JP2011136644A - リム - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの性能を引き出すことが可能なリムを提供する。
【解決手段】車体に装着されるリム3であって、リム3におけるタイヤTのビード33:34が当接する一対のビードシート13:14のうち、車体側Aのビードシート14の表面粗さが、他方のビードシート13の表面粗さよりも粗くなるようにリム3を構成し、当該リム3を備えたホイール2にタイヤTを組み付けることにより、リム3の幅方向においてタイヤTが左右非対称にホイール2に組み付けられるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】車体に装着されるリム3であって、リム3におけるタイヤTのビード33:34が当接する一対のビードシート13:14のうち、車体側Aのビードシート14の表面粗さが、他方のビードシート13の表面粗さよりも粗くなるようにリム3を構成し、当該リム3を備えたホイール2にタイヤTを組み付けることにより、リム3の幅方向においてタイヤTが左右非対称にホイール2に組み付けられるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤを組み付けるリムに関する。
従来、タイヤを組み付けるホイールには、アルミホイールやスチールホイール等がある。
例えば、鋳造アルミホイールは、素材となるアルミを溶融して鋳型に流し込み、凝固した鋳っ放しのホイールを工作機械により、リム内周面及びリム外周面を加工することにより、リムを所定厚さに成型するとともにリムフランジ、ビードシート、ウェル等を所定寸法及び所定形状に成型し、ディスク表面(意匠面側)及びリムフランジをバフ研磨したのちに、メッキ加工や塗装することにより製造される。
また、スチールホイールは、リムとディスクにより構成される。リムは、リムの素材となるスチール製の板状部材を所定寸法の長方形に断裁し、ベンディング加工により短辺同士を当接させて溶接することにより円筒部材を成型し、円筒部材の両端の開口をフレア加工することによりリムフランジを成型し、さらに、円筒部材を加圧ローラで挟み込み、周方向に回転させ、ビードシートやウェルを所定寸法に拡径するエキスパンド加工により成型される。一方、ディスクは、ディスクの素材となるスチール製の板状部材を打ち抜き加工及びプレス加工することにより立体的な形状のディスクに成型される。そして、個別に成型されたリムとディスクとを組み合わせて溶接接合し、全体を塗装することによりスチールホイールが製造される。
例えば、鋳造アルミホイールは、素材となるアルミを溶融して鋳型に流し込み、凝固した鋳っ放しのホイールを工作機械により、リム内周面及びリム外周面を加工することにより、リムを所定厚さに成型するとともにリムフランジ、ビードシート、ウェル等を所定寸法及び所定形状に成型し、ディスク表面(意匠面側)及びリムフランジをバフ研磨したのちに、メッキ加工や塗装することにより製造される。
また、スチールホイールは、リムとディスクにより構成される。リムは、リムの素材となるスチール製の板状部材を所定寸法の長方形に断裁し、ベンディング加工により短辺同士を当接させて溶接することにより円筒部材を成型し、円筒部材の両端の開口をフレア加工することによりリムフランジを成型し、さらに、円筒部材を加圧ローラで挟み込み、周方向に回転させ、ビードシートやウェルを所定寸法に拡径するエキスパンド加工により成型される。一方、ディスクは、ディスクの素材となるスチール製の板状部材を打ち抜き加工及びプレス加工することにより立体的な形状のディスクに成型される。そして、個別に成型されたリムとディスクとを組み合わせて溶接接合し、全体を塗装することによりスチールホイールが製造される。
上記のように製造されたアルミホイールやスチールホイールには、タイヤ組付装置によりタイヤが組み付けられる。ホイールに組み付けられたタイヤは、コンプレッサの供給する圧縮空気をホイールのバルブを介して注入し、タイヤのビードをホイールのビードシートに着座させるビードシーティングが行われる。ビードシーティングを行った後に、タイヤ内圧を所定の空気圧に調整することにより、車体に取り付け可能なタイヤホイールセットとして組み立てられる。このように、ホイールに組み付けられるタイヤは、スチールホイール、アルミホイール問わず、幅方向中心に対して左右対称となるようにホイールに組み付けられる。
