JP2011135395A - アナログ信号変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタル処理部220はサーミスタ101から出力された非線形アナログ信号111を信号の強さに応じて16ビットの非線形デジタル信号112に変換する。デジタル処理部220はリニアライズ計算ロジック221を記憶している。リニアライズ計算ロジック221は、16ビット値と、16ビット値に相当する計測温度を線形アナログ信号で表した場合の当該線形アナログ信号の信号の強さに相当する8ビット値とを対応付けている。16/8ビット変換部222は非線形デジタル信号112の16ビット値に対応する8ビット値をリニアライズ計算ロジック221に基づいて特定し、特定した8ビット値を表す線形デジタル信号113を出力する。
【選択図】図1
Description
これに合わせて地上設備も作られており、地上設備では8ビット(256階調)のテレメトリをアナログデータへ変換していた。
そのため、工学値変換曲線の勾配の大きな部分に相当するアナログデータに対して、十分な精度が出せないでいた。
信号の強さと信号の強さによって表される計測値とが非線形に対応している非線形アナログ信号を入力し、入力した非線形アナログ信号を信号の強さに対応する第一ビット数の値に変換し、変換により得られた第一ビット数の値を表す第一デジタル信号を出力するアナログ信号変換部と、
第一ビット数の値と、非線形アナログ信号の信号の強さと計測値とが線形になるような第二ビット数の値とを対応付けたリニアライズ変換情報を記憶し、前記アナログ信号変換部から出力された第一デジタル信号を入力し、入力した第一デジタル信号によって表される第一ビット数の値に対応する第二ビット数の値を前記リニアライズ変換情報に基づいて特定し、特定した第二ビット数の値を表す第二デジタル信号を出力するデジタル信号処理部とを備える。
サーミスタから出力される非線形アナログ信号の値を線形アナログ信号に相当する値へデジタル処理で変換(リニアライズ)する形態について説明する。
サーミスタは非線形アナログ信号を出力するアナログセンサの一例である。サーミスタ以外のアナログセンサを対象にしても構わない。
実施の形態1における高精度センサ100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
高精度センサ100は、サーミスタ101から出力されるアナログ信号(後述する非線形アナログ信号111)をA/D変換回路200によって8ビットのデジタル信号(後述する線形デジタル信号113)に変換する。高精度センサ100は、変換により得られたデジタル信号を出力する。
地上局は、宇宙機から送信されたテレメトリデータを受信し、受信したテレメトリデータに基づいて宇宙機の各所の温度を監視(モニタリング)する。この監視を「HKテレメトリ(HK:ハウスキーピング)」という
このため、高精度センサ100はテレメトリデータとして8ビットの値を表すデジタル信号を出力する必要がある。
サーミスタ101は図2に示すような非線形特性を有する。このため、サーミスタ101から出力されるアナログ信号は、信号の強さと計測温度(計測値の一例)とが非線形に対応する。
実施の形態1におけるサーミスタ101の非線形特性について、図2に基づいて以下に説明する。
例えば、サーミスタ温度が高い場合、サーミスタ抵抗値は小さく、単位温度(例えば、1度)当たりのサーミスタ抵抗値の変化量は小さい(図中A)。
また、サーミスタ温度が低い場合、サーミスタ抵抗値は大きく、単位温度当たりのサーミスタ抵抗値の変化量は大きい(図中B)。
したがって、サーミスタ101から出力されるアナログ信号は、信号の強さ(電圧)と計測温度とが非線形に対応している。
信号の強さ(電圧値)が小さい部分(図中A)では校正カーブの勾配は大きく、信号の強さが大きい部分(図中B)では校正カーブの勾配は小さい。
線形アナログ信号は、単位強さ当たりの温度変化の大きさが信号の強さによって変わらない。例えば、線形アナログ信号の線形特性は図中の点Cと点Dとを結んだ直線(図示省略)として表される。
「8ビットの線形デジタル信号113」は、サーミスタ101が線形アナログ信号を出力する場合にその線形アナログ信号を変換して得られる8ビットのデジタル信号に相当する。
