JP2011139579A - パワーコンディショナとこれを備えた発電システム - Google Patents

パワーコンディショナとこれを備えた発電システム Download PDF

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若山  義洋
Naoki Taoda
直樹 峠田
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政宏 森
Kiyoharu Inoue
清晴 井上
Yoshikazu Hamaya
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Abstract

【課題】 パワーコンディショナ3の回路素子に温度異常が発生しても、電力変換と発電運転の双方を継続できるようにする。
【解決手段】 本発明は、発電装置1が出力する直流電圧を所定電圧に変換するコンバータ部10と、このコンバータ部10が出力する直流電圧を交流電圧に変換して商用電源系統2に供給するインバータ部11とを備えたパワーコンディショナ3に関する。このコンディショナ3は、運転時に発熱を伴う回路素子の温度を計測する温度センサS4,S5と、回路素子の温度が所定の閾値Tth以上になると、インバータ部11に対する入力電流値を低めに更新し、その更新した電流値で発電するように発電装置1に指令を発する設定更新部15Bとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パワーコンディショナとこれを備えた発電システムに関する。より具体的には、燃料電池その他の発電装置を商用電源系統と連系させるパワーコンディショナと、その発電装置とパワーコンディショナを備えた発電システムに関する。
燃料電池や太陽電池等の自家発電設備(発電装置)を電力会社の商用電源系統に連系して運用することにより、効率的に発電して節電を図る発電システムが既に実施されている。かかる発電システムでは、発電装置と商用電源系統とを互いに連系させるためのパワーコンディショナが設けられる。
このパワーコンディショナは、発電装置の直流電力を系統に同期する交流電力に変換する構成部として、発電された直流電圧を昇圧するコンバータ部と、コンバータ部で昇圧された直流電圧を系統と同期のとれた交流電圧に変換するインバータ部とを備えている。
上記発電システムに用いるパワーコンディショナとして、インバータ部を構成するスイッチング素子やチョークコイル等よりなる発熱部品の温度を計測する複数の温度センサを設け、これらのセンサの計測値に基づいてインバータの出力を制限或いは停止させることにより、スイッチング素子の熱破壊や、その他の発熱部品に生じる温度異常に起因する品質劣化を防止するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
もっとも、この特許文献1では、パワーコンディショナでの部品温度が異常値になった場合に、発電装置をどのように制御するかについては考慮されていない。
特開2001−238466号公報
上記発電システムに用いる発電装置としては、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)や固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)よりなる発電装置(以下、「燃料型発電装置」ということがある。)のように、起動から発電開始までの準備に長時間を要するものがある。
その一方で、パワコンの雰囲気温度や冷却ファンの停止等の原因により、発熱部品が損傷していなくても、その温度が一時的に上昇することがあり、発熱部品の温度上昇が必ずしもパワーコンディショナの故障に繋がらない場合がある。
このため、パワコン側の温度異常のためにインバータ部の出力を制限又は停止する場合において、その度に燃料型発電装置を停止させるようにすると、温度異常の原因がさほど深刻でない場合でも常に発電装置が停止することになる。
