JP2011135268A - データ送信方法、データ送信装置及びネットワークシステム - Google Patents

データ送信方法、データ送信装置及びネットワークシステム Download PDF

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Abstract

【課題】データの転送効率を向上させることのできるデータ転送方法及びデータ転送装置を提供する。
【解決手段】IPC10は、Isoパケットの送信要求であるIsoリクエストIRの代わりに、Asynパケットよりもアービトレーションの優先度を高く設定したA−Streamパケットの送信要求であるA−StreamリクエストASRを所定周期毎に生成するリクエスト生成部40を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、データ送信方法、データ送信装置及びネットワークシステムに関するものである。
大量のデータであって連続性が要求される映像データや音声データの転送には、リアルタイム性の発揮されるIEEE1394プロトコルが注目されている。このプロトコルは、ある一定の周期(例えば、125μs)毎に必ずデータ転送のできる転送モード、いわゆるアイソクロナス(Iso:Isochronous)転送モードを備えている。
ここで、Iso転送について図9に従って説明する。図9の破線で示すように、Iso転送は、略一定の周期(例えば125μs)毎に実行される。この転送期間をアイソクロナス(Iso)サイクルと呼ぶ。このIsoサイクルは、サイクルスタート(CS)パケットによって125μs間隔で区切られている。
ところで、映像データや音声データのように大量のデータは、1つのIsoサイクル中の1つのIsoパケットでは全てを転送することができない。そこで、Iso転送モードでは、その大量のデータを所定のサイズ毎に複数のブロックに分割して、複数のIsoサイクルにまたがって連続データとして転送するようになっている。このとき、Iso転送モードでは、データ転送に先立って、Iso転送を行うノードに、Isoサイクルにおいてデータ転送するのに必要な帯域が割り当てられる。これにより、Iso転送モードでは、バスの状態に関わらず略一定の周期で連続データの転送が保証される。
このようなIso転送モードでは、まず、トポロジ内のサイクルマスタノードが、Isoサイクル(同期転送期間)の開始を示すCSパケット(同期用データ)を発行する。そのCSパケットを受信した各ノードは、時刻調整を行う。続いて、上記帯域の割り当てを受けたノードは、アイソクロナス(Iso)ギャップを待ってからバスリクエストを出力してアービトレーションを開始し、バスの使用権を獲得後に連続データD1をIsoパケットにて送信する。
次に、前回のCSパケットの発行から125μs経過すると、サイクルマスタノードが次のIsoサイクルの開始を示すCSパケットを発行する。すると、上述したバスリクエストの出力からパケット転送までの動作が繰り返し実行され、略一定の周期毎に一連の連続データ(D1〜D4)がIsoパケットにて転送される。
なお、このようなIEEE1394プロトコルを採用したIEEE1394プロトコルコントローラとしては、例えば特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
特開平10−023101号公報 特開2001−156813号公報 特開2005−167800号公報
ところが、CSパケットは、転送サイクルを区切るためのパケットであり、映像データ等の実データを転送していない。このため、ビットレートから計算される1394バスの帯域に対して、実際に実データを転送できる帯域が減ってしまい、帯域を有効に活用できていなかった。すなわち、CSパケットによって実データを転送するための帯域が圧迫されていた。
但し、このCSパケットが無い場合には、アイソクロナス専用のアービトレーションを開始することができないため、Isoパケットを転送することができない。換言すると、Isoパケットを転送するためにはCSパケットが必須である。このため、連続データをIsoパケットにて転送するためには、CSパケットを省略することができない。したがって、CSパケット分の帯域を有効に活用することは困難であった。
開示のデータ送信方法は、同期パケットにて転送するデータを、第一種の非同期パケットに対する調停の優先度よりも高い優先度を有する第二種の非同期パケットにより送信し、
前記第二種の非同期パケットの送信から所定期間後に、前記第二種の非同期パケットによる前記データに続くデータの送信の要求をする。
開示のデータ送信方法によれば、データの転送効率を向上させることができるという効果を奏する。
第1実施形態のIPCの内部構成を示すブロック図。 ネットワークシステムを示すブロック図。 アシンクロナス・ストリームパケット及びアイソクロナスパケットのデータフォーマットを示す説明図。 アシンクロナスパケットのデータフォーマットを示す説明図。 サイクルスタートパケットのデータフォーマットを示す説明図。 優先度の切替方法を説明するためのフローチャート。 (a)、(b)連続データの転送方法を説明するための説明図。 第2実施形態のIPCの内部構成を示すブロック図。 従来における連続データの転送方法を説明するための説明図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図2は、IEEE Std 1394-1995規格又はIEEE Std 1394a-2000規格に準拠したシステム構成(トポロジ)を示す。ノードAにはバスケーブル1aを介してノードBが接続され、ノードBにはバスケーブル1bを介してノードCが接続されている。なお、ノードA〜Cは、例えばパーソナルコンピュータ、プリンタ、デジタルカメラ等の接続ポイントの総称である。
ノードAは、図1に示すIEEE Std 1394-1995規格又はIEEE Std 1394a-2000規格に準拠したIEEE1394プロトコルコントローラ(IPC)10を備える。なお、ノードB,CもノードAと同様にIPC10を備える。
図1に示すように、IPC10は、ポート回路20a,20bと、物理層制御回路30と、インターフェース回路50とを含む。ポート回路20aは、受信回路21と送信回路22とを備えている。受信回路21はバスケーブル1aを介して相手ノード(他ノード)Bと接続され、そのノードBから受信する電気信号を装置内部で扱う電気信号に変換して物理層制御回路30に出力する。この受信回路21は、レシーバ回路21a,21bを含む。レシーバ回路21aは、ノードBから受信するパケットデータ(Isoパケット等)を物理層制御回路30のデータ再同期部31に出力する。また、レシーバ回路21bは、ノードBから受信するアービトレーション信号を物理層制御回路30のアービトレーション制御部32に出力する。
