JP2011132823A - ブーツシール - Google Patents

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Abstract

【課題】相対変位型VCRエンジンに取り付けられ、シール性能と取付作業性に優れるブーツシールを提供すること。
【解決手段】ブーツシール1のなかでシリンダブロック80に取り付けられる部分(シリンダ取付部2)の一部を、シリンダヘッドガスケット20で構成する。シリンダヘッドガスケット20のシール機能によって、ブーツシール1をシリンダブロック80にシール性高く取り付けることができる。また、シリンダヘッドガスケット20をシリンダブロック80に取り付ける際に、シリンダ取付部2をシリンダブロック80に取り付けることができるため、ブーツシール1の取付作業性が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に配設されるブーツシールに関する。
車両の走行状態に応じて混合気の圧縮比を変化させるエンジン(所謂、可変圧縮比エンジン、VCRエンジン)が知られている。VCRエンジンによると、低負荷時に圧縮比を高くすることでトルクを引き出すことができ、高負荷時に圧縮比を低くすることでノッキングを抑制することができる。
エンジンの圧縮比を変化させる技術の一種として、燃焼室の容積を変化させる技術が提案されている。燃焼室の容積を変化させる方法として、シリンダブロックとクランクケースとの少なくとも一方を移動させて両者の相対位置を変化させることで燃焼室の容積を変化させる技術がある。以下、この技術に基づくエンジンを相対変位型VCRエンジンと呼ぶ。
相対変位型VCRエンジンにおいては、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置が変化する。一般には、シリンダブロックが上下方向に移動して、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置が変化する。このため、相対変位型VCRエンジンにおいては、シリンダブロックとクランクケースとの間からブローバイガスが流出する可能性がある。このブローバイガスの流出を抑制するために、クランクケースとシリンダブロックとの間をシール材によってシールする技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
図4に示すように、特許文献1、2に紹介されている技術によると、シリンダブロック180とクランクケース190との間にリング状のシール部材200を介在させている。詳しくは、シール部材200はクランクケース190の内周面に形成されているシール溝199に嵌め込まれる。シリンダブロック180が移動すると、シリンダブロック180の側面(外周面)はシール部材200に摺接する。或いは、図示しないが、シール部材200はシリンダブロック180の外周面に形成されているシール溝に嵌め込まれる。この場合、シール部材200はシリンダブロック180の移動に伴って移動し、クランクケース190の側面(内周面)に摺接する。このため、シリンダブロック180とクランクケース190との間300はシール部材200で覆われ(シールされ)、ブローバイガスの流出が抑制される。
この種のシール部材200によってシリンダブロック180とクランクケース190との間を気密にシールするためには、シール部材200をシール溝199に対して正しい位置(深さ)に嵌め込む必要がある。このため、シール部材200をシール溝199に嵌め込むための専用の治具が必要であった。また、嵌め込み作業を行う作業者は、技術に熟練する必要があった。さらに、シール部材200に対するシリンダブロック180(またはクランクケース190)の当接箇所は、シリンダブロック180の移動に伴って変化する。このため、シリンダブロック180とクランクケース190との間を気密にシールするためには、シリンダブロック180の外周面、クランクケース190の内周面、およびシール部材200を寸法精度高く成形する必要があった。
シール部材として、シリンダブロックとクランクケースとの間を覆う蛇腹筒状のブーツシールを用いれば、ブーツシールがシリンダブロックとクランクケースとの相対移動に追従して変形し、シリンダブロックとクランクケースとの間を気密にシールできると考えられる。しかし、ブーツシールをシリンダブロックおよびクランクケースに取り付ける作業もまた煩雑であり、上述したシール部材と同様に、特殊な治具や作業者の熟練を要する。したがって、相対変位型VCRエンジンに取り付けられ、シール性能と取付作業性に優れるブーツシールが望まれている。