この場合、燃料型発電装置の発電開始までに長時間を要するので、所定の電力に回復するまでの間は系統電力を使用せざるを得ず、本来不要であった買電が必要になるという不都合がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、パワーコンディショナの回路素子に温度異常が発生しても、電力変換と発電運転の双方を継続することができるパワーコンディショナとこれを有する発電システムを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、発電装置が出力する直流電圧を所定電圧に変換するコンバータ部と、このコンバータ部が出力する直流電圧を交流電圧に変換して商用電源系統に供給するインバータ部とを備えたパワーコンディショナであって、運転時に発熱を伴う回路素子の温度を計測する温度センサと、前記回路素子の温度が所定の閾値以上になると、前記インバータ部に対する入力電流値を低めに更新し、その更新した電流値で発電するように前記発電装置に指令を発する設定更新部とを備えていることを特徴とする。
本発明のパワーコンディショナによれば、上記設定更新部が、回路素子の温度が所定の閾値以上になると、インバータ部に対する入力電流値を低めに更新し、その更新した電流値で発電するように発電装置に指令を発するので、パワーコンディショナで温度異常が発生しても、電力変換と発電運転の双方を継続することができる。
このため、パワーコンディショナで温度異常が発生すると一律に発電装置を停止させる場合に比べて、発電装置をより有効に活用することができる。
(2) 本発明のパワーコンディショナにおいて、前記設定更新部は、前記回路素子の温度が前記閾値未満になるまで、前記入力電流値を所定量ずつ低めに更新し続けることが好ましい。
この場合、インバータ部に対する入力電流値が所定量ずつ段階的に低下するので、発電装置の出力が早期に回復できる時点で更新が不要になる可能性が高くなる。このため、インバータ部に対する入力電流値を一気に低下させる場合に比べて、発電装置をより有効に活用することができる。
(3) また、本発明のパワーコンディショナにおいて、前記設定更新部は、前記入力電流値を低めに更新しても前記計測値に変化がない場合には、前記インバータ部の駆動を停止させるとともに、発電を停止する指令を前記発電装置に送信することが好ましい。
その理由は、インバータ部に対する入力電流値を低めに更新しても、回路素子の温度に変化がない場合には、回路素子に深刻な異常があると推定できるので、パワーコンディショナと発電装置をともに停止させるべきだからである。
(4) 本発明のパワーコンディショナにおいて、温度計測の対象となる前記回路素子としては、運転時に発熱を伴う回路素子であれば特に限定されないが、例えば、前記コンバータ部又は前記インバータ部若しくはこれらの双方に搭載されたリアクトルとすることができる。
(5) ここで、上記リアクトルは、直流バイアス電流値に達するとインダクタンスが急激に低下する特性があるので、特にインバータ部を構成するコイルの場合には、当該コイルが直流バイアス電流値を超えると、パワーコンディショナが正常な出力波形(正弦波)を維持できなくなる恐れがある。
そこで、温度計測の対象となる回路素子がインバータ部のコイルである場合には、前記設定更新部は、前記コイルが前記温度センサの現在の検出温度に対する直流バイアス電流値に達しないように前記入力電流値を更新することが好ましい。
このようにすれば、インバータ部に対する入力電流値を更新した後においても、インバータ部が正常な出力波形を維持することができ、安定した交流電力を生成することができる。
(6) 本発明の発電システムは、燃料側発電装置よりなる前記発電装置と、この発電装置の出力側に前記コンバータ部の入力側が接続された本発明のパワーコンディショナとを備えたものであり、本発明のパワーコンディショナと同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、パワーコンディショナの回路素子の温度異常が発生しても、電力変換と発電運転の双方を継続することができる。このため、パワーコンディショナでの温度異常が発生すると一律に発電装置を停止させる場合に比べて、発電装置をより有効に活用することができる。
