JP2011142800A - 住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造 - Google Patents

住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造 Download PDF

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Abstract

【課題】プラグイン端子構造を有する分岐開閉器の操作ハンドルをオンする前に、負荷回路に供給される電圧を、作業性よく確認することができる供給電源電圧測定構造を備えた住宅用分電盤を提供する。
【課題を解決するための手段】供給電源の電圧測定構造を、複数の分岐開閉器に対して共通して用いられる、第一の電圧極及び第二の電圧極の母線に夫々設けた母線側電圧測定部と、前記分岐開閉器における前記プラグイン端子側に設けられて、各々の分岐開閉器毎に個別に用いられる分岐開閉器側電圧測定部とを備えて構成し、供給電源電圧の測定器の2本のテストリードの内、一方のテストリードを前記第一又は第二の母線側電圧測定部に当接させたままで、他方のテストリードを各々の前記分岐開閉器側電圧測定部に対して個別に当接させていくことにより、前記分岐開閉器のプラグイン端子間に印加された電源電圧の測定を行えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅用分電盤に設けられた母線と接続されて各分岐回路に電源を供給する分岐開閉器に供給される電源電圧の大きさを測定する機能を有した住宅用分電盤に関し、特に、前記母線と分岐開閉器との接続がプラグインで行われ、分岐開閉器の電路開閉用操作ハンドルを切りにした状態で、分岐開閉器に供給される電源電圧の大きさを利便性よく測定することができる機能を有した住宅用分電盤に係る。
住宅用分電盤は、キャビネットの内部に、主開閉器、該主開閉器の二次側に接続される母線、該母線と各々接続される分岐開閉器などの内部機器を組み込んだもので、住宅等における電路の引込口装置として用いられている。適用される電路は、通常、交流50Hz又は60Hzの単相2線式電路(100V)、もしくは単相3線式電路(100/200V)が印加される電路である。
近年、住宅内で使用される電気機器として、機器への電源供給のために専用回路を必要とするものが増え、前記分岐開閉器と直接配線して接続する機器が増えている。例えば、24時間換気システムや、ビルトインタイプの食洗器などが該当する。このような機器に電源を供給する場合、分岐開閉器と機器との配線を行った後で、該分岐開閉器の電路開閉用の操作ハンドルを入りとすることで電源が機器に供給される。機器には、機器本体に電源スイッチが設けられていないものがあり、そのような機器の場合には、電路開閉用の操作ハンドルを入りとすると直ちに電源が印加される。
単相3線式の電路のように、3線の内、選択する2線に応じて電源電圧の大きさが100V又は200Vの複数出力される電路に適用される分電盤においては、各分岐回路には、該各分岐回路に接続される機器に適した大きさの電圧が供給される必要がある。そこで、機器に供給する電源電圧を分岐回路に接続される機器に応じて適宜切り替えられるように母線側に電圧切換え構造を持たせた分電盤が公知である。
例えば、特許文献1においては、図16に示したように、主電路を形成するブスバー(特許文献1の符号1、2、3)と、回路遮断器の端子にねじ締め接続されるブスバーの足部(特許文献1の符号101、301、601等)の間に、切替装置を設けて構成している。この切替装置は、該切替装置を構成する接続バー(特許文献1の符号6)に設けられた長穴(特許文献1の符号602)と切替片(特許文献1の符号8)の穴部に共に貫通させた切替ネジ(特許文献1の符号7)の位置を前記長穴の一端もしくは他端に移動させて導通させる導体を選択し回路遮断器の端子に接続される導体を切替えて、回路遮断器に供給する電圧を変更するものである。
特許文献2においては、図17に示したように、特許文献1と同じく、主電路を形成するブスバー(特許文献2の符号11、12、13)と、回路遮断器のプラグインタイプの端子がプラグイン接続されるブスバーの接続部(特許文献2の符号1301、2001等)の間に、切替装置を設けて構成している。そして切替装置を構成する送り板(特許文献2の符号20)に設けられた長穴部と筒状導体子(特許文献2の符号18)に共に貫通させたねじ(特許文献2の符号17)の位置を前記長穴の一端もしくは他端に移動させて導通させる導体を選択し回路遮断器の端子に接続されるブスバーを切替えて、回路遮断器に供給する電圧を変更するものである。
分岐開閉器に供給する電源電圧を適宜母線側で切替設定し、分岐開閉器と機器との配線接続が完了した後、機器に電源を印加する前には、通常、該機器に適した大きさの電圧が印加されるか否かを確認するために、電圧測定作業を行う。特許文献1に示した分電盤の場合には、分岐開閉器(特許文献1の符号5)に接続される前記ブスバーの足部(特許文献1の符号101、301)に電圧測定のために電圧測定器に接続されたテストリードを当接させ、該足部間の電圧を測定する。特許文献2に示した分電盤の場合には、分岐開閉器(特許文献2の符号15)に接続される前記ブスバーの接続部(特許文献2の符号1301、2001)に電圧測定器のテストリードを当接させ、該足部間の電圧を測定する。
特開平9−271108号公報 特開2002−135919号公報 特許第4147665号
前述したような、母線側に電圧切替構造を持たせた住宅用分電盤にあっては、
該電圧切替構造として用いる、接続バーと送り板、また、これら接続バーと送り板に付随する切替ネジと切替片や筒状導体子などの多くの部材構成部材が必要となり、それらの組み立てに要する工数とも相まって、コストダウンを図りにくい。
また、電圧切替えのために、前記切替ネジを操作する際には、一旦切替ネジを緩め、該切替ネジの場所を移動させ、再度ネジを締める必要があり、仮に、切替ネジの規定締付トルクに達しない状態で切替操作を完了した場合には、電気安全が充分に保たれなくなるおそれが生ずる。電圧切替作業は原則主開閉器の電源を切りにして行うが、誤って主開閉器を切りにしないまま作業を行ってしまうと、感電などの電気事故が発生してしまう可能性がある。
さて、電圧切替構造を、母線側ではなく分岐開閉器側に持たせたものもある。例えば、特許文献3においては、図18に示したように、母線を、分岐開閉器の取付面から操作ハンドルの方向に3段に重ねて設け(特許文献3の符号B1、B2、B3)、これら3段に設けられた母線のうち所定の2つの母線にプラグイン端子(特許文献3の符号3)を接続可能なように、予め各々の極においてプラグイン端子の位置の配置を調整しておくことにより、分岐開閉器に供給する電源電圧を適宜選択切替するものである。電圧を切替えるときには、母線から一旦分岐開閉器を取り外すため、仮に、主開閉器を切りにしないまま作業を行うことがあったとしても、取り外した分岐開閉器には電源は供給されていないから、取り外した後にプラグイン端子3の配置を調整するにあたっては感電するおそれは低減する。
