JP2011142633A - ステップ遅延事前補償を伴う適応クロック回復 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステップ遅延事前補償を伴う適応クロック回復を提供する。
【解決手段】ACR(適応クロック回復)サブシステムが、ジッタのあるパケット着信時間を示す入力位相信号を処理して、比較的安定した、回復されたクロック信号を生成するのに使用され得る、比較的平滑で、範囲が限られた出力位相信号を生成する。また、入力位相信号は、例えば、パケットのネットワーク・ルーティングのパス変更に対応する、ステップ遅延を検出し、測定するようにも処理される。入力位相信号が、検出された各ステップ遅延の符号および大きさに基づいて、ACRサブシステムの上流で位相調整されるステップ遅延事前補償が、実行される。その結果、ACRサブシステムは、そのようなステップ遅延の存在に実質的に気付かない。
【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により教示の全体が本明細書に組み込まれている、2010年1月6日に整理番号L09−0586US1で出願した米国仮特許出願第61/292,534号及び2010年3月23日に出願した米国特許出願第12/729,606号の出願日の利益を主張するものである。
本出願は、参照により教示の全体が本明細書に組み込まれている、本出願と同日に出願した、整理番号L09−0405US1で出願した米国特許出願と関連する。
本発明は、データ通信に関し、詳細には、パケット・ベースの通信システムにおけるタイミング回復に関する。
このセクションは、本発明のよりよい理解を促進するのに役立つ可能性がある複数の態様について述べる。したがって、このセクションで述べることは、このことに鑑みて読まれるべきであり、何が従来技術であり、何が従来技術でないかについての了解として理解されるべきではない。
クロック回復を使用するデータ通信ネットワークにおけるデータ信号の受信機の目標は、受信されたデータ信号から、そのデータ信号の時間領域を表すクロック信号を導き出して、受信機が、導き出されたクロック信号を使用して、そのデータ信号を処理する(例えば、そのデータ信号からデータを回復する)ことができるようにすることである。物理層ベースのクロック回復システムにおいて、クロック信号は、ビット遷移(例えば、複数の1と複数の0)の単一の連続したストリームとして送信されるデータ信号の中に符号化される。さらに、これらのビット遷移のタイミング性質が、送信機と受信機の間で保たれて、単一のタイミング領域がもたらされる。クロック信号は、その後、データ信号の中で表される複数の1と複数の0の間の遷移の規則性を活用することによって、回復されることが可能である。パケット・ベースのシステムにおいて、データ信号は、複数の1と複数の0の単一の連続したストリームとして受信機に着信することはない。パケット・ベースのシステムの性質は、データが利用可能な際にパケットを送信することであり、送信機と受信機の間でパケットのバースト性の交換がもたらされる。さらに、パケット・データを表すビットは、各送信機または各受信機に固有のローカル発振器に同期されて、送信機と受信機の間で複数のタイミング領域がもたらされる。パケットが比較的安定したレートで送信機によって送信される一部のパケット・ベースのシステムにおいて、パケットが受信機に着信する時刻からクロック信号を導き出すことが可能である。
回線ベースの信号が、送信のためにパケット・ベースの信号に変換され、その後、受信機において回線ベースの信号に再変換される、CES(回線エミュレーション・サービス)などの一部のパケット・ベースのデータ通信アプリケーションは、導き出されるクロック信号の精度に関して比較的厳しいタイミング要件を有する。1つのそのようなタイミング要件が、DS1データ信号またはE1データ信号に関する導き出されるクロック信号の制御された位相移動(controlled phase movement)またはMTIE(最大時間間隔誤差)限度である。これらの厳しいタイミング要件は、全体的なパケット遅延(すなわち、パケットが送信機を離れた時点から、そのパケットが受信機に着信する時点までの時間)が、ネットワーク負荷やパス再ルーティングなどの現象のために、送信されたパケットの周期系列によって異なり得る、適応クロック回復パケット・ベースの通信システムにおいて満たすことが困難であり得る。統計的パケット遅延特性が、全体的なネットワーク負荷が変化するにつれて変化することは、多くのデータ・ネットワークにおいて知られている現象である。このため、受信機における連続するパケットの着信時間の合間の時間は、ネットワーク負荷が時とともに変化するにつれ、予測不能に変化し得る。さらに、或る特定の通信セッションのパケットを或る特定の送信機(送信元)から或る特定の受信機(宛先)に送信するために選択されたパスが、例えば、中間ノード輻輳、リンク障害、またはメンテナンス活動に関連するネットワーク再構成のために、変化すると、受信機に着信するパケットの時間領域は、新たなパスが古いパスより長いか、または短いか(全体的な遅延の点で)に依存して、正のステップ変化、または負のステップ変化(本明細書で「ステップ遅延」と呼ばれる)を経験する。そのようなパケット・ベースのネットワークにおける受信機のクロック回復システムは、システムの該当するタイミング要件を満たすために、通常、これらの現象の効果を考慮に入れる必要がある。
一実施形態において、本発明は、受信機のためのACR(適応クロック回復)システムである。ACRシステムは、ACRサブシステムと、ステップ遅延D/M(検出および測定)サブシステムと、ステップ遅延事前補償構成要素とを備える。ACRサブシステムが、受信機におけるパケットの着信時間に対応するパケット遅延値を表す入力位相信号から、基準位相信号を生成する。ステップ遅延D/Mサブシステムが、入力位相信号を基準位相信号と比較して、パケット着信時間にステップ遅延が生じていることを検出し、さらに検出されたステップ遅延の方向および大きさを算出する。ステップ遅延事前補償構成要素が、検出されたステップ遅延の算出された方向および大きさに基づいて、ACRサブシステムの上流で、入力位相信号を調整する。
本発明の他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、ならびに同様の参照符号が同様の、または同一の要素を識別する添付の図面からより完全に明白となる。
本発明の一実施形態によるACR(適応クロック回復)システムを示す高レベル・ブロック図である。 本発明の一実施形態による図1のACRシステムを示すより詳細なブロック図である。 平均位相基準μ(i)を基準とした図2の遅延オフセット推定構成要素の処理を表すグラフである。 負のステップ遅延が生じていることを表すグラフである。 本発明の一実施形態による、遅延フロアの負のシフトを検出するように図1および図2のACRシステムによって実施される処理を示す流れ図である。 本発明の一実施形態による、遅延フロアの正のシフトを検出するように図1および図2のACRシステムによって実施される処理を示す流れ図である。 図7(a)は、負の遅延シフトが生じる第1のシナリオを表すグラフであり、図7(b)は、正の遅延シフトが生じる第2のシナリオを表すグラフである。 本発明の一実施形態による、検出されたステップ遅延の大きさを測定するように図1および図2のACRシステムによって実施される処理を示す流れ図である。
