JP2011143470A - 車輪用軸受装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブユニットに組み込まれた軸受において、CRFに替えて軸受の外輪の軸方向に形状を付すことが可能な鍛造方法により、軸受外輪のリング状素形材の構造を脆弱化しない形状としたリング状素形材の製造方法を提供する。
【解決手段】ボール又はころからなる転動体を転動させる軌道輪を内周面に有するリング状の軸受用のアウターレース素形材1において、アウターレース素形材1のリング内周面の形状を維持した状態を保って外周面1a又は上下のリング端部5のいずれかを縮小した形状の凹溝4又は凹状切欠き部5aとしたアウターレース素形材1を製造する。
【選択図】図6

Description

本願の発明は、棒鋼材から熱間鍛造によりリングを製造し、さらに、このリングを適宜長さに切断し、切断したリングの表面を旋削し、次いでショットブラストし、さらに潤滑処理をした後、冷間鍛造により製造する自動車における第1世代のハブ外輪にユニットとして組み込まれた軸受の外輪の素形材、特に軽量化した形状とした第1世代のハブに組み込まれた軸受の外輪の素形材の製造方法に関する。
一般的には、自動車に要求される性能には、(1)動力性能や制動性能や操縦性能等の走行性能、(2)乗り心地や社内騒音や等の快適性、(3)保守整備が容易で燃料消費が少ない等の経済性、(4)機能と美しさが調和したスタイリングや室内デザインや趣味の要素などを備えた商品性、(5)事故につながらないための対策や万一の事故に対して被害を最小限にとどめ、かつ事故後に被害が広がらないようになっている安全性、および(6)二酸化炭素や有害廃棄物を排出することのない低公害性である。これらの要求性能をのうち、上記の動力性能や制動性能や操縦性能等の走行性能や、燃料消費が少ない経済性あるいは二酸化炭素や有害廃棄物を排出することのない低公害性を図るために、これらの性能を低下することなく、コストを可能な限り低減して、自動車の車体の駆動機構における第1世代のハブに組み込まれた軸受の外輪部材の製造方法が求められている。
ところで、従来の自動車の車体の駆動機構における第1世代のハブに組み込まれた軸受の外輪は、主として棒鋼材を熱間鍛造によりリングとし、このリングを焼鈍し、焼鈍したリングの表面をショットブラストした後、冷間ローリング加工(以下、「CRF」という。)する工程により製造されていた。上記の製造工程では、最終段階で回転加工する工程すなわちCRFによる加工が行われるため、製品である軸受における外輪の軸方向のリング状の外表面には、CRFにより周方向の形状化はできても軸方向の形状化はできなかった。
従来の自動車の技術分野では、自動車の車体に固定する外側部材と車体に取り付ける内側部材と、これらの外側部材と内側部材の間に配置される転動部材と保持器とを具備し、内側部材を外側部材に転動部材を介して回転自在に支持する構造としたホイール用軸受ユニットが知られている。この自動車のホイール用軸受ユニットにおいて、上記の内側部材の端部に取り付けられ外端部に凹部が形成された凹部材と、この凹部材の内周面に設けられ回転数に応じた信号を発するエンコーダ部と、上記の外側部材に固定され上記の凹部材を覆う密封部材と、上記の凹部内に位置すると共に、上記のエンコーダ部と半径方向に対向するように、上記の密封部材に固定され、上記のエンコーダ部から発生した信号を検出する回転検出器とを具備した自動車のホイール用軸受ユニットが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このものは、回転検出器およびエンコーダ部の存在する場所に、運転時に外部から土砂や泥水が進入する虞れを無くし、精度のよい回転数の検出が長期にわたってできるものとしたものであり、形状を付することによりエンコーダ部を取り付けるようにしたものである。