また、送信回路22は、物理層制御回路30から入力される電気信号をIEEE Std 1394-1995規格又はIEEE Std 1394a-2000規格の電気信号に変換して他ノードBの受信回路21に送信する。この送信回路22は、出力制御部22aとドライバ回路22bとを含む。出力制御部22aは、物理層制御回路30から入力されるパケットデータ(Isoパケット等)又はアービトレーション制御部32から入力されるアービトレーション制御信号のいずれか一方を選択し、ドライバ回路22bを通じて他ノードBに出力する。なお、ポート回路20bもポート回路20aと同様の構成を備えるため、ここでは説明を割愛する。
物理層制御回路30は、バスの状態モニタ、バスリセット発生時の初期化動作、スピードシグナリング、アービトレーション(調停)、及びデータ送受信のためのエンコード/デコードなどを行う。ここで、アービトレーションとは、複数のノードが同時にデータ通信するような環境下で、お互いの処理が競合しないように処理を調停する制御のことをいう。
上記物理層制御回路30は、データ再同期部31と、アービトレーション制御部32と、シリアルパラレル(S/P)変換部33と、パラレルシリアル(P/S)変換部34と、選択回路35と、アイソクロナス(Iso)リクエスト保持部36と、リクエスト生成部40とを含む。
データ再同期部31は、アービトレーション制御部32からの制御信号に応答して、各レシーバ回路21aからの受信パケットデータをリンク層が扱う論理信号に変換してS/P変換部33に出力する。このデータ再同期部31は、受信パケットデータをリピート転送するためにリピートデータとして選択回路35に出力する。また、データ再同期部31は、受信パケットの終了を示す終了信号をアービトレーション制御部32に出力する。
S/P変換部33は、データ再同期部31から入力される論理信号(シリアルデータ)をパラレルデータに変換してインターフェース回路50を介してリンク層に出力する。一方、P/S変換部34は、リンク層からインターフェース回路50を介して入力される論理信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して送信パケットデータとして選択回路35に出力する。
選択回路35は、アービトレーション制御部32から入力される選択信号に応じて、P/S変換部34からの送信パケットデータ又はデータ再同期部31からのリピートデータのいずれか一方を選択し、上記出力制御部22aに出力する。
アービトレーション制御部32は、物理層のメインコントローラである。このアービトレーション制御部32には、各レシーバ回路21bからのアービトレーション信号、リクエスト生成部40からのIsoリクエストIR及びA−StreamリクエストASRやデータ再同期部31からの終了信号が入力される。そして、アービトレーション制御部32は、これらの信号に基づいて、リンク層からのアービトレーションのリクエスト(送信要求信号)に対する応答、各ポート回路20a,20bの管理及び制御、バスのリセット及びコンフィグレーションなどを行う。また、アービトレーション制御部32は、自ノードがアービトレーションに勝ったことを示す信号Wonをインターフェース回路50及びIsoリクエスト保持部36に出力する。なお、リンク層は、上記信号Wonに基づいて、送信データのP/S変換部34への送信を開始する。さらに、アービトレーション制御部32は、バスがアイドル状態であることを検知すると、アイドル検知信号をリクエスト生成部40内のギャップ検知回路43に出力する。
Isoリクエスト保持部36は、リンク層からインターフェース回路50を介して入力されるIsoリクエストIRを保持し、その保持したIsoリクエストIRをリクエスト生成部40に出力する。なお、上記IsoリクエストIRは、Isoパケットの送信要求信号であり、映像データ等の連続データをIsoパケットにて転送しようとする場合に、通信データを流すバス(通信経路)の使用権を要求するためのバスリクエストである。
リクエスト生成部40は、上記IsoリクエストIRからアシンクロナス・ストリーム(A−Stream:Asynchronous Stream)リクエストASRを生成する。ここで、A−StreamリクエストASRは、非同期データであるA−Streamパケットの転送のためにバスの使用権を要求するためのバスリクエスト(送信要求信号)である。これにより、音声データ等の連続データを、CSパケットを必要としない非同期データであるA−Streamパケットにて転送することができる。また、リクエスト生成部40は、そのA−Streamパケットのアービトレーションの優先度が、それ以外のアシンクロナス(Asyn:Asynchronous)パケットのそれよりも高くなるように上記A−StreamリクエストASRを生成する。さらに、リクエスト生成部40は、一定の周期(ここでは、125μs)毎に上記A−StreamリクエストASRを生成する。これにより、CSパケットを省略した上で、連続データを一定周期毎に確実に転送することができるようになる。
このようなリクエスト生成部40は、パケット解析部41と、優先度切替回路42と、ギャップ検知回路43と、選択回路44と、カウンタ45と、アンド回路46,47とを含む。
パケット解析部41は、S/P変換部33から入力される受信パケットを解析する。ここで、各種パケットのデータファーマットについて図3〜図5に従って説明する。
図3に示すように、同期パケットであるIsoパケットは、転送データに、パケットヘッダ、ヘッダCRC(header_CRC)、データCRC(data_CRC)を付加した構造である。パケットヘッダには、転送データ長を示すdata_length、データフォーマットを示すtag、パケットのチャネル番号を示すchannel、Isoパケットであることを示すtcodeや、同期コードを示すsyのフィールドが設けられている。ヘッダCRCには、パケットヘッダに対して所定の方式により生成された誤り検出符号が格納されている。データCRCには、転送データに対して所定の方式により生成された誤り検出符号が格納されている。
図4に示すように、非同期パケットであるAsynパケット(第一種の非同期パケット)は、転送データに、パケットヘッダ、ヘッダCRC、データCRC等を付加した構造である。パケットヘッダには、転送先のノードIDを示すdestination_ID、転送ラベルを示すtl、リトライコードを示すrt、Asynパケットであることを示すtcode、優先領域であるpri、転送元のノードIDを示すsource_IDのフィールドが設けられている。また、パケットタイプ毎の固有の情報を示すpacket type specific information、転送データ長を示すdata_lengthやlockの種別を示すextended tcodeなどのフィールドが設けられている。
一方、Asynパケットと同様に非同期パケットであるA−Streamパケット(第二種の非同期パケット)は、図3に示すIsoパケットと同一のデータフォーマットを有する。
