JP2011133170A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気調和装置10は、凝縮器としての室外側熱交換器15、蒸発器としての第1室内側熱交換器18、再熱器としての第2室内側熱交換器19、冷媒を循環させる圧縮機17、室内機12への吸込空気の湿度を所定の目標値に調整するべく圧縮機の運転周波数を制御して第1室内側熱交換器の除湿能力を制御する湿度制御部33、室内機への吸込空気と吹出空気との温度差を所定の目標値に調整するべく第2室内側熱交換器への冷媒流量を調整する膨張弁21を制御して第2室内側熱交換器の再熱能力を制御する第1温度制御部31、及び膨張弁の調整量が下限に達して第1温度制御部により当該調整量を更に減少できない場合に、当該調整量を増大させる温度領域に室内の温度を移行させるよう圧縮機の運転周波数を制御する第2温度制御部32を備える。
【選択図】 図1
Description
特許文献1記載の空気調和装置は、室内の温度を室内温度検出手段によって検出するとともに、この室内の温度と所定の設定温度との差を求め、この差に応じて室外側熱交換器通過後の膨張弁の開度や室外ファンの風量、圧縮機の運転周波数等を調節し、顕熱能力を制御して快適な除湿運転を可能にするものとされている。
また、特許文献1に記載の技術は、室内の温度調整のみに着目して制御を行っているので、室内の温度を所定の設定温度に調整することができても、室内の湿度を所定の設定湿度に調整するのは困難である。
前記第2室内側熱交換器への冷媒の流量を調整する流量調整機構と、
前記室内機への吸込空気の温度を検出する吸込温度センサと、
前記室内機への吸込空気の湿度を検出する吸込湿度センサと、
前記室内機からの吹出空気の温度を検出する吹出温度センサと、
前記吸込湿度センサにより検出される吸込空気の湿度を所定の目標値に調整するべく、前記圧縮機の運転周波数を制御して前記第1室内側熱交換器による除湿能力を調整する湿度制御部と、
前記吸込温度センサにより検出される吸込空気の温度と前記吹出温度センサにより検出される吹出空気の温度との差を所定の目標値に調整するべく、前記流量調整機構を制御して第2室内側熱交換器による再熱能力を調整する第1温度制御部と、
前記流量調整機構による調整量が下限に達し、前記第1温度制御部によって当該調整量を更に減少させることができない場合に、当該調整量を増大させる制御を行う温度領域に室内の温度を移行させるように前記圧縮機の運転周波数を制御する第2温度制御部と、
を備えていることを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置10を示す構成図である。本実施の形態の空気調和装置10は、例えば食材や薬剤等の保管庫や製造工場等のように、室内の温度と湿度とが一定の状態に管理される環境下で使用されるものであり、そのため、室内の温度を一定の状態に保持しつつ湿度をも一定に保持する恒温恒湿運転が可能な装置とされている。
冷媒配管22は、圧縮機17の吐出側と室外側熱交換器15とを接続する第1配管36と、室外側熱交換器15と第1膨張弁20とを接続するとともにレシーバ16が設けられた第2配管37と、第1膨張弁20と第1室内側熱交換器18とを接続する第3配管38と、第1室内側熱交換器18と圧縮機17の吸込側とを接続する第4配管39とを含む。また、本実施の形態では、第1配管36と第3配管38との間をバイパスする第5配管40が設けられ、この第5配管40に第2室内側熱交換器19及び第2膨張弁21が設けられている。第1配管36及び第2配管37は、室内機12と室外機13との間にわたって設けられ、室内機12及び室外機13における出入口部近傍に閉鎖弁41を備えている。
図1に示すように、圧縮機17から吐出された高温高圧の冷媒は、第1配管36及び第5配管40を介して室外側熱交換器15及び第2室内側熱交換器19を通過した後、第1,第2膨張弁20,21で膨張・減圧され、第1室内側熱交換器18を通過して圧縮機17に戻る。この際、室外側熱交換器15は凝縮器として機能し、第2室内側熱交換器19は再熱器として機能し、第1室内側熱交換器18は蒸発器として機能する。したがって、室内ファン24によって吸込口25から室内機12に吸い込まれた空気は、第1室内側熱交換器18によって冷却・除湿され、第2室内側熱交換器19によって加熱(再熱)された後に吹出口26から吹き出される。これにより、吹出空気の温度を下げることなく湿度のみを下げる再熱除湿運転が可能となり、室内の温度及び湿度を一定に保つことが可能となっている。
本実施の形態の空気調和装置10は、室内の温度及び湿度が所定の設定値(目標温度及び目標湿度)に調整されるように、コントローラ30によって室内機12から吹き出す吹出空気の温度及び湿度の制御を行う。つまり、コントローラ30は、室内の温度及び湿度を制御する温度制御部31,32及び湿度制御部33としての機能を有している。室内の目標温度は、リモートコントローラ等を介してユーザーにより設定され、室内の目標湿度は、製造時に予め設定されるか、又は装置の設置時やメンテナンス時等に作業員等によって設定される。ただし、室内の目標湿度についてもユーザーが所望に設定できるようにしてもよい。