さらに、他の従来の自動車の技術分野では、自動車等の車輪を自転自在に支承する車輪用軸受装置の製造において、パイプ材を所要の長さに切断し、この切断したパイプ材の両端のバリ取りを行い、このバリ取りをしたパイプ材の内径面と外径面を旋削し、この旋削したパイプ材の内径内に、外周面を形状面としたマンドレルを挿入し、外周面に凹部が形状化された成形ロールをパイプ材の外周に配置し、パイプ材を挟んで該成形ロールとマンドレルの少なくとも一方を回転させることによりパイプの内周面にわたって所望の形状を形成するすなわちCRFする(例えば、特許文献2参照。)技術がある。このものはパイプの外径に形状を付けることにより、後工程での仕上げ加工を容易としている。しかし、この技術は製品を、円の中心をとおり軸方向に直角な断面で切断した場合、CRFでは、どの断面形状も同一となる製品しか得られない。また、棒鋼から熱鍛し切削加工する方法により、外周面への長手方向への凹溝や端面の凹状切欠きを付与する場合、回転切削時の被加工材の方向に対して凹みのために被加工材が同一半径とならないため旋盤のように回転しながら削れず、被加工材を固定して凹み部を1ヶ所ずつ削ることになる。このためCRFのような塑性加工の場合に比べてこの技術は生産性・歩留が悪い。
特開平1−254401号公報 特開2008−138860号公報
本発明が解決しようとする課題は、ハブに組み込まれた軸受の製造方法において、軸受の外輪の軸方向に形状を付すことが不可能であったCRFに替えて、軸受外輪の軸方向に形状を付すことを可能とした手段によって、軸受外輪のリング状素形材を脆弱化しない形状とした軸受における外輪のリング状素形材の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、熱間鍛造により棒鋼材から製造した成形リングあるいは鋼管を切断して適宜長さとした切断リングとし、このリングを切削により切削リングとし、この表面にショットブラストした後、潤滑処理を施して、さらに冷間鍛造により製造する、自動車用のハブに組み込まれた軸受における外輪素形材の製造方法であって、特に軽量化した軸受のリング状の外輪素形材の製造方法である。
すなわち、請求項1の発明は、ボール又はころからなる転動体を転動させる軌道輪を内周面に有するリング状の軸受用の外輪(以下、外輪を「アウターレース」という。)素形材の鍛造による製造方法である。このアウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保ってアウターレース素形材の外周面に軸方向の凹溝を等間隔に離間して又は外周面の形状は維持した状態で上下のリング端面に凹状に縮小した形状を等間隔に離間して形状化したアウターレース素形材を鍛造により製造することを特徴とするハブユニットに組み込むための軽量化したアウターレース素形材の製造方法である。
請求項2の発明は、アウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保って外周面に軸方向の凹溝を等間隔に離間して形成する方法は、アウターレース素形材のリング外周面に、等間隔に離間して軸方向の凸条を内周面に有するリング状ダイと棒状の下パンチおよび棒状の上パンチを用いて、該リング状ダイに鋼材からなる環状リングを装着し該鋼材からなる環状リングの内周面に該棒状の下パンチを下方から挿入して押し当て、かつ棒状の上パンチを上方からリング状ダイ内に挿入して押し当てた後、棒状の上パンチを下方に加圧して該鋼材からなる環状リングを棒状の上パンチおよび棒状の下パンチを環状リング中に挿入してリングの軸方向のスリット状凹溝を該鋼材からなる環状リング外周面に等間隔に配設することにより、軸方向のスリット状凹溝の部分の肉厚を凹溝部以外の肉厚よりも薄くしたアウターレース素形材を鋼材からなる環状リングから鍛造により形成することを特徴とする請求項1に記載の軽量化したアウターレース素形材の製造方法である。
請求項3の発明は、アウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保って上下のリング端面を縮小して形状化する方法は、該リング内周面の形状と同様にアウターレース素形材のリング外周面の形状も維持した状態に保って、アウターレース素形材を環状内周面を有するリング状ダイに鋼材からなる環状リングを装着し該鋼材からなる環状リングの内周面に、端部の環状面に等間隔に配置の凸状部を有する棒状の下パンチを下方からリング状ダイ内に挿入して押し当て、かつ、端部の環状面に等間隔に配置の凸状部を有する棒状の上パンチを上方からリング状ダイ内に挿入して押し当てた後、該凸状部を有する棒状の上パンチを下方に加圧して鋼材からなる環状リングのリング端面の環状面に軸方向の凹状切欠きを等間隔に形成して、この凹状切欠きの部分の深さをアウターレースの内面に有する軌道輪に達しない範囲としたアウターレース素形材を鋼材からなる環状リングから鍛造により形成することを特徴とする請求項1に記載の軽量化したアウターレース素形材の製造方法である。