また、図5に示すように、CSパケットは、パケットヘッダと、サイクルタイマの標準アドレスを示すdestination_offsetと、サイクルタイマ情報を示すcycle_time_dataと、ヘッダCRCとを有する構造である。パケットヘッダには、転送先のノードIDを示すdestination_ID、転送ラベルを示すtl、リトライコードを示すrt、CSパケットであることを示すtcode、優先領域であるpri、転送元のノードIDを示すsource_IDのフィールドが設けられている。なお、destination_IDフィールドには、ローカルバスへのブロードキャストを示すall“1”が格納されている。
図1に示す上記パケット解析部41は、S/P変換部33から入力される受信パケットがAsynパケットであることを検知すると、Asyn検知信号を優先度切替回路42に出力する。また、パケット解析部41は、受信パケットがアクノリッジ(Ack)パケット(応答パケット)であることを検知すると、Ack検知信号を優先度切替回路42に出力する。さらに、パケット解析部41は、受信パケットがCSパケットであることを検知すると、CS検知信号を優先度切替回路42に出力する。
優先度切替回路42には、パケット解析部41から各種検知信号が入力されるとともに、サブアクション(Sub)ギャップを検知したことを示すSubギャップ検知信号がギャップ検知回路43から入力される。この優先度切替回路42は、入力される各種検知信号に基づいて、Isoリクエスト保持部36から出力されるIsoリクエストIRをA−StreamリクエストASRに変更するための切替フラグCFを設定し、その切替フラグCFをアンド回路46,47に出力する。具体的には、優先度切替回路42は、IsoリクエストIRからA−StreamリクエストASRに変更する場合には切替フラグCFを「0」に設定し、変更しない場合には切替フラグCFを「1」に設定する。また、優先度切替回路42は、入力される各種検知信号に基づいて、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度を切り替えるための切替信号PSを生成し、その切替信号PSを選択回路44に出力する。
ギャップ検知回路43は、アービトレーション制御部32からのアイドル検知信号の入力からアクノリッジ(Ack)ギャップの経過を検知すると、Ackギャップ検知信号を選択回路44に出力する。また、ギャップ検知回路43は、CSパケットの受信後からIsoギャップの経過を検知すると、Isoギャップ検知信号をアンド回路46に出力する。さらに、ギャップ検知回路43は、Ackギャップ及びIsoギャップよりも長いSubギャップの経過を検知すると、Subギャップ検知信号を選択回路44及び優先度切替回路42に出力する。
選択回路44は、優先度切替回路42からの切替信号PSに応じて、Ackギャップ検知信号又はSubギャップ検知信号のいずれか一方を選択してアンド回路47に出力する。具体的には、選択回路44は、Hレベルの切替信号PSに応答して、Ackギャップ検知信号を選択してアンド回路47に出力し、Lレベルの切替信号PSに応答して、Subギャップ検知信号を選択してアンド回路47に出力する。
ここで、IEEE Std 1394-1995規格又はIEEE Std 1394a-2000規格において、各種パケットに対するアービトレーションの優先度は、リクエスト出力側が検知するバスのアイドル期間によって決定される。具体的には、アービトレーションの優先度が高い場合には短いアイドル期間(Ackギャップ又はIsoギャップ)を待ってからリクエストが送信され、優先度が低い場合には長いアイドル期間(Subギャップ)を待ってからリクエストが送信される。すなわち、優先度が高い方が早くリクエストを出力することができるため、アービトレーションに勝ち、バスの使用権を得ることができる。このため、Hレベルの切替信号PSによってAckギャップが選択されるか、Lレベルの切替信号PSによってSubギャップが選択されるかによって、アービトレーションの優先度が切り替えられる。なお、AckギャップとIsoギャップとは同じアイドル期間、すなわち同じ優先度であり、Isoサイクル中(CSパケットを受信した)か否かによって使い分けられる。また、従前の規格では、Isoパケット及びAckパケットはアービトレーションの優先度が高く設定され、Asynパケット及びA−Streamパケットはアービトレーションの優先度が低く設定されている。
カウンタ45は、A−Streamパケットの送信からカウント動作を開始し、所定期間が経過したかを計測する(所定周期を計測する)。このカウンタ45は、上記所定期間が経過するまでLレベルのカウント信号(計測結果)をアンド回路47に出力し、所定期間経過後から次のA−Streamパケットの送信までHレベルのカウント信号を出力する。なお、上記所定期間はIsoサイクルと同一の125μsに設定されている。
アンド回路46には、Isoリクエスト保持部36からのIsoリクエストIRと、ギャップ検知回路43からのIsoギャップ検知信号と、優先度切替回路42からの切替フラグCFとが入力される。このアンド回路46は、切替フラグCFが「1」に設定されている状態で、Isoギャップ検知信号が入力されると、IsoリクエストIRをアービトレーション制御部32に出力する。このIsoリクエストIRによってアービトレーションに勝ってバスの使用権が獲得されると、Isoパケットにて連続データの転送が開始される。なお、上述したように、このIsoパケットにて連続データを転送するためには、CSパケットが必ず必要となる。
アンド回路47には、Isoリクエスト保持部36からのIsoリクエストIRと、選択回路44からの検知信号と、カウンタ45からのカウント信号とが非反転端子に入力され、優先度切替回路42からの切替フラグCFが反転端子に入力される。このアンド回路47は、切替フラグCFが「0」に設定されている状態で、検知信号及びHレベルのカウント信号が入力されると、上記IsoリクエストIRをA−StreamリクエストASRに変更してアービトレーション制御部32に出力する。このA−StreamリクエストASRによってアービトレーションに勝ってバスの使用権が獲得されると、A−Streamパケットにて連続データの転送が開始される。このとき、上記A−StreamリクエストASRがCSパケットの受信を必要としないAckギャップ又はSubギャップが検知されたときに出力されるため、A−StreamパケットはCSパケットを受信しなくてもその転送を開始することができる。ここで、Hレベルの切替信号PSによって優先度の高いAckギャップが選択されている場合には、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度がそれ以外のAsynパケットよりも高くなる(Priority=High)。さらに、カウンタ45から125μs毎に入力されるHレベルのカウント信号によって、125μs毎に上記A−StreamリクエストASRが確実に出力される。これにより、CSパケットを省略した上で、一定周期毎に連続データを確実に転送することができる。なお、Lレベルの切替信号PSによって優先度の低いSubギャップが選択されている場合には、従前と同様に、A−Streamパケットのアービトレーションの優先度が通常のAsynパケットと同一になる(Priority=normal)。