特開2009−114989号公報 特開2006−316770号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、相対変位型VCRエンジンに取り付けられ、シール性能と取付作業性に優れるブーツシールを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のブーツシールは、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置を変化させて燃焼室の容積を変化させる可変圧縮比エンジンに取り付けられ、該シリンダブロックと該クランクケースとの間を覆うシール部材であって、
該シリンダブロックに取り付けられるシリンダ取付部と、該クランクケースに取り付けられるクランク取付部と、弾性変形可能な材料からなり蛇腹筒状をなし該シリンダ取付部と該クランク取付部とに接続されている変形部と、を持つ筒状をなし、
該シリンダ取付部は、シリンダヘッドと該シリンダブロックとで挟持され該シリンダヘッドと該シリンダブロックとの間をシールする金属製のシリンダヘッドガスケットと、該シリンダヘッドガスケットの周縁部に形成されているとともに少なくとも一部が該変形部に埋設されている中板部と、を持つことを特徴とする。
本発明のブーツシールは、下記の(1)または(2)を備えるのが好ましく、(1)および(2)を備えるのがより好ましい。
(1)前記中板部は、前記シリンダヘッドガスケットから前記変形部に向けて湾曲し、インサート成形により前記変形部に埋設されている。
(2)前記変形部の一部は前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとで挟持される。
本発明のブーツシールは、上述した相対変位型VCRエンジンに取り付けられるシール部材であり、蛇腹筒状の部分(変形部)を持つブーツシールである。このため、本発明のブーツシールは、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動に追従して変形し、シリンダブロックとクランクケースとの間を気密にシールできる。
また、本発明のブーツシールは、シリンダブロックに取り付けられる部分(シリンダ取付部)と、クランクケースに取り付けられる部分(クランク取付部)とを持つ。そして、本発明のブーツシールにおいては、シリンダ取付部の一部としてシリンダヘッドガスケットを用いている。このため、シリンダヘッドガスケットをエンジンに取り付ける作業とブーツシールをシリンダブロックに取り付ける作業とを同時におこなうことができる。よって、本発明のブーツシールは取付作業性に優れる。
なお、本発明のブーツシールにおけるシリンダ取付部は、シリンダヘッドガスケットと、シリンダヘッドガスケットの周縁部に形成された中板部と、から構成されている。例えば、金属製の中板部をシリンダヘッドガスケットの周縁部に固着するとともに変形部に埋設する場合には、シリンダヘッドガスケットとして通常のものを用いつつ中板部によってシリンダヘッドガスケットと変形部とを接続できる。中板部はシリンダブロックに対するシール機能を持たなくて良いため、簡単な構造にできる。さらに、金属製の中板部によってシリンダヘッドガスケットを補強できる利点もある。中板部によってシリンダヘッドガスケットを補強することで、ブーツシールの耐久性を向上させ、シール性能の信頼性を向上させることができる。すなわち、本発明のブーツシールは、安価に製造でき、かつシリンダブロックとクランクケースとの間を信頼性高くシールできる。
ところで、インサート成形により中板部を変形部に埋設する場合、変形部を成形した後にブーツシールを成形型から取り出す際に、中板部が反り変形する場合がある。中板部が反り変形すると、中板部に固着されているシリンダヘッドガスケットもまた反り変形する可能性がある。シリンダヘッドガスケットが大きく反り変形すると、シリンダヘッドガスケットのシール性能が低下する可能性がある。
上記(1)を備える本発明のブーツシールにおける中板部は、湾曲形状をなすために変形し難い。中板部が変形し難い形状であれば、変形部の熱収縮に伴う中板部(およびシリンダヘッドガスケット)の反り変形や、成形型から脱型する際に生じる変形を防止できる。このため、上記(1)を備える本発明のブーツシールは、さらにシール性能に優れる。