図1は、本発明の一実施形態によるACR(適応クロック回復)システム100の高レベル・ブロック図である。ACRシステム100は、パケット・ベースの通信ネットワークのノードにおける受信機において実施される。ACRシステム100は、デジタル入力パケット着信位相信号102を処理して、NCO(数値制御発振器)の出力周波数および出力位相を制御するのに使用され得るデジタル出力位相信号122を生成する。
入力パケット着信位相信号102は、受信機で受信される各パケットの伝搬遅延に対応する位相値を含む。パケット伝搬遅延は、埋め込まれたタイムスタンプを用いて測定された実際の伝搬遅延であることも、実際の着信時間と予期される着信時間の差をとることによって測定された相対伝搬遅延であることも可能である。パケット遅延変化に影響を与えるネットワーク負荷およびパス再ルーティング、ならびにその他の要因などの現象のため、入力パケット着信位相信号102の位相値は変化し、したがって、パケット着信位相信号102が、回復されるクロック信号を生成するのに直接に使用されたとした場合、回復されたクロック信号が、DS1データ信号またはE1データ信号に関するMTIEなどの該当する厳しい位相安定タイミング要件を満たすことができない可能性が高い。
これらの現象に対処するのに、ACRシステム100は、例えば、NCOに出力位相信号122を適用することによって生成された、回復されたクロック信号が該当するタイミング要件を満たすように、制御された位相範囲にわたって十分にゆっくりと変化する補償された位相値を有する出力位相信号122を生成するように、入力パケット着信位相信号102を処理する。
図1に示されるとおり、ACRシステム100の一実施形態は、ACRサブシステム120と、ステップ遅延D/M(検出および測定)サブシステム130と、ステップ遅延事前補償構成要素110と、コントローラ140とを含む。
適応クロック回復システムが、受信されたパケットの周期系列から回復されたクロック信号を導き出す従来の1つの仕方は、以下のとおりである。回復されたクロックの周波数が、受信機において受信されたパケットの平均着信レートによって確立される。回復されたクロック信号の位相が、一連の受信されたパケットの平均パケット遅延によって確立される。各パケット遅延は、所与のパケットに関する送信元ノードから宛先ノードまでの伝搬遅延を示す。送信元ノードから宛先ノードまでのパケットの周期系列は、パケット・フローとしても知られている。例えば、ネットワーク負荷の変化のために、平均伝搬遅延が変動すると、そのようなACRシステムは、これらの遅延変動を追跡するように、回復されるクロック信号の位相を検出して、調整する。パケット・ネットワークの性質のために、パケット遅延は、「ロングテール(long tail)」または「右テール(right tail)」の統計分布に合う傾向がある。背景トラフィック負荷が増加するにつれ、分布の「右」テールが増加し、このため、平均パケット遅延が増加することも生じさせる。したがって、平均パケット遅延に位相ロックするACRシステムは、システムの回復されるクロックを、ネットワーク負荷に比例して位相変調する傾向がある。図1の実施形態によれば、パケットの系列の平均パケット遅延に位相整列する代わりに、ACRシステム100は、本明細書で遅延フロアとも呼ばれる、最も短いパケット遅延に位相整列する。ネットワークを通る所与のパスに関して、パケットが送信元ノードから宛先ノードまで伝送される可能な最小伝搬時間が存在する。この最小伝搬時間は、送信元ノードと宛先ノードの間のパスにおけるすべての中間パケット・スイッチを通過する滞留時間が最小であるパケットと関係する。所与のパスに関する最小パケット伝搬時間は、一般に、遅延フロアと呼ばれる。
特定の状況(例えば、現在のネットワーク負荷、パケット・スイッチの数およびタイプ)に依存して、所与のパケットは、所与のパス上を伝送されるのに遅延フロアより長くかかることが可能であり、通常、遅延フロアより長くかかる。それでも、遅延フロア近くで受信機に着信するいくつかのパケットが存在する。遅延フロア近くで着信するパケットの頻度は、ネットワーク負荷が増加すると低下するものの、それでも、遅延フロア近くで着信するいくつかのパケットが存在する。
例えば、指定されたサンプル・ウインドウ内で着信するすべてのパケットに関して、最小の遅延を有するパケットの遅延値が、受信機によって、そのサンプル・ウインドウに関する遅延フロアの現在の値を定義するのに使用されることが可能である。パケット遅延特性は、変化し得るので、遅延フロア値を計算するのに使用される指定されたサンプル・ウインドウは、常に更新されなければならない。この更新プロセスは、例えば、最新のパケット遅延値の「M」個が比較されるスライディング・ウインドウ法を含む、いくつかの仕方で行われることが可能である。現在の遅延フロア値を定義した後、回復されたクロック信号の位相の望ましくない変動を回避するため、回復されたクロック信号の位相は、遅延フロア値と整列するように調整される。このようにして、回復されたクロックの周波数は、平均パケット着信レートに基づくが、回復されたクロックの位相は、移動サンプル・ウインドウの遅延フロアに基づく。
或る特定のパケット・フローに関するパスが変化した(例えば、ネットワーク再構成のために)場合、パケットが送信元ノードから宛先ノードまで伝送されるのにかかる最小の時間が、変化する可能性があり、通常、変化する。パケットに関する最小の伝搬時間が、古いパスから、より長い、新しいパスに増加した場合、遅延フロアの、この正の変化は、正のステップ遅延と呼ばれる。最小伝搬時間が、古いパスから、より短い新たなパスに減少した場合、遅延フロアの、この負の変化は、負のステップ遅延と呼ばれる。
そのようなステップ遅延の中間で、ACRシステム100、および、特にACRサブシステム120が、実質的に一定の位相値を有する出力位相信号122を生成するために、受信されたパケットに関する通常は一定の遅延フロアを追跡する。ステップ遅延が生じると、ACRシステム100、および、特にステップ遅延D/Mサブシステム130とステップ遅延事前補償構成要素110の組合せが、そのステップ遅延に関連する遅延フロアのシフトを検出し、測定し、事前補償して、ACRサブシステム120が、ACRサブシステム120に比較的一定の遅延フロアと見えるものを追跡しつづけることを可能にする。
一般に述べると、ステップ遅延D/Mサブシステム130によって生成されたステップ遅延推定信号132の値に基づいて、ステップ遅延事前補償構成要素110は、入力パケット着信位相信号102の中の位相値を調整して、ステップ遅延補償された位相値を有するステップ遅延補償された位相信号112を生成する。ステップ遅延D/Mサブシステム130は、ステップ遅延補償された位相信号112を処理して、位相信号112に生じているステップ遅延の存在を検出し、それらのステップ遅延の符号(すなわち、正のシフト方向または負のシフト方向)および大きさを測定する。D/Mサブシステム130と並行して、ACRサブシステム120が、ステップ遅延補償された位相信号112をフィルタリングして、基準位相値を有する基準位相信号124を生成する。さらに、ACRサブシステム120は、基準位相値のフィルタリングされたバージョンである出力位相値を有する出力位相信号122を生成する。