第1実施形態に係るパワーコンディショナを用いた発電システムの概略構成を示す回路図である。 パワーコンディショナのコンバータ部の概略構成を示す回路図である。 DCリンク電圧の目標電圧範囲を示す説明図である。 第2実施形態に係るパワーコンディショナを用いた発電システムの概略構成を示す回路図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
〔システムの概略構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るパワーコンディショナ3を用いた発電システムの概略構成を示している。
図1に示すように、本実施形態の発電システムは、発電装置1の一種である燃料電池と、この発電装置1を商用電源系統(以下、単に「系統」ということがある。)2に連系させるためのパワーコンディショナ3と、発電装置1の補機6に対して電力を供給する補機電源部(補機6への電力供給手段)4とを主要部として備えている。
上記燃料電池は、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを供給し、水素と酸素を化学反応させて発電する発電装置であって、これによって発電された電力は直流電圧として出力される。
燃料電池は、使用する電解質や運転温度(スタック5の温度)の相違により数種類に分類されるが、本実施形態では、電解質にイオン伝導性セラミックスを用いた固体酸化物型燃料電池(SOFC)を用いている。
図1に示すように、本実施形態の燃料型発電装置1は、発電部(スタック)5と、補機6と、FC制御部7とを有する。
SOFCよりなる発電装置1は、運転温度が数百度(例えば、800〜1000℃程度)と高温であることから、起動開始から発電開始に至るまでの起動準備に1時間以上を必要とするが、発電運転(定常運転)が開始されると、例えば、70〜180Vの直流電圧が発電部5から出力されるように構成されている。つまり、発電装置1の定常運転時の出力電圧範囲は、70〜180Vである。
補機6は、発電装置1を動作させるための周辺機器であり、発電装置1の起動準備中や発電運転中に動作するブロワやポンプなどの電気負荷(図示せず)によって構成されている。この電気負荷は、例えば、直流電圧(DC24V)で駆動されるモータなどである。
なお、補機6を構成するブロワやポンプは、燃料電池1の起動中及び起動準備中にオン/オフを繰り返すことから、その動作中における動作電流の変動は極めて激しい。
FC制御部7は、記憶装置や演算装置を含むマイコンを制御中枢として備えた、プログラマブルな制御装置よりなる。
このFC制御部7は、発電部5の出力電圧や出力電流、補機6の状態などを監視する各種センサ類(図示せず)から得られる情報と、後述するPC制御部15との通信によって得られるパワコン3側の情報とに基づいて、補機6を含む発電装置1の各部の動作を制御する。
商用電源系統2は、商用電源8(例えば、3相のAC200V)から供給される交流電力と、この交流電力を家庭内の電気負荷9に供給するための電源ラインと、分電盤とを備えており、パワーコンディショナ3を介して発電装置1と系統連系されている。
パワーコンディショナ3は、発電装置1を商用電源系統2に連系させるための装置であって、図1に示すように、コンバータ部10と、インバータ部11と、DCリンク部12と、ACブリッジ回路部13と、スイッチ回路部14と、PC制御部15とを主要部として備えている。
〔パワーコンディショナの構成〕
上記コンバータ部10は、発電装置1から出力される直流電圧を所定の直流電圧に変換するDC/DCコンバータで構成されており、発電装置1の発電部5から出力される直流電力を、インバータ部11において商用電源系統2に供給可能な電力(例えば、AC200V)の生成ができる状態にまで昇圧して、DCリンク部12に供給する。
図2に示すように、本実施形態のコンバータ部10は、Hブリッジ回路17と直並列回路18とを備えている。
Hブリッジ回路17は、共振型スイッチング方式のスイッチング素子と2個の昇圧トランスとを備え、これらの各トランスの巻数比に応じて昇圧された2つの直流電圧出力が、直並列回路18における直列・並列の回路切り替えによって1又は2倍に昇圧されるようになっている。
すなわち、コンバータ部10は、発電部5からの入力電圧を、トランスの巻数比(本実施形態では、2.2倍)と、直並列回路の回路切り替え(並列は1倍、直列は2倍であるので、1〜2倍の範囲内で制御可能)とによって昇圧する。
