JP2011135774A - 駆動装置、それを備えた撮像装置、及び撮像機器 - Google Patents

駆動装置、それを備えた撮像装置、及び撮像機器 Download PDF

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恒夫 藤原
Tomohiro Egawa
智浩 江川
Kyoji Kasuga
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Abstract

【課題】駆動装置の低背化を実現する。
【解決手段】本発明の駆動装置は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材91Aと、屈曲変位部材91Aに連結されているとともに、鏡筒4’と接触し、屈曲変位部材91Aの屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して鏡筒4’を駆動する駆動方向変換部材99とを備え、駆動方向変換部材99に対し鏡筒4’を付勢する予圧バネ98と、屈曲変位部材91Aの屈曲変位を制御する制御手段とを備えているので、駆動装置の小型化・低背化を実現することができる。
【選択図】図20

Description

本発明は、駆動装置、それを備えた撮像装置、及び撮像機器に関するものである。
従来、電気機械変換素子(圧電素子)を用いて被駆動体を駆動するための駆動装置が提案されている。このような駆動装置は、例えば、カメラの撮影レンズ等、光学装置におけるレンズの駆動に用いられる。
従来、このような分野の技術としては、例えば下記従来例A及びBが挙げられる。
従来例Aは、鏡筒の駆動方向(光軸方向)に伸縮可能な圧電素子と、該圧電素子の一端に連結された駆動部材とを備えた駆動装置に関する発明であり、例えば特許文献1、または特許文献2に開示されている。従来例Aでは、駆動部材が鏡筒と摩擦係合している。そして、圧電素子の光軸方向への伸縮により、駆動部材と鏡筒との間で摩擦力が発生し、該摩擦力により、鏡筒が光軸方向に駆動するようになっている。
図37は、この従来例Aの駆動装置の構成を説明するための説明図である。図37に示されるように、従来例Aの駆動装置は、圧電素子301、棒状の駆動部材302、鏡筒(被駆動体)304、レンズ3011、CCD等の撮像素子3012、及び回路基板3013を備え、これら部材が、筐体306に収納された構成である。
駆動部材302の一端には、圧電素子301が連結されている。そして、鏡筒(被駆動体)304は、駆動部材302に摩擦係合されている。
また、鏡筒304には、レンズ3011がはめ込まれており、鏡筒304の下部には、撮像素子3012が配置されている。撮像素子3012は、回路基板3013に、半田付け等により固定されている。
図37に示された駆動装置においては、圧電素子301が矢印の方向に伸縮するため、駆動部材302が光軸方向に駆動される。その結果、駆動部材302と摩擦係合している鏡筒304が光軸方向に駆動されるようになる。
また、他の従来例Bは、ミラーに複数の圧電素子が連結されたアクチュエータに関する発明であり、例えば特許文献3に開示されている。この従来例Bでは、複数の圧電素子の屈曲を電気的に制御することにより、ミラーを所望の方向に傾けるようになっている。
また、圧電素子を用いた駆動装置としては、上記特許文献1〜3の他に、例えば特許文献4、または特許文献5に開示されている。
特許文献4及び5に開示された発明は、鏡筒の駆動方向(光軸方向)に伸縮可能な圧電素子と、該圧電素子の一端に連結された駆動部材とを備えた駆動装置に関する発明である。そして、特許文献4及び5では、圧電素子の光軸方向への伸縮により、駆動部材と鏡筒との間で摩擦力が発生し、該摩擦力により、鏡筒が光軸方向に駆動するようになっている。また、特許文献5には、鏡筒に圧電素子の伸長方向に対し垂直な方向の予圧力を付与する予圧バネを備えた駆動装置が記載されている。
特開平4−69070号公報(平成4年(1992) 3月 4日公開) 特開平7−298656号公報(平成7年(1995)11月10日公開) 特開2003−209981号公報(平成15年(2003) 7月25日公開) 特開2007−74890号公報(平成19(2007)年3月22日公開) 特許3171022号公報(平成13(2001)年3月23日登録)
しかしながら、上記従来例A及びBには、以下の問題が生じる。
すなわち、従来例Aの駆動装置では、駆動部材302の一端に圧電素子301が光軸方向に連結されており、圧電素子301の伸縮方向と鏡筒304の駆動方向とが一致した構成になっている。このため、駆動部材302と圧電素子301とが駆動方向に並列した(積み上がった)構成になり、駆動装置の低背化が困難であるという課題がある。
また、従来例Bでは、ミラーの駆動量が圧電素子の変位量に限定されるという課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低背化を実現可能な駆動装置、それを備えた撮像装置、及び撮像機器を提供することにある。
本発明の駆動装置は、上記の課題を解決するために、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、上記駆動機構は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、上記駆動方向変換部材に対し被駆動体を付勢する予圧弾性部材と、上記屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記制御手段は、上記屈曲変位部材に交番電気信号を印加し、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する予圧方向の共振現象の共振周波数と異なっていることが好ましい。
上記の構成によれば、屈曲変位部材に基本周波数の交番電気信号が印加されたとき、駆動方向変換部材は、その基本周波数で振動することになる。そして、この駆動方向変換部材の予圧方向の振動成分は、予圧弾性部材の上記共振周波数と異なる基本周波数で振動するので、予圧方向の共振現象が励起されることがなくなる。これにより、被駆動体が予圧方向に振動することなく、駆動方向変換部材と被駆動体との接触状態を安定にすることができる。その結果、上記の構成によれば、駆動方向変換部材と被駆動体との間で作用する摩擦力が安定であり、かつ被駆動体の駆動速度が安定な予圧機構を実現することができる。
特に、上記の構成のように、駆動方向変換部材が屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する場合、駆動方向変換部材は、駆動方向だけでなく予圧方向にも振動することになるので、この予圧方向の振動成分が被駆動体の駆動に顕著に影響する。このため、駆動方向変換部材と被駆動体との間に作用する摩擦力が不安定になりやすく、被駆動体の駆動速度や推力が不安定になってしまう。
上記の構成によれば、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧方向の共振現象の共振周波数と異なっているので、駆動方向変換部材の予圧方向の振動成分は、予圧弾性部材の上記共振周波数と異なる基本周波数で振動するので、予圧方向の共振現象が励起されることがなくなる。これにより、被駆動体が予圧方向に振動することなく、駆動方向変換部材と被駆動体との接触状態を安定にすることができる。
なお、上記予圧方向の共振現象の要因は、駆動装置の設計や各種部材の性質に応じて考えられるが、一例として、予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する共振現象が挙げられる。
本発明の駆動装置では、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧方向の共振現象の共振周波数よりも大きくなっていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧方向の共振現象の共振周波数よりも大きくなっているので、予圧弾性部材による予圧力の管理が容易になる。
本発明の駆動装置では、上記予圧方向の共振現象の共振周波数は、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の共振現象の共振周波数よりも小さくなっていることが好ましい。
交番電気信号の基本周波数を駆動方向の共振現象の共振周波数近辺に設定すると、共振周波数以外で駆動するよりも(駆動方向の)振動振幅を大きくできるため、駆動装置の低電圧駆動や高速駆動に有効になる。上記の構成によれば、上記予圧方向の共振現象の共振周波数は、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の共振現象の共振周波数よりも小さくなっているので、交番電気信号の基本周波数を駆動方向の共振現象の共振周波数近辺に設定すると、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧方向の共振現象の共振周波数よりも大きくなる。
それゆえ、上記の構成によれば、駆動装置の低電圧駆動や高速駆動に有効になるとともに、予圧弾性部材による予圧力の管理が容易になる。
本発明の駆動装置では、上記予圧弾性部材は、駆動方向上側から見て、被駆動体の中心を通過しない方向に被駆動体を付勢するようになっていることが好ましい。
上記の構成によれば、弾性予圧部材のバネ自然長を大きく確保することができ、バネ定数を小さくすることができる。これにより、予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する予圧方向の共振現象の共振周波数を、確実に上記基本周波数よりも小さくすることが可能になる(上記基本周波数が、確実に予圧方向の共振現象の共振周波数よりも大きくなる)。
本発明の駆動装置では、上記被駆動体の側面を取り囲む側壁を有する筐体を備え、上記予圧弾性部材は、上記側壁に沿って配置されていることが好ましい。ここでいう被駆動体の側面とは、被駆動体における駆動方向の2面を上面及び底面としたときの側面を意味する。
上記の構成によれば、予圧弾性部材は、上記側壁に沿って配置されているので、弾性予圧部材のバネ自然長を大きく確保するとともに、予圧弾性部材の設置スペースを最小限にすることができる。それゆえ、予圧弾性部材の設置のために、筐体内のスペースを有効利用することができる。
本発明の駆動装置では、上記側壁に沿って、上記屈曲変位部材が配置されているとともに、駆動方向上側から見て、上記予圧弾性部材は、屈曲変位部材に対し垂直に配されていることが好ましい。
これにより、予圧弾性部材の設置のために、さらに筐体内のスペースを有効利用することができる。
本発明の駆動装置では、上記予圧弾性部材は、その一端が被駆動体に固定されたつるまきバネであることが好ましい。
上記の構成によれば、被駆動体が光軸方向に駆動され変位(移動)すると、予圧弾性部材の上記一端も変位する。予圧弾性部材は、被駆動体の駆動中、光軸方向に撓んで被駆動体に追従するようになる。それゆえ、予圧弾性部材は、光軸方向の弾性バネ定数が小さい構成になる。したがって、予圧弾性部材は、光軸方向に撓んで被駆動体に追従するとき、被駆動体に対する負荷を十分に小さくすることができる。
上記予圧弾性部材には、該予圧弾性部材に対し被駆動体を摺動させる摺動部材が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、摺動部材は、予圧弾性部材に対し被駆動体を摺動させるので、予圧のための部材(予圧弾性部材、摺動部材)が駆動方向の質量に加算されない。このため、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の振動は“予圧のための部材の質量”の影響を受けなくなる。それゆえ、上記の構成によれば、駆動方向の共振現象の共振周波数を飛躍的に大きくすることができる。これにより、駆動方向の共振現象の共振周波数と予圧方向の共振現象の共振周波数との差を大きくするという効果を奏する。
本発明の駆動装置では、上記予圧弾性部材の弾性と、被駆動体及び上記摺動部材の質量とに起因する予圧方向の共振現象の共振周波数は、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の共振現象の共振周波数よりも小さくなっていることが好ましい。
予圧方向の共振現象の共振周波数は、該共振現象を引き起こす部材の質量が増加するに伴い低下する。上記の構成によれば、摺動部材は、予圧弾性部材に対し被駆動体を摺動させるので、予圧のための部材(予圧弾性部材、摺動部材)が駆動方向の質量に加算されない一方、予圧方向の質量に加算されることになる。それゆえ、上記の構成によれば、さらに予圧方向の共振現象の共振周波数を小さくすることが可能になる。
本発明の駆動装置は、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、
上記駆動機構は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される、ただ1つの屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部と反対側の端部が自由端になっている構成であってもよい。
上記の構成によれば、駆動方向変換部材における屈曲変位部材との連結部と反対側の端部は、他の部材と連結されておらず、自由端になっているので、屈曲変位部材が屈曲変位したとき、駆動方向変換部材の他端は、他の部材との連結・支持により、変位幅が制限されることはない。その結果、被駆動体との接触部の振動振幅が小さくなることがなく、被駆動体の駆動効率が向上するという効果を奏する。さらに、駆動方向変換部材における屈曲変位部材との連結部と反対側の端部に他の屈曲変位部材を固定するための接着工程が不要になり、駆動装置の組立工数を減少させることができる。
また、本発明の駆動装置では、上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部と反対側の端部に質量増加部材が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部と反対側の端部に質量増加部材が設けられているので、駆動方向変換部材の上記自由端の質量が、屈曲変位部材との連結部の質量よりも大きくなる。その結果、駆動方向変換部材の自由端の振動振幅が増大し、さらに被駆動体との接触部の変位振幅が増大し、駆動効率が向上する。
上記質量増加部材は、駆動方向変換部材の共振周波数を低減するという作用もある。この作用は、例えば、屈曲変位部材の共振周波数が弾性部材の共振周波数よりも小さくなっている構成で有益である。具体的には、駆動方向変換部材の上記自由端に質量増加部材が設けられていることにより、駆動方向変換部材の共振周波数は低減し、屈曲変位部材の共振周波数に近づけることができる。そして、駆動方向変換部材の共振現象を利用して、被駆動体の駆動効率を向上させることができる。
また、本発明の駆動装置では、上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部に、質量増加部材が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部に、質量増加部材が設けられているので、屈曲変位部材における駆動方向変換部材との連結部の質量が、その反対側の端部の質量よりも大きくなる。これにより、屈曲変位部材の振動振幅が増大する。すなわち、駆動方向変換部材を加振する振幅が増大する。その結果、駆動方向変換部材の振動振幅が増大し、さらに被駆動体との接触部の変位振幅が増大し、駆動効率が向上する。
また、上記質量増加部材は、屈曲変位部材の共振周波数を低減するという作用もある。この作用は、例えば、屈曲変位部材の共振周波数が弾性部材の共振周波数よりも大きくなっている構成で有益である。具体的には、上記駆動方向変換部材における屈曲変位部材との連結部に質量増加部材が設けられていることにより、屈曲変位部材の共振周波数は、低減し、駆動方向変換部材の共振周波数に近づけることができる。そして、屈曲変位部材の共振現象を利用して、被駆動体の駆動効率を向上させることができる。
また、本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材に質量増加部材が設けられていることが好ましい。
上記の構成においても、上述の被駆動体の駆動効率の向上、及び屈曲変位部材の共振周波数の低減という効果を奏する。
また、本発明の駆動装置では、上記質量増加部材は、上記駆動方向変換部材と一体的に形成されていることが好ましい。
また、本発明の駆動装置では、上記質量増加部材は、上記駆動方向変換部材が屈曲変位部材との連結部と反対側に延長した延長部として形成されていることが好ましい。
上記の構成においても、屈曲変位部材の共振周波数を、駆動方向変換部材の共振周波数に近づけることができる。
また、本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を備えたバネ系としたとき、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が一致していることが好ましい。
上記の構成によれば、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が一致しているので、屈曲変位部材の共振周波数で振動変位するように制御電圧を制御すれば、共振現象により、駆動方向変換部材の振動振幅が増大し、さらに被駆動体との接触部の変位振幅が増大し、駆動効率が向上する。
特に上記の構成は、屈曲変位部材に印加する制御電圧を低くして被駆動体を駆動する必要があり、駆動方向変換部材の振動振幅を十分に確保することができない場合、好適に利用することができる。
なお、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材が互いに共振周波数が異なる場合においても、上記質量増加部材を屈曲変位部材または駆動方向変換部材の何れかに設けることにより、互いの共振周波数を一致させることが可能である。
なお、「一致する」とは、屈曲変位部材の、駆動装置への取り付け誤差または製造時の寸法精度の許容限界内で、屈曲変位部材の共振周波数が、駆動方向変換部材の共振周波数と一致していることを意味している。
また、本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を備えたバネ系としたとき、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が離れていてもよい。
上記の構成によれば、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が離れているので、屈曲変位部材に共振周波数のばらつきが生じても駆動方向変換部材の共振には影響が少なくなり、駆動性能のばらつきを抑制することができる。
上記の構成は、駆動方向変換部材が板状の部材で構成されている場合に好適である。この場合、駆動方向変換部材の寸法管理が容易になり、その共振周波数の個体差が少なくなる(各個体間の共振周波数のばらつきが小さい)。そして、屈曲変位部材の振幅を十分確保して、駆動性能のばらつきを抑える場合に、好適に利用できる。
なお、上記質量増加部材を屈曲変位部材または駆動方向変換部材の何れかに設けることにより、互いの共振周波数の差を制御することが可能である。
また、本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材、及び上記駆動方向変換部材を収容可能な筐体を備え、上記屈曲変位部材は、上記筐体の側壁の一部として形成されていることが好ましい。
これにより、さらに筐体内の空間をより効率的に有効利用することができる。
本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材は、その屈曲変位方向が、被駆動体が駆動する駆動方向と垂直になるように配されていることが好ましい。
上記の構成によれば、被駆動体は、上記屈曲変位部材の屈曲変位方向に対し垂直な方向(物体を撮像する光軸方向)に駆動することになる。それゆえ、例えば、本発明の駆動装置を小型カメラモジュールにおける光学部品の駆動装置に適用した場合、光学部品のフォーカス方向の駆動を調整すること(フォーカス調整機構)が可能になる。