次に、このように構成された優先度切替回路42の動作について図6に従って説明する。
図6に示すように、自ノードがハードリセットされると(ステップS1)、優先度切替回路42は、切替フラグCFを「0」に設定し、Lレベルの切替信号PSを生成し、当該優先度切替回路42に内蔵されるタイマ(図示略)を初期化する(ステップS2)。続いて、バスリセットが検知された場合には(ステップS3でYes)、優先度切替回路42は、再度、切替フラグCFを「0」に設定し、Lレベルの切替信号PSを生成し、上記タイマを初期化し(ステップS4)、ステップS5に移る。なお、バスリセットが検知されない場合には(ステップS3でNo)、そのままステップS5に移る。
ステップS5でタイマが1ms以下の場合には、優先度切替回路42は、CSパケットが転送されているか、すなわちパケット解析部41からCS検知信号が入力されているかを判断する(ステップS6)。CS検知信号が入力されず(ステップS6でNo)、切替フラグCFが「0」に設定されている場合には(ステップS7でNo)、優先度切替回路42は、Asynパケットが転送されているか、すなわちAsyn検知信号が入力されているかを判断する(ステップS8)。優先度切替回路42は、Asyn検知信号が入力されていない場合には(ステップS8でNo)、Hレベルの切替信号PSを生成する(ステップS9)。すると、切替フラグCFが「0」に設定され、且つ、上記Hレベルの切替信号PSによって優先度の高いAckギャップが選択されるため、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度が通常のAsynパケットよりも高く設定される(Priority=High)。このとき、カウンタ45からHレベルのカウント信号が出力されると、アンド回路47に入力されるIsoリクエストIRが優先度の高いA−StreamリクエストASRに変更されてアービトレーション制御部32に出力される。これにより、Isoパケットにて転送すべき連続データを、Asynパケットよりもアービトレーションの優先度の高いA−Streamパケットにて転送することができる。
その後、ステップS3に戻るが、バスリセットが検知されたり、CS検知信号又はAsyn検知信号が入力されたりするまでは、優先度の高い状態(Priority=High)が維持される。
一方、ステップS6において、CSパケットの受信が検知された場合には、優先度切替回路42は、タイマを初期化し(ステップS10)、さらに切替フラグCFを「1」に設定するとともに、Lレベルの切替信号PSを生成する(ステップS11)。すると、このLレベルの切替信号PSによって優先度の低いSubギャップが選択されるため、従前と同様に、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度がAsynパケットと同一になる(Priority=normal)。さらに、切替フラグCFが「1」に設定されているため、IsoリクエストIRはA−StreamリクエストASRに変更されずにそのままアービトレーション制御部32に出力される。
但し、上記ステップS6でCSパケットの受信が検知された場合であっても、その後、CSパケットの転送が停止されたと判断された場合には、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度が高く設定される。すなわち、上記ステップS11の処理実行後、ステップS3でバスリセットが検知されず、ステップS10で初期化されたタイマが1ms以下である場合には、優先度切替回路42は、再度CSパケットが転送されているかを判断する(ステップS6)。ここで、CSパケットが転送されていない場合には(ステップS6でNo)、上記ステップS11で切替フラグCFが「1」に設定されているため(ステップS7でYes)、再度ステップS11の処理が実行され、ステップS3に戻る。これら一連の処理が繰り返し実行され、やがてタイマが1msを超えると(ステップS5でYes)、優先度切替回路42は、切替フラグCFを「0」に設定する(ステップS12)。そして、優先度切替回路42は、CSパケットの受信が検知されず(ステップS6でNo)、Asynパケットの受信が検知されない場合には(ステップS8でNo)、Hレベルの切替信号PSを生成する(ステップS9)。これにより、切替フラグCFが「0」に設定され、且つHレベルの切替信号PSが生成されるため、Isoリクエスト保持部36から出力されるIsoリクエストIRが優先度の高いA−StreamリクエストASRに変更される。このように、CSパケットの受信が検知された後であっても、その検知から一定期間(ここでは、1ms)内に次のCSパケットの受信が検知されない場合には、CSパケットの転送が停止したと判断し、A−Streamパケットの優先度を高く設定することが可能である。なお、CSパケットの転送が停止したと判断するためには、上記一定期間を、Isoサイクルである125μsよりも十分に長い期間に設定することが好ましい。
ここで、映像データや音声データ等のリアルタイム性の要求される連続データの送信方法について図7に従って説明する。なお、同図において、縦軸及び横軸は、説明を簡潔にするため、適宜拡大、縮小して示している。
まず、Isoパケットにて連続データを送信しようとするノードは、従来の場合と同様に、データ送信に先立って、Isoパケットを転送するのに必要なアイソクロナスチャネル番号(チャネル番号)及び帯域を確保する。具体的には、アイソクロナス・リソースマネージャによって、Isoパケットを転送しようとするノードに、チャネル番号及び帯域が割り当てられる。なお、Isoサイクルである125μsに対応する帯域(8kHz)の4/5を最大として上記帯域が割り当てられる。
次に、図7(a)の上段に示すように、CSパケットが転送されると、切替フラグCFが「1」に設定されるため(ステップS6、S10、S11参照)、リクエスト生成部40に入力されるIsoリクエストIRがそのままアービトレーション制御部32に出力される。このため、この場合には従来と同様に、連続データD1〜D4がIsoパケットにて転送される。