本願は上記の請求項1の発明の方法のアウターレース素形材の製造方法は、鍛造方法で製造することにより、鋼材からなる環状リングの内周面の形状を維持した状態を保って外周面のみ軸方向の凹条からなる縮小した形状の軽量化したアウターレース素形材、又は鋼材からなる環状リングの内周面および外周面の形状は環状面に維持して環状リングの両端面に等間隔に離間した凹状切欠きを形成して、CRFでは製造が困難であった軽量化したアウターレース素形材を鍛造により容易に製造することができる。さらに、請求項2の発明の方法のアウターレース素形材の製造方法は、アウターレース素形材の内周面は管状面に保って、外周面にリングの軸方向の凹状溝を等間隔に配設して鍛造により製造することで、軽量化したアウターレース素形材が容易に形成できる。さらに請求項3の発明の手段のアウターレース素形材のリング端部に等間隔の凹状切欠き部を鍛造により形成することで容易に形状化を図ることができる。この場合、軸受の軌道輪の転動体の転動状態に障害などの悪影響を及ぼすことなく、これらのアウターレース素材から形成の軸受をハブユニットに組み込んで軽量化したアウターレースを得ることができ、この軽量化したアウターレースをハブユニットに用いることで、ガソリン自動車にあっては燃料費を改善すると共に公害の元となる排ガス量を減少でき、あるいは、電気自動車にあっては電気の消費量を減少でき、このことにより自動車の軽量化の一助に役立たせることができる。
(a)は本発明における凹溝を形成したアウターレース素形材、(b)は(a)に示すアウターレース素形材における凹溝の大きさを示す図である。 本願発明のリング状素材をSUJ2鋼管から製造するための模式的流れ図である。 本願発明の他の実施例の棒鋼からなる(a)のリング状素材と、このリング状素材から形成した(b)のバー材を示す模式図である。 図3のバー材から(a)の据込体、(b)のカップ体、(c)の成形リングに形成する方法の流れ図を示す。 本願の請求項2に係る発明である第2の実施の形態の製造方法を模式的に示す図で、(a)は冷間鍛造前を示し、(b)は加圧成型後の状態を示す。 本願発明の請求項2に係る発明の成形工程を模式的に示す図で、(a)は切削リングであるリング状素材、(b)はリング状ダイ中のリング状素材、(c)はアウターレース素形材の斜視図を流れ図で示し、(d)はリング状ダイの平面図、(e)はアウターレース素形材の断面図、(f)はリング端部に凹状切欠き部を有するアウターレース素形材の側面断面図、(g)は(f)の斜視図をそれぞれ示す模式図である。 本願の請求項3に係る発明である第3の実施の形態の製造方法を模式的断面図により示す図で、(a)は冷間鍛造前を示し、(b)は加圧成型後の状態を示す。 本願の発明の製造方法に使用する冷間鍛造装置を示す側面図で、(a)はリング状素材を下パンチに装着した加圧前の段階を示し、(b)はリング状素材を上パンチで加圧してアウターレース素形材に成形した状態を示す側面図である。 本発明に使用しうるアウターレース素形材の各大きさを示す図である。 本発明のアウターレース素形材から形成した軸受を組み込んだ第1世代のハブユニットを示す図である。
本願の発明を実施するための実施の形態について図面を参照して以下に説明する。第1の実施の形態では、ボール2a又はころ2bからなる転動体2を転動させる軌道輪3を内周面1bに有するリング状の軸受用のアウターレース素形材1の製造方法である。このアウターレース素形材1から、図8に示す第1世代のハブユニット20に組み込むアウターレース21が形成される。このアウターレース21はハブユニット20に組み込むために軽量化したアウターレース21となっている。この第1の実施の形態の手段では、上記のアウターレース素形材1の軌道輪3を有するリング内周面1bの形状は変更することなく、その形状を維持した状態を保って外周面1aの形状のみの外周面1a又は上下のリング端部5のいずれかを縮小した形状に形成している。この外周面1aの形状のみを縮小した形状としたことで、アウターレース素形材1の重量をその縮小した分だけ軽量化して製造する。