本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材は、圧電材料層とシム材とを備えている構成であってもよい。すなわち、本発明の駆動装置においては、屈曲変位部材として、シム材を備えた圧電素子を用いることが可能である。
本発明の駆動装置では、上記屈曲変位部材は、2つの圧電材料層の積層を備えていることが好ましい。
上記の構成は、上記屈曲変位部材が2つの圧電材料層の積層を備え、シム材が除かれた構成になっている。それゆえ、上記の構成によれば、屈曲変位部材としてシム材を備えた圧電素子を用いた構成と比較して、屈曲変位部材の変位量を増加させることができる。そして、この屈曲変位部材の屈曲変位量の増加に伴い、駆動方向変換部材の先端及び被駆動体の1パルスあたりの変位量を増加させることができる。さらに、上記の構成によれば、屈曲変位部材としてシム材を備えた圧電素子を用いた構成と比較して、屈曲変位部材における圧電材料層が占める割合が高くなる。それゆえ、上記の構成によれば、屈曲変位部材としての圧電材料層の厚さがより厚くなり、圧電材料層の減極を防止することが可能になる。
本発明の駆動装置は、上記被駆動体として、対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する駆動装置であって、被駆動体の駆動方向における上記屈曲変位部材の寸法が、上記対物レンズの焦点距離の2.5倍以下になっていることが好ましい。
本発明の駆動装置は、上記被駆動体として、対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する駆動装置であって、被駆動体の駆動方向に対し垂直な方向における上記屈曲変位部材の寸法が、上記対物レンズの直径の3倍以下になっていることが好ましい。
これにより、携帯電話用小型カメラモジュールに適した駆動装置を実現することが可能になる。
本発明の撮像装置は、上記の課題を解決するために、上記被駆動体として対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する、上述の駆動装置と、上記対物レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴としている。
これにより、駆動装置の低背化を実現した撮像装置を提供することが可能になる。
本発明の撮像機器は、上記の課題を解決するために、上記撮像装置を備えたことを特徴としている。
これにより、駆動装置の低背化を実現した撮像機器を提供することが可能になる。
本発明の駆動装置は、以上のように、上記駆動機構は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、上記駆動方向変換部材に対し被駆動体を付勢する予圧弾性部材と、上記屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段とを備えた構成になっている。
また、本発明の撮像装置は、上記被駆動体として対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する、上記駆動装置と、上記対物レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えた構成である。
また、本発明の撮像機器は、上記撮像装置を備えた構成である。
それゆえ、従来の駆動装置と比較して、駆動装置の駆動方向における寸法を小さく設計することができ、駆動装置の低背化を実現することが可能になる。
本発明の一実施形態の駆動装置の構成を示し、(a)は斜視図であり、(b)は分解斜視図である。 (a)は、図1(a)・(b)の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図であり、(b)は、図1(a)・(b)の駆動装置の構成を示した平面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図であり、(b)は本発明の他の実施形態の駆動装置の構成を示した平面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図であり、(b)は本発明のさらに他の実施形態の駆動装置の構成を示した平面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図であり、(b)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置の構成を示した平面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図であり、(b)は、本発明のさらに他の実施形態の駆動装置の構成を示した平面図である。 (a)〜(g)は、本発明に適用可能な駆動方向変換部材の構成の一例を示した斜視図である。 本発明に適用可能な屈曲部材及び弾性部材の構成の一例を示した斜視図である。 (a)は、第1〜第5の実施形態の駆動装置における屈曲変位部材の固定概念を説明するための説明図であり、(b)は、本発明の駆動装置に適用可能な屈曲変位部材の固定の一例を説明するための説明図である。 図1(a)・(b)に示された駆動装置をカメラモジュール筐体内に収容した撮像装置の構成を示す断面図である。 バイモルフ構造の圧電素子の構成を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は、圧電素子の屈曲変位の様子を示す図である。 2枚の屈曲変位部材に印加される駆動電圧波形の一例を示すグラフである。 (a)〜(c)は、図13に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材の先端部の楕円駆動を説明するための説明図である。 2枚の屈曲変位部材に印加される駆動電圧波形の一例を示すグラフである。 (a)・(b)は、図15に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。 図6(a)・(b)に示される駆動装置における摩擦部材の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。 (a)〜(c)は、図8(e)に示された摩擦部材の配置において、摩擦部材の先端の軌跡の一例を示す説明図である。 (a)・(b)は、図8(e)に示された摩擦部材の配置において、摩擦部材の先端の軌跡の一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態における駆動装置の概略構成を示す上面図である。 図20における視線Bから見た駆動装置の概略構成を示す側面図である。 図20における視線Aから見た駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 屈曲変位部材に印加される駆動電圧波形を示すグラフである。 (a)・(b)は、図23に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。 変形例1の駆動装置の概略構成を示す上面図である。 図25における視線Bから見た、変形例1の駆動装置の側面図である。 変形例2の駆動装置の概略構成を示す上面図である。 図27における視線Bから見た、変形例2の駆動装置の側面図である。 変形例3の駆動装置の概略構成を示す上面図である。 変形例4の駆動装置の概略構成を示す上面図である。 本発明のさらに他の実施形態における駆動装置の概略構成を示す上面図である。 図31における視線Xから見た駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 図31における視線Yから見た屈曲変位部材、弾性部材及び摩擦部材からなる駆動方向変換部材、及び鏡筒の概略構成を示す側面図であり、(a)は、屈曲変位部材が+x方向に最も大きく変位したときの状態を示し、(b)は、屈曲変位部材が−x方向に最も大きく変位したときの状態を示し、(c)は、弾性部材の共振現象が生じたときの状態を示す。 本発明のさらに他の実施形態における駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 変形例5としての本駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 変形例5としての本駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 従来例Aの駆動装置の構成を説明するための説明図である。
本発明の駆動装置は、屈曲変位部材と、該屈曲変位部材の屈曲変位を電気的に制御する制御手段とを備えている。すなわち、本駆動装置では、制御手段による電気的制御により、屈曲変位部材の屈曲変位が励起されるようになっている。まず、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材について説明する。屈曲変位部材の一例としては、例えば図12(a)〜(c)に示されるバイモルフ構造の圧電素子が挙げられる。
図12は、バイモルフ構造の圧電素子の構成を示し、図12(a)は平面図であり、図12(b)は側面図であり、図12(c)は、圧電素子の屈曲変位の様子を示す図である。
図12(a)〜(c)に示される圧電素子は、2つの圧電材料層22X・22Yと、金属からなるシム材21とを備え、2つの圧電材料層22X・22Yがシム材21を挟んで圧着された3層構造になっている。そして、2つの電極20X・20Yが、この3層構造を挟んでいる。この2つの電極20X・20Yは、図示しない制御手段に接続されている。そして、シム材21の一端が固定支持されている(図12(b)・(c)において黒三角印で示された「固定点」)。なお、図12(a)〜(c)では、圧電材料層22X・22Yと、及びシム材21からなる3層構造の積層方向を厚み方向とし、図12(a)に示す平面視において、圧電素子の長手方向を長さ方向とし、該長さ方向と直交する方向を幅方向としている。さらに、厚み方向において、圧電材料層22X側をX側とし、圧電材料層22Y側をY側としている。
図12(a)・(b)に示す圧電素子では、制御手段から電極20X・20Yへ電圧が印加されると、圧電素子が厚み方向に屈曲変位するようになっている。
例えば、圧電材料層22Xは、電極20Xとシム材21との間の電圧が正になった場合に縮小し、電極20Xとシム材との間の電圧が負になった場合に伸長するように分極されている。また、圧電材料層22Yは、電極20Yとシム材21との間の電圧が正になった場合に伸長し、電極20Yとシム材21との間に電圧が負になった場合に縮小するように分極されている。
上記のように分極された圧電材料層22X・22Yに対し、制御手段が電圧を印加した場合について説明する。図12(c)に示すように、制御手段は、電極20X・20Yとシム材21との間(図12(c)中のア−イ間)に、正の電圧を印加するようになっている。そして、シム材21における黒三角印で示した部分が固定されている。この場合、同図に示すように、圧電素子は、厚み方向X側に屈曲変位する。一方、図示していないが、制御手段がア−イ間に負の電圧を印加すると、圧電素子は、厚み方向Y側に屈曲変位する。
このように、図12(a)〜(c)に示された圧電素子は、制御手段による電圧印加により屈曲変位するようになっている。なお、本発明の駆動装置における屈曲変位部材は、図12(a)〜(c)に示された圧電素子に限定されず、電気的制御により屈曲変位を制御することが可能な構造を有する部材であればよい。例えば、屈曲変位部材としては、1つの圧電材料層とシム材とで構成されたモノモルフ構造の圧電素子が挙げられる。モノモルフ構造の圧電素子は、バイモルフ構造の圧電素子と同様の動作概念で、電気的制御による屈曲変位が可能である。
本発明の駆動装置における屈曲変位部材は、以上のように、電圧の印加等の電気的制御により屈曲変位する部材を指しており、その構造はもちろん、厚み、長さ、幅などの寸法や形状に限定をうけるものではない。
以下、説明を簡単にするために、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材を単に「屈曲変位部材」と称することにする。
また、本明細書では、屈曲変位部材が駆動装置内に配置されているとき、被駆動体の移動方向を被駆動体移動方向あるいは(屈曲変位部材の)幅方向と呼び、屈曲変位部材が屈曲する方向を屈曲方向あるいは(屈曲変位部材の)厚み方向とよび、被駆動体移動方向(幅方向)に直交しかつ屈曲方向(厚み方向)に直交する方向を(屈曲変位部材の)長さ方向と呼ぶ。これは、屈曲変位部材の寸法や屈曲変位部材の固定部の位置に影響されるものではない。
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について、図1(a)・(b)ないし図2(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、本実施形態の駆動装置(以下、本駆動装置と記す)の構成を示し、図1(a)は、斜視図であり、図1(b)は分解斜視図である。なお、図1(a)・(b)に示される駆動装置は、小型カメラモジュールのフォーカス調整機構に適用した最適の実施形態を示す。
まず、図1(a)・(b)に示されているように、本駆動装置は、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材(駆動方向変換部材)2、摩擦部材(駆動方向変換部材:接触部)3、鏡筒(被駆動体)4、ガイド軸5、カメラモジュール筐体6、及び駆動回路(制御手段)7A・7Bを備えている。
本駆動装置では、弾性部材2が、屈曲変位部材1Aと屈曲変位部材1Bとの間を連結している。そして、弾性部材2には、鏡筒4と摩擦係合する摩擦部材3が連結されている。
なお、「駆動方向変換部材」とは、弾性部材2と摩擦部材3とからなる部材のことをいう。本駆動装置では、弾性部材2と摩擦部材3とが別々の部材として示されている。しかしながら、本発明においては、後述するように、駆動方向変換部材は、弾性部材2と摩擦部材3とが別々の部材となった構成に限定されない。
屈曲変位部材1A・1Bは、上述した2つの圧電材料層がシム材を挟んで圧着された3層構造になった、バイモルフ構造の圧電素子である。そして、図1(a)・(b)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bの一方の端部(本実施形態ではシム材の延長)が、カメラモジュール筐体6に接着やはめ込み等により固定されている。そして、他方の端部が、弾性部材2に連結されている。
弾性部材2は、金属または樹脂といった、比較的弾性率が低い材料で構成されている。また、本駆動装置では、摩擦部材3が鏡筒4と接触(摩擦係合)することで、鏡筒4が光軸方向に移動するようになっている。それゆえ、摩擦部材3の材料としては、金属、樹脂、カーボン等が挙げられ、鏡筒4との所望の摩擦係数により選択される。
また、本駆動装置には、鏡筒4の光軸方向移動をガイドするガイド軸5が設けられている。そして、鏡筒4には、ガイド軸5が挿通する穴部が設けられている。ガイド軸5は、光軸方向に延びた棒状体であり、カメラモジュール筐体6の底部(あるいは天井部)に固定されている。また、ガイド軸5は、摩擦部材3と鏡筒4とが接触(摩擦係合)する位置に鏡筒4が位置するように支持する役割がある。本駆動装置では、摩擦部材3と鏡筒4との摩擦係合により、鏡筒4がガイド軸5に沿って、光軸方向に移動するようになっている。なお、本駆動装置において、鏡筒4は、ガイド軸5を挿通する穴部と一体的に形成されるものに限定されない。穴部を含む穴部材が別途鏡筒に接着された構成であってもよい。また、鏡筒4は、摩擦部材3との摩擦係合部分に、所望の摩擦係数を得るための摩擦調節部材が連結された(あるいは貼り付けられた)構成であってもよい。すなわち、ここでは、上記の穴部材、または摩擦調節部材を備えた構成も含めて、鏡筒と称する。
屈曲変位部材1A・1Bはそれぞれ、駆動回路7A・7Bに接続されている。駆動回路7Aは、屈曲変位部材1Aに対し電圧等を印加することにより、屈曲変位部材1Aの屈曲変位を励起する。駆動回路7Bは、屈曲変位部材1Bに対し電圧等を印加することにより、屈曲変位部材1Bの屈曲変位を励起する。駆動回路7A・7Bは、上位の制御回路(図示せず)により制御されており、後述する駆動波形に応じた電圧を屈曲変位部材1A・1Bへ出力する。なお、「制御手段」とは、駆動回路7A・7Bとその上位の制御回路とを備えたものことをいう。
なお、制御手段による屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位の電気的制御は、電圧による制御に限定されない。例えば、屈曲変位部材1A・1Bとして、バイメタルや形状記憶合金を使用し、熱により屈曲変位を励起する場合、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位の電気的制御は、電流の増減による制御になる。この場合、屈曲変位部材1A・1Bに流す電流の増減により屈曲変位部材1A・1Bの一部が発生する熱を制御して屈曲変位部材1A・1Bの温度を制御することになる。あるいは、ニクロム線やカンタル線等の発熱線等で構成された電流を流すことで熱を発生する熱発生手段を屈曲変位部材1A・1Bに近接して設け、熱発生手段に流す電流の増減により熱発生手段が発生する熱を制御して屈曲変位部材1A・1Bの温度を制御することになる。また、例えば、屈曲変位部材1A・1Bとして磁歪素子を使用し、磁界により屈曲変位を励起する場合、電磁石など電流を流すことで磁界を発生する磁界発生手段を設けて、その電流の増減を制御して屈曲変位部材1A・1Bに加える磁界を制御することになる。
また、図1(a)・(b)には示されていないが、鏡筒4にはレンズ等の光学部品がはめ込まれており、鏡筒4の底部には、CCD等の撮像素子が配置されている。
本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3から構成された駆動機構により、鏡筒4がガイド軸5に沿って駆動されるようになっている。これにより、鏡筒4にはめ込まれた光学部品が光軸方向に駆動され、焦点調整が行われる。なお、本実施形態では、鏡筒4が移動する被駆動体移動方向は、光軸方向と同義語として扱う。また、本明細書では、鏡筒4にはめ込まれた光学部品が物体を結像する方向(鏡筒4と物体とを結ぶ直線の方向)を「光軸方向」とする。
カメラモジュール筐体6は、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、摩擦部材3、鏡筒4、及びガイド軸5を収容する部材である。本駆動装置では、カメラモジュール筐体6は、直方体形状になっており、側壁6a〜6dを有している。図1(a)・(b)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bは、カメラモジュール筐体6の側壁の一部として設けられている。つまり、屈曲変位部材1A・1Bは、カメラモジュール筐体6の側壁6c・6dを兼ねた構成になっている。屈曲変位部材1A・1Bは、屈曲変位部材1A上の任意の1点(例えば図2(b)に示されたS点)と、屈曲変位部材1B上の任意の1点(例えば図2(b)に示されたT点)とを結ぶ直線のうち、鏡筒4を通過する直線(例えばS点とT点とを結ぶ直線)が少なくとも1つ存在するように配置されている。また、弾性部材2及び摩擦部材3は、屈曲変位部材1A・1Bそれぞれを兼ねた2つの側壁6c・6dにより形成されたコーナー部に配されている。
このように本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1Bをカメラモジュール筐体6の壁部の一部とし、空間的余裕があるコーナー部に弾性部材2及び摩擦部材3が配されているので、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体6内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。また、本駆動装置は、従来の駆動装置のように、駆動部材302及び圧電素子301が光軸方向に並列した構成になっていないので、装置の低背化を実現することができる。
本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位方向と垂直な方向に鏡筒4が駆動するように、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3が配置されている。以下、本駆動装置における、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3の位置関係、及び鏡筒4の駆動動作原理について説明する。
