JP2011138573A - 光ピックアップ装置および光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
多層光ディスクの記録再生においてフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号ともに他層からの迷光の影響を受けず、安定したサーボ信号を得ることが出来る光学ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
多層光ディスクからの反射光を回折格子により複数の領域に分割する。回折格子中心を通るディスクの略接線方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう信号を検出する。
【選択図】 図3
多層光ディスクの記録再生においてフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号ともに他層からの迷光の影響を受けず、安定したサーボ信号を得ることが出来る光学ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
多層光ディスクからの反射光を回折格子により複数の領域に分割する。回折格子中心を通るディスクの略接線方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう信号を検出する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、光ピックアップ装置および光ディスク装置に関する。
本技術分野の背景技術として、例えば特開2006−344344号公報(特許文献1)がある。本公報には課題として「複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得する」と記載があり、解決手段として「光源ユニット51から出射されたP偏光の光ビームは、光ディスク15で反射され、S偏光となってレンズ61に入射する。そして1/4波長板62、63では、いずれも、光軸の+X側に入射した光ビーム+1/4波長の光学的位相差が付与され。−X側に入射した光ビームに−1/4波長の光学位相差が与えられる。これにより、1/4波長板63を介した信号光はS偏光、迷光はP偏光となり、偏光光学素子64では信号光のみが透過する。」と記載されている。
また、例えば非特許文献1には課題として「2層ディスクを記録/再生するとき、目的の層とは異なる層から反射した光がある他層迷光がフォトディテクタに入射するとTE信号にオフセットが生じる。このため、他層迷光対策のない従来の構成では、2層ディスクでのTE信号のオフセットが単層の場合に比べ大きくなり、安定な制御が妨げられる。」と記載があり、解決手段として「トラッキング用フォトディテクタを他層迷光のない領域に配置する」と記載されている。また、その構成については特開2004−281026号公報(特許文献2)においても記載されている。
さらに、特開2009−170060号公報(特許文献3)には、「多層光ディスクの記録再生においてフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号ともに他層からの迷光の影響を受けず、安定したサーボ信号を得ることが出来る光学ピックアップ装置を提供すること」を目的とし、「多層光ディスクからの反射光を複数の領域に分割し、分割された光束が光検出器上の異なる位置に焦点を結ぶとともに、分割された光束を複数個用いてナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を検出し、分割された光束を複数個用いてトラッキング誤差信号を検出する。さらに目的の層に焦点が合っているときには他層からの迷光が光検出器のサーボ信号用の受光面に入らないように光束の分割領域と受光面を配置する」と記載されている。
電子情報通信学会 信学技報CPM2005−149(2005−10)
光ピックアップ装置は、一般に光ディスク内にある所定の記録トラック上に正しくスポットを照射するため、フォーカス誤差信号の検出により対物レンズをフォーカス方向に変位させてフォーカス方向に調整が行われる他、トラッキング誤差信号を検出して対物レンズをディスク状記録媒体の略半径方向へ変位させてトラッキング調整が行われる。これらのサーボ信号により対物レンズの位置制御が行われる。
上記サーボ信号のうち、トラッキング誤差信号については、記録層が2層存在する2層ディスクとなることで大きな課題がある。2層ディスクでは、目的の記録層を反射した信号光の他に目的でない記録層を反射した迷光が同じ受光部に入射する。受光部に信号光と迷光が入射すると、2つの光ビームが干渉し、その変動成分がトラッキング誤差信号に検出されてしまうという問題がある。
この問題に対し、特許文献1では、光ディスクで反射した光ビームを集光レンズで絞り、2枚の1/4波長板と偏光光学素子を透過させて広がった光を集光レンズで絞ることで、迷光を検出器に入射させない構成としている。そのため、検出光学系が複雑となり光ピックアップ装置のサイズが大きくなるという課題がある。
非特許文献1及び特許文献2では、フォーカス用光検出器の周囲に生じるフォーカス用光ビームの他層からの迷光の外側にトラッキング用光検出器を配置する構成にしているため、光検出器のサイズが大きくなることに伴うピックアップ装置のサイズの課題やコストの課題が発生する。
本発明は、複数の情報記録面を有する情報記録媒体を記録再生する場合に、安定したサーボ信号を得ることが可能でかつ小型化可能な光ピックアップ装置およびこれを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、S/Nを向上させ、且つ回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能な光ピックアップ装置およびこれを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、一例として特許請求の範囲に記載の構成を用いる。具体的には、例えば、レーザ光を出射する半導体レーザと、前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器とを備えた光ピックアップ装置であって、前記光検出器は、前記対物レンズが前記アクチュエータにより前記光ディスクの略半径方向に変位するとき、前記対物レンズ変位によって増加する光量を検出する受光部と、前記対物レンズ変位によって減少する光量を検出する受光部とが結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置、を用いる。
本発明によれば複数の情報記録面を有する情報記録媒体を記録再生する場合に、安定したサーボ信号・記録再生性能を得ることが可能でかつ小型化可能な光ピックアップ装置およびこれを搭載した光ディスク装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、S/Nを向上させ、且つ回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能な光ピックアップ装置およびこれを搭載した光ディスク装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明をする。
図1は第1の実施例に係る光ピックアップ装置の光学系を示したものである。ここではBD(Blu−ray Disc)について説明するが、DVD(Digital Versatile Disc)や他の記録方式であってもなんら構わない。
半導体レーザ50からは、波長略405nmの光ビームが発散光として出射される。半導体レーザ50から出射した光ビームはビームスプリッタ52を反射する。なお一部の光ビームはビームスプリッタ52を透過しフロントモニタ53に入射する。一般的に記録型の光ディスクに情報を記録する場合には、光ディスクの記録面に所定の光量を照射させるため、半導体レーザの光量を高精度に制御する必要がある。このため、フロントモニタ53は記録型の光ディスクに信号を記録する際に、半導体レーザ50の光量の変化を検出し、半導体レーザ50の駆動回路(図示せず)にフィードバックされる。これにより光ディスク上の光量をモニタすることが可能となる。
半導体レーザ50からは、波長略405nmの光ビームが発散光として出射される。半導体レーザ50から出射した光ビームはビームスプリッタ52を反射する。なお一部の光ビームはビームスプリッタ52を透過しフロントモニタ53に入射する。一般的に記録型の光ディスクに情報を記録する場合には、光ディスクの記録面に所定の光量を照射させるため、半導体レーザの光量を高精度に制御する必要がある。このため、フロントモニタ53は記録型の光ディスクに信号を記録する際に、半導体レーザ50の光量の変化を検出し、半導体レーザ50の駆動回路(図示せず)にフィードバックされる。これにより光ディスク上の光量をモニタすることが可能となる。
ビームスプリッタ52を反射した光ビームはコリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームはビームエキスパンダ54に入射する。ビームエキスパンダ54は、光ビームの発散・収束状態を変えることで、光ディスクのカバー層の厚み誤差による球面収差を補償することに使用される。ビームエキスパンダ54を出射した光ビームは立ち上げミラー55を反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク上に集光される。
光ディスクを反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を透過し、回折格子11に入射する。回折格子11により光ビームは複数の領域に分割されて、領域ごとにそれぞれ異なった方向に進行し、光検出器10上に焦点を結ぶ。光検出器10上には複数の受光部が形成されており、それぞれの受光部には回折格子11によって分割された光ビームが照射される。受光部に照射された光量に応じて光検出器10から電気信号が出力され、これらの出力を演算して再生信号であるRF信号やフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号が生成される。
