JP2011134846A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、化学酸化重合による第1導電性高分子層とポリマー溶液ペースト塗布による第2導電性高分子層との導電性高分子層を順次設け、その表面にカーボンペースト層と銀ペースト層との導電ペーストによる陰極集電体層を順次設けた固体電解コンデンサにおいて、誘電体酸化皮膜にダメージを与えずまた、カーボンペースト層と銀ペースト層との界面に接続不良を与えずに製造または実装が可能で、それによりコンデンサとしての耐圧特性とESR特性に優れた固体電解コンデンサを提供するものである。
【解決手段】カーボンペースト層が、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層と、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を順次設けた固体電解コンデンサである。
【選択図】図1
【解決手段】カーボンペースト層が、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層と、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を順次設けた固体電解コンデンサである。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサ、たとえば焼結タイプのコンデンサは、陽極用リードの一端を埋め込んだ、タンタルまたはニオブなどを多孔質焼結体にして表面積を拡大した焼結体素子の表面に化成工程による酸化被膜を設け、その表面に、二酸化マンガンまたはポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子からなる固体電解質層を形成させ、その表面に、導電ペーストによる陰極集電体層を順次設け、焼結体素子の最外層の陰極集電体層に導電ペーストによる導電性接着剤を介して陰極端子板に接続するとともに、溶接等により陽極用リードに陽極端子板を接続している。そしてコンデンサ素子等を絶縁樹脂等からなる外装によるモールド金型成形などの方法により被覆し、陽極端子板及び陰極端子板は外装から引き出している。
ところで、固体電解質層としての導電性高分子層の製造方法には、導電性高分子となるモノマーに、酸化剤とドーパントを加え、弁作用金属の誘電体酸化皮膜上で重合反応させて導電性高分子層を形成する化学酸化重合工法がある。この方法は、多孔質焼結体内部への浸透性は良好であるが、膜厚が厚くできにくいため、その化学酸化重合により形成された高分子層を下地として電解重合工法により厚く高分子層を形成する方法等がある。また、電解重合工法より膜作成が簡素化できる、ポリマー化した導電性高分子溶液を多孔質体に含浸させ、乾燥・塗膜化することで弁作用金属の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する方法もある。
しかしながら、ポリマー化した分子量の大きい導電性高分子溶液を用いると、多孔質焼結体内部への導電性高分子溶液の浸透性は低く、細孔径の小さい焼結体ほど多孔質焼結体内部に導電性高分子の膜が形成されにくい。このため、特許文献1のように、まず、化学酸化重合工法により、導電性高分子となるモノマーに、酸化剤とドーパントを加え、弁作用金属の誘電体酸化皮膜上で反応させて導電性高分子層を形成する。次に、ポリマー化した導電性高分子溶液を多孔質体に含浸させ、乾燥・塗膜化することで弁作用金属の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を積層する方法が提案されている。そして、この導電性高分子層上に、導電性カーボンを含有する溶液を塗布、乾燥してカーボンペースト層を形成し、そのカーボンペースト層上に銀ペーストを塗布、乾燥して銀ペースト層を形成することが記載されている。
しかしながら、ポリマー化した分子量の大きい導電性高分子溶液を用いると、多孔質焼結体内部への導電性高分子溶液の浸透性は低く、細孔径の小さい焼結体ほど多孔質焼結体内部に導電性高分子の膜が形成されにくい。このため、特許文献1のように、まず、化学酸化重合工法により、導電性高分子となるモノマーに、酸化剤とドーパントを加え、弁作用金属の誘電体酸化皮膜上で反応させて導電性高分子層を形成する。次に、ポリマー化した導電性高分子溶液を多孔質体に含浸させ、乾燥・塗膜化することで弁作用金属の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を積層する方法が提案されている。そして、この導電性高分子層上に、導電性カーボンを含有する溶液を塗布、乾燥してカーボンペースト層を形成し、そのカーボンペースト層上に銀ペーストを塗布、乾燥して銀ペースト層を形成することが記載されている。
誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、化学酸化重合による第1導電性高分子層とその表面にポリマー塗布による第2導電性高分子層との導電性高分子層を設け、その表面にカーボンペースト層と銀ペースト層との導電ペーストによる陰極集電体層を順次設けた固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層として、バインダに熱可塑性樹脂を含有したカーボンペーストを塗布し、加熱乾燥してカーボンペースト層を形成し、最終的にモールド外装を有するコンデンサとした時点で、またはこのコンデンサをリフロー工程により基板に実装した後に、耐圧低下を引き起こす場合がある。
また、バインダに熱硬化性樹脂を含有したカーボンペーストを塗布し、加熱硬化してカーボンペースト層を形成し、最終的にモールド外装を有するコンデンサとした場合や、このコンデンサをリフロー工程により基板に実装した後には、カーボンペースト層と銀ペースト層との接触不良に起因すると考えられるコンデンサとしてのESR(等化直列抵抗)の悪化が生ずる場合がある。
また、バインダに熱硬化性樹脂を含有したカーボンペーストを塗布し、加熱硬化してカーボンペースト層を形成し、最終的にモールド外装を有するコンデンサとした場合や、このコンデンサをリフロー工程により基板に実装した後には、カーボンペースト層と銀ペースト層との接触不良に起因すると考えられるコンデンサとしてのESR(等化直列抵抗)の悪化が生ずる場合がある。
本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、化学酸化重合による第1導電性高分子層とその表面にポリマー塗布による第2導電性高分子層との導電性高分子層を設け、その表面にカーボンペースト層と銀ペースト層との導電ペーストによる陰極集電体層を順次設けた固体電解コンデンサにおいて、誘電体酸化皮膜にダメージを与えずまた、カーボンペースト層と銀ペースト層との界面に接続不良を与えずに製造または実装が可能で、それによりコンデンサとしての耐圧特性とESR特性に優れた固体電解コンデンサを提供するものである。
本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、化学酸化重合による第1導電性高分子層とポリマー溶液ペースト塗布による第2導電性高分子層との導電性高分子層を順次設け、その表面にカーボンペースト層と銀ペースト層との導電ペーストによる陰極集電体層を順次設けた固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層が、主に炭素質粉末と熱硬化性樹脂のバインダと溶剤とを含有したカーボンペーストより形成した第1カーボンペースト層と、その表面に主に炭素質粉末と熱可塑性樹脂のバインダと溶剤とを含有したカーボンペーストより形成した第2カーボンペースト層とを順次設けたことにより形成される固体電解コンデンサを提供するものである。
本発明によれば、カーボンペースト層が、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層とその表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層とを順次設けることにより、耐圧低下を引き起こさせず、また、カーボンペースト層と銀ペースト層との界面に接続不良を与えずに製造または実装が可能で、それによりコンデンサとしての耐圧特性とESR特性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明に述べる誘電体酸化皮膜は、金属表面を陽極酸化などによって誘電体膜となる酸化膜である。
本発明に述べる弁作用金属は、タンタルやニオブまたはアルミニウムなどの金属または合金をいう。固体電解コンデンサ用としては、表面積を拡大したものを、粉体状にして焼結したり、箔状のものをエッチングしたりして、多孔質体化したものを用いる。
本発明に述べる化学酸化重合による第1導電性高分子層は、化学酸化重合法により形成した層である。
具体的には、例えば、酸化剤、ドーパント、モノマーを混合し、重合が進行している溶液に浸漬させる方法と、モノマーとドーパントと酸化剤とを次の2種類の溶液に分けて、弁作用金属の多孔質体を交互に浸漬して重合させる方法とを採用できる。2種類の分け方は、a)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤を溶解した溶液、b)モノマーを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液、c)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液の3通りとする。浸漬した弁作用金属は、空気中に放置・乾燥中に重合が完了し、固体電解質が、弁作用金属の多孔質体表面に定着する。このような重合工程の操作は1回以上、好ましくは3回〜20回繰り返すことによって緻密な導電性高分子層を容易に形成することができる。
モノマーは、アセチレンやパラフェニレン、ピロール、p−フェニレンビニレン、アニリン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、フラン、またはこれらの置換誘導体の重合性化合物が選択できる。