なお、本実施形態のコンバータ部10は、トランスを備えた絶縁型のDC/DCコンバータであるから、発電装置1と商用電源系統2とは、このコンバータ部10によって電気的に縁切りされている。
一方、インバータ部11は、生成した交流電圧を商用電源系統2に供給する正動作と、商用電源系統2から供給される交流電圧を直流電圧に変換してDCリンク部12に出力する逆動作とが可能なDC/ACインバータ回路により構成されている。
具体的には、本実施形態のインバータ部11は、DCリンク部12を介してコンバータ部10と接続された系統連系型のインバータ回路よりなる。このインバータ回路は周知の電流制御型のものであり、コンバータ部10が出力する直流電圧を所定の交流電圧(例えば、AC200V)に変換するFETブリッジと、PWMの矩形波を正弦波に変換するチョークコイルとから主構成されている。
インバータ部11の商用電源系統側にはスイッチ回路部14が設けられている。インバータ部11は、このスイッチ回路部14の接点A側に接続され、スイッチ回路部14を介して商用電源系統2との連系ができるように構成されている。
また、このインバータ部11のコンバータ部10側(つまり、インバータのDCリンク)には、大容量のDCリンクコンデンサ12aがコンバータ部10と並列に接続されており、これにより、DCリンク部12が形成されている。
ACブリッジ回路部13は、商用電源系統2(商用電源8)から供給される交流電圧を所定の直流電圧(例えば、DC280V)に変換してDCリンク部12に供給する整流回路である。
図1に示すように、ACブリッジ回路部13の入力側がスイッチ回路部14の接点B側に接続されるとともに、出力側が上記DCリンク部12に接続されている。なお、このACブリッジ回路部13には平滑回路が備えられていてもよい。
スイッチ回路部14は、商用電源系統2とパワーコンディショナ3の接続部に介装されており、インバータ部11又はACブリッジ回路部13のいずれを商用電源系統2に接続するかを選択する切り替えスイッチである。
このスイッチ回路部14の接点は、後述するPC制御部15によって制御可能であり、スイッチ接点をA側に接続することで商用電源系統2とインバータ部11とが接続される。また、スイッチ接点をB側に接続することで商用電源系統2とACブリッジ回路部13とが接続される。
本実施形態のパワーコンディショナ3では、このスイッチ回路部14が、発電装置1の発電システムと商用電源系統2とを連系させる系統連系スイッチとして機能しており、系統連系させないときはスイッチ接点が接点B側に接続される。
また、スイッチ回路部14の接点を構成するリレーは、図示しないリレー駆動回路が非通電のときには、接点をB側に接続するようになっており、リレー回路に通電することによって接点がA側に接続される。
なお、本実施形態では、スイッチ回路部14を系統連系スイッチとして用いているが、系統連系スイッチをスイッチ回路部14とは別に設けることも可能である。つまり、このスイッチ回路部14と直列に、別途系統連系を解列可能なスイッチ回路(系統連系リレー)を設けることも可能である。
PC制御部15は、記憶装置や演算装置を含むマイコンを制御中枢として備えた、プログラマブルな制御装置よりなる。
このPC制御部15は、発電装置1からの入力電圧、入力電流、スタック温度を監視する各種センサ類から得られる情報、FC制御部7から得られる発電装置1側の情報、図示しない発電システムのリモコン(操作部)から得られる情報などに基づいて、パワーコンディショナ3の各部の動作を制御するとともに、発電システム全体の制御も行うことができる。
具体的には、PC制御部15は、上記コンバータ部10やインバータ部11の動作及び停止の制御や、スイッチ回路部14のスイッチ接点の切替制御などを行うほか、発電装置1のFC制御部7に対して各種指令(例えば、発電装置1の起動開始や起動停止の指令など)を行うことができる。
なお、このPC制御部15は、補機6の場合と同様に、発電装置1が発電を行っていないときでも動作できるように、駆動電源がDCリンク部12から供給される。
補機電源部4は、発電装置1の補機6に供給する直流電圧(例えば、DC24V)を生成する電源装置である。