一方、CSパケットが転送されていない場合には、Asynパケットが転送されるまでは、切替フラグCFが「0」に設定されるとともに、Hレベルの切替信号PSが生成される(ステップS2〜S9参照)。このため、Isoパケットを転送しようとする場合に、リンク層からIsoリクエストIRが出力されると、そのIsoリクエストIRが優先度の高いA−StreamリクエストASRに変更される。このとき、上記帯域の割り当てを受けた(Isoパケットを転送しようとする)ノードは、CSパケットを受信しなくとも検知可能なAckギャップを検知したときにA−StreamリクエストASRを生成し、アービトレーションを開始する。このため、CSパケットを省略した上でアービトレーションを開始することができる。ここで、このAckギャップは、Subギャップに比べて期間が短いため、Subギャップを検出してからAsyn転送(アシンクロナスアービトレーション)を開始するノードよりも、A−StreamリクエストASRを出力するノードに優先権が与えられる。これにより、A−StreamリクエストASRを出力するノードはアービトレーションに成功し、Asynパケットよりも優先してA−Streamパケットを転送することができる。すなわち、A−StreamリクエストASRを出力したノードは、当該A−StreamリクエストASRによってアービトレーションに成功しバスの使用権を獲得すると、上記取得したチャネル番号を使用して連続データD1をA−Streamパケットにて転送する。
そのA−Streamパケットの転送から125μs経過すると、カウンタ45からHレベルのカウント信号が出力され、再び優先度の高いA−StreamリクエストASRが生成される。このA−StreamリクエストASRによってバスの使用権が獲得されると、上記連続データD1に続く連続データD2がA−Streamパケットにて転送される。このように、A−Streamパケットの転送は、一定周期(125μs)毎にそれ以外のAsynパケットよりアービトレーションの優先度が確実に高くなるため、125μs間隔のポイントにおいては確実にバスの使用権が得られる。これにより、一定周期毎にA−Streamパケットにて一連の連続データ(D1〜D4)が転送されることを保証することができる。これに伴って、Asynパケットは上記A−Streamパケットの転送されていない空き期間に転送されることになる。このとき、上記A−Streamパケットは予め割り当てられた帯域を利用して転送されるため、その帯域の割り当てを受けたノードによるA−Streamパケットの転送後に、それ以外のAsynパケットを転送する帯域が確保される。これにより、常にA−Streamパケットが転送されるのが抑制され、それ以外のAsynパケットの転送が保証される。
ここで、Asynパケットが転送された場合には、通常、転送先アドレスに対応するノードがそのAsynパケットを受信すると、受信確認用の返送コードやAckパケット(ここでは、まとめて「Ackパケット」という。)を転送元のノードに返送する。このとき、AsynパケットとAckパケットとの間には、Ackギャップが存在する。すなわち、Asynパケットの転送後からAckギャップが経過すると、Ackパケットを転送するためのアービトレーションが開始される。すると、仮に図7(b)に示すように、AsynパケットがA−Streamパケットを転送する直前に転送され、そのAsynパケットに対するAckパケットとA−Streamパケットの転送ポイントが重なると、Ackパケットを確実に転送できなくなる。すなわち、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度が高いままでは、A−StreamパケットとAckパケットとが平等調停になるため、Ackパケットを転送できない場合が生じ、Ackパケットを確実に転送できない。
そこで、図6に示すように、優先度切替回路42は、Asynパケットの受信が検知された場合に(ステップS8でYes)、Lレベルの切替信号PSを生成してA−Streamパケットのアービトレーションの優先度を低くする(ステップS13)。すなわち、A−Streamパケットのアービトレーションの優先度を、従前と同様に、それ以外のAsynパケットと同一にする。これにより、Ackパケットを転送する際には、そのAckパケットよりもA−Streamパケットのアービトレーションの優先度が低くなるため、Ackパケットを転送するためにバスの使用権が確実に獲得される。したがって、図7に示すように、連続データ(D1〜D4)をA−Streamパケットにて転送している場合であっても、Ackパケットを確実に転送することができる。
そして、Ackパケットの受信が検知された場合又はSubギャップが検知された場合に(ステップS14)、優先度切替回路42は、Hレベルの切替信号PSを生成する(ステップS9)。なお、Subギャップを検知するようにしたのは、Ackパケットが転送されないことを検知するためである。すなわち、Ackギャップよりも長いSubギャップを検知した場合には、それ以降はAckパケットが転送されないと判断することができるためである。このように、Ackパケットが転送された後(Ackパケットが転送されないと判断された後)、A−Streamパケットに対する優先度が再び高くなるため、それ以降のA−Streamパケットを確実に転送することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)リクエスト生成部40は、IsoリクエストIRの代わりにA−StreamリクエストASRを生成する。これにより、CSパケットを省略した上で、Isoパケットと同一のデータフォーマットを有するA−Streamパケットにて連続データを転送することができる。また、リクエスト生成部40は、Asynパケットよりもアービトレーションの優先度を高く設定したA−Streamパケットのリクエスト(A−Streamリクエスト)を生成する。さらに、リクエスト生成部40は、一定周期毎に上記A−Streamリクエストを生成する。これにより、一定周期(125μs)毎に、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度がそれ以外のAsynパケットより確実に高くなるため、125μs間隔のポイントにおいて確実にA−Streamパケットを転送することができる。したがって、CSパケットを省略した上で、一定周期毎にA−Streamパケットによる一連の連続データ(D1〜D4)の転送を保証することができる。この結果、CSパケットを省略した分だけ実データを転送するための帯域を拡大させることができ、データの転送効率を向上させることができる。
(2)リクエスト生成部40は、CSパケットを未検知の場合に、IsoリクエストIRの代わりにA−StreamリクエストASRを生成する。すなわち、A−StreamリクエストASRはIsoサイクル以外に生成される。このため、Isoサイクル中に、A−Streamパケットにて連続データが転送されることがないため、Isoサイクル内においてIsoパケットとA−Streamパケットとが混在することが抑制される。また、リクエスト生成部40は、CSパケットを検知した場合には、A−StreamリクエストASRを生成せず、IsoリクエストIRをそのまま利用する。このため、Isoサイクルが開始されると、従前と同様のIso転送を確実に実行することができる(図7(a)の上段参照)。