ドーパントは、高分子の膜に導電性を付与するもので、高分子の膜中に添加される。例えば、ドーパントを付与する物質としては、スルホン酸化合物やカルボン酸化合物、リン酸化合物、硫酸等を用いる。また、ドーパントを付与する物質として用いる塩化合物には、前記の酸化合物のアンモニウム塩やナトリウム塩、カリウム塩を用いる。また塩化合物の溶解度を高めて液中の濃度を下げるために塩酸や硫酸等を添加してもよい。これらの化合物は単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、ドーピング溶液は、例えばドーパントあるいはドーパントと酸化剤とを有機溶剤もしくは水溶剤に溶解した組成にする。液中のドーパントや酸化剤の濃度は0.01〜1mol/Lの範囲が好ましい。
そして有機溶剤は、例えば、アルコール系やグリコール系、エーテル系、ケトン系あるいはこれ等に水を加えたものを使用する。
酸化剤としては、具体的には、例えばFeCl3やFeClO4、Fe(有機酸アニオン)塩等のFe(III)系化合物類、またはアルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸アンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン等のキノン類、よう素、臭素等のハロゲン類、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン等及びこれら複数の酸化剤の組み合わせが挙げられる。
具体的には、例えば、酸化剤、ドーパント、モノマーを混合し、重合が進行している溶液に浸漬させる方法と、モノマーとドーパントと酸化剤とを次の2種類の溶液に分けて、弁作用金属の多孔質体を交互に浸漬して重合させる方法とを採用できる。2種類の分け方は、a)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤を溶解した溶液、b)モノマーを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液、c)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液の3通りとする。浸漬した弁作用金属は、空気中に放置・乾燥中に重合が完了し、固体電解質が、弁作用金属の多孔質体表面に定着する。このような重合工程の操作は1回以上、好ましくは3回〜20回繰り返すことによって緻密な導電性高分子層を容易に形成することができる。
モノマーは、アセチレンやパラフェニレン、ピロール、p−フェニレンビニレン、アニリン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、フラン、またはこれらの置換誘導体の重合性化合物が選択できる。
ドーパントは、高分子の膜に導電性を付与するもので、高分子の膜中に添加される。例えば、ドーパントを付与する物質としては、スルホン酸化合物やカルボン酸化合物、リン酸化合物、硫酸等を用いる。また、ドーパントを付与する物質として用いる塩化合物には、前記の酸化合物のアンモニウム塩やナトリウム塩、カリウム塩を用いる。また塩化合物の溶解度を高めて液中の濃度を下げるために塩酸や硫酸等を添加してもよい。これらの化合物は単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、ドーピング溶液は、例えばドーパントあるいはドーパントと酸化剤とを有機溶剤もしくは水溶剤に溶解した組成にする。液中のドーパントや酸化剤の濃度は0.01〜1mol/Lの範囲が好ましい。
そして有機溶剤は、例えば、アルコール系やグリコール系、エーテル系、ケトン系あるいはこれ等に水を加えたものを使用する。
酸化剤としては、具体的には、例えばFeCl3やFeClO4、Fe(有機酸アニオン)塩等のFe(III)系化合物類、またはアルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸アンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン等のキノン類、よう素、臭素等のハロゲン類、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン等及びこれら複数の酸化剤の組み合わせが挙げられる。
本発明に述べるポリマー塗布による第2導電性高分子層は、導電性ポリマーを主体としたペーストを塗布後固化した層である。導電性ポリマーを主体としたペーストとしては、例えば、導電性ポリマー溶液ペーストや導電性ポリマーの分散液を用いる。
導電性ポリマー溶液ペーストは、主に導電性ポリマーとバインダと溶剤とからなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。導電性ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性のポリマーで、溶剤に溶解可能な状態のものが選択される。