しかしながら、上記のように製造されるホイールにタイヤを対称に組み付けてしまうと、走行時においてタイヤの内側及び外側に作用する力に対応できず、タイヤの性能を十分に引き出すことができないという問題がある。このため、直進性、旋回性に対して影響を及ぼし、車体が不安定となり、運転者に疲労感を与えるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するために、タイヤの性能を引き出すことが可能なリムを提供する。
本発明の第1の構成として、タイヤのビードが当接する一対のビードシートのうち、一方のビードシートの表面粗さよりも他方のビードシートの表面粗さの方が粗くなるようにリムを構成した。
本発明によれば、リムに組み付けられたタイヤに対して空気を供給して、ビードをビードシートに着座させるときに、左右のビードシートの表面粗さが異なるため、左右のビードがビードシートに着座するまでの摩擦が異なることにより、リムに対してタイヤを左右非対称に着座させることができる。
本発明によれば、リムに組み付けられたタイヤに対して空気を供給して、ビードをビードシートに着座させるときに、左右のビードシートの表面粗さが異なるため、左右のビードがビードシートに着座するまでの摩擦が異なることにより、リムに対してタイヤを左右非対称に着座させることができる。
本発明の第2の構成として、一方のビードシートはリムが車体に装着された状態において車体側のビードシートであるように構成した。
本発明によれば、車体側のビードシートの表面粗さよりも車体外側の表面粗さを粗くしたことにより、車体外側のビードよりも車体側のビードの方がビードシートとの摩擦が小さいので、車体側のビードをビードシートに対して直立するように密着させ、左右のビードをリムのビードシートに対して左右非対称に着座させることができる。
本発明によれば、車体側のビードシートの表面粗さよりも車体外側の表面粗さを粗くしたことにより、車体外側のビードよりも車体側のビードの方がビードシートとの摩擦が小さいので、車体側のビードをビードシートに対して直立するように密着させ、左右のビードをリムのビードシートに対して左右非対称に着座させることができる。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
実施形態1
図1(a)はタイヤTとホイール2とが一体に組み付けられたタイヤ・ホイールセット1の断面図を示し、図1(b)はホイール2の側面図を示す。図2は、ホイール2の部分拡大図を示す。
図1(a),(b)において、2は、本発明に係るリム3を備えたホイール、Tはタイヤを示す。ホイール2は、リム3及びディスク4が鋳造等により一体に成型されるアルミホイールである。
ホイール2は、溶融されたアルミ素材を金型に流し込むことにより、所定の意匠形状及び所定寸法となるようにホイール素材として鋳造される。
ホイール素材は、冷却された後に離型され、旋盤等の加工機械により、ホイール2のリム外周面5及びリム内周面6、ディスク4の意匠面7及び意匠面裏面8が加工される。
図1(a)はタイヤTとホイール2とが一体に組み付けられたタイヤ・ホイールセット1の断面図を示し、図1(b)はホイール2の側面図を示す。図2は、ホイール2の部分拡大図を示す。
図1(a),(b)において、2は、本発明に係るリム3を備えたホイール、Tはタイヤを示す。ホイール2は、リム3及びディスク4が鋳造等により一体に成型されるアルミホイールである。
ホイール2は、溶融されたアルミ素材を金型に流し込むことにより、所定の意匠形状及び所定寸法となるようにホイール素材として鋳造される。
ホイール素材は、冷却された後に離型され、旋盤等の加工機械により、ホイール2のリム外周面5及びリム内周面6、ディスク4の意匠面7及び意匠面裏面8が加工される。
ホイール2の車体外側Bのリム内周面6aを旋盤のチャックにより保持し、リム外周面5、リム内周面6及び意匠面裏面8が切削加工される。
図2に示すように、リム外周面5には、一対のリムフランジ11,12、一対のビードシート13,14、ウェル15とが形成される。
一対のリムフランジ11,12は、ホイール2の回転中心Oから径方向にタイヤTの左右方向を保持するように壁状に形成される。
ビードシート13,14は、ホイール2の回転中心Oと平行な線に対して所定角度、例えば、5度の傾斜角を有するように形成される。一対のビードシート13,14は、タイヤTのビード33,34と接触し、半径方向に保持する。なお、リムフランジ11,12の傾斜角及びリムフランジ11,12とビードシート13,14の連接部の曲率は、JIS規格により規定される。
ウェル15は、タイヤTの着脱を容易にする深さと幅の寸法を有するように任意の形状で形成される。