第2の実施の形態では、アウターレース素形材1のリング内周面1bの形状は変更することなくそのままの形状に維持した状態を保って、外周面1aのみを縮小した形状である上記の実施の形態1における方法である。その形状は図1の(a)に示すように、アウターレース素形材1の外径の寸法が例えばφ85.3mmで内径がφ73.5mmのあるリング外周面1aにリングの軸方向のスリット状の凹溝4を等間隔に6個を配設したものである。そしてこの凹溝4の部分の外周面1aと内周面1bの間の肉厚を凹溝部以外の外周面1aと内周面1bの間の肉厚よりも薄く形成した形状のアウターレース素形材1から形成している。このように凹溝4の部分の外周面1aと内周面1bの間の肉厚を薄く形成したことで、アウターレース素形材1の重量をその薄くした分だけ軽量化している。しかし、外周面の凹溝部以外の部分では外周面1aと内周面1bの間の肉厚は薄くすることなくそのままの状態であるので、アウターレース素形材1の強度は軸受としての必要強度を維持できる程度に等間隔に配設した凹溝4の溝幅とその個数を設けている。この場合、図1の(b)に示すように、リングの軸方向のリング中心点1cからアウターレース素形材1へ角度20°で結んだ2本の線の間を外周面1aから内周面1bへ例えば1.5mmだけ凹めて凹溝4に形成している。このアウターレース素形材1の寸法は外径は上記のとおりφ85.3mmで、内径はφ73.5mmとしている。
上記の第2の実施の形態のアウターレース素形材1の外周面1aにリングの軸方向のスリット状の凹溝4を等間隔に6個を配設した方法では、スリット1箇所につき9.0g軽量化できるので、6個の合計で54.0g軽量化でき、アウターレース素形材1の重さの約10%を軽量化できる。
第3の実施の形態では、図1の(c)に示すように、外径の寸法が例えばφ85.3mmで内径がφ73.5mmの大きさであるアウターレース素形材1のリングの外周面1aおよび内周面1bの形状は変更することなく、そのままの形状に維持した状態を保って、リング端面5の上下の円周部に凹状切欠き部5aを等間隔に配設した製造する。この場合、その凹状切欠き部5aの大きさは、図1の(d)に示すように、深さは2mm、R32mmの円弧に形成している。この場合、上記したようにリング端面5の上下の円周部に凹状切欠き部5aを等間隔に配設して、両端にそれぞれ4個ずつ設けている。これらの場合、リング端面5の上下の円周部に凹状切欠き部5aは、切欠き1箇所につき1.5g軽量化できるので、リング端面5の円周部の凹状切欠き部5aは上下で計8個であるので、合計で12.0g軽量化でき、アウターレース素形材1の重さの約2%を軽量化できることとなる。なお、この図1の(c)では、リング外周面1aにリングの軸方向のスリット状の凹溝4を省略している。
ここで、先ず、図6の(c)に示す第2の実施の形態について説明する。上記したアウターレース素形材1の製造方法を説明するに当たり、先ず、以下の慣用手段を利用した第1の方法について説明する。この方法では、鋼材としてJIS規格の高炭素クロム軸受鋼鋼材のJIS G 4805のSUJ2からなる棒鋼をアッセルミルにより熱間で圧延製管又は熱間押出により製管し、図2の(a)に示す、外径φ86.2mm、内径φ69.5mmのSUJ2鋼管16を得て、これを、図2の(b)に示す、長さ46.5mmに切断して切断リング17とする。
さらに他の手段を利用した第2の方法について説明する。この第2の方法の場合も、鋼材は同じく棒鋼である。すなわち、鋼材としてJIS規格の高炭素クロム軸受鋼鋼材のJIS G 4805のSUJ2からなる棒鋼を熱間圧延により、図3の(a)の径φ46mmの素材25とする。この素材25をシャー切断して図3の(b)の長さ73.2mmのバー材26とする。さらに、このバー材26を1150℃に加熱し、第1工程で据込んで、図4の(a)に示す形状の、径φ85mm、厚さ21.4mmの据込体27とし、第2工程で熱間鍛造して図4の(b)に示す形状の外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、底厚さ7mm、長さ46.5mmの重量952gのカップ体28とする。さらに第3工程で、該カップ体28の底28aをパンチによりいわゆるポン抜きして、図4の(c)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの重量744gの成形リング29とする。ポン抜きしたポンカスの重量は208gであった。