バインダとしては、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、セルロースや、それらのエラストマー等があげられる。
添加剤としては、例えば、架橋剤、流動調整剤があげられる。
架橋剤としては、例えば官能性シラン、例えば、テトラアルコキシシシランなどの官能性シランや架橋性ポリマーなどがあげられる。
流動調整剤としては、合成石英、熔融石英、二酸化マンガン、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ガラス粉等の無機酸化物フィラー、窒化ケイ素や窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の無機酸化物フィラー、炭化ケイ素や炭化ホウ素等の炭化物フィラー等や、カーボン、非溶剤性導電性ポリマー等の導電フィラーなどがあげられ、分散剤を添加して用いられる。
このフィラーの平均粒子径は0.1μmから50μmの範囲がよく、特に0.5μmから10μmの範囲が好ましい。この平均粒子径が0.1μmより小さいと、配合量が少ない場合には、導電性ポリマーの溶液の流動性が改善され難くなる。また、導電性ポリマー溶液中のフィラーの配合量は、導電性ポリマーに対して体積比で0.01%から30%の範囲が好ましい。特に、無機フィラーは導電性ポリマーに比べると導電率が一桁〜数桁程度低いため、その配合量が上記の範囲を越えると固体電解コンデンサのインピーダンス特性が劣化し易くなる。
溶剤としては、水または有機溶剤を用いる。有機溶剤としては、例えば、ケトン類やエステル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ニトリル類、セルソルブ類、含チッ素化合物等を用いられる。
導電性ポリマ−の分散液は、主に導電性ポリマー粒子とバインダと分散剤と溶剤からなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。それらの材料は、上記導電性ポリマ−溶液ペースト用の材料からも選択できる。バインダと分散剤とは兼用される場合もある。
溶剤としては、上記有機溶剤のほか、特に水またはアルコール、またはその混合物を使用する。
導電性ポリマー粒子は、上記導電性ポリマーの溶剤に不溶な状態のものが選択される。
分散剤は、ポリビニルアルコールなどの上記バインダのほか、アルキルグリコキシド、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等の界面活性剤などを用いることができる。
ポリマー塗布による第2導電性高分子層は、化学酸化重合から形成される層に比べ、ペースト剤の添加により、層自体の可塑性、強靱性などの物性のほか、その前後の層との接着性を改善しやすくなる。
導電性ポリマー溶液ペーストは、主に導電性ポリマーとバインダと溶剤とからなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。導電性ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性のポリマーで、溶剤に溶解可能な状態のものが選択される。
バインダとしては、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、セルロースや、それらのエラストマー等があげられる。
添加剤としては、例えば、架橋剤、流動調整剤があげられる。
架橋剤としては、例えば官能性シラン、例えば、テトラアルコキシシシランなどの官能性シランや架橋性ポリマーなどがあげられる。
流動調整剤としては、合成石英、熔融石英、二酸化マンガン、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ガラス粉等の無機酸化物フィラー、窒化ケイ素や窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の無機酸化物フィラー、炭化ケイ素や炭化ホウ素等の炭化物フィラー等や、カーボン、非溶剤性導電性ポリマー等の導電フィラーなどがあげられ、分散剤を添加して用いられる。
このフィラーの平均粒子径は0.1μmから50μmの範囲がよく、特に0.5μmから10μmの範囲が好ましい。この平均粒子径が0.1μmより小さいと、配合量が少ない場合には、導電性ポリマーの溶液の流動性が改善され難くなる。また、導電性ポリマー溶液中のフィラーの配合量は、導電性ポリマーに対して体積比で0.01%から30%の範囲が好ましい。特に、無機フィラーは導電性ポリマーに比べると導電率が一桁〜数桁程度低いため、その配合量が上記の範囲を越えると固体電解コンデンサのインピーダンス特性が劣化し易くなる。
溶剤としては、水または有機溶剤を用いる。有機溶剤としては、例えば、ケトン類やエステル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ニトリル類、セルソルブ類、含チッ素化合物等を用いられる。