(位置関係)
図2(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3の位置関係を示した側面図である。また、図2(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図2(a)では、屈曲変位部材1Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材1Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材1A及び1Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線(第1の直線)L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。また、この仮想線L1は、連結点A及び連結点Bを含む面内にあり、かつ被駆動体の駆動方向と垂直な方向に延びた直線であるともいえる。
図2(a)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bはともに、仮想線L1上に並んで配されている。言い換えれば、屈曲変位部材1Aの中心を通過し長さ方向に平行な線と、屈曲変位部材1Bの中心を通過し長さ方向に平行な線とが、同一の仮想線L1で重複しているような配置である。
また、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。また、同図に示すように、連結点Aは、仮想線L1に対し、上側に配置されている。一方、連結点Bは、仮想線L1に対し、下側に配置されている。
また、摩擦部材3は、連結点Aと連結点Bとを結ぶ仮想線AB上に配されている。すなわち、摩擦部材3における鏡筒4との接触部は、仮想線ABの任意の点を通過し、かつ連結点A及びBを含む面に対し垂直な直線を第2の直線L1’としたとき、この第2の直線L1’を通過するように配されている。
また、図2(b)に示したように、屈曲変位部材1Aは、屈曲変位方向Aと称した矢印の方向に変位するので、弾性部材2の連結点Aには弾性部材変位方向Aと称した矢印の方向に変位ベクトルが励起される。また、屈曲変位部材1Bは、屈曲変位方向Bと称した矢印の方向に変位するので、弾性部材2の連結点Bには弾性部材変位方向B称した矢印の方向に変位ベクトルが励起される(つまり図2(a)の連結点A・Bには紙面と垂直な方向に変位ベクトルが励起される)。なお、連結点A・Bには上記以外の方向にも変位ベクトルが励起されるが、駆動との関係は小さいため説明を省略する。
以下、本駆動装置における、駆動回路7A・7Bを備えた制御手段による駆動電圧波形と、この駆動電圧波形に基づく鏡筒4の光軸方向駆動動作原理について説明する。
(動作原理1)
まず、摩擦部材3の先端(鏡筒4に摩擦係合する部分:接触部)を楕円駆動させて鏡筒4を光軸方向に駆動させる動作例について説明する。図13は、2枚の屈曲変位部材1A・1Bに印加される駆動電圧波形の一例を示すグラフである。図14(a)〜(c)は、図13に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材3の先端部の楕円駆動を説明するための説明図である。図14は、図2(b)の矢印Vの方向からみた図である。
図13においては、屈曲変位部材1Aに印加される駆動電圧波形を波形Aとし、屈曲変位部材1Bに印加される駆動電圧波形を波形Bとしている。なお、波形A及びBの駆動電圧波形はそれぞれ、駆動回路7A及び7Bから出力される。同図に示されるように、波形Aと波形Bとは、正弦波の駆動電圧波形になっており、相対的に位相が90度ずれた信号波形になっている。ここで、図13に示された波形A・Bの(i)〜(ix)の時点に対応する連結点A及びBの状態を図14(a)〜(c)に示す。
図14(a)〜(c)に示されるように、波形A・Bを駆動すると、連結点A及びBの位置は、(i)〜(ix)に推移する。つまり、連結点A及びBは、図13の(i)の時点では図14(a)の(i)の状態になり、図13の(ii)の時点では図14(a)の(ii)の状態になり、図13の(iii)の時点では図14(a)の(iii)の状態になり、図13の(iv)の時点では図14(a)・(b)の(iv)の状態になり、図13の(v)の時点では図14(b)の(v)の状態になり、図13の(vi)の時点では図14(b)・(c)の(vi)の状態になり、図13の(vii)の時点では図14(c)の(vii)の状態になり、図13の(viii)の時点では図14(c)の(viii)の状態になり、図13の(ix)の時点では図14(c)の(ix)の状態になっている。連結点A及びBが、図14(a)〜(c)に示された(i)〜(ix)の状態に推移し変位することで、摩擦部材3の先端部は、図示したように楕円駆動されることになる。ここで、鏡筒4に接触しているときの摩擦部材3の先端部の変位方向を駆動方向と称することにすると、鏡筒4は摩擦部材3により引っかくように駆動され先端の回転方向によって決まる駆動方向に駆動される。
図13及び図14(a)〜(c)の例では、摩擦部材3の先端は、その回転変位(楕円駆動)により、鏡筒4と接触したり離れたりするように配置されている。しかしながら、上記の例に限定されるものではない。
本駆動装置は、摩擦部材3の先端が常に鏡筒4と接触している構成であってもよい。例えば、弾性部材2としてバネを適用し、バネにより摩擦部材3を鏡筒4に押し付けるような構成であってもよい。あるいは、屈曲変位部材1A・1Bが、所定量だけ鏡筒4側の方向(被駆動体方向)に引かれて固定された構成であってもよい。あるいは、ガイド軸5が、鏡筒4を摩擦部材3側の方向に押し付けるように固定された構成であってもよい。このような構成により予圧力がかけられ、摩擦部材3の先端が常に鏡筒4に接触するように配置される。
そして、このような構成では、摩擦部材3の先端は、楕円回転する代わりに、(屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、摩擦部材3等に歪みが生じるが)駆動方向と逆方向(逆駆動方向)の直線的な変位が交互に励起される。それゆえ、摩擦部材3は、駆動方向変位中と逆駆動方向変位中とで、鏡筒4へ押し付ける力に差が生じることになる。つまり、摩擦部材3の先端は、駆動方向の変位中には鏡筒4へ押し付ける力が大きくなり、逆駆動方向の変位中には鏡筒4へ押し付ける力が小さくなる。
その結果、摩擦部材3と鏡筒4との間に静摩擦力の差が生じる。それゆえ、鏡筒4が駆動方向へ変位する際に摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑らず、鏡筒4が逆駆動方向に変位する際に摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑るように、摩擦部材3の摩擦係数や予圧力を調整することが可能になる。そして、鏡筒4は、逆駆動方向への変位の際に多少引き戻されることがあっても、平均的には駆動方向に駆動されることになる。
また、鏡筒4が駆動方向及び逆駆動方向に変位する際に摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑るように、摩擦部材3の摩擦係数や予圧力を調整することも可能である。この場合、鏡筒4に作用する駆動力は、駆動方向への変位のとき及び逆駆動方向への変位のときの両方ともに、動摩擦力により決定される。このような場合であっても、摩擦部材3の鏡筒4への押し付け力に差が生じることから、逆駆動方向の動摩擦力よりも駆動方向の動摩擦力の方が大きくなる。それゆえ、鏡筒4は、逆駆動方向へ多少引き戻される期間があっても、平均的には駆動方向に駆動されることになる。
また、上記の例では、駆動電圧波形として正弦波波形、位相ずれ量を90度として説明したが、駆動電圧波形は、特に正弦波に特定するものではなく、また、位相ずれ量も90度に限定するものではない。
(動作原理2)
次に、摩擦部材3の先端(鏡筒4に摩擦係合する部分)を円弧駆動させて鏡筒4を光軸方向に駆動させる動作例について説明する。図15は、2枚の屈曲変位部材1A・1Bに印加される駆動電圧波形を示すグラフである。図16(a)・(b)は、図15に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材3の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。図16は、図2(b)の矢印Vの方向からみた図である。
図15においては、屈曲変位部材1Aに印加される駆動電圧波形を波形Aとし、屈曲変位部材1Bに印加される駆動電圧波形を波形Bとしている。なお、波形A及びBの駆動電圧波形はそれぞれ、駆動回路7A及び7Bから出力される。同図に示されるように、波形Aと波形Bとは、のこぎり状の駆動電圧波形になっており、相対的に位相が180度ずれた信号波形になっている。ここで、図15に示された波形A・Bの(i)〜(v)の時点に対応する連結点A及びBの状態を図16(a)・(b)に示す。
図16(a)・(b)に示されるように、波形A・Bを駆動すると、連結点A及びBの位置は、(i)〜(v)に推移する。つまり、連結点A及びBは、図15の(i)の時点では図16(a)の(i)の状態になり、図15の(ii)の時点では図16(a)の(ii)の状態になり、図15の(iii)の時点では図16(a)・(b)の(iii)の状態になり、図15の(iv)の時点では図16(b)の(iv)の状態になり、図15の(v)の時点では図16(b)の(v)の状態になっている。連結点A及びBが、図16(a)・(b)に示された(i)〜(v)の状態に推移し変位することで、摩擦部材3の先端部は、図示したように円弧駆動されることになる。
このとき、摩擦部材3の先端は、図15に示されるのこぎり状の駆動電圧波形により円弧駆動されるため、駆動方向の角速度と逆駆動方向の角速度とに差が生じる(すなわち、(i)〜(iii)の状態へ推移する角速度は相対的に遅くなる一方、(iii)〜(v)の状態へ推移する角速度は相対的に速くなる)。
また、駆動電圧波形を適宜設定することで、摩擦部材3の先端が駆動方向の角加速度と逆駆動方向の角加速度とに差が生じるようにすることもできる。すなわち、(i)〜(iii)の状態へ推移する(駆動方向)角加速度が相対的に遅くなる一方、(iii)〜(v)の状態へ推移する(逆駆動方向)角加速度が相対的に速くなるように、駆動電圧波形を設定することが可能である。それゆえ、摩擦部材3の摩擦係数などを調整することにより、駆動方向において、摩擦部材3と鏡筒4の接点とに加わる力が摩擦部材3と鏡筒4との間の静摩擦力を超えることができず、摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑らなくなるようにすることができる。一方、逆駆動方向において、摩擦部材3と鏡筒4の接点とに加わる力が摩擦部材3と鏡筒4との間の静摩擦力を上回るため、摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑るようにすることができる。そして、結果として、駆動方向の駆動力と逆駆動方向の駆動力とに差が生じ、鏡筒4が駆動方向に駆動されることになる。
また、駆動方向及び逆駆動方向の両方において、摩擦部材3の先端が鏡筒4を滑るように摩擦係数などを調整することが可能である。この場合、駆動方向の駆動力、及び逆駆動方向の駆動力は、動摩擦力で決定され同じ力となる。しかしながら、図15に示された駆動電圧波形により駆動方向の変位時間が長く、逆駆動方向の変位時間が短く設定されているため、駆動方向の動摩擦力が作用している時間の方が逆駆動方向の動摩擦力が作用している時間よりも長くなる。それゆえ、結果として、鏡筒4は、駆動方向に駆動される。
本駆動装置は、摩擦部材3の先端が常に鏡筒4と接触している構成であってもよい。例えば、弾性部材2としてバネを適用し、バネにより摩擦部材3を鏡筒4に押し付けるような構成であってもよい。あるいは、屈曲変位部材1A・1Bが、所定量だけ鏡筒4側の方向(被駆動体方向)に引かれて固定された構成であってもよい。あるいは、ガイド軸5が、鏡筒4を摩擦部材3側の方向に押し付けるように固定された構成であってもよい。このような構成により予圧力がかけられ、摩擦部材3の先端が常に鏡筒4に接触するように配置される。
そして、このような構成では、摩擦部材3の先端は、円弧回転する代わりに、(屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、摩擦部材3等に歪みが生じ)駆動方向と逆方向(逆駆動方向)の直線的な変位が交互に励起される。このような場合においても、動作原理1で説明した同様の原理により、鏡筒4を駆動することが可能であることはいうまでもない。
また、上記のように連結点Aの中心と連結点Bの中心を結んだ仮想線が、長さ方向と平行な仮想線と交わるように(理想的には直交するように)弾性部材が連結されているので、屈曲変位部材1A・1Bの変位により摩擦部材の先端を光軸方向に回転駆動あるいは円弧(直線)駆動させることができる。そして、2枚の屈曲変位部材1A・1Bの連結部をコーナーにして(理想的には90度に)折り曲げ配置し、2枚の屈曲変位部材によって作られる仮想的な扇形空間領域内に鏡筒4の一部を配置し、筐体6の壁面に屈曲変位部材1A・1Bを配置することで駆動装置の小型化、低背化が可能となる。このとき、完全に筐体6の壁面に沿う必要はなく、モジュール筐体6内の空き空間に応じて適宜配置すればよいことは言うまでもない。
〔第2の実施形態〕
本発明の他の実施形態について、図3(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図3(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図3(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図3(a)では、屈曲変位部材21Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材21Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材21A及び21Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
なお、本駆動装置における駆動原理は、上記第1の実施形態で説明した駆動原理と同様であるので、説明を省略する。
連結点A及びBは、図3(a)に示されるように、上記第1の実施形態と同様の配置になっている。すなわち、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。また、同図に示すように、連結点Aは、仮想線L1に対し、上側に配置されている。一方、連結点Bは、仮想線L1に対し、下側に配置されている。
本駆動装置において、第1の実施形態と異なる点は、弾性部材2及び摩擦部材3が、カメラモジュール筐体26のコーナー部に配されていない点である。屈曲変位部材21A・21Bは、カメラモジュール筐体26の側壁面のうち一面だけを利用して配置されている。つまり、屈曲変位部材21A・21Bはともに、カメラモジュール筐体26の側壁26a〜26dのうち、ただ1つの側壁26dを兼ねた構成になっている。そして、弾性部材2、摩擦部材3、及びガイド軸5は、側壁26dの中央部に配されている。
このような構成により、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体26内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
本駆動装置においては、屈曲変位部材21A・21Bのサイズはそれぞれ、側壁26dの半分以下になる。それゆえ、第1の実施形態の駆動装置と比較して、本駆動装置は、鏡筒4の駆動力が小さくなる。しかしながら、レンズ(光学部材)及び鏡筒4の質量を軽量化することで、鏡筒4の駆動が十分可能である。また、本駆動装置は、第1の実施形態の駆動装置と比較して、従来よりも駆動装置を低背化できるという点で有利である。
〔第3の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態について、図4に基づいて説明すると以下の通りである。図4は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。図4では、屈曲変位部材31Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材31Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、摩擦部材3を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L2としている。
図4に示されるように、連結点A及びBは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L2と交差するように配置されている。また、同図に示すように、連結点Aは、仮想線L2に対し、上側に配置されている。一方、連結点Bは、仮想線L2に対し、下側に配置されている。
また、屈曲変位部材31A・31Bは、仮想線L2からずれて配置(オフセット配置)されている。つまり、屈曲変位部材31Aの中心を通過し長さ方向に平行な線を仮想線L1A、屈曲変位部材31Bの中心を通過し長さ方向に平行な線を仮想線L1Bとしたとき、仮想線L1A、仮想線L1B、及び仮想線L2が互いに重複しない配置になっている。
このような構成であっても、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
本駆動装置は、屈曲変位部材31A・31Bが、カメラモジュール筐体の側壁面のうち一面だけを利用して配置された構成であってもよい。また、カメラモジュール筐体の2つの側壁に配され、弾性部材2及び摩擦部材3がコーナー部に配された構成であってもよい。
〔第4の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態について、図5に基づいて説明すると以下の通りである。図5は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。図5では、摩擦部材3を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L2としている。
図5に示されるように、本駆動装置は、4つの屈曲変位部材41A〜41Dを備えた4枚構成になっている。これら屈曲変位部材41A〜41Dは、摩擦部材3に対し対称(点対称または線対称)になるように配置されている。屈曲変位部材41A・41Cは、仮想線L2に対し上側に配されている一方、屈曲変位部材41B・41Dは、仮想線L2に対し下側に配されている。
ここで、屈曲変位部材41Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材41Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材41Cと弾性部材2とが連結する点を連結点C(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材41Dと弾性部材2とが連結する点を連結点D(図中X印で示している)とする。図5に示されるように、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L2と交差するように配置されている。また同様に、連結点C及び連結点Dは、これら2点を結ぶ仮想線CDが、仮想線L2と交差するように配置されている。
換言すると、連結点A〜Dの配置は、仮想線L2に対して垂直な垂線を引いたとき、仮想線L2を挟んで配された2つの連結点が垂線上にあるような配置である。図5においては、連結点A・Dが、仮想線L2を挟んで配されており、この2つの連結点A・Dは、仮想線L2に対して垂直な垂線上にある。また、連結点B・Cが、仮想線L2を挟んで配されており、この2つの連結点B・Cは、仮想線L2に対して垂直な垂線上にある。
なお、連結点A・D及び連結点B・Cは、仮想線L2に対して垂直な直線上にある配置に限定されず、仮想線L2と交差する直線上に配置されていればよい。すなわち、連結点A〜Dを結んで形成された図形が、台形やひし形になっていてもよい。