上記(2)を備える本発明のブーツシールによると、変形部をシリンダヘッドとシリンダブロックとで挟持することで、変形部のシリンダヘッドガスケットに対する相対移動を抑制でき、シリンダ取付部と変形部との剥離を抑制できる。このため、上記(2)を備える本発明のブーツシールは、耐久性に優れる。換言すると、上記(2)を備える本発明のブーツシールは、シリンダブロックとクランクケースとの間を信頼性高くシールできる。
実施例1のブーツシールを模式的に表す斜視図である。 実施例1のブーツシールを図1中A−A位置で切断した様子を模式的に表す断面図である。 実施例2のブーツシールを図1中A−A位置と同位置で切断した様子を模式的に表す断面図である。 シリンダブロックおよびクランクケースに取り付けられている従来のシール部材を模式的に表す断面図である。
本発明のブーツシールにおけるシリンダヘッドガスケットは金属製である。ここでいう金属製とは、主材料が金属であることを指し、例えば、金属製のシリンダヘッドガスケットの表面に樹脂皮膜がコートされているもの等を含む概念である。金属製のシリンダヘッドガスケットは剛性に優れるため、変形部に一体化しても変形し難い。
クランク取付部は、クランクケースに取り付けられてクランクケースをシールし、かつ、蛇腹筒状の変形部に一体化される環状をなせば良い。クランク取付部をクランクケースに取り付ける方法は、係止、締結、接着、かしめ等、既知の方法を選択できる。クランク取付部の径方向の長さや軸方向の長さは特に限定されず、クランク取付部の径方向の長さや軸方向の長さは一定長さであっても良いし、部分毎に異なる長さであっても良い。なお、クランク取付部の材料は、変形部と同じ材料であっても良いし、異材であっても良い。
本発明のブーツシールにおけるシリンダ取付部は、上述したように、シリンダヘッドガスケットと中板部とを持つ。中板部は、シリンダヘッドガスケットの周縁部に形成されている。シリンダヘッドガスケットと中板部とは、溶接、ろう付け、接着、かしめ等の公知の方法で固着一体化すれば良い。また、シリンダヘッドガスケットの周縁部を延長して中板部とすることもできる。なお、中板部の材料としては、金属を選択しても良いし、金属以外の材料を選択しても良い。金属製の中板部はシリンダヘッドガスケットに溶接できるため、シリンダヘッドガスケットと中板部とを容易かつ強固に一体化できる。
変形部は、シリンダ取付部とクランク取付部とに接続される。したがって、シリンダ取付部およびクランク取付部は、それぞれ変形部に一体化されている。詳しくは、シリンダ取付部と変形部とは、中板部の少なくとも一部が変形部に埋設されることで、互いに一体化されている。中板部を変形部に埋設する方法としては、中板部と変形部とをインサート成形により一体成形する方法を用いるのが好ましい。この場合には、シリンダ取付部と変形部とをさらに強度高く一体化できる。この場合、中板部に貫通孔状のアンカー孔を設け、このアンカー孔の内部に変形部が入り込むようにすれば、シリンダ取付部と変形部とをさらに強度高く一体化できる。クランク取付部の材料は、変形部と同じ材料であっても良いし、異材であっても良い。また、クランク取付部は溶着、接着、かしめ等の既知の方法で変形部と一体化できるが、変形部と一体成形するのが好ましい。変形部の長さ、襞(山部、谷部)の数や向き等は、シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケースの形状や配置、相対移動量に応じて適宜設計すれば良い。
以下、本発明のブーツシールを具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1のブーツシールは、上記(2)を備える。実施例1のブーツシールを模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1のブーツシールを図1中A−A位置で切断した様子を模式的に表す断面図を図2に示す。以下、本明細書において、上、下、左、右、前、後とは、図1に示す上、下、左、右、前、後を指す。
