JP2011136953A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】メントールによるピリピリした刺激や痛みを感じにくい含有量でありながら、メントールを増量するのと同等以上の清涼感に増強することが口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)メントール0.2〜0.8質量%、及び(B)固形分換算でショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である精製ジンジャーオレオレジンを含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が2〜80である口腔用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、口中に良好な清涼感を付与できる口腔用組成物に関する。
歯磨剤、口臭抑制剤、口中清涼剤、口中溶解性錠剤、ガム等の口腔用組成物には、口腔内に適用した際の清涼感の付与の目的で種々の清涼剤が配合される。当該清涼剤のうち、メントールは強い清涼作用を持つため汎用されているが、清涼感と同時に、刺激性を有しており、増量すると痛みを伴うほどの刺激を生じることがあることも知られている(特許文献1)。これに対して、特許文献1に記載の組成物は、メントール等の清涼化成分の刺激に対して、カフェイン又はその塩を刺激改善剤として配合している。また、特許文献2に記載の口腔用固形製剤は、2層以上の層を有し、早く解ける層のメントール配合量を少なくし、徐々にメントールの溶解量を高くすることで刺激の感じ方を緩和している。特許文献3に記載の液体口腔用組成物は、メントールの刺激と辛さを緩和させるために、キシリトールを配合している。
一方、ジンジャーオレオレジンは、温感剤として知られ(例えば、特許文献4)、ジンジャーオレオレジンに含まれるショーガオールは辛味成分として知られており(例えば、非特許文献1)、特許文献4に記載のようにジンジャーオレオレジンは、温感剤として、強い刺激と香りがあることも知られている。そして、特許文献5に記載の口腔用組成物は、ペパーミント等の香料では低減されないフィチン酸の酸味や収斂性を改善するために、ジンジャーやトウガラシ等のオレオレジン、イリスのコンクリート等を配合することが記載されている。
特開2001−302518号公報 特開平10−53518号公報 特開2000−178152号公報 特開2001−279227号公報 特公平7−72124号公報
「合成香料」 化学工業日報社発行 2005年改訂版 P152-153 J.W.ハスラー著、「活性炭の応用技術」、株式会社テクノシステム発行、P16-17, 1976年
しかしながら、特許文献1〜3に記載のメントールを含有する組成物は、メントールを含有する場合の刺激を緩和することを目的としており、特に、大量のメントールを含有した場合の舌がピリピリする刺激や苦味を低減しようとするものであり、メントールの刺激を抑えつつ、メントールの清涼感を増幅、増強させる手段については記載されていない。
本発明の課題は、メントールの含有量が舌がピリピリする刺激や痛みを感じにくい範囲であっても、メントールの清涼感を増強することができる口腔用組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、メントールに種々の成分を併用してその味の変化について検討したところ、特定の精製ジンジャーオレオレジンを併用すると、全く意外にも、メントールの清涼感を増強させ、しかも高濃度のメントールと同等以上の清涼感が得られ、そのスッキリした清涼感が持続することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は(A)メントール0.2〜0.8質量%、及び(B)固形分換算でショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である精製ジンジャーオレオレジンを含有し、(A)と(B)の固形分換算量との質量比(A/B)が2〜80である口腔用組成物を提供するものである。
また、本発明は、(A)メントール0.2〜0.8質量%を含有する口腔用組成物に、(B)固形分換算でショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である精製ジンジャーオレオレジンを含有させ、(A)と(B)の質量比(A/B)を2〜80にする、口腔用組成物に含まれるメントールの清涼感増強方法を提供するものである。