図2に示すように、リム外周面5には、一対のリムフランジ11,12、一対のビードシート13,14、ウェル15とが形成される。
一対のリムフランジ11,12は、ホイール2の回転中心Oから径方向にタイヤTの左右方向を保持するように壁状に形成される。
ビードシート13,14は、ホイール2の回転中心Oと平行な線に対して所定角度、例えば、5度の傾斜角を有するように形成される。一対のビードシート13,14は、タイヤTのビード33,34と接触し、半径方向に保持する。なお、リムフランジ11,12の傾斜角及びリムフランジ11,12とビードシート13,14の連接部の曲率は、JIS規格により規定される。
ウェル15は、タイヤTの着脱を容易にする深さと幅の寸法を有するように任意の形状で形成される。
リム外周面5は、図外の旋盤のチャックとともにホイール素材を回転させ、まず、ホイール2の車体外側Bに位置する一方のリムフランジ11の縁部11aから加工を開始し、リムフランジ11を所定形状に形成し、次に車体外側Bのビードシート13、次にウェル15、次に車体側Aのビードシート14、次に他方のリムフランジ12を所定形状に形成する。本例においては、リム外周面5のビードシート13,14の加工について、車体外側Bのビードシート13を切削加工するときの幅方向の送り速度を車体側Aのビードシート14を切削加工するときの幅方向の送り速度よりも速くなるように設定し、車体外側Bのビードシート13の表面粗さを車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くする。
なお、切削加工の幅方向の送り速度を変化させて、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くなるように切削加工したが、車体外側Bのビードシート13を切削加工するときのホイール2の回転速度を車体側Aのビードシート14を切削加工するときの回転速度よりも遅くするように加工して、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くなるように切削加工しても良い。
なお、切削加工の幅方向の送り速度を変化させて、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くなるように切削加工したが、車体外側Bのビードシート13を切削加工するときのホイール2の回転速度を車体側Aのビードシート14を切削加工するときの回転速度よりも遅くするように加工して、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くなるように切削加工しても良い。
次に、リム内周面6とディスク4の意匠面裏面8が加工される。リム内周面6は、リム外周面5との厚さが所定の厚さとなるように加工され、ディスク4の意匠面裏面8には、ホイール2を車体に装着したときにハブと当接する装着面16、ハブから突出する回転軸の逃げ孔となるハブ孔17、ハブから突出するハブボルトが貫通する複数のハブボルト孔18の加工及びブレーキキャリパとの干渉を避けるための逃げ加工が施された後に、タイヤに空気を注入するためのバルブ21を設けるバルブ孔がリム3に形成される。
次に、ホイール2を旋盤のチャックから取り外し、反転させて車体側Aのリム内周面6bを旋盤に固定し、車体外側Bのリムフランジ11の縁部11aから意匠面7までのリム内周面6aを加工する。
次に、リムフランジ11,12の切削痕と、鋳造により意匠面7の表面に形成された“なし地”痕が見えなくなるように研磨し、リムフランジ11,12に防錆のメッキを施し、意匠面7に塗装を施すことによりホイール2が完成する。
次に、図外のタイヤ組付装置によりホイール2にタイヤTが組み付けられる。
図3(a),(b),(c)は、ホイール2に嵌め込まれたタイヤTのビード33,34がビードシート13,14に着座するまでの状態を示した図である。
図3(a)に示すように、ホイール2に嵌め込まれたタイヤTの一方のビード34は車体側Aに位置するビードシート14と接触した状態であり、他方のビード33は車体外側Bに位置するビードシート13と接触した状態である。この状態から、コンプレッサに蓄えられた圧縮空気をバルブ21を介してタイヤT内に供給することにより、供給された空気がタイヤ内面を外向きに押圧し、図3(b)に示すように、ビード33,34がビードシート13,14の傾斜面に沿って徐々に移動し、タイヤ内面とリム外周面5により完全な密閉空間が形成される。さらに、密閉空間内に空気の供給を継続することでタイヤT内の内圧を上昇させ、タイヤ内面を均等な圧力で静的に押圧することにより、図3(c)に示すように、ビード33,34がビードシート13,14に着座する。