ここで、最初にトラッキング誤差信号検出について説明を行う。一般的なトラッキング誤差信号検出方法として、ディスク上に3つの光ビームを照射する3ビーム差動プッシュプル方式(DPP:Differential Push Pull方式)が知られている。この3ビームDPP方式は、回折格子によって光ビームをメインビーム(0次回折光)とサブビーム+1次回折光、サブビーム−1次回折光に分割し、ディスク上に3つのスポットを形成する。このとき、3つのスポットのディスク反射光を検出し、メインビーム(0次回折光)から得られるメインプッシュプル(MPP)信号とサブビーム+1次回折光とサブビーム−1次回折光から得られるサブプッシュプル(SPP)信号を以下の演算を行うことで対物レンズの変位に伴うDC成分を低減した3ビームDPP信号を検出している。
ところが、3ビームDPP方式は2層ディスクおよび多層ディスクを再生した場合に問題が発生する。これについて最も簡単な2層ディスクで説明を行う。
2層ディスクは記録層が2層存在する光ディスクであり、それぞれの記録層で反射光が発生する。このため、2層ディスクでは光ビームは光ディスクによって2つに分離され、2つの光路を辿って検出器に入射する。例えば片方の層に焦点を合わせた場合、その光ビームは検出器面上にスポット(信号光)を形成し、もう片方の層を反射した光ビーム(迷光)が検出器上にぼけた状態で入射する。この時、検出器上ではそれぞれの層を反射した信号光と迷光とが検出器面上で重なり合い、干渉が発生する。本来、周波数の同じレーザを出射したビームは時間的に変化しないが、光ディスクの回転により層の間隔が変化するため、2つの光の位相関係が時間的に変化し、トラッキング誤差信号であるDPP信号の変動を引き起こす。この3ビームDPP信号の変動は主にSPP信号に大きく起因している。これは、メインビーム(0次回折光)とサブビーム+1次回折光とサブビーム−1次回折光の光量比が一般的に10:1:1〜20:1:1であり、メインビームに対してサブビームの光量が小さいため、サブビームの信号光とメインビームの迷光との干渉が信号光に対して大きく発生してしまうのである。これにより、SPP信号が大きく変動してしまい、結果としてトラッキング誤差信号である3ビームDPP信号が大きく変動してしまうのである。トラッキング誤差信号の変動が発生すると、光ディスク上のスポットがトラックに沿って追従できなくなり、主に記録/再生性能劣化の問題が起こる。
2層ディスクは記録層が2層存在する光ディスクであり、それぞれの記録層で反射光が発生する。このため、2層ディスクでは光ビームは光ディスクによって2つに分離され、2つの光路を辿って検出器に入射する。例えば片方の層に焦点を合わせた場合、その光ビームは検出器面上にスポット(信号光)を形成し、もう片方の層を反射した光ビーム(迷光)が検出器上にぼけた状態で入射する。この時、検出器上ではそれぞれの層を反射した信号光と迷光とが検出器面上で重なり合い、干渉が発生する。本来、周波数の同じレーザを出射したビームは時間的に変化しないが、光ディスクの回転により層の間隔が変化するため、2つの光の位相関係が時間的に変化し、トラッキング誤差信号であるDPP信号の変動を引き起こす。この3ビームDPP信号の変動は主にSPP信号に大きく起因している。これは、メインビーム(0次回折光)とサブビーム+1次回折光とサブビーム−1次回折光の光量比が一般的に10:1:1〜20:1:1であり、メインビームに対してサブビームの光量が小さいため、サブビームの信号光とメインビームの迷光との干渉が信号光に対して大きく発生してしまうのである。これにより、SPP信号が大きく変動してしまい、結果としてトラッキング誤差信号である3ビームDPP信号が大きく変動してしまうのである。トラッキング誤差信号の変動が発生すると、光ディスク上のスポットがトラックに沿って追従できなくなり、主に記録/再生性能劣化の問題が起こる。
この問題に対し、非特許文献1(特許文献2)では光ディスク上に1つのスポットを形成し、その反射光を複数の領域に分けることで信号光と迷光を分離して検出している。これによりトラッキング誤差信号を検出する受光部に迷光が入射しないため、安定したトラッキング誤差信号を検出することが可能となっている。しかし、フォーカス誤差信号検出用受光部の周囲に生じるフォーカス用光ビームの迷光の外側にトラッキング誤差信号検出用光受光部を配置する構成にしているため、光検出器のサイズが大きくなることに伴うピックアップ装置のサイズの課題やコストの課題が発生する。また、迷光の外側で信号光を検出する構成は、多層ディスクにはさらに不利な構成となる。これに対し本実施例では、迷光の内側で信号光を検出する構成とするため、2層だけでなく多層ディスクに対応することが可能である。
図2は、本実施例における回折格子11の形状を示している。実線は領域の境界線を示し、2点鎖線はレーザ光の光ビームの外形を示し、斜線部は光ディスクのトラックによって回折された0次回折光と±1次回折光との干渉領域(プッシュプルパターン)を示している。回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。
回折格子11の領域Di以外の分光比は例えば0次光:+1次光:−1次光=0:7:3であり、領域Diは0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。光検出器10は、図3のようなパターンになっている。なお、図中において信号光を黒点で示している。ここで、回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図3に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、フォーカス誤差信号検出用の受光部r、s、t、u、vに入射し、領域De、Df、Dg、Dhを回折した−1次光はそれぞれ、受光部e2、f2、g2、h2に入射する。
受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1は結線されており、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2に入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、V、E、F、G、Hの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
なお、ktは対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号でDC成分を発生させないようにする係数である。ここで、フォーカス誤差検出方式は例えばナイフエッジ方式等を用いる。また、トラッキング誤差信号のDPD(Differential Phase Detection)信号とは、光ディスク反射光の対角成分の位相差を検出し、サーボ信号を検出する方式であり、主にROMディスクなどで使用される方式である。上記演算式のDPD信号は、信号Aと信号Cの和、信号Bと信号Dの和をそれぞれ2値化回路に入力し、信号Aと信号Cの和を2値化した信号と信号Bと信号Dの和を2値化した信号の位相の差異を位相比較回路を用いて検出している。
図4に2層ディスク記録/再生時の信号光および他層からの迷光の関係を示す。(a)はL0記録/再生時、(b)はL1記録/再生時を示している。回折格子11のDi領域を回折した光ビーム以外は、受光面上で信号光と他層からの迷光が重なりあっていないことがわかる。ただし、受光面i1から検出された信号I1は、トラッキング誤差信号の検出に使用せず、再生信号の検出のみに用いているので迷光があっても実用上問題とならない。このように、迷光を受光部の外側に配置することで、信号光と迷光の重なりを無くし、信号光と迷光の干渉による変動がないトラッキング誤差信号を検出することができる。また、他層からの迷光を外側に配置することから光検出器を小型にすることが可能となる。
次に本実施例の信号検出方法について説明を行う。光ピックアップ装置では、再生信号であるRF信号のS/Nの観点から、光検出器のRF信号検出用のアンプ数を減らす課題がある。光検出器では、電気信号に変換する際に信号の増幅に伴ったノイズ成分が発生する。このため、光検出器のRF信号検出用のアンプ数が増加すると、アンプ数に応じたノイズが発生する。このノイズが再生性能を劣化させる。特に本方式は、光ディスクから反射した光ビームを7:3に分離して、光量の大きい方をRF信号として検出しており、戻り光量に対してRF信号光量が小さくなるため、ノイズ低減が非常に重要となる。また、多層ディスクなどではさらにS/Nが厳しくなるため、同様にノイズ低減が重要となる。
このため、本実施例では、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1を結線し、結線した信号をアンプすることでアンプ数を低減し、その結果ノイズを低減している。また、本実施例は、RF信号のS/Nを低減するだけでなく、トラッキング誤差信号検出方式であるDPP信号を安定して検出することが可能な構成となっている。この構成について以下説明を行う。
ディスク上のトラックに安定的に追従するため、トラッキング誤差信号は対物レンズの変位に伴うDC成分が発生しない(もしくは非常に小さい)信号となっている。これは、(A+D)−(B+C)で発生するDC成分をkt{(E+F)−(G+H)}で低減しているためである。ここで、(E+F)−(G+H)は−1次光から生成されている。−1次光は、+1次光に対して光量が小さため、係数ktで増幅する必要があり、傷などの外乱や−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきが発生すると+1次光のそれらよりもより顕著に影響する。このため、係数ktを小さくすることでより安定したDPP信号を検出することができる。以下、係数ktを小さくする本実施例の構成について説明する。図2と図3からわかるように信号A、B、C、Dは回折格子の領域DaとDg、DbとDh、DcとDe、DdとDfを回折した光ビームを検出している構成となっている。回折格子の領域DaとDg、DbとDh、DcとDe、DdとDfは、回折格子中心を通るTan方向(光ディスクの略接線方向)の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなっている。