本発明の口腔用組成物を口中に適用すれば、メントールの清涼感が増強され、メントールを増量するのと同等以上のすっきりした清涼感が得られ、その作用が持続する。
活性炭による処理前と処理後のジンジャーオレオレジンの(GC−FID)の分析結果を示す図である。 図1の分析結果の一部を拡大して示した図である。 メントール及び精製ジンジャーオレオレジンの併用による清涼感(すっきり感)の効果を示す図である。 メントール0.2質量%配合組成物に対する精製ジンジャーオレオレジンの添加効果を示す図である。
本発明の口腔用組成物は、(A)メントールを0.2〜0.8質量%含有する。ここでメントールとしては、lメントール、dl−メントール等が挙げられる、清涼感の点からl−メントールが好ましい。メントールとしては、天然のオイルから精製されたメントールのほか、シトロネラ油、チモール、ミルセン等から合成されたメントールを配合しても良く、また、メントールを含有するペパーミント油自体を配合してもよい。メントールの口腔用組成物中の含有量は、清涼感(すっきり感)と刺激抑制、辛味抑制のバランスから0.2〜0.8質量%であり、0.2〜0.6質量%が好ましく、さらに0.3〜0.5質量%が好ましい。口腔用組成物中にメントールを単独で0.2質量%配合しても強い清涼感は得られないが、本発明の精製ジンジャーオレオレジンを併用することにより、清涼感が増強され、メントールの含有量が0.2質量%であってもメントールをその5倍含有した位の清涼感が得られ、しかも、その清涼感(すっきり感)が持続する。
本発明に用いられる(B)精製ジンジャーオレオレジンは、ショーガオールのほか、ジンギベレン等の他の香り成分を含有し、ジンジャーオレオレジンの固形分換算量において、ショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である。即ち、精製ジンジャーオレオレジンにおける(B1)ショーガオールとジンギベレン(B2)の質量比(B2/B1)が1未満であって、この質量比(B2/B1)はさらに0.9以下が好ましく、特に0.8以下が好ましい。なお、精製ジンジャーオレオレジンにおける、ジンギベレンの含有量は、1〜6質量%が好ましく、さらに2〜5質量%が好ましい。
また(B)精製ジンジャーオレオレジンは、β−セスキフェランドレン、γ−ムウロレン、α−ファルネセン等の香り成分を含有し、β−セスキフェランドレン、γ−ムウロレンの含有量は、各々が質量比でショーガオールの含有量の1/2よりも少ないことが好ましい。精製ジンジャーオレオレジンにおけるショーガオールに対する質量比は、β-セスキフェランドレンは10〜60%が好ましく、さらに15〜50%が好ましい。精製ジンジャーオレオレジンにおけるα−ファルネセンの含有量は、0.1〜0.8質量%が好ましく、さらに0.2〜0.75質量%が好ましい。また、(B)精製ジンジャーオレオレジンにおける、β−セスキフェランドレンの含有量は0.1〜2.8質量%が好ましく、さらに1.0〜2.7質量%が好ましく、γ−ムウロレンの含有量は1.9〜2.5質量%が好ましい。なお、ここでショーガオールは6-ショーガオールともいわれ、化学名は、1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-4-デセン-3-オン、1-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-4-デセン-3-オンであり、ジンギベレンはα-ジンギベレンとも呼ばれ、化学名は、(R)‐5‐[(S)‐1,5‐ジメチル‐4‐ヘキセニル]‐2‐メチル‐1,3‐シクロヘキサジエンである。
(B)精製ジンジャーオレオレジンの口腔用組成物中の含有量は、さっぱり感や清涼感、すっきり感を向上させる観点から、メントールとの質量比(A/B)で、2〜80であり、さらに5〜50が好ましく、特に10〜40が好ましい。(A)メントールと(B)精製ジンジャーオレオレジンの質量比を2〜80にすることにより、口腔用組成物に含まれるメントールの清涼感を増強することができる。
このような精製ジンジャーオレオレジンは、ショウガを有機溶剤で抽出し、さらに精製して得られる。精製方法は特に制限されないが、ジンジャーオレオレジンを活性炭と接触させる活性炭処理工程を含む精製方法が好ましく、さらに、ジンジャーオレオレジンを有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させる工程を含む精製方法が好ましい。精製されたジンジャーオレオレジンは、減圧濃縮、薄膜濃縮等の方法により溶剤を除去したペースト状又は固体の固形分換算で、ショーガオールの含有量が4〜16質量%であるものが好ましく、さらに5〜10質量%であるものが好ましい。
