JP2014183774A - チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法、及びチューインガム組成物 - Google Patents

チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法、及びチューインガム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性を調節することができる方法、及び咀嚼後における消臭効果の優れた持続性を有するチューインガム組成物を提供する。
【解決手段】チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法は、ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含むチューインガム組成物において、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比を調節する工程を有する。チューインガム組成物は、ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含み、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の質量比が5.0超である。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性を調節する技術に関する。
口臭はメチルメルカプタンをはじめとする揮発性硫黄化合物が主な原因であり、多くの人に不快感を与える。従来、口臭を除去するため、種々の消臭剤が開発・提案されている。これらの中でも、人体への安全性を考慮した消臭剤として、植物抽出物を利用したものが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、消臭力が強く、安全に使用できるものとして、口臭有効成分としての植物抽出物と酸化還元酵素とを併用した消臭剤(特許文献2参照)や、特定の植物抽出物とフェノール性化合物を酸化する酵素とを併用した消臭剤(特許文献3、4参照)が提案されている。
特開昭57−204278号公報 特開昭63−309269号公報 特開平10−212221号公報 特開2010−158375号公報
しかし、従来追求されているのは、消臭力の強さにとどまる。例えば消臭剤を含むチューインガムによって、チューインガムを咀嚼する間の消臭効果が得られても、咀嚼した後の消臭効果がどうなるかは、検討されていない。このため、チューインガムを咀嚼し続けなければ、十分な消臭効果が得られない場合がある。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性を調節することができる方法、及び咀嚼後における消臭効果の優れた持続性を有するチューインガム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比が、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性と相関することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含むチューインガム組成物において、前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の比を調節する工程を有する、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法。
(2) 前記消臭効果は、各抽出物の消臭効果の相加平均を超えるレベルである(1)記載の方法。
(3) 前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の質量比を5.0超にする(1)又は(2)記載の方法。
(4) 前記チューインガム組成物にペルオキシダーゼを配合する工程を更に有する(1)から(3)いずれか記載の方法。
(5) 前記ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含み、前記タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含む(1)から(4)いずれか記載の方法。
(6) ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含み、
前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の質量比が1.0超であるチューインガム組成物。
(7) ペルオキシダーゼを更に含有する(6)記載のチューインガム組成物。
(8) 前記ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含み、前記タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含む(6)又は(7)記載のチューインガム組成物。
本発明によれば、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比を調節することで、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性を調節することができる。
図1は、本発明の実施例に係るチューインガム組成物の咀嚼後の消臭効果の持続性を示すグラフである。 図2は、チューインガム組成物の咀嚼後の消臭効果の予想される持続性を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、これらに本発明が限定されるものではない。