図5は、ディスク上のトラックに追従するために対物レンズがRad方向に変位した場合の回折格子上を示したものである。図2との違いは、回折格子上の2点鎖線で示した光ビームの外形がRad方向(光ディスクの略半径方向)に変位している点である。ここで、例えば回折格子の領域DaとDgを着目する。まず、回折格子の領域Daに入射する光ビームの面積は図2の領域Daに対し、大きくなっている。それに対して回折格子の領域Dgに入射する光ビームの面積は図2の領域Dgに対し、小さくなっていることがわかる。このため、回折格子領域Daと領域Dgを回折した光ビームを検出した信号Aは対物レンズの変位に対してDC成分の変化が小さいことがわかる。また、信号B、C、Dにおいても同様で対物レンズのRad方向の変位に対して、DC成分の変化が小さい。このため、(A+D)−(B+C)で演算した信号についても対物レンズのRad方向の変位に対してDC成分の変化が小さい。結果として、係数ktが小さくなり、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきが低減できるため、安定したDPP信号を検出することが可能となるのである。
このように本実施例では、回折格子の領域De、Df、Dg、Dhを回折した光量の大きい光ビーム(+1次光)でDC成分を補正し、残りのDC成分を光量の小さい光ビーム(−1次光)で補正することで、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきなどに強い構成となっている。
ここで、例えば回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して同じ領域となる組み合わせで上記信号を検出することも可能であるが本実施例のような係数ktを小さくする効果は得られない。具体的には、受光部の結線により、回折格子の領域DaとDe、DbとDf、DcとDg、DdとDhに入射した光ビームを信号A〜Dとして検出することでも上記同様の演算でフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成することが可能である。(以下、構成1と呼ぶ)また、S/Nの観点からも本実施例と同等である。しかし、この構成1は、(A+D)−(B+C)で演算した信号が対物レンズのRad方向の変位に対してDC成分の変化が大きくなってしまう。
図6は、本実施例(回折格子の領域DaとDg、DbとDh、DcとDe、DdとDfを回折した光ビームを検出して信号A、B、C、Dを検出)と構成1(回折格子の領域DaとDe、DbとDf、DcとDg、DdとDhを回折した光ビームを検出して信号A、B、C、Dを検出)の(A+D)−(B+C)でのDC成分発生量についてシミュレーションした結果である。縦軸は、DC成分をプッシュプル信号AC成分で規格化したもので、横軸は対物レンズの変位量を示している。また、シミュレーションの条件は以下である。
波長:405nm
トラックピッチ:0.32μm
対物レンズ焦点距離:1.765mm
対物レンズ開口数:0.85
往路倍率:12倍
復路倍率:12倍
回折格子パターンの大きさ(図2)LCv=LCh=28%(光ビーム外形比)
回折格子パターンの大きさ(図2)LBv=58%(光ビーム外形比)
この図より、本実施例は構成1に対し、(A+D)−(B+C)のDC成分発生量が小さくなっていることがわかる。また、この結果から係数ktは小さくなることがわかる。
波長:405nm
トラックピッチ:0.32μm
対物レンズ焦点距離:1.765mm
対物レンズ開口数:0.85
往路倍率:12倍
復路倍率:12倍
回折格子パターンの大きさ(図2)LCv=LCh=28%(光ビーム外形比)
回折格子パターンの大きさ(図2)LBv=58%(光ビーム外形比)
この図より、本実施例は構成1に対し、(A+D)−(B+C)のDC成分発生量が小さくなっていることがわかる。また、この結果から係数ktは小さくなることがわかる。
以上のように、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるように信号を結線することで、S/Nを向上するだけでなく2層ディスク対応かつ外乱や、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能となる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように係数ktを小さくすることで、光量の小さい信号の影響を小さくすることができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクでのDPP信号の干渉による変動が低減できる。3ビームDPP方式のSPP信号の影響と比べ、本実施例の効果は大きい。さらに、−1次光の回折光が入射する受光部に関しては結線しなかったが、出力ピン数の観点から、例えば受光部e2とf2、g2とh2を結線して出力しても同様の効果が得られる。また、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のような回折格子のパターンであっても同様の効果が得られる。また、図2や図7の回折格子の領域をさらに分割しても良く、例えば回折格子領域Diをさらに分割しても同様の効果が得られる。さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図3に限定されず、例えば図8のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。また、本実施例では、受光部を結線していたが、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなる2つ以上の回折格子領域からの回折光が1つの受光部に入射してもよい。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。さらに、DPD信号検出方式に関しても限定されない。例えば以下の式に示すようにしても良い。
なお、ksは+1次光と−1次光の光量差を補正する係数である。上記演算では{A−ks×(G−E)}、{B−ks×(H−F)}、{C−ks×(E−G)}、{D−ks×(F−H)}をそれぞれ2値化回路に入力し、{A−ks×(G−E)}を2値化した信号と{B−ks×(H−F)}を2値化した信号の位相の差異である位相比較信号D1を位相比較回路を用いて検出する。また、{C−ks×(E−G)}を2値化した信号と{D−ks×(F−H)}を2値化した信号の位相の差異である位相比較信号D2を位相比較回路を用いて検出している。そして、位相比較信号D1、D2を加算した信号をDPD信号としている。このようにDPD信号を検出しても同様の効果が得られる。
さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られる。また、ここでは2層で説明を行ったが、本実施例は、迷光を外側に分離する構成であるため、2層以上の光ディスクであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、球面収差補正方式については限定されないことは言うまでもない。さらに、回折格子の分光比は一例であって、例えば0次光:+1次光:−1次光=0:1:1であっても良い。
図9は第2の実施例に係る光ピックアップ装置の光検出器の受光部を示したものである。実施例1との違いは受光部の結線方法が異なることであり、それ以外は実施例1と同様の構成である。ここで、図2に示す回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図3に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、フォーカス誤差信号検出用の受光部r、s、t、u、vに入射し、領域De、Df、Dg、Dhを回折した−1次光はそれぞれ、受光部e2、f2、g2、h2に入射する。
受光部a1とh1、b1とg1、c1とf1、d1とe1は結線されており、受光部a1とh1、b1とg1、c1とf1、d1とe1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2に入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、V、E、F、G、Hの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
受光部a1とh1、b1とg1、c1とf1、d1とe1は結線されており、受光部a1とh1、b1とg1、c1とf1、d1とe1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2に入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、V、E、F、G、Hの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
なお、ktは対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号でDC成分を発生させないようにする係数である。また、ksは+1次光と−1次光の光量差を補正する係数である。ここで、フォーカス誤差検出方式は例えばナイフエッジ方式等を用いる。また、トラッキング誤差信号のDPD信号とは、光ディスク反射光の対角成分の位相差を検出し、サーボ信号を検出する方式であり、主にROMディスクなどで使用される方式である。
上記演算では{A−ks×(H−E)}、{B−ks×(G−F)}、{C−ks×(F−G)}、{D−ks×(E−H)}をそれぞれ2値化回路に入力し、{A−ks×(H−E)}を2値化した信号と{B−ks×(G−F)}を2値化した信号の位相の差異である位相比較信号D1を位相比較回路を用いて検出する。また、{C−ks×(F−G)}を2値化した信号と{D−ks×(E−H)}を2値化した信号の位相の差異である位相比較信号D2を位相比較回路を用いて検出している。そして、位相比較信号D1、D2を加算した信号をDPD信号としている。
本実施例は、実施例1と同様であり、受光部a1とh1、b1とg1、c1とf1、d1とe1を結線し、結線した信号をアンプすることでアンプ数を低減し、その結果ノイズを低減している。また、本実施例は、RF信号のS/Nを低減するだけでなく、トラッキング誤差であるDPP方式を安定して検出することが可能な構成となっている。この構成について以下説明を行う。