本駆動装置においては、屈曲変位部材41A・41Cは、駆動回路7Aに接続されており、この駆動回路7Aにより同位相駆動されている。また、屈曲変位部材41B・41Dは、駆動回路7Bに接続されており、この駆動回路7Bにより同位相駆動されている。
このような構成であっても、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
本駆動装置は、屈曲変位部材41A〜41Dが、カメラモジュール筐体の側壁面のうち一面だけを利用して配置された構成であってもよい。また、カメラモジュール筐体の2つの側壁に配され、弾性部材2及び摩擦部材3がコーナー部に配された構成であってもよい。
本駆動装置は、第1の実施形態と比較して、屈曲変位部材の個数が増加し、構造が複雑になる。しかしながら、本駆動装置は、屈曲変位部材の屈曲変位を鏡筒の駆動方向の変位に変換する際に、不要な方向の変位を抑えることができるという有利な効果がある。図5に示された本駆動装置では、4つの屈曲変位部材を備えた4枚構成であった。しかしながら、本駆動装置は、この4枚構成に限定されるものでなく、仮想線L2に対して垂直な垂線を引いたとき、仮想線L2を挟んで配された2つの連結点が垂線上にあるような配置になっている構成であればよい。例えば、図5において、屈曲変位部材41B・41Cを省き、弾性部材2の一方の側のみに屈曲変位部材41A・41Dが連結された2枚構成であってもよい。
また、上記2枚構成では、屈曲変位部材41A・41Dにおける連結点を結ぶ仮想線は、仮想線L2と直交しているが、この構成に限定されず、仮想線L2と交差していればよい。
〔第5の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態について、図6(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図6(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図6(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図6(a)では、屈曲変位部材51Aの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
図6(a)に示されるように、本駆動装置は、1つの屈曲変位部材51Aを備えた1枚構成になっている。屈曲変位部材51Aは、カメラモジュール筐体56のただ1つの側壁56cの一部として設けられている。そして、弾性部材52及び摩擦部材3は、側壁56c(屈曲変位部材51A)と側壁56dとにより形成されるコーナー部に配されている。つまり、弾性部材52及び摩擦部材3における屈曲変位部材51Aと反対側に、側壁56dが連結されている。
ここで、屈曲変位部材51Aと弾性部材52とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、側壁56cと弾性部材52とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)とする。図6(a)に示されるように、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。
このような構成により、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体56内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
以下、本駆動装置における鏡筒4の光軸方向駆動動作原理について説明する。図17(a)・(b)は、本駆動装置における摩擦部材3の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。
図17(a)・(b)に示されるように、屈曲変位部材51Aに電圧が印加されると、連結点Aのみが変位することになる。つまり、図17(a)・(b)に示される(i)の状態から(v)の状態へ変位する。それゆえ、摩擦部材3の先端(鏡筒4と摩擦係合する部分)は、連結点B付近を中心とした円弧状に変位する。
なお、本駆動装置においては、屈曲変位部材51Aに印加される電圧の駆動波形は、その印加により連結点Aが屈曲変位方向Aに往復運動可能になる駆動波形であればよい。すなわち、本駆動装置においては、屈曲変位部材51Aに、正の電圧と負の電圧とが交互に印加されるような駆動波形の電圧が印加されていればよい。例えば図6(a)・(b)に示される駆動装置においては、屈曲変位部材51Aに図15に示される波形Aの電圧が印加されている。
このように、本駆動装置では、上記(駆動原理2)と同様の、摩擦部材3の先端の円弧駆動が可能である。本駆動装置においては、鏡筒4の駆動源が屈曲変位部材51Aのみであるため、第1の実施形態の駆動装置と比較して、本駆動装置は、鏡筒4の駆動力が小さくなる。しかしながら、レンズ(光学部材)及び鏡筒4の質量を軽量化することで、鏡筒4の駆動が十分可能である。また、本駆動装置は、第1の実施形態の駆動装置と比較して、部品点数が少なくなり低コスト化、小型化できるという点で有利である。
〔第6の実施形態〕
本発明のさらに他の実施形態について、図7(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図7(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図7(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。
第1〜第5の実施形態の駆動装置では、屈曲変位部材が、2つの圧電材料層がシム材を挟んで圧着された3層構造になった、バイモルフ構造の圧電素子であった。これに対し、本駆動装置では、屈曲変位部材が、2つの圧電材料層が互いに圧着された2層構造の圧電素子になっている。すなわち、本駆動装置における屈曲変位部材は、シム材が除かれ圧電材料層2層で構成された、いわゆるシムレスバイモルフ構造の圧電素子になっている。
図7(a)・(b)に示されるように、本駆動装置では、屈曲変位部材81A・81Bが弾性部材(駆動方向変換部材)82に連結している。弾性部材82は、屈曲変位部材81A・81Bにおける鏡筒4と対向する面に設けられている。また、弾性部材82には、鏡筒4と摩擦係合する摩擦部材3が連結されている。
ここで、屈曲変位部材81A・81Bは、シム材が除かれ圧電材料層2層で構成されたシムレスバイモルフ構造の圧電素子である。また、屈曲変位部材81A・81Bはそれぞれ、カメラモジュール筐体86の側壁の一部として形成されており、接着やはめ込みにより、カメラモジュール筐体86に固定されている。
第1〜第5の実施形態の駆動装置は、屈曲変位部材がバイモルフ構造の圧電素子であり、屈曲変位部材におけるシム材がカメラモジュール筐体に固定された構成であった。このシム材は、電極としての機能を有するため、導電性材料から構成される。一方、圧電材料層は、非導電性材料から構成される。本駆動装置は、屈曲変位部材81A・81Bにおける圧電材料層がカメラモジュール筐体86に固定された構成であり、導電性材料から構成されるシム材が除かれた構成である。このため、屈曲変位部材81A・81Bは、第1〜第5の実施形態の駆動装置における屈曲変位部材よりも、鏡筒4と絶縁した状態でカメラモジュール筐体86に固定されることになる。
次に、屈曲変位部材81A・81Bがシムレスバイモルフ構造の圧電素子になった本駆動装置の効果について、具体的な実施例を挙げて説明する。実施例においては、屈曲変位部材における圧電材料層の寸法を、長さ方向の自由長3mm、幅2mm、厚さ0.125mmとし、屈曲変位部材に印加される印加電圧(駆動電圧)14Vで鏡筒の駆動を行うこととしている。
まず、屈曲変位部材として、上記寸法になった圧電材料層と厚さ0.2mmのシム材とで構成されたバイモルフ構造の圧電素子を用いて、鏡筒を駆動させた場合(以下、実施例1と記す)、弾性部材3の先端の変位量は、0.368μmになった。一方、屈曲変位部材として、上記寸法になった圧電材料層のみで構成されたシムレスバイモルフ構造の圧電素子を用いて、鏡筒を駆動させた場合(以下、実施例2と記す)、弾性部材3の先端の変位量は、0.4μmになった。
以上より、実施例2の駆動装置、すなわち、屈曲変位部材としてシムレスバイモルフ構造の圧電素子を備えた駆動装置は、実施例1の駆動装置と比較して、弾性部材3の先端の変位量が8.7%増加していることがわかる。
次に、実施例1の駆動装置の屈曲変位部材において、シム材に相当する部分を圧電材料層に置き換えた駆動装置(実施例3と記す)を挙げて、本駆動装置の効果を説明する。実施例3の駆動装置は、屈曲変位部材の総厚さが実施例1の駆動装置と同じになっている。
実施例3の駆動装置において、圧電材料層に付与される応力を実施例1の駆動装置と同じになるようにした場合、弾性部材3の先端の変位量は、0.451μmになった。すなわち、屈曲変位部材について総厚さが同じである条件下であっても、屈曲変位部材としてシムレスバイモルフ構造の圧電素子を備えた駆動装置(実施例3)は、屈曲変位部材としてバイモルフ構造の圧電素子を備えた駆動装置(実施例1)と比較して、弾性部材3の先端の変位量が22.6%増加することがわかる。
以上から、屈曲変位部材が圧電材料層のみで構成された本駆動装置は、屈曲変位部材がシム材及び圧電材料層を備えた駆動装置よりも、弾性部材3の先端の変位量を増加させることができることがわかる。
また、本駆動装置では、屈曲変位部材がシム材及び圧電材料層を備えた構成と比較して、屈曲変位部材における圧電材料層の占める割合が高くなる。それゆえ、本駆動装置では、屈曲変位部材としての圧電材料層の厚さがより厚くなる。圧電材料層2層の積層方向に分極の方向が設定されている場合、電圧が印加された際の分極の壊れやすさは、圧電材料層2層の積層方向厚さに寄与する。それゆえ、圧電材料層2層の積層方向厚さが薄いほど、分極が壊れやすくなる。本駆動装置では、圧電材料層2層の積層方向厚さをより厚くすることができるので、圧電材料層の減極(分極が壊れること)を防止することが可能になる。
また、本駆動装置では、装置を製造するに際し、シム材と圧電材料層とを貼り合せる工程を必要としない。それゆえ、製造工程を省略化することができ、コスト削減を実現することができる。
なお、図7(a)・(b)に示された構成では、屈曲変位部材81A・81Bは、圧電材料層2層で構成されたが、本駆動装置の屈曲変位部材としての圧電材料層は、この構成に限定されるものではない。屈曲変位部材81A・81Bは、圧電材料層2層それぞれが交互に伸縮する(一方の圧電材料層が伸びるとき、他方の圧電材料層が縮む)ことにより、屈曲変位する。それゆえ、圧電材料層2層それぞれが複数の層から構成されていてもよい。
(本駆動装置における駆動方向変換部材及び屈曲変位部材について)
上記第1〜第6の実施形態の駆動装置では、駆動方向変換部材は、弾性部材及び摩擦部材が別々の部材になった構成であったが、本発明における駆動方向変換部材は、この構成に限定されない。図8(a)〜(c)は、本発明に適用可能な駆動方向変換部材の構成の一例を示した斜視図である。
図8(a)・(b)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材と摩擦部材とが一体として形成された構成であってもよい。図8(a)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部(弾性部材)62aと摩擦部(摩擦部材)63aとが一体として形成された構成になっている。図8(a)に示された駆動方向変換部材において、弾性部62a及び摩擦部63aは、駆動方向変換部材を構成する金属などの板材を曲げ加工することにより形成される。
また、図8(b)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部62b及び摩擦部63bが一体になった立体になっていてもよい。この場合、駆動方向変換部材は、金型を用いた一体成型、または切削加工により形成することが可能である。
また、図8(b)に示された駆動方向変換部材を構成する材料は、一体成型や切削加工が可能な材料であれば特に限定されず、例えば、樹脂、セラミック、金属、またはカーボン等が挙げられる。また、図8(b)に示された駆動方向変換部材を構成する材料は、好ましくは、温度変化、湿度変化、経時変化、または材料の磨耗等による摩擦係数の変化が小さい材料から選択される。図8(b)に示された駆動方向変換部材を構成する材料としては、例えば、高分子材料に電子線を照射した材料や、黒鉛と軽量・熱伝導性・耐摩耗性に優れたガラス状炭素とを複合したカーボン素材等が挙げられる。
また、本発明の駆動装置は、鏡筒4における摩擦部63bとの接触部分に、上記の駆動方向変換部材を構成する材料が貼り付けられた構成であってもよい。
また、駆動方向変換部材は、図8(c)に示される構成であってもよい。すなわち、同図に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材62cと摩擦部材63cとを備え、これらが連結された構成になっている。弾性部材62cには、鏡筒側に突出した突出部600cが形成されている。そして、突出部600cにおける鏡筒側の先端部には、摩擦部材63cが貼り付けられている。突出部600cを備えた弾性部材62cを、金型を用いた一体成型、または切削加工により形成することで形成可能である。そして、図8(c)に示された駆動方向変換部材は、形成された突出部600cに、摩擦部材63cを貼り付けることにより形成可能である。
また、摩擦部材63cを構成する材料としては、カーボン素材が挙げられる。図8(c)に示される構成では、材料選択の自由度が比較的低い。しかしながら、温度や湿度の変化による摩擦係数の変化が少ない材料を容易に選択できるという点で有利である。
また、上記第1〜第5の実施形態の駆動装置では、駆動方向変換部材が、第1及び第2の連結部を結ぶ仮想線上に、被駆動体と接触する接触部としての摩擦部材が配された構成であった。しかしながら、本発明の駆動装置における駆動方向変換部材の構成は、上記の構成に限定されない。
例えば図8(e)・(e)に示されるように、接触部としての摩擦部材63d・63eが連結点A及びBを結ぶ仮想線ABからずれて配置された構成であってもよい。図8(e)に示されるように、摩擦部材63dは、弾性部材62dを駆動方向(光軸方向)に2分割するア線上に配されていなくてもよいし、弾性部材62dを駆動方向と垂直な方向に2分割するイ線上に配されていなくてもよい。
また、図8(e)に示されるように、摩擦部材63eが連結点A・Bの外側に配されていてもよい。なお、図8(e)では、連結点A・Bを含む面としての弾性部材62において、連結点Aを通過し駆動方向に垂直な方向に延びた直線をウ線とし、連結点Bを通過し駆動方向に垂直な方向に延びた直線をエ線とする。同図に示されるように、摩擦部材63eは、ウ線及びエ線により挟まれた領域外に配されている。
図8(d)及び図8(e)に示された構成であっても、摩擦部材63d・63eの先端を楕円運動あるは円弧運動させることが可能である。
また、図8(f)及び(g)に示されるように、接触部としての摩擦部材の形状は、半円柱形状であってもよい。図8(f)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部62f及び摩擦部6fが一体になった構成になっており、摩擦部63fにおける鏡筒と接触する部分は、半円柱形状になっている。また、図8(g)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材62gと摩擦部材63gとを備え、これらが連結された構成になっている。弾性部材62gには、鏡筒側に突出した突出部600cが形成されている。そして、突出部600cにおける鏡筒側の先端部には、摩擦部材63gが貼り付けられている。摩擦部材63gにおける鏡筒と接触する部分が、半円柱形状になっている。図8(f)及び(g)に示された構成により、駆動方向変換部材における接触部が鏡筒と傾いて接触した場合でも、摩擦特性が変化しにくいという効果を奏する。
また、駆動方向変換部材における接触部の形状は、半円柱形状に限定されない。接触部の形状が、例えば半球形状、または円錐形状であっても、駆動方向変換部材における接触部が鏡筒と傾いて接触した場合でも、摩擦特性が変化しにくいという効果を奏する。このように、接触部の形状がどのような形状になっていても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
図18(a)〜(c)は、図8(e)に示された摩擦部材63eの配置において、摩擦部材63eの先端の軌跡の一例を示す説明図である。図18(a)〜(c)に示されるように、連結点A及びBがそれぞれ、(i)〜(ix)の状態に変位することにより、摩擦部材63eの先端は楕円運動している。
図19(a)・(b)は、図8(e)に示された摩擦部材63eの配置において、摩擦部材63eの先端の軌跡の他の一例を示す説明図である。図19(a)・(b)に示されるように、連結点A及びBがそれぞれ、(i)〜(ix)の状態に変位することにより、摩擦部材63eの先端は楕円運動している。
すなわち、連結点A及びBと接触部としての摩擦部材とがどの位置関係にあっても、連結点A・Bの変位(屈曲変位部材1A・1Bに印加される駆動電圧波形)を対応させれば、摩擦部材の先端の軌跡を楕円あるいは円弧状に制御することが可能である。
なお、好ましくは、接触部としての摩擦部材は、上記第1及び第2の連結部を結ぶ仮想線上の任意の点を通過し、かつ第1及び第2の連結部を含む面に対し垂直な直線を第2の直線としたとき、上記第2の直線を通過するように配されている。接触部としての摩擦部材は、上記第1及び第2の連結部を結ぶ仮想線上に配されているので、第1及び第2の連結部の変位に応じた仮想線の変位をより効率的に被駆動体との接触部の変位に変換することが可能になり、比較的小さな第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位で、被駆動体との接触部の変位を実現できる。また、摩擦部材の配置の最良の形態は、接触部としての摩擦部材が第1及び第2の連結部を結ぶ仮想線上の中心に配された構成である。
上記第1〜第6の実施形態の駆動装置では、弾性部材及び屈曲部材が別々の部材になった構成であったが、本発明における駆動方向変換部材は、この構成に限定されない。図9は、本発明に適用可能な屈曲部材及び弾性部材の構成の一例を示した斜視図である。
図9に示される2つの屈曲変位部材は、2つの圧電材料層71がシム材72を挟んで圧着された3層構造になった、バイモルフ構造の圧電素子である。そして、これら2つの屈曲変位部材は互いに、共通のシム材72を備えている。そして、この共通のシム材72が2つの屈曲変位部材同士を連結した構成になっている。そして、シム材72における2つの屈曲変位部材の連結部分に、弾性部材としての弾性部、及び摩擦部材としての摩擦部が一体的に形成されている。つまり、弾性部材及び摩擦部材は、屈曲変位部材におけるシム材72の一部として形成されている。
図9に示される2つの屈曲変位部材は、ただ1つのシム材72を挟むように2つの圧電材料層71を圧着し、一対の屈曲変位部材を形成することで形成可能である。そして、シム材72における2つの屈曲変位部材の連結部分を曲げ加工することにより、弾性部、及び摩擦部が一体的に形成される。
また、屈曲変位部材の固定について、上記第1〜第5の実施形態の駆動装置では、屈曲変位部材の長さ方向における一方の端部が固定された構成であった。しかしながら、本発明における屈曲変位部材の固定は、長さ方向における一方の端部が固定された構成に限定されない。図10(a)は、第1〜第5の実施形態の駆動装置における屈曲変位部材の固定概念を説明するための説明図であり、図10(b)は、本発明の駆動装置に適用可能な屈曲変位部材の固定の一例を説明するための説明図である。なお、図10(a)・(b)では、屈曲変位部材の固定の概念として、固定されている箇所を斜線部として示している。
図10(a)に示されるように、第1〜第5の実施形態の駆動装置では、屈曲変位部材1A・1Bは、その長さ方向における一方の端部(弾性部材2及び摩擦部材3が連結する側と反対側の端部)が固定された構成である。図10(a)に示される屈曲変位部材1A・1Bでは、斜線部を支点として、矢印とで示した屈曲変位方向A・Bに屈曲することになる。そして、結果として、屈曲変位部材1A・1Bは、点線で囲まれた位置に変位する。