本発明において、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法は、ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含むチューインガム組成物において、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比を調節する工程を有する。咀嚼中の消臭効果は、チューインガムから唾液へと溶出する消臭剤の量に依存するため、消臭剤の唾液への溶出性やチューインガム組成物中の消臭剤の配合量によって調節し得る。しかし、咀嚼後は、消臭剤の供給源であるチューインガムが口腔外へと排出され、溶出した消臭剤が唾液とともに口腔から胃へと飲み込まれた後である。このため、咀嚼後の消臭効果の持続性は、消臭剤の唾液への溶出性やチューインガム組成物中の消臭剤の配合量に依存するとは限らず、調節が困難である。
本発明者らは、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比が、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性と相関することを見出した。咀嚼後の消臭効果の持続性について、ビフェニル化合物含有抽出物とタンニン類含有抽出物との間で有意差があるか否かすら不明であるという技術水準から、上記発見は驚くべきものである。本発明によれば、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比を調節することで、咀嚼後の消臭効果の持続性を調節することができる。また、咀嚼後の消臭効果の持続性は、上記比という消臭剤の唾液への溶出性や配合量とは異なるパラメータで調節されるので、咀嚼中の消臭効果と独立して好適化することもできる。
ビフェニル化合物含有抽出物としては、特に限定されないが、タイム抽出物等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの抽出物は、消臭成分の基本骨格が共通するため、口腔内での滞留性及び消臭効果を奏する機構について共通し、タンニン類含有抽出物と協働して同様の咀嚼後の消臭効果の持続性を奏する。特に限定されないが、ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含むことが好ましい。配合量は、特に限定されず、チューインガム組成物において、通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.005〜1重量%である。
タンニン類含有抽出物としては、特に限定されないが、ウラジロガシ抽出物、甜茶抽出物、柿抽出物等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの抽出物は、消臭成分の基本骨格が共通するため、口腔内での滞留性及び消臭効果を奏する機構について共通し、ビフェニル化合物含有抽出物と協働して同様の咀嚼後の消臭効果の持続性を奏する。特に限定されないが、タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含むことが好ましい。配合量は、特に限定されず、チューインガム組成物において、通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.005〜1重量%である。
なお、本発明において、「チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節」とは、特に限定されないが、あるチューインガム組成物におけるビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の比が、従来のチューインガム組成物における比と異なり、かつ、咀嚼後における消臭効果の持続性に関する表示、広告等がチューインガム組成物に関連してなされている態様等を包含する。
ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物の組合せによる咀嚼後の消臭効果は、各抽出物の消臭効果の相加平均を超えるレベルで持続されることが好ましい。消臭効果が相加平均を超えるレベルである期間は、必ずしも咀嚼後の全期間である必要はなく、限られた期間(例えば、咀嚼終了の30分以後、60分以後、90分以後、又は120分以後)のみであってもよい。なお、消臭効果は、呼気中の揮発性硫黄化合物(VSC)、つまり硫化水素、メチルメルカプタン、及び硫化ジメチルの総和濃度によって決定される。つまり、消臭効果が高いことは、呼気中のVSC濃度が低いことで特定される。
ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の質量比は、特に限定されないが、5.0超にすることが好ましい。これにより、咀嚼後の優れた消臭効果の持続性が得られやすい。上記比は、5.5以上であることがより好ましく、更に好ましくは、6.0以上、6.5以上、7.0以上、7.5以上である。また、上記比は、特に限定されないが、50以下であることが好ましく、より好ましくは40以下、25以下である。ただし、上記比は、5.0以下であってもよい。
本発明の方法は、チューインガム組成物にペルオキシダーゼを配合する工程を更に有することが好ましい。これにより、咀嚼後の優れた消臭効果の持続性が得られやすい。ただし、ペルオキシダーゼを配合しなくても、ビフェニル化合物含有抽出物とタンニン類含有抽出物との比率を変更することによる本発明の効果は得られる。
本発明は、ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含み、ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対するタンニン類含有抽出物の配合量の質量比が5.0超であるチューインガム組成物も提供する。かかるチューインガム組成物は、前述のとおり、咀嚼後における消臭効果の優れた持続性を有する。
各抽出物の配合量は、特に限定されず、チューインガム組成物において、通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.005〜1重量%である。