さらに、これらの第1の方法あるいは第2の方法で得られた、図2の(b)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの切断リング17あるいは図4の(c)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの成形リング29を切削加工して、図2の(c)に示す長さ46.0mm、外径φ85.0mm、内径φ70.5mmの大きさの冷鍛ブランクである切削リング18とする。これらの切削リング18をショットブラストした後、一液処理からなる潤滑処理を全面に施す。さらに、この潤滑処理を施した切削リング18を、図5の(a)に示すようにリング状ダイ14の中に挿入して下パンチ13に載置し、上方から上パンチ12により矢印方向に加圧して、図5の(b)に示す冷間鍛造を行う。この結果、長さ46.7mm、外径φ85.3mm、内径73.5mmからなり、凹溝4を両端に有し、これらの凹溝4、4の間から軸心側へ突出する幅12mm、内径φ60mmの内周面凸状部6を有する、図2の(d)に示す、リング状素材19が得られた。これらのリング状素材19は、図6の(a)に示す長さ46.0mm、外径φ85.0mm、内径φ70.5mmのリング状素材11(このリング状素材11は図2の(c)の切削リング18と同一である。)を、図6の(d)の平面図に示す凸条14aを内周面に有するリング状ダイ14に、挿入し、図7の下パンチ13と上パンチ12により加圧鍛造して、図6の(b)に示す長さ46.7mm、径φ85.3mmの外周面1a、径φ73.5mmの内周面、内径φ60mmの内周面凸状部6を有するリング状素材19とし、このリング状素材19を図7のリング状ノックアウト15で取り出して、図6の(c)に示す、軸方向の凹溝4を外周面1aに有するアウターレース素形材1を製造する。なお、軸方向の凹溝4を外周面1aに付与することは、切削加工でも可能である。
次いで、図6の(e)、(f)、(g)に示す第3の実施の形態について説明する。図1の(a)に示すように、例えば外径φ85.3mmで内径φ73.5mmの大きさであるアウターレース素形材1のリングの外周面1aおよび内周面1bの形状は変更することなく、そのままの形状に維持した状態を保って、図1の(c)に示すように、リング端部5の上下の円周部に凹状切欠き部5aを等間隔に配設する製造法について、第1の手段の方法として説明する。この第1の手段の方法では、先ず、鋼材としてJIS規格の高炭素クロム軸受鋼鋼材のJIS G 4805のSUJ2からなる棒鋼をアッセルミルにより熱間で圧延製管又は熱間押出により製管し、図2に(a)に示すように、外径φ86.2mm、内径φ69.5mmのSUJ2鋼管16を得て、これを切断して、図2の(b)に示すように、長さ46.5mmの切断リング17とする。
次いで、上記の手段の方法に代えた、他の第2の方法の手段について説明する。この第2の手段の方法も、鋼材は同じく棒鋼である。鋼材としてJIS規格の高炭素クロム軸受鋼鋼材のJIS G 4805のSUJ2からなる棒鋼を熱間圧延により図3の(a)の径φ46mmの素材25とする。この素材25をシャー切断して図3の(b)の長さ73.2mmのバー材26とする。さらに、このバー材26を1150℃に加熱し、第1工程で据込んで、図4の(a)に示す形状の、径φ85mm、厚さ21.4mmの据込体27とし、第2工程で熱間鍛造して図4の(b)に示す形状の外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、底厚さ7mm、長さ46.5mmの重量952gのカップ体28とする。さらに第3工程で、該カップ体28の底28aをパンチによりいわゆるポン抜きして、図4の(c)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの重量744gの成形リング29とする。なを、ポン抜きしたポンカスの重量は208gであった。