より詳細には、ACRシステム100の処理が初期化された場合、最初のステップ遅延がステップ遅延D/Mサブシステム130によって検出されるまで、ステップ遅延推定信号132は、0という値を有し、ステップ遅延補償された位相信号112は、入力パケット着信位相信号102と同一である。例えば、送信元ノードから、ACRシステム100を実施する受信機を含む宛先ノードまでネットワークを通ってパケットがたどるパスの変化のために、ステップ遅延補償された位相信号112の中で最初のステップ遅延が検出される場合、ステップ遅延D/Mサブシステム130が、そのステップ遅延を検出して、測定し、ただし、ステップ遅延推定信号132の値は、その最初のステップ遅延イベントの符号および大きさを表す。
新たなパスが古いパスより長い(伝搬遅延の点で)場合、ステップ遅延推定信号132は、ステップ遅延補償された位相信号112を生成するのに入力パケット着信位相信号102に負の位相シフトを適用するようにステップ遅延事前補償構成要素(例えば、減算ノード)110に命令する符号(例えば、正の)を有する。他方、新たなパスが古いパスより短い(伝搬遅延の点で)場合、ステップ遅延推定信号132は、ステップ遅延補償された位相信号112を生成するのに入力パケット着信位相信号102に正の位相シフトを適用するようにステップ遅延事前補償構成要素110に命令する符号(例えば、負の)を有する。ステップ遅延D/Mサブシステム130が、ステップ遅延補償されたクロック信号112の中で検出された次のステップ遅延(存在する場合)まで、ステップ遅延推定信号132の値を一定に保つ。
ACRシステム100の目標は、該当するタイミング要件(例えば、MTIE)を満たすように出力NCO(例えば)の周波数および位相を制御する十分な安定性を有する出力位相信号122を生成することである。複数のステップ遅延にわたる十分に一定の時間領域を実現するのに、ステップ遅延D/Mサブシステム130が、それまでに検出され、測定されたすべてのステップ遅延の累積合計に基づいて、ステップ遅延推定信号132の値を生成する。このため、最初のステップ遅延が、3位相単位の大きさを有する正のステップ遅延であり、2番目のステップ遅延が、1位相単位の大きさを有する負のステップ遅延である場合、2番目のステップ遅延が検出され、測定された後、ステップ遅延推定信号132は、+2位相単位という値を有する。入力パケット・ストリームのLOS(信号の損失)または他の入力障害が存在する場合、D/Mサブシステム130におけるステップ遅延アキュムレータは、0にリセットされ、ステップ遅延検出、事前補償、および蓄積のプロセスが、0位相単位のステップ遅延推定信号132から再スタートされる。
コントローラ140が、ステップ遅延D/Mサブシステム130から受け取られた信号に基づいて、ACRサブシステム120の複数の動作を協調させる。詳細には、後段でさらに詳細に説明するとおり、ステップ遅延D/Mサブシステム130が、ステップ遅延補償された位相信号112の中で新たなステップ遅延を検出すると、サブシステム130は、コントローラ140に適用されるステップ遅延検出信号134をアサートする。これに応答して、コントローラ140は、制御信号142を介してACRサブシステム120の処理の少なくとも一部を一時停止する(すなわち、ACRサブシステム120をホールドオーバ・モードにする)。ステップ遅延D/Mサブシステム130が、新たなステップ遅延の測定を完了し、ステップ遅延推定信号132に関する更新された値を生成した後、サブシステム130は、ステップ遅延検出信号134をディアサートする。これに応答して、コントローラ140は、制御信号142を介してACRサブシステム120の完全な処理を再開する(すなわち、ホールドオーバ・モードを終了する)。新たなステップ遅延の検出から測定までの間の時間間隔中にACRサブシステム120の処理の少なくとも一部を、このように一時停止することは、ホールドオーバ・モードと呼ばれる。
ホールドオーバ・モードの目的は、検出されたステップ遅延の影響が、ステップ遅延の大きさが測定されている間に、出力位相信号122のタイミングに大きく、悪影響を及ぼすことを回避することである。ホールドオーバ・モードは、出力位相信号122における出力位相を安定させ、さらに、より重要なこととして、基準位相信号124における位相基準を安定させる。基準位相信号124は、新たに検出されたステップ遅延の大きさを測定するのに使用され、測定期間が続いている間、一定のままである。その新たなステップ遅延が測定されて、ステップ遅延推定信号132に組み込まれると、この値は、合計ポイント110においてすべての着信パケット着信位相値102に関して引かれる。ステップ遅延補正が適用されると、ホールドオーバ・モードが終了され、ACRサブシステム120の完全な処理が、現時点で、その新たなステップ遅延を含め、それまでに検出されたステップ遅延のすべてを考慮に入れて生成される、ステップ遅延補償された位相信号112を使用して、安全に再開されることが可能である。
図2は、本発明の一実施形態による、図1のACRシステム100のより詳細なブロック図を示す。図2に示されるとおり、図1のACRサブシステム120は、第1のデジタルPI(比例積分)プロセッサ202と、遅延オフセット推定構成要素204と、遅延−オフセット補償構成要素210と、第2のデジタルPIプロセッサ214とを含む。コントローラ140を介したステップ遅延D/Mサブシステム130からACRサブシステム120への制御信号の流れは、図2に示されるACRシステム100の表現には示されていないが、ACRサブシステム120からステップ遅延D/Mサブシステム130への信号の流れは、この図に含められていることに留意されたい。
一般的に述べると、第1のPIプロセッサ202が、ステップ遅延補償された位相(信号112によって表される)から位相基準(信号124によって表される)を生成し、遅延オフセット推定構成要素204が、遅延フロア(信号206によって表される)を探し出し、遅延オフセット補償構成要素210が、遅延フロアにおける位相(信号212によって表わされる)を生成し、第2のPIプロセッサ214が、その遅延フロア位相を周波数フィルタリングし、または平滑化して、出力位相(信号122によって表される)を生成する。
ACRサブシステム120は、遅延フロアの現在の推定と実質的に等しくなるように出力位相信号122の位相値を調整する遅延オフセット補償を実行する。このことは、(1)基準位相信号124の中の平均位相基準値μ(i)によって示される平均パケット着信時間と(2)ステップ遅延補償された位相信号112の中のパケット位相(すなわち、遅延)値D(i)によって示される遅延フロアで、またはそのような遅延フロアに十分に近いところで着信するパケットの着信時間との間の遅延オフセットD(i)を算出することによって、達せられる。この統計プロセスは、遅延オフセット推定と呼ばれる。この推定を実行するため、ステップ遅延補償された位相信号112の中のパケット遅延値D(i)によって示されるすべての受信パケット着信時間が、基準位相信号124の中の平均位相基準値μ(i)によって示される、それまでに受信されたパケットの平均パケット着信時間と比較される。平均パケット着信時間より遅れて着信したパケットは、この推定プロセスによって無視され、0という遅延オフセット値D(i)を割り当てられる。平均パケット着信時間より早く着信したパケットは、遅延フロアを定義するための候補と考えられ、平均パケット着信時間(平均位相基準μ(i)によって示される)とそれらのパケットの着信時間(パケット遅延D(i)によって示される)の差と等しい遅延オフセット値D(i)を割り当てられる。連続する遅延オフセット値D(i)のグループまたは統計サンプリング・ウインドウが比較され、グループの最大値が遅延オフセット推定DOE(i)になり、遅延オフセット推定信号206として出力される。