図5は、ディスク上のトラックに追従するために対物レンズがRad方向に変位した場合の回折格子上を示したものである。図2との違いは、回折格子上の2点鎖線で示した光ビームの外形がRad方向に変位している点である。ここで、例えば回折格子の領域DaとDhを着目する。まず、回折格子の領域Daに入射する光ビームの面積は図2の領域Daに対し、大きくなっている。それに対して回折格子の領域Dhに入射する光ビームの面積は図2の領域Dhに対し、小さくなっていることがわかる。このため、回折格子DaとDhを回折した光ビームを検出した信号Aは対物レンズの変位に対してDC成分の変化が小さいことがわかる。また、信号B、C、Dにおいても同様で対物レンズのRad方向の変位に対して、DC成分の変化が小さい。このため、(A+D)−(B+C)で演算した信号についても対物レンズのRad方向の変位に対してDC成分の変化が小さい。結果として、係数ktが小さくなり、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきが低減できるため、安定したDPP信号を検出することが可能となるのである。これについては、実施例1と同様である。
図5は、ディスク上のトラックに追従するために対物レンズがRad方向に変位した場合の回折格子上を示したものである。図2との違いは、回折格子上の2点鎖線で示した光ビームの外形がRad方向に変位している点である。ここで、例えば回折格子の領域DaとDhを着目する。まず、回折格子の領域Daに入射する光ビームの面積は図2の領域Daに対し、大きくなっている。それに対して回折格子の領域Dhに入射する光ビームの面積は図2の領域Dhに対し、小さくなっていることがわかる。このため、回折格子DaとDhを回折した光ビームを検出した信号Aは対物レンズの変位に対してDC成分の変化が小さいことがわかる。また、信号B、C、Dにおいても同様で対物レンズのRad方向の変位に対して、DC成分の変化が小さい。このため、(A+D)−(B+C)で演算した信号についても対物レンズのRad方向の変位に対してDC成分の変化が小さい。結果として、係数ktが小さくなり、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきが低減できるため、安定したDPP信号を検出することが可能となるのである。これについては、実施例1と同様である。
以上のように、回折格子中心を通るTan方向(光ディスクの略接線方向)の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるように信号を結線することで、S/Nを向上するだけでなく2層ディスク対応かつ外乱や−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能となる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように係数ktを小さくすることで、光量の小さい信号の影響を小さくすることができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクでのDPP信号の干渉による変動が低減できる。3ビームDPP方式のSPP信号の影響と比べ、本実施例の効果は大きい。さらに、−1次光の回折光が入射する受光部に関しては結線しなかったが、出力ピン数の観点から、例えば受光部e2とf2、g2とh2を結線して出力しても同様の効果が得られる。また、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のようなパターンであっても同様の効果が得られる。また、図2や図7の回折格子の領域をさらに分割しても良く、例えば回折格子領域Diをさらに分割しても同様の効果が得られる。
さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図9に限定されず、例えば図10のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。さらに、DPD信号検出方式に関しても限定されない。このため、例えば図9の受光部a1とb1とh1とg1、c1とd1とe1とf1を結線することで、さらにS/Nを向上しても良い。この場合、トラッキング誤差信号のDPP信号については上記演算と同様の信号考え方で検出可能である。ただし、DPD信号は、上記演算からは生成できないが他の信号から検出しても良いし、ROMのトラッキング誤差信号にDPP信号のみであっても実用上問題ない。さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られる。
また、ここでは2層で説明を行ったが、本実施例は、迷光を外側に分離する構成であるため、2層以上の多層光ディスクであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、球面収差補正方式については限定されないことは言うまでもない。さらに、回折格子の分光比は一例であって、例えば0次光:+1次光:−1次光=0:1:1であっても良い。上記内容より、例えば、回折格子Da〜Di全ての分光比を0次光:+1次光:−1次光=0:1:1とし、Diの−1次光受光部Di2を配置し、受光部a1とb1とh1とg1とi1、c1とd1とe1とf1とi2を結線する構成であっても同様の効果が得られる。
図11は第3の実施例に係る光ピックアップ装置の光検出器の受光部を示したものである。実施例1との違いは光検出器10の受光部ごとに受光感度が異なっていることであり、それ以外は実施例1と同様の構成である。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。
回折格子11の領域Di以外の分光比は例えば0次光:+1次光:−1次光=0:7:3であり、領域Diは0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。ここで、回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図11に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、フォーカス誤差信号検出用の受光部r、s、t、u、vに入射し、領域De、Df、Dg、Dhを回折した−1次光はそれぞれ、受光部e2、f2、g2、h2に入射する。
受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1は結線されており、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2に入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、V、E、F、G、Hの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成する。
受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1は結線されており、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2に入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、V、E、F、G、Hの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成する。
なお、ktは対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号でDC成分を発生させないようにする係数である。ここで、フォーカス誤差検出方式は例えばナイフエッジ方式等を用いる。上記演算式のDPD信号は、信号Aと信号Cの和、信号Bと信号Dの和をそれぞれ2値化回路に入力し、信号Aと信号Cの和を2値化した信号と信号Bと信号Dの和を2値化した信号の位相の差異を位相比較回路を用いて検出している。
ここで、2層の迷光に関しては実施例1と同様である。本実施例では、光検出器10の受光部の感度を受光部ごとに変えることで係数ktを低減している。以下、係数ktを低減する方法について説明を行っていく。
図11に示す検出器10の中で、斜線部で示した受光部(e1、f1、g1、h1)がその他の受光部に対してka倍の感度となっている。本実施例の構成において対物レンズが変位した場合、例えば信号Aを生成する回折格子領域Daと領域Dgでは、領域Dgよりも領域Daの方が光量の変化が大きい。また、他の領域も同様であるため、対物レンズの変位に対して、(A+D)−(B+C)信号のDC成分が発生する構成となっている。このため、受光部の感度を受光部ごとに変えることで(A+D)−(B+C)信号のDC成分の発生量を低減し、係数ktを小さくすることが可能となる。
図12は、kaを変えた場合の(A+D)−(B+C)でのDC成分発生量についてシミュレーションした結果である。縦軸は、DC成分をプッシュプル信号AC成分で規格化したもので、横軸は対物レンズの変位量を示している。また、シミュレーションの条件は以下である。
波長:405nm
トラックピッチ:0.32μm
対物レンズ焦点距離:1.765mm
対物レンズ開口数:0.85
往路倍率:12倍
復路倍率:12倍
回折格子パターンの大きさ(図2)LCv=LCh=28%(光ビーム外形比)
回折格子パターンの大きさ(図2)LBv=58%(光ビーム外形比)
この図より、kaを変えることで対物レンズの変位に伴うDC成分発生量が低減できることがわかる。また、図13は、本実施例の構成でkaを変化させたときの係数ktを示している。縦軸は係数kt、横軸はkaを示している。この図より、kaを例えば1よりも大きくすることでktを小さくすることが可能であることがわかる。ただし、回折格子のパターンや領域の大きさなどに依存してkaとktの関係は変わるため、効果が得られるのは図13の範囲に限定されない。
このように本実施例では、回折格子の領域De、Df、Dg、Dhを回折した光量の大きい光ビーム(+1次光)でDC成分を補正し、残りのDC成分を光量の小さい光ビーム(−1次光)で補正することで、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきなどに強い構成となっている。
図11に示す検出器10の中で、斜線部で示した受光部(e1、f1、g1、h1)がその他の受光部に対してka倍の感度となっている。本実施例の構成において対物レンズが変位した場合、例えば信号Aを生成する回折格子領域Daと領域Dgでは、領域Dgよりも領域Daの方が光量の変化が大きい。また、他の領域も同様であるため、対物レンズの変位に対して、(A+D)−(B+C)信号のDC成分が発生する構成となっている。このため、受光部の感度を受光部ごとに変えることで(A+D)−(B+C)信号のDC成分の発生量を低減し、係数ktを小さくすることが可能となる。