導電性ポリマ−の分散液は、主に導電性ポリマー粒子とバインダと分散剤と溶剤からなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。それらの材料は、上記導電性ポリマ−溶液ペースト用の材料からも選択できる。バインダと分散剤とは兼用される場合もある。
溶剤としては、上記有機溶剤のほか、特に水またはアルコール、またはその混合物を使用する。
導電性ポリマー粒子は、上記導電性ポリマーの溶剤に不溶な状態のものが選択される。
分散剤は、ポリビニルアルコールなどの上記バインダのほか、アルキルグリコキシド、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等の界面活性剤などを用いることができる。
ポリマー塗布による第2導電性高分子層は、化学酸化重合から形成される層に比べ、ペースト剤の添加により、層自体の可塑性、強靱性などの物性のほか、その前後の層との接着性を改善しやすくなる。
本発明に述べる第1カーボンペースト層は、炭素質粉末を、熱硬化性樹脂を主体としたバインダおよび分散剤と共に、溶剤中に混練、分散させたカーボンペーストより形成した層である。
炭素質粉末としては、天然黒鉛、人造黒鉛または、カーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を使用することができる。カーボンの粒径としては、0.01〜100μmのものが使用できる。
天然黒鉛としては、鱗片状、あるいは葉片状の天然黒鉛が使用できる。人造黒鉛粉としては、粒状のものだけでなく、繊維状、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、複層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンコイル、気相法炭素繊維なども使用できる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどが使用できる。
炭素質粉末として、人造黒鉛粉を少なくとも50質量%以上含む材料を使用することが好ましい。人造黒鉛粉が50質量%以上の場合は、得られるカーボンペーストとして十分な電導度を確保しやすい。
バインダとしては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂系等の熱硬化性樹脂が使用できる。
分散剤としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテートなどの熱可塑性の天然あるいは合成高分子材料が使用できる。また、シラン系、チタネート系、アルミン系のカップリング剤や、ノニオン系界面活性剤を添加して分散性を改善することができる。
溶剤としては、通常のカーボンペーストに使用する溶剤を同じもので良く、具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、などのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いたものが特に限定なく使用できる。
また、その他、濡れ向上剤、接着力向上剤、消泡剤等を含有していてもよい。
カーボンペーストに配合する溶剤量は、カーボンペーストの使用目的に応じた粘度となるように配合することが必要であるが、通常はペーストの固形分に対して等量ないし十倍の量を使用する。
炭素質粉末としては、天然黒鉛、人造黒鉛または、カーボンブラックから選ばれる少なくとも1種を使用することができる。カーボンの粒径としては、0.01〜100μmのものが使用できる。
天然黒鉛としては、鱗片状、あるいは葉片状の天然黒鉛が使用できる。人造黒鉛粉としては、粒状のものだけでなく、繊維状、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、複層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンコイル、気相法炭素繊維なども使用できる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどが使用できる。
炭素質粉末として、人造黒鉛粉を少なくとも50質量%以上含む材料を使用することが好ましい。人造黒鉛粉が50質量%以上の場合は、得られるカーボンペーストとして十分な電導度を確保しやすい。
バインダとしては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂系等の熱硬化性樹脂が使用できる。
分散剤としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテートなどの熱可塑性の天然あるいは合成高分子材料が使用できる。また、シラン系、チタネート系、アルミン系のカップリング剤や、ノニオン系界面活性剤を添加して分散性を改善することができる。