図3(a),(b),(c)は、ホイール2に嵌め込まれたタイヤTのビード33,34がビードシート13,14に着座するまでの状態を示した図である。
図3(a)に示すように、ホイール2に嵌め込まれたタイヤTの一方のビード34は車体側Aに位置するビードシート14と接触した状態であり、他方のビード33は車体外側Bに位置するビードシート13と接触した状態である。この状態から、コンプレッサに蓄えられた圧縮空気をバルブ21を介してタイヤT内に供給することにより、供給された空気がタイヤ内面を外向きに押圧し、図3(b)に示すように、ビード33,34がビードシート13,14の傾斜面に沿って徐々に移動し、タイヤ内面とリム外周面5により完全な密閉空間が形成される。さらに、密閉空間内に空気の供給を継続することでタイヤT内の内圧を上昇させ、タイヤ内面を均等な圧力で静的に押圧することにより、図3(c)に示すように、ビード33,34がビードシート13,14に着座する。
ビード33,34がビードシート13,14に着座した状態において、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗いため、ビード33とビードシート13との間の摩擦が大きくなり、ビード33の外側側面33aがリムフランジ11と接触した位置で停止し、リムフランジ11の側縁11aよりも外側にサイドウォール35がはみ出るように傾斜した状態でビード33が着座する。
一方、車体側Aのビード34は、ビードシート14の表面粗さが、車体外側Bのビードシート13の表面粗さよりも滑らかなため、ビード34の外側側面34aがリムフランジ12と接触した位置からさらにビード34がビードシート14上をリムフランジ12方向に滑り、サイドウォール36を径方向に押し上げ、ビードシート14に直立するようにビード34が着座する。
一方、車体側Aのビード34は、ビードシート14の表面粗さが、車体外側Bのビードシート13の表面粗さよりも滑らかなため、ビード34の外側側面34aがリムフランジ12と接触した位置からさらにビード34がビードシート14上をリムフランジ12方向に滑り、サイドウォール36を径方向に押し上げ、ビードシート14に直立するようにビード34が着座する。
図4(a),(b)は、ビード33,34がビードシート13,14に着座した状態を意匠面7側及び意匠面裏面8から側方視した図である。
図4(a)に示すように、車体側Aのビードシート14に着座したタイヤTの側面は、サイドウォール35側のリムライン37がホイール2のリムフランジ12の外周径Dよりも大きな直径Dinで表れるが、図4(b)に示すように、車体外側Bのビードシート13に着座したタイヤTの側面は、サイドウォール36側のリムライン38がホイール2のリムフランジ11の外周径Dよりやや大きい直径Doutで表れる。
つまり、本発明のホイール2に組み付けられたタイヤTは、図1(a)及び図3(c)に示すように、径方向断面において、左右非対称となる。
図4(a)に示すように、車体側Aのビードシート14に着座したタイヤTの側面は、サイドウォール35側のリムライン37がホイール2のリムフランジ12の外周径Dよりも大きな直径Dinで表れるが、図4(b)に示すように、車体外側Bのビードシート13に着座したタイヤTの側面は、サイドウォール36側のリムライン38がホイール2のリムフランジ11の外周径Dよりやや大きい直径Doutで表れる。
つまり、本発明のホイール2に組み付けられたタイヤTは、図1(a)及び図3(c)に示すように、径方向断面において、左右非対称となる。
図5(a),(b)は、従来のホイールにタイヤを組み付けたものと、本発明のホイールにタイヤを組み付けたものを車体に装着し、実際にドライ路面を直進走行したときの、フィーリング試験のフィーリング評価及び、直進走行時のハンドルによる修正の操作頻度の結果を示す。
図5に示すように、従来のホイールにタイヤTを装着したものよりも、本発明に係るリム3を備えたホイール2にタイヤTを組み付けた方が、フィーリング評価において高い評価が得られ、また、ハンドルによる修正の操作頻度も減少する結果が得られた。特に、直進安定性が体感され、試験したタイヤTよりも上位のスポーツタイヤと同等の評価が得られた。