本実施形態では、この補機電源部4として、コンバータ部10とは別体に構成された絶縁型のDC/DCコンバータが用いられている。すなわち、補機電源部4は、その入力側がDCリンク部12に接続され、DCリンク部12から直流電力の供給を受けるようになっており、その出力側が補機6に接続されている。なお、この補機電源部4は、絶縁型のDC/DCコンバータを用いているので、この補機電源部4によって補機6(発電装置1)と商用電源系統2とは縁切りされている。
また、本実施形態では、上記DCリンクコンデンサ12aとして、素子の耐圧が450Vである540μFのコンデンサが用いられている。また、補機電源部4の入力側のコンデンサ(図示せず)には150μFのコンデンサ、上記DCリンク部12とPC制御部15との間に介在するPC制御部用の電源(図示せず)の入力側コンデンサには15μFのコンデンサが用いられている。
〔補機への電力供給〕
なお、本実施形態のパワーコンディショナ3では、補機6への電力供給は以下のようにして行われる。
すなわち、発電装置1が定常運転を行っていない場合(発電装置1が停止中または起動準備中の場合)には、PC制御部15は、スイッチ回路部14の接点をB側に接続する。これにより、商用電源8からの交流電力がACブリッジ回路部13を介してDCリンク部12に与えられ、DCリンク部12を介して補機電源部4に電力が供給される。
これに対して、発電装置1が定常運転である場合には、補機6にはコンバータ部10から出力される発電電力が供給される。
すなわち、この場合、PC制御部15は、スイッチ回路部14の接点をA側に接続し、インバータ部11と商用電源系統2とを連系状態にする。この状態では、コンバータ部10から出力される電力がDCリンク部12に接続された電源ラインを介して補機電源部4に供給される。つまり、DCリンク部12と補機電源部4とを接続する電源ラインが、補機6に電力を供給するための電力供給手段として機能する。
〔温度センサ〕
図1に示すように、本実施形態のパワーコンディショナ3では、コンバータ部10とインバータ部11に、その回路を構成する回路素子の温度を計測する温度センサS4,S5が設けられている。
具体的には、コンバータ部10の温度センサS4は、Hブリッジ回路17を構成する前記昇圧トランス(リアクトル)の温度を計測する接触式又は非接触式の温度センサよりなる。
また、インバータ部11の温度センサS5は、PWMの矩形波を正弦波に変換する前記チョークコイル(リアクトル)の温度を計測する接触式又は非接触式の温度センサよりなる。
なお、コンバータ部10やインバータ部11に使用する上記トランスやコイルは、絶縁種別によって耐熱温度が決められており、例えば本実施形態では、耐熱温度が130°Cである絶縁B種のものを使用している。
上記温度センサS4,S5の計測信号は、それぞれPC制御部15に入力され、同制御部15の設定更新部15Bが、その計測値に基づいてインバータ部11の入力電流値を低めに更新する制御を行う。なお、この更新制御の詳細については後述する。
〔PC制御部の各機能部〕
PC制御部15の記憶装置は、その演算装置が実行する回路制御等のためのコンピュータプログラムを記憶しており、そのコンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、起動制御部15A、設定更新部15B、コンバータ制御部15C及びインバータ制御部15Dを備えている。
以下、これらの制御部15A〜15Dごとの動作を説明することにより、PC制御部15における処理内容を明らかにする。
〔起動制御部の処理内容〕
まず、発電装置1のFC制御部7は、ユーザ操作等によって与えられる発電運転の開始指令に基づいて、補機6を動作させて発電運転を起動する。
起動制御部15Aは、発電装置1の出力電流値(従って、パワコン3に対する入力電流値)をFC制御部7から予め取得しているとともに、コンバータ部10の入力側に設けられた電圧センサS1と電流センサS2(図1参照)の検出値により、コンバータ部10に対する現時の入力電圧と入力電流を常に監視している。
起動制御部15Aは、発電部5での化学反応が安定して電流センサS2の検出値が発電装置1から指示された所定値を継続し、かつ、電圧センサS1の検出値が予め設定された動作開始入力電圧Vs以上になったことを条件に、後述のコンバータ制御部15C及びインバータ制御部15Dを起動させる。