本発明の好ましい(B)精製ジンジャーオレオレジンは、ガードナー色数(ショーガオール0.01質量%エタノール溶液)(「JIS K0071−3 化学製品の色試験方法 第2部 ガードナー色数」参照)が、配合上、製品の外観の点から、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。なお、ショーガオール0.01質量%エタノール溶液は、(B)精製ジンジャーオレオレジンを、ショーガオールの含有量が0.01質量%になるようにエタノール溶液で調整した調整液である。
また、本発明の好ましい(B)精製ジンジャーオレオレジンの粘性(絶対粘度)は、配合を容易にする点から、ショーガオールが4質量%になるように調整したエタノール溶液で、温度20℃において、好ましくは1cP〜30cPであり、より好ましくは5cP〜25cPであり、さらに好ましくは10cP〜25cPである。なお、粘度は、温度20℃において振動式粘度計(山一電機社製 「VM-1A」)により測定した粘度をいう。
本発明の(B)精製ジンジャーオレオレジンの口腔用組成物における含有量は、減圧濃縮、薄膜濃縮等の方法により溶剤を除去したペースト又は固体の固形分換算で、0.005〜0.1質量%が好ましく、さらに0.01〜0.08質量%が好ましく、特に0.02〜0.06質量%が好ましい。
上記のジンジャーオレオレジンの精製において、活性炭処理工程の前にジンジャーオレオレジンを有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させることが好ましい。この工程における有機溶剤と水の比率は、有機溶剤:水が60:40〜100:0が好ましく、さらに60:40〜90:10が好ましく、さらに60:40〜85:15が好ましく、特に60:40〜80:20が好ましい。
上記の精製に用いる有機溶剤としては、メタノール、エタノールやプロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール、アセトン、ジメチルエーテル、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル等が挙げられるが、このうち水に溶解し、また溶剤除去が容易なことから、好ましくは低級アルコール及びアセトンであり、より好ましくはメタノール及びエタノールであり、さらに好ましくはエタノールである。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記の有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液の使用量は、限定されないが、ジンジャーオレオレジン(固形分換算)1質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8〜30質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。
ジンジャーオレオレジンを上記有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させる工程は、具体的にはジンジャーオレオレジンを有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に溶解又は懸濁させればよく、必要に応じて攪拌、超音波処理等の手法が採用できる。
ジンジャーオレオレジンの精製工程は、活性炭に接触させる活性炭処理工程を含むことが好ましく、さらに有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させる工程の次に、この有機溶剤と水とジンジャーオレオレジンとの混合液を活性炭に接触させる活性炭処理工程を行うことが好ましい。活性炭処理工程で用いる活性炭は、脱色効果、粘性物質等の吸着効果の点から、細孔径分布が15〜40Åのものを用いることが好ましく、さらに好ましくは細孔径分布が15〜25Åのものを用いることが好ましい。ここで、細孔径分布とは、細孔の大きさと細孔容積の関係を意味し、本発明の細孔径分布はガス吸着法で測定されたものを示す。
上記の細孔径分布を有する活性炭としては、木粉(おがくず)、ヤシ殻、石炭、ピッチ、コークス等の植物物質や鉱物物質の各種炭素質原料を、所定の細孔径分布を有するように炭化し、賦活化したものが挙げられる。中でも、木粉(おがくず)やヤシ殻等の植物物質を原料とするものが好ましく、木粉(おがくず)を用いるのがより好ましい。