フィーリング評価の結果について考察すると、図1(a)及び図3(c)に示すように、車体側Aのサイドウォールが車体外側Bのサイドウォールに比べ起きた状態となるため、車体に対し、タイヤTの踏面に傾斜が付加され、例えば、タイヤ・ホイールセット1に小さなキャンバー角を付加したときと同等の状態が得られたため、直進安定性が向上したものと考えられる。また、本発明のタイヤ・ホイールセット1の車体側Aのサイドウォール36の方が車体外側Bのサイドウォール35の撓みよりも撓みが小さいため、タイヤTに荷重が作用したときに、タイヤTの車体側Aに作用する力がサイドウォール36の径方向に直線的に作用することで、タイヤT全体の撓みが減少し、直進安定性が向上したものと考えられる。
図5に示すように、従来のホイールにタイヤTを装着したものよりも、本発明に係るリム3を備えたホイール2にタイヤTを組み付けた方が、フィーリング評価において高い評価が得られ、また、ハンドルによる修正の操作頻度も減少する結果が得られた。特に、直進安定性が体感され、試験したタイヤTよりも上位のスポーツタイヤと同等の評価が得られた。
フィーリング評価の結果について考察すると、図1(a)及び図3(c)に示すように、車体側Aのサイドウォールが車体外側Bのサイドウォールに比べ起きた状態となるため、車体に対し、タイヤTの踏面に傾斜が付加され、例えば、タイヤ・ホイールセット1に小さなキャンバー角を付加したときと同等の状態が得られたため、直進安定性が向上したものと考えられる。また、本発明のタイヤ・ホイールセット1の車体側Aのサイドウォール36の方が車体外側Bのサイドウォール35の撓みよりも撓みが小さいため、タイヤTに荷重が作用したときに、タイヤTの車体側Aに作用する力がサイドウォール36の径方向に直線的に作用することで、タイヤT全体の撓みが減少し、直進安定性が向上したものと考えられる。
なお、上記説明において、切削加工により車体外側Bに位置するビードシート13の表面粗さを車体側Aに位置するビードシート14の表面粗さよりも粗く加工するとして説明したが、ホイール2の車体外側Bに位置するビードシート13以外をマスキングし、切削加工によりビードシート13の表面に残る切削痕よりも表面粗さが粗くなるように、サンドブラストによりビードシート13の表面を加工し、車体外側Bのビードシート13の表面粗さが車体側Aのビードシート14の表面粗さよりも粗くなるように加工しても良い。
また、車体側Aのビードシート14の表面粗さが、車体外側Bのビードシート13の表面粗さよりも滑らかになるように加工しても良い。
すなわち、リム外周面5を所定寸法となるように切削加工した後に、車体側Aのビードシート14を研磨して、車体側Aのビードシート14の表面粗さが、車体外側Bのビードシート13の表面粗さよりも滑らかになるように構成すれば良い。具体的には、意匠面7の研磨を行う工程で、車体側Aのビードシート14を研磨すれば、加工機械を変更する段取りを増やすことなく、本発明を実施することができる。
すなわち、リム外周面5を所定寸法となるように切削加工した後に、車体側Aのビードシート14を研磨して、車体側Aのビードシート14の表面粗さが、車体外側Bのビードシート13の表面粗さよりも滑らかになるように構成すれば良い。具体的には、意匠面7の研磨を行う工程で、車体側Aのビードシート14を研磨すれば、加工機械を変更する段取りを増やすことなく、本発明を実施することができる。
実施形態2
実施形態1において、ホイールを鋳造により製造されるアルミホイールとして説明したが、スチールホイールであっても良い。
以下、スチールホイールに本発明を適用する場合について説明する。
スチールホイールは、ホイールを構成するリムとディスクとを個別に成型し、リムとディスクを組み合わせて溶接接合することにより製造される。
リムは、スチール製の板状部材を所定の寸法の長方形に断裁し、短辺同士が当接するようにベンディング加工を施し、当接部分を溶接することにより円筒状に成型される。その後、開口する両端部をフレア加工することによりリムフランジが形成される。さらに、リムを加圧ローラで挟み込み、リムを周方向に回転させつつ加圧ローラを径方向に移動させて拡径するエキスバンド加工を施すことにより、ビードシートやウェルが所定寸法及び所定形状に成型される。一方、ディスクは、スチール製の板状部材を打ち抜き、プレス加工することにより立体的な形状に成型される。別々に成型されたリムとディスクを溶接することで一体にする。
次に、リムの車体外側Bのビードシート以外の部分をマスキングして、車体外側Bのビードシートをサンドブラスト等により、車体外側Bのビードシートの表面粗さが車体外側Aのビードシートの表面粗さよりも粗くなるように表面を加工し、ホイール全体を塗装することによりスチールホイールを製造する。