上記動作開始入力電圧Vsは、発電装置1の出力電圧範囲に基づいて設定されている。発電部5の定常運転時の出力電圧範囲は、通常、70〜180Vとなっており、この範囲内で動作開始入力電圧Vsが設定される。
もっとも、本実施形態では、動作開始入力電圧Vsが、発電装置1の出力電圧範囲の下限値に近傍の電圧値(例えば、100V)に設定されており、これにより、発電装置1が定常運転の起動準備を開始してから、早い段階でパワーコンディショナ3を起動させるようにしている。
なお、起動制御部15Aは、電圧センサS1の検出値が動作開始入力電圧Vs未満となった場合には、パワーコンディショナ3の動作を停止させて、系統と解列させる。
〔コンバータ制御部の処理内容〕
PC制御部15の記憶装置には、コンバータ部10の入力電圧に見合ったDCリンク電圧Vdcの目標電圧値Vtと、その許容範囲である目標電圧範囲Z1が予め設定されている。
上記目標電圧値Vtは、商用電源系統2として3相AC200Vが用いられる本実施形態の場合には、例えば、系統過電圧判定値の最大値(=240√2V≒340V)にマージンα(=50V)を加算した電圧値(=390V)に設定される。
図3は、DCリンク電圧Vdcの目標電圧範囲Z1を示す説明図である。
図3に示すハッチング部分が、DCリンク電圧Vdc目標電圧範囲Z1であり、この範囲Z1は、目標電圧値Vt(=390V)の上位側に、一定の許容量ΔVtが設定され、下位側にそれと同じ絶対値の許容量ΔVt(本実施形態では、ΔVt=15V)が設定されている。
従って、目標電圧範囲Z1を不等式で示すと、次の通りである。
Z1:Vt−ΔVt≦Vdc≦Vt+ΔVt
PC制御部15のコンバータ制御部15Cは、DCリンク部12に設けた電圧センサS3(図1参照)の検出値によりDCリンク電圧Vdcを常に監視しており、この電圧センサS3の検出値に基づいて、DCリンク電圧Vdcが目標電圧範囲Z1内に収まるようにコンバータ部10の出力電圧をフィードバック制御する。
具体的には、コンバータ制御部15Cは、電圧センサS3で検出されるDCリンク電圧Vdcが目標電圧範囲Z1の下限値(Vt−ΔVt)未満である場合には、コンバータ部10の直並列回路18に対するデューティを、現状よりも2ポイントだけプラスする。
逆に、コンバータ制御部15Cは、電圧センサS3で検出されるDCリンク電圧Vdcが第1範囲Z1の上限値(Vt+ΔVt)を超える場合には、コンバータ部10の直並列回路18に対するデューティを、現状よりも2ポイントだけマイナスする。
なお、上記フィードバック制御において、デューティポイントのプラスは、直列側にスイッチングして出力電圧を増加させることを意味し、マイナスは、並列側にスイッチングして出力電圧を減少させることを意味する。また、本実施形態では、デューティポイントは、1ポイントあたり出力電圧を0.11%変動させることを意味する。
〔インバータ制御部の処理内容〕
PC制御部15のインバータ制御部15Dは、PWMのデューティを変更することにより、DCリンク部12の直流電圧を交流電圧に変換するインバータ部11の出力電流を調節可能となっている。
本実施形態のインバータ制御部15Dは、後述する設定更新部15Bから入力電流値の更新情報がない場合は、FC制御部7から通知された初期の入力電流値(例えば、7A)となるようにインバータ部11のFETブリッジを駆動する。
一方、インバータ制御部15Dは、設定更新部15Bから入力電流値の更新情報があった場合は、その更新された入力電流値(例えば、6A等)となるようにインバータ部11のFETブリッジを駆動する。
〔設定更新部の処理内容〕
PC制御部15の設定更新部15Bは、各温度センサS4,S5からの計測信号に基づいて、コンバータ部10の昇圧トランスの温度T1と、インバータ部11のチョークコイルの温度T2とを常に監視しており、それらの温度T1,T2を所定の閾値Tth(例えば、110°C)と比較する。
設定更新部15Bは、上記温度T1,T2のいずれか一方が閾値Tth以上となると、FC制御部7から通知された初期電流値A0(=7A)を、それよりやや低い第1電流値A1(=6A)に更新し、この第1電流値A1をインバータ制御部15DとFC制御部7に通知する。