しかしながら、分岐開閉器側に電圧切替構造を持たせたものにあっては、次のような課題があった。
前述したような、プラグインタイプの分岐開閉器においては、分岐開閉器に供給される電圧の測定を行う場合、該分岐開閉器の操作ハンドルにより開閉される接点装置よりも負荷側に各極の電圧測定部が設けられているために、遮断器の操作ハンドルを入りにした状態で、電圧の測定を行う必要があった。即ち、分岐開閉器と直接配線して用いられる電気機器に対して、該電気機器に供給する電圧が正しい電圧か否かを配線後に確認する場合には、分岐開閉器の操作ハンドルを入りにした状態で、電圧測定器のテストリードを前記電圧測定部に当接させ、極間の電圧を測定する必要があった。
したがって、仮に、単相3線式の電路において、プラグイン端子を接続する母線を誤って配線していた場合、該分岐開閉器に接続する電気機器の定格電圧が、分岐開閉器から供給される電圧よりも高い場合には、定格電圧に足りず正常運転しないことが想定され、該分岐開閉器に接続する電気機器の定格電圧が、分岐開閉器から供給される電圧よりも低い場合には、過電圧となり電気機器が故障することが想定される。
また、分岐開閉器には負荷側の各極に電圧測定部が設けられる構造であったため、通常、電圧測定を行う場合には、作業者は、2本のテストリードを、箸を扱うように片手で保持し、もう片手で電圧測定器を保持した状態で、住宅用分電盤に配設された各々の分岐開閉器の電圧測定部に、順番にテストリードを当接させていき、その都度、電圧測定器の計器を確認していた。
住宅用分電盤は、その配設場所が、天井近くであったり、収納庫の内部であったりすることが多く、必ずしも電圧測定作業を行いやすい場所に配設されるものではない。例えば、作業者が梯子に登った状態で、片手に電圧測定器を持ち、もう片手で2本のテストリードを保持して、分岐開閉器における所定の電圧測定部に当接させる作業は容易ではない場合が多い。このため、前記所定の電圧測定部が確認しづらく該電圧測定部にテストリードを当接させられなかったり、不用意に電圧測定部とは異なる場所にテストリードが触れたりするおそれがあり、電気安全が十分に保たれなくなる課題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、
住宅用分電盤に設けられるプラグイン端子構造を有する分岐開閉器から負荷回路に電源を供給する前に、実際に分岐開閉器に供給される電圧を、分岐開閉器の操作ハンドルをオンする前に、作業性よく確認することができる電圧測定構造を備えた住宅用分電盤を提供することを目的とする。
本発明に係る住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造は、上述の課題を解決すべく構成されたもので、
住宅用分電盤に配設された互いに電位の異なる第一の電圧極、第二の電圧極及び中性極の母線の内、所定の2つの母線に接続されるプラグイン端子間に印加された電源電圧を、分岐開閉器に設けられた接点装置を入切する操作ハンドルが入のときに負荷回路に供給する分岐開閉器における、該分岐開閉器から負荷回路に供給する電源電圧の大きさを、各々の分岐開閉器毎に、前記操作ハンドルが切の状態で確認する電源電圧測定構造であって、前記電源電圧測定構造は、前記第一の電圧極及び第二の電圧極のそれぞれの母線に設けられて、該母線に接続される複数の分岐開閉器に対して共通して用いられる第一及び第二の母線側電圧測定部と、前記分岐開閉器において前記接点装置よりも電気的に前記プラグイン端子側に設けられて、各々の分岐開閉器毎に個別に用いられる分岐開閉器側電圧測定部とを備え、分岐開閉器の操作ハンドルを切にした状態で、前記電源電圧の測定に用いる電圧測定器の2本のテストリードの内、一方のテストリードを前記第一又は第二の母線側電圧測定部に当接させたままで、他方のテストリードを各々の前記分岐開閉器側電圧測定部に対して個別に当接させていくことにより、前記分岐開閉器における前記所定の2つの母線に接続されるプラグイン端子間に印加された電源電圧の測定を行えるようにして住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造を構成するとよい。
かかる構成によれば、
分岐開閉器の操作ハンドルが切の状態で、主開閉器の操作ハンドルを入の状態にすることで、母線と接続された分岐開閉器の一次側には、該分岐開閉器に供給される電源が実際に印加されるから、分岐開閉器から負荷回路に電源を供給する前に電圧の測定作業を行え、また、各々の分岐開閉器に当接させる電圧測定用のテストリードは一本でよいため、作業性よく、なおかつ電気安全性を保って電圧の測定作業を行うことができる。
また、本発明に係る住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造は、前記母線側電圧測定部に、前記テストリードを当接させた際に、該テストリードを保持するテストリード脱落防止手段を備えて構成してもよい。
かかる構成によれば、
複数の分岐開閉器に対して共通して用いられる第一及び第二の母線側電圧測定部にテストリードを当接させる場合に、該テストリードから手を離すことができるため、電圧測定作業に伴う身体の自由度が増し、作業性がよりよくなり、また、電気安全性も高まるものである。
また、本発明に係る住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造は、前記分岐開閉器の操作ハンドルが設けられた面側を分岐開閉器を取付ける面側に対して前面側としたとき、電圧測定対象となるプラグイン端子と電気的に接続された分岐開閉器側電圧測定部に対して、前記前面側から前記テストリードを当接させるための電圧測定用連通孔を備えて構成してもよい。
かかる構成によれば、分岐開閉器における電圧測定対象となるプラグイン端子に対して、確実にテストリードを当接させることができるため、分岐開閉器側に用いるテストリードを当接させやすくなるという作業性のよさと相まって、電気安全性をさらに高められるものである。
以上の如く、本発明によれば、住宅用分電盤に設けられる分岐開閉器から負荷回路に電源を供給する前に、実際に分岐開閉器に供給される電圧を、分岐開閉器の操作ハンドルをオンする前に、作業性よく確認することができる電圧測定構造を備えた住宅用分電盤を提供することができる。
第1の実施形態を示す住宅用分電盤における内器ユニット斜視図を示す。 同実施形態に係る主要部斜視図を示す。 同実施形態に係る分岐線斜視図を示す。 同実施形態に係る母線の組立図を示す。 同実施形態に係る母線の組立図を示す。 同実施形態に係る母線の組立図を示す。 同実施形態に係る母線の組立図を示す。 同実施形態に係る母線の組立図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の外観斜視図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の端子部の図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の端子部の図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の端子部の分解斜視図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の端子部の透視図を示す。 同実施形態に係る分岐開閉器の端子部の移動説明図を示す。 同実施形態に係る住宅用分電盤における分岐開閉器の取付説明図を示す。 従来の接続状態を表わした図を示す。 従来の接続状態を表わした図を示す。 従来の接続状態における複数個所で切替を行った図を示す。 他の実施形態に係る要部斜視図を示す。 接続バーカバーを取り除いた図を示す。 図19の前面側から臨んだ図を示す。 接続バーカバーに接続バーを収納した図を示す。
