JP2011133174A - 空調機の制御方法及び空調機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の送風機を備えた空調機の室内機において、送風機に禁止回転数域が存在しても、最小の回転数から最大の回転数まで、如何なる風量でも送出できるように制御するものである。
【解決手段】複数の送風機を備えた空調機の室内機において、モータやファンの特性により大きな振動を生ずる禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することにより、送風機全体で要求される風量を送出することができ、最小風量から最大風量まで如何なる風量にも制御することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、空調機の室内機に用いられる送風機における風量の制御に関するもので、さらに詳しくは、2台以上の送風機を備えた室内機において、送風機の禁止回転数域を使用せずに、最小風量から最大風量まできめ細かな風量を送出することができる空調機の制御方法及び空調機に関するものである。
空調機の室内機には、熱交換器により熱交換した暖気や冷気を室内に放出するために、その規模や構成、形状に従って1台又は2台以上の送風機が内蔵されている。これらの送風機には、モータとファンの種類や大きさなどに従って固有の回転数で共振を起こし、異常な振動が発生するため通常の運転には使用できない禁止回転数域が存在する。
この禁止回転数域での使用を避けるために、図6に示すモータ駆動装置がある(特開2007−28737号公報、特許文献1)。このモータ駆動装置は、電流検出部1041により検出された直流モータ201に流れる電流の値が所定の許容量を超えた場合、インバータ回路104のスイッチング周波数を低下させることで直流モータ201の駆動周波数を低下させ、駆動周波数が直流モータ201の固有振動数を中心にして定めた禁止回転数域内に入った時点で、駆動周波数を、禁止回転数域の上限を超えた回転数又は禁止回数転域の下限を下回る回転数に再設定するものである。
特開2007−28737号公報
特許文献1に記載されたモータ駆動装置では、モータが禁止回転数域で駆動されようとする場合に、禁止回転数域の範囲外で駆動するようにしただけのものであって、要求される風量となる送風機の回転数(以下、指定回転数と称する)が禁止回転数域となる場合には、必要以上の風量で運転するか、不足した風量で運転するかしかなく、連続的な風量制御ができないという問題点があった。複数の送風機を備えた空調機であっても、禁止回転数域を避けるために同様の問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、複数の送風機を備えた空調機の室内機において、送風機に禁止回転数域が存在しても、最小の回転数から最大の回転数まで、如何なる風量でも送出できるように制御するものである。
本発明の請求項1は、室内機に複数の送風機を備えた空調機において、全前記送風機の禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することを特徴とする空調機の制御方法である。
本発明の請求項2は、室内機に複数の送風機を備えた空調機において、前記室内機は、ファンとモータからなる送風機と、駆動回路を介して前記送風機を制御する制御装置とからなり、制御装置は、前記送風機の禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することを特徴とした空調機である。
本発明の請求項3は、請求項2記載の空調機において、予め送風機の回転数を送風量別に設定したテーブルを記憶したメモリを設け、このメモリに記憶したテーブルに設定された回転数に基づいて送風機を制御することを特徴とする空調機である。
本発明の請求項4は、請求項3記載の空調機において、送風機のモータは、DCモータからなり、このDCモータの回転数を検出する回転数センサを設け、この回転数センサで検出した回転数を制御回路にフィードバックして、テーブルに設定された回転数に送風機を制御することを特徴とする請求項2又は3記載の空調機である。
請求項1及び2記載の発明によれば、複数の送風機を備えた空調機の室内機において、各々の送風機に対する指定回転数が禁止回転数域の回転数であっても、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することによって、送風機全体で要求される風量を送出することができ、最小風量から最大風量まで如何なる風量にも制御することができるという効果を有する。