各抽出物は、抽出溶剤を用いて適切な原料植物を処理することにより製造される。抽出溶剤は特に限定されないが、通常は極性溶剤であることが好ましく、例えば、水、低級脂肪族アルコール、又はこれらの混合物を挙げることができる。低級脂肪族アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール等が挙げられる。上記の中では、水が好ましい。抽出溶剤として含水の低級脂肪族アルコールを用いる場合、それに含まれるアルコール量は10〜90質量%であってよい。
抽出溶剤としての水は、特に限定されず、例えば、純水、水道水、井戸水又はこれらにイオン交換、膜処理、ろ過、加熱殺菌、蒸留、pH調製等の各種処理を施したものであってよい。
抽出条件は、原料植物の性質に応じ、適宜行うことができる。一例として、乾燥した原料植物の葉や小枝粉砕物等に重量比で3〜20倍の極性溶剤を加え、含浸若しくは撹拌を行い、抽出を行えばよい。抽出時間は30分〜1日であることが好ましく、抽出温度は室温〜100℃であることが好ましい。
抽出操作は1回でもよいが、抽出後に回収した原料植物の葉や小枝粉砕物等の残渣に更に極性溶剤を添加し、再度行ってもよい。複数回の抽出操作で得られた抽出液は、一つの抽出液として互いに合わせることもできるし、いずれかのみを使用することもできる。
上記原料植物から得られる植物抽出物の形態は、特に限定されず、例えば、抽出液の他、抽出液の希釈液、濃縮液、凍結乾燥品又は分画若しくは精製処理工程を経た精製物等であってよい。
原料植物は、極性溶剤で抽出する場合、事前に非極性溶剤(例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)を添加し、脂溶性成分を非極性溶剤に溶解し、除去してもよい。
上記で得られた抽出物には、更に機能性を高めるために、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等の精製処理を、単独で又は適宜組み合わせて行うことができる。また、上記抽出物の取り扱いを容易にするため、製剤化等の加工処理を行うことができる。
本発明のチューインガム組成物は、特に限定されないが、ペルオキシダーゼを更に含有することが好ましい。ペルオキシダーゼは、アブラナ科セイヨウワサビ(Armoracia rusticana)、アブラナ科ダイコン(Rahpauns acanthiformis)若しくはキュウリ科キュウリ(Cucumis sativus)より搾汁したもの、又は糸状菌(Alternaria,Aspergillus oryzae,Coprinus cinereus,Oidiodendron)若しくは細菌(Bacillus)の培養液より、冷時〜室温時水で抽出して得られたもの、若しくは冷時〜室温時濃縮、精製を行ったものであってよい。ペルオキシダーゼは、入手が容易なことから、市販品であってもよい。
本発明のチューインガム組成物において、特に限定されないが、ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含み、タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含むことが好ましい。
本発明のチューインガム組成物は、上記の消臭剤の他、あらゆるガムベース、甘味料、香料、色素、機能性成分(例えば、清涼化剤、喉鎮静剤、スパイス、加温剤、歯ホワイトニング剤、ビタミン類、ミネラル類、カフェイン、薬剤)及びそれらの混合物等の任意成分を含有してよい。
本発明のチューインガム組成物は、それ自体のみ、又は中央の充填組成物を被覆し、又は糖衣等で外側を被覆される等によって、チューインガム製品を構成することができる。充填組成物及び糖衣等は、あらゆる組成で構成されてよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
(ウラジロガシ抽出物の製造)
ウラジロガシの小枝を含む葉の乾燥粉砕物50gに蒸留水300gを添加し、2時間加熱還流した。得られた抽出混合物を室温下で放置・冷却後、ろ過を行い、抽出液と残渣に分けた。残渣に再度蒸留水300gを添加し、上記と同条件で加熱還流、冷却及びろ過操作を行った。抽出操作は計3回行い、それぞれの操作で得られた抽出液を一つに合わせた後、減圧下にて濃縮乾固し、ウラジロガシ抽出物を得た。
(タイム抽出物の製造)
タイムの乾燥葉30gに50%(v/v)含水アルコール300gを添加し、80℃で3時間加熱還流した。得られた抽出混合物を室温下で放置・冷却後、ろ過を行い、抽出液と残渣に分けた。残渣に再度50%(v/v)含水アルコール300gを添加し、上記と同条件で加熱還流、冷却及びろ過操作を行った。抽出操作は計3回行い、それぞれの操作で得られた抽出液を一つに合わせた後、減圧下にて濃縮乾固し、タイム抽出物を得た。
(チューインガム組成物の製造)
下記配合にしたがってチューインガム組成物を製造した。
<プラセボガム>
ガムベース 35g
マルチトール 55g
キシリトール 5g
ガム用香料 1g
<参考例> (ウラジロガシ抽出物/タイム抽出物=5.0)
ウラジロガシ抽出物 0.035g
タイム抽出物 0.007g
ペルオキシダーゼ 0.0001g
ガムベース 35g
マルチトール 55g
キシリトール 5g
ガム用香料 1g
<実施例> (ウラジロガシ抽出物/タイム抽出物=12.5)
ウラジロガシ抽出物 0.091g
タイム抽出物 0.0073g
ペルオキシダーゼ 0.0001g
ガムベース 35g
マルチトール 55g
キシリトール 5g
ガム用香料 1g
各チューインガム組成物を、37名の健常者に20分間に亘って咀嚼させた。対照区では、チューインガムを咀嚼せず、20分間に亘り待機させた。チューインガム組成物咀嚼前(図1中の「base line」)、及びチューインガム組成物を口腔から取り出した後、チューインガム組成物を口腔から取り出した後、0、30、60、90、120分後において、被験者の呼気を採取し、直接呼気導入法によりガスクロマトグラフィにて呼気中の硫化水素、メチルメルカプタン、及び硫化ジメチルの濃度を測定した。次式により呼気中VSC消臭率を算出した。各時点における揮発性硫黄化合物(VSC)の総和濃度を図1に示す。
VSC消臭率(%)=(B−T)/B × 100
B:チューインガム組成物咀嚼前の呼気中のVSCの総和濃度(ppb)
T:チューインガム組成物咀嚼後の呼気中のVSCの総和濃度(ppb)