次に本発明の実施形態を図1乃至図15を用いて詳細に説明する。
(住宅用分電盤の概要説明)
第1の実施形態に係る住宅用分電盤は、単相3線式の商用電路に用いられるものである。
該住宅用分電盤は、図1乃至図3に示すように、キャビネットの内部に、主開閉器1、該主開閉器1の二次側に図示しない接続部材を介して接続される母線11、12、13、該母線と各々接続される分岐開閉器2などの内部機器を、取付板3、4に取付けた内部ユニット100として組み込んだもので、主に住宅等における電路の引込口装置として用いられる。主開閉器の二次側と母線との接続は、各極毎に銅バーを折り曲げ又は打ち抜き形成して構成した接続バーや、両端に端子板を接続した電線等を用いて行われる。
前記母線11、12、13は互いに電位が異なるものであり、便宜的に、第一の電圧極となる母線11をL1、第二の電圧極となる母線12をL2、中性極となる母線13をNで表す。これら母線は、略柱状に形成された銅バーからなり、該母線が略平行に並べられて、母線を互いに絶縁する絶縁部材5に配設されたうえで、取付板3に取付けられる。
本住宅用分電盤に設けられる分岐開閉器2には、図9に示すように電圧切替構造が備えられており、母線11、12、13の内、所定の2つの母線とプラグイン端子により電気的に接続されることにより、負荷回路に電源が供給される(詳しくは後述する)。単相3線式の電路においては、負荷回路に供給され得る電源電圧の大きさは、100V又は200Vである。
前記分岐開閉器2のプラグイン端子(図9における22B)を前記母線11(L1)、12(N)と接続した場合には100Vが供給され、前記母線11(L1)、13(L2)と接続した場合には200Vが供給される。また、前記分岐開閉器のプラグイン端子(22B)を前記母線13(L2)、12(N)と接続した場合には100Vが供給されるが、電圧位相は、前記母線11(L1)、12(N)と接続した場合の逆の位相となる。
現在では、負荷回路に供給される電源電圧は、住宅内の照明用回路及びテレビやビデオなどの家電機器に用いる一般的なコンセント用回路としては100Vが多く、容量の大きなエアコンなどに用いる回路には200Vを用いる。このように、負荷回路に接続される電気機器に応じて、分岐開閉器2のプラグイン端子と母線との接続状態を変更することにより、分岐開閉器並びに負荷回路に供給する電源の電圧を適切なものに設定する。
母線の両端部には、該母線と他の導体とを接続するためのねじが貫通される孔が設けられている。そして前記母線の両端間には、母線の長手方向(図1中の左右方向)に沿って、分岐開閉器が並設配置され、また、前記母線13を境に分岐開閉器の母線との接続部が互いに向き合うように、上下2列に分岐開閉器が配置される。上側の列の分岐開閉器は、母線11(L1)と、母線12(N)又は母線13(L2)と接続され、母線11(L1)と母線12(N)とに接続されるときは100Vが供給され、母線11(L1)と母線13(L2)とに接続されるときは200Vが供給される。下側の列の分岐開閉器は、母線13(L2)と、母線12(N)又は母線11(L1)と接続され、母線13(L2)と母線12(N)とに接続されるときは100Vが供給され、母線13(L2)と母線11(L1)とに接続されるときは200Vが供給される。
(母線の構造)
次に、母線の構造について図2、図3を用いて詳細に説明を行う。図3は、内部ユニット100から一部の分岐開閉器を取り外し、母線を露出させた状態を示している。
母線11、12、13には、母線と分岐開閉器のプラグイン端子との電気的接続部となる分岐線1101a、1201a、1301aが、各々の分岐開閉器の並設位置に対応して、前記長手方向に対して垂直な方向に突出して設けられている。分岐線1101aは母線11(L1)に対応し、1201aは母線12(L2)に対応し、1301aは母線13(N)に対応し、これら1101a、1201a、1301aが一つの組となって分岐開閉器の回路数だけ設けられている。
前記下側の列の分岐開閉器においては、分岐開閉器を母線に接続するときには、分岐開閉器のプラグイン端子を、分岐線1201a(L2)を共通として、1101a(L1)又は1301a(N)に選択的に接続することで、200V又は100Vの電源が供給される。
前記上側の列の分岐開閉器においても同様であり、分岐開閉器のプラグイン端子を、分岐線1101a(L1)を共通として、1201a(L2)又は1301a(N)に選択的に接続することで、200V又は100Vの電源が供給される。
(母線の組立構造)
次に,母線の組立構造について,図4乃至図8を用いて説明する。図4は,各極の母線夫々の外形斜視図を示した図である。
前記各極の母線のうち,11(L1),12(L2)の電圧極の母線は同一形状に形成されている。
L2の電圧極の母線12を例として説明すると,L2の電圧極の母線12は,該母線の幹となる部分120が,前記分岐開閉器2を並設する方向に延出され,両端部には母線と他の電気導体を接続するためのねじ端子を貫通させるための孔が形成されている。
前記幹となる部分120には,前記分岐開閉器の分電盤への取付面となる背面から前記操作ハンドルが設けられた前面への方向を高さ方向とした場合に,前記高さ方向に前記幹となる部分と略直角に折曲形成された立上がり部121が形成され,該立上がり部121から,前記分岐線が,前記幹となる部分120と略平行に,互いに反対の方向(接続される分岐開閉器の電源−負荷側方向)に一体に延出されている。
前記分岐線のうち,幹となる部分120の方向に延出している分岐線1201aは,図1における下側の列の分岐開閉器2に共通して接続される分岐線であり,分岐線1201bは,上側の列の分岐開閉器2により他極の分岐線と選択的に接続される分岐線である。
また,L1の電圧極の母線11について説明すると,その外形はL2の電圧極の母線12と同一であり,前記2つの分岐線のうち,幹となる部分110の方向に延出している分岐線1101bは,上側の列の分岐開閉器2に共通して接続される分岐線であり,分岐線1101aは,下側の列の分岐開閉器2により他極の分岐線と選択的に接続される分岐線である。
前記各極の母線のうち,中性極の母線13について説明すると,該中性極の母線13の幹となる部分130が,前記電圧極の母線と同様に分岐開閉器2を並設する方向に延出され,両端部には母線と他の電気導体を接続するためのねじ孔が形成されている。
また,中性極の母線13の両端部は段差を形成するよう折曲げ形成されて,前記絶縁部材5に各極の母線を取付けた場合に,該幹となる部分130が前記電圧極の母線11,12よりも前記高さ方向において高くなるよう配設される。