屈曲変位部材の固定の一例としては、例えば図10(b)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bは、その幅方向(光軸方向)における一方の端部が固定された構成であってもよい。図10(a)に示される屈曲変位部材1A・1Bでは、斜線部を支点として、矢印とで示した屈曲変位方向A・Bに屈曲することになる。そして、結果として、屈曲変位部材1A・1Bは、点線で囲まれた位置に変位する。
図10(b)に示された構成は、屈曲変位部材1A・1Bが固定される箇所としての斜線部が、図10(a)に示された斜線部に対し垂直になっている構成である。このような屈曲変位部材1A・1Bの固定による屈曲変位は、単に図10(a)における屈曲変位部材1A・1Bの縦・横の寸法を入れ替えて、固定される箇所(斜線部)を90度回転させて取り付けることで実現可能である。
(本発明の撮像装置について)
本発明の駆動装置は、カメラモジュール等のフォーカス調整機構やズーム機構を搭載した(レンズ群を駆動しなければならない)撮像装置への適用が期待され、特に携帯電話用等の小型カメラモジュールに適用することが有用である。
一般的に、小型カメラモジュールは、撮像装置の全機構(鏡筒の駆動機構、及び撮像機構)に含まれる部材が、角柱形あるいは円柱形のカメラモジュール筐体内に収容された構成となる。本発明の駆動装置は、上述のように、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。それゆえ、駆動装置の寸法を、撮像装置内の駆動装置以外の部材によって決定される寸法を上回らないように設定することにより、撮像装置の低背化・小型化へ最大限効果を発揮することが可能である。
以下、本発明の撮像装置、及び駆動装置の寸法について、図11に基づいて説明する。図11は、図1(a)・(b)に示された駆動装置をカメラモジュール筐体内に収容した撮像装置の構成を示す断面図である。図11は、図1(a)における直方体形状のカメラモジュール筐体6の側壁6c・6d(屈曲変位部材1A・1B)が挟む対角線で切断した断面図である。それゆえ、図11では、屈曲変位部材1A・1Bは示されていない。また、ガイド軸5は、図面が煩雑になるため、省略している。
図11に示されるように、本発明の撮像装置(以下、本撮像装置と記す)は、本駆動装置を有し、さらに、対物レンズ3011、撮像素子3012、及び回路基板3013を備えている。対物レンズ3011、撮像素子3012、及び回路基板3013は、撮像装置として必須となる部材である。
図11に示された本撮像装置は、いわゆるフォーカス調整機構を備えている。具体的には、対物レンズ3011は、鏡筒(被駆動体)4に固定されており、駆動装置による鏡筒4の駆動に伴い、光軸方向へ駆動される。この対物レンズ3011が光軸方向へ駆動することにより、フォーカス調整が成され、所望の被写体の像が撮像素子3012の光電変換素子上に結像されるようになる。
ここで、本撮像装置における、駆動装置以外の部材の光軸方向における寸法について考察する。なお、図11では、カメラモジュール筐体底部の光軸方向における厚さを寸法Aとし、撮像素子3012の光軸方向における厚さと回路基板3013の光軸方向における厚さとの合計を寸法Bとしている。また、対物レンズ3011の焦点距離をfとし、カメラモジュール筐体6の上部(蓋部)の光軸方向における厚さと組立誤差を許容可能なクリアランスとの合計を寸法Cとしている。なお、ここでは、焦点距離fを、無限遠の被写体が撮像素子3012内の光電変換素子上で結像する位置に対物レンズ3011を移動させたときの、対物レンズ3011先端から撮像素子3012の透明カバー表面までの距離と定義する。
カメラモジュール筐体の光軸方向における寸法は、寸法Aと、寸法Bと、焦点距離fと、寸法Cとの合計により決定される。
寸法A、寸法B、焦点距離f、及び寸法Cに対し、製造が容易であり、かつ強度等を考慮した実用的な寸法を当てはめると、寸法A=0.5[mm]程度、寸法B=1.0〜2.0[mm]程度、寸法C=A=0.5[mm]程度となる。なお、焦点距離fについては、撮像装置の用途により選択設計される。広角の写真撮影が可能であり、なるべく薄型のカメラモジュールを実現することを目的とする場合には、焦点距離f=2.0[mm]程度になる(ただし、撮像面対角寸法が4[mm]以下である小型の撮像素子3012を用いた場合)。
したがって、カメラモジュール筐体6の光軸方向における寸法(寸法A+寸法B+寸法C+焦点距離f)は、仮に寸法B=2.0[mm]である場合、5[mm]となる。
このとき、カメラモジュール筐体6の光軸方向における寸法:(A+B+C+f)をfで規格化した値は、(A+B+C+f)/f=2.5程度となる。
従って、上記のように寸法を設定した場合、駆動源として用いる屈曲変位部材1A・1Bの光軸方向における寸法は、焦点距離fの2.5倍以下とすればよい。そして、このとき、撮像装置の光軸方向における寸法は、駆動装置以外の部材の寸法により決定されるため、撮像装置の低背化に最も効果がある。
なお、焦点距離f=2.5、寸法B=1.0[mm]程度と設定した場合、駆動源として用いる屈曲変位部材1A・1Bの光軸方向における寸法は、焦点距離fの1.8倍程度になる。
次に、本撮像装置における、駆動装置以外の部材の光軸方向と垂直な方向(横方向)における寸法について考察する。なお、図11では、カメラモジュール筐体側壁の厚さと組立誤差を許容可能なクリアランスとの合計を寸法Xとし、鏡筒4の側壁厚さを寸法Yとし、対物レンズ3011の直径を直径Rとしている。
カメラモジュール筐体の横方向における寸法は、寸法X及び寸法Yの合計の2倍と、直径Rとの合計(2×(X+Y)+ R)により決定される。
寸法X、寸法Y、及び直径Rに対し、製造が容易であり、かつ強度等を考慮した実用的な寸法を当てはめると、寸法X=0.8[mm]程度、寸法Y=1.0[mm]程度となる。なお、直径Rについては、撮像装置の用途により選択設計される。適度な明るさを得るためには、直径R=1.8[mm]となる(有効径は0.8[mm]程度)。
したがって、カメラモジュール筐体6の横方向における寸法(2×(X+Y)+ R)は、5.4[mm]になる。
このとき、カメラモジュール筐体6の横方向における寸法:2×(X+Y)+ RをRで規格化した値は、(2×(X+Y)+ R)/f=3程度となる。
従って、上記のように寸法を設定した場合、駆動源として用いる屈曲変位部材1A・1Bの横方向における寸法は、直径Rの3倍以下とすればよい。そして、このとき、撮像装置の横方向における寸法は、駆動装置以外の部材の寸法により決定されるため、撮像装置の小型化に最も効果がある。
なお、寸法Y=0.3〜0.8[mm]と設定した場合、直径R=3.2[mm]程度になり、と設定した場合、屈曲変位部材1A・1Bの横方向における寸法は、直径Rの1.6倍程度になる。
また、以上の説明では特に言及しなかったが、駆動回路7A、7Bが出力する電圧の振幅は被駆動体の質量や被駆動体に加わる負荷、被駆動体の必要速度、接触部の材質などパラメータにより1[V]〜100[V]程度に設計され、駆動周波数についても同様に50[Hz]〜500[kHz]程度と広範囲に設計される。また接触部の変位についても同様に10[nm]〜1[mm]程度と広範囲に設計されるが、どのような設計値であっても本発明の範囲を逸脱するものではない。
また、本発明の撮像機器は、上述の撮像装置を備えた機器全般である。本発明の撮像機器としては、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等といった撮像機器が挙げられる。
以上の説明では、弾性部材、及び摩擦部材を別々の部材として説明したが、これらが一体として形成されている場合でも本発明の範囲を逸脱するものではない。
また、弾性部材と屈曲変位部材とを別々の部材として説明したが、例えば弾性部材が屈曲変位部材の中間層として具備しているシム材の延長として形成されるなど、弾性部材と屈曲変位部材が一体として形成されている場合でも本発明の範囲を逸脱するものではない。
光学装置筐体の形状は、直方体形状に限定されるものではない。例えば、円筒形形状、あるいは楕円筒形状である場合にも、本発明を適用することが可能である。
なお、本発明の駆動装置は、以下のように表現することができる。
すなわち、本発明の駆動装置は、電気的制御により屈曲変位が励起される第1の屈曲変位部材と、電気的制御により屈曲変位が励起される第2の屈曲変位部材と、第1の屈曲変位部材の一部と第1の連結部で連結され第2の屈曲変位部材の一部と第2の連結部で連結される弾性部材と、弾性部材に一部が連結され、一部が被駆動体に接触する摩擦部材と、を具備した構成であると表現することができる。
そして、本発明の駆動装置の上記構成において、さらに第1の連結部と第2の連結部を結ぶ仮想線と、第1の屈曲変位部材の長さ方向あるいは第2の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線とが交差する構成であると表現することができる。
さらに、本発明の駆動装置の上記構成において、さらに第1の屈曲変位部材を第1の屈曲変位部材の中心を通り第1の屈曲変位部材の長さ方向平行な仮想線で第1の領域と第2の領域に仮想的に分割し、第2の屈曲変位部材を第2の屈曲変位部材の中心を通り第2の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線で第3の領域と第4の領域に仮想的に分割したとき、第1の連結部の中心が第1の領域と第2の領域どちらかに位置し、第2の連結部の中心が第3の領域と第4の領域どちらかに位置する構成であると表現することができる。
また、本発明の駆動装置の上記構成において、第1の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線と、第2の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線とが交差し、第1の屈曲変位部材の厚み方向と平行な仮想線と、第2の屈曲変位部材の厚み方向と平行な仮想線とが交差する構成であると表現することができる。
また、本発明の駆動装置の上記構成において、第1の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線と、第2の屈曲変位部材の長さ方向と平行な仮想線とが直交し、第1の屈曲変位部材の厚み方向と平行な仮想線と、第2の屈曲変位部材の厚み方向と平行な仮想線とが直交する構成であると表現することができる。
また、本発明の駆動装置の上記構成において、被駆動体の一部が第1の屈曲変位部材と第2の屈曲変位部材とで仮想的に形成される扇状空間内に配置される構成であると表現することができる。
〔第7の実施形態〕
第5の実施形態の駆動装置においては、屈曲変位部材51Aが、所定量だけ鏡筒4側の方向(被駆動体方向)に押し付けられて固定された構成である。あるいは、ガイド軸が、鏡筒4を摩擦部材3側の方向に押し付けるように固定された構成である。しかしながら、このような構成の場合、押し付ける変位量が微小なため予圧力の設定が難しいという課題が残されている。
したがって、上記のような駆動機構では、予圧力の設定が容易でかつ安定した予圧機構が望まれている。
(本実施形態の駆動装置の構成)
以下、本実施形態の駆動装置(本駆動装置と記す)について、説明する。図20は、本駆動装置の概略構成を示す上面図である。図20に示される駆動装置は、小型カメラモジュールのフォーカス調整機構に適用した最適の実施形態を示す。図21は、図20における視線Bから見た駆動装置の概略構成を示す側面図である。なお、図21においては、カメラモジュール筐体を省略している。
図20及び図21に示されているように、本駆動装置は、被駆動体としての鏡筒4’、屈曲変位部材(振動部材ともいう)91A、カメラモジュール筐体96、予圧バネ(予圧弾性部材)98、及び駆動方向変換部材(駆動部材)99を備えている。本駆動装置では、駆動方向変換部材99及び屈曲変位部材91Aを含む駆動機構により、鏡筒4’が駆動するようになっている。
予圧バネ98は、駆動方向変換部材99に対し鏡筒4’を付勢する部材である。図20及び図21に示された本駆動装置では、予圧バネ98は、つるまきバネである。予圧バネ98は、その一端がカメラモジュール筐体96に固定され、他端が鏡筒4’に固定されている。これにより、鏡筒4’は、駆動中、駆動方向変換部材99に押し付けられることになる。図20においては、予圧バネ98が鏡筒4’を駆動方向変換部材99に付勢する方向を予圧方向とし、この予圧方向に沿った直線を予圧方向仮想線Lとしている。
鏡筒4’は、レンズを保持する機能を有するレンズバレルである。鏡筒4’は、中央に円環部を有し、この円環部にレンズがはめ込まれるようになっている。そして、駆動方向変換部材99及び屈曲変位部材91Aを含む駆動機構により、光軸方向に駆動され、オートフォーカス動作が行われる。なお、本実施形態では、鏡筒4’が移動する移動方向は、光軸方向と同義語として扱う。また、本明細書では、鏡筒4’にはめ込まれた光学部品が物体を結像する方向(鏡筒4’と物体とを結ぶ直線の方向)を「光軸方向」とする。
駆動方向変換部材99は、鏡筒4’と接触し、屈曲変位部材91Aの屈曲変位方向と異なる方向(Z軸方向)に変位方向を変換して被駆動体(鏡筒4’)を駆動する。
屈曲変位部材91Aは、2つの圧電材料層がシム材を挟んで圧着された3層構造になった、バイモルフ構造の圧電素子である。そして、図20に示されるように、屈曲変位部材91Aの一方の端部(本実施形態ではシム材の延長)が、カメラモジュール筐体96に接着やはめ込み等により固定されている。そして、他方の端部が、駆動方向変換部材99に連結している。この駆動方向変換部材99と屈曲変位部材91Aとは、一体構造になっていてもよい。この場合、屈曲変位部材91Aは、その一部が延在した延在部を有し、その延在部が駆動方向変換部材99になっている。
本駆動装置において、予圧バネ98は、その予圧方向の一端がカメラモジュール筐体96の側壁に固定され、他端が鏡筒4’に固定されている。このため、鏡筒4’が光軸方向に駆動され変位(移動)すると、予圧バネ98の上記他端も変位する。予圧バネ98は、鏡筒4’の駆動中、光軸方向に撓んで鏡筒4’に追従するようになっている。
(動作原理3)
図22は、図20における視線Aから見た駆動装置の概略構成を示す斜視図である。なお、図22においては、屈曲変位部材91A及びそれに接着された駆動方向変換部材99のみを抽出して示している。
同図に示されるように、屈曲変位部材91Aは、2つの圧電材料層92X・92Yと、金属からなるシム材91とを備え、2つの圧電材料層92X・92Yがシム材91を挟んで圧着された3層構造になっている。すなわち、屈曲変位部材91Aは、バイモルフ構造の圧電素子である。また、制御回路97Aは、屈曲変位部材91Aの屈曲変位を励起する回路であり、2つの圧電材料層92X・92Yに電気的に結線接続している。駆動回路10により屈曲変位部材91Aに交番電気信号(電圧)が印加されると、屈曲変位部材91Aは、矢印アの方向に屈曲変位するようになる。
また、駆動方向変換部材99は、S字状の弾性部材92と摩擦部材93とからなっている。摩擦部材93は、弾性部材92上に設けられており、鏡筒4’と摩擦係合するようになっている。弾性部材92は、S字形状の一方の端部が屈曲変位部材91Aに連結しており、他方の端部がカメラモジュール筐体96に固定されている。このため、屈曲変位部材91Aが矢印アの方向に屈曲変位すると、弾性部材92は矢印イの方向に変位する。そして、弾性部材92に設けられた摩擦部材93の先端は、矢印ウの方向(光軸方向)に変位するとともに、鏡筒4’と摩擦係合する。
次に、駆動方向変換部材99の先端(上述の摩擦部材93)を円弧駆動させて鏡筒4’を光軸方向に駆動させる動作例について説明する。図23は、屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形を示すグラフである。図24(a)・(b)は、図23に示された駆動電圧波形に基づく摩擦部材93の先端部の円弧駆動を説明するための説明図である。
図23においては、屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形を波形Aとしている。なお、波形Aの駆動電圧波形は、駆動回路10から出力される。同図に示されるように、波形Aは、のこぎり状の駆動電圧波形になっている。ここで、図23に示された波形Aの(i)〜(v)の時点に対応する連結点A及びBの状態を図24(a)・(b)に示す。
図24(a)・(b)に示されるように、波形Aを駆動すると、連結点A及びBの位置は、(i)〜(v)に推移する。つまり、連結点A及びBは、図23の(i)の時点では図24(a)の(i)の状態になり、図23の(ii)の時点では図24(a)の(ii)の状態になり、図23の(iii)の時点では図24(a)・(b)の(iii)の状態になり、図23の(iv)の時点では図24(b)の(iv)の状態になり、図23の(v)の時点では図24(b)の(v)の状態になっている。連結点A及びBが、図24(a)・(b)に示された(i)〜(v)の状態に推移し変位することで、摩擦部材93の先端部は、図示したように円弧駆動されることになる。
このとき、摩擦部材93の先端は、図23に示されるのこぎり状の駆動電圧波形により円弧駆動されるため、駆動方向の角速度と逆駆動方向の角速度とに差が生じる(すなわち、(i)〜(iii)の状態へ推移する角速度は相対的に遅くなる一方、(iii)〜(v)の状態へ推移する角速度は相対的に速くなる)。
また、駆動電圧波形を適宜設定することで、摩擦部材93の先端が駆動方向の角加速度と逆駆動方向の角加速度とに差が生じるようにすることもできる。すなわち、(i)〜(iii)の状態へ推移する(駆動方向)角加速度が相対的に遅くなる一方、(iii)〜(v)の状態へ推移する(逆駆動方向)角加速度が相対的に速くなるように、駆動電圧波形を設定することが可能である。それゆえ、摩擦部材93の摩擦係数などを調整することにより、駆動方向において、摩擦部材93と鏡筒4’の接点とに加わる力が摩擦部材93と鏡筒4’との間の静摩擦力を超えることができず、摩擦部材93の先端が鏡筒4’を滑らなくなるようにすることができる。一方、逆駆動方向において、摩擦部材93と鏡筒4’の接点とに加わる力が摩擦部材93と鏡筒4’との間の静摩擦力を上回るため、摩擦部材93の先端が鏡筒4’を滑るようにすることができる。そして、結果として、駆動方向の駆動力と逆駆動方向の駆動力とに差が生じ、鏡筒4’が駆動方向に駆動されることになる。
また、駆動方向及び逆駆動方向の両方において、摩擦部材93の先端が鏡筒4’を滑るように摩擦係数などを調整することが可能である。この場合、駆動方向の駆動力、及び逆駆動方向の駆動力は、動摩擦力で決定され同じ力となる。しかしながら、図23に示された駆動電圧波形により駆動方向の変位時間が長く、逆駆動方向の変位時間が短く設定されているため、駆動方向の動摩擦力が作用している時間の方が逆駆動方向の動摩擦力が作用している時間よりも長くなる。それゆえ、結果として、鏡筒4’は、駆動方向に駆動される。
本駆動装置では、予圧バネ98により鏡筒4’が常に摩擦部材93の先端と接触している構成である。このため、摩擦部材93の先端は、円弧回転する代わりに、(屈曲変位部材91A、弾性部材92、摩擦部材93等に歪みが生じ)直線的な変位が交互に励起される。このような場合においても、鏡筒4’を駆動することが可能であることはいうまでもない。
(共振について)
本駆動装置における鏡筒4’の駆動機構は、上記のように、屈曲変位部材91Aの振動により、駆動方向変換部材99は、駆動方向に振動し、鏡筒4’と摩擦係合するという機構である。そして、この駆動機構において、予圧バネ98は、鏡筒4’を駆動方向変換部材99に付勢する弾性部材である。つまり、本駆動装置の駆動機構は、予圧バネ98、鏡筒4’、駆動方向変換部材99、及び屈曲変位部材91Aを含むバネ系として考えることができる。このバネ系としての本駆動装置の駆動機構に、屈曲変位部材91Aの振動が加えられることにより、以下の共振現象が発生する。
まず、第1の共振現象として、駆動回路10による屈曲変位部材91Aの振動と、駆動方向変換部材99の振動(駆動)との間の共振現象が考えられる。このとき、第1の共振現象は、鏡筒4’の駆動方向に働く。つまり、この第1の共振現象は、鏡筒4’の質量と、屈曲変位部材91Aと、駆動方向変換部材99の弾性とに起因する光軸方向の共振現象である。