実施例1のブーツシール1は、相対変位型VCRエンジンのシリンダブロック80とクランクケース9との間を覆うシール部材である。詳しくは、実施例1のブーツシール1を取り付ける相対変位型VCRエンジンにおいて、シリンダブロック80は上下方向に移動する。シリンダブロック80に取り付けられているシリンダヘッド81もまたシリンダブロック80と一体に移動する。このため、シリンダブロック80とクランクケース9との相対位置が変化し、燃焼室の容積が変化する。実施例1のブーツシール1は、このシリンダブロック80とクランクケース9との間を覆う。
詳しくは、実施例1のブーツシール1は、シリンダ取付部2と、クランク取付部3と、変形部4と、を持つ。シリンダ取付部2は、ブーツシール1のなかでシリンダブロック80に取り付けられる部分である。クランク取付部3は、ブーツシール1のなかでクランクケース9に取り付けられる部分である。変形部4は、シリンダブロック80とクランクケース9との間を覆う部分であり、蛇腹部42とシリンダ連結部41とから構成されている。シリンダ連結部41は、シリンダ取付部2(詳しくは後述する中板部21)の一部を埋設する部分である。変形部4はクランク取付部3と一体に成形されている。変形部4は蛇腹筒状をなす。シリンダ取付部2は、変形部4の軸方向の一端部に固着され、複数の開口(詳しくは、複数のピストン用開口28および複数の周辺部材用開口29)を持つ。クランク取付部3は、変形部4の軸方向の他端部に一体成形され、リング状をなす。したがって実施例1のブーツシール1は、全体として筒状をなす。以下、シリンダ取付部2、クランク取付部3、および変形部4について詳細に説明する。
シリンダ取付部2は、シリンダヘッドガスケット20と中板部21とを持つ。シリンダヘッドガスケット20は、金属製であり板状をなす。シリンダヘッドガスケット20は、複数個(エンジンのピストン(図略)に対応する数)のピストン用開口28と、複数個(エンジンの冷却系統、潤滑系統等のピストン周辺部材(図略)に対応する数)の周辺部材用開口29と、を持つ。各ピストン用開口28の周縁部には、それぞれ、リング状をなすシール凸部22が設けられている。
中板部21は、亜鉛めっき鋼板の一種であるSGCCを材料としてなり、角リング状をなす。中板部21の内側周縁部は、下方に屈曲する段差状をなす。中板部21の外側周縁部は、貫通孔状のアンカー孔23を複数個持つ。中板部21の内側周縁部は、シリンダヘッドガスケット20の外側周縁部に溶接されている。このため、中板部21はシリンダヘッドガスケット20よりも上方に配置されている。このシリンダヘッドガスケット20と中板部21との一体品は、実施例1のブーツシール1におけるシリンダ取付部2を構成している。シリンダ取付部2は、後述する変形部4およびクランク取付部3と一体成形(インサート成形)されている。詳しくは、変形部4は、中板部21の外側周縁部を覆っている。したがって、中板部21は変形部4に埋設されている。中板部21のアンカー孔23には、変形部4の一部が充填されている。このため、シリンダ取付部2と変形部4とは強固に一体化されている。
変形部4およびクランク取付部3は、TPEE(ポリエステル系熱可塑性エラストマ)を材料としてなり、一体に射出成形されている。変形部4は、径方向内側に陥没する谷部40を一つ持つ蛇腹筒状をなす。変形部4の軸方向の一端部であるシリンダ連結部41は、中板部21の外側周縁部を覆っている。シリンダ連結部41の内側周縁部の下面には、リング状をなし下方に突起する第1シールリブ42が設けられている。
変形部4の軸方向の他端部に一体化されているクランク取付部3は、略リング状をなす。詳しくは、クランク取付部3の内側周縁部は変形部4の軸方向の他端部に一体化されている。クランク取付部3の外側周縁部の下面には、下方に突起するリング状の係止部30が設けられている。係止部30は、クランク取付部3の外側周縁部全周に設けられている。係止部30の内周壁と外周壁とには、突起形状の第2シールリブ31が設けられている。
図2に示すように、実施例1のブーツシール1が取り付けられるシリンダブロック80の上面は平面である。シリンダヘッド81はシリンダブロック80の上方に配置されている。シリンダヘッド81の下面(シリンダブロック80に対向する面)は段差形状をなす。詳しくは、シリンダヘッド81の下面における周縁部は、下面における中央部に比べて段差状に陥没している。したがって、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との距離は、シリンダヘッド81とシリンダブロック80とからなるシリンダ部材8の中央部において狭く、周縁部において広くなっている。