詳細には、第1のPIプロセッサ202が、ステップ遅延事前補償構成要素110からステップ遅延補償された位相信号112を受け取り、周波数フィルタリングして、基準位相信号124を生成する。基準位相信号124は、受信されるすべてのパケットの統計母集団の予期されるパケット着信時間と実際のパケット着信時間の平均位相差の測度である。遅延オフセット推定構成要素204が、基準位相信号124を平均位相基準μ(i)として使用して、受信される各パケット112の着信時間が平均パケット着信時間より早いか、遅いかを判定する。パケット着信時間が、ステップ遅延補償された位相信号112より大きい場合、そのパケットは、それまでに受信されたパケットの統計平均と比べて、ネットワークを通過するのにより長い時間を要している。同様に、パケット着信時間が、ステップ遅延補償された位相信号112より小さい場合、そのパケットは、それまでに受信されたパケットの統計平均と比べて、ネットワークを通過するのにより短い時間を要している。平均着信時間より短い着信時間を有するパケットは、遅延フロアを定義する候補である。遅延オフセット推定構成要素204は、以下の式(1)に従って、受信された各パケットに関する遅延オフセット値D(i)を計算する。すなわち、

μ(i)>D(i)の場合、D(i)=μ(i)−D(i) (1)
μ(i)≦D(i)の場合、D(i)=0

このため、平均位相基準μ(i)がパケット遅延D(i)より大きい場合、そのパケットに関する遅延オフセット値D(i)は、それら2つの値の差である。平均位相基準μ(i)がパケット遅延D(i)以下である場合、そのパケットに関する遅延オフセット値D(i)は、0に設定される。第1のPIプロセッサ202は、絶えず更新される基準位相信号124の中の両方のタイプのパケットを処理して、平均位相基準μ(i)をもたらすことに留意されたい。
図3は、平均位相基準μ(i)を基準とした図2の遅延オフセット推定構成要素204の処理をグラフで示す。図3で、各ドットは、或る特定の時刻(X軸値)における、或る特定のパケット着信遅延(Y軸値)を伴う異なるパケットの着信を表し、さらに時間につれ変化する平均位相基準μ(i)が、受信されたパケットに関するパケット着信遅延に対してプロットされている。図3で、遅延フロアが、固定のパケット着信遅延Dを有するものとして表されている。図3に見られるとおり、パケットは、平均位相基準μ(i)を超える遅延、および平均位相基準μ(i)未満の遅延で着信するが、遅延フロアD未満の遅延で着信するパケットは、全く存在しない。また、遅延フロアと等しい遅延を有するパケットのパーセンテージは、所与のパケット・フローに関するネットワークを伝送されるパケットの伝搬に影響を与えるいくつかの要因に依存することにも留意されたい。一般に、共通のスイッチング要素を通過する、競合するトラフィックのネットワーク・トラフィック負荷が高いほど、遅延フロア・パケットのパーセンテージは低い。
各パケット遅延D(i)に関して、遅延オフセット値D(i)が、式(1)に基づいて、平均位相基準μ(i)を基準として計算される。指定された持続時間またはサンプル・ウインドウにわたる最大の遅延オフセット値D(i)が、平均位相基準μ(i)の現在の値と遅延フロアの差を示す。平均位相基準μ(i)の時間的変動のため、同一の指定された持続時間を有する異なる期間に関する最大遅延オフセット値D(i)の変動も存在するものと予期される。このため、指定された数Mの最新の遅延オフセット値D(i)を調べるウインドーイング法(windowing method)が、平均位相基準μ(i)の変化を追跡する傾向があり、したがって、以下の式(2)を使用して生成されるとおり、平均位相基準μ(i)と遅延フロアの間の遅延オフセットの正確な推定DOE(i)をもたらすのに使用され得る。
Figure 2011142633
ただし、図2の遅延オフセット推定構成要素204は、現在の遅延オフセット推定DOE(i)を遅延オフセット推定信号206として遅延オフセット補償構成要素210に送る。MAX関数を実施するため、それまでのM個の遅延オフセット値D(i)が、個々に格納される。新たなパケットが着信すると、遅延オフセット推定DOE(i)が、式(2)を使用して再計算され、最古の遅延オフセット値D(i−M+1)がメモリの中で、最新の遅延オフセット値D(i)で置き換えられる。
式(2)は、最大スライディング差ウインドウ(max sliding−difference window)に対応するものの、他のタイプの重なり合うウインドウもしくは重なり合わないウインドウ、または重なり合うウインドウと重なり合わないウインドウの組合せが、使用されてもよい。最大スライディング差ウインドウは、新たな各パケット着信に関して遅延オフセット推定DOE(i)の異なる値をもたらすように設計されることが可能であるものの、そのような実施態様は、実施態様の複雑さを高める傾向がある。
遅延オフセット補償構成要素210が、遅延オフセット推定信号206に基づいて基準位相信号124の位相を調整して、遅延オフセット補償された位相信号212を生成する。詳細には、基準位相信号124の平均位相基準μ(i)が、常に非負の数である遅延オフセット推定DOE(i)分だけ低減される。この位相補償は、以下の式(3)に反映されるとおり、位相信号212を遅延フロアの現在の位置D(i)に整列させる。すなわち、

(i)=μ(i)−DOE(i) (3)
遅延オフセット推定DOE(i)は、M個のパケットの隣接するセットの統計分析に基づくため、M個のパケットの各セットの遅延特性のために、遅延オフセット補償された位相信号212の位相に、時間につれて不連続の変動が存在し得る。これらの位相不連続を周波数フィルタリングする、または平滑化するため、第2のPIプロセッサ214が、遅延オフセット補償された位相信号212に対して位相平滑化を実行して、(完全に)平均された位相を有する出力位相信号122を生成する。
可能な1つの実施態様において、遅延オフセット測定安定性をもたらすために、式(2)のスライディング・ウインドウのサイズが、第1のPIプロセッサ202のカットオフ周波数にそれ自体、基づく、第1のPIプロセッサの時定数の少なくとも40分の1未満に設定される。第2のPIプロセッサ214の機能は、補償された位相信号212を位相平滑化することであるので、第2のPIプロセッサ214は、第2のPIプロセッサ214の帯域幅を第1のPIプロセッサ202の帯域幅より大きく(例えば、約2倍乃至2.5倍)に設定することによって、第1のPIプロセッサ202の出力周波数を追跡するように設計される。一般に、第1のPIプロセッサ202と第2のPIプロセッサ214はともに、約4という減衰係数を有する過減衰のシステム応答をもたらすように調整される。
ステップ遅延補償
遅延フロアにおけるステップ遅延(すなわち、大幅な瞬時のシフト)を扱う3つの段階は、検出、測定、および事前補償である。図1および図2のACRシステム100において、ステップ遅延D/Mサブシステム130が、基準位相信号124および出力位相信号122、ならびに遅延オフセット推定構成要素204によって生成され、信号208を介してD/Mサブシステム130に供給された他の情報に基づいて、検出段階および測定段階を実行する一方で、ステップ遅延事前補償構成要素110が、D/Mサブシステム130によって生成されたステップ遅延推定信号132に基づいて、事前補償段階を実行する。