なお、サンドブラスト又は機械加工等により加工できない場合には、車体外側Bのビードシートに摩擦材としてのゴムや粘着材を巻き付けて、車体外側Bのビードシートを移動するビードに作用する摩擦が、車体側Aのビードシートを移動するビードに作用する摩擦よりも大きくなるように設定して、擬似的に車体外側Bのビードシートの表面粗さを車体側Aのビードシートの表面粗さよりも粗くなるようにすれば良い。
実施形態1において、ホイールを鋳造により製造されるアルミホイールとして説明したが、スチールホイールであっても良い。
以下、スチールホイールに本発明を適用する場合について説明する。
スチールホイールは、ホイールを構成するリムとディスクとを個別に成型し、リムとディスクを組み合わせて溶接接合することにより製造される。
リムは、スチール製の板状部材を所定の寸法の長方形に断裁し、短辺同士が当接するようにベンディング加工を施し、当接部分を溶接することにより円筒状に成型される。その後、開口する両端部をフレア加工することによりリムフランジが形成される。さらに、リムを加圧ローラで挟み込み、リムを周方向に回転させつつ加圧ローラを径方向に移動させて拡径するエキスバンド加工を施すことにより、ビードシートやウェルが所定寸法及び所定形状に成型される。一方、ディスクは、スチール製の板状部材を打ち抜き、プレス加工することにより立体的な形状に成型される。別々に成型されたリムとディスクを溶接することで一体にする。
次に、リムの車体外側Bのビードシート以外の部分をマスキングして、車体外側Bのビードシートをサンドブラスト等により、車体外側Bのビードシートの表面粗さが車体外側Aのビードシートの表面粗さよりも粗くなるように表面を加工し、ホイール全体を塗装することによりスチールホイールを製造する。
なお、サンドブラスト又は機械加工等により加工できない場合には、車体外側Bのビードシートに摩擦材としてのゴムや粘着材を巻き付けて、車体外側Bのビードシートを移動するビードに作用する摩擦が、車体側Aのビードシートを移動するビードに作用する摩擦よりも大きくなるように設定して、擬似的に車体外側Bのビードシートの表面粗さを車体側Aのビードシートの表面粗さよりも粗くなるようにすれば良い。
以上説明したように、本発明によれば、車体外側Bに位置するビードシート13の表面粗さが、車体側Aに位置するビードシート14の表面粗さよりも粗くなるようにリム3を構成することにより、リム3を備えるホイール2に組み付けられるタイヤTは、ホイール2に対して非対称に組み付けられるので、タイヤTの性能を引き出すことが可能となり、当該ホイール2にタイヤTを組み付けたタイヤ・ホイールセットを装着した車体は、直進安定性が向上する。
なお、上記説明において、ホイールの製造工程において、車体外側のビードシートの表面粗さを車体側のビードシートの表面粗さよりも粗くなるように表面加工するとして説明したが、すでにタイヤが組み付けられたホイールのリムに対して表面加工しても良い。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
T タイヤ、1 タイヤホイールセット、2 ホイール、3 リム、4 ディスク、
5 リム外周面、6:6a:6b リム内周面、7 意匠面、8 意匠面裏面、
11:12 リムフランジ、11a;12a 縁部、13:14 ビードシート、
15 ウェル、16 装着面、17 ハブ孔、18 ハブボルト孔、21 バルブ、
33:34 ビード、35:36 サイドウォール、37:38 リムライン、
O 回転中心、α 傾斜角、A 車体側、B 車体外側。
5 リム外周面、6:6a:6b リム内周面、7 意匠面、8 意匠面裏面、
11:12 リムフランジ、11a;12a 縁部、13:14 ビードシート、
15 ウェル、16 装着面、17 ハブ孔、18 ハブボルト孔、21 バルブ、
33:34 ビード、35:36 サイドウォール、37:38 リムライン、
O 回転中心、α 傾斜角、A 車体側、B 車体外側。
Claims (2)
- タイヤのビードが当接する一対のビードシートのうち、一方のビードシートの表面粗さよりも他方のビードシートの表面粗さの方が粗いことを特徴とするリム。
- 前記一方のビードシートは前記リムが車体に装着された状態において車体側のビードシートであることを特徴とする請求項1に記載のリム。
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JP2009297853A JP2011136644A (ja) | 2009-12-28 | 2009-12-28 | リム |
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