実施例1のブーツシール1をシリンダブロック80およびクランクケース9に取り付けた取付状態(図2に示す)において、シリンダ取付部2の一部であるシリンダヘッドガスケット20は、シリンダヘッド81とシリンダブロック80とで挟持され、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間をシールする。詳しくは、シリンダヘッドガスケット20は、シリンダ部材8の中央部において、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間に挟持される。シリンダ連結部41は、シリンダ部材8の周縁部において、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間に挟持される。シリンダヘッド81とシリンダブロック80とは、シリンダ取付部2およびシリンダ連結部41を挟持した状態で、図略のボルトにより締結される。したがってシリンダ取付部2は、シリンダヘッドガスケット20のシール機能により、シリンダブロック80に対してシール性高く取り付けられる。なお、シリンダ取付部2は、シリンダヘッドガスケット20をシリンダ部材8に取り付ける際に、シリンダ部材8に取り付けられる。このため実施例1のブーツシール1は取付作業性に優れる。
一方、クランク取付部3の係止部30は、クランクケース9の上面に設けられ上方に開口している係止溝90に挿入される。係止部30の第2シールリブ31は、係止溝90の溝壁に圧接する。したがって、クランク取付部3はクランクケース9に係止する。クランクケース9の上面には、リング板状の保持部91がボルト締結される。このため、クランク取付部3は、クランクケース9と保持部91とによって挟持され、クランクケース9にシール性高く取り付けられる。このとき、シリンダ取付部2およびクランク取付部3に一体化されている変形部4は、シリンダブロック80とクランクケース9との間を外側から覆う。シリンダ取付部2がシリンダブロック80に取り付けられ、クランク取付部3がクランクケース9に取り付けられることで、実施例1のブーツシール1は相対変位型VCRエンジンに取り付けられ、シリンダブロック80とクランクケース9との間を覆う。このため、実施例1のブーツシール1によると、シリンダブロック80とクランクケース9との間から外界へのブローバイガスの流出を抑制できる。
なお蛇腹筒状をなす変形部4は、シリンダブロック80の上下動に追従して変形する。このため、実施例1のブーツシール1は、シリンダブロック80およびクランクケース9に対して位置ズレし難く、シリンダブロック80とクランクケース9との間を気密にシールできる。
また、図2に示す取付状態において、変形部4の一部であるシリンダ連結部41はシリンダヘッド81とシリンダブロック80とで挟持され、シリンダ連結部41の第1シールリブ42はシリンダブロック80の外側周縁部上面に圧接する。このため、実施例1のブーツシール1においては、変形部4(シリンダ連結部41)もまたシリンダブロック80に対するシール機能を担っている。このことによっても、実施例1のブーツシール1は、シリンダブロック80に対するシール性能に優れる。
さらに、シリンダ連結部41をシリンダヘッド81とシリンダブロック80とで挟持したことで、シリンダヘッドガスケット20に対する変形部4の相対移動を抑制でき、シリンダ取付部2と変形部4との剥離を抑制できる。このため、実施例1のブーツシール1は耐久性に優れ、シリンダブロック80とクランクケース9との間を信頼性高くシールできる。
なお、シリンダ連結部41によるシール機能は補助的なものであり、シリンダ連結部41はシール機能を持たなくても良い。例えば、取付状態において、シリンダ連結部41とシリンダヘッド81との間や、シリンダ連結部41とシリンダブロック80との間は、一部または全体が離間していても良い。或いは、シリンダ連結部41は、取付状態において、シリンダ部材8よりも外側に配置しても良い。
実施例1のブーツシール1におけるクランク取付部3は、クランクケース9の上面に取り付けられている。クランク取付部3を固定する保持部91もまた、クランクケース9の上面に取り付けられている。このため、実施例1のブーツシール1は、容易かつシール性高くクランクケース9に取り付けられる。これは以下の理由による。