また,中性極の母線13の幹となる部分130から,複数の分岐線1301a,1301bが,前記幹となる部分130と略平行に,互いに反対の方向(接続される分岐開閉器の電源−負荷側方向)に一体に延出されている。これら分岐線1301a,1301bは,何れも分岐開閉器2に選択的に接続される分岐線である。
また,後述するが,各極の3つの母線を組み合わせた場合における分岐線の位置関係を補足すると、次のように構成されている。
上側の列の分岐開閉器を例とすると、L1の電圧極の母線11における分岐線と,L2の電圧極の母線12における分岐線と、N極の母線13における分岐線との内,分岐開閉器2と選択的に接続される分岐線1201bと1301bとの位置関係は,分岐開閉器の並設方向において,各々の分岐線1201bと1301bとが交互に,夫々の分岐線の中間に位置するように配設される。そして,各々の分岐線1201bと1301bは,前記前面視において、他方の電圧極の母線の幹となる部分まで突出し,前記前面側からの平面視において,分岐開閉器に共通に接続される分岐線1031a,1201bと略同じ長さに形成されている。
次に,中性極の母線13における分岐線1301aと1301bとは,分岐開閉器の並設方向において,前記分岐線1201b,1101aと同じ位置に配設され,前記前面側からの平面視において,分岐線1101a,1201bと略同じ長さに形成されている。なお,中性極の母線13の幹となる部分130は,電圧極の母線11,12よりも前記高さ方向において高くなるように配設されているため互いに干渉しない。
即ち,図1における上側の列並びに下側の列の何れの側においても,分岐線のうち分岐開閉器2に選択的に接続される分岐線1101aと1301a,並びに1101bと1301bは前記前面側からの平面視において,互いに重ならないように配設されている。
また,前記分岐線1101aと1301a,並びに1101bと1301bは夫々の高さを同一に設けて配設されている。また、前記一つの組となる分岐線を、分岐開閉器を差し込む方向から見た場合、上側の列においても、下側の列においても、常に右側に位置する分岐線がN極の分岐線となっており、視覚的に統一性がとれる構造となっている。
次に,内部ユニット100の組み立てについて図5乃至図7を用いて説明を行う。
まず,図5において,前記絶縁部材5にL1の電圧極の母線11,L2の電圧極の母線12を取付ける。絶縁部材5は,夫々母線を絶縁できるよう樹脂材料にて形成され,分岐回路数に応じて,母線の幹となる部分の長さに合わせて種々の大きさのものが用意される。
絶縁部材5には,母線の配置が一義的に行われるよう,予め母線の両端部に設けられるねじ端子に対応するナットを嵌め込む凹み部511、512,513が母線取付台5の本体の両端部に設けられ,また,夫々の電圧極における前記立上がり部111,121に対応する凸部514,前記分岐線1101,1201を互いに絶縁する絶縁壁A515,後述する絶縁壁6並びに中性極の母線13をねじ止め固定するためのねじ止め穴516が設けられている。
次に,絶縁壁6に中性極の母線13を取付ける。絶縁壁6には,中性極の母線13の取付けが一義的に行われるよう,中性極の母線13における分岐線1301a,1301bを避けて,中性極の母線本体を嵌めこむ嵌め込み部611が形成されている。また,絶縁壁6には,中性極の母線13の分岐線1301a,1301bの一部を覆う壁部612と,電圧極の母線における分岐線1101a,1201aを避けた窪み部613とが設けられており,中性極の母線と,電圧極の母線との絶縁が保たれるよう構成されている。
次に,中性極の母線13を取付けた絶縁壁6を,前記電圧極の母線を取付けた絶縁部材5に取付ける。このとき,中性極の母線13を取付けた絶縁壁6を,前記電圧極の母線を取付けた絶縁部材5に前記高さ方向における上部から,前記窪み部513が概ね夫々の電圧極の母線の分岐線と重なるように落とし込むことで位置決めができる。そして,前記中性極の母線に設けられたねじ止め固定するための穴130にねじを差込み,絶縁部材5に設けられたねじ止め穴516にねじを締め込むことで取付が完了する。
L1,L2の2つの電圧極の母線と,中性極の母線は、夫々絶縁壁6並びに絶縁壁A515により互いに絶縁され,電気安全が保たれる。
次に,各極の母線並びに絶縁壁6を取付けた絶縁部材5を,分岐開閉器の取付板3にねじ止め固定することにより取付ける。取付けは,該絶縁部材5の背面側に設けられたねじ止め用穴と分岐開閉器の取付板3に設けられたねじ止め用穴の位置を合わせて背面側からねじ締めすることにより取付けられる。
(母線側電圧測定部の構造)
次に、母線側電圧測定の構造について説明を行う。図2において、母線11及び12の一端部には母線側電圧測定部31、32が夫々設けられる。母線側電圧測定部31、32は、住宅用分電盤の前面側から電圧測定用のテストリードを当接可能なよう、テストリードの当接部3101、3201を前面側に向けるよう、折り曲げ加工された金具で形成されており、その取付部は母線にねじ21、22にてねじ止め固定される。
テストリード当接部3101、3201は、テストリードを当接させる際に、住宅用分電盤の前面側から当接させやすいよう、住宅用分電盤の前面側から臨んで一部が幅広面状に形成される。また、テストリードを当接させたまま保持可能とするテストリード脱落防止手段を備える。
テストリード脱落防止手段は、テストリード当接部3101、3201にテストリードの棒端子を貫通可能に設けた孔部3101a、3201aを設けて、前記テストリード当接部の背面と母線との角度を鋭角に設けることで構成している。前記テストリード当接部の背面と母線との成す角度は、テストリードの棒端子を前記孔部3101a、3201aに差し込んだ時にテストリードが住宅用分電盤の前面側に滑り落ちてしまわないよう、好ましくは、約30度〜約60度程度に形成するとよい。
言い換えると、テストリードの棒端子を前記孔部に差し込んで手を放した場合に、棒端子側から住宅用分電盤を見下ろした場合の俯角が鋭角になるよう構成し、より好ましくは該俯角が約30度〜約60度程度となるよう、一般的なテストリードの棒端子の直径(約2mm)に対してテストリード脱落防止手段の孔の直径を約3.4mm程度に形成するとよい。
次に、他の実施形態として、前記母線側電圧測定部に代えて設けられる接続バー側電圧測定部の構造について図19乃至図22を用いて説明を行う。図19には、主開閉器1、取付板4、主開閉器1の二次側と母線11乃至13を接続する接続バー110、120、130、該接続バーを覆う接続バーカバー14を示している。また、図20には、接続バーカバー14を説明のために取り外した図を示している。図21には、図19を前面側から臨んだ図を示している。図22には、接続バー110、120、130を接続バーカバー14に配設した図を示している。接続バーカバー14は、各極の接続バーを絶縁保持するものである。なお、図1における母線側電圧測定部31、32は取り外した状態で使用する。