ステップ遅延検出は、遅延フロアにステップ変化が生じたことの検出を含む。後段でさらに詳細に説明するとおり、その検出を行う際、ステップ変化の符号も特定される。検出が迅速であるほど、補償されていないステップ遅延が追跡されるために、出力位相信号122を変化させるACRシステム100の望ましくない結果がよりよく防止される。
ステップ遅延測定は、遅延フロアの変化の大きさの推定を含む。ステップ遅延測定プロセスは、ステップ遅延検出プロセスとは異なり、十分な精度で遅延フロアのシフトのサイズを測定するために、より長い期間を要求する可能性があることに留意されたい。このことは、主に、ステップ遅延イベントの後の受信されたパケットの統計的遅延変動のためである。
一般に、所与の精度レベルに関して、ステップ遅延のサイズを測定するのにかかる時間は、所与のサンプル・サイズにわたって遅延フロア近くで遅延を有する受信されたパケットが生じることに反比例する。低いネットワーク・トラフィック負荷条件の場合、より小さいパケット遅延変動が存在し、より多くの数のパケットが遅延フロア近くで着信する。そのような状況において、ステップ遅延測定の所与の精度レベルは、遅延フロア近くで着信するパケットがより少ない、高いトラフィック負荷条件と比べて、より短い期間において達せられることが可能である。
ステップ遅延事前補償は、遅延フロアのシフトの方向および大きさに基づいて、ACRプロセスに位相補正を適用することを含む。理論上、この補正は、出力位相が遅延フロアのステップ変化にかかわらず一定のままであるように、ACR出力(例えば、図1の出力位相信号122)を補償する。図1のACRシステム100において、ステップ遅延事前補償は、入力パケット着信位相信号102の位相が、ACRサブシステム120のフィルタリングに先立って調整される、事前補償スキームを使用して実施される。
負のステップ遅延検出
図4は、負のステップ遅延が生じていることをグラフで示す。詳細には、時刻Tより前に、遅延フロアは遅延値DF1にある。時刻Tに、遅延フロアが、例えば、パケットが、ネットワークを通過する、より短いパスを介して伝送される結果、ステップ変化値Dだけ低下して、遅延値DF2になる。最大の遅延オフセット値D(i)は、時刻Tにおける負のステップ遅延の後に増加することに留意されたい。
図5は、本発明の一実施形態による、遅延フロアの負のシフトを検出するように図1および図2のACRシステム100によって実施される処理の流れ図を示す。最初、負のステップ遅延検出閾値DNTが、適切な値(例えば、9マイクロ秒など、10マイクロ秒未満)に設定され(ステップ502)、さらに負のステップ遅延フラグDSNが、負のステップ遅延が検出されていないことを示す0に設定される(ステップ504)。
遅延値D(i)を有するパケットが受信機に着信すると(ステップ506)、パケット遅延統計が生成される(ステップ508)。詳細には、第1のPIプロセッサ202が、基準位相信号124の中で現在の平均位相基準値μ(i)を生成する。さらに、現在の遅延オフセット値D(i)が、式(1)に従って算出され、現在の遅延オフセット推定DOE(i)が、式(2)に従って更新される。さらに、遅延オフセット基準DOE1(i)が、M個のパケット(i−3M)乃至(i−2M−1)に対応する、前の重なり合わないウインドウに関する遅延オフセット推定DOE(i−M)に設定される。重複処理を回避するため、現在の遅延オフセット推定DOE(i)などの、ACRサブシステム120の遅延オフセット推定構成要素204によって既に生成された情報の一部は、信号ライン208を介してステップ遅延D/Mサブシステム130に供給されることが可能であることに留意されたい。
次に、サブシステム130が、遅延オフセット基準DOE1(i)と現在の遅延オフセット推定DOE(i)の差が、以下の式(5)におけるとおり、負のステップ遅延検出閾値DNT以上であるかどうかを判定することによって、その新たなパケットが、遅延フロアの負のシフトに対応するかどうかを判定する(ステップ510)。すなわち、

OE1(i)−DOE(i)≧DNT (5)

遅延オフセット基準DOE1(i)と現在の遅延オフセット推定DOE(i)の差が、負のステップ遅延検出閾値DNT以上ではない場合、遅延フロアの負のシフトは検出されず、処理は、ステップ506に戻り、次のパケットの着信を待つ。遅延オフセット基準DOE1(i)と現在の遅延オフセット推定DOE(i)の差が、負のステップ遅延検出閾値DNT以上である場合、ステップ510の比較は真であり、サブシステム130は、負のステップ遅延フラグDSNを1に設定して(ステップ512)、遅延フロアの負のシフトが検出されたことを示す。
ステップ514で、サブシステム130が、負のステップ遅延の大きさを算出し、それに相応してステップ遅延推定信号132の値を低減し、さらに事前補償構成要素110が、その更新されたステップ遅延推定信号を使用して入力パケット着信位相信号102に適切な位相調整を適用して、ステップ遅延補償された位相信号112を生成する。ステップ514が完了した後、処理は、ステップ504に戻り、負のステップ遅延フラグDSNを0にリセットし、次のパケットの着信を待つ。
正のステップ遅延検出
負のステップ遅延は、前の遅延フロアを下回る閾値を超えるパケット遅延を探すことによって、比較的容易に検出され得るが、正のステップ遅延を検出することは、ステップ遅延が存在しない状況においてさえ、例えば、図3で見られる遅延フロアを超える遅延で着信するパケットが存在するため、それほど単純明快ではない。
本発明のいくつかの実施形態において、正のステップ遅延は、少なくとも指定された正のステップ遅延閾値DPTだけ既存の遅延フロアDを超える遅延値D(i)を有する、指定された数Mの連続するパケット着信を探すことによって、検出される。遅延フロアの現在の値は、図2のACRシステム100における異なる2つのポイントにおいて利用可能である。遅延オフセット補償された位相信号212の位相は、μ(i)−DOE(i)によって与えられる。しかし、遅延オフセット推定DOE(i)の値は、この値を計算するのに使用される式(2)のウインドーイング・プロセスに起因する不連続の変動を反映する。これらの位相の不連続は、出力位相値DOUTを有する、より安定した、周波数フィルタリングされた出力位相信号122をもたらす第2のPIプロセッサ214によって最小限に抑えられる、または解消されることが可能である。出力位相値DOUTは、遅延フロアDの位置を確立するのに、より適している。
図6は、本発明の一実施形態による、遅延フロアの正のシフトを検出するように図1および図2のACRシステム100によって実施される処理の流れ図を示す。最初に、正のステップ遅延検出閾値DPTが、適切な値(例えば、9マイクロ秒など、10マイクロ秒未満)に設定され(ステップ602)、さらに正のステップ遅延フラグDSPが、0に設定されて(ステップ604)、正のステップ遅延が検出されていないことを示す。ステップ604で、カウンタ値Countが、やはり0に設定される。