溶剤としては、通常のカーボンペーストに使用する溶剤を同じもので良く、具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、などのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いたものが特に限定なく使用できる。
また、その他、濡れ向上剤、接着力向上剤、消泡剤等を含有していてもよい。
カーボンペーストに配合する溶剤量は、カーボンペーストの使用目的に応じた粘度となるように配合することが必要であるが、通常はペーストの固形分に対して等量ないし十倍の量を使用する。
本発明に述べる第2カーボンペースト層は、炭素質粉末を、熱可塑性樹脂を主体としたバインダおよび分散剤と共に、溶剤中に混練、分散させたカーボンペーストより形成した層である。
炭素質粉末および分散剤と溶剤は、上記第1カーボンペースト用のものを適宜使用することができる。また、熱可塑性樹脂としては、通常のアクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂などが使用できる。
炭素質粉末および分散剤と溶剤は、上記第1カーボンペースト用のものを適宜使用することができる。また、熱可塑性樹脂としては、通常のアクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂などが使用できる。
本発明に述べる銀ペースト層は、銀粉末を、バインダおよび分散剤と共に、溶剤中に混練、分散させた銀ペーストより形成した層である。
バインダおよび分散剤と溶剤は、上記カーボンペースト用のものを適宜使用することができる。
バインダおよび分散剤と溶剤は、上記カーボンペースト用のものを適宜使用することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る固体電解コンデンサを示している。
陽極用リード1は、タンタル、ニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、直径が0.1mmから0.5mm程度の線状や、厚さ0.1mmから0.5mm程度の短冊薄板状からなる。
コンデンサ素子2は、陽極用リード1の一端を埋め込んで、タンタルやニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、平均粒径1μm程度の微粉末に、アクリルやカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した海綿状の多孔質方体の陽極体3と、この陽極体3に陽極酸化皮膜(図示せず)と、導電性高分子層4の固体電解質層と、陰極集電体層5とを順次設けたものからなる。
陽極体3は、成形した海綿状の焼結体で、陽極用リード1の一端を埋め込んで、弁作用金属の微粉末に、アクリル系樹脂やカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した多孔質体化した焼結体である。
導電性高分子層4は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に設けた、酸化剤とモノマーとの重合、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による第1導電性高分子層4aと、その第1導電性高分子層4aの表面に設けた導電性ポリマ−溶液ペーストまたは導電性ポリマ−の分散液ペーストを塗布した第2導電性高分子層4bとからなっている。
陰極集電体層5は、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層5aと、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層5bと、その表面に銀ペースト層5cとを形成した積層構造になっている。
6は、陰極端子板で、導電性接着剤やはんだ等の接続体7によりめっき層の陰極集電体層5に接続される。
8は、陽極端子板で、抵抗溶接やレーザ溶接等の溶接や導電性接着剤により陽極用リード1に接続される。
9は、外装で、エポキシ樹脂等の封止樹脂等でコンデンサ素子2等を封止する。陰極端子板6と陽極端子板8は、図1ではこの外装9の横から下に向かって露呈させている。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る固体電解コンデンサを示している。
陽極用リード1は、タンタル、ニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、直径が0.1mmから0.5mm程度の線状や、厚さ0.1mmから0.5mm程度の短冊薄板状からなる。
コンデンサ素子2は、陽極用リード1の一端を埋め込んで、タンタルやニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、平均粒径1μm程度の微粉末に、アクリルやカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した海綿状の多孔質方体の陽極体3と、この陽極体3に陽極酸化皮膜(図示せず)と、導電性高分子層4の固体電解質層と、陰極集電体層5とを順次設けたものからなる。