接続バー110は第一の電圧極であるL1、接続バー120は第二の電圧極であるL2、接続バー130は中性極であるNである。各々の接続バーは、図1における母線11乃至13の端部11a、12a、13aに設けられた接続バー接続部にて母線に螺着される。このため、図20において、接続バーの端部110l、120l、130lに設けられた接続部は、母線端部に設けられた前記接続バー接続部の前面側の高さに合わせて設けられ、中性極の接続部が最も前面側に位置するように配設されている。
接続バーは、各々の極が接触干渉せぬよう折り曲げ加工が成されている。
L1の接続バー110は、主開閉器との接続部110aから主開
閉器1の負荷側方向に伸びた(110b部)後、該方向に対して垂直な方向に折り曲げ加工され(110c部)、さらに前記負荷側方向とは反対の方向に折り返し加工されている(110d部)。そして主開閉器1の負荷側側面に沿う形で接続バーが伸び(110e部)、そこから主開閉器1の電源側に折り曲げ加工されて(110f)伸び(110g部)、母線における接続バー接続部近傍で一旦前面側に折り曲げ加工され(110h部)、接続バー側電圧測定部(110j部)を形成すべく折り曲げ加工され(110i部)、母線における接続バー接続部接続部へ向けて階段状に折り曲げ加工され(110k)ている。
L2の接続バー130は、主開閉器との接続部130aから主開
閉器1の負荷側方向に伸びた(130b部)後、該方向に対して垂直な方向に折り曲げ加工され(130c部)、さらに前記負荷側方向とは反対の方向に折り返し加工されている(130d部)。そして主開閉器1の負荷側側面に沿う形で接続バーが伸び(130e部)、そこから主開閉器1の電源側に折り曲げ加工されて(130f)伸び(130g部)、母線における接続バー接続部近傍で折り曲げ加工され(130j部)、母線における接続バー接続部接続部へ向けて伸びている。
L3の接続バー120は、主開閉器との接続部120aから主開
閉器1の負荷側方向に伸びた(120b部)後、該方向に対して垂直な方向に折り曲げ加工され(120c部)、さらに前記負荷側方向とは反対の方向に折り返し加工されている(120d部)。そして主開閉器1の負荷側側面に沿う形で接続バーが伸び(120e部)、そこから主開閉器1の電源側に折り曲げ加工されて(120f)伸び(120g部)、母線における接続バー接続部近傍で接続バー側電圧測定部(120j部)を形成すべく折り曲げ加工され、母線における接続バー接続部接続部へ向けて階段状に折り曲げ加工され(120k)ている。
ここで、L1、L2、Nの接続バーは、折り曲げ加工部(110c、120c、130c)の前面側への長さを互いに違えて形成し、接続バー同士の接触干渉を回避している。
その一方で、接続バー側電圧測定部110j、120jの前面側から見た高さを揃えるために、L1の接続バーにおいて一旦前面側に折り曲げ加工される部分(110h部)の長さを調整して形成している。
接続バーカバー14は、これら接続バーを外部から覆い、絶縁保持すべく、本体を樹脂形成している。接続バーカバー14内側には、接続バーを各々絶縁保持する隔壁1405、1406が形成され、接続バーを装着した場合の抜け止めとなる支持爪1401、1402、1403、1404を、接続バーが電源側に伸びる部分(110g、120g、130g)に設けている。
前記接続バー側電圧測定部となる部分(110j、120j)は、接続バーにおける最も前面側となるよう形成されている。作業者は前面側から電圧測定作業を行うため、他の部材よりも背面側に位置すると、作業性を損なうことが予想されるとともに、不用意に他の部材に接触することにより、電気事故が発生するおそれが懸念されるからである。このため、住宅用分電盤における内器ユニットにおいては、前記接続バー側電圧測定部が最も前面側に位置するように形成している。
前記接続バー側電圧測定部として、接続バーカバー14及び接続バー110、120に、テストリードを挿通し得るよう孔部を連通させて設けている。説明のために、接続バー側に設けられる孔部を第一の孔部111、121とし、接続バーカバー側に設けられる孔部を第二の孔部141a、142aとする。
これら孔部は、住宅用分電盤の壁面への取付時における天地方向を上下方向とした場合に、
第二の孔部の中心を第一の孔部の中心に対して上方向に偏らせて配設している。作業者がテストリードを連通させて挿入したときに、該テストリードが第一の孔部内面と第二の孔部内面とに係合されることにより、テストリードの脱落を防止するためである。より詳しくは、テストリードの先端部分が、第一の孔部内面上側に当接し、テストリードの根元部分が、第二の孔部内面下側に当接して、テストリードから手を放しても該テストリードの自重により夫々の孔部に係合される。
また、該接続バー側電圧測定部は、前記母線側電圧測定部31、32と同様に、接続バー110、120、130のうち、電圧極の110及び120に設けている。
(分岐開閉器側電圧測定部の構造)
次に、図9、図10を用いて、分岐開閉器側電圧測定部の構造について説明を行う。図9は、図3における下側の列の分岐開閉器を電源側端子の側からみた図である。
本住宅用分電盤に適用される分岐開閉器2は、図9に示すように、該分岐開閉器2を併設する方向を幅方向としたときに、該幅方向に分割するケース20a及び20bを重ね合わせて構成される略箱体形状の器体を有する。
そして、該器体には、母線L1又はNと選択的に接続されるプラグイン端子が備えられた電源側端子部22Bと、母線L2と接続されるプラグイン端子が備えられた電源側端子22Aと、分岐開閉器2の負荷側に電源を供給するための各極の導体と接続される速結端子を用いて構成された負荷側端子部23とが設けられ、これら電源側端子部22A、22Bと、負荷側端子部23との間を電気的に接続する各極の主導体と、該各極の主導体に介在し、電源側と負荷側を電気的に入切接続する固定接点と、該固定接点と各々接離自在に対向する可動接点を固着した可動接触子と、これら可動接触子を開閉駆動する開閉機構と、該開閉機構とリンクにより接続され器体の外部から開閉機構を操作して、電路を入切操作する第一の操作部となる操作ハンドル24とが配設されている。
前記第一の操作部となる操作ハンドル24が設けられた面を器体の前面aとした場合、該前面には、該前面a側から前記電源側端子部22Bを臨む連通孔21が設けられている。該連通孔21は、電源端子部22Bが前記分岐線N又はL1と接続される夫々の位置において、2箇所に設けられている。
次に、電源側端子部22A、22Bについて説明を行う。
前記電源側端子部22A、22Bは、
前記前面aに対して、分電盤への取付面となる面を背面bとし、該前面aと該背面bとに相隣り合う面を側面cとしたときに、器体の長手方向における側面cの一端に、ケース20a、20bの間に挟み込まれるように設けられている。
電源側端子部のうち、22Aは器体に固定されて配設される端子部(固定端子部という)で、下側の列に配設される場合にはL2の分岐線に接続され、22Bは前記分岐線L1又はNを選択的に接続するため器体内を前記幅方向において、一方の側面寄りと、他方の側面寄りの2箇所の間で連続的に往復移動が行えるよう、器体の側面に設けた窪み部分に配設される端子部(選択端子部という)である。