請求項3記載の発明によれば、予め送風機の回転数を送風量別に設定したテーブルを記憶したメモリを設け、このメモリに記憶したテーブルに設定された回転数に基づいて送風機を制御するので、複雑な回路や演算などを必要とせずに確実に所望の回転数に制御することができるという効果を有する。
請求項4記載の発明によれば、送風機のモータはDCモータからなり、このDCモータの回転数を検出する回転数センサを設け、この回転数センサで検出した回転数を制御回路にフィードバックして、テーブルに設定された回転数に送風機を制御するので、低回転数域から高回転数域まで広く制御することができ、空調機において、室温の検出のために最低の回転数に無理なく制御することができるという効果を有する。
本発明による空調機の室内機の構成を示すブロック図である。 本発明の禁止回転数域における送風機の回転数の設定を説明するための特性図である。 本発明による空調機の室内機の筐体の斜視図である。 本発明による空調機の室内機の筐体の蓋を取り外した状態の斜視図である。 本発明による空調機に使用する送風機の斜視図である。 禁止回転数域を回避して制御を行う従来のモータ駆動装置の回路図である。
室内機に複数の送風機を備えた空調機において、全前記送風機の禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御を行うものである。
次に図面に基づいて、本発明の実施例1として、羽の数が30枚のシロッコファンを用いた送風機を備えた空調機の室内機について説明する。
図3及び図4は、室内機の筐体1の斜視図であり、筐体1の一方(図4の左上側)の側面に冷媒が流通する熱交換器2が設けられ、他方の側面に送風口3が設けられている。筐体1の内部には、2台の同一仕様の送風機4a、4bが備えられており、この送風機4a、4bの吹出口が前記筐体1の送風口3に臨むように配置されている。送風機4a、4bは、DCモータ5とシロッコ型のファン6とからなり、DCモータ5には回転数センサ(図3〜5には図示せず)が臨設されている。
次に、図1のブロック図に基づいて回路の接続構成について説明する。
図1において7は制御装置であり、この制御装置7には、前記2台の送風機4a、4bがそれぞれの駆動回路8a、8bを介して接続され、さらに前記DCモータ5に臨設された前記回転数センサ10が接続されている。また、制御装置7には、要求される風量を送出する回転数(以下、指定回転数と称する)に従って送風機4a、4bの回転数を設定するため、次の表1に示すテーブル11が記憶されたメモリ9が設けられている。
Figure 2011133174
この表1に示す回転数は一例を示すもので、モータ5の大きさや出力、及びファン6の大きさや羽の数などのによって決まる送風機4a、4bの特性に従ってこの数値は相違する。また、モータ5には、ロータの重量などに起因して大きく振動を起こす固有の回転数があり、この回転数付近を禁止回転数域とする。この実施例では、650rpm〜750rpmの範囲を禁止回転数域とする。
この表1に示すように、送風機4a、4bの回転数は、4つのファンモード[強、中、弱及び待機](風量)ごとに予め決められており、相対的に送風機のピッチ音の共鳴による騒音が大きい通常運転の回転数域では、回転数に順次20(Hz)/羽数×60(秒)rpm以上の差をつけるように、相対的にコギング音による騒音が大きい低回転数域では、回転数に順次20(Hz)/モータの次数×60(秒)rpm以上の差をつけるように設定されている。
具体的には、下記のように設定した回転数がテーブル11に記憶されている。
ファンモード[強、中、弱]は、冷房にあっては冷風を送出し、暖房にあっては温風を送出する通常の運転状態にあるモードである。また、ファンモード[待機]は、室温が冷房又は暖房の設定温度付近にあり、運転を待機した状態(非運転状態)にあって、空気を吸引して室内機内に設けられている温度センサで室温を監視したり、暖房の運転開始時に熱交換器2が温まるまで冷風が強く送出されるのを防止したりするモードである。
(a)ファンモード[強、中]での指定回転数の範囲では、コギング音の共振による騒音と比して、ファン6のピッチ音の共鳴によって発生する騒音が相対的に大きく、2つの送風機4a、4bの回転数にこのピッチ音の共鳴を防止するための40rpmの差をつけるデータがテーブル11に記憶されている。具体的には、指定回転数に対して、一方の送風機4aの回転数を20rpm低くシフトし、他方の送風機4bを20rpm高くシフトしたデータがテーブル11に記憶されている。
(b)ファンモード[弱]では、指定回転数が660rpmであり、前記禁止回転数域となるため、その指定回転数を中心として禁止回転数域の範囲外にシフトさせたデータがテーブル11に記憶されている。具体的には、指定回転数に対して、一方の送風機4aを100rpm低くシフトして560rpmに、他方の送風機4bを100rpm高くシフトして760rpmに設定したデータがテーブル11に記憶されている。