ブーツシール1はシリンダブロック80とクランクケース9との間を覆う部材である。このため、クランク取付部3をクランクケース9の側面に取り付ける場合には、クランク取付部3によってクランクケース9の側面全周を覆う必要がある。また、クランク取付部3を保持部91とクランクケース9とで挟持するために、保持部91をクランクケース9の側面に対応する三次元形状にする必要がある。この場合、クランク取付部3をクランクケース9の側面にシール性高く取り付けるためには、クランクケース9の側面全周にわたった複数箇所で、保持部91をクランクケース9にボルト締結する必要がある。よってこの場合には、クランク取付部3をクランクケース9の上面に取り付ける場合に比べて、ブーツシール1の取付工数が増大する問題がある。クランク取付部3をクランクケース9の上面に取り付ける場合には、これらの問題が生じることはなく、ブーツシール1をクランクケース9に容易かつシール性高く取り付けることができる。
なお、実施例1のブーツシール1における変形部4は、径方向内側に陥没する谷部40を一つ持つ蛇腹筒状をなすが、本発明のブーツシール1における変形部4はこの形状に限定されない。例えば変形部4は、径方向外側に隆起する山部を一つ持つ蛇腹筒状であっても良いし、谷部40と山部とが交互に連なる蛇腹筒状であっても良い。変形部4の形状は、シリンダブロック80および/またはクランクケース9の移動量や、他部材との位置関係等に応じて適宜設定すれば良い。
(実施例2)
実施例2のブーツシールは、上記(1)および(2)を備える。実施例2のブーツシールを図1中A−A位置と同位置で切断した様子を模式的に表す断面図を図3に示す。
実施例2のブーツシール1が取り付けられるシリンダ部材8の形状は、実施例1のブーツシール1が取り付けられるシリンダ部材8の形状と異なる。詳しくは、シリンダヘッド81の下面は平面である。シリンダブロック80の上面は段差形状をなす。シリンダブロック80の上面における周縁部は、上面における中央部に比べて段差状に陥没している。したがって、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との距離は、シリンダ部材8の中央部において狭く、周縁部において広くなっている。実施例2のブーツシール1が取り付けられるクランクケース9は、実施例1のブーツシール1が取り付けられるクランクケース9と同じものである。
実施例2のブーツシール1におけるシリンダヘッドガスケット20は実施例1と同じものである。中板部21、変形部4およびクランク取付部3の材料は、実施例1のブーツシール1と同じである。クランク取付部3のほぼ全体(後述する第1シール部50を除く部分)は、変形部4と一体に成形されている。
シリンダヘッドガスケット20の上面と中板部21の上面とは略面一であり、中板部21の内側周縁部とシリンダヘッドガスケット20の外側周縁部とは溶接一体化されている。中板部21の外側周縁部は下方に向けて湾曲している。換言すると、中板部21は、内側周縁部(シリンダヘッドガスケット20側)から外側周縁部(変形部4側)に向けて湾曲する略椀状をなす。中板部21の外側周縁部は、インサート成形により変形部4に埋設されている。
変形部4は、実施例1のブーツシール1における変形部4と同様に、径方向内側に陥没する谷部40を一つ持つ蛇腹筒状をなす。シリンダ連結部41は、中板部21の外側周縁部を覆っている。詳しくは、シリンダ連結部41のなかで中板部21の下面を覆う部分41aは、シリンダ連結部41のなかで中板部21の上面を覆う部分41bに比べて、中板部21の内側周縁部に向けて長く延出している。
中板部21およびシリンダ連結部41の下側には、略リング状の第1シール部50が配置されている。第1シール部50は、アクリルゴム製であり、中板部21およびシリンダ連結部41とは別体である。第1シール部50の下面には、リング状をなし下方に突起する第1シールリブ42が設けられている。第1シール部50の上面には、リング状をなし上方に突起する第3シールリブ51が設けられている。
シリンダヘッドガスケット20は、シリンダ部材8の中央部において、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間に挟持され、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間をシールする。シリンダ連結部41(41a)は、シリンダ部材8の周縁部において、シリンダヘッド81とシリンダブロック80との間に挟持される。このとき、シリンダ連結部41とシリンダブロック80との間には、第1シール部50が介在する。シリンダヘッド81とシリンダブロック80とは、シリンダ取付部2、シリンダ連結部の一部41aおよび第1シール部50を挟持した状態で、図略のボルトにより締結される。このため、シリンダ取付部2は、シリンダヘッドガスケット20のシール機能と、第1シール部50のシール機能とにより、シリンダブロック80に対してシール性高く取り付けられる。