なお、図3において、上側の列の分岐開閉器と接続される分岐線の配置は、下側の列における母線L2に相当する場所には母線L1の分岐線が設けられ、下側の列における母線N、L1に相当する場所には母線N、L2の分岐線が設けられる配置となっており、上側の列に配設される分岐開閉器においては、前記固定端子部は母線L1の分岐線に接続され、前記選択端子部は母線N又はL2の分岐線と選択的に接続される。
(選択端子部の構造)
分岐開閉器2の器体の電源側には、前記固定されて配設される固定端子部22Aの位置、並びに移動可能に設けられる選択端子部22Bのそれぞれの位置に対応するよう、分電盤内に予め3本の母線L1、L2、Nの接続部が配置されている。
図4の場合、前記固定端子部22Aは分岐線L2と接続され、前記選択端子部22Bは、図9の位置の場合は分岐線Nと接続され、他方の位置の場合は母線L1と接続される。
選択端子部22Bが母線L1と接続される場合には、分岐開閉器2には200Vの電圧が印加され、選択端子部22Bが分岐線Nと接続される場合には、分岐開閉器2には100Vの電圧が印加される。
図10には、前記選択端子部22Bと、該選択端子部22Bに収納される刃受22B3を示している。前記固定端子部22A並びに選択端子部22Bは、その内部に、母線と接続するための端子として、断面が略徳利状の略コの字状の先部を絞った形状に成形された刃受であるプラグイン端子22B3を収納している。該刃受22B3は前記絞った形状の部分で母線の分岐線を挟み込み、負荷側に電源を供給する。
選択端子部22Bは、その外郭が刃受22B3とは電気的に接続されていない非充電部として構成されている。外郭の前面側には、前記器体に設けられた連通孔21に対応した孔22B4が設けられている。
選択端子部22Bを、器体の幅方向において、一方の側面寄りと、他方の側面寄りの、それぞれの接続位置に移動させた場合には、片方の連通孔21と孔22B4とが、それぞれつながり、分岐開閉器の前面側からテストリードの棒端子を差し込み可能となる。
(選択端子部の動作構造について)
選択端子部22Bを器体の幅方向に往復移動させる第二の操作部25について、図10、図11を用いて説明を行う。
まず、選択端子部22Bの前面a側には、複数の歯を設けたラック22B1を形成しており、第二の操作部25の操作を後述する移動方向反転手段を介して選択端子部22Bに伝達する役割を果たす。また、外郭の背面側には、幅方向に長形状のリブ22B2が設けられており、このリブ22B2が、器体側に設けられた溝部21cと嵌め合わされることにより、選択端子部22Bが幅方向に往復移動する際のガイド部として働く。
前記器体の前面側には、前記選択端子部22Bの器体の幅方向に往復移動させるための第二の操作部25が設けられている。該第二の操作部25は、器体の幅方向における長さの略半分の大きさに形成された長四角形状のベースと、該ベースの前面側に設けられた把持部25aと、ベースの背面側に設けられた複数の歯を設けたラック25bとを備えている。ラック25bは、ベースに形成した長形状のリブ25b1の端部に、該リブ25b1よりも幅広状に形成されており、第二の操作部25を器体に設けられた開口部21b3に嵌め込み取付けた際に、幅方向に移動させるためのガイド部として働くとともに、前面側への抜止めとして働く。
前記第二の操作部25は、器体の幅方向の移動に際し、器体における一方の側面寄りと、他方の側面寄りの2箇所の間で連続的に往復移動を行う。そして、それぞれの一方の側面寄りの位置、及び他方の側面寄りの位置において、前記ベースにより、該ベースの背面となる部分に位置する連通孔21、即ち、選択端子部22Bが位置しない側における器体の前面a側に設けられた連通孔21を隠蔽する。
このため、器体の前面側からは、選択端子部22Bが位置しない側の連通孔は視認できず、選択端子部22Bが位置する側の連通孔が視認可能となる。
このため、回路遮断器への供給電圧がいくらであるのか確認する場合には、器体の前面側にて視認可能な側の連通孔21に前記テストリードの棒端子を差込むことにより行え、不用な側の連通孔21は隠蔽されるため誤った連通孔に前記棒端子を差込むことを防ぐことができる。
また、前記ベースの背面側で、分岐開閉器2の器体の前面側には、器体の幅方向に亘って、選択端子部22Bの分岐線との接続位置に応じて分岐開閉器2に供給される電圧値を表示する電圧表示部27が設けられている。
器体の幅方向に対して、略中央から一方の側面寄りには第一の供給電圧である100Vの文字が表示され、略中央から他方の側面寄りには第二の供給電圧である200Vの文字が表示される。前述した不用な連通孔が隠蔽されるのと同様、前記ベースの背面となる部分に位置する電圧表示部27は、該ベースに隠蔽されて前面側からは視認できず、ベースに隠蔽されない部分に位置する電圧表示部は前面側から視認可能となる。このため、分岐開閉器への予定される供給電圧が、選択端子部22Bの夫々の位置において、予め的確に表示できる。
前述の連通孔がベースにより隠蔽される作用と相まって、分岐開閉器に供給される予定の電圧値の把握や実際の電圧測定確認作業が分岐開閉器の前面側から行いやすく、作業性に優れた電圧測定のための構造を提供することができる。
次に、第二の操作部25と選択端子部22Bとを連動させる前述の移動方向反転手段について図12、図13、図14を用いて説明を行う。
移動方向反転手段は、前記第二の操作部25を移動させる方向とは反対方向に選択端子部22Bを移動させるものである。即ち、図14において、前記第二の操作部25を(a)の位置から(c)の位置に移動させる場合には、選択端子部22Bは第二の操作部とは反対方向に移動する。
本実施形態では、前記移動方向反転手段として、ピニオン26を用いた例について説明を行う。
該ピニオン26は、軸26aの周囲に複数の歯を設けて形成されている。該歯は、前記第二の操作部25に設けられたラック25b、並びに前記選択端子部22Bに設けられたラック22B1と噛み合うように、記第二の操作部25に設けられたラック25bと前記選択端子部22Bに設けられたラック22B1との間に位置するよう配設される。前記ピニオン26は、回路遮断器の器体の前面寄りに、該器体の一部を凹ませて形成した軸受部21dに軸26aが枢支されて配設される。
図13に、これら第二の操作部25とピニオン26と選択端子部22Bとの器体への配置状態を一部断面にて示した。
第二の操作部25と選択端子部22bとの間にピニオン26が配置され、それぞれのラック25b、22B1と、器体により軸26aを回動自在に枢支されたピニオンの歯が噛み合う。
次に、第二の操作部25を操作して、選択端子部22Bの位置を移動する場合について一部を断面にて示した図13、図14を用いて説明を行う。
例として、図14(a)、(b)は、固定端子部22Aには母線L2が接続され、選択端子部22Bには母線Nと接続される場合を示し、図14(c)(d)は、固定端子部22Aには母線L2が接続され、選択端子部22Bには母線L1と接続される場合を示す。
まず、図14(a)、(b)は、固定端子部22Aには母線L2が接続され、選択端子部22Bには母線Nと接続される場合であるから、回路遮断器に供給される電圧値は100Vとなる。選択端子部22Bの位置する前面側においては、選択端子部22Bが位置しない側の連通孔21a4並びに電圧表示部27の一部は第二の操作部25のベースにより隠蔽され、選択端子部22Bが位置する側の連通孔21b4並びに電圧表示部27の一部が現れている。この場合の電圧表示部27は100Vの文字が表示される。