図12は、kaを変えた場合の(A+D)−(B+C)でのDC成分発生量についてシミュレーションした結果である。縦軸は、DC成分をプッシュプル信号AC成分で規格化したもので、横軸は対物レンズの変位量を示している。また、シミュレーションの条件は以下である。
波長:405nm
トラックピッチ:0.32μm
対物レンズ焦点距離:1.765mm
対物レンズ開口数:0.85
往路倍率:12倍
復路倍率:12倍
回折格子パターンの大きさ(図2)LCv=LCh=28%(光ビーム外形比)
回折格子パターンの大きさ(図2)LBv=58%(光ビーム外形比)
この図より、kaを変えることで対物レンズの変位に伴うDC成分発生量が低減できることがわかる。また、図13は、本実施例の構成でkaを変化させたときの係数ktを示している。縦軸は係数kt、横軸はkaを示している。この図より、kaを例えば1よりも大きくすることでktを小さくすることが可能であることがわかる。ただし、回折格子のパターンや領域の大きさなどに依存してkaとktの関係は変わるため、効果が得られるのは図13の範囲に限定されない。
このように本実施例では、回折格子の領域De、Df、Dg、Dhを回折した光量の大きい光ビーム(+1次光)でDC成分を補正し、残りのDC成分を光量の小さい光ビーム(−1次光)で補正することで、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきなどに強い構成となっている。
以上のように、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるように信号を結線し、受光部の感度を受光部ごとに変えることで、S/Nを向上するだけでなく2層ディスク対応かつ外乱や−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能となる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように係数ktを小さくすることで、光量の小さい信号の影響を小さくすることができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクのDPP信号での干渉による変動が低減できる。3ビームDPP方式のSPP信号の影響と比べ、本実施例の効果は大きい。さらに、図13では、kaが1.55以上となるとktがマイナスとなるが、これについては、減算回路と加算回路を変更することで対応しても良い。図13のkaについては、例えば、半導体レーザ、光学倍率、回折格子のパターンの違いや調整ずれに伴って変化するため、この値に限らない。また、−1次光の回折光が入射する受光部に関しては結線しなかったが、出力ピン数の観点から、例えば受光部e2とf2、g2とh2を結線して出力しても同様の効果が得られる。また、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のようなパターンであっても同様の効果が得られる。さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図11に限定されず、例えば図8、図9、図10のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、受光部を結線していたが、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなる2つ以上の回折格子領域からの回折光が1つの受光部に入射しても同様の効果が得られる。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られる。
また、ここでは2層で説明を行ったが、本実施例は、迷光を外側に分離する構成であるため、2層以上の多層光ディスクであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、球面収差補正方式については限定されないことは言うまでもない。さらに、回折格子の分光比は一例であって、例えば0次光:+1次光:−1次光=0:1:1であっても良い。
図14は第4の実施例に係る光ピックアップ装置の光検出器の受光部を示したものである。実施例3との違いは光検出器10の受光部配置が異なっていることであり、それ以外は実施例3と同様の構成である。図14に示す検出器10の中で、斜線部で示した受光部(e1、f1、g1、h1)がその他の受光部に対してka倍の感度である。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。
回折格子11の領域Di以外の分光比は例えば0次光:+1次光:−1次光=0:7:3であり、領域Diは0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。ここで、回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図14に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、フォーカス誤差信号検出用の受光部r、s、t、u、vに入射する。
受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1は結線されており、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、r、s、t、u、vに入射した光ビームはそれぞれI1、R、S、T、U、Vの電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成する。
ここで、フォーカス誤差検出方式は例えばナイフエッジ方式等を用いる。また、トラッキング誤差信号のDPD信号とは、光ディスク反射光の対角成分の位相差を検出し、サーボ信号を検出する方式であり、主にROMディスクなどで使用される方式である。上記演算式のDPD信号は、信号Aと信号Cの和、信号Bと信号Dの和をそれぞれ2値化回路に入力し、信号Aと信号Cの和を2値化した信号と信号Bと信号Dの和を2値化した信号の位相の差異を位相比較回路を用いて検出している。
ここで、2層の迷光に関しては実施例1と同様である。本実施例では、光検出器10の受光部の感度を受光部ごとに変えることで対物レンズの変位に伴うDC成分を低減している。図12に示すように例えばkaを1.55とすることで、対物レンズが変位してもDC成分が発生しないことがわかる。このため、このような構成とすることで安定したトラッキング信号が検出可能となる。このkaについては、例えば、半導体レーザ、光学倍率、回折格子のパターンの違いや調整ずれに伴って変化するため、この値に限らない。また、kaは製品の出荷の段階で固定値として感度を設定しても良いし、光ディスク側の信号を受けて感度を変えるようにしても良い。このように本実施例では、回折格子の領域De、Df、Dg、Dhを回折した光量の大きい光ビーム(+1次光)でDC成分を補正し、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきなどに強い構成となっている。
以上のように、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるように信号を結線し、受光部の感度を受光部ごとに変えることで、S/Nを向上するだけでなく2層ディスク対応かつ外乱や−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能となる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように光量の大きい信号のみでDC成分を抑制することができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクでのDPP信号の干渉による変動が低減できる。さらに、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のようなパターンであっても同様の効果が得られる。さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図14に限定されず、例えば図15のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。また、本実施例では、受光部を結線していたが、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなる2つ以上の回折格子領域からの回折光が1つの受光部に入射しても同様の効果が得られる。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。例えば、本実施例では回折格子領域Da、Db、Dc、Ddの−1次光を用いてフォーカス誤差信号を検出したが領域De、Df、Dg、Dhの−1次光を用いてフォーカス誤差信号を検出しても同様の効果が得られる。さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように光量の大きい信号のみでDC成分を抑制することができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクでのDPP信号の干渉による変動が低減できる。さらに、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のようなパターンであっても同様の効果が得られる。さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図14に限定されず、例えば図15のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。また、本実施例では、受光部を結線していたが、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなる2つ以上の回折格子領域からの回折光が1つの受光部に入射しても同様の効果が得られる。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。例えば、本実施例では回折格子領域Da、Db、Dc、Ddの−1次光を用いてフォーカス誤差信号を検出したが領域De、Df、Dg、Dhの−1次光を用いてフォーカス誤差信号を検出しても同様の効果が得られる。さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られる。
