タンク18と、前記廃油13に酸化剤16が混合された反応液19中のリン(P)又はリン酸(H3PO4)を分析する分析部22と、前記反応液19を混合タンク18に戻す循環ラインL4と、前記分析部22の結果に基づき反応液19中の固形分を除去するフィルタ26と、前記フィルタ26通過後のリン酸エステル12が除去処理された処理廃油27を貯蔵する貯蔵タンク28とを具備するものである。
酸化分解が進行しない間は、循環ラインL4を用いて、混合タンク18へ戻し、再度混合タンク18で酸化分解処理を繰り返すようにしている。
ここで、フィルタ26としては、反応液中に微量に残存するリン酸エステルを効率的に除去させるために、金属フィルタ(例えば鉄系メッシュフィルタなど)を用いて、金属(鉄)にリンを付着除去するようにしている。
図3に示すように、廃油中のリン酸エステル除去装置を備えた廃油の処理システム100は、実施例1又は実施例2に係る廃油中のリン酸エステル除去装置10A(10B、10C)と、PCBを水熱酸化分解処理する水熱酸化分解装置120とを具備するものである。
ここで、水熱酸化分解装置120の概略構成は、リン酸エステルが除去された処理廃油27、油(反応促進用)31、水酸化ナトリウム(NaOH)32、純水33及び酸素(O2 )34を投入する筒形状の一次反応塔101と、分解処理反応を完結させる二次反応塔107と、冷却器108および反応器の減圧弁109を備えている。また、減圧弁109の下流には、排水(H2O,NaCl)114と排気ガス(CO2)112とに分離する気液分離器110が配置されている。なお、上記二次反応器107は必要に応じて省略することもできる。
12 リン酸エステル
13 廃油
16 酸化剤
18 混合タンク
19 反応液
20 乳化手段
21 加温部
22 分析部
23 油層
24 水層
25 静置タンク
26 フィルタ
27 処理廃油
29 廃水処理部
30 判定部
Claims (9)
- リン酸エステルを含む廃油を所定量供給する供給タンクと、
前記供給タンクから送給された廃油に酸化剤を供給させ、酸化反応を進行させる混合タンクと、
前記反応液中のリン(P)濃度を分析する分析部と、
前記反応液を混合タンクに戻す循環ラインと、
前記分析部の結果に基づき反応液中の固形分を除去するフィルタとを具備することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - リン酸エステルを含む廃油を所定量供給する供給タンクと、
前記供給タンクから供給された廃油に過酸化水素水を供給させ、酸化反応を進行させる撹拌手段を備えた混合タンクと、
前記反応液中のリン酸割合を分析する分析部と、
前記反応液を混合タンクに戻す循環ラインと、
前記分析部の結果に基づき反応液を静置させ、油層と水層とに分離する静置タンクと、
前記油層中の固形分を除去するフィルタと、
前記フィルタ通過後のリン酸エステルが除去処理された処理廃油を貯留する貯留タンクと、
前記水層のリン酸を除去する廃水処理部とを具備することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項1又は2において、
前記酸化剤の添加量が10重量%以下であることを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項2又は3において、
前記水が混合された廃油を乳化液とする乳化手段と、
前記乳化手段を加温する加温部とを具備することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項4において、
前記加温部の加温温度は80〜100℃であることを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項2乃至5のいずれか一つにおいて、
前記分析部で分析し、水中のリン酸濃度又は油中のリン酸エステルの濃度が、所定濃度となった場合に、静置タンクへ切り替える操作を行う判定部を有することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項2乃至6のいずれか一つにおいて、
前記廃水処理部が、Ca、Mg、Na、Alのいずれかを少なくとも含む固形吸着剤を充填した無機充填槽を有してなり、リン酸を金属塩で固定化することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
前記廃油がポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有することを特徴とする廃油中のリン酸エステル除去装置。 - 請求項8の廃油中のリン酸エステル除去装置と、
リン酸エステルが除去された廃油中のポリ塩化ビフェニル(PCB)を分解処理する水熱酸化分解装置とを具備することを特徴とするポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する廃油の処理システム。
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