次に、この状態から、図中において第二の操作部25を初期位置から他方の側面側にスライド移動させ始めると、該第二の操作部25の背面側に設けられたラック25bとピニオン26の歯の噛み合いにより、ピニオンは図中において反時計回りに回転を始める。同時に、ピニオン26の歯と噛み合っている選択端子部22Bの前面側に設けられたラック22B1には力が伝達され、前記第二の操作部25をスライド移動させる方向とは反対の方向に移動を始める。ラックとピニオンの歯は1対1で対応しているため、第二の操作部25の移動量と選択端子部22Bの移動量は同じであり、第二の操作部25を他方の側面側に移動させ終えた場合には、選択端子部22Bも初期位置から他方の側面側に移動し終える(図14(c)、(d))。
この状態では、固定端子部22Aには母線L2が接続され、選択端子部22Bには母線L1と接続される場合であるから、回路遮断器に供給される電圧値は200Vとなる。選択端子部22Bの位置する前面側においては、選択端子部22Bが位置しない側の連通孔21b4並びに電圧表示部27の一部は第二の操作部25のベースにより隠蔽され、選択端子部22Bが位置する側の連通孔21a4並びに電圧表示部27の一部が現れている。この場合の電圧表示部27は200Vの文字が表示される。
このように第二の操作部25をスライド移動させる方向とは反対の方向に選択端子部22Bを移動させるよう構成しているから、選択端子部22Bを母線と接続する位置において、常にその前面側に、分岐開閉器に供給される予定の電圧値の表示と、選択端子部22Bが位置する側の連通孔が露出される。
選択端子部が位置しない側に設けられて、分岐開閉器に供給される予定の電圧値の表示部と、連通孔は前記第二の操作部25のベースの背面側に位置して隠蔽されるよう構成しているから、器体の前面側から端子部を臨んだ場合には、プラグイン端子の位置と器体の前面に露出する連通孔と電圧表示部とが連携することにより、分岐開閉器と母線とを選択的に接続する前や、分岐開閉器と母線を接続した後であっても、視覚的に、どの分岐開閉器がどの分岐線を選択して接続されているか、又、供給される予定の電圧値を、負荷回路に実際に供給する前に把握でき、電圧の測定作業を直接的になおかつ容易に行いやすい。
また、器体の端子部における前面側の、第二の操作部に隠蔽されない略全面を電圧表示部として用いることができるため、供給が予定される電圧値を大きく表示することができ、視認性がよくなり、高所、狭い場所などで作業をする者にとって電圧測定作業の誤りを生じさせにくく、電圧測定作業性が高い構造を提供することができる。
なお、選択端子部の刃受と分岐開閉器の内部の主導体とはより線を用いて接続されており、前記幅方向に連続的に移動するときの妨げにならないよう、移動量分の余裕を持たせた長さとしている。
また、前記電圧表示部における電圧の表示は、文字による表示の他、器体の幅方向における略中央部を境に色分けを行ったり、その他接続する母線(分岐線)の種類を記載することにより行ってもよい。色分けは、給電される電圧を識別するために赤と白、赤と黒というように、各々で色相を違えたり、また、明度、彩度を違えて構成するとよい。また、母線の種類をL1、Nというように文字で表示したり、記号を用いて表示し、色分けと文字と記号による表示を組み合わせて行ってもよい。
また、図14の28で示したように、器体の電源側端子部の前面側に、第二の操作部25を幅方向に移動させる場合に、該第二の操作部25の背面側と当接し、弾性的に乗り越え可能な程度に凸部28を設けて構成してもよい。これにより、第二の操作部25を一方の位置から他方の位置に移動させるときに、前記凸部28を乗り越えることにより適度なクリック感が得られ、作業者は、視覚的及び触覚的に選択端子部22Bを切替えたことを認識することができる。
(供給電源電圧の測定作業について)
分岐開閉器2に供給される電源電圧を測定する場合には、分岐開閉器2を母線に接続した後において、前記操作ハンドル24をオフにした状態で、電圧測定器のテストリードの棒端子の一方を、器体の前面a側から選択端子部22Bが位置する側の連通孔21に差込み、該選択端子部22Bに内包した刃受であるプラグイン端子22B3又は該プラグイン端子が接続される分岐線と当接させ、前記テストリードの他方の棒端子を、前記母線側電圧測定部31、32に当接、又は接続バー側電圧測定部141、142に挿入することで、分岐開閉器の負荷側には電源を供給させずに、分岐開閉器に供給される電圧を測定することができる。
このとき、母線側電圧測定部、接続バー側電圧測定部には、テストリード脱落防止手段を備えているから、テストリードから手を離しても該テストリードは母線側電圧測定部、接続バー側電圧測定部から脱落せず、作業性良く電圧測定作業を行うことが可能となる。
上側の列の分岐開閉器に対して電源電圧の測定作業を行うときには、母線側電圧測定部31又は接続バー側電圧測定部141を利用し、一方のテストリードの棒端子を該母線側電圧測定部31又は接続バー側電圧測定部141に保持させて、他方の棒端子を分岐開閉器側電圧測定部204、203、202、201に順々に当接させていき、続いて、下側の列の分岐開閉器に対して電圧の測定作業を行うときには、前記母線側電圧測定部31又は接続バー側電圧測定部141に保持させた棒端子を取り外して、母線側電圧測定部32又は接続バー側電圧測定部142に保持させたうえで、他方の棒端子を分岐開閉器側電圧測定部208、207、206、205に順々に当接させていき、電圧の測定作業を行うとよい。
このように、分岐開閉器に供給される電源電圧がいくらであるのかを測定する場合には、まずはハンドル24をオフ側に操作したうえで、器体の前面側に露出している連通孔に対して、電圧測定装置のテストリードの棒端子を差込む、即ち、
前記テストリードの棒端子の一方を、母線側電圧測定部又は接続バー側電圧測定部のテストリード脱落防止手段に保持させ、テストリードの棒端子の他方を、器体の前面a側からみて露出している側の連通孔に差込むことにより該選択端子部22Bに内包したプラグイン端子22B3又は該端子22B3に接続される分岐線と当接させて、分岐開閉器の負荷側には電源を供給させずに、分岐開閉器に供給される電圧を測定でき、電圧測定にあたり必要のない連通孔は前面側には露出しないから、作業者は、露出している連通孔に対しテストリード測定を行えばよい。
このため、電源電圧測定の誤りを起こしにくく、また、電圧表示部27により、供給される予定の電圧値が表示されるから、前記電圧測定装置による測定結果と、電圧表示が異なっていた場合には、何らかの異常が発生していることが容易に認識でき、早期に異常の解決に向けて取り組むことができる。また、本実施形態においては、個々の回路遮断器毎に電圧測定に加えて相間の絶縁測定を行うこともできる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、母線側電圧測定部又は接続バー側電圧測定部におけるテストリード脱落防止手段として、単純な丸孔の他、孔をだるま型に形成し、各々の孔の大きさを変えることにより、テストリードの棒端子がより引っ掛かりやすくなるよう構成してもよい。より詳しくは、下側の孔に対して上側の孔を小さく形成し、棒端子が引っ掛かりやすくなるよう構成してもよい。