これにより、インバータ制御部15Dは、入力電流値が第1電流値A1(=6A)となるようにインバータ部11を制御し、FC制御部7は、出力電流が第1電流値A1となるように発電部5を制御する。
設定更新部15Bは、第1電流値A1での運転が継続している間も、温度T1,T2を閾値Tthと比較しており、所定時間が経過しても温度T1,T2が閾値Tth以上である場合には、第1電流値A1を、それより更に低い第2電流値A2(=5A)に更新し、この第2電流値A2をインバータ制御部15DとFC制御部7に通知する。
これにより、インバータ制御部15Dは、入力電流値が第2電流値A2(=5A)となるようにインバータ部11を制御し、FC制御部7は、出力電流が第2電流値A2となるように発電部5を制御する。
以下、同様にして、設定更新部15Bは、温度T1,T2が閾値Tth未満になるまで、インバータ部11の入力電流値が1Aずつ低くなるように更新し、その更新した入力電流値をインバータ制御部15DとFC制御部7に通知する。
なお、設定更新部15Bは、上記のようにインバータ部11に対する入力電流値を低めに更新しても、温度T1,T2が所定値以上に減少しない場合には、コンバータ部10やインバータ部11のリアクトルに深刻な異常があると推定できるので、インバータ部11を停止させるとともに、発電を停止する指令をFC制御部7に通知し、発電装置1を停止させる。
〔本実施形態の効果〕
本実施形態のパワーコンディショナ3によれば、PC制御部15の設定更新部15Bが、コンバータ部10やインバータ部11のリアクトルの温度T1,T2が閾値Tth以上になると、インバータ部11に対する入力電流値を低めに更新し、その更新した電流値で発電するように発電装置1のFC制御部7に指令を発するので、パワーコンディショナ3で温度異常が発生しても、電力変換と発電運転の双方を継続することができる。
このため、パワーコンディショナ3で温度異常が発生すると一律に発電装置1を停止させる場合に比べて、発電装置1をより有効に活用することができる。
ところで、温度T1,T2が閾値Tth以上となった場合に、インバータ部11に対する入力電流値を、例えば一気に半分程度となるように更新し、この電流値をFC制御部7に通知すると、発電装置1は出力電流を大きく下げてしまうので、その後、電気負荷が大きくなって出力電流を増加しようとした時に、例えば、発電装置1が固体酸化物型燃料電池などである場合、当該発電装置1の特性上、その出力電流が回復するまでに相当の時間がかかることになる。
この点、本実施形態のパワーコンディショナ3では、設定更新部15Bが、回路素子の温度T1,T2が閾値Tth未満になるまで、入力電流値を所定量(本実施形態では、1A)ずつ低めに更新し続けるので、インバータ部11に対する入力電流値が段階的に低下する。
このため、発電装置1の出力が早期に回復できる時点で更新が不要になる可能性が高くなり、インバータ部11に対する入力電流値を一気に低下させる場合に比べて、発電装置1をより有効に活用できるという利点がある。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係るパワーコンディショナ3を用いた発電システムの概略構成を示す回路図である。
図1と図4を対比すれば明らかな通り、本実施形態のパワーコンディショナ3では、コンバータ部10の温度センサS4が設けられておらず、インバータ部11のチョークコイルの温度センサS5のみが設けられている。
ここで、巻線を利用した受動素子であるリアクトルは、直流バイアス電流値に達するとインダクタンスが急激に低下する特性があるので、インバータ部11を構成するチョークコイルが直流バイアス電流値を超えると、パワーコンディショナ3が正常な出力波形(正弦波)を維持できなくなる恐れがある。
そこで、本実施形態の設定更新部15Bでは、チョークコイルがその直流バイアス電流値に達しないように、インバータ部11に対する入力電流値を更新する。
すなわち、本実施形態では、通常温度(20°C程度)における、チョークコイルの直流バイアス電流値より換算されるインバータ部11の入力電流値が9Aになっており、閾値温度Tth’(=100°C)における、チョークコイルの直流バイアス電流値より換算されるインバータ部11の入力電流値が7Aになっている。