また、ここでは2層で説明を行ったが、本実施例は、迷光を外側に分離する構成であるため、2層以上の多層光ディスクであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、球面収差補正方式については限定されないことは言うまでもない。さらに、回折格子の分光比は一例であって、例えば0次光:+1次光:−1次光=0:1:1であっても良い。
図16は第5の実施例に係る光ピックアップ装置の光検出器の受光部を示したものである。実施例3との違いは光検出器10の受光部配置が異なっていることであり、それ以外は実施例3と同様の構成である。図16に示す検出器10の中で、斜線部で示した受光部(e1、f1、g1、h1)がその他の受光部に対してka倍の感度である。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。回折格子11の領域Di以外の分光比は例えば0次光:+1次光:−1次光=0:7:3であり、領域Diは0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。光検出器10は、図16のようなパターンになっている。ここで、回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図16に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、受光部a2、b2、c2、d2に入射し、領域De、Df、Dg、Dhを回折した−1次光はフォーカス誤差信号検出用の受光部r2、s2、t2、u2、v2、w2に入射する。
図2に示す回折格子11は、ディスク上のトラックを回折した回折光の0次回折光のみが入射する領域De、Df、Dg、Dh(領域A)と、回折光の0次回折光、±1次光が入射する領域Da、Db、Dc、Dd(領域B)と、領域Di(領域C)で形成されている。回折格子11の領域Di以外の分光比は例えば0次光:+1次光:−1次光=0:7:3であり、領域Diは0次光:+1次光:−1次光=0:1:0とする。光検出器10は、図16のようなパターンになっている。ここで、回折格子11の領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した+1次光はそれぞれ、図16に示す光検出器の受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1に入射する。また、領域Da、Db、Dc、Ddを回折した−1次光は、受光部a2、b2、c2、d2に入射し、領域De、Df、Dg、Dhを回折した−1次光はフォーカス誤差信号検出用の受光部r2、s2、t2、u2、v2、w2に入射する。
受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1は結線されており、受光部a1とg1、b1とh1、c1とe1、d1とf1に入射した光ビームはそれぞれA、B、C、Dの電気信号に変換される。また、受光部i1、a2、b2、c2、d2、r2、s2、t2、u2、v2、w2に入射した光ビームはそれぞれI1、A2、B2、C2、D2、R2、S2、T2、U2、V2、W2の電気信号に変換される。これらの電気信号を以下の演算を行うことでフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成する。
なお、ktは対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号でDC成分を発生させないようにする係数である。ここで、フォーカス誤差検出方式は例えばナイフエッジ方式等を用いる。また、トラッキング誤差信号のDPD信号とは、光ディスク反射光の対角成分の位相差を検出し、サーボ信号を検出する方式であり、主にROMディスクなどで使用される方式である。上記演算式のDPD信号は、信号Aと信号Cの和、信号Bと信号Dの和をそれぞれ2値化回路に入力し、信号Aと信号Cの和を2値化した信号と信号Bと信号Dの和を2値化した信号の位相の差異を位相比較回路を用いて検出している。
ここで、2層の迷光に関しては実施例1と同様である。本実施例では、光検出器10の受光部の感度を受光部ごとに変えることで対物レンズの変位に伴うDC成分を反転させている。具体的には図5のように対物レンズがRad方向に変位した場合、回折格子上の領域Dgよりも領域Daの方が光量の変化が大きい。それに対して、回折格子領域Daを回折した光ビームが入射する受光部a1よりも領域Dgを回折した光ビームが入射する受光部g1の感度を大きくすることで対物レンズの変位に伴うDC成分を反転させている。ここで、kaを1.55以上とすることで対物レンズの変位に伴うDC成分が反転する。このkaについては、例えば、半導体レーザ、光学倍率、回折格子のパターンの違いや調整ずれに伴って変化するため、この値に限らない。
これにより、kt倍した(A2+D2)−(B2+C2)を加算することでDC成分を抑制することができる。このとき、プッシュプル信号AC成分は加算されるので問題とならない。また、係数ktを小さくすることが可能なので安定したトラッキング誤差信号を得ることが可能となる。ただし、このkaについては、例えば、回折格子のパターンの違いや調整ずれに伴って変化するため、この値に限らない。
このように本実施例では、回折格子の領域De、Df、Dg、Dhを回折した光量の大きい光ビーム(+1次光)でDC成分を補正し、残りのDC成分を光量の小さい光ビーム(−1次光)で補正することで、傷などの外乱の他に、−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきなどに強い 構成となっている。
以上のように、回折格子中心を通るTan方向(光ディスクの略接線方向)の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるように信号を結線し、受光部の感度を受光部ごとに変えることで、S/Nを向上するだけでなく2層ディスク対応かつ外乱や−1次光に起因する回折格子の領域間の回折光量ばらつきに強いトラッキング誤差信号を検出することが可能となる。
ここで、例えば2層ディスクからの迷光が受光部に入射するような構成であったとしても上記のように係数ktを小さくすることで、光量の小さい信号の影響を小さくすることができるため、2層ディスクもしくは多層ディスクでのDPP信号の干渉による変動が低減できる。3ビームDPP方式のSPP信号の影響と比べ、本実施例の効果は大きい。さらに、回折格子11は図2には限定されず例えば図7(a)、(b)のようなパターンであっても同様の効果が得られる。さらに、本実施例は回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなるよう検出する構成となっていれば光検出器の受光部配置および結線についても図16に限定されず、例えば図17のような受光部配置であっても同様の効果が得られる。また、本実施例では、受光部を結線していたが、回折格子中心を通るTan方向の分割線に対して反対の領域となる組み合わせとなる2つ以上の回折格子領域からの回折光が1つの受光部に入射しても同様の効果が得られる。そして、フォーカス誤差信号の演算もしくはフォーカス誤差信号の検出方式には依存しないことは言うまでもない。さらに、本実施例では回折格子11はビームスプリッタ透過後に配置したが、回折格子11を偏光回折格子とし、ビームスプリッタ透過前に配置しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、ここでは2層で説明を行ったが、本実施例は、迷光を外側に分離する構成であるため、2層以上の多層光ディスクであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、球面収差補正方式については限定されないことは言うまでもない。さらに、回折格子の分光比は一例であって、例えば0次光:+1次光:−1次光=0:1:1であっても良い。
実施例6では、光ピックアップ装置170を搭載した、光学的再生装置について説明する。図18は本実施例における光学的再生装置の概略構成である。光ピックアップ装置170は、光ディスク100のRad方向に沿って駆動できる機構が設けられており、アクセス制御回路172からのアクセス制御信号に応じて位置制御される。
レーザ点灯回路177からは所定のレーザ駆動電流が光ピックアップ装置170内の半導体レーザに供給され、半導体レーザからは再生に応じて所定の光量でレーザ光が出射される。なお、レーザ点灯回路177は光ピックアップ装置170内に組み込むこともできる。光ピックアップ装置170内の光検出器10から出力された信号は、サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175に送られる。サーボ信号生成回路174では前記光検出器10からの信号に基づいてフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号ならびにチルト制御信号などのサーボ信号が生成され、これを基にアクチュエータ駆動回路173を経て光ピックアップ装置170内のアクチュエータを駆動して、対物レンズの位置制御がなされる。前記情報信号再生回路175では、前記光検出器10からの信号に基づいて光ディスク100に記録されている情報信号が再生される。
前記サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175で得られた信号の一部はコントロール回路176に送られる。このコントロール回路176にはスピンドルモータ駆動回路171、アクセス制御回路172、サーボ信号生成回路174、レーザ点灯回路177、球面収差補正素子駆動回路179などが接続され、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ180の回転制御、アクセス方向およびアクセス位置の制御、対物レンズのサーボ制御、光ピックアップ装置170内の半導体レーザ発光光量の制御、ディスク基板厚さの違いによる球面収差の補正などが行われる。
