JP2011140570A - 離型剤分散液及びそれを用いたトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも離型剤を超臨界流体又は亜臨界流体に溶解又は分散させ、組成物を得る工程;及び
次いで、前記組成物を液体媒体中に噴射し、急速膨張、析出させた離型剤粒子を分散させた離型剤分散液を得る工程;
を有することを特徴とする離型剤分散液の製造方法、及び前記離型剤分散液の製造方法により得られた離型剤分散液を用いて作製されたトナー。
【選択図】なし
Description
静電荷像を現像する方式には、大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料が分散されている液体現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法等のように、天然又は合成樹脂にカーボンブラック等の着色剤が分散されている乾式現像剤(以下、トナーと称する)を用いる乾式現像方式があり、近年乾式現像方式が広く使用されている。
またポリエステル系樹脂からなるトナーを水中で有機溶媒を用いて球形化したトナー(特許文献2参照)、イソシアネート基を有するプレポリマーとアミン類を反応させることにより得られるトナー(特許文献3参照)が開示されている。
(1)少なくとも離型剤を超臨界流体又は亜臨界流体に溶解又は分散させ、組成物を得る工程;及び
次いで、前記組成物を液体媒体中に噴射し、急速膨張、析出させた離型剤粒子を分散させた離型剤分散液を得る工程;
を有することを特徴とする離型剤分散液の製造方法。
(2)前記離型剤分散液の離型剤粒子が、メジアン径(D50)が0.60μm以下であり、かつ粒径が1.0μm以上の離型剤含有率が5.0%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の離型剤分散液の製造方法。
(3)前記離型剤分散液の離型剤粒子が、メジアン径(D50)が0.50μm以下であり、かつ粒径が0.8μm以上の離型剤含有率が5.0%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の離型剤分散液の製造方法。
(4)前記液体溶媒が分散剤を含有していることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法。
(5)前記超臨界流体及び亜臨界流体が少なくとも二酸化炭素を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法により得られたことを特徴とする離型剤分散液。
(7)前記(6)に記載の離型剤分散液を用いて作製されたことを特徴とする画像形成用トナー。
(8)前記画像形成用トナーのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする前記(7)に記載の画像形成用トナー。
(9)前記画像形成用トナーの重量平均粒径が3〜15μmであることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の画像形成用トナー。
(10)前記画像形成用トナーの重量平均粒径/個数平均粒径が1.25以下であることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(11)前記(7)〜(10)のいずれかに記載の画像形成用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
本発明の離型剤分散液の製造方法は、少なくとも離型剤を超臨界流体又は亜臨界流体に溶解又は分散させ、組成物を得る工程;及び
次いで、前記組成物を液体媒体中に噴射し、急速膨張、析出させた離型剤粒子を分散させた離型剤分散液を得る工程を有する。このように離型剤分散液を作製することにより、離型剤粒子のメジアン径(D50)が0.60μm以下、かつ粒径が1.0μm以上の離型剤含有率が5.0%以下とすることができる。また、本発明には、前記離型剤分散液を用いて作製されることを特徴とする画像形成用トナーも含まれる。
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これらの流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテルなどが好適に挙げられる。これらの中でも、臨界温度が約31.3℃と常温(25℃)に近く、臨界圧力が約7.37MPaと低く、かつ不燃性、無極性、無害、安価、安全性に優れる点で、二酸化炭素が特に好ましい。二酸化炭素は、比較的低温で超臨界流体となるので二酸化炭素を用いることによって、加熱に必要なエネルギーを低減することができる。前記超臨界流体および前記亜臨界流体は、1種単独で単体として使用してもよいし、2種以上を併用して混合物として使用してもよい。
離型剤を溶解又は分散させる超臨界流体及び亜臨界流体の圧力としては、使用する前記超臨界流体または前記亜臨界流体の臨界圧力以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができが、5MPa〜100MPaが好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えばワックス類、等が好適に挙げられる。前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックス等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
前記離型剤の前記トナー粒子における含有量としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜40質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。前記含有量が40質量部を超えると、低温定着性の阻害や画質の劣化(光沢度が高すぎる)を生ずることがある。
離型剤のトナー表面露出量はFT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置)「Avatar370/ThermoElectron社製」を使用し、ATR法(全反射法)によって測定することができる。
−分散剤−
前記分散剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス分散剤類、等が好適に挙げられる。前記ワックス分散剤としては、例えば、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα、β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
上記のワックスとの相溶性の高いユニットとしては、炭素数が12以上の長鎖アルキル基や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンとそれらの共重合体があり、樹脂との相溶性の高いユニットとしては、ポリエステル、ビニル系樹脂などが挙げられる。これらを用いることで微粒子化した離型剤の合着・凝集を防止できる。