(3)リクエスト生成部40は、Asynパケットを受信してからAckパケットの受信まで、又はAsynパケットを受信してからSubギャップを検知するまで、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度をAckパケットの優先度よりも低く設定する。これにより、A−StreamパケットとAckパケットとが平等調停になることがなく、常にAckパケットがA−Streamパケットよりも優先して転送されることになる。このため、A−Streamパケットによる連続データの転送中であっても、Ackパケットを確実に転送することができる。
(4)従前の規格から存在するA−Streamパケットを利用して連続データを転送するようにした。これにより、従前の規格に存在しない全く新たなパケットを追加することなく、連続データを非同期パケットにて転送することができる。また、上記A−StreamパケットはIsoパケットと同一のデータフォーマットを有する。このため、そのA−Streamパケットを受信する受信側ノードが従前のIPCしか備えていなくとも、その受信側ノードとの間で支障なく連続データの送受信を行うことができる。すなわち、受信側ノードでは、同一のフォーマットを有するIsoパケットとA−Streamパケットとを区別しないため、A−Streamパケットにて連続データが転送されても、Isoパケットにて連続データが転送された場合と同様に受信処理を行うことができる。したがって、受信側ノードが従前のIPCしか備えていなくとも、A−Streamパケットにより送信された連続データを正常に受信することができる。
(5)リクエスト生成部40による全ての処理シーケンスが物理層(物理層制御回路30)で実行されるため、それらの処理シーケンスを上位システム(リンク層やアプリケーション層など)に実装する必要がない。このため、従前の規格におけるリンク層やアプリケーション層などを変更する必要がない。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を図8に従って説明する。先の図1〜図7に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
図8は、IEEE Std 1394b規格に準拠したIEEE1394プロトコルコントローラ(IPC)60の内部構成を示している。このIPC60は、従前のIPCにリクエスト生成部90が追加されている。
ここで、IEEE Std 1394b規格では、アービトレーションの優先度がバスリクエストの種類(コード)によって決定される。このため、アービトレーションの優先度の切替方法が上記第1実施形態とは異なる。これに伴って、本実施形態のリクエスト生成部90は、第1実施形態のリクエスト生成部40とその内部構成が相違している。そこで、このリクエスト生成部90の内部構成を中心に説明する。なお、ポート回路70a,70b、物理層制御回路80内のパケット送受信制御部81、アービトレーション制御部82、S/P変換部83、P/S変換部84、ポート制御部85やIsoリクエスト保持部86は公知の構成であるため、ここではその詳細な説明を割愛する。
ちなみに、上記IEEE Std 1394b規格では、バスケーブルが全2重通信、すなわち1ケーブルに配線が2本存在する構造をとっている。このため、データ通信の通信形式にIEEE Std 1394b規格を採用すれば、通信データの入力と出力とが同時に実行可能となるため、例えばデータ転送中にバスリクエストを伝送するというような動作が可能となる。
図8に示すように、リクエスト生成部90は、パケット解析部91と、優先度切替回路92と、カウンタ93と、アンド回路94〜96とを含む。このリクエスト生成部90は、IsoリクエストIR、アシンクロナス(Asyn)リクエストAR又はレガシー(Legacy)リクエストLRの何れか一つをアービトレーション制御部82に出力する。ここで、IsoリクエストIRはAsynリクエストAR(NEXT_ODD又はNEXT_EVEN)よりもアービトレーションの優先度が高く、そのIsoリクエストIRよりもLegacyリクエストLRの方がアービトレーションの優先度が高い。なお、本実施形態では、これらIsoリクエストIR、AsynリクエストAR及びLegacyリクエストLRは、連続データを転送しようとする際に生成されるバスリクエストである。また、IsoリクエストIRはCSパケットの受信後にのみ生成されるバスリクエストであり、AsynリクエストAR及びLegacyリクエストLRはCSパケットの受信に関わらず生成されるバスリクエストである。
パケット解析部91は、上記パケット解析部41と同様に、S/P変換部83から入力される受信パケットを解析し、その解析結果に応じてAsyn検知信号、Ack検知信号又はCS検知信号を優先度切替回路92に出力する。
優先度切替回路92は、図6に示したフローチャートと略同様の優先度切替動作を実行する回路である。詳述すると、優先度切替回路92は、入力される各種検知信号に基づいて、IsoリクエストIRの代わりにAsynリクエストAR又はLegacyリクエストLRを生成する場合に切替フラグCFを「0」に設定し、IsoリクエストIRをそのまま利用する場合に切替フラグCFを「1」に設定する。具体的には、優先度切替回路92は、CS検知信号が入力されない場合には切替フラグCFを「0」に設定し、CS検知信号が入力されると切替フラグCFを「1」に設定する。但し、優先度切替回路92は、CS検知信号が入力された場合であっても、所定期間内に次のCS検知信号が入力されない場合には、切替フラグCFを「0」に設定する。そして、優先度切替回路92は、その切替フラグCFをアンド回路94〜96に出力する。
また、優先度切替回路92は、入力される各種検知信号に基づいて、バスリクエストの優先度を切り替えるための切替信号PSを生成し、その切替信号PSをアンド回路95,96に出力する。具体的には、優先度切替回路92は、切替フラグCFが「1」に設定されている場合には、優先度の低いAsynリクエストARを選択するためにLレベルの切替信号PSを生成する。また、優先度切替回路92は、Asyn検知信号が入力されてからAck検知信号が入力されるまで(又はAckパケットがないことが検知されるまで)、Lレベルの切替信号PSを生成する。これら以外の場合には、優先度切替回路92は、優先度の高いLegacyリクエストLRを選択するためにHレベルの切替信号PSを生成する。
カウンタ93は、A−Streamパケットの送信からカウント動作を開始し、所定期間が経過するまでLレベルのカウント信号をアンド回路95,96に出力し、所定期間経過後からHレベルのカウント信号をアンド回路95,96に出力する。なお、ここでは、上記所定期間をIsoサイクルと同一の125μsに設定している。
アンド回路94には、リンク層からインターフェース回路100及びIsoリクエスト保持部86を介してIsoリクエストIRが入力されるとともに、優先度切替回路92から切替フラグCFが入力される。このアンド回路94は、切替フラグCFが「1」に設定されている場合に、IsoリクエストIRをアービトレーション制御部82に出力する。このIsoリクエストIRによってアービトレーションに勝ってバスの使用権が獲得されると、Isoパケットにて連続データの転送が開始される。