図1に示されるように、咀嚼直後には、いずれのチューインガムも、チューインガムなしに比べ、同等に消臭効果が残存していた。しかし、咀嚼後の時間が経過するごとに、比較例及び参考例のチューインガムでは、消臭効果が消失し、咀嚼前と同等レベルまでVSC値が戻っていた。これに対し、実施例のチューインガムでは、咀嚼後の時間が経過しても、消臭効果が持続し、咀嚼120分後においても、唯一、チューインガムなしの対照区に比べ、有意に消臭効果が奏されていた。
この結果から、消臭効果の咀嚼後の持続性は、タイム抽出物の配合量に対するウラジロガシ抽出物の配合量の比によって調節できることが分かった。なお、参考例に比べ、実施例の方が、タイム抽出物及びウラジロガシ抽出物の総配合量が若干多い。しかし、咀嚼後は、消臭剤の供給源であるチューインガムが口腔外へと排出され、溶出した消臭剤が唾液とともに口腔から胃へと飲み込まれた後であることから、上記咀嚼後の消臭効果の持続性の差が抽出物の総配合量の差によるものではないと考えられる。
<試験例1> 抽出物の量について
上記のように、咀嚼後の消臭効果の持続性の差が抽出物の総配合量の差によるものではないと考えられるが、それを確認するために以下の試験例を行った。この試験例の条件は、チューインガム咀嚼中の口腔内を再現するものである。
密閉可能な10ml容積の試験管に0.1Mリン酸緩衝液を1.9ml加え、ウラジロガシ抽出物とタイム抽出物とを5:1の比で混合した混合抽出物を最終濃度0.000094%〜0.006%(w/v)になるように溶解させ、続いてペルオキシダーゼ(比活性:100U/mg)を最終濃度0.00003%(w/v)になるように添加した。さらに、2ppmのメチルメルカプタン溶液を0.1ml添加した後、すぐに試験管を密閉した。各試験サンプルを37℃で30分間保温した後、試験管内のヘッドスペース中のガスを2ml吸引し、メチルメルカプタン濃度(ppb)をガスクロマトグラフィにて測定した。この結果を図2に示す。
消臭率(%)=(C−S)/C × 100
C:対照試験区のヘッドスペース中のメチルメルカプタン濃度(ppb)
S:消臭剤添加試験区のヘッドスペース中のメチルメルカプタン濃度(ppb)
図2に示されるように、抽出物の濃度と、消臭率との間には、所定の相関式が成立することが分かった。実施例1の抽出物量は参考例の抽出物量の2.34倍(0.0983/0.042)であるため、この相関式によると、実施例1の消臭効果(30.3%)は、参考例の消臭効果(18.1%)より12.22%高いことが予想された(表1)。
Figure 2014183774
しかし、表2に示されるように、咀嚼後の各時間経過後における実施例と参考例との消臭率の差は、予想された12.22%よりも高かった。これにより、抽出物の量比によるチューインガム咀嚼後の消臭効果の変化は、抽出物の量に依存せず、またチューインガム咀嚼中の消臭効果からの予想を超えるものであることが分かる。
Figure 2014183774
<試験例2> ペルオキシダーゼについて
抽出物の比率による咀嚼後の消臭効果の差は、ペルオキシダーゼの有無にかかわらず得られることを確認するために以下の試験例を行った。
密閉可能な50ml容積のバイアル瓶に0.1Mリン酸緩衝液を9.9ml加え、ウラジロガシ抽出物とタイム抽出物を1:2もしくは2:1の比で混合した混合抽出物を最終濃度0.00015%(w/v)になるように溶解させ、続いてペルオキシダーゼ(比活性:100U/mg)を最終濃度0.00003%(ペルオキシダーゼ(+)と表記)もしくは0.00000%(ペルオキシダーゼ(−)と表記)(w/v)になるように添加した。さらに、10ppmのメチルメルカプタン溶液を0.1ml添加した後、すぐにバイアル瓶を密閉した。各試験サンプルを37℃で30分間保温した後、バイアル瓶内のヘッドスペース中のガスを2ml吸引し、メチルメルカプタン濃度(ppb)をガスクロマトグラフィにて測定した。消臭率の定義は試験例1と同じである。その結果を表3に示す。
Figure 2014183774
表3に示されるように、抽出物の量の比を調節することで、反応時間の延長に依存して消臭率の増加幅が上昇し、この結果はペルオキシダーゼの有無にかかわらず得られることが分かった。ただし、ペルオキシダーゼを含むことは、消臭率の絶対値及び上昇幅がより高くなる点で好ましいことも分かった。

Claims (8)

  1. ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含むチューインガム組成物において、前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の比を調節する工程を有する、チューインガム組成物の咀嚼後における消臭効果の持続性の調節方法。
  2. 前記消臭効果は、各抽出物の消臭効果の相加平均を超えるレベルである請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の質量比を5.0超にする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記チューインガム組成物にペルオキシダーゼを配合する工程を更に有する請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含み、前記タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含む請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. ビフェニル化合物含有抽出物及びタンニン類含有抽出物を含み、
    前記ビフェニル化合物含有抽出物の配合量に対する前記タンニン類含有抽出物の配合量の質量比が5.0超であるチューインガム組成物。
  7. ペルオキシダーゼを更に含有する請求項6に記載の組成物。
  8. 前記ビフェニル化合物含有抽出物はタイム抽出物を含み、前記タンニン類含有抽出物はウラジロガシ抽出物を含む請求項6又は7に記載の組成物。
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