あるいは、電線の端子台の接続手段として用いられる銅部材にばねにより対象物を圧接させて導通を得る速結端子構造を母線側電圧測定部又は接続バー側電圧測定部に形成し、本テストリード脱落防止手段として用いて、棒端子の抜き差しをより確実に行うよう構成してもよい。この場合も、棒端子を差し込みやすいように差込口を住宅用分電盤の前面側に向けて設けるとよい。
また、電圧測定器の本体を住宅用分電盤側に保持させるべく、電圧測定器本体の保持手段を住宅用分電盤に設けて構成してもよい。
この場合には、住宅用分電盤におけるケースに、前記電圧測定器本体又は測定器本体に設けられる持ち運び用ベルトを引掛け可能なフックを取付けて保持手段を構成したり、
電圧測定器本体を収納できるポケット部を住宅用分電盤のケースに取付けて構成してもよい。
電圧測定器本体の保持手段に電圧測定器を保持させたときには、電圧測定器本体の電圧値読取部(計器、モニタ等)が、作業者から視認しやすいよう、保持角度の調整手段を設けて、作業者の方向に前記電圧値読取部を向けて保持できるよう構成するとなおよい。
(分岐開閉器の取付について)
次に,分岐開閉器の母線への取付け方法について補足しておく。
分岐開閉器は、前記分岐線が延出する方向から取付けていく。図15において,分岐開閉器2の取付けの際は,分岐開閉器の電源側端子22Bと,前記分岐線とが対向するように,前記分岐開閉器取付板3に載置し,分岐線の方向に押圧してスライドさせていき、分岐線に対して電源側端子部22Bを押し付けるようにして取付ける。
前記分岐開閉器2の電源側端子は、一つの共通端子22Aと一つの選択端子22Bとの何れもが、ねじ締めの必要なく接続が行えるプラグイン端子で構成しているから,該プラグイン端子が分岐線の方向に押圧されることにより,プラグイン端子が分岐線をくわえ込み,分岐線との接続を完了する。
一部の分岐開閉器において電圧を切替える場合においては,一旦,母線から分岐開閉器を取り外し,該分岐開閉器の選択端子22Bの位置を他方に移動させた上で,再度母線の方向に押圧して取付け作業を行う。このときには,視覚的に,分岐開閉器における選択端子22Bの位置が変わり,また,該選択端子22Bと接続される前記分岐線の位置関係が変わるが,その変化を容易に把握できるから,作業者は分岐開閉器に供給される予定の電圧値の大きさを明確に把握でき,接続が正しいか否かを視覚的にも容易に判断でき,電圧測定の作業効率が上がるとともに,誤接続等が極力防止されて、負荷機器の電気的故障を未然に防止する効果が期待できる。
1 主開閉器
2 分岐開閉器
3 取付板
4 取付板
5 絶縁部材
6 絶縁壁
11 母線(L1)
12 母線(L2)
13 母線(N)
100 内部ユニット
1101a L1の分岐線
1201a L2の分岐線
1301a Nの分岐線
14 接続バーカバー
110 接続バー
111 第一の孔部
120 接続バー
121 第一の孔部
130 接続バー
21 連通孔
22A 電源側端子
22B 電源側端子
23 負荷側端子
24 操作ハンドル
25 操作部
26 ピニオン
27 電圧表示部

Claims (5)

  1. 住宅用分電盤に配設された互いに電位の異なる第一の電圧極、第二の電圧極及び中性極の母線の内、所定の2つの母線に接続されるプラグイン端子間に印加された電源電圧を、分岐開閉器に設けられた接点装置を入切する操作ハンドルが入のときに負荷回路に供給する分岐開閉器における、該分岐開閉器から負荷回路に供給する電源電圧の大きさを、各々の分岐開閉器毎に、前記操作ハンドルが切の状態で確認する電源電圧測定構造であって、
    前記電源電圧測定構造は、
    前記第一の電圧極及び第二の電圧極のそれぞれの母線に設けられて、該母線に接続される複数の分岐開閉器に対して共通して用いられる第一及び第二の母線側電圧測定部と、
    前記分岐開閉器において前記接点装置よりも電気的に前記プラグイン端子側に設けられて、
    各々の分岐開閉器毎に個別に用いられる分岐開閉器側電圧測定部とを備え、
    分岐開閉器の操作ハンドルを切にした状態で、
    前記電源電圧の測定に用いる電圧測定器の2本のテストリードの内、
    一方のテストリードを前記第一又は第二の母線側電圧測定部に当接させたままで、
    他方のテストリードを各々の前記分岐開閉器側電圧測定部に対して個別に当接させていくことにより、
    前記分岐開閉器における前記所定の2つの母線に接続されるプラグイン端子間に印加された電源電圧の測定を行えるようにした住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造。
  2. 前記母線側電圧測定部に、前記テストリードを当接させた際に、該テストリードを保持するテストリード脱落防止手段を備えて構成した請求項1記載の住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造。
  3. 前記分岐開閉器の操作ハンドルが設けられた面側を分岐開閉器を取付ける面側に対して前面側としたとき、電圧測定対象となるプラグイン端子と電気的に接続された分岐開閉器側電圧測定部に対して、前記前面側から前記テストリードを当接させるための電圧測定用連通孔を分岐開閉器に備えて構成した請求項1又は請求項2記載の住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造。
  4. 前記電源電圧測定構造は、
    前記母線側電圧測定部に代えて、
    主開閉器の二次側と母線とを各極毎に接続する接続バーに、
    前記母線に接続される複数の分岐開閉器に対して共通して設けられる第一及び第二の接続バー側電圧測定部を設けて構成され、
    該接続バー側電圧測定部として、
    前記テストリードを挿入するための第一の孔部を設けて構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の内何れか一項に記載の住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造。
  5. 前記接続バーを覆い、該接続バーへの不用意な接触を防止する接続バーカバーにおいて、
    前記第一の孔部の前記前面側にテストリードを該第一の孔部に連通させるための第二の孔部を設け、住宅用分電盤の壁面への取付時における天地方向を上下方向とした場合に、
    第二の孔部の中心を第一の孔部の中心に対して上方向に偏らせて配設し、
    テストリードを連通させて挿入したときに、
    該テストリードが第一の孔部内面と第二の孔部内面とに係合され脱落が防止されることを特徴とする請求項4記載の住宅用分電盤の負荷回路への供給電源電圧測定構造


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