第1の共振現象の固有周波数(共振周波数)fは、以下の式(1)で表わすことができる。式(1)においては、屈曲変位部材91Aの弾性、及び駆動方向変換部材99の弾性に起因する駆動方向のバネ定数をK〔N/m〕とし、鏡筒4’の質量をM〔kg〕としている。
屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形(図23に示された波形A)の周波数を基本周波数fとする。このとき、上記式(1)で表わされた固有周波数f近辺に基本周波数fを設定することで、駆動波形Aの振幅を小さくして鏡筒4’を駆動させることが可能になる。つまり、駆動電圧波形Aの基本周波数fを固有周波数fに近づくように設定することで、屈曲変位部材91Aの振動と、駆動方向変換部材99の振動(駆動)との間に第1の共振現象が発生し、小さい振幅の駆動波形Aで、駆動方向変換部材99の振動振幅を大きくすることができる。したがって、本駆動装置においては、屈曲変位部材91Aに対し、固有周波数f近辺の基本周波数fで駆動することは有効である。ただし、本駆動装置において、例えば、鏡筒4’の駆動速度が低く設定される場合、または、大きな駆動電圧が利用可能である場合には、固有周波数fと異なる(例えば固有周波数fよりも小さい)基本周波数fで鏡筒4’を駆動することが可能である。
本駆動装置は、予圧バネ98により鏡筒4’を駆動方向変換部材99に付勢する構成になっている。このような構成では、第2の共振現象として、駆動回路10による屈曲変位部材91Aの振動と、予圧バネ98の予圧方向の振動との間の共振現象が考えられる。このとき、第2の共振現象は、予圧バネ98の予圧方向に働く。つまり、第2の共振現象は、予圧バネ98の弾性に起因する予圧方向の共振現象である。
第2の共振現象の固有周波数(共振周波数)fは、以下の式(2)で表わすことができる。式(2)においては、予圧バネ98の予圧方向のバネ定数をK〔N/m〕とし、鏡筒4’の質量をM〔kg〕としている。
ただし、第2の共振現象において、厳密には、屈曲変位部材91A、及び駆動方向変換部材99の予圧方向の弾性に起因するバネ定数が影響する。しかしながら、鏡筒4’と駆動方向変換部材99とは、固着していない。それゆえ、上記予圧方向の弾性に起因するバネ定数は、予圧方向に振動して鏡筒4’と駆動方向変換部材99とが離れる場合のバネ定数と等価になる。このため、第2の共振現象は、式(2)で表わされた固有周波数(共振周波数)fが重要になる。
以上のように、本駆動装置の駆動機構では、第1の共振現象、及び第2の共振現象が発生する。ここで、第1の共振現象における固有周波数fと、第2の共振現象における固有周波数fとが近接している場合の、本駆動装置の駆動機構について説明する。
屈曲変位部材91Aに対し、固有周波数f近辺の基本周波数fで駆動すると、上述のように、屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形(図23に示された波形A)の振幅を小さくする、すなわち、低電圧で鏡筒4’を駆動させることができる。このとき、上記第1の共振現象により、駆動方向変換部材99の摩擦部材93の先端部は、固有周波数fで振動し、予圧方向においても固有周波数fで振動することになる。そして、摩擦部材93先端部の予圧方向の振動成分により、予圧バネ98に上記第2の共振現象が励起される。その結果、鏡筒4’が予圧方向に振動してしまい、摩擦部材93と鏡筒4’との接触状態が不安定になる。さらに、摩擦部材93と鏡筒4’との間に作用する摩擦力が不安定になり、鏡筒4’の駆動速度や推力が不安定になってしまう。
また、このような摩擦部材93と鏡筒4’との接触状態の不安定性は、駆動波形の基本周波数fが固有周波数fから離れた値(近接した値でない)であり、かつ、固有周波数fと固有周波数fとが離れている場合にも、生じる問題である。つまり、上記第2の共振現象が励起されれば、摩擦部材93と鏡筒4’との接触状態が不安定になる。第2の共振現象は、屈曲変位部材91Aに印加される駆動波形の基本周波数fが固有周波数fに近接している場合に励起される。図20及び図21の駆動装置では、屈曲変位部材91Aに基本周波数fの駆動波形の電圧が印加されると、摩擦部材93の先端部は、この基本周波数fで振動することになる。そして、摩擦部材93先端部の予圧方向の振動成分(基本周波数fの振動成分)により、予圧バネ98に上記第2の共振現象が励起される。
本駆動装置では、屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形(交番電気信号)の基本周波数fが、予圧バネ98の固有周波数fと異なるように設定されている。この構成によれば、屈曲変位部材91Aに基本周波数fの駆動電圧波形(交番電気信号)が印加されたとき、駆動方向変換部材99の摩擦部材93は、基本周波数fで振動することになる。そして、この摩擦部材93の予圧方向の振動成分は、予圧バネ98の固有周波数fと異なる基本周波数fで振動するので、上記第2の共振現象が励起されることがなくなる。これにより、鏡筒4’が予圧方向に振動することなく、摩擦部材93と鏡筒4’との接触状態を安定にすることができる。その結果、本駆動装置では、安定した予圧バネ98による予圧機構を実現することが可能になる。
さらには、摩擦部材93と鏡筒4’との接触状態が安定になるので、摩擦部材93の予圧方向の振動成分を考慮することなく、予圧バネ98の予圧力を容易に設定することが可能になる。
特に、屈曲変位部材91Aに印加される駆動電圧波形の基本周波数fが、予圧バネ98に起因する固有周波数fよりも大きい場合、予圧バネ98による予圧力の管理が容易になる。
予圧バネ98による予圧力Fは、下記式で表わされる。
F=Kx、(F:予圧力、k:バネ定数、x:変位)
予圧バネ98の自由長から1mm圧縮したときに所定の予圧力が得られるように、予圧バネを設計する。このとき、予圧バネ98やその他の部材の製造公差合計が0.1mmであるとすると、予圧力は10%程度のバラツキが生じる。一方、予圧バネ98の自由長から0.2mm圧縮したときに所定の予圧力が得られるように予圧バネ98を設計した場合、予圧力は50%もバラツキが発生することになる。つまり、硬いバネ(バネ定数Kが比較的大きいバネ)になるように予圧バネ98を設計して、固有周波数fを上げると、予圧力の管理が難しいという問題がある。それゆえ、予圧バネ98の自然長を大きくして固有周波数fをなるべく小さくしたときの方が、予圧力の管理が容易になる。
本駆動装置における予圧バネ98の配置について説明する。予圧バネ98は、その予圧方向の仮想線Lが鏡筒4’の中心(図20の十字マーク)を通過しないような配置になっていることが好ましい。この予圧方向の仮想線Lは、鏡筒4’にはめ込まれている光学レンズの有効領域を通過しないようになっている。予圧方向の仮想線Lが鏡筒4’の中心を通過するように予圧バネ98が配置されている場合、予圧バネ98のバネ長が最も短くなる。後述の式(3)に示されるように、予圧バネ98のバネ定数Kは、有効巻数Nが大きくなるに従い小さくなる。予圧バネ98のバネ長が最も短くなる構成では、有効巻数Nを大きくすることに限界があり、バネ定数Kを小さくすることが困難になる。そして、上記第2の共振現象における予圧バネ98の固有周波数fを小さくすることが困難になる。
要するに、予圧バネ98としてのつるまきバネが、鏡筒4’壁部分に形成されたトンネルを突き抜け、かつ、光学レンズを突き抜けないようになっていてもよい。ただし、予圧バネのバネ長を短く設定してもよい場合、予圧方向の仮想線Lが光学レンズを突き抜ける構成であってもよい。
図20に示された駆動装置では、予圧バネ98は、カメラモジュール筐体96の側壁96bに沿って配置され、その予圧方向仮想線Lが鏡筒4’の中心を通過しない構成となっている。このように予圧バネ98をカメラモジュール筐体96に沿って配置することで、予圧バネ98のバネ長を長くすることが可能になる。その結果、予圧バネ98のバネ定数Kを小さくすることができる。
なお、つるまきバネとしての予圧バネ98のバネ定数Kは、一般的に以下の式(3)で与えられる。
上記式(3)から、バネ定数Kは、バネ径Dまたは有効巻数Nが大きくなるに従い、小さくなることがわかる。それゆえ、バネ定数Kを小さくするためには、バネ径Dを大きくするか、あるいは有効巻数Nを大きくすればよい。予圧バネ98のバネ径Dを大きくすると、カメラモジュール筐体96内における予圧バネ98の設置スペースを大きく設定する必要がある。このため、本駆動装置においては、予圧バネ98のバネ径Dの設定に制限がある。一方、予圧バネ98の有効巻数Nは、バネ長を長くすることで大きくすることが可能になる。図20に示された駆動装置では、予圧バネ98がカメラモジュール筐体96の側壁96bに沿って配置されているので、予圧バネ98のバネ長を長く確保することができ、バネ定数Kを小さくすることができる。さらに、上記式(2)から、上記第2の共振現象における予圧バネ98の固有周波数fを小さくすることができる。
本駆動装置の他の効果について説明する。本駆動装置では、上述したように、予圧バネ98は、その予圧方向の一端がカメラモジュール筐体96の側壁に固定され、他端が鏡筒4’に固定されている。このため、鏡筒4’が光軸方向に駆動され変位(移動)すると、予圧バネ98の上記他端も変位する。予圧バネ98は、鏡筒4’の駆動中、光軸方向に撓んで鏡筒4’に追従するようになっている。
つるまきバネとしての予圧バネ98は、図20に示されるように、バネ長に対しバネ径が十分に小さい構造になっている。それゆえ、予圧バネ98は、光軸方向の弾性が小さい(やわらかい)、すなわちバネ定数が小さい構成になっている。したがって、予圧バネ98は、光軸方向に撓んで鏡筒4’に追従するとき、鏡筒4’に対する負荷を十分に小さくすることができる。
また、予圧バネ98は、光軸方向の弾性のバネ定数が小さくなっているので、所定の予圧力を得るための変位量(予圧バネ98を縮める量)を大きく設定することが可能になる。したがって、駆動装置を組立てるに際し、部品の寸法ばらつきによる予圧力のばらつきを小さくすることができる。
さらに、つるまきバネとしての予圧バネ98は、弾性のばらつきを小さくして製造することが可能である。そのため、駆動装置組立に際し、各駆動装置の予圧力の個体差を低減させることができる。
(変形例1)
本駆動装置の構成において、図20及び図21に示す構成の変形例について説明する。図25及び図26は、この変形例1としての本駆動装置の概略構成を示し、図25は上面図であり、図26は、図25における視線Bから見た側面図である。なお、図26においては、カメラモジュール筐体を省略している。
図20及び図21に示す駆動装置では、予圧バネ98がつるまきバネになった構成であった。これに対し、変形例1の本駆動装置は、図25及び図26に示されるように、予圧バネ98Aが板バネになった構成である。図26に示されるように、板バネとしての予圧バネ98Aは、光軸方向に湾曲した構造になっており、鏡筒4’を駆動方向変換部材99(摩擦部材93)に付勢するようになっている。
予圧バネ98Aは、その予圧方向の一端がカメラモジュール筐体96の側壁に固定され、他端が鏡筒4’に固定されている。このため、鏡筒4’が光軸方向に駆動され変位(移動)すると、予圧バネ98Aの上記他端も変位する。予圧バネ98Aは、鏡筒4’の駆動中、光軸方向に変形して鏡筒4’に追従するようになっている。
板バネとしての予圧バネ98Aのバネ定数Kは、一般的に以下の式(4)で与えられる。なお、湾曲した板バネのバネ定数を求めることは困難であるので、片持ちはりの板バネで近似したバネ定数Kを式(4)に示している。
上記式(4)から、予圧バネ98Aのバネ定数Kは、長さlが大きくなるに従い、小さくなることがわかる。それゆえ、バネ定数Kを小さくするためには、長さlを大きくすればよい。図25及び図26に示された駆動装置では、予圧バネ98Aがカメラモジュール筐体96の側壁96bに沿って配置されているので、予圧バネ98Aのバネ長lを長く確保することができ、バネ定数Kを小さくすることができる。さらに、上記式(2)から、上記第2の共振現象における予圧バネ98Aの固有周波数fを小さくすることができる。
(変形例2)
本駆動装置の構成において、図20及び図21に示す構成の変形例について説明する。図27及び図28は、この変形例2としての本駆動装置の概略構成を示し、図27は上面図であり、図28は、図27における視線Bから見た側面図である。なお、図28においては、カメラモジュール筐体を省略している。
同図に示されるように、変形例2の駆動装置では、予圧バネ98Bと鏡筒4’との間に、摺動部材98Cが配されている。この摺動部材98Cは、鏡筒4’と接触するボール98Dを備えている。摺動部材98Cの予圧方向の一端は、予圧バネ98Bが固定されている一方、他端は、ボール98Dを介して、鏡筒4’と接触している。このボール98Dは、摺動部材98Cに対する鏡筒4’の摺動抵抗を低減するために設けられている。
変形例2の駆動装置においては、予圧バネ98Bは、摺動部材98Cを介して、鏡筒4’を駆動方向変換部材3(摩擦部材93)に付勢することになる。この摺動部材98Cは、駆動方向変換部材99よりも体積が大きく、かつ金属等の比重が比較的大きい材料から構成されている。これにより、摺動部材98Cは、駆動方向変換部材99に対し質量が大きくなる。
変形例2の駆動装置において、第2の共振現象の固有周波数(共振周波数)fは、以下の式(5)で表わすことができる。式(5)においては、予圧バネ98Bの予圧方向のバネ定数をK〔N/m〕とし、鏡筒4’の質量をM〔kg〕とし、摺動部材98Cの質量をM〔kg〕としている。
上記式(5)に示されるように、共振周波数fは、摺動部材98Cの質量M及び鏡筒4’の質量Mが増加するに伴い低下する。それゆえ、変形例2の駆動装置においては、摺動部材98Cの質量Mを大きくすることにより、上記第2の共振現象による予圧バネ98Bの共振周波数fを小さくすることが可能になる。
さらに、変形例2の駆動装置によれば、摺動部材98Cと鏡筒4’とは、固着されておらず、両部材の摺動抵抗は、ボール98Dにより低減されている。このように、摺動部材98Cと鏡筒4’との摺動抵抗を低減することにより、予圧バネ98Bが連結した摺動部材98Cは、屈曲変位部材91Aの振動と駆動方向変換部材99の振動(駆動)とにより発生する第1の共振現象が摺動部材98Cの質量の影響を受けないようになる。それゆえ、変形例2の駆動装置においては、摺動部材98Cと鏡筒4’との摺動抵抗が十分に小さければ、摺動部材98C追加による駆動方向変換部材99の質量増加に影響せず、第1の共振現象の固有周波数(共振周波数)fは、上記式(1)で表わすことができる。
以上のように、変形例2の駆動装置は、摺動部材98Cと鏡筒4’との摺動抵抗を低減することにより、第1の共振現象が摺動部材98Cの質量の影響を受けないようにする一方、第2の共振現象による予圧バネ98Bの共振周波数fを小さくすることが可能になる。
また、図27及び図28に示された駆動装置は、ボール98Dにより摺動部材98Cと鏡筒4’との摺動抵抗が低減した構成になっている。しかしながら、変形例2の駆動装置は、この構成に限定されるものではなく、例えば、摺動部材98Cと鏡筒4’との間に潤滑油が注入された構成、あるいは、摺動部材98Cにおける鏡筒4’と対向する面(摺動面)に、摩擦抵抗が比較的低い固体潤滑素材(カーボンなど)から構成された潤滑層が形成された構成であってもよい。
(変形例3)
本駆動装置の構成において、図20及び図21に示す構成の変形例について説明する。図29は、この変形例3としての本駆動装置の概略構成を示す上面図である。
同図に示されるように、変形例3の駆動装置では、予圧バネ98’と鏡筒4’との間に、摺動部材98C’及びボール98Dが配されている。摺動部材98C’及びボール98Dの構成は、変形例2の駆動装置と同様であるので、説明を省略する。
変形例3の駆動装置では、板バネとしての予圧バネ98’が、カメラモジュール筐体96における屈曲変位部材91Aと対向する側壁96dに沿って配置されている。この予圧バネ98’は、側壁96dに対し屈曲した構造になっている。予圧バネ98’は、一端が側壁96dに固定されており、該固定された一端と反対側の他端が摺動部材98C’に固定されている。この構成により、予圧バネ98’は、その屈曲部分に弾性が生じ、摺動部材98C’を介して、鏡筒4’を駆動方向変換部材99に付勢するようになる。
このように、予圧バネ98’が屈曲変位部材91Aと対向する側壁96dに沿って配置されているので、板バネとしての予圧バネ98’のバネ長が大きくなり、バネ定数を小さくすることができる。また、摺動部材98C’は、駆動方向変換部材99よりも体積が大きく、かつ金属等の比重が比較的大きい材料から構成されている。これにより、摺動部材98C’は、駆動方向変換部材99に対し質量が大きくなる。それゆえ、上記第2の共振現象による予圧バネ98’の共振周波数fを小さくすることが可能になる。
(変形例4)
本駆動装置の構成において、図20及び図21に示す構成の変形例について説明する。図30は、この変形例4としての本駆動装置の概略構成を示す上面図である。
同図に示されるように、変形例3の駆動装置では、予圧バネ98’’と鏡筒4’との間に、摺動部材98C’’及びボール98Dが配されている。摺動部材98C’’及びボール98Dの構成は、変形例2の駆動装置と同様であるので、説明を省略する。
変形例3の駆動装置では、板バネとしての予圧バネ98’’が、カメラモジュール筐体96における屈曲変位部材91Aに垂直な側壁96bに沿って配置されている。この予圧バネ98’は、側壁96bに対し屈曲した構造になっている。予圧バネ98’’は、一端が側壁96bに固定されており、該固定された一端と反対側の他端が摺動部材98C’’に固定されている。この構成により、予圧バネ98’’は、その屈曲部分に弾性が生じ、摺動部材98C’’を介して、鏡筒4’を駆動方向変換部材99に付勢するようになる。
予圧バネ98’’が側壁96bに沿って配置されているので、板バネとしての予圧バネ98’’のバネ長が大きくなり、バネ定数を小さくすることができる。また、摺動部材98C’’は、駆動方向変換部材99よりも体積が大きく、かつ金属等の比重が比較的大きい材料から構成されている。これにより、摺動部材98C’’は、駆動方向変換部材99に対し質量が大きくなる。それゆえ、上記第2の共振現象による予圧バネ98’’の共振周波数fを小さくすることが可能になる。
変形例4の駆動装置では、摺動部材98C’’と鏡筒4’とが固着されておらず、両部材の摺動抵抗は、ボール98Dにより低減されている。このように、摺動部材98C’’と鏡筒4’との摺動抵抗を十分に小さくすることで、板バネとしての予圧バネ98’’は、鏡筒4’の駆動中、光軸方向に撓むことがなくなる。それゆえ、図30に示されるように、光軸方向に平行な方向を予圧バネ98’’の幅方向とするなど、板バネとしての予圧バネ98’’の配置の自由度が大きくなる。また、光軸方向に平行な方向を予圧バネ98’’の幅方向とすることで、カメラモジュール筐体と鏡筒4’との間のスペースを小さくすることができる。
なお、本実施形態では、第5の実施形態の駆動装置を前提とした構成を説明してきたが、上記予圧力の設定が難しいという課題は、第5の実施形態の駆動装置に限らず、鏡筒の駆動方向(光軸方向)に伸縮可能な圧電素子と、該圧電素子の一端に連結された駆動部材とを備えた駆動装置(特許文献5)にも当てはまる課題である。
特許文献5に開示された駆動装置においては、鏡筒の駆動方向と圧電素子の伸張方向とが一致しており、駆動部材は圧電素子の伸長方向にのみ変位し、圧電素子の伸長方向に対し垂直な方向の振動成分がないと考えられる。しかしながら、現実的には、駆動部材は、圧電素子の伸長方向に対し垂直な方向に振動する。このため、予圧バネの固有周波数(共振周波数)が、圧電素子の伸長方向に対し垂直な方向の振動の周波数と一致したとき、予圧バネが共振するおそれがある。このため、駆動部材と鏡筒との間で作用する摩擦力が不安定になり、鏡筒の駆動速度が不安定になるという問題がある。
本実施形態の構成を適用することで、特許文献5に開示された駆動装置における問題を解決することが可能である。すなわち、本実施形態は、被駆動体を駆動する駆動機構を備え、上記駆動機構が、振動部材と上記振動部材に連結されている駆動部材とを備え、振動部材の振動により、駆動部材が被駆動体と接触して、被駆動体を摩擦駆動するようになっている駆動装置全般に適用することができ、上記駆動部材に対し被駆動体を付勢する予圧弾性部材と、上記振動部材に交番電気信号を印加し、振動部材の振動を制御する制御手段とを備え、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する予圧方向の共振現象の共振周波数と異なっていることを特徴としたものである。