本発明の画像形成用トナーは、上述した離型剤分散液を用いて製造される。
−トナー−
本発明のトナーとしては、本発明の離型剤分散液を用いて得られるトナーであること以外は特に制限はなく、公知のものの中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁重合法、分散重合法、乳化凝集法、ポリマー溶液懸濁法、ポリマー伸長法等によって製造されたケミカルトナー等が挙げられる。なかでもポリマー溶液を水系媒体中に懸濁させてトナー粒子を得る方法や、ポリマー伸長法によりトナー粒子を得る方法が好ましく、特に、ポリマー伸長法において、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を少なくとも反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつトナー粒子を形成し、必要に応じて、樹脂微粒子、着色剤、未変性ポリエステル樹脂、帯電制御剤等の成分を含んでなるトナー粒子とするのが好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂,ポリアクリル樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1000以上が好ましく、2000〜1000000がより好ましく、8,000〜50000が特に好ましい。
前記質量平均分子量が、1000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記活性水素基含有ポリエステル樹脂の活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、またはDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.0.1〜1がより好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、耐オフセット性が悪化することがあり、1未満であると、合成時にゲル化することがある。
前記イソシアネート基の平均数が、2未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶媒、これらの混合物、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記無機微粒子は、前記トナーの外添剤として好適に使用することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子の前記トナー粒子における含有量としては、0.5〜8.0質量%が好ましく、0.6〜7.0質量%がより好ましい。該含有量が、0.5質量%未満であると、前記トナーの保存性が悪化してしまい、保管時乃至使用時にブロッキングの発生が見られることがあり、8.0質量%を超えると、前記樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、十分な離型性が得られず、オフセットが発生することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち互いに相溶可能な類似の構造であることが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1〜40が好ましく、4〜30がより好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃以上が好ましく、80〜120℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、50℃未満であると、耐熱保存性および低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、70〜150℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、60℃未満であると、耐熱保存性および低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(T1/2)が、60℃未満であると、耐熱保存性および低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
また、トナーの耐熱保存性能はトナー粒子のガラス転移温度に依存する為、トナーのガラス転移温度を40℃〜70℃に設計することが好ましい。つまり、40℃未満では耐熱保存性が不足し、70℃を超えると低温定着に悪影響を及ぼす。
トナーのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)曲線により測定することができる。
前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は例えば、imagio Neo450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は例えば、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(東亜医用電子株式会社製)等を用いて計測することができる。
前記重量平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、15μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記工程では例えば水系媒体相の調製、有機溶媒相の調製、乳化・分散、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成など)を行う。
また、前記離型剤分散液は、離型剤を超臨界流体又は亜臨界流体に溶解または分散させた組成物を液体媒体中に噴射し得られたものであるが、該離型剤分散液を前記有機溶媒相に添加する際に、樹脂を添加し、複合化させてから有機溶媒相に添加しても良い。該樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものから適宜選択することができ、例えばポリエステル樹脂等を好ましく用いることができる。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー原料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記有機溶媒相を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記有機溶媒相を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記有機溶媒相を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物またはこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものなどが挙げられる。該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法などによって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記乳化・分散においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、などが挙げられる。