(c)ファンモード[待機]では、ピッチ音の共鳴による騒音と比して、モータ5のコギング音の共振によって発生する騒音が相対的に大きく、2つの送風機4a、4bの回転数にこのコギング音の共振を防止するための100rpmの差をつけるデータがテーブル11に記憶されている。具体的には、指定回転数に対して、一方の送風機4aを50rpm低くシフトして250rpmに、他方の送風機4bを50rpm高くシフトして350rpmに設定したデータがテーブル11に記憶されている。
次に、以上の構成による送風機の作用について説明する。
空調機の制御に従ってファンモードが決定されると、制御装置7はそれに対応する送風機4a、4bの回転数をテーブル11から読み出し、駆動回路8a、8bを介して送風機4a、4bに駆動信号を与える。ここで、送風機4a、4bの回転数は、回転数センサ10によって検出され、この検出信号が制御回路7にフィードバックされて送風機4a、4bの回転数をテーブル11から読み出した回転数に近づけるように駆動回路8a、8bの出力電圧を制御する。
ファンモード[強]の場合、一方の送風機4aは860rpmに、他方の送風機4bは900rpmに制御される。ファンモード[中]の場合、一方の送風機4aは760rpmに他方の送風機4bは800rpmに制御される。この2つのモードでは、指定回転数を中心として±20rpmシフトされ、シロッコファンなどのピッチ音の共鳴が防止される。
ファンモード[弱]の場合、一方の送風機4aが禁止回転数域外の下の560rpmに、他方の送風機置4bが禁止回転数域外の上の760rpmに制御される。このモードでは、指定回転数を中心として±50rpmシフトされ、禁止回転数域の外に制御される。
ファンモード[待機]の場合、一方の送風機4aは250rpmに、他方の送風機4bは350rpmに制御される。このモードでは、指定回転数300rpmを中心として±50rpmシフトされ、モータのコギング音の共振が防止される。
ここで、上記のいずれのファンモードの場合でも送風機4a、4bの平均回転数は指定回転数となるため、各々のファンモードに必要な所定の風量が室内機から送出される。
禁止回転域における送風機4a、4bの回転数は、図2に示すように、2個の送風機4a、4bの回転数の平均回転数が指定回転数と一致するように制御するのが望ましい。一方の送風機4aを上の回転数に、他方の送風機4bを下の回転数に、いずれも禁止回転域外の回転数であって、指定回転数に近い回転数に設定される。
具体的には、指定回転数が禁止回転域の下限(650rpm)の回転数では、一方の送風機4aの回転数を、禁止回転域の上限を超えた回転数、例えば760rpmに設定し、他方の送風機4bの回転数を禁止回転域の下限よりも、一方の送風機4aで指定回転数より上げた分だけ下げた回転数、例えば540rpmに設定する。
指定回転数が禁止回転域の低回転側の50rpmの範囲は、一方の送風機4aの回転数を760rpmに維持し、他方の送風機4bのみ回転数を上げて、2台の送風機4a、4bの平均回転数が指定回転数付近になるように設定する。
指定回転数が禁止回転域の高回転側の50rpmの範囲は、一方の送風機4aのみ回転数を上げて、他方の送風機4bの回転数を640rpm維持して、2台の送風機4a、4bの平均回転数が、指定回転数付近になるように設定する。
指定回転数が、禁止回転域の上限に達すると、他方の送風機4bの回転数を禁止回転域の下限を下回った回転数、例えば640rpmに設定し、一方の送風機4aの回転数を禁止回転数の上限よりも、他方の送風機4bで指定回転数より下げた分だけ上げた回転域、例えば860rpmに設定される。
前記実施例1のファンモード[弱]の指定回転数は、図2に鎖線で示す660rpmであり、一方の送風機4aは指定回転数よりも100rpm上にシフトして760rpmに、他方の送風機4bは指定回転数よりも100rpm下にシフトして560rpmに制御される。
次に、本発明の実施例2としてプロペラファンを用いた送風機について説明する。実施例1の機械的構成は、送風機4a、4bとして2台のプロペラファンが備えられる以外は、特に実施例1と変わるところはなく、メモリ9に次の表2のテーブル11が記憶されている。
Figure 2011133174
この実施例では、600rpm〜700rpmの範囲を禁止回転数域とする。
(a)ファンモード[強、中、弱]では、コギング音の共振による騒音と比して、ファン6のピッチ音の共鳴によって発生する騒音が相対的に大きく、2つの送風機4a、4bの回転数にこのピッチ音の共鳴を防止するため300rpmの差をつけるデータがテーブル11に記憶されている。具体的には、指定回転数に対して、一方の4aの回転数を150rpm低く設定し、他方の4bを150rpm高く設定したデータがテーブル11に記憶されている。