遅延値D(i)を有するパケットが受信機に着信すると(ステップ606)、パケット遅延統計が生成される(ステップ608)。パケット遅延統計は、図5のステップ508における統計と同一である。さらに、出力位相信号122の出力位相DOUT(i)が、算出され、遅延フロアであるものと想定される(ステップ610)。
次に、D/Mサブシステム130が、新たなパケットの遅延D(i)が、少なくとも正のステップ遅延検出閾値DPTだけ遅延フロアDOUT(i)を超えているかどうかを判定する(ステップ612)。超えていない場合、連続するパケットの数(Count)は、0に設定される(ステップ614)。超えている場合、Countの値は、インクリメントされる(ステップ616)。Countの値がカウント閾値Mと等しくない場合(ステップ618)、処理は、ステップ606に戻り、次のパケットの着信を待つ。さもなければ、Countの値はカウント閾値Mと等しく(ステップ618)、サブシステム130が、正のステップ遅延フラグDSPを1に設定して(ステップ620)、遅延フロアの正のシフトが検出されたことを示す。ステップ612〜620の処理は、以下の擬似コードによって表されることが可能である。すなわち、

IF D(i)−DOUT(i)≧DPT,THEN Count=Count+1,ELSE Count=0

IF Count=M,THEN DSP=1,ELSE DSP=0

カウント・プロセスの任意の時点で、十分に小さい遅延でパケットが着信した場合、カウンタCountは、ステップ614で0にリセットされ、プロセスは、ステップ606で新たに始まることに留意されたい。
ステップ622で、サブシステム130が、正のステップ遅延の大きさを算出し、それに相応してステップ遅延推定信号132の値を増加し、さらに事前補償構成要素110が、その更新されたステップ遅延推定信号を使用して入力パケット着信位相信号102に適切な位相調整を適用して、ステップ遅延補償された位相信号112を生成する。ステップ622が完了した後、処理は、ステップ604に戻り、正のステップ遅延フラグDSPを0にリセットし、次のパケットの着信を待つ。
遅延フロアの各シフトは、正のステップ遅延によることも、負のステップ遅延によることも可能であるので、受信される各パケットに関して、図5の負のステップ遅延検出処理と図6の正のステップ遅延検出処理がともに、順次に、または並行に実施されることに留意されたい。
カウント閾値Mの最適の値は、偽陽性の正のステップ遅延検出を防止しながら、高速の正のステップ遅延検出を許さなければならない。理想的には、Mの値は、正のステップ遅延イベントが生じたことの統計的確かさを与える。図3に示されるとおり、通常の動作条件下で、一部のパケットは、比較的大きい遅延を有して着信する。前述したとおり、大きい遅延を有するパケットの数は、ネットワーク負荷が増加するにつれて増加する。
カウント閾値Mの適切な値は、例えば、予期される最大負荷を用いたシミュレーションに基づいて、算出され得る。そのようなシミュレーションは、低遅延のパケットの合間の最大時間間隔を算出するのに使用され得る。慎重を期して、例えば、この最大時間間隔の1.5倍の余裕が、時間間隔にパケット・レートを掛けることによって算出されるカウント閾値Mを選択するのに使用されることが可能である。
ステップ遅延測定
正のステップ遅延または負のステップ遅延が検出された後、ステップ遅延D/Mサブシステム130が、そのステップ遅延の大きさを測定する。
図7(a)は、遅延フロアをDF1という遅延からDF2Nという(より小さい)遅延に移す負のステップ遅延が時刻Tに生じる第1のシナリオをグラフで表すのに対して、図7(b)は、遅延フロアをDF1という遅延からDF2Pという(より大きい)遅延に移す正のステップ遅延が時刻Tに生じる第2のシナリオをグラフで表す。
負のステップ遅延が生じると、そのステップ遅延の大きさが測定され、新たな遅延フロアDF2Nが、そのステップ遅延の検出の後に続く指定された数のパケットにわたって最大遅延オフセット値D(i)を探すことによって、特定されることが可能である。図7(a)の例示的な負のステップ遅延において、この最大遅延オフセット値は、遅延オフセットD(c)である。
正のステップ遅延が生じると、そのステップ遅延の大きさが測定され、新たな遅延フロアDF2Pが、そのステップ遅延の検出の後に続く指定された数のパケットにわたって最小遅延シフト値D(i)を探すことによって、特定されることが可能である。図7(b)の例示的な正のステップ遅延において、この最小遅延シフト値は、遅延シフトD(a)である。
図8は、本発明の一実施形態による、検出されたステップ遅延の大きさを測定するように図1および図2のACRシステム100によって実施される処理の流れ図である。前述したとおり、ステップ遅延が検出されるのにかかる時間中、出力位相信号122の位相は、ACRサブシステム120が、新たな遅延フロアに対応するパケットを処理するにつれ、ドリフトしはじめる。所与のステップ遅延の大きさに関して、このドリフトは、負のステップ遅延より、正のステップ遅延を検出する方が通常、より長い時間を要するため、負のステップ遅延の場合より、正のステップ遅延の場合の方が、通常、より大きい。このドリフトのサイズを制限するため、正のステップ遅延または負のステップ遅延が検出されると、ACRサブシステム120は、ホールドオーバ・モードにされる(図8のステップ802)。前述したとおり、このことは、ステップ遅延D/Mサブシステム130がコントローラ140にステップ遅延検出信号134をアサートし、コントローラ140が、ACRサブシステム120に適切な制御信号142を適用することによって達せられる。
一実施態様において、ホールドオーバ・モード中、図2の第1のPIプロセッサ202と第2のPIプロセッサ214の両方の処理が、一時停止される一方で、ACRサブシステム120のその他の構成要素の処理は、中断なしに続けられる。第1のPIプロセッサ202の処理が最初に一時停止されると、平均位相基準μの値が、ホールドオーバ・モードの続いている間の最新の値で凍結されることに留意されたい。同様に、第2のPIプロセッサ214の処理が最初に一時停止されると、出力位相信号122の位相値が、やはり、ホールドオーバ・モードの続いている間の最新の値で凍結される。可能な1つの実施態様において、第1のPIプロセッサの出力信号と第2のPIプロセッサの出力信号が、図2のそれぞれのPIプロセッサにおけるスケール関数の直前の加算ノードの出力値を0に設定することによって、凍結される。また、他の実施態様も可能である。
次に、サブシステム130が、パケット・カウンタCountを0にリセットし(ステップ804)、遅延D(i)を有する次のパケットの着信を待つ(ステップ806)。次のパケットが着信すると、遅延オフセット値D(i)が算出される(ステップ808)。一実施態様において、遅延オフセットD(i)は、式(1)に基づいて遅延オフセット推定構成要素204によって計算されて、信号208を介してサブシステム130に供給される。
図8は、正のステップ遅延と負のステップ遅延の両方に関するステップ遅延測定処理を表すものの、この処理は、それら異なる2つのタイプのステップ遅延に関して異なる。これらの違いは、ステップ810および812が、負のステップ遅延に関して実施される(図5の負のステップ遅延フラグDSNが1に設定されることによって示される)一方で、ステップ814および816が、正のステップ遅延に関して実施される(図6の正のステップ遅延フラグDSPが1に設定されることによって示される)、図8に反映されている。