アンド回路95には、AsynリクエストARと、カウンタ93からのカウント信号とが非反転端子に入力され、優先度切替回路92からの切替フラグCF及び切替信号PSが反転端子に入力される。このアンド回路95は、切替フラグCFが「0」に設定され、Lレベルの切替信号PSが入力されている状態で、Hレベルのカウント信号が入力されると、AsynリクエストARをアービトレーション制御部82に出力する。このAsynリクエストARによってアービトレーションに勝ってバスの使用権が獲得されると、A−Streamパケットにて連続データの転送が開始される。このとき、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度は、従前と同様に、それ以外のAsynパケットのそれと同一になる(Priority=normal)。
アンド回路96には、LegacyリクエストLRと、優先度切替回路92からの切替信号PSと、カウンタ93からのカウント信号とが非反転端子に入力され、優先度切替回路92からの切替フラグCFが反転端子に入力される。このアンド回路96は、切替フラグCFが「0」に設定され、Hレベルの切替信号PSが入力されている状態で、Hレベルのカウント信号が入力されると、LegacyリクエストLRをアービトレーション制御部82に出力する。このLegacyリクエストLRによってアービトレーションに勝ってバスの使用権が獲得されると、A−Streamパケットにて連続データの転送が開始される。このとき、上記LegacyリクエストLRはCSパケットの受信に関わらず生成されるため、CSパケットを省略した上で、連続データを転送することができる。また、上記LegacyリクエストLRはAsynリクエストARよりも優先度が高いため、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度は、それ以外のAsynパケットよりも高くなる(Priority=High)。さらに、アンド回路96からは、このLegacyリクエストLRが一定の周期(ここでは、125μs)毎に出力される。これにより、CSパケットを省略した上で、連続データを一定周期毎に確実に転送することができるようになる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、Asynパケットの受信が検知されてからAckパケットの受信が検知されるまで、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度をAsynパケットと同一にした。これに限らず、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度をAckパケットのそれよりも低く設定すれば、Asynパケットに対するアービトレーションの優先度よりも高くても低くてもよい。
・上記第1実施形態では、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度をAckパケットのそれと同一にすることにより、A−Streamパケットの優先度をAsynパケットよりも高く設定するようにした。これに限らず、A−Streamパケットの優先度がAsynパケットの優先度よりも高く設定されれば、Ackパケットの優先度と同一である必要はない。例えば、A−Streamパケットの優先度を、Asynパケットの優先度よりも高く、Ackパケットの優先度よりも低く設定するようにしてもよい。この場合には、A−StreamパケットとAckパケットとの転送ポイントが重なっても、平等調停とはならないため、A−Streamパケットによる連続データの転送中であってもAckパケットを確実に転送することができる。このため、この場合には図6のステップS13,S14を省略することができる。なお、この点については、上記第2実施形態でも同様のことが言える。
・上記各実施形態では、カウンタ45,93でカウントされる所定期間を125μsに設定したが、この期間は特に制限されない。
・図6のステップS5におけるタイマの時間は1msに制限されない。すなわち、CSパケットの転送が停止したことが判断可能な時間であれば特に制限されない。
・図6のステップS2,S4において、A−Streamパケットに対するアービトレーションの優先度を従前通りの優先度に設定するようにしたが、A−Streamパケットの優先度をAsynパケットよりも高く設定するようにしてもよい。
・上記各実施形態における優先度切替回路42,92にて生成される切替フラグCFの生成を省略してもよい。この場合には、図6のステップS5,S6,S7,S10,S11,S12を省略してもよい。また、図6のステップS2,S4における切替フラグCFの設定及びタイマの初期化も省略してもよい。
・上記各実施形態では、1つのIPC10,60に2つのポート回路を設けたが、ポート回路を3つ以上設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態におけるネットワーク内のノード数に特に制限はない。すなわち、ネットワーク内のノード数は2つであっても、4つ以上であってもよい。
・上記各実施形態では、ノードA〜CをIEEE1394規格に準拠した装置に具体化したが、例えば一定周期毎に連続データを転送するようなIDB−1394規格に準拠した装置に具体化してもよい。
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
同期パケットにて転送するデータを、第一種の非同期パケットに対する調停の優先度よりも高い優先度を有する第二種の非同期パケットにより送信し、
前記第二種の非同期パケットの送信から所定期間後に、前記第二種の非同期パケットによる前記データに続くデータの送信の要求をする
ことを特徴とするデータ送信方法。
(付記2)
前記同期パケットにて転送するデータを前記第二種の非同期パケットにより送信するのは、前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間の開始を示す同期用データを未検知の場合であることを特徴とする付記1に記載のデータ送信方法。
(付記3)
前記第一種の非同期パケットを受信してから当該第一種の非同期パケットに対する応答パケットを受信するまで、又は、前記第一種の非同期パケットを受信してから前記応答パケットが送信されないことを検知するまで、前記第二種の非同期パケットの前記優先度を前記応答パケットの優先度よりも低く設定することを特徴とする付記1又は2に記載のデータ送信方法。
(付記4)
前記所定期間は、前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間に対応する期間であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載のデータ送信方法。
(付記5)
前記同期パケットを送信するノードに、データ送信に先立って、前記同期転送期間のうちの一定期間に対応する帯域を割り当て、