なお、実施例2のブーツシール1を取り付けるシリンダブロック80の上面中央部は、上方に隆起している。シリンダヘッドガスケット20は、取付状態において、この隆起した部分の上に配置される。したがって、実施例2のブーツシール1におけるシリンダヘッドガスケット20は、シリンダブロック80に容易に位置決めできる。すなわち、実施例2のブーツシール1はシリンダ部材8に容易に取り付けることができる。
実施例2のブーツシール1におけるクランク取付部3は、係止部30の形状以外は実施例1のブーツシール1におけるクランク取付部3と略同形状である。実施例2のブーツシール1における係止部30は、実施例1のブーツシール1における係止部30よりも小形の係止基部35と、リング状をなす第2シール部36とで構成されている。第2シール部36は、アクリルゴム製であり、リング溝状の連結係止溝37と、下方に突起するリング状の第2シールリブ31とを持つ。係止基部35は第2シール部36の連結係止溝37に挿入されている。取付状態において、係止部30は、クランクケース9の係止溝90に挿入される。クランク取付部3は、クランクケース9と保持部91とによって挟持される。したがってクランク取付部3は、クランクケース9に対してシール性高く取り付けられる。
上述したように、シリンダ取付部2はシリンダブロック80に対してシール性高く取り付けられ、クランク取付部3はクランクケース9に対してシール性高く取り付けられる。また、蛇腹筒状をなす変形部4は、シリンダブロック80の移動に追従して変形する。このため、実施例2のブーツシール1は、シリンダブロック80とクランクケース9との間を信頼性高くシールできる。さらに、実施例2のブーツシール1におけるシリンダ取付部2は、シリンダヘッドガスケット20をシリンダ部材8に取り付ける際に、シリンダブロック80に取り付けられる。このため、実施例2のブーツシール1は、取付作業性に優れる。
また、実施例2のブーツシール1における中板部21は、内側周縁部から外側周縁部に向けて湾曲する椀状をなすため、反り変形し難い。したがって、実施例2のブーツシール1における中板部21(および中板部21に一体化されているシリンダヘッドガスケット20)は、変形部4が熱収縮する際にも反り変形し難い。よって、実施例2のブーツシール1は、シリンダブロック80に対するシール性能に優れる。
1:ブーツシール 2:シリンダ取付部 20:シリンダヘッドガスケット
21:中板部 3:クランク取付部 4:変形部
8:シリンダ部材 80:シリンダブロック 81:シリンダヘッド
9:クランクケース

Claims (3)

  1. シリンダブロックとクランクケースとの相対位置を変化させて燃焼室の容積を変化させる可変圧縮比エンジンに取り付けられ、該シリンダブロックと該クランクケースとの間を覆うシール部材であって、
    該シリンダブロックに取り付けられるシリンダ取付部と、該クランクケースに取り付けられるクランク取付部と、弾性変形可能な材料からなり蛇腹筒状をなし該シリンダ取付部と該クランク取付部とに接続されている変形部と、を持つ筒状をなし、
    該シリンダ取付部は、シリンダヘッドと該シリンダブロックとで挟持され該シリンダヘッドと該シリンダブロックとの間をシールする金属製のシリンダヘッドガスケットと、該シリンダヘッドガスケットの周縁部に形成されているとともに少なくとも一部が該変形部に埋設されている中板部と、を持つことを特徴とするブーツシール。
  2. 前記中板部は、前記シリンダヘッドガスケットから前記変形部に向けて湾曲し、インサート成形により前記変形部に埋設されている請求項1に記載のブーツシール。
  3. 前記変形部の一部は前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとで挟持される請求項1または請求項2に記載のブーツシール。
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