負のステップ遅延に関して、サブシステム130は、ステップ遅延の検出の後に続く次のM個のパケットの着信に対応する測定ウインドウの中で最大遅延オフセットDOMAX(i)を探す。最大遅延オフセットDOMAX(i)は、負のステップ遅延の検出の後の最初のD(i)サンプルに初期設定される(例えば、ステップ812で)。次のM−1個のパケットのそれぞれに関して、そのパケットの遅延オフセット値D(i)が、最大遅延オフセットDOMAX(i)の現在の格納された値と比較される(ステップ810)。そのパケットの遅延オフセット値D(i)が最大遅延オフセットDOMAX(i)より大きい場合、最大遅延オフセットDOMAX(i)は、そのパケットの遅延オフセット値D(i)に等しく設定される(ステップ812)。そのパケットの遅延オフセット値D(i)が最大遅延オフセットDOMAX(i)以下である場合、最大遅延オフセットDOMAX(i)は変更されない。いずれの場合も、処理は、ステップ818に進む。
正のステップ遅延に関して、サブシステム130は、ステップ遅延の検出の後に続く次のM個のパケットの着信に対応する測定ウインドウの中で最小遅延シフトDSMIN(i)を探す。最小遅延シフトDSMIN(i)は、正のステップ遅延の検出の後の最初のD(i)サンプルに初期設定される(例えば、ステップ816で)。次のM−1個のパケットのそれぞれに関して、そのパケットの遅延オフセット値D(i)が、最小遅延シフトDSMIN(i)の現在の格納された値と比較される(ステップ814)。そのパケットの遅延オフセット値D(i)が最小遅延シフトDSMIN(i)より小さい場合、最小遅延シフトDSMIN(i)は、そのパケットの遅延オフセット値D(i)に等しく設定される(ステップ816)。そのパケットの遅延オフセット値D(i)が最小遅延シフトDSMIN(i)以上である場合、最小遅延シフトDSMIN(i)は変更されない。いずれの場合も、処理は、ステップ818に進む。
ステップ818で、サブシステム130が、パケット・カウンタCountをインクリメントする。パケット・カウンタCountがMパケット・ウインドウの終わりに到達していない場合(ステップ820)、処理は、ステップ806に戻り、次のパケットの着信を待つ。そうではなく、Mパケット・ウインドウの終わりに到達している場合、サブシステム130が、ステップ遅延推定信号132を、(i)信号132の値を、負のステップ遅延に関する最大遅延オフセットDOMAX(i)だけ低減すること、または(ii)信号132の値を、正のステップ遅延に関する最小遅延シフトDSMIN(i)だけ増加させることによって更新する(ステップ822)。
サブシステム130は、負のステップ遅延が検出される前に遅延オフセット補償構成要素204に入力された負のステップ遅延D(i)の組込みを補償するために、現在の遅延オフセット推定DOE(i)を、格納された遅延オフセット基準DOE1(i)と等しくなるようにリセットする。ステップ822で計算された、ステップ遅延の現在の値が、次に、ステップ遅延事前補償構成要素110においてACRサブシステム120の入力に差として適用される。すると、ACRサブシステム120は、ACRサブシステム120の完全な動作を再開することによってホールドオーバ・モードを終了する(ステップ826)。ステップ822、824、および826はすべて、次のパケットの着信より前に実施されなければならないことに留意されたい。
利点
図1のACRサブシステム100の利点の1つは、ACR機能が、PI(比例積分)処理などの比較的単純なDSP(デジタル信号処理)技術を使用して実施され得ることである。このため、ACRシステムの複数のインスタンスが、単一の集積回路において実施されることが可能であり、ただし、異なるそれぞれのACRシステムは、異なる通信セッションに関するACR機能を提供することが可能である。このようにして、多数の(例えば、16、32、64、またはさらに多くの)T1/E1回路が、関連するタイミング要件を依然として満たしながら、単一の集積回路を有するデバイスによってサポートされることが可能である。
代替形態
一実施態様において、図2の第1のPIプロセッサ202および第2のPIプロセッサ214は、二次の(second−order)、タイプ2PIプロセッサであるが、他の次数および/または、タイプのプロセッサが代替として使用されてもよい。ACRサブシステム120は、2つのPIプロセッサを使用して実施されているものとして説明されてきたが、ACRサブシステム120の三段アーキテクチャが、受信機におけるパケットの着信の遅延とローカル基準信号のフィルタリングされた差を反映する位相信号を生成するのに使用され得る、PID(比例積分微分)プロセッサなどの、他のタイプの閉ループ制御プロセッサを使用して実施されることが可能である。
図1のACRサブシステム120およびステップ遅延D/Mサブシステム130は、ステップ遅延事前補償を実行するACRシステム100の脈絡で説明されてきたものの、ACRサブシステム120のフィルタリング、および/またはD/Mサブシステム130のステップ遅延検出およびステップ遅延測定は、他の形態のステップ遅延補償を実行するACRシステムの脈絡で実施されることも可能であることが当業者には理解されよう。例えば、事後補償スキームにおいて、検出され、測定されたステップ遅延の補償が、ACRサブシステムによって生成された出力位相信号に適用される。他のスキームにおいて、ステップ遅延補償が、例えば、図1の構成要素110のステップ遅延補償を図2の構成要素210の遅延オフセット補償と組み合わせる補償構成要素によって、ACRサブシステムの内部で実行される。
本発明は、単一の集積回路(ASICもしくはFPGAなどの)として、マルチチップ・モジュールとして、単一のカードとして、またはマルチカード回路パックとしての可能な実施態様を含め、(アナログ、デジタル、またはアナログとデジタル両方の混成の)回路ベースのプロセスとして実施されてもよい。当業者には明白なように、回路要素の様々な機能は、ソフトウェア・プログラムにおける処理ブロックとして実施されることも可能である。そのようなソフトウェアは、例えば、デジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、または汎用コンピュータにおいて使用されることが可能である。
本発明は、それらの方法を実施するための方法および装置の形態で実現され得る。本発明は、磁気記録媒体、光記録媒体、ソリッドステート・メモリ、フロッピー・ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、または他の任意のマシン可読記憶媒体などの、実体のある媒体として実現されたプログラム・コードの形態で実現されることも可能であり、このプログラム・コードが、コンピュータなどのマシンにロードされ、そのマシンによって実行されると、そのマシンが、本発明を実施するための装置となる。また、本発明は、例えば、記憶媒体の中に格納されるか、マシンにロードされるか、さらに/またはそのマシンによって実行されるかどうかにかかわらず、プログラム・コードの形態で実現されることも可能であり、このプログラム・コードが、コンピュータなどのマシンにロードされ、そのマシンによって実行されると、そのマシンが、本発明を実施するための装置となる。汎用プロセッサ上で実施される場合、このプログラム・コード・セグメントは、そのプロセッサと一緒になって、特定の論理回路と同様に動作する独特のデバイスをもたらす。