その割り当てられた帯域を利用して、前記同期パケットにて転送するデータを前記第二種の非同期パケットにより送信することを特徴とする付記4に記載のデータ送信方法。(付記6)
前記所定期間は、前記第二種の非同期パケットを送信する各ノードで測定することを特徴とする付記1〜5のいずれか1つに記載のデータ送信方法。
(付記7)
同期パケットの送信要求信号の代わりに、第一種の非同期パケットよりも調停の優先度を高く設定した第二種の非同期パケットの送信要求信号を所定周期毎に生成するリクエスト生成部を備えることを特徴とするデータ送信装置。
(付記8)
前記リクエスト生成部は、
前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間の開始を示す同期用データの受信を検知する第1検知部を備え、
前記同期用データの受信が未検知の場合に、前記第二種の非同期パケットの送信要求信号を生成することを特徴とする付記7に記載のデータ送信装置。
(付記9)
前記リクエスト生成部は、
前記第一種の非同期パケットの受信を検知する第2検知部と、
前記第一種の非同期パケットに対する応答パケットの受信を検知する第3検知部と、
前記第一種の非同期パケットを受信してから前記応答パケットを受信するまで、前記第二種の非同期パケットの前記優先度を前記応答パケットの優先度よりも低く設定する優先度切替回路と
を備えることを特徴とする付記7又は8に記載のデータ送信装置。
(付記10)
前記リクエスト生成部は、
前記第一種の非同期パケットの受信から所定期間経過したことを検知する第4検知部を備え、
前記優先度切替回路は、前記第一種の非同期パケットの受信から前記所定期間経過まで、前記第二種の非同期パケットの前記優先度を前記応答パケットの優先度よりも低く設定することを特徴とする付記9に記載のデータ送信装置。
(付記11)
前記リクエスト生成部は、
前記所定周期を測定するカウンタを備え、
前記カウンタの測定結果に基づいて前記所定周期毎に、前記第二種の非同期パケットの送信要求信号を生成することを特徴とする付記7〜10のいずれか1つに記載のデータ送信装置。
(付記12)
バスケーブルを介して接続される複数のノードを含むネットワークシステムであって、
パケットデータを送信するノードのうち少なくとも1つのノードは、
同期パケットの送信要求信号の代わりに、第一種の非同期パケットよりも調停の優先度を高く設定した第二種の非同期パケットの送信要求信号を所定周期毎に生成するリクエスト生成部を備えることを特徴とするネットワークシステム。
A,B,C ノード(データ送信装置)
1a,1b バスケーブル
10,60 IPC
40,90 リクエスト生成部
41,91 パケット解析部(第1検知部、第2検知部、第3検知部)
42,92 優先度切替回路
43 ギャップ検知回路(第4検知部)
44 選択回路(優先度切替回路)
45,93 カウンタ
IR Isoリクエスト(同期パケットの送信要求信号)
ASR A−Streamリクエスト(第二種の非同期パケットの送信要求信号)
LR Legacyリクエスト(第二種の非同期パケットの送信要求信号)

Claims (10)

  1. 同期パケットにて転送するデータを、第一種の非同期パケットに対する調停の優先度よりも高い優先度を有する第二種の非同期パケットにより送信し、
    前記第二種の非同期パケットの送信から所定期間後に、前記第二種の非同期パケットによる前記データに続くデータの送信の要求をする
    ことを特徴とするデータ送信方法。
  2. 前記同期パケットにて転送するデータを前記第二種の非同期パケットにより送信するのは、前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間の開始を示す同期用データを未検知の場合であることを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
  3. 前記第一種の非同期パケットを受信してから当該第一種の非同期パケットに対する応答パケットを受信するまで、又は、前記第一種の非同期パケットを受信してから前記応答パケットが送信されないことを検知するまで、前記第二種の非同期パケットの前記優先度を前記応答パケットの優先度よりも低く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ送信方法。
  4. 前記所定期間は、前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間に対応する期間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のデータ送信方法。
  5. 前記所定期間は、前記第二種の非同期パケットを送信する各ノードで測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のデータ送信方法。
  6. 同期パケットの送信要求信号の代わりに、第一種の非同期パケットよりも調停の優先度を高く設定した第二種の非同期パケットの送信要求信号を所定周期毎に生成するリクエスト生成部を備えることを特徴とするデータ送信装置。
  7. 前記リクエスト生成部は、
    前記同期パケットの送信が行われる同期転送期間の開始を示す同期用データの受信を検知する第1検知部を備え、
    前記同期用データの受信が未検知の場合に、前記第二種の非同期パケットの送信要求信号を生成することを特徴とする請求項6に記載のデータ送信装置。
  8. 前記リクエスト生成部は、
    前記第一種の非同期パケットの受信を検知する第2検知部と、
    前記第一種の非同期パケットに対する応答パケットの受信を検知する第3検知部と、
    前記第一種の非同期パケットを受信してから前記応答パケットを受信するまで、前記第二種の非同期パケットの前記優先度を前記応答パケットの優先度よりも低く設定する優先度切替回路と
    を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のデータ送信装置。
  9. 前記リクエスト生成部は、
    前記所定周期を測定するカウンタを備え、
    前記カウンタの測定結果に基づいて前記所定周期毎に、前記第二種の非同期パケットの送信要求信号を生成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のデータ送信装置。
  10. バスケーブルを介して接続される複数のノードを含むネットワークシステムであって、
    パケットデータを送信するノードのうち少なくとも1つのノードは、
    同期パケットの送信要求信号の代わりに、第一種の非同期パケットよりも調停の優先度を高く設定した第二種の非同期パケットの送信要求信号を所定周期毎に生成するリクエスト生成部を備えることを特徴とするネットワークシステム。
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