(b)ファンモード[弱]では、指定回転数が660rpmであって、禁止回転数域にあり、禁止回転数域での使用を避ける回転数へのシフトを兼ねている。
(c)ファンモード[待機]では、ピッチ音の共鳴による騒音と比して、モータ5のコギング音の共振によって発生する騒音が相対的に大きく、2つの送風機4a、4bの回転数にこのコギング音の共振を防止するための100rpmの差をつけるデータがテーブル11に記憶されている。具体的には、指定回転数に対して、一方の送風機4aを50rpm低くシフトして250rpmに、他方の送風機4bを50rpm高くシフトして350rpmに設定したデータがテーブル11に記憶されている。
ファンモード[強]の場合、一方の送風機4aは930rpmに、他方の送風機4bは1230rpmに制御される。ファンモード[中]の場合、一方の送風機4aは730rpmに、他方の送風機4bは1030rpmに制御される。ファンモード[弱]の場合、一方の送風機4aは510rpmに、他方の送風機4bは810rpmに制御される。この3つのモードでは、指定回転数を中心として±150rpmシフトされ、プロペラファンのピッチ音の共鳴が防止される。
ファンモード[待機]の場合、一方の送風機4aは250rpmに、他方の送風機4bは350rpmに制御される。このモードでは、指定回転数300rpmを中心として±50rpmシフトされ、モータのコギング音の共振が防止される。
ここで、上記のいずれのファンモードの場合でも送風機4a、4bの平均回転数は指定回転数となるため、各々のファンモードに必要な所定の風量が室内機から送出される。
以上の実施例では、4種類の送風量によるファンモードで段階的に風量制御を行うようにした空調機について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、連続的な風量変化で制御を行う空調機であってもよい。
以上の実施例では、DCモータを利用したが、本発明はこれに限られるものではなく、ACモータを用いた送風機を利用した空調機でもよい。
以上の実施例では、メモリ9に記憶されたテーブル11にファンモードごとに送風機4a、4bの回転数データを予め記憶させ、このデータに基づいて制御装置7で送風機4a、4bの回転数を制御するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、送風機4a、4bの回転数域に従って演算によって制御すべき回転数を求め、その求められた回転数に従って送風機4a、4bの回転数を制御するようにしてもよい。
以上の実施例1ではシロッコファンを、実施例2ではプロペラファン用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、クロスフローファンやターボファンなど、モータでファンを回転させるタイプの送風機を利用した空調機であればどのようなものでもよい。
以上の実施例では、2台の送風機4a、4bを備えた空調機の室内機について説明したが、3台以上の送風機を備えた空調機でも良い。
1…送風機、2…熱交換器、3…送風口、4a、4b…送風機、5…DCモータ、6…ファン、7…制御装置、8a、8b…駆動回路、9…メモリ、10…回転数センサ、11…テーブル。

Claims (4)

  1. 室内機に複数の送風機を備えた空調機において、
    全前記送風機の禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することを特徴とする空調機の制御方法。
  2. 室内機に複数の送風機を備えた空調機において、
    前記室内機は、ファンとモータからなる送風機と、駆動回路を介して前記送風機を制御する制御装置とからなり、
    制御装置は、前記送風機の禁止回転数域の運転時に、複数の送風機の回転数を禁止回転数域の上と下に振り分けて制御することを特徴とした空調機。
  3. 予め送風機の回転数を送風量別に設定したテーブルを記憶したメモリを設け、
    このメモリに記憶したテーブルに設定された回転数に基づいて送風機を制御することを特徴とする請求項2記載の空調機。
  4. 送風機のモータは、DCモータからなり、
    このDCモータの回転数を検出する回転数センサを設け、
    この回転数センサで検出した回転数を制御回路にフィードバックして、テーブルに設定された回転数に送風機を制御することを特徴とする請求項2又は3記載の空調機。
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