賦活化の方法は、所定の細孔径分布を形成できるものであればよいが、例えば、細孔径分布が15〜25Åを有する活性炭を得る場合には木粉(おがくず)の原材料を水蒸気法によって賦活化する方法(非特許文献2参照)、また、細孔径分布が25〜40Åを有する活性炭を得る場合には木粉(おがくず)の原材料を塩化亜鉛法(薬品賦活法)によって賦活化する方法(非特許文献2参照)が挙げられる。
また、活性炭の市販品としては、例えば、細孔径分布が15〜25Åを有するものとして、白鷺A、白鷺B、白鷺M、白鷺P、粒状白鷺(いずれも日本エンバイアロケミカルズ社の商品名);太閤Kタイプ、太閤Pタイプ(いずれも二村化学社の商品名);大平梅峰印、大平MA印(太平化学産業社の商品名)等が挙げられる。また、細孔径分布が25〜40Åを有するものとして、カルボラフィン、強力白鷺、精製白鷺、特製白鷺(いずれも日本エンバイアロケミカルズ社の商品名);太閤Sタイプ(二村化学社の商品名)等が挙げられる。
活性炭処理工程における活性炭の使用量は、吸着能を超えない範囲であれば特に制限はないが、有効成分の損失を低減しつつ、着色成分等の不要成分の除去効率を低下させないため、ジンジャーオレオレジン(固形分換算)1質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.0625〜0.5質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
活性炭処理工程における活性炭の形態としては、粒状、粉状が挙げられ、いずれの活性炭を用いてもよいが、活性端処理の方法に応じて適宜選択すればよい。
有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させる手段、又は活性炭に接触させる手段としては、パッチ式、カラムによる連続処理等のいずれの方法を採用してもよい。例えば、ジンジャーオレオレジンと有機溶剤と水との混合液に粉末状の活性炭を添加、攪拌し、不要成分を選択的に吸着後、ろ過操作により不要成分を除去したろ液を得る方法、又は顆粒状の活性炭等を充填したカラムを用いて連続処理により不要成分を選択的に吸着し、有効成分を溶出する方法等が挙げられる。連続的にジンジャーオレオレジンの精製を行うことができるので、活性炭カラムによる連続処理等の方法で行うことが好ましい。
このときの操作温度は、好ましくは5〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。
また、有効成分の回収率を高めるため、ジンジャーオレオレジンと有機溶剤又は有機溶剤と水との混合液に接触させた活性炭を、さらに有機溶剤と水との混合液に接触させ、その混合液から有効成分を回収してもよい。
得られた精製ジンジャーオレオレジンは、上記の方法で繰り返しさらに精製してもよく、エタノール等の有機溶剤沈殿法等公知の方法を組み合わせて精製してもよい。
また、適宜、減圧濃縮、薄膜濃縮等の方法により有機溶剤を除去してもよい。
得られた精製ジンジャーオレオレジンは、そのまま、これを濃縮又は希釈して使用することができる。
本発明の口腔用組成物には、さらに清涼効果を高めるため糖アルコールを含有するのが好ましい。糖アルコールとしては、清涼作用の高いものが好ましく、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールが好ましく、特に清涼作用と保形性等との点からエリスリトールとソルビトールが好ましい。当該糖アルコールの口腔用組成物における含有量は、すっきりした清涼効果を得る点と、口腔用組成物が固形組成物である場合の保形性の点から、10〜95質量%含有が好ましく、さらに40〜95質量%が好ましく、特に50〜95質量%が好ましい。
本発明の口腔用組成物の形態としては、口中に適用するものであれば制限されず、歯磨剤、錠剤、チューインガム、口中清涼菓子等の食品、デンタルフロス、布等の口腔衛生器具が挙げられ、歯磨剤、錠剤、チューインガム、口中清涼菓子が好ましく、特に、錠剤、口中清涼菓子、チューインガムから選ばれる口腔用固形組成物が好ましい。
これらの組成物のうち歯磨剤の場合には、さらに研磨剤、粘結剤、保湿剤、界面活性剤、甘味剤、香料、殺菌剤、防腐剤、清掃助剤、その他の有効成分等を配合できる。
錠剤やチューインガム等の場合には、賦形剤、増粘剤、崩壊剤、結合剤、甘味剤、ガム基剤等を配合できる。錠剤やチューインガムの場合は、結合剤、増粘剤としてトラガントガム、アラビアガム等が配合され、これらは渋味やエグ味の要因となり、特にトラガントガムは特有のエグ味を有し、即ち、灰汁が強く舌や喉にザラザラした感触がある。これに対し、本発明の前記メントール及び精製ジンジャーオレオレジンを組み合せるとトラガントガム等のエグ味が改善されることが判明した。アラビアガム及びトラガントガムの含有量は、エグ味改善効果の点からメントールとの質量比(トラントガム等/メントール)は、1/8〜15/2が好ましく、さらに1/4〜15/4が好ましく、特に1〜3が好ましい。