上記の構成によれば、振動部材に基本周波数の交番電気信号が印加されたとき、駆動部材は、その基本周波数で振動することになる。そして、この駆動部材の予圧方向の振動成分は、予圧弾性部材の上記共振周波数と異なる基本周波数で振動するので、予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する予圧方向の共振現象が励起されることがなくなる。これにより、被駆動体が予圧方向に振動することなく、駆動部材と被駆動体との接触状態を安定にすることができる。その結果、上記の構成によれば、駆動部材と被駆動体との間で作用する摩擦力が安定であり、かつ被駆動体の駆動速度が安定な予圧機構を実現することができる。
本駆動装置は、以上のように、上記駆動部材に対し被駆動体を付勢する予圧弾性部材と、上記振動部材に交番電気信号を印加し、振動部材の振動を制御する制御手段とを備え、上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧弾性部材の弾性、及び被駆動体の質量に起因する予圧方向の共振現象の共振周波数と異なっている構成である。
それゆえ、駆動部材と被駆動体との間で作用する摩擦力が安定であり、かつ被駆動体の駆動速度が安定な予圧機構を実現することができる。
〔第8の実施形態〕
第1〜第7の実施形態の駆動装置においては、駆動方向変換部材の一端が屈曲変位部材に連結され、他端が予圧弾性部材または他の屈曲変位部材に連結・支持された構成であった。つまり、駆動方向変換部材における被駆動体との接触部を挟む両端がともに支持・固定された構成であった。しかしながら、このような構成では、駆動方向変換部材の一端に連結された屈曲変位部材が屈曲変位したとき、駆動方向変換部材の他端は、予圧弾性部材または他の屈曲変位部材の連結・支持により、変位幅が制限される。その結果、駆動方向変換部材の上記他端の動きが拘束され、被駆動体との接触部の振動振幅が小さくなってしまう。それゆえ、第1〜第7の実施形態の駆動装置では、屈曲変位部材の屈曲変位幅に対する被駆動体の駆動効率が悪化するという課題が残されている。
また、駆動方向変換部材の上記他端に他の屈曲変位部材を固定するための接着工程が必要になり、駆動装置の組立工数が増加し、コストが高くなるという課題が残されている。
本実施形態の駆動装置(以下、本駆動装置と記す)は、上記課題を解決するものである。
(本駆動装置の構成)
本駆動装置について、図31及び図32に基づいて説明すると以下の通りである。図31は、本駆動装置の概略構成を示す上面図である。図31に示される駆動装置は、小型カメラモジュールのオートフォーカス調整機構に適用した最適の実施形態を示す。
図31に示されているように、本駆動装置は、屈曲変位部材101A、弾性部材(駆動方向変換部材)102、摩擦部材(駆動方向変換部材:接触部)103、鏡筒(被駆動体)4’’、ガイド軸105、及びカメラモジュール筐体106を備えている。
本駆動装置では、屈曲変位部材101Aは、その一端で、カメラモジュール筐体106に固定されている。そして、屈曲変位部材101Aにおけるカメラモジュール筐体106と反対側の他端には、弾性部材102及び摩擦部材103からなる駆動方向変位部材が連結されている。摩擦部材103は、その先端で、鏡筒4’’に接触し摩擦係合している。
また、本駆動装置には、鏡筒4’’の光軸方向移動をガイドするガイド軸105が設けられている。ガイド軸105は、光軸方向に延びた棒状体であり、カメラモジュール筐体106の底面に対し垂直になるように固定されている。
本駆動装置では、このガイド軸105と、屈曲変位部材101Aと、弾性部材102の弾性とを利用して、摩擦部材103及び鏡筒4’’が所定の力で押圧されるようになっている。
また、第1〜第7の実施形態の駆動装置と同様に、図示しない駆動回路(制御手段)により屈曲変位部材101Aに制御電圧が印加されると、鏡筒4’’はz方向に駆動される。つまり、駆動回路による制御電圧印加により、屈曲変位部材101Aは、x方向に屈曲変位振動する。そして、屈曲変位部材101Aの屈曲変位振動が励起されると、弾性部材102及び摩擦部材103からなる駆動方向変換部材の作用により、摩擦部材103における鏡筒4’’との摩擦係合部がz方向に変位振動する。変位振動により、鏡筒4’’がz方向に駆動される。なお、屈曲変位部材101Aに制御電圧を印加する制御手段、及び該制御手段による駆動波形は、第1〜第7の実施形態の駆動装置と同様であるので、説明を省略する。
図32は、図31における視線Xから見た駆動装置の概略構成を示す斜視図である。なお、図32においては、屈曲変位部材101A及びそれに接着された駆動方向変換部材のみを抽出して示している。
図32に示されるように、本駆動装置は、ただ1つの屈曲変位部材101Aを備えている。そして、この屈曲変位部材101Aに、U字状の弾性部材102及び摩擦部材103からなる駆動方向変換部材が連結されている。より具体的には、屈曲変位部材101Aは、弾性部材102に連結されている。弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部と反対側の端部は、他の部材と連結されておらず、自由端になっている。言い換えると、本駆動装置は、単一の屈曲変位部材101Aと、弾性部材102及び摩擦部材103からなる駆動方向変換部材とを備え、駆動方向変換部材は、屈曲変位部材101Aとの連結部、および鏡筒4’’との摩擦係合点(摩擦部材103)以外で、他の部材と接触していない構成である。
このように、弾性部材2における屈曲変位部材101Aとの連結部と反対側の端部が自由端になっているので、屈曲変位部材101Aが屈曲変位したとき、駆動方向変換部材(弾性部材102)の他端は、他の部材との連結・支持により、変位幅が制限されることはない。その結果、鏡筒4’’との接触部(摩擦部材103)の振動振幅が小さくなることがなく、鏡筒4’’の駆動効率が向上するという効果を奏する。さらに、弾性部材2における屈曲変位部材101Aとの連結部と反対側の端部に他の屈曲変位部材を固定するための接着工程が不要になり、駆動装置の組立工数を減少させることができる。
以下、本駆動装置における、制御手段による駆動電圧波形と、この駆動電圧波形に基づく鏡筒4’’の光軸方向駆動動作原理について説明する。
(動作原理)
図33は、図31における視線Yから見た屈曲変位部材101A、弾性部材102及び摩擦部材103からなる駆動方向変換部材、及び鏡筒4’’の概略構成を示す側面図である。同図に示されるように、摩擦部材103は、接着剤β1により、弾性部材102に固着されている。図33においては、屈曲変位部材101Aの屈曲変位方向をx方向としている。本駆動装置では、屈曲変位部材101Aの屈曲変位振動に応じて、弾性部材102の上記自由端は、x方向において、鏡筒4’’との離接を繰り返すことになる。ここで、弾性部材102の自由端または屈曲変位部材101Aについて、鏡筒4’’から離間する方向に変位することを「+x方向に変位する」とする。また、鏡筒4’’に接する方向に変位することを「−x方向に変位する」とする。図33の(a)は、屈曲変位部材101Aが+x方向に最も大きく変位したときの状態を示し、図33の(b)は、屈曲変位部材101Aが−x方向に最も大きく変位したときの状態を示す。図33の(c)は、弾性部材102の共振現象が生じたときの状態を示す。
本駆動装置では、屈曲変位部材101Aの変位振動周波数が弾性部材102の共振周波数に近づくように、屈曲変位部材101Aに印加される制御電圧を設定することができる。これにより、弾性部材102に共振現象が生じ、弾性部材102の自由端の振動振幅をさらに大きくすることができる。以下、弾性部材102の共振現象を利用しない場合と、弾性部材102の共振現象を利用した場合とについて、さらに詳述する。
(弾性部材102の共振現象を利用しない場合)
弾性部材102の共振現象を利用しない場合、屈曲変位部材101Aの変位振動周波数が、弾性部材102の共振周波数よりも小さくなるように、制御電圧が設定されている。そして、屈曲変位部材101Aが+x方向に最大変位したときの状態が、図33の(a)に示される状態になり、かつ屈曲変位部材101Aが−x方向に最大変位したときの状態が、図33の(b)に示される状態になるように、各種部材が配置されている。
屈曲変位部材101Aがx方向に変位振動すると、弾性部材102の自由端の振動は、図33の(a)の状態、図33の(b)の状態、図33の(a)の状態がこの順に繰り返す振動になる。そして、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部が駆動方向(z方向)に振動変位する。
この接触部の駆動方向の振動変位において、往路と復路とで変位速度または変位加速度に差が生じるように、屈曲変位部材101Aに印加される制御電圧を制御する。これにより、上述した動作原理1〜3と同様の原理で、スリップ−スティック現象、あるいは往路と復路とでスリップ期間に差が生じ、鏡筒4’’が駆動されることになる。
(弾性部材102の共振現象を利用する場合)
上述した弾性部材102の変位は、屈曲変位部材101A(弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部)の屈曲振動変位に対し、弾性部材102の自由端の変位振動は、位相が略180度ずれる変位になっている。この変位は、鏡筒4’’及び摩擦部材103が押圧された状態であること、弾性部材102が弾性を有していることによる。
屈曲変位部材101Aの変位振動周波数が、弾性部材102の共振周波数と同じになる、または近づくように、制御電圧が設定されている場合、弾性部材102に共振現象が生じる。これにより、弾性部材102の自由端の振動振幅が大きくなる。その結果、屈曲変位部材101Aがx方向に変位振動すると、弾性部材102の自由端の振動は、図33の(a)の状態、図33の(b)の状態、図33の(c)の状態、図33の(b)の状態、図33の(a)の状態がこの順に繰り返す振動になる。そして、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部が駆動方向(z方向)に振動変位する。
この接触部の駆動方向の振動変位において、往路と復路とで変位速度または変位加速度に差が生じるように、屈曲変位部材101Aに印加される制御電圧を制御する。これにより、上述した動作原理1〜3と同様の原理で、スリップ−スティック現象、あるいは往路と復路とでスリップ期間に差が生じ、鏡筒4’’が駆動されることになる。
なお、上記では、説明を簡単にするため、屈曲変位部材101Aの屈曲振動変位に対し、弾性部材102の自由端の変位振動が、位相が略180度ずれる変位である場合について説明した。しかしながら、本駆動装置は、屈曲変位部材101Aの屈曲振動変位と弾性部材102の自由端の変位振動との位相差が180度である構成に限定されない。屈曲変位部材101Aの屈曲振動変位と弾性部材102の自由端の変位振動とで位相差があれば、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部は駆動方向に変位するため、鏡筒4’’を駆動することが可能である。
特に、上記位相差が90度に近い場合、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部は、駆動方向(z方向)において楕円運動する。そして、往路と復路との間で摩擦力に差が生じることにより、鏡筒4’’が駆動することになる。この場合、上述のように屈曲変位部材101Aに印加される制御電圧を制御することにより、往路と復路とで変位速度または変位加速度に差を生じさせなくても、鏡筒4’’を駆動することができる。
このとき、上記位相差が+90度に近いか、または−90度に近いかによって、楕円運動の回転方向が異なる。このため、屈曲変位部材101Aの屈曲振動周波数を変えて、位相差が+90度に近い周波数、または位相差が−90度に近い周波数になるように、屈曲振動周波数を選択すればよい。それゆえ、屈曲変位部材101Aに印加される制御電圧の波形として、sin波形や略デューティ50パーセントの方形波など積極的に往路復路の加速度に差を生じさせない駆動波形を用いても、屈曲変位部材101Aの屈曲振動周波数を変えることで、往復駆動が可能になる。
〔第9の実施形態〕
本実施形態の駆動装置(以下、本駆動装置と記す)について、図34〜図36に基づいて説明すると以下の通りである。図34は、本駆動装置の概略構成を示す斜視図である。なお、図34においては、屈曲変位部材101A及びそれに接着された駆動方向変換部材のみを抽出して示している。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、第8の実施の形態で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図34に示されるように、本駆動装置は、上記第8の実施の形態と同様に、ただ1つの屈曲変位部材101Aを備えている。そして、弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部と反対側の端部は、他の部材と連結されておらず、自由端になっている。本駆動装置では、弾性部材102の上記自由端に、その自由端の質量を増加させる質量増加部材107が設けられている。この質量増加部材107の材料としては、例えば、タングステンた鉛等といった比較的比重が大きい材料が挙げられる。
以下に、本駆動装置における質量増加部材107の作用について、説明する。
(質量増加部材107の作用)
弾性部材102の上記自由端に、質量増加部材107が設けられていることにより、弾性部材102の自由端の質量が、屈曲変位部材101Aとの連結部の質量よりも大きくなる。その結果、弾性部材102の自由端の振動振幅が増大し、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部の変位振幅が増大し、駆動効率が向上する。
また、質量増加部材107は、弾性部材102の共振周波数を低減するという作用もある。この作用は、例えば、屈曲変位部材101Aの共振周波数が弾性部材102の共振周波数よりも小さくなっている構成で有益である。具体的には、弾性部材102の上記自由端に質量増加部材107が設けられていることにより、弾性部材102の共振周波数が低減し、屈曲変位部材101Aの共振周波数に近づけることができる。そして、弾性部材102の共振現象を利用して、鏡筒4’’の駆動効率を向上させることができる。
(変形例5)
本駆動装置の構成において、図34に示す構成の変形例について説明する。図35は、この変形例5としての本駆動装置の概略構成を示す側面図である。図35においては、屈曲変位部材101A及びそれに接着された駆動方向変換部材のみを抽出して示している。
図34に示す構成は、弾性部材102の自由端に質量増加部材107が設けられている構成であったが、本駆動装置は、この構成に限定されない。質量増加部材107は、弾性部材102の自由端の質量が、屈曲変位部材101Aとの連結部の質量よりも大きくなるように配置されていればよい。図35に示されるように、弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部近傍に、質量増加部材107Aが配置されていてもよい。
以下に、本駆動装置における質量増加部材107Aの作用について、説明する。
(質量増加部材107Aの作用)
弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部近傍に、質量増加部材107Aが設けられていることにより、屈曲変位部材101Aにおける弾性部材102との連結部の質量が、その反対側の端部(カメラモジュール筐体106に固定されている端部)の質量よりも大きくなる。これにより、屈曲変位部材101Aの振動振幅が増大する。すなわち、弾性部材102を加振する振幅が増大する。その結果、弾性部材102の振動振幅が増大し、摩擦部材103における鏡筒4’’との接触部の変位振幅が増大し、駆動効率が向上する。
また、質量増加部材107Aは、屈曲変位部材101Aの共振周波数を低減するという作用もある。この作用は、例えば、屈曲変位部材101Aの共振周波数が弾性部材102の共振周波数よりも大きくなっている構成で有益である。具体的には、弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部近傍に質量増加部材107Aが設けられていることにより、屈曲変位部材101Aの共振周波数が低減し、弾性部材102の共振周波数に近づけることができる。そして、屈曲変位部材101Aの共振現象を利用して、鏡筒4’’の駆動効率を向上させることができる。
図35に示す構成は、弾性部材102における屈曲変位部材101Aとの連結部近傍に、質量増加部材107Aが配置された構成であった。しかしながら、本駆動装置は、この構成に限定されない。
例えば図36に示されるように、屈曲変位部材101A上に質量増加部材107B及び107Cが配置されている構成であってもよい。図36では、質量増加部材107B及び107Cが、屈曲変位部材101Aを屈曲変位方向で挟むような構成になっている。
図36に示された構成であっても、質量増加部材107B及び107Cは、上述の作用、すなわち、鏡筒4’’の駆動効率の向上、及び屈曲変位部材101Aの共振周波数の低減という作用がある。
なお、本駆動装置において、屈曲変位部材101Aと弾性部材102とで、共振周波数を近接させる方法は、上記の(質量増加部材107の作用)及び(質量増加部材107Aの作用)の項に記載された事項に限るものではない。例えば、屈曲変位部材101Aの長さ、幅、厚み、形状や弾性、弾性部材102の長さ、幅、厚み、形状や弾性を工夫してもよい。また、弾性部材102全体の質量の増減により屈曲変位部材101Aの共振周波数を設定する方式であってもよい。また、質量増加部材107・107Aは、駆動方向変換部材(弾性部材102)と一体的に形成されていてもよい。さらには、質量増加部材107・107Aは、駆動方向変換部材(弾性部材102)が屈曲変位部材101Aとの連結部と反対側に延長した延長部として形成されていてもよい。
本駆動装置は、以下の表現に言い換えることができる。
すなわち、本駆動装置は、単一の屈曲変位部材と駆動方向変換部材を備え、駆動方向変換部材は屈曲変位部材との連結点および被駆動体との摩擦係合点以外は他の部材と接触していない構成と表現することができる。
この構成によれば、屈曲変位部材が1枚で駆動可能なこと、および弾性部材の他端を接着する工程の省略によるコスト低減および固定のための構造が不要になることによる設計自由度の向上という効果を奏する。さらには、他端を固定する場合に比べ、摩擦部材の摩擦係合部の振幅を大きくできるため駆動効率が向上するという効果を有する。
また、本駆動装置は、単一の屈曲変位部材と駆動方向変換部材を備え、駆動方向変換部材は被駆動体との摩擦係合点を挟んで屈曲変位部材との連結点と対向する一端に質量増加部材を具備している構成であると表現することができる。
この構成によれば、弾性部材の振動振幅の増大および、屈曲変位部材の共振周波数に弾性部材の共振周波数を近づける事が可能となり駆動効率を向上するという効果を奏する。
また、本駆動装置は、単一の屈曲変位部材と駆動方向変換部材を備え、屈曲変位部材と駆動方向変換部材の連結点上に質量増加部材を具備している構成であると表現することができる。
また、本駆動装置は、単一の屈曲変位部材と駆動方向変換部材を備え、屈曲変位部材上に質量増加部材を具備している構成であると表現することができる。
この構成によれば、弾性部材の振動振幅の増大および、弾性部材の共振周波数に屈曲変位部材の共振周波数を近づける事が可能となり駆動効率が向上するという効果を有する。
また、本駆動装置は、上記の構成において、上記質量増加部材は駆動方向変換部材と一体形成されている構成であると表現することができる。
さらに、本駆動装置は、上記の構成において、上記質量増加部材は駆動方向変換部材の延長として形成されている構成であると表現することができる。
さらに、本駆動装置は、上記の構成において、上記駆動方向変換部材を質量とした屈曲変位部材の共振周波数と駆動方向変換部材の単体共振周波数を略一致させる構成であると表現することができる。
また、本発明は、以下の発明を包含する。
すなわち、本発明の駆動装置は、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、上記駆動機構は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備えたことを特徴としている。