特に明記しない限り、各数値および各範囲は、「約」または「おおよそ」という語がその値または範囲の値の前に付けられているかのように、近似であるものと解釈されなければならない。
本発明の性質を説明するために説明され、例示されてきた部分の詳細、および材料、および構成の様々な変更が、添付の特許請求の範囲で表される本発明の範囲を逸脱することなく当業者によって行われることが可能であることが、さらに理解されよう。
クレームにおける図の番号および/または図の参照ラベルの使用は、クレームの解釈を容易にするために、主張される主題の可能な1つまたは複数の実施形態を識別することを意図している。そのような使用は、それらのクレームの範囲を、必ずしも、対応する図で示される実施形態に限定するものと解釈されてはならない。
本明細書で示される例示的な方法のステップは、説明される順序で実行されることを必ずしも要求しないことが理解されるべきであり、さらにそのような方法のステップの順序は、単に例示的であるものと理解されるべきである。同様に、さらなるステップが、そのような方法に含められることが可能であり、さらにいくつかのステップが、本発明の様々な実施形態と合致する方法において省略される、または組み合わされることも可能である。
添付の方法クレームにおける要素は、クレームの記載が、それらの要素の一部またはすべてを実施するための特定の順序を別段、暗示しない限り、対応するラベル付けを有する特定の順序で記載されるが、それらの要素は、その特定の順序で実施されることに限定されることを必ずしも意図していない。
本明細書で「一実施形態」または「或る実施形態」に言及することは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含められ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべて同一の実施形態を参照しているわけではなく、別々の実施形態、または代替の実施形態が、必ずしも、他の実施形態と互いに相容れないわけでもない。同じことは、「実施態様」という用語にも当てはまる。
本出願におけるクレームが範囲に含む実施形態は、(1)本明細書によって可能にされ、さらに(2)法律で認められる主題に対応する実施形態に限定される。可能にされていない実施形態、および法律で認められない主題に対応する実施形態は、クレームの範囲に含まれる場合でも、明確に請求権が放棄される。

Claims (10)

  1. 受信機のためのACR(適応クロック回復)システム(例えば、100)であって、
    前記受信機におけるパケットの着信時間に対応するパケット遅延値(例えば、D(i))を表す入力位相信号(例えば、102、112)から基準位相信号(例えば、124)を生成するACRサブシステム(例えば、120)と、
    前記入力位相信号を前記基準位相信号と比較して、前記パケット着信時間にステップ遅延が生じていることを検出し、さらに前記検出されたステップ遅延の方向および大きさを算出するステップ遅延D/M(検出および測定)サブシステム(例えば、130)と、
    前記検出されたステップ遅延の前記算出された方向および大きさに基づいて、前記ACRサブシステムの上流で、前記入力位相信号を調整するステップ遅延事前補償構成要素(例えば、110)とを備える、ACRシステム。
  2. 前記ACRサブシステムは、
    前記入力位相信号から前記基準位相信号を生成する第1の閉ループ制御プロセッサ(例えば、202)と、
    前記入力位相信号を前記基準位相信号と比較して、前記基準位相信号を基準とした前記パケット着信時間に関する遅延フロア位相オフセットを表す遅延オフセット推定信号(例えば、206)を生成する遅延オフセット推定構成要素(例えば、204)と、
    前記基準位相信号および前記遅延オフセット推定信号に基づいて、遅延オフセット補償された位相信号(例えば、212)を生成する遅延オフセット補償構成要素(例えば、210)と、
    前記遅延オフセット補償された位相信号から、補償された位相を有する回復されたクロック信号を生成するのに使用され得る出力位相信号(例えば、122)を生成する第2の閉ループ制御プロセッサ(例えば、214)とを備える、請求項1に記載の発明。
  3. 前記第2の閉ループ制御プロセッサは、前記第1の閉ループ制御プロセッサの帯域幅より大きい帯域幅を有する、請求項2に記載の発明。
  4. 前記遅延オフセット推定構成要素は、各パケットに関する遅延オフセット値を算出し、さらにパケットのスライディング・ウインドウ内で最大の遅延オフセット値を識別することによって前記遅延オフセット推定信号を生成する、請求項2に記載の発明。
  5. 前記ステップ遅延D/Mサブシステムは、タイミング・ウインドウ内の指定された数のパケットが、指定された遅延閾値より多く、それまでのパケット着信時間のセットに対応する遅延フロアを超えるパケット遅延(例えば、D(i))を有していたと判定することによって、正のステップ遅延が生じていることを検出する、請求項1に記載の発明。
  6. 前記ステップ遅延D/Mサブシステムは、パケットが、それまでのパケット着信時間のセットに対応する遅延フロアを下回るパケット遅延を有していたと判定することによって、負のステップ遅延が生じていることを検出する、請求項1に記載の発明。
  7. 前記ステップ遅延の前記検出から、前記検出されたステップ遅延の前記方向および前記大きさの前記算出の完了までの間、前記ACRサブシステムをホールドオーバ・モードにするコントローラ(例えば、140)をさらに備える、請求項1に記載の発明。
  8. 前記ステップ遅延D/Mサブシステムは、正のステップ遅延の大きさを、タイミング・ウインドウ内の各パケットに関して、それまでのパケット着信時間のセットに対応する前記基準位相信号を基準とした遅延シフト値をホールドオーバ・モードにおいて生成すること、および前記タイミング・ウインドウに関して、前記正のステップ遅延の前記大きさを表す最小遅延シフト値を算出することによって、算出する、請求項1に記載の発明。
  9. 前記ステップ遅延D/Mサブシステムは、負のステップ遅延の大きさを、タイミング・ウインドウ内の各パケットに関して、それまでのパケット着信時間のセットに対応する前記基準位相信号を基準とした遅延オフセット値をホールドオーバ・モードにおいて生成すること、および前記タイミング・ウインドウに関して、前記負のステップ遅延の前記大きさを表す最大遅延オフセット値を算出することによって、算出する、請求項1に記載の発明。
  10. パケット・システムにおける受信機においてクロック信号を回復する方法であって、
    前記受信機におけるパケットの着信時間に対応するパケット遅延値(例えば、D(i))を表す入力位相信号(例えば、102、112)から基準位相信号(例えば、124)を生成し、
    前記入力位相信号を前記基準位相信号と比較して、前記パケット着信時間にステップ遅延が生じていることを検出し、さらに前記検出されたステップ遅延の方向および大きさを算出し、そして、
    前記検出されたステップ遅延の前記算出された方向および大きさに基づいて、前記基準位相信号の前記生成の上流で、前記入力位相信号を調整する、ことを備える方法。
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