図6は、圧縮機17の動作マップであり、図7は、第2膨張弁21の動作マップである。上述したように、本実施の形態の空気調和装置10は、吹出空気の湿度を圧縮機17の運転周波数により制御し、吹出空気の温度を第2膨張弁21の開度により制御する。図6及び図7は、所定の目標温度及び目標湿度を中心として、これよりも室内の温度及び湿度(吸込空気の温度及び湿度)が高い領域及び低い領域における圧縮機17及び第2膨張弁21の動作をまとめたものである。
図8は、室内の温度及び湿度に対する圧縮機17及び第2膨張弁21の動作の態様を示す説明図である。例えば、目標温度及び目標湿度が、図8に示す「設定値」とされている場合、室内の温度が設定値よりも高く、室内の湿度が設定値よりも低い領域(点Aを含む領域)にある条件では、図6及び図7の動作マップに基づけば、圧縮機17は運転周波数を下げ、第2膨張弁21は開度を絞るはずである。しかしながら、このような条件下では、第2膨張弁21の開度が既に最小限(下限)にまで絞られている場合があり、この場合、第2膨張弁21によって吹出温度を制御することができなくなる。
次に、圧縮機17及び第2膨張弁21に対して上述のような動作を行わせるための、コントローラ30による圧縮機17及び第2膨張弁21の制御方法について説明する。
室内の温度を制御するにあたり、例えば、吸込空気の温度を検出し、その温度が目標温度に近づくように吹出空気の温度を調整した場合、この吹出空気の温度が室内の温度に反映されて、再度、吸込温度センサ27によって検出されるまでに時間がかかり、制御遅れやハンチングが生じやすくなるという欠点がある。そのため、本実施の形態では以下のように室内の温度を目標温度に調整する。
以上の制御をフローチャート及び計算式を用いて説明する。
空気調和装置10のコントローラ30は、まず、ステップS11において、吸込空気と吹出空気の温度差の目標値を求める。ここで、吸込空気の温度をTh1とし、吹出空気の温度をTh2とすると、その温度差Tfは次の式(1)で表すことができる。
Tf=Th1−Th2 ・・・ (1)
そして、空気調和装置10が運転オンの状態になり、圧縮機17が作動していなければ(圧縮機オフ)、コントローラ30は、目標値Tfsの値を0のまま保持する(ステップS22)。
Tfs=Th1−Th2 ・・・ (2)
すなわち、吸込温度センサ27及び吹出温度センサ29によって検出された吸込温度Th1と吹出温度Th2との差Tfを、目標値Tfsと擬制する。
したがって、空気調和装置10が運転を開始し圧縮機17が作動した直後、コントローラ30は、目標値Tfsの初期値として0又は式(2)で示される値を与えるための「起動制御」を行う。
そして、起動制御の後、コントローラ30は、目標値Tfsを吸込温度Th1と室内の目標温度との偏差ΔTrによって更新する「通常制御」を行う(ステップS25)。
まず、ステップS31において、コントローラ30は、吸込温度Th1と、室内の目標温度Th1sとの偏差ΔTrを次式(3)により求める。
ΔTr=Th1−Th1s ・・・ (3)
ΔTfs=A1×(ΔTr−ΔTr’)+B1×(ΔTr+ΔTr’) ・・・(4)
ここで、A1,B1は所定の係数(ゲイン)であり、ΔTr’は、前回の演算で求められた偏差ΔTrの値である。なお、式(4)は、ΔTrとΔTr’との偏差に基づいてPI制御(比例制御)によりΔTfsを求める式である。
Tfs=ΔTfs+Tfs ・・・ (5)
まず、次式(6)により温度差Tfの値と、目標値Tfsとの偏差e1を求める。
e1=Tf−Tfs ・・・ (6)
ΔEV=A2×(e1−e1’)+B2×(e1+e1’)+ΔEV’ ・・・ (7)
ただし、A2,B2は所定の係数(ゲイン)、e1’は前回のe1の値、ΔEV’は前回の第2膨張弁21の操作量である。なお、式(7)は、吸込温度Th1及び吹出温度Th1の温度差Tfとその目標値Tfsとの偏差に基づいてPI制御(比例制御)により操作量ΔEVを求めるものである。
EV=EV’+ΔEV ・・・ (8)
ただし、EV’は、前回の第2膨張弁21の開度である。
上述したように、室内の温度制御は第2膨張弁21の開度の制御によって行われるが、湿度制御については、圧縮機17の運転周波数を制御することによって行われる。
図5は、空気調和装置10による湿度制御の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS41において、吸込湿度センサ28の検出値(相対湿度)がコントローラ30に入力され、現在の室内温度から絶対湿度(吸込絶対湿度)に変換される。また、予め設定されている目標湿度(相対湿度)は、室内の目標温度から目標絶対湿度に変換される。
まず、コントローラ30は、吸込絶対湿度Xと、目標絶対湿度Xsとの偏差ΔXsを、次式(9)により求める。