上記の構成によれば、電気的制御により屈曲変位部材の屈曲変位が励起されると、屈曲変位部材に連結された駆動方向変換部材も屈曲することになり、駆動方向変換部材に歪みまたは曲げが発生する。そして、この駆動方向変換部材の歪みまたは曲げにより、該駆動方向変換部材は、被駆動体に接触可能に屈曲変位方向に垂直な面内で運動することになる。上記の構成では、この駆動方向変換部材の運動により、被駆動体が屈曲変位方向と異なる方向に変位方向(駆動方向)を変換して駆動するようになっている。すなわち、上記駆動方向変換部材は、屈曲変位部材の屈曲変位方向を被駆動体の駆動方向に変換する変換手段としての機能を有している。
従来の駆動装置では、駆動源としての圧電素子の伸縮方向と被駆動体の駆動方向とが一致した構成になっているため、駆動方向における駆動装置の寸法は、被駆動体の駆動方向における寸法と圧電素子の駆動方向における寸法との合計を考慮して決定される。それゆえ、従来の駆動装置では、駆動装置の低背化が困難であるという問題が生じていた。
しかしながら、上記の構成によれば、上記従来の問題が招来しない。すなわち、上記の構成によれば、上記駆動方向変換部材が上記屈曲変位部材の屈曲変位により被駆動体と接触し、該被駆動体を屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して駆動するようになっている(被駆動体の駆動方向と駆動源としての屈曲変位部材の屈曲変位方向とが異なっている)ので、駆動装置の駆動方向における寸法を、屈曲変位部材の駆動方向における寸法のみを考慮して決定することが可能になる。それゆえ、上記の構成によれば、従来の駆動装置と比較して、駆動装置の駆動方向における寸法を小さく設計することができ、駆動装置の低背化を実現することが可能になる。
また、本発明の駆動装置は、上記屈曲変位部材として、第1の屈曲変位方向に屈曲する第1の屈曲変位部材と、第2の屈曲変位方向に屈曲する第2の屈曲変位部材とを備え、上記駆動方向変換部材は、被駆動体を、第1及び第2の屈曲変位方向と異なる方向に駆動するようになっていてもよい。
これにより、駆動装置の駆動方向における寸法を、第1及び第2の屈曲変位部材の駆動方向における寸法のみを考慮して決定することが可能になる。
本発明の駆動装置は、上記第1の屈曲変位部材と上記駆動方向変換部材との連結部を第1の連結部とし、上記第2の屈曲変位部材と上記駆動方向変換部材との連結部を第2の連結部とし、上記駆動方向変換部材における第1及び第2の連結部を含む面内に被駆動体の駆動方向と垂直な方向の第1の直線を引いたとき、上記第1及び第2の連結部は、これら連結部を結ぶ仮想線が、上記第1の直線と交差するように配されていることが好ましい。
上記の構成によれば、電気的制御により、第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位が励起されると、第1及び第2の屈曲変位部材に連結する駆動方向変換部材も屈曲し、上記第1及び第2の連結部は変位することになる。そして、上記の構成によれば、第1及び第2の連結部を含む面内に被駆動体の駆動方向と垂直な方向の第1の直線を引いたとき、第1及び第2の連結部を結ぶ仮想線が、第1の直線と交差するように配されているので、上記第1及び第2の連結部の変位に応じた仮想線の変位を効率的に駆動方向変換部材の被駆動体との接触部の変位に変換することが可能になる。
本発明の駆動装置では、上記第1の屈曲変位部材と上記駆動方向変換部材との連結部を第1の連結部とし、上記第2の屈曲変位部材と上記駆動方向変換部材との連結部を第2の連結部とし、第1及び第2の連結部を含む面に対し垂直な直線を第2の直線としたとき、上記駆動方向変換部材が被駆動体と接触する接触部は、上記第2の直線を通過するように配されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記接触部は、第1及び第2の連結部を含む面に対し垂直な直線を通過するように配されているので、上記第1及び第2の連結部を含む面の変位を効率的に被駆動体との接触部の変位に変換することが可能になり、比較的小さな第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位で、被駆動体との接触部の変位を実現できる。
本発明の駆動装置では、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、第1の屈曲変位部材上の任意の1点と第2の屈曲変位部材上の任意の1点とを結ぶ直線を引いたとき、これら直線のうち上記被駆動体を通過する直線が少なくとも1つ存在するように配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、第1の屈曲変位部材上の任意の1点と第2の屈曲変位部材上の任意の1点とを結ぶ直線を引いたとき、これら直線のうち上記被駆動体を通過する直線が少なくとも1つ存在するように配置されている、すなわち、第1及び第2の屈曲変位部材により囲まれた空間内に被駆動体が配置されているので、筐体内の空間をより効率的に有効利用することができる。
特に、上記第1及び第2屈曲変位部材、及び上記駆動方向変換部材を収容可能な筐体を備え、上記筐体が直方体を含む角柱形状になっている場合、上記第1及び第2の屈曲変位部材はそれぞれ、該角柱形状を形成する複数の側壁のうち、互いに隣接する2つの側壁に沿って配されており、被駆動体の一部が、第1及び第2の屈曲変位部材により形成される扇状空間(第1及び第2の屈曲変位部材を扇状に開いたときに形成される空間)内に配置されるような構成であることが好ましい。
上記第1及び第2の屈曲変位部材は、これらの屈曲変位方向が互いに直交するように配されていてもよい。
本発明の駆動装置では、上記第1及び第2屈曲変位部材、及び上記駆動方向変換部材を収容可能な筐体を備え、上記筐体が角柱形状になっているとともに、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、該角柱形状を形成する複数の側壁のうち、互いに隣接する2つの側壁面に沿って配されており、上記駆動方向変換部材は、上記2つの側壁面により形成されるコーナー部に配されていることが好ましい。
上記の構成によれば、空間的余裕があるコーナー部に駆動方向変換部材が配されているので、駆動機構の配置に筐体内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
本発明の駆動装置では、上記筐体が角柱形状になっているとともに、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、該角柱形状を形成する複数の側壁のうち、ただ1つの側壁に沿って配されていてもよい。
上記の構成によれば、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、該角柱形状を形成する複数の側壁のうち、ただ1つの側壁に沿って配されているので、駆動機構の配置に筐体内の空間をより効率的に有効利用することができる。
本発明の駆動装置では、第1の屈曲変位部材に電圧を駆動する第1の駆動回路と、第2の屈曲変位部材に電圧を駆動する第2の駆動回路とを備え、第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段を備え、第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに異なっていることが好ましい。
特に、本発明の駆動装置では、第1の屈曲変位部材に電圧を駆動する第1の駆動回路と、第2の屈曲変位部材に電圧を駆動する第2の駆動回路とを備え、第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段を備え、第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が異なっていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が異なっているので、第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位方向を互いに反対方向にすることが可能になる。それゆえ、摩擦部材における被駆動体の接触部を、効率的に屈曲変位方向と異なる方向に変位させることが可能になる。
また、本発明の駆動装置では、上記第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と上記第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が90度ずれていてもよい。
上記の構成によれば、上記第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と上記第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が90度ずれているので、摩擦部材における被駆動体の接触部を、屈曲変位方向と異なる方向に楕円駆動させることが可能になる。
また、本発明の駆動装置では、上記第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と上記第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が180度ずれていてもよい。
上記の構成によれば、上記第1の駆動回路により駆動される駆動電圧波形と上記第2の駆動回路により駆動される駆動電圧波形とは、互いに位相が180度ずれているので、摩擦部材における被駆動体の接触部を、屈曲変位方向と異なる方向に円弧駆動させることが可能になる。
本発明の駆動装置は、上記第1の連結部を通過しかつ被駆動体の駆動方向と垂直な方向に平行な第2の仮想線上に、上記駆動方向変換部材と連結する第3の連結部を備えた第3の屈曲変位部材と、上記第2の連結部を通過しかつ被駆動体の駆動方向と垂直な方向に平行な第3の仮想線上に、上記駆動方向変換部材と連結する第4の連結部を備えた第4の屈曲変位部材とを備えた構成であってもよい。
また、上記の構成では、第1の屈曲変位部材に電圧を駆動する第1の駆動回路と、第2の屈曲変位部材に電圧を駆動する第2の駆動回路とを備え、第1及び第2の屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段を備え、上記第3の屈曲変位部材は、第1の駆動回路に接続され、第1の屈曲変位部材に駆動される電圧と同位相で駆動され、上記第4の屈曲変位部材は、第2の駆動回路に接続され、第2の屈曲変位部材に駆動される電圧と同位相で駆動されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記第3の屈曲変位部材は、第1の駆動回路に接続され、第1の屈曲変位部材に駆動される電圧と同位相で駆動され、上記第4の屈曲変位部材は、第2の駆動回路に接続され、第2の屈曲変位部材に駆動される電圧と同位相で駆動されているので、屈曲変位部材の屈曲変位を被駆動体の駆動方向の変位に変換する際に、不要な方向の変位を抑えることができるという有利な効果がある。
本発明の駆動装置は、以上のように、上記駆動機構は、一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備えた構成になっている。
また、本発明の撮像装置は、上記被駆動体として対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する、上記駆動装置と、上記対物レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えた構成である。
また、本発明の撮像機器は、上記撮像装置を備えた構成である。
それゆえ、従来の駆動装置と比較して、駆動装置の駆動方向における寸法を小さく設計することができ、駆動装置の低背化を実現することが可能になる。
本駆動装置は、装置の小型化・低背化を実現することが可能であるので、例えば、カメラの撮影レンズ等、光学装置におけるレンズの駆動の用途に適用できる。
1A 屈曲変位部材(第1の屈曲変位部材)
1B 屈曲変位部材(第2の屈曲変位部材)
2 弾性部材(駆動方向変換部材)
3 摩擦部材(駆動方向変換部材;接触部)
4 鏡筒(被駆動体)
5 ガイド軸
6 カメラモジュール筐体(筐体)
7A,7B 駆動回路(制御手段)
98 予圧バネ(予圧弾性部材)
98C 摺動部材
98D ボール
107,107A,107B,107C 質量増加部材

Claims (26)

  1. 被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、
    上記駆動機構は、
    一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、
    上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、
    上記駆動方向変換部材に対し被駆動体を付勢する予圧弾性部材と、上記屈曲変位部材の屈曲変位を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする駆動装置。
  2. 上記制御手段は、上記屈曲変位部材に交番電気信号を印加し、
    上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧弾性部材の予圧方向の共振現象の共振周波数と異なっていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 上記交番電気信号の基本周波数は、上記予圧方向の共振現象の共振周波数よりも大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
  4. 上記予圧方向の共振現象の共振周波数は、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の共振現象の共振周波数よりも小さくなっていることを特徴とする請求項2または3に記載の駆動装置。
  5. 上記予圧弾性部材は、駆動方向上側から見て、被駆動体の中心を通過しない方向に被駆動体を付勢するようになっていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の駆動装置。
  6. 上記被駆動体の側面を取り囲む側壁を有する筐体を備え、
    上記予圧弾性部材は、上記側壁に沿って配置されていることを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
  7. 上記側壁に沿って、上記屈曲変位部材が配置されているとともに、
    駆動方向上側から見て、上記予圧弾性部材は、屈曲変位部材に対し垂直に配されていることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
  8. 上記予圧弾性部材は、その一端が被駆動体に固定されたつるまきバネであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の駆動装置。
  9. 上記予圧弾性部材には、該予圧弾性部材に対し被駆動体を摺動させる摺動部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の駆動装置。
  10. 上記予圧弾性部材の弾性と、被駆動体及び上記摺動部材の質量とに起因する予圧方向の共振現象の共振周波数は、被駆動体の質量、上記屈曲変位部材の弾性、及び上記駆動方向変換部材の弾性に起因する駆動方向の共振現象の共振周波数よりも小さくなっていることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
  11. 被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、
    上記駆動機構は、
    一部が固定され、電気的制御により屈曲変位が励起される、ただ1つの屈曲変位部材と、
    上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、
    上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部と反対側の端部が自由端になっていることを特徴とする駆動装置。
  12. 上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部と反対側の端部に質量増加部材が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
  13. 上記駆動方向変換部材における、屈曲変位部材との連結部に、質量増加部材が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
  14. 上記屈曲変位部材に、質量増加部材が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
  15. 上記質量増加部材は、上記駆動方向変換部材と一体的に形成されていることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の駆動装置。
  16. 上記質量増加部材は、上記駆動方向変換部材が屈曲変位部材との連結部と反対側に延長した延長部として形成されていることを特徴とする請求項15に記載の駆動装置。
  17. 上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を備えたバネ系としたとき、
    屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が一致していることを特徴とする請求項11〜16の何れか1項に記載の駆動装置。
  18. 上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を備えたバネ系としたとき、
    屈曲変位部材及び駆動方向変換部材は、互いに共振周波数が離れていることを特徴とする請求項11〜16の何れか1項に記載の駆動装置。
  19. 上記屈曲変位部材、及び上記駆動方向変換部材を収容可能な筐体を備え、
    上記屈曲変位部材は、上記筐体の側壁の一部として形成されていることを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の駆動装置。
  20. 上記屈曲変位部材は、その屈曲変位方向が、被駆動体が駆動する駆動方向と垂直になるように配されていることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の駆動装置。
  21. 上記屈曲変位部材は、圧電材料層とシム材とを備えていることを特徴とする請求項1〜20の何れか1項に記載の駆動装置。
  22. 上記屈曲変位部材は、2つの圧電材料層の積層を備えていることを特徴とする請求項1〜21の何れか1項に記載の駆動装置。
  23. 上記被駆動体として、対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する駆動装置であって、
    被駆動体の駆動方向における上記屈曲変位部材の寸法が、上記対物レンズの焦点距離の2.5倍以下になっていることを特徴とする請求項1〜22の何れか1項に記載の駆動装置。
  24. 上記被駆動体として、対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する駆動装置であって、
    被駆動体の駆動方向に対し垂直な方向における上記屈曲変位部材の寸法が、上記対物レンズの直径の3倍以下になっていることを特徴とする請求項1〜23の何れか1項に記載の駆動装置。
  25. 上記被駆動体として対物レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する、請求項1〜24の何れか1項に記載の駆動装置と、
    上記対物レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  26. 請求項25に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする撮像機器。
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