16ビットA/D変換器210とデジタル処理部220とは、非線形アナログ信号111を線形デジタル信号113に変換するリニアライザ299を構成する。
バッファアンプ202は、入力した非線形アナログ信号111を所定のゲイン(利得、増幅率)で増幅し、増幅後の非線形アナログ信号111を出力する。
非線形アナログ信号111を後段の16ビットA/D変換器210でA/D変換するため、非線形アナログ信号111はバッファアンプ202によって増幅される。
16ビットA/D変換器210は、入力した非線形アナログ信号111を、信号の強さに対応する16ビット(第一ビット数の一例)の値に変換する。
16ビットA/D変換器210は、変換により得られた16ビットの値を表すデジタル信号を出力する。
8ビットA/D変換器により得られる非線形デジタル信号(8ビット値)と12ビットA/D変換器により得られる非線形デジタル信号(12ビット値)との精度差について、図3に基づいて以下に説明する。
宇宙機のHK温度テレメトリにおいて、「GSFC認定311P18型」のサーミスタが多く使用されている。
このサーミスタは、サーミスタ温度「25度」におけるサーミスタ抵抗値が「2252Ω」である。
サーミスタには適当な抵抗が並列に接続される。サーミスタの出力電圧(非線形アナログ信号の信号の強さ)を定電流源102が動作する電圧範囲内に抑えるためである。例えば、「4700Ω」の抵抗をサーミスタに並列に接続する。
サーミスタに流す定電流を「1.35mA」とする。
このとき、「1」当たり電圧値は、8ビットA/D変換器で「23.340mV(=5.975V/256)」、12ビットA/D変換器で「1.459mV(=5.975V/4096)」となる。
このとき、「100〜150度」の変換値の範囲が「2〜9」であるから、分解能(「1」当たりの温度差)は平均で「約7度(=50度/7)」である。
このとき、「100〜150度」の変換値の範囲が「38〜137」であるから、分解能は平均で「約0.5度(=50度/99)」である。
非線形特性があるため、100度未満の温度での分解能はさらに良い。
ロジック記憶部229には、予め、リニアライズ計算ロジック221(リニアライズ変換情報の一例)を記憶しておく。
「特定の8ビット値」とは、対応する16ビット値に相当する計測温度を線形アナログ信号で表した場合に当該線形アナログ信号をA/D変換して得られる8ビット値のことである。
実施の形態1におけるリニアライズ計算ロジック221の概要について、図4に基づいて以下に説明する。
「サーミスタ電圧値」が大きいほど「階調」は大きく、「サーミスタ電圧値」が小さいほど「階調」は小さい。
「階調」は16ビット値および8ビット値のことである。
線形アナログ信号の線形特性として、「1」当たりの温度を「0.1度」とする。すなわち、「1度」当たりの8ビット値を「10」とする。
同様に、リニアライズ計算ロジック221は、16ビット値「1956」「29342」「65530」をそれぞれ、8ビット値「250」「50」「10」と対応付ける。
図4で説明したリニアライズ計算ロジック221を表すテーブルを図5に示す。
リニアライズ計算ロジック221は、数式であっても構わない。
16/8ビット変換部222は、入力した非線形デジタル信号112が表す16ビット値を特定し、特定した16ビット値に対応する8ビット値をリニアライズ計算ロジック221に基づいて特定する。
16/8ビット変換部222は、特定した8ビット値を表すデジタル信号を出力する。
地上局は線形デジタル信号113を受信し、受信した線形デジタル信号113に基づいて計測温度を特定する。
例えば、地上局は、線形デジタル信号113の線形特性として「1」当たりの温度が「0.1度」で定義されている場合、線形デジタル信号113の8ビット値に「0.1度」を掛けた値を計測温度として算出する。線形デジタル信号113の8ビット値が「100」である場合、計測温度は「10度(=100×0.1度)」である。
温度制御装置は線形デジタル信号113に基づいて計測温度を特定する。
温度制御装置は、特定した計測温度が所定の温度でない場合、計測を行ったサーミスタ101の設置場所の温度が所定の温度になるように温度調整する。
(1)センサの出力信号(非線形アナログ信号111)を入力する入力部(入力端子201)