去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などが挙げられる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
以上の工程により、前記トナー粒子が形成される。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリアなどの適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。本発明のトナーとしての前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性および画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
<離型剤分散液1の作製>
融点75℃のパラフィンワックスを耐圧容器内に入れ、超臨界流体として温度120℃、圧力30MPa一定の二酸化炭素にワックスを溶解させてワックス含有組成物を得た後、このワックス含有組成物を酢酸エチル溶液中に噴射することにより離型剤分散液1(WD1)を得た。超臨界流体の流量は5.0L/minであり、酢酸エチルに対するワックスの固形分濃度が12.2%であるワックス分散液1が1時間当り11.3kg得られた。
得られた離型剤分散液1のワックス分散粒子のメジアン径D50及び粒径が1.0μm以上の含有率、0.8μm以上含有率を光散乱式粒子径測定装置(堀場製作所LA−920)にて測定した。具体的には、酢酸エチル100〜200mlに分散剤を10wt%溶かした酢酸エチル1〜2mlを加え、離型剤分散液1を透過率が70〜95%になるまで加え、超音波処理を1.75分間行い測定した。メジアン径D50は0.52μm、粒径が1.0μm以上の含有率は0.0%、粒径が0.8μm以上の含有率は5.3%、D80/D20は1.61であった。
<離型剤分散液2の作製>
大気開放する液体媒体である酢酸エチルにワックス分散剤(スチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、共重合比80/10/10(mol%))10wt%溶かした以外は離型剤分散液1の作製と同様にして、離型剤分散液2(WD2)を作製した。酢酸エチルに対するワックスの固形分濃度が12.2%であるワックス分散液2が1時間当り10.9kg得られた。
<離型剤分散液3の作製>
ワックス種を融点85℃のカルナウバワックスとした以外は離型剤分散液2の作製と同様にして、離型剤分散液3(WD3)を作製した。酢酸エチルに対するワックスの固形分濃度が12.2%であるワックス分散液3が1時間当り10.5kg得られた。
<離型剤分散液4の作製>
大気開放する液体媒体をスチレンモノマーとした以外は離型剤分散液1と同様にして離型剤分散液4(WD4)を作製した。液体媒体に対するワックスの固形分濃度が12.2%であるワックス分散液4が1時間当り10.3kg得られた。
<離型剤分散液5の作製>
酢酸エチルにワックス分散剤(スチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、共重合比80/10/10(mol%))を10wt%溶かした溶媒にパラフィンワックスを仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で離型剤分散液5(WD5)を得た。1時間当りの処理量は6.8kg/hrであった。
−トナーの製造−
<トナー形成工程>
ポリマー伸長法によるトナーの作製
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、質量平均分子量は15万であった。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、質量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
(ワックス分散液1の作製)
実施例1で得られた離型剤分散液1に低分子ポリエステル1を20wt%溶解させ、ワックス分散液1を作製した。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、質量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物]を得た。[ケチミン化合物]のアミン価は418であった。
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂(分子量約25000)1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]369部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル647部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラックの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、ワックス分散液1を363部加え[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・ワックス分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで1分間混合し[乳化スラリー1]を得た。撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶媒した後、40℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径5.36μm、個数平均粒径4.76μm(マルチサイザーIIで測定)であった。
前記[分散スラリー1]全量を減圧濾過した後
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに蒸留水100部を加え、TKホモミキサーで混合(12,000rpmで30分間)後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
得られた重合体[トナー1]100質量部に、疎水化処理が施された平均粒子径12nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて表面処理を行い、常法により、現像剤1を作製した。
実施例2で得られた離型剤分散液2に低分子ポリエステル1を20wt%溶解させ、ワックス分散液2を作製した。
実施例5において、ワックス分散液1をワックス分散液2とした以外は実施例5と同様にして、現像剤2を得た。
(実施例7)
実施例3で得られた離型剤分散液3に低分子ポリエステル1を20wt%溶解させ、ワックス分散液3を作製した。
実施例5において、ワックス分散液1をワックス分散液3とした以外は実施例5と同様にして、現像剤3を得た。
−水系分散媒体の調製−