製造例1
100mL容ガラス製スクリューバイアルに、ジンジャーオレオレジン(ジボダン社製)2gを原料として入れ、95質量%のエタノール水溶液50mLに溶解した。
各種活性炭(白鷺WH2C、白鷺P、カルボラフィン、いずれも日本エンバイロケミカルズ社製)を各ジンジャーオレオレジン分散液にそれぞれ2g添加した。振盪機を用いて室温で2時間攪拌して着色成分、粘性成分や臭い成分を活性炭に吸着させた後、0.45μmのフィルターで溶液をろ過し、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。測定条件は、カラム:イナートシル−ODS−3(GL−Science,2.1×150mm)、0.1%TFAを流し、測定開始(0分)から30分かけて移動層を100%MeCN濃度とし、40分間100%MeCNとし、流速:0.2mL/min、温度:40℃、測定波長:254nm(UV)とした。このとき、ジンジャーオレオレジンを95質量%のエタノール水溶液50mLに接触させ、混合した後のショーガオールの濃度を100%とした。
また、ろ液1.5mLを2mL容量のガラス製スクリューバイアルに入れ、パネラー(2人)を用いて、ニオイ(刺激臭)レベル及び着色の低減度合いをジンジャーオレオレジン溶液と比較した。
このとき、ジンジャーオレオレジンを95質量%のエタノール水溶液50mLに接触させ、混合した後の着色及びニオイを基準とした。
ここで、「ニオイ」とは、ショウガ特有の強い刺激臭を意味する。
HPLC分析の結果得られた、各処理品中のショーガオール回収率、並びに目視での着色低減度合い及びニオイレベルを下記表1に示す。なお、着色度合い及びニオイレベルは2人のパネラーの協議の結果を示す。
表1に示すように、ショーガオール回収率は3種とも同等であった。一方、カルボラフィン(25−40Å)及び白鷺P(15−25Å)は高い着色除去効果及び刺激臭緩和効果が認められ、着色除去効果という点では、カルボラフィン(25−40Å)が最も優れていた。従って、活性炭の細孔径分布は、15−40Åが優れているという結果を得た。
Figure 2011136953
また、前記の活性炭(カルボフィラン)による処理前後のジンジャーオレオレジンの成分をガスクロマトグラフ分析(GC-FID)の結果を図1及び図2に示す。表2には、図1(図2)のGC-FIDのピーク分析による精製ジンジャーオレオレジンの各成分の分析結果を示す。
GC−FIDの測定条件は、装置:6890N(Agilent Technology)、カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、膜圧:0.25μm)、カラム流量:1mL/min、カラム温度:40℃(5分間)→(20℃/分で昇温)→320℃(10分間)、検出器:FID(水素炎イオン検出器)、検出器温度:300℃、キャリアガス:Heとした。処理前後のジンジャーオレオレジンに含まれるショーガオールの含有量は、市販のショーガオール(和光純薬製 局方生薬試験用No.199-14111)を標準液とし、GC−FIDの測定によるピーク面積を基準に求めた。ショーガオール以外の成分の含有量は、同族物質であるp-cymene(p-サイメン)(Acros Organics社製 No.111762500)を標準液とし、GC−FIDの測定によるピーク面積を基準に含有量を求めた。なお、標準液のGC−FIDの測定条件も、上記のジンジャーオレオレジンの測定条件と同じとしている。
表2に示すように、活性炭による処理後の精製ジンジャーオレオレジンは、ショーガオールの含有量に対してジンギベレンの含有量が減少している。具体的には、活性炭処理前のジンギベレンの含有量は、ショーガオールよりも多く、ショーガオールに対して質量比で約1.7倍含有されていたが、処理後のジンギベレンの含有量は、ショーガオールに対する質量比が約0.8倍に低下していた。また、β−セスキフェランドレン、γ−ムウロレンについては、活性炭処理により重量比でショーガオールの含有量の1/2より少ない含有量となっている。また、α−ファルネセンについても固形分含有量で12.5質量%と少量であり、これらの刺激的な香りの原因となる成分が低減されていることが認められた。
Figure 2011136953