(2)センサの出力信号を16bitに変換するA/D変換部(16ビットA/D変換器210)
(3)アナログ信号の特性のリニアライズ計算ロジック221を有し、16bitを8bitに変換するデータ変換部(デジタル処理部220)
(4)データ変換部より出力された8bitを出力する出力部(出力端子203)
また、データ変換部は、実際のデータに合わせた変換式または変換テーブルを用いて16bitを8bitに戻す。これにより、従来と変わらず8bitを出力できるため、周辺の回路に対して影響を与えず、精度のみを向上させることができる。
A/D変換回路200は、衛星の自律化の高度化に貢献する基本的な回路に適用できる。
例えば、非線形性の少ない高価なサーミスタ(例えば、白金センサ)を用いなくても、A/D変換回路200によって精度の良い計測温度を得られる。そのため、A/D変換回路200を空調機(ヒーター)の自動制御に用いることもできる。
一方、宇宙機では温度変化が大きいため、サーミスタの非線形特性が計測精度に大きく影響する。
A/D変換回路200は、宇宙機のように温度変化が大きいものに特に効果的である。
一方、宇宙機では地上局との通信の制約のため、サーミスタの非線形アナログ信号を8ビットで表す必要がある。
A/D変換回路200は、宇宙機のようにデータサイズの制約があるものに特に効果的である。
A/D変換回路200は、サーミスタ以外のアナログセンサの信号変換に用いても構わない。
図6に示すように、従来のA/D変換回路は、サーミスタ101から出力された非線形アナログ信号を8ビットA/D変換器192によって8ビットのデジタル信号に変換し、変換により得られた8ビットのデジタル信号を出力する。
従来の構成では、計測温度が高い場合、サーミスタ101の抵抗値(および電圧値)の変化が小さいため、8ビットのデジタル信号が示す計測温度の精度は悪い。
従来の構成で高い精度を得るには、サーミスタ101を高価なサーミスタに取り換える必要がある。
実施の形態1で説明したA/D変換回路200は、高価なサーミスタを用いなくても高い精度を得ることができる。
非線形アナログ信号の値から線形アナログ信号に相当する値へのリニアライズをアナログ処理で行う形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態2における高精度センサ100の構成について、図7に基づいて以下に説明する。
A/D変換回路300は、実施の形態1(図1参照)のA/D変換回路200に相当する構成である。
A/D変換回路300は、増幅後の非線形アナログ信号111(後述する線形アナログ信号115)(増幅アナログ信号の一例)を8ビットの線形デジタル信号113に変換する。
A/D変換回路300は、変換により得られた線形デジタル信号113を出力する。
入力端子301、バッファアンプ302および303はそれぞれ、実施の形態1(図1参照)における入力端子201、バッファアンプ202および出力端子203に相当する。
ゲインコントローラ310とプログラマブルゲインアンプ320とは、非線形アナログ信号111を線形アナログ信号115に変換するリニアライザ399を構成する。
バッファアンプ302は、入力した非線形アナログ信号111を所定のゲインで増幅し、増幅後の非線形アナログ信号111を出力する。
「線形ゲイン値114」とは、対応する非線形アナログ信号111の信号の強さに対する特定の線形アナログ信号の信号の強さの比率のことである。
「特定の線形アナログ信号」とは、対応する非線形アナログ信号111が表す計測温度と同じ計測温度を表す線形アナログ信号のことである。
実施の形態2におけるリニアライズゲイン情報311の概要について、図8に基づいて以下に説明する。
線形アナログ信号の線形特性として、「0.2V」当たりの温度を「1度」とする。
このとき、必要なゲインは「3.125(=3.200V/1024V)」となる。
リニアライズゲイン情報311は、非線形アナログ信号111の電圧値「1.024V」とゲイン値「3.125」とを対応付ける。
図8で説明したリニアライズゲイン情報311を表すテーブルを図9に示す。
リニアライズゲイン情報311は、数式であっても構わない。