実施例7では、光ピックアップ装置170を搭載した、光学的記録再生装置について説明する。図19は本実施例における光学的記録再生装置の概略構成である。この装置で前記図18に説明した光学的情報記録再生装置と相違する点は、コントロール回路176とレーザ点灯回路177の間に情報信号記録回路178を設け、情報信号記録回路178からの記録制御信号に基づいてレーザ点灯回路177の点灯制御を行って、光ディスク100へ所望の情報を書き込む機能が付加されている点である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
2:対物レンズ、5:アクチュエータ、10:光検出器、11:回折格子、50:半導体レーザ、51:コリメートレンズ、52:ビームスプリッタ、53:フロントモニタ、54:ビームエキスパンダ、55:立ち上げミラー、56:1/4波長板、170:光ピックアップ装置、171:スピンドルモータ駆動回路、172:アクセス制御回路、173:アクチュエータ駆動回路、174:サーボ信号生成回路、175:情報信号再生回路、176:コントロール回路、177:レーザ点灯回路、178:情報記録回路、179:球面収差補正素子駆動回路、180:スピンドルモータ、Da〜Di:回折格子の領域、a1〜i1:光検出器上受光部、a2〜h2:光検出器上受光部、r〜v:光検出器上受光部、r2〜w2:光検出器上受光部
Claims (21)
- レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記光検出器は、前記対物レンズが前記アクチュエータにより前記光ディスクの略半径方向に変位するとき、前記対物レンズ変位によって増加する光量を検出する受光部と、前記対物レンズ変位によって減少する光量を検出する受光部とが結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線により領域1及び領域2に分けられ、
前記回折格子の前記領域1および前記領域2は、それぞれ少なくとも2つ以上の小領域を有し、
前記光検出器は、前記回折格子の前記領域1の小領域を回折した光ビームを検出する受光部と前記回折格子の前記領域2の小領域を回折した光ビームを検出する受光部とが少なくとも1つは結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2記載の光ピックアップ装置において、
前記回折格子の前記領域1の小領域と前記領域2の小領域は、前記回折格子面上において前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線に対し、線対称であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2又は3記載の光ピックアップ装置において、
前記回折格子の前記領域1の小領域と前記領域2の小領域は、前記回折格子面上において前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略半径方向に伸びる分割線に対し、線対称であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2から4いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
前記回折格子の前記領域1の小領域と前記領域2の小領域は、前記回折格子の略中心に対し、点対称であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2から5いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
結線された受光部が検出する光ビームを分岐するための前記回折格子の前記領域1の小領域と前記領域2の小領域は、前記回折格子面上において異なる外形であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2から6いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
結線された受光部が検出する光ビームを分岐するための前記回折格子の前記領域1の小領域と前記領域2の小領域は、前記回折格子面上において線もしくは点もしくは回転に対し、非対称であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は領域A、領域B、領域Cの少なくとも3つの領域を有し、
前記光ディスク上のトラックにより回折されたディスク回折光のうち、前記領域Aには、0次ディスク回折光が入射し、前記領域Bには、0次、±1次ディスク回折光が入射し、前記領域Cには、0次ディスク回折光の中心光ビームが入射し、
前記領域Aは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線によってA1とA2の回折格子領域に分けられており、
前記領域Bは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線によってB1とB2の回折格子領域に分けられており、
前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線に対し、A1とB1は同じ側に配置されており、
前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線に対し、A2とB2は同じ側に配置されており、
前記光検出器は、前記回折格子領域A1を回折した光ビームを検出する1つ以上の受光部と前記回折格子領域B2を回折した光ビームを検出する1つ以上の受光部、前記回折格子領域A2を回折した光ビームを検出する1つ以上の受光部と前記回折格子領域B1を回折した光ビームを検出する1つ以上の受光部が結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は領域A、領域B、領域Cの3つの領域を有し、
前記光ディスク上のトラックにより回折されたディスク回折光のうち、前記領域Aには、0次ディスク回折光が入射し、前記領域Bには、0次、±1次ディスク回折光が入射し、前記領域Cには、0次ディスク回折光の中心光ビームが入射し、
前記領域Aは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略接線方向に伸びる分割線と略半径方向に伸びる分割線によって回折格子領域De、Df、Dg、Dhに分けられており、前記回折格子領域Dg、Dhは前記光ディスク内周側であり、前記回折格子領域De、Dfは前記光ディスクの外周側であり、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前期回折格子領域De、Dhは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Dg、Dfは同じ側に配置されており、
前記領域Bは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略接線方向に伸びる分割線と略半径方向に伸びる分割線によって回折格子領域Da、Db、Dc、Ddに分けられており、前記回折格子領域Dc、Ddは前記光ディスク内周側であり、前記回折格子領域Da、Dbは前記光ディスクの外周側であり、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Da、Ddは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの域に対し、前記回折格子領域Dc、Dbは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Da、Dd、De、Dhは同じ側に配置されており、
前記光検出器は、前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1とが結線され、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1とが結線され、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1とが結線され、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1が結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項9記載の光ピックアップ装置において、
トラッキング誤差信号は、
前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1から得られた信号A、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1から得られた信号B、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1から得られた信号C、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域dfを回折した光ビームを検出する受光部f1から得られた信号Dと、前記回折格子領域Deを回折し、他の受光部e2から検出された信号E、前記回折格子領域Dfを回折し、他の受光部f2から検出された信号F、前記回折格子領域Dgを回折し、他の受光部g2から検出された信号G、前記回折格子領域Dhを回折し、他の受光部h2から検出された信号H、定数ktを用いて、
{(A+B)−(C+D)}−kt×{(E+F)―(G+H)}
で生成されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項9又は10記載の光ピックアップ装置において、
トラッキング誤差信号は、
前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1から得られた信号A、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1から得られた信号B、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1から得られた信号C、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1から得られた信号Dの位相比較により生成されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項9又は10記載の光ピックアップ装置において、
トラッキング誤差信号は、