陽極体3は、成形した海綿状の焼結体で、陽極用リード1の一端を埋め込んで、弁作用金属の微粉末に、アクリル系樹脂やカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した多孔質体化した焼結体である。
導電性高分子層4は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に設けた、酸化剤とモノマーとの重合、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による第1導電性高分子層4aと、その第1導電性高分子層4aの表面に設けた導電性ポリマ−溶液ペーストまたは導電性ポリマ−の分散液ペーストを塗布した第2導電性高分子層4bとからなっている。
陰極集電体層5は、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層5aと、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層5bと、その表面に銀ペースト層5cとを形成した積層構造になっている。
6は、陰極端子板で、導電性接着剤やはんだ等の接続体7によりめっき層の陰極集電体層5に接続される。
8は、陽極端子板で、抵抗溶接やレーザ溶接等の溶接や導電性接着剤により陽極用リード1に接続される。
9は、外装で、エポキシ樹脂等の封止樹脂等でコンデンサ素子2等を封止する。陰極端子板6と陽極端子板8は、図1ではこの外装9の横から下に向かって露呈させている。
定格6.3V,100μFのタンタルチップ型固体電解コンデンサの製造方法について述べる。弁作用金属として、タンタルの微粉末を用い、これにアクリル樹脂をバインダとして加えた微粉末を、タンタル製の陽極用リード線の一端を埋め込んだ状態にして、プレス機により圧縮成形する。そしてこの成形体を真空中で加熱処理し、焼結して、幅2.2mm、厚さ1.3mm、長さ1.7mmの直方体形状の多孔質体化した焼結体を形成した。
次に、焼結体を希リン酸液中に浸漬し、直流電圧20Vを印加して、誘電体皮膜を形成した。誘電体皮膜を形成後、0.1mol/Lのチオフェンモノマーのメタノール水溶液と、酸化剤溶液である0.1mol/Lのドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄のメタノール水溶液を準備した。
次に、陽極体を酸化剤溶液に含浸し室温で20分乾燥した。その後にチオフェンモノマー溶液に含浸し室温で60分保持して化学酸化重合した後に、水洗・乾燥を行った。そしてこの一連の操作を10回繰り返して、陽極体の内部表面に化学酸化重合した第1導電性高分子層を設けた。第1導電性高分子層を形成した後、温度110℃で30分間程度乾燥する。
次に、第2導電性高分子層を主に導電性ポリマーとバインダと溶剤からなる導電性ポリマ−溶液ペーストにより形成する。すなわち、導電性ポリマーとしてチオフェンポリマー粉末:20質量%、バインダとしてポリビニルアルコール:1質量%のn−メチル−2−ピロリドンに溶解したものを使用し、前記の化学酸化重合した第1導電性高分子層の表面に導電性ポリマ−溶液ペーストの塗布を2度繰り返した。その後加熱乾燥した。
次に、その表面にバインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層を形成する。すなわち、
炭素質粉末としては黒鉛微粉末を15質量%、バインダとしての熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂を15質量%、溶剤としてはブチルカルビトールを混練、分散させたカーボンペーストを使用して、温度150℃で30分間加熱し、15μmの厚さに形成した。
次に、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を形成する。すなわち、
炭素質粉末としてはバインダとしての熱可塑性樹脂としてはポリエステルを5質量%、溶剤としてはグルタル酸ジメチルを混練、分散させたカーボンペーストを使用して、温度150℃で30分間加熱し、10μm厚さに形成した。
次に、その表面に銀ペースト層を形成し、第1カーボンペースト層と第2カーボンペースト層と銀ペースト層と陰極集電体層とした。
次に、厚さ0.1mmのリードフレームの陰極端子部に素子の陰極集電体層を銀導電性ペーストにより接続するとともに、リードフレームの陽極端子部に陽極用リード線を溶接して、焼結体をリードフレームに取り付けた。素子をリードフレームに取り付け後、エポキシ樹脂を用いてトランスファーモールド法により外装を形成した。外装を形成後、エージング処理を行い、リードフレームを切断除去し、陰極端子及び陽極端子をフォーミングし、チップ型の固体電解コンデンサとした。
(比較例1)