イオン交換水710質量部に0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットルのCaCl2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
カーボンブラック(Printex35 デクサ製)10質量部、サリチル酸金属化合物3質量部、及び離型剤分散液4を5,100質量部、アトライター(三井三池化工機製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を調製した。
得られた着色剤分散液に、スチレン単量体65質量部と、n−ブチルアクリレート35質量部と、低分子ポリエステル1を20質量部を添加し、60℃に加温し、30分間溶融混合し、分散質系を調製した。
得られた分散質系に、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
得られた重合性単量体組成物を、前記水系分散媒中に投入し、攪拌機(TK式、特殊機化工社製)を用い、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。次いで、内温80℃、装置内圧力47.3kPaの条件下で4時間蒸留を行った。蒸留終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO4)2を溶解させ質量平均粒径7.6μmの湿潤着色重合体粒子(トナー)のスラリー1を得た。
得られた重合体(トナー)100質量部に、疎水化処理が施された平均粒子径12nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて表面処理を行い、常法により、現像剤4を作製した。
実施例2で得られた離型剤分散液2を2時間放置したところ、離型剤分散粒子のメジアン径D50は0.23μm、粒径が1.0μm以上の含有率は0.0%、粒径が0.8μm以上の含有率は0.0%、D80/D20は1.56となった。この分散液に低分子ポリエステル1を20wt%溶解させ、ワックス分散液6を作製した。
実施例5において、ワックス分散液1をワックス分散液6とした以外は実施例5と同様にして、現像剤5を得た。
(比較例2)
比較例1で得られた離型剤分散液5に低分子ポリエステル1を20wt%溶解させ、ワックス分散液5を作製した。
実施例5において、ワックス分散液1をワックス分散液5とした以外は実施例5と同様にして、現像剤6を得た。
(トナー粒径)
トナーの平均粒径及び粒度分布はカーコールターカウンター法による。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。本発明においてはコールタ−カウンタ−TA−II型を用いて、個数分布、重量分布を出力するインターフェイス(日科技研)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)接続し測定した。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。本発明に係わる重量分布から求めた重量基準の重量平均粒径(Dw)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dw/Dnを求めた。
ガラス転移温度の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用い、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(定着上限温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/秒、面圧1.2kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/秒、面圧2.5kgf/cm2、ニップ幅5.0mmと設定した。
トナーを55℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。以下の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20〜30%
○:10〜20%
◎:10%未満
得られた各現像剤について、タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙8000枚に対して、繰り返し行った。得られたベタ画像の画像濃度を、初期および8000枚耐久後について目視で観察し、下記基準に基づき評価した。なお得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。
〔評価基準〕
○:初期および8000枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた
。
△:8000枚耐久後において、やや画像濃度が低下し、画質が低下した。
×:8000枚耐久後において、著しく画像濃度低下し、画質が大きく低下した。
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを出力し、フィルミング発生枚数を評価した。
Claims (11)
- 少なくとも離型剤を超臨界流体又は亜臨界流体に溶解又は分散させ、組成物を得る工程;及び
次いで、前記組成物を液体媒体中に噴射し、急速膨張、析出させた離型剤粒子を分散させた離型剤分散液を得る工程;
を有することを特徴とする離型剤分散液の製造方法。 - 前記離型剤分散液の離型剤粒子が、メジアン径(D50)が0.60μm以下であり、かつ粒径が1.0μm以上の離型剤含有率が5.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の離型剤分散液の製造方法。
- 前記離型剤分散液の離型剤粒子が、メジアン径(D50)が0.50μm以下であり、かつ粒径が0.8μm以上の離型剤含有率が5.0%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の離型剤分散液の製造方法。
- 前記液体溶媒が分散剤を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法。
- 前記超臨界流体及び亜臨界流体が少なくとも二酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の離型剤分散液の製造方法により得られたことを特徴とする離型剤分散液。
- 請求項6に記載の離型剤分散液を用いて作製されたことを特徴とする画像形成用トナー。
- 前記画像形成用トナーのガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成用トナー。
- 前記画像形成用トナーの重量平均粒径が3〜15μmであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成用トナー。
- 前記画像形成用トナーの重量平均粒径/個数平均粒径が1.25以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
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