前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1から得られた信号A、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1から得られた信号B、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1から得られた信号C、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1から得られた信号Dと、前記回折格子領域Deを回折し、他の受光部e2から検出された信号E、前記回折格子領域Dfを回折し、他の受光部f2から検出された信号F、前記回折格子領域Dgを回折し、他の受光部g2から検出された信号G、前記回折格子領域Dhを回折し、他の受光部h2から検出された信号H、定数ksを用いて、
A−ks×(G−E)とB−ks×(H−F)とC−ks×(E−G)とD−ks×(F−H)の位相比較により生成されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は領域A、領域B、領域Cの少なくとも3つの領域を有し、
前記光ディスク上のトラックにより回折されたディスク回折光のうち、前記領域Aには、0次ディスク回折光が入射し、前記領域Bには、0次、±1次ディスク回折光が入射し、前記領域Cには、0次ディスク回折光の中心光ビームが入射し、
前記領域Aは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略接線方向に伸びる分割線と略半径方向に伸びる分割線によって回折格子領域De、Df、Dg、Dhに分けられており、前記回折格子領域Dg、Dhは前記光ディスク内周側であり、前記回折格子領域De、Dfは前記光ディスクの外周側であり、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域De、Dhは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Dg、Dfは同じ側に配置されており、
前記領域Bは、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略接線方向に伸びる分割線と略半径方向に伸びる分割線によって回折格子領域Da、Db、Dc、Ddに分けられており、
前記回折格子領域Dc、Ddは前記光ディスク内周側であり、前記回折格子領域Da、Dbは前記光ディスクの外周側であり、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Da、Ddは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Dc、Dbは同じ側に配置されており、かつ前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスクの略半径方向に伸びる分割線で分けられた2つの領域に対し、前記回折格子領域Da、Dd、De、Dhは同じ側に配置されており、
前記光検出器は、前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1とが結線され、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1とが結線され、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1とが結線され、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1が結線されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項13記載の光ピックアップ装置において、
トラッキング誤差信号は、
前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1から得られた信号A、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1から得られた信号B、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1から得られた信号C、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1から得られた信号Dと、前記回折格子領域Deを回折し、他の受光部e2から検出された信号E、前記回折格子領域Dfを回折し、他の受光部f2から検出された信号F、前記回折格子領域Dgを回折し、他の受光部g2から検出された信号G、前記回折格子領域Dhを回折し、他の受光部h2から検出された信号H、定数ktを用いて、
{(A+B)−(C+D)}−kt×{(E+F)―(G+H)}
で生成されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項13又は14記載の光ピックアップ装置において、
トラッキング誤差信号は、
前記回折格子領域Daを回折した光ビームを検出する受光部a1と前記回折格子領域Dhを回折した光ビームを検出する受光部h1から得られた信号A、前記回折格子領域Dbを回折した光ビームを検出する受光部b1と前記回折格子領域Dgを回折した光ビームを検出する受光部g1から得られた信号B、前記回折格子領域Dcを回折した光ビームを検出する受光部c1と前記回折格子領域Dfを回折した光ビームを検出する受光部f1から得られた信号C、前記回折格子領域Ddを回折した光ビームを検出する受光部d1と前記回折格子領域Deを回折した光ビームを検出する受光部e1から得られた信号Dと、前記回折格子領域Deを回折し、他の受光部e2から検出された信号E、前記回折格子領域Dfを回折し、他の受光部f2から検出された信号F、前記回折格子領域Dgを回折し、他の受光部g2から検出された信号G、前記回折格子領域Dhを回折し、他の受光部h2から検出された信号H、定数ksを用いて、
A−ks×(H−E)とB−ks×(G−F))とC−ks×(F−G)とD−ks×(E−H)の位相比較により生成されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1から15いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
結線された受光部から検出される信号数は、偶数であることを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記光検出器は、複数の受光部のうち、2つ以上の受光部を少なくとも1つは結線しており、結線された受光部のうち少なくとも1つの受光部は受光感度が異なることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1から17いずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、
前記光検出器は、結線された受光部のうち少なくとも1つの受光部の受光感度が異なり、受光感度の異なる受光部から得られる信号を用いてトラッキング誤差信号を検出することを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記光検出器のうち1つ以上の受光部は、前記対物レンズが前記アクチュエータにより前記光ディスクの略半径方向に変位するときに前記対物レンズ変位によって増加する光量の光ビームと、前記対物レンズ変位によって減少する光量の光ビームを同一受光部で検出することを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクの略半径方向に変位させるためのアクチュエータと、
光ディスクから反射した光ビームを分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光ビームを受光する複数の受光部を有する光検出器と
を備えた光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は、前記回折格子の略中心を通り、前記光ディスク略接線方向に伸びる分割線により領域1及び領域2に分けられ、前記領域1および前記領域2には、2つ以上の小領域を有しており、
前記光検出器のうち1つ以上の受光部は、前記回折格子領域1の小領域を回折した光ビームと前記回折格子領域2の小領域を回折した光ビームを同一受光部で検出することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1から20いずれか1項に記載の光ピックアップ装置を備え、前記光ピックアップ装置内における前記半導体レーザを駆動するレーザ点灯回路と、前記光ピックアップ装置内の前記光検出器から検出された信号を用いてフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号を生成するサーボ信号生成回路と、光ディスクに記録された情報信号を再生する情報信号再生回路とを搭載した光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009296672A JP2011138573A (ja) | 2009-12-28 | 2009-12-28 | 光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
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JP2011138573A true JP2011138573A (ja) | 2011-07-14 |
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ID=44349842
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JP2009296672A Pending JP2011138573A (ja) | 2009-12-28 | 2009-12-28 | 光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
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-
2009
- 2009-12-28 JP JP2009296672A patent/JP2011138573A/ja active Pending
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