次に、焼結体を希リン酸液中に浸漬し、直流電圧20Vを印加して、誘電体皮膜を形成した。誘電体皮膜を形成後、0.1mol/Lのチオフェンモノマーのメタノール水溶液と、酸化剤溶液である0.1mol/Lのドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄のメタノール水溶液を準備した。
次に、陽極体を酸化剤溶液に含浸し室温で20分乾燥した。その後にチオフェンモノマー溶液に含浸し室温で60分保持して化学酸化重合した後に、水洗・乾燥を行った。そしてこの一連の操作を10回繰り返して、陽極体の内部表面に化学酸化重合した第1導電性高分子層を設けた。第1導電性高分子層を形成した後、温度110℃で30分間程度乾燥する。
次に、第2導電性高分子層を主に導電性ポリマーとバインダと溶剤からなる導電性ポリマ−溶液ペーストにより形成する。すなわち、導電性ポリマーとしてチオフェンポリマー粉末:20質量%、バインダとしてポリビニルアルコール:1質量%のn−メチル−2−ピロリドンに溶解したものを使用し、前記の化学酸化重合した第1導電性高分子層の表面に導電性ポリマ−溶液ペーストの塗布を2度繰り返した。その後加熱乾燥した。
次に、その表面にバインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層を形成する。すなわち、
炭素質粉末としては黒鉛微粉末を15質量%、バインダとしての熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂を15質量%、溶剤としてはブチルカルビトールを混練、分散させたカーボンペーストを使用して、温度150℃で30分間加熱し、15μmの厚さに形成した。
次に、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を形成する。すなわち、
炭素質粉末としてはバインダとしての熱可塑性樹脂としてはポリエステルを5質量%、溶剤としてはグルタル酸ジメチルを混練、分散させたカーボンペーストを使用して、温度150℃で30分間加熱し、10μm厚さに形成した。
次に、その表面に銀ペースト層を形成し、第1カーボンペースト層と第2カーボンペースト層と銀ペースト層と陰極集電体層とした。
次に、厚さ0.1mmのリードフレームの陰極端子部に素子の陰極集電体層を銀導電性ペーストにより接続するとともに、リードフレームの陽極端子部に陽極用リード線を溶接して、焼結体をリードフレームに取り付けた。素子をリードフレームに取り付け後、エポキシ樹脂を用いてトランスファーモールド法により外装を形成した。外装を形成後、エージング処理を行い、リードフレームを切断除去し、陰極端子及び陽極端子をフォーミングし、チップ型の固体電解コンデンサとした。
(比較例1)
第2カーボンペースト層を省く以外は実施例1と同様におこなった。
(比較例2)
(比較例2)
第1カーボンペースト層を省く以外実施例1と同様におこなった。
以上、実施例および比較例のESRと耐圧を測定し(n=20)、表1の結果を得た。
ESRの測定は100kHzで、耐圧の測定は、6.3Vとした。
以上の結果より、カーボンペースト層が、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層と、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を順次設けた本発明は、耐圧特性とESR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
ESRの測定は100kHzで、耐圧の測定は、6.3Vとした。
以上の結果より、カーボンペースト層が、バインダに熱硬化性樹脂を含有した第1カーボンペースト層と、その表面にバインダに熱可塑性樹脂を含有した第2カーボンペースト層を順次設けた本発明は、耐圧特性とESR特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
1…陽極用リード、2…コンデンサ素子、3…陽極体、4…導電性高分子層、4a…第1導電性高分子層、4b…第2導電性高分子層、5…陰極集電体層、5a…第1カーボンペースト層、5b…第2カーボンペースト層、5c…銀ペースト層、6…陰極端子板、7…接続体、8…陽極端子板、9…外装。
Claims (1)
- 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、化学酸化重合による第1導電性高分子層とポリマー溶液ペースト塗布による第2導電性高分子層との導電性高分子層を順次設け、その表面にカーボンペースト層と銀ペースト層との導電ペーストによる陰極集電体層を順次設けた固体電解コンデンサにおいて、前記カーボンペースト層が、主に炭素質粉末と熱硬化性樹脂のバインダと溶剤とを含有したカーボンペーストより形成した第1カーボンペースト層と、その表面に主に炭素質粉末と熱可塑性樹脂のバインダと溶剤とを含有したカーボンペーストより形成した第2カーボンペースト層とを順次設けたことにより形成される固体電解コンデンサ。
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