この場合、設定更新部15Bは、チョークコイルの温度T2が閾値Tth’以上となると、FC制御部7から通知された初期電流値A0(=7A)を、それよりやや低い第1電流値A1(=6A)に更新する。
これにより、インバータ制御部15Dは、入力電流値が第1電流値A1(=6A)となるようにインバータ部11を制御し、FC制御部7は、出力電流が第1電流値A1となるように発電部5を制御する。
このさい、閾値温度Tth’(=100°C)におけるチョークコイルが、その直流バイアス電流値に達しなくなるので、正常な出力波形(正弦波)を維持しつつ、パワーコンディショナ3と発電装置1の双方の運転を継続することができる。
〔その他の変形例〕
上記実施形態は本発明の例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びその構成と均等な全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、温度計測の対象となる回路素子が、コンバータ部10の昇圧トランスやインバータ部11のチョークコイルであったが、運転時に発熱を伴う装置内の回路素子であれば、特に問題なく本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、発電装置1として固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いているが、発電装置1には、他の形式の燃料電池である固体高分子形燃料電池(PEFC)やガスエンジンを用いた燃料型発電装置を用いることも可能である。
更に、上記実施形態では、発電システム単体の構成について説明したが、この発電システムは、発電装置1で発生する排熱を排熱回収手段(例えば、熱交換器)で回収して温水生成用の熱源として利用するなど、コージェネレーションシステムの構成要素としても適用可能である。
1 発電装置
2 商用電源系統(系統)
3 パワーコンディショナ
4 補機電源部
5 発電部(燃料電池スタック)
8 商用電源
9 電気負荷
10 コンバータ部
11 インバータ部
12 DCリンク部
15 PC制御部
15A 起動制御部
15B 設定更新部
15C コンバータ制御部
15D インバータ制御部
S4 コンバータ部の温度センサ
S5 インバータ部の温度センサ
T1 昇圧トランスの温度
T2 チョークコイルの温度

Claims (6)

  1. 発電装置が出力する直流電圧を所定電圧に変換するコンバータ部と、このコンバータ部が出力する直流電圧を交流電圧に変換して商用電源系統に供給するインバータ部とを備えたパワーコンディショナであって、
    運転時に発熱を伴う回路素子の温度を計測する温度センサと、
    前記回路素子の温度が所定の閾値以上になると、前記インバータ部に対する入力電流値を低めに更新し、その更新した電流値で発電するように前記発電装置に指令を発する設定更新部とを備えていることを特徴とするパワーコンディショナ。
  2. 前記設定更新部は、前記回路素子の温度が前記閾値未満になるまで、前記入力電流値を所定量ずつ低めに更新し続ける請求項1に記載のパワーコンディショナ。
  3. 前記設定更新部は、前記入力電流値を低めに更新しても前記回路素子の温度に変化がない場合には、前記インバータ部を停止させるとともに、発電を停止する指令を前記発電装置に送信する請求項1又は2に記載のパワーコンディショナ。
  4. 温度計測の対象である前記回路素子は、前記コンバータ部又は前記インバータ部若しくはこれらの双方に設けられたリアクトルよりなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーコンディショナ。
  5. 温度計測の対象である前記回路素子がインバータ部に設けられたコイルよりなり、
    前記設定更新部は、前記コイルがその直流バイアス電流値に達しないように前記入力電流値を更新する請求項1〜4のいずれか1項に記載のパワーコンディショナ。
  6. 燃料型発電装置よりなる前記発電装置と、この発電装置の出力側に前記コンバータ部の入力側が接続された請求項1〜5のいずれか1項に記載のパワーコンディショナとを備えている発電システム。
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