さらに、これらの第1の手段または第2の手段の方法で得られた、図2の(b)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの切断リング17あるいは図4の(c)に示す外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの成形リング29を切削加工して、図2の(d)に示す、長さ46.0mm、外径φ85.0mm、内径φ70.5mmの大きさの切削リング18からなる冷鍛ブランクとする。この切削リング18にショットブラスとした後、潤滑処理を一液処理で全面に施し、さらに、この潤滑処理を施した切削リング18を、図7の(a)に示すようにリング状ダイ14の中に挿入し、切削リング18のリング状周縁部の上面に、等間隔の円弧状凸状部13bを有するリング状下パンチ13aおよび該リング状パンチ13a内に挿入し得る外周面を有する下パンチ13の上に挿入した切削リング18を載置し、さらに下面に円弧状凸状部12bを有するリング状上パンチ12aおよびその中に挿入し得る外周面を有する上パンチ12により、図7の(b)に示すように、これらの切削リングの上方および下方から同時に加圧し冷間鍛造を行う。
上記の方法において、切削リング18の下面のリング状周縁部に等間隔に配置された円弧状凸状部13bを有するリング状下パンチ13aおよび切削リング18の上面のリング状周縁部に等間隔の円弧状凸状部12bを有するリング状上パンチ12aはそれぞれリング状ノックアウト15を兼用するものとなっている。図7の(a)に示すように、ダイ14の中に円弧状の凸状部13bを等間隔で有するリング状下パンチ13aおよび下パンチ13aを挿入し、さらに切削リング18をこれらのリング状下パンチ13aおよび下パンチ13aの上に装着し、この切削リング18の上から円弧状の凸状部12bを等間隔で有するリング状上パンチ12aおよび上パンチ12により同時に加圧することにより冷間鍛造することで、その凹状切欠き部5aの大きさは、図1の(d)に示すように、深さは2mm、R32mmの円弧に形成されて、図1の(c)に示す外径の寸法が、例えばφ85.3mmで内径がφ73.5mmの大きさであるアウターレース素形材1が得られる。そして、その結果、このリング端面5の上下の円周部には、凹状切欠き部5aが等間隔に配設されて、上下にそれぞれ4個ずつ設けられることとなる。さらに本発明では、リング端部5の凹状切欠き部5aに加えて上記したリング外周面1aに凹溝4を同時に付加した形状にしてもよい。
図8は本発明の冷鍛加工方法に使用する鍛造装置の側面図で、(a)は、リング状素材11を下パンチ13上に装着して上パンチ12を加圧する前の段階を示す図で、上パンチはリング状素材11から180.8mm上部に位置して待機している。14はリング状のダイで、15は上下のリング状ノックアウトである。(b)は上パンチ12を押し下げて加圧してリング状素材11をアウターレース素形材1に成形した状態を示す図である。これらの図8の(a)および(b)において矢印で示す数値は距離を示し、単位はmmである。なお、前述した第2の実施の形態や第3の実施の形態において、母材をリングに代えて直径50mmの棒鋼を用い、これを1150℃に加熱して長さ55mmに切断し、そのまま鍛造して図2の(b)に示すように、外径φ86.2mm、内径φ69.5mm、長さ46.5mmの鍛造リングを得て、これを以下同様に加工した場合についても、凹溝を有するアウターレースや凹状切欠き部を有するアウターレースを得られた。
図9は本発明の方法に使用しうるアウターレース素形材1の各大きさを示す図で、アウターレース素形材1の外径はφ50〜110mm、内周面凸状部6の内径はφ30〜100mm、リング長さは20〜60mmの範囲で変動できる。しかし、それぞれの値は略比例して上記の範囲で大きさを変動することが好ましい。
図10は、本願のアウターレース素形材1からなるアウターレース21とインナーレース22とボール2aとその保持器23を有するベアリングを有する自動車の車体の駆動部における第1世代のハブユニット20の断面図を示す図である。同図において20aはハブユニットの回転軸で24はそのハブユニット中心線を示している。このハブユニットにおいては、本発明におけるアウターレース21を有する軸受を採用することで、ハブユニット全体として軽量化が達成されている。