ΔXs=X−Xs ・・・ (9)
ΔFk=A3×(e2−e2’)+B3×(e2+e2’)+ΔFk’ ・・・ (10)
e2=a×ΔTr+b×ΔXs ・・・ (11)
ただし、A3,B3は所定の係数(ゲイン)であり、ΔFk’は前回のΔFkの値である。また、e2’は前回のe2の値である。
この条件は、図6〜図8を参照して説明したように、圧縮機17に例外的な動作を行わせる条件であり、室内の温度及び湿度が、図6及び図7の中段右端の欄、下段真ん中及び右端の欄の領域にあり、第2膨張弁21を更に絞ることができない場合に相当する。この条件を満たす場合(例外動作の場合)、aに所定の実数(a≠0)が入力されるとともに、bに0が入力され(b=0)、e2の値にはΔTrのみが反映される。すなわち、室内の湿度に関する要素ΔXsは反映されず、吸込空気の温度に関する要素ΔTrのみによって圧縮機17の制御量ΔFkが求められる。
そして、ステップS43において、コントローラ30は、メモリー内に記憶されている変換テーブルを参照して、式(10)により求めた制御量ΔFkを圧縮機17の運転周波数の調整量に変換し、圧縮機17の運転周波数を調整する。これにより、室内の湿度が目標湿度に調整される。
例えば、上記実施の形態の空気調和装置10は、除湿運転及び冷房運転を行うものであったが、暖房運転をも行うように構成されていてもよい。この場合、冷媒の流れを反転させる四路切替弁や暖房用の膨張弁等を冷媒回路14に加えればよい。
12: 室内機
13: 室外機
14: 冷媒回路
15: 室外側熱交換器
17: 圧縮機
18: 第1室内側熱交換器
19: 第2室内側熱交換器
21: 第2膨張弁(流量調整機構)
22: 冷媒配管
25: 吸込口
26: 吹出口
27: 吸込温度センサ
28: 吸込湿度センサ
29: 吹出温度センサ
30: コントローラ(制御手段)
31: 第1温度制御部
32: 第2温度制御部
33: 湿度制御部
46: 更新部
Claims (3)
- 凝縮器として機能する室外側熱交換器(15)と、蒸発器として機能する第1室内側熱交換器(18)と、再熱器として機能する第2室内側熱交換器(19)と、これら各熱交換器(15,18,19)を含む冷媒回路(14)内で冷媒を循環させる圧縮機(17)と、を備えており、前記第1室内側熱交換器(18)と、前記第2室内側熱交換器(19)とを備えた室内機(12)の内部に室内の空気を吸い込み、当該空気を前記第1室内側熱交換器(18)により冷却・除湿するとともに前記第2室内側熱交換器(19)により加熱した後、前記室内機(12)から吹き出すように構成された、再熱除湿運転が可能な空気調和装置(10)であって、
前記第2室内側熱交換器(19)への冷媒の流量を調整する流量調整機構(21)と、
前記室内機(12)への吸込空気の温度を検出する吸込温度センサ(27)と、
前記室内機(12)への吸込空気の湿度を検出する吸込湿度センサ(28)と、
前記室内機(13)からの吹出空気の温度を検出する吹出温度センサ(29)と、
前記吸込湿度センサ(28)により検出される吸込空気の湿度を所定の目標値に調整するべく、前記圧縮機(17)の運転周波数を制御して前記第1室内側熱交換器(18)による除湿能力を調整する湿度制御部(33)と、
前記吸込温度センサ(27)により検出される吸込空気の温度と前記吹出温度センサ(29)により検出される吹出空気の温度との差を所定の目標値に調整するべく、前記流量調整機構(21)を制御して第2室内側熱交換器(19)による再熱能力を調整する第1温度制御部(31)と、
前記流量調整機構(21)による調整量が下限に達し、前記第1温度制御部(31)によって当該調整量を更に減少させることができない場合に、当該調整量を増大させる制御を行う温度領域に室内の温度を移行させるように前記圧縮機(17)の運転周波数を制御する第2温度制御部(32)と、
を備えていることを特徴とする空気調和装置。 - 前記第1温度制御部(33)は、吸込空気と吹出空気との温度差の目標値を、吸込空気の温度とその目標温度との偏差に基づいて更新する更新部(46)を有している請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記冷媒回路(14)は、前記圧縮機(17)から吐出された冷媒を前記室外側熱交換器(15)と前記第2室内側熱交換器(19)とに分配して供給するとともに、前記室外側熱交換器(15)と前記第2室内側熱交換器(19)とを通過した冷媒を当該第1室内側熱交換器(18)に供給する冷媒配管(36,37,40)と、前記室外側熱交換器(15)を通過した冷媒を膨張・減圧する第1膨張弁(20)と、第2室内側熱交換器(19)を通過した冷媒を膨張・減圧する第2膨張弁(21)と、を備えており、前記第2膨張弁(21)が、第2室内側熱交換器(19)への流量を調整する流量調整機構を構成している請求項1又は2に記載の空気調和装置。
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