表3及び表4に示す組成に従って、錠剤(タブレット)を製造した。表中の含有量は質量%である。
(実施例1)
製造例1(カルボラフィン使用)で得られた精製ジンジャーオレオレジンを用いて表3の処方に従い錠剤1〜10を製造した。錠剤1〜10は、表3の処方に従った混合物0.7gを直径12mmの金型に投入し、プレス機で2tの荷重をかけてプレス加工をして製造した。
Figure 2011136953
(評価方法)
評価は、専門パネラー4名に錠剤1〜10を食べてもらい、清涼感(すっきり感)と舌に感じる刺激を評価した。清涼感の評価は、5段階評価で行い、5:極めてすっきりしてすっきり感が持続する、1:すっきり感が少なく持続しない、の1〜5の5段階で評価し、4名の平均値を評価値とした。舌に感じる刺激の評価は、舌がピリピリして痛みを感じる場合を「×」、ピリピリ感を殆ど感じない場合を「○」とし、専門パネラー4名の協議による評価を採用した。
錠剤1〜10の評価結果を表3及び図3に示す。表3及び図3に示すように、本発明のメントールと精製ジンジャーオレオレジンを含有する錠剤1〜5は、精製ジンジャーオレオレジンを含有しない錠剤6〜10に比べて清涼感(すっきり感)が高く、その効果が持続することが認められた。特に、メントールを0.2質量%以上含有する錠剤2〜5は、メントールのみを1質量%含有する錠剤10以上に高い清涼感が認められ、メントールの量が1質量%よりも少ない錠剤2〜4については舌へのピリピリした刺激がなく、しかも清涼感の高い評価が得られた。
(実施例2)
また、表4の処方に従い、(実施例1)と同様に錠剤11〜17を調製し、(実施例1)と同様に清涼感(すっきり感)と舌への刺激を評価した。評価結果を表4及び図4に示す。表4及び図4に示すように、メントールのみを含有する錠剤11はすっきり感が低く、すっきり感の持続効果も弱かったが、メントールと精製ジンジャーオレオレジンを含有する錠剤12〜15は、すっきり感とすっきり感の持続効果が向上されたことが認められた。一方、精製ジンジャーオレオレジンのみを含有する錠剤16〜18は、精製ジンジャーオレオレジンを1.0質量%含有してもすっきり感が少なく、その持続性もない評価が得られた。
Figure 2011136953
以下の錠剤19、20を製造し、清涼感(すっきり感)、舌に感じる刺激を(実施例1)と同様に評価した。
実施例:錠剤19
ソルビトール(98%) 50%
エリスリトール 45%
スクラロース 0.03%
ステアリン酸カルシウム 1.0%
メントール 0.4%
精製ジンジャーオレオレジン(*1) 0.02%
デキストリン 調整
合計 100%
清涼感(すっきり感) 5
舌に感じる刺激 ○
*1:製造例1
実施例:錠剤20
ソルビトール 95%
スクラロース 0.03%
ステアリン酸カルシウム 1.0%
メントール 0.4%
精製ジンジャーオレオレジン(*1) 0.02%
トラガントガム 1.0%
デキストリン 調整
合計 100%
清涼感(すっきり感) 5
舌に感じる刺激 ○
*1:製造例1

Claims (6)

  1. (A)メントール0.2〜0.8質量%、及び(B)固形分換算でショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である精製ジンジャーオレオレジンを含有し、(A)と(B)の質量比(A/B)が2〜80である口腔用組成物。
  2. (B)精製ジンジャーオレオレジンが、固形分換算でショーガオールを4〜16質量%含有するものである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (B)精製ジンジャーオレオレジンが、ジンジャーオレオレジンを活性炭と接触させる工程を含む処理により精製されたものである請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. さらに糖アルコールを含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  5. さらにトラガントガムを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  6. (A)メントール0.2〜0.8質量%を含有する口腔用組成物に、(B)固形分換算でショーガオール1質量部に対するジンギベレンの含有量が1質量部未満である精製ジンジャーオレオレジンを含有させ、(A)と(B)の質量比(A/B)を2〜80にする、口腔用組成物に含まれるメントールの清涼感増強方法。
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