1 アウターレース素形材
1a 外周面
1b 内周面
1c リング中心点
2 転動体
2a ボール
2b ころ
3 軌道輪
4 凹溝
5 リング端部
5a 凹状切欠き部
6 内周面凹状部
11 リング状素材
12 上パンチ
12a リング状上パンチ
12b 円弧状凸状部
13 下パンチ
13a リング状下パンチ
13b 円弧状凸状部
14 リング状ダイ
14a 凸条
15 リング状ノックアウト
16 SUJ2鋼管
17 切断リング
18 切削リング
19 リング状素材
20 ハブユニット
20a 回転軸
21 アウターレース
22 インナーレース
23 保持器
24 ハブユニット中心線
25素材
26 バー材
27 据込体
28 カップ体
28a 底(カップ体の)
29成形リング

Claims (3)

  1. ボール又はころからなる転動体を転動させる軌道輪を内周面に有するリング状の軸受用の外輪(以下、外輪を「アウターレース」という。)素形材の鍛造による製造方法において、アウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保ってアウターレース素形材の外周面に軸方向の凹溝を等間隔に離間して又は/および外周面の形状は維持した状態でリング端面に凹状に縮小した形状を等間隔に離間して形状に成形したアウターレース素形材を鍛造により製造することを特徴とするハブユニットに組み込むための軽量化したアウターレース素形材の製造方法。
  2. アウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保って外周面に軸方向の凹溝を等間隔に離間した形状に形成する方法は、アウターレース素形材のリング外周面に、等間隔に離間して軸方向の凸条を内周面に有するリング状ダイと棒状の下パンチおよび棒状の上パンチを用いて、該リング状ダイに鋼材からなる環状リングを装着し該鋼材からなる環状リングの内周面に該棒状の下パンチを下方から挿入して押し当て、かつ棒状の上パンチを上方からリング状ダイ内に挿入して押し当てた後、棒状の上パンチを下方に加圧して該鋼材からなる環状リングを棒状の上パンチおよび棒状の下パンチを環状リング中に挿入してリングの軸方向のスリット状凹溝を該鋼材からなる環状リング外周面に等間隔に配設することにより、軸方向のスリット状凹溝の部分の肉厚を凹溝部以外の肉厚よりも薄くしたアウターレース素形材を鋼材からなる環状リングから鍛造により形成することを特徴とする請求項1に記載の軽量化したアウターレース素形材の製造方法。
  3. アウターレース素形材のリング内周面の形状を維持した状態に保って上下のリング端面を縮小した形状に形状化する方法は、該リング内周面の形状と同様にアウターレース素形材のリング外周面の形状も維持した状態に保って、アウターレース素形材を環状内周面を有するリング状ダイに鋼材からなる環状リングを装着し該鋼材からなる環状リングの内周面に、端部の環状面に等間隔に配置の凸状部を有する棒状の下パンチを下方からリング状ダイ内に挿入して押し当て、かつ、端部の環状面に等間隔に配置の凸状部を有する棒状の上パンチを上方からリング状ダイ内に挿入して押し当てた後、該凸状部を有する棒状の上パンチを下方に加圧して鋼材からなる環状リングのリング端面の環状面に軸方向の凹状切欠きを等間隔に形成して、この凹状切欠きの部分の深さをアウターレースの内面に有する軌道輪に達しない範囲としたアウターレース素形材を鋼材からなる環状リングから鍛造により形成することを特徴とする請求項1に記載の軽量化したアウターレース素形材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1058073A (ja) * 1996-08-15 1998-03-03 Koyo Seiko Co Ltd 複列軸受の製造方法および装置
JP2008030554A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Ntn Corp 車輪用軸受装置

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