ゲインコントローラ310は、入力した非線形アナログ信号111の信号の強さに対応する線形ゲイン値114をリニアライズゲイン情報311に基づいて特定し、特定した線形ゲイン値114をプログラマブルゲインアンプ320へ出力する。
ゲインコントローラ310は、プログラマブルゲインアンプ320のゲインを線形ゲイン値「3.125」に変更させる制御信号をプログラマブルゲインアンプ320へ出力する。
非線形アナログ信号111を線形ゲインで増幅することにより高い精度で計測温度を表すことができる。
プログラマブルゲインアンプ320は、ゲインコントローラ310から出力された線形ゲイン値114(または、その制御信号)を入力し、現在設定されているゲインを線形ゲイン値114が表すゲイン(線形ゲイン)に変更する。
プログラマブルゲインアンプ320は、入力した非線形アナログ信号111を線形ゲインで増幅し、増幅後の非線形アナログ信号111を出力する。
以下、プログラマブルゲインアンプ320から出力される増幅後の非線形アナログ信号111を「線形アナログ信号115」という。
A/D変換器330は、入力した線形アナログ信号115を、信号の強さに対応する8ビット(所定のビット数の一例)の値に変換する。
A/D変換器330は、変換により得られた8ビットの値を表す線形デジタル信号113を出力する。
Claims (6)
- 信号の強さと信号の強さによって表される計測値とが非線形に対応している非線形アナログ信号を入力し、入力した非線形アナログ信号を信号の強さに対応する第一ビット数の値に変換し、変換により得られた第一ビット数の値を表す第一デジタル信号を出力するアナログ信号変換部と、
第一ビット数の値と、非線形アナログ信号の信号の強さと計測値とが線形になるような第二ビット数の値とを対応付けたリニアライズ変換情報を記憶し、前記アナログ信号変換部から出力された第一デジタル信号を入力し、入力した第一デジタル信号によって表される第一ビット数の値に対応する第二ビット数の値を前記リニアライズ変換情報に基づいて特定し、特定した第二ビット数の値を表す第二デジタル信号を出力するデジタル信号処理部と
を備えたことを特徴とするアナログ信号変換装置。 - 前記リニアライズ変換情報は、第一ビット数の値と、第一ビット数の値に相当する計測値を信号の強さと計測値とが線形に対応する線形アナログ信号で表した場合の線形アナログ信号の信号の強さに対応する第二ビット数の値とを対応付けた情報である
ことを特徴とする請求項1記載のアナログ信号変換装置。 - 前記第二ビット数は前記第一ビット数より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2記載のアナログ信号変換装置。
- 信号の強さと信号の強さによって表される計測値とが非線形に対応している非線形アナログ信号における信号の強さと、非線形アナログ信号を増幅する利得であって増幅後の信号の強さと計測値とが線形になるような利得とを対応付けたリニアライズゲイン情報を記憶し、非線形アナログ信号を入力し、入力した非線形アナログ信号の信号の強さに対応する利得を前記リニアライズゲイン情報に基づいて特定するゲインコントローラと、
前記ゲインコントローラに入力される非線形アナログ信号を入力し、入力した非線形アナログ信号の強さを前記ゲインコントローラにより特定された利得で増幅し、増幅により得られた信号を増幅アナログ信号として出力する増幅器と、
前記増幅器から出力された増幅アナログ信号を信号の強さに対応する所定のビット数の値に変換し、変換により得られた値を表すデジタル信号を出力するアナログ信号変換部と
を備えたことを特徴とするアナログ信号変換装置。 - 前記リニアライズゲイン情報は、非線形アナログ信号の信号の強さと、非線形アナログ信号の強さに相当する計測値を信号の強さと計測値とが線形に対応する線形アナログ信号で表した場合の線形アナログ信号の信号の強さと非線形アナログ信号の信号の強さとの比率を表した利得とを対応付けた情報である
ことを特徴とする請求項4記載のアナログ信号変換装置。 - 前記非線形アナログ信号は、宇宙機の温度を計測するサーミスタから出力される信号であることